幼児期の食生活に関す る研究 (
第
5
報)
― 幼 児 の 生 活 行 動 の 実 態 と 一 考 察 ―掛
塚
芳
子
は じ め に 地球上 の生物 には,体 内時計 (生物時計)があ り,私たちの体 内にある総べ ての生体機能 には特有 の リズムがあ り,それ らの間には深 い関わ りがあることは周知 の ことである。 人間は,夜暗 くなる と眠 りにつ き,朝明 る くなる と目覚め活動 す る生活を繰 り返 し て い る。 この睡眠-覚醒 リズムは,数多 くの生体 リズムの中で も代表的な ものである。 この睡眠-覚醒 リズムは, あたか も24時間の明-暗 に一致 して起 っている ようであるが, 時間の手がか りを除 くと, ヒ トの睡眠-覚醒 リズムはフ リーランを起 こし,一 日が25時間前 後 にな り,必ず しも正 しく24時間ではない。 また, 1日 1回の睡眠ではな く, 2日に 1回の 睡眠や, 1
日に何回かの睡眠をさせるように概 日 リズム(
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としての睡眠 しい -覚醒 リズムを崩す と,心身の機能が低下 して くる こともわか って き た.Kl
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日28時間の生活 リズムのもとに洞窟で生活 した ところ, この生活 リズムに同調 できず,覚醒 時 に眠 くて仕方がな く,食事時間にも食べ られ なか った ことを報告 している。 また, 1日に 1回睡眠を とる単相性睡眠が明 らかになるのは, 5歳以上 とされている。 しか し,新生児期 に も,多相性睡眠を とるにして も, おおまかな概 日 リズムが存在す る とい う研究 もある。 ところで,最近 の子 どもたちの生活行動 は,次第 に夜型 に移行 し始め夜 ふか し (遅寝)の 傾 向が著 しい といわれている。総理府青少年対策本部 の調査 による と,諸外 国の子 どもたち に比較 し, 日本 の子 どもの,就寝時刻が,平均値 で午後10時36分 で,調査 国中一番遅寝国で あるOその原因の一つには, テ レビの視聴時間が他国に比較 して飛び抜けて長時間であ り, 反面,家 に帰 ってか らの戸外遊びの時間が少 ない ことがわか った。 日本放送協会が行 っている 「日本人の生活時間」調査 に よると, 1日 3時間以上 テ レビを 見 る子 どもたちは,全体 の28%を占め,小学生 の生活 に占めるテ レビの ウエ イ トは, ます ま す高 まる一方 であると考察 している。特 に,朝 の時間帯 のテ レビ視聴は,昭和52年頃か ら子 ども向け番組 の早朝編成 もあ って増加の一途 をた ど り,55年では3人 の うち1人が登校前 に テ レビを見ている。 また,早朝編成 の時刻が更 に早 くな り,50年 の7時台か ら,55年は6時 育- と子 ども番組が移行 し,それ に伴 って小学生 のテ レビを見 る人 の率が6時台で飛躍的に 伸びていると報告 している。 このテ レビ視聴時間の長いグループ (秤)は, テ レビ視聴時間の短 いグループに比較 し, 「すいみん」
「学校外 の学習」
「けいこご と ・趣味」な どの時間が短 く,特 に 「学 校 外 の 学72 研究紀要 (第4号) 習」時 間はテ レビ視聴時間の長 さに反比例 してい る。 しか し,子 どもの遊び時間はテ レビ視 聴時間の長 さ とはほ とん ど関係がない ことがわか った。 また,睡眠時問の短 さほ, 当然 の ことなが ら 「す いみん欲求」が高 くな り 「ゆ っく り寝た い」 とい う欲求が 4人 に 1人 の割合 でみ られ ると報告 してい る。 これ ら学童 の生活行動 の実 態 につ いては,大規模 な調査研究 があるが,幼児 の生活行動 の実態調査 は,手間 が 掛 る と か,流動的で把握 しに くいな どの理 由か ら部分的 な調査研究 が多 い。 私共 は,幼児 の食生活 に関す る研究 の一環 として,幼児 の一 日の生活時間 と食生活 の内容 につ いて実態調査 を行 って きたOその結果,幼児 の起床 ・就寝時問が他 の因子 に深 い関わ り があ ることが考察 された。すなわち,夜 ふか し (遅寝 グル ープ)をす る幼児は,起床時問が 遅 く,朝食 までの時間が短 く,家族 と一 緒に朝食 を摂取す ることがで きず,一人 で手軽 な菓 子類 のおやつ を食べて,寝ぼけ まな この まま登園す る とい う不健康 ともいえる現状 が明 らか にな ったO 幼児の生活行動 は流動的であ ると考 え られ るため,再 び,対 象児 を変 えて実態調査 を行 っ た ので,その結果 に多少の考察 を加 えて報告す る。 (一部の結果 につ いては, 第31回 日本小 児保 健学会 にて 口頭発表 した ものを含む) 調 査 方 法 ・対 象 ・期 日 長野市内の幼稚園の園児 (4才以上 )を対 象に,一 日の生活時間内容 と食習慣 に関す る事 項 について調査項 目を定 め調査用紙 と依頼文 を作成 した。調査用紙 は,園長先生 を通 し,令 クラス担任 の先生 か ら園児一人一人 に配布 され,園児の保護者 に記入 していただ いた。 期 日は,昭和58年11月14-16日の問で,期 日の設定 には,幼稚園の行事 日程 の少ない時 を 選 んだ。対象園は,特 に健康教育 に力を入れてい る園であ る。(有効回収率95.0%) 結 果 ・考 察
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対象児の年令構成 と家族構成 対 象児の年 令構成 は, 4才児115名(22.8%), 5才児226名(44.8%), 6才児163名 (32.4 %)で,家族構成 は, 4人家族 が一番多 く50.8%と半数 を占めてい る。 また,一家族 の平均 員数 は4.61人 で, 国民生活 自書 の1960年 の平均値4.51人 に近 い値であ る。(昭和58年,厚生行政基礎調査 では平均員数3.25人である)掛塚 :幼児期の食生活に関す る研究 (第5報) 表1家 族 構 成 員 * 一家族平均 4.61人
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起 床 時 刻 ・目覚 め の状 況 ・年 令 の関 係 表2 起床時刻 .目覚めの状況 ・年齢 の関係 73 A群 :自律起床 B群 :1- 2回起 され る C群 :なかなか起 きない6:00- 6:30- 7:00- 7:30- 8:0 0-図1 起床時刻と年齢 (%) 6:0 0- 6:3 0-
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:0 0- 7:30∼ 8:00∼ 図2 起床時刻と目覚めの状況 (形) 対象児の起床時刻 と起床時の 目覚めの状況を年令別に表わ したのが表2である。 起床時刻は,午前6時∼ 6時30分未満が全体の 5.6% と低 く,午前 6時30分∼ 7時未満が 21.2%,午前 7時∼ 7時30分未満が46.8とはば半数の幼児が この時間帯に起床す る。 午前8時過 ぎに起床す る幼児は全体 の 3.2% (16名) と少数ではあるが遅起 きである。 し か し, この数値は,前回の調査結果 の5.6% (28名)に比較 し,低 い値であ った。 起床時刻 と年令の関係についてみ る と,午前7時前に起床す る早起 きの時間帯で, 4才児 が低い割合を示 したが, 5才, 6才児 ともに他 の時間帯では,年令差がみ られず。前回の調 査結果 と同様の傾向を示 していた。 朝 の目覚めの状況を,④起 されないで自分か ら起 きる ⑧ 1- 2回起 されて起 きる ⑥な かなか起 きない。以上の三つに区分 して分析す る と,④の起 されないで自分か ら起 きる幼児 は全体 の50.6%,(参の1- 2回起 されて起 きる幼児は 38.3%,⑥なかなか起 きない幼児は ll.1% と,ほぼ半数の幼児は起 されないで起 きることがわか った。 そ こで,それ ら目覚めの状況 と起床時刻 との間に どの よ うな関係があるかを表わ したのが 図2である。起床時刻が早いグループ (午前6時30分 までに起床す る)の幼児では,82.1% が 自分で起 きるのに対 して午前8時過 ぎの起床 グループでは 自律起床す る幼児は ゼ ロ で あ る。起床時刻が遅 くなるに従 って,④起 されないで 自分か ら起 きる割合は 減 少 し,反面, ⑧1- 2回起 されて起 きる, または⑥ なかなか起 きない とい う幼児の割合は増加 し,明 らか に差がみ られた.(
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掛塚 :幼児期の食生活に関する研究 (第5報) 75 す なわ ち,朝 の 目覚めの状況 のちがい と起床時刻 との間には深 い関わ りがあ る こ と が わ か った。 3.就 寝時刻 ・起床時刻 ・年令 .の関係 就寝時刻 と起床時刻 と年令 の状況を表わ した のが表3である。 就寝時刻は,午後 8時∼ 8時30分未満が全体 の2
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,午後 8時30分∼ 9時未満 が31
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表3 起床時刻 ・就寝時刻 ・年齢の関係 (%)76 研究紀要 (第4号) 図3 年齢別就寝時刻の変化(%) 図4 起田 寺刻が異なるグループの就寝時刻の関係(%) と午後9時前に53.3%の幼児が就寝 している。 また,午後9時∼ 9時30分未満の間に就寝す る幼児の割合は36.2%,午後9時30分∼10時未満が9.3%で,わずか1.2% (6名)の幼児が 午後10時過 ぎに就寝 している。前回の調査結果 の7.2% (32名) と比較 し,低い値である。 就寝時刻 と年令の関係 を図3に表わ したが,午後9時30分を過 ぎて就寝す る幼児の割合 と 午後8時30分∼ 9時未満に就寝す る幼児の割合は年令差がみ られなか った。 しか し,午後8時∼ 8時30分未満に就寝す る幼児の割合 と午後9時∼ 9時30分未満に就寝 す る幼児の割合は年令差 がみ られた。(P<0.05) す なわち,午後
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時∼8
時30分未満 の早寝 の幼児は,年令が低い程多い ことがわか った。 起床時刻 と就寝時刻の関係を図4に表わ したが,起床時刻が午前6時∼ 6時30分 とい う早起 きグループの幼児は午後8時∼ 8時30分の問に51.7%の幼児が就寝 しているのに対 して,近 床時刻が午時8時過 ぎ とい う遅起 きグループの幼児 では午後 8時∼ 8時30分の問に就寝す る ものはゼロである。 また,前者 では午後9時30分以降就寝す る幼児はゼ ロであ り, この時間 帯に後者は26.7%が まだ起 きている。起床時刻 と就寝時刻の間には深 い関わ りがみ られた。(
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すなわ ち,就寝時刻が遅 い幼児は,起床時刻が遅 い とい う前回の調査結果 と同傾 向であ った。掛塚 :幼児期の食生活に関する研究 (第5報)
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すいみ ん (睡眠時間)・目覚 めの状況 ・年 令の関係 表4 睡眠時刻 ・目覚めの状況 ・年齢の関係 77 A群 :自律起床 B群:1- 2回起される C群 :なかなか起 きない 睡 眠時 間 の長 さ と年 令 の関係 は,図5に表わ した が,睡 眠時 間 が11- 12時 間未満 の時 間帯 にお いて, 4才児 と6才児 に差 がみ られた が, その他 の ところでは有意 差 がみ ら れ な か っ た。 また睡眠時 問 と,朝 の 目覚 めの状 況 との関係 は, 図6の通 りであ る。 自分 か ら起床す る幼 児 の割合は,睡 眠時 間 が長 くな って も変化 が な く反面,起 して もなか なか起 きない幼児 の割 合 は, やは り睡眠時 間 が長 くな って も減少 せず 両者 ともに有意差 は ない。 この項 目は,前 回 の調査項 目には なか ったが, 以外 な結果 を得 た。 す なわ ち,幼児 にお いては,朝 の 目覚 めの状 況は,睡 眠時 間の長 ・短 には ほ とん ど影響 が な く, む しろ就寝時 問 と起床時 問 と深 い関わ りがあ る こ とを裏付 け てい る と考 え られ る。5
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テ レビの視聴時間 と就 寝時刻 ・年 令 との関係 テ レビの視聴時 間は,一 日60-90分未満 で28.7% , 90- 120分未 満 で25.8% , 120分∼ 150 分・未満 で27.8% , 150- 180分未満 で7.5% , 180分以上 で10.1% の割合 で,一 日150分 までの 視聴時 間 では年 齢差 が な く,わず かに4才児 で長時 間視聴者 が少 なか った。研究紀要 (第4号) 8 9 10 11 12時 間 図5 睡眠時間と年齢別 60- 90- 120- 150- 18 0-図 7 年齢別テ レビの視聴時間 (%) ・- 自律起床 。- 1-2回起される 一一-なかなか起きない ■一、、㌧一一 一一一
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I--一一 -- I---I-1J 8- 9- 10- 11- 12時 間 図 6陸ヨ民時間の長さと目覚め状況 (%) 60- 90- 120- 150- 180-分 図8 就寝時間とテ レビ視聴時間 (%)掛塚 :幼児期の食生活に関する研究 (第5報) 79 就寝時刻の比較的早いグループ (午後9時前に就寝する幼児,269名,53.3%)と就寝時 刻の遅いグループ (午後9時以降に就寝す る幼児,235名,46.7%)のテ レビ視聴時間を比 較 した ところ,早寝 グループでは,テ レビ視聴時間が60分∼90分 と比較的短時間の視聴範囲 で有意に高い割合を示 していた。その他の時間帯でもわずかではあるが早寝 グループの方が 視聴時間が短 い割合を示 していた。 要 約 幼児の生活指導の一指針を得 るため,幼児504名 (4才児115名, 5才児226名, 6才児163 名)について,一 日の生活行動調査を行 った。その うち,基本的な起床 ・就寝 ・睡眠時問の 関係 とそれ らに関わる2- 3の項 目について,その結果 と考察を要約すると次の 通 りで あ る。 (1)対象児の家族構成は, 4人家族が一番多 く50.8%で,次いで5人家族22.8%, 6人家族 13.5%, 3人家族6.9%, 7人家族5.4%, 8人家族0.6% (3家族)であ り,一家族の平均 員数は4.61人で国民生活自書に よる1960代の平均値に近か った。 これは,≡世代家族が多い ため と考え られる。 (2)幼児の起床時刻は,午前7時∼ 7時30分未満が全体の46.8%でこの時間帯が一番多い。 前回の調査結果44.4%とはば近 い値である。 この時間帯を中心に±30分で90%以上 の幼児が 起床 している。 しか し,起床時間が午前8時過 ぎになる幼児がわずかにみ られた。 この時間 帯に起床する幼児は全体の3.2%であるが,前回の5.6%に比較 し低い値である。すなわち遅 起 きの幼児は比較的少数であることがわか った。 (3) 朝の目覚めの状況を,起床時刻別に分折 した結果,起床時刻が早いグループ (午前6時 30分 までに起床する幼児)では,82.1%が起 されないで自分か ら起 きる (自律起床)のに対 して,遅起 きのグループ (午前8時過 ぎに起床す る幼児)で, 自律起床するものはゼロであ る。また,起床時刻が遅 くなるに従 って,"1- 2回起 されて起 きる", とか "なかなか起 き ない" とい う幼児の割合は増加 し,明らかに有意差がみ られた。
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幼児の就寝時刻は,午後8時∼ 8時30分未満が全体の21.6%,午前8時30分∼ 9時未満 が31.7%と午後9時前に53.3%の幼児が就寝 している。また,午後9時∼ 9時30分未満に就 寝する幼児の割合は36.2%,午後9時30分∼10時未満が9.3%で,わずか1.2%の幼児が午後 10時過 ぎに就寝 している。前回の調査結果の7.2%と比較 し有意に低い値であ った。 就寝時刻 と年令の問には,早寝 グループ (午後8時30分 までに就寝する幼児)に4才児が 多か った。80 研究紀要 (第 4号) (5) 起床時刻 と就寝時刻の関係は,早起 きグル ープ (午前6時30分 までに起床す る幼児)で は早寝傾向 (午後8時∼ 8時30分未満51.7%)を示 したが,遅起 きグル ープ (午前8時過 ぎ に起床す る幼児)では,早寝す る幼児はゼ ロである。前者では,全員が午後9時30分には就 寝 しているのに対 して,後者は,同時刻に26.7%の幼児が まだ就寝せず起 きている。す なわ ち,就寝時刻が遅い幼児は,有意に起床時刻が遅い とい う前回の調査結果 と同傾 向 を 示 し た 。 (6)睡眠時問は, 9時間∼10時間未満が,全体 の11.0%,10時間∼11時間未満が64.6%,ll 時間∼12時間未満24.4%, とほほ10時∼11時間が全体 の3分の 2を占めている。 (7)睦眠時間 と年令の間には,睡眠時問が11時間∼12時間未満で4才児 と6才児に差がみ ら れた。すなわち, 4才児は, 6才児に比較 し睡眠時問が長 いことがわか ったが, 5才児 と6 才児 では有意 な差がなか った。 また睡眠時問 と朝 の 目覚めの状況では,睦眠時間 が 長 くて も, 自律起床す る幼児の割合に変化 がない ことがわか った。 (8) テ レビの視聴時間は一目60分∼90分未満で28.7%,90分∼120分未満で25.8%,120分∼ 150分未満で 27.8% と約82.3%の幼児が 150分以内である。一 日180分以上視聴す る幼児は全 体 の10.1%で,年令では 4才児にわず かに少 なか った。テ レビ視聴時間 と就寝時刻の閑倭で は,比較的就寝時間が早いグル-プ (午後9時前就寝)で,視聴時間60分∼90分未満 と短時 間視聴範囲で有意に高か った。その他でも,早寝 グループの方が,わずかに視聴時間が短か か った。 以上 の結果か ら,幼児の生活行動 の代表的 な起床時間 ・就寝時間 ・睡眠時問の関係 につい て実験的でな く, ご く自然 の生活時間調査か らほ,睡眠時間の長 ・短 よ りも就寝時問が遅 く なることが,起床時間を遅 くしていると考え られ る。 また, この就寝時問を遅 らせている要 因の一つ として,テ レビ視聴時間の長 さが考え られ る。 これ らの点については,更に,多 く の資料 の分析を行い結論づけを したい。 前回の調査結果 と比較 し,午後10時以降に就寝す る幼児の割合が少な く, また,朝床時間 も午前8時過 ぎになる幼児の割合 も少なか ったが, この点についての検討は,前 にも述べた よ うに対象児の通園 している幼稚園が健康教育に力を入れている点が何か関わ っているのか 否か。あるいは他 の因子が存在す るのか今後の課題 としたい。 また, この幼児に とって遅寝 と思われるグループの中に,睡眠遅延症候群(DelayedSleep PhaseSyndrome‥-・DSPS)と思われ る幼児が含 まれ るのか。 また,幼児期が多相性睡眠か
ら単相性睡眠-の移行期 であることな どを考え,幼児の生物時計の調整 と生活指導の関係に つ いても今後のテーマ としたい。
掛塚 :幼児期の食生活に関す る研究 (第5報) 81 く, ご協力 くださった対象園の園長先生をは じめ諸先生方, また,保護者の皆様に心か らお 礼申 しあげ ます。 また, この調査の実行段階で共にご苦労 くだ さった本学の小児栄養研究室の黒岩久美子 さ ん (現在,信学会松本神映幼稚園勤務) と斎藤三和子 さん (現在,聖 フランシス コ保育園勤 香)の現場でのご活躍を祈 ると共に,感謝いた します。 参 考 文 献
(1) Kleitman.N.;SleepandWakefulness.2nded.,Univ.Chicago.Press,Chicago1963, (2) 遠藤四郎 ・福田秀樹 ;生体 1)ズムとしてみた ヒ トの睡眠,精神医学,22(5),1980. (3) 稲村博 ・小川捷之編者 ;生活 リズム,共立出版,1982. (4)瀬川昌也 ;小児の睡眠をめ ぐる諸問題,精神医学,22(5),1980. (5) 日本放送協会 ;日本人の生活時間,日本放送出版協会,1975. (6) 日本放送協会 ;日本人の生活時間, 日本放送出版協会,1980. (7) 総理府青少年対策本部編 ;国際比較, 日本の子どもと母親,国際児童年記念調査中 間 報 告 書, 1980. (8) 掛塚芳子 ',幼児期の食生活に関する研究 (第4報)幼児の生活 l)ズムと食習慣に関する一考察, 清泉紀要(2),1984. (9) 掛塚芳子 ;幼児の生活 リズムと食欲に関する一考察,家庭科教育59的,家政教育社,1985. (10) 中川八郎編 :生物 リズムと生物時計,蛋白質 ・核酸 ・酵素,1982,共立出版