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796 Vol.55 No.7 JUL. 2021  軟部組織損傷・障害は臨床の 場で遭遇する頻度が高く,また, 手術適応ではなく保存療法が選 択されるケースが多い.したがっ て,各施設によってプロトコルが整 備されている術後リハビリテーショ ンとは異なり,理学療法士をはじめ とするセラピストの思考力や判断 力が日々試される疾患であるとも いえる.しかしながら,その病態 やアプローチ法は十分に体系化 されておらず,治療者個々の経験 や断片的な情報を組み合わせた アプローチが行われてきた結果, 多くの理論や治療法が世の中に 溢れている.何が正解なのか,不 安を抱えながら軟部組織損傷・障 害からの問いかけに答え続けて いるセラピストが多いのが現状で はないだろうか.  そのような現状に対し,本書は 軟部組織損傷・障害の治療に向 けた羅針盤になりうるというのが 読後に抱いた第一印象である.も ちろんこれは,監修・編集の先生 方,そして執筆された先生方の, 不安を抱えるセラピストに筋道を 示したいという強い想いが結実し たものと推察する.巻末に50ペー ジにわたって掲載された文献リス トを見ても,1つ1つのエビデンス を積み重ね,真摯に1冊の本をつ くり上げたことが感じ取れる.  672ページと大作である本書は 9 章立てで構成され,第1章の総 論では,軟部組織損傷・障害のリ ハビリテーションに対する考え方が エビデンスも含め理論的に紹介さ れている.特にload vs. capacity モデル,メカノバイオロジーについ ての解説は,多くのセラピストの 治療概念に影響を与える考え方 であり,必読し,理解を深めてい ただきたい.各論にあたる第2~ 9 章では,組織ごとに正常構造と バイオメカニクス,病態・回復過程 とその促進・阻害因子,最新のエ ビデンスに基 づいた評価法や治 療プロトコルを解説している.ケー ススタディでは,組織の機能回復 促進に必要な運動負荷を病期や 組織特性に応じて判断していくた めの具体的なアプローチ法が述 べられ,まさに治療者が知りたい 情報が,重厚にまとめられている.  このように病態を理解し,評価・ 治療するという考え方は,他の疾 患においても共通することである. 軟部組織に原因がある患者の治 療に限らず,読者の治療スキルを 高めるヒントが数多く掲載されて いるため,ぜひ参考にしてほしい.  本書は,これまでになかった軟 部組織損傷・障害に関するさまざ まな疾患に対して,具体的な評 価・治療法を明快に示したエポッ ク・メイキングな1冊であるといえ る.

軟部組織損傷・障害の病態と

リハビリテーション

組織特性に基づくアプローチ法の構築

熊井 司,片寄正樹(監修) 小林 匠,窪田智史(編集) B5判・672頁 定価:7,150円(本体6,500円+税10%) メジカルビュー社刊,2021年 [評者]

成田崇矢

 桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツテクノロジー学科 ©IGAKU-SHOIN Ltd, 2021 2021/07/10 04:03:19

参照

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