• 検索結果がありません。

<原著>社会的スキルの自己評価と対人不安との関連

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<原著>社会的スキルの自己評価と対人不安との関連"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)        

(2) . 川崎医療福祉学会誌   原  著. 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連 原田朋枝½   島田   修¾  . 要     約 本研究では ,社会的スキルの自己評価と対人不安との関連について検討することを目的とした .大. 名を対象に ,  (  )と対人不安意識尺度を用いて調査を実施し ,社. 学生. 会的スキルの自己評価と対人不安を測定した . その結果,自分の社会的スキルを低く評価している人ほど 対人不安を感じやすいことが示された . また ,社会的感受性は対人不安に対して他の社会的スキルとは関連の仕方が異なり,自分の社会的感 受性を高く評価している人ほど 対人不安を感じやすいことが示された.さらに ,社会的スキルの違い によって関連する対人不安の側面に違いがあることが示された.. 序. ている被験者には独立した. 論.  つのグループが存在す . ることが指摘されている.第 のグループは ,実際. 人は誰しも,目上の人と会話をしたり,人前で発. に社会的スキルが不足していると同時に自分の社会. 言したりといった対人場面で不安や緊張を経験した. 的スキルが不足していることを認識しており,その. ことがあるだろう.これらの対人場面で経験する不. 結果として対人不安を感じているというグループで.   )と呼ばれてい. ある.第 のグループは ,優れた社会的スキルを身. る.対人不安の発生機序については ,これまでの研. に付けているにもかかわらず ,社会的スキルに対す. 安や緊張は対人不安(. . 究において幾つかの理論が提唱されている.それら. る自己評価が低く,その結果として対人不安を感じ. の. ているというグループである  .これらの見解から.  つに ,対人不安の発生・増大の原因を社会的ス. キルの欠如と捉えた「社会的スキル欠如仮説」があ. 社会的スキルの自己評価は ,対人不安の発生・増大. る  .対人不安の高い人と低い人との差異を調べた. にとって重要な役割を果たしている可能性が考えら. 研究では ,実際にスキルが不足している人ほど 対人. れる.. 不安は高くなるという結果が報告されている  . しかし.   の考えに基づき,社会. そこで本研究では,.   は ,実際に社会的スキルが欠如し. 的スキルの自己評価と対人不安との関連について質. . ているという事実よりも ,自分の社会的スキルが欠. 問紙を用いて検討することを目的とした .まず第. 如しているという自己評価の方が ,対人不安を引き. に ,自分の社会的スキルを低く評価している人ほど. 起こす上ではるかに重要であると指摘している.対. 対人不安を感じやすいかど うか検討する .第 に ,. 人不安と社会的スキルの自己評価との関連について. 社会的スキルを一般的なコミュニケーション能力と. 調べた研究では ,社会的スキルの自己評価が低い人. して位置づける. ほど 対人不安は高くなるという結果が報告されてい. スキルの違いによって対人不安との関連の仕方が異. る  .. なるか検討する.. .   の枠組みを用いて ,社会的   は ,社会的感受性に優れ. 以上のように ,対人不安と社会的スキルとの関連. ている人は ,自意識が高く社会的に不安であり,社. については ,異なる つの立場から研究が行われて. 会的相互作用への参加を嫌うようになる可能性があ. きた.しかし ,客観的には優れた社会的スキルを身. ると指摘している.このことから ,自分の社会的感. . に付けていると思われる人たちの中にも,強い対人. 受性を高く評価している人ほど 対人不安を感じやす. 不安を感じている人たちが存在することが指摘され. いと予測した .さらに ,社会的スキルの違いによっ. ている   .また ,異性とつきあう際に対人不安を. て関連する対人不安の側面にも違いがあるのか検討. 経験する人を対象とした研究では ,対人不安を抱い. する..  川崎医療福祉大学大学院  医療福祉学研究科  臨床心理学専攻   川崎医療福祉大学  医療福祉学部  臨床心理学科   倉敷市松島   川崎医療福祉大学 (連絡先)原田朋枝   〒  .

(3) . 原田朋枝・島田   修 方. ション能力として位置づけ,その個人差を測定するた. 法. めに作成した自己報告尺度.  .調査対象者. 名を対象 に実施し ,有効回答者 名(男性 名,女性 名, 平均年齢

(4) !歳)を分析対象とした .無効回 答とした基準は ,性別,年齢の記入漏れおよび  項 川崎医療福祉大学に所属する大学生. 目以上の記入漏れであった..  .調査時期および手続き. 年 月下旬から  月上旬にかけて,講義時間.   .  と記す)を榧野  が翻訳した日本語版  について, 「非常に当てはまらない(  点) 」から 」の 段階で評定を求め 「非常に当てはまる( 点) た .得点範囲は !点" 点であった .日本語版 . ( 以下,. における各下位尺度の具体的内容および項目例は表.  に示す.. (   )対人不安傾向を測定する尺度( 項目). 林・小川   が一般人の中に見られる対人恐怖症. の一部を用いて質問紙を配布し ,集団場面で実施し. 的傾向を測定するために作成した対人不安意識尺度. た .所要時間は. から ,特に対人場面と関連があると思われる つの. 分程度であった ..  .質問紙の構成 (   )社会的スキルの自己評価を測定する尺度(  項目). .  が社会的スキルを一般的なコミュニケー. 表. 下位尺度( Á −対人関係で緊張する悩み, ÁÁ −自分 や他人が気になる悩み, ÁÁÁ −集団に溶けこめない悩 み, ÁÎ −多勢の人に圧倒される悩み,ÎÁÁ−くつろい で人とつき合えない悩み)について, 「非常に当ては. 日本語版  における各下位尺度の具体的内容および項目例. 下位尺度名と具体的内容. 項目例.  .情緒的表現性(   

(5)

(6)   ) :項目 非言語的な情報を媒介として愛情や態度や地位を伝え る社会的技能.この技能は単に姿勢や態度によって情 緒状態を表現する能力だけでなく,情緒状態を自発的 にしかも正確に非言語的コミュニケーションにおいて 表現する能力も含まれる.. ・私は人一倍早口です. ・私は表情に富んだ目をしていると言われます..  .情緒的感受性( 

(7) 

(8)   ) :項目 非言語的情報を媒介として他者の情緒状態や信念,態 度,地位(二者の間でど ちらが優勢かなど )を解読す る社会的技能.. ・私は話の内容だけでなく,その人の身振りにも注目しま す. ・私ほど 感受性が強く,理解力のある人はいないと思いま す..  .情緒的コントロール(    ) :項目 ・私は自分の感情を誰からも分からないように隠すことが 非言語的情報を媒介とした表現を制御する社会的技能. できます. ・私は本当は嬉しくても悲しいふりができます.  .社会的表現性(

(9)   

(10)

(11)   ) :項目 言語的情報を媒介とした表現やその流暢さや会話の きっかけをつくる社会的技能.. ・私はパーティを開くのが好きです. ・私は社交的に活動するのが好きです..  .社会的感受性(

(12) 

(13) 

(14)   ) :項目 言語的情報を媒介とした知識や社会的規範を解読する 社会的技能.. ・私はまわりの人々の持つ雰囲気に非常に影響を受けやす いです. ・私は批判にたいへん敏感です..  .社会的コントロール(

(15)    ) :項目 ・私はグループのリーダーに選ばれることがよくあります. 言語的情報を媒介とした表現を制御する社会的技能. ・私はどんな状況にも,とても容易に順応できます.. 注)榧野(  )に基づき作成. 表. 対人不安意識尺度の項目例. 下位尺度名. 項目例.  .対人関係で緊張する悩み  項目. ・つき合いの長い友人と話をする時も緊張がとれない. ・友達が自分を避けているような気がする..  .自分や他人が気になる悩み:  項目. ・先のことを考えすぎ る. ・他人が自分をどのように思っているのかとても不安になる..  .集団に溶けこめない悩み:  項目. ・集団の中に溶けこめない. ・対人関係がぎこちない..  .多勢の人に圧倒される悩み:  項目. ・人がたくさんいるところでは気はずかしくて話せない. ・会議などの発言が困難である..  .くつろいで人とつき合えない悩み:  項目. ・人と自然につき合えない. ・二人きりでいると 相手を意識してしまって緊張してしまう..

(16) . 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連.  点)」から「非常に当てはまる( 点)」. 段階で評定を求めた .得点範囲は 点"点で あった .具体的な項目例は表  に示す. まらない(. 仕方が異なるか検討するために ,社会的スキルの各. の. 下位尺度ごとにスキル高・低群間における対人不安.  .資料の整理. 調査対象者ごとに ,日本語版. 結果,社会的感受性( (.  と対人不安意識. 尺度の各々の総得点および各下位尺度別得点を算出 した.なお,本調査の分析は全て 結. # を利用した .. 点に有意差が認められた.なお,社会的感受性にお. 果. いてのみ,スキル高群の方がスキル低群よりも対人.  .社会的スキルの自己評価と対人不安の総得点と. 不安総得点が高く,自分の社会的感受性を高く評価. の関連. している群の方が低く評価している群よりも対人不. 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連を検 討するために ,社会的スキル総得点の上位 群(.  検定を行った( 表 ).その   )%" & ' ),社 ,社会 会的コントロール( (  )%!

(17) & ' ) 的表現性( (  )% !& ' ) ,情緒的表現性 ( (  )% & ' )において ,対人不安総得 総得点の差について. 安総得点が高いことが示された.. $ を高.  .社会的スキルの自己評価と対人不安の各下位尺. % ),下位$ を低群( % )に分類し ,社. 度との関連. 会的スキル総得点高・低群における対人不安総得点. 社会的スキルの違いによって関連する対人不安の.  ).図  を見ると ,スキル. 側面にも違いがあるのか検討するために ,社会的. 低群の方がスキル高群よりも対人不安総得点が高い. スキルの各下位尺度ごとにスキル高・低群間におけ. ことが示されている.そこで ,スキル総得点高・低. る対人不安の下位尺度別得点の差について 検定を. 群間における対人不安総得点の差について 検定を. 行った(表. 行った .その結果,スキル総得点高・低群間の対人. 会的表現性 ,社会的感受性 ,社会的コントロール ). の平均値を算出した(図. . . 不安総得点に有意差が認められた( (  )% 

(18) & ' ).このことから ,自分の社会的スキルを低. ).その結果, 「社会的」なスキル(社. の うち ,社会的コント ロールでは ,対人不安の全.   ) %  ; ÁÁ :(  )% ; ÁÁÁ :(  )%

(19)  ; ÁÎ :(  )%

(20) ;ÎÁÁ:(  )%  ,いずれも ' ).また,社会的表現性,社会的感受性では. ての下位尺度で有意差が認められた( Á : (. く評価している群の方が高く評価している群よりも 対人不安総得点が高いことが示された .. それぞれ自分や他人が気になる悩み,集団に溶けこ めない悩みといった対人不安の下位尺度について有 意差が見られなかったものの ,その他の. つの対人. 不安の下位尺度では有意差が認められた(社会的表.   )%  ; ÁÁÁ :(  )%! ; ÁÎ :(  )% !; ÎÁÁ:(  )%  ,いずれも ' .社会的感受性は, Á :(  )%"  ; ÁÁ : (  )%" ; ÁÎ :(  )%" ;ÎÁÁ:(  ) %" ! ,いずれも ' ). 現性は , Á : (. 図. 社会的スキル総得点高・低群における対人不安総 得点. 一方 , 「情緒的」なスキル( 情緒的表現性 ,情緒.  .各下位尺度ごとの社会的スキルの自己評価と対. 的感受性 ,情緒的コント ロール )では ,情緒的表. 人不安総得点との関連. 現性と情緒的感受性において ,集団に溶けこめな. 社会的スキルの違いによって対人不安との関連の. い悩み ,多勢の人に圧倒され る悩みという対人不. 表. 社会的スキルの各下位尺度における群別の対人不安総得点の比較. . (   ).  . . . . . . . !( ! ) !( ! ) !"( ! ) !( ! ) "!#( ! ) !#( ! ). . #!#( !" ) !( !# ) !( ! ) !( ! ) !#( !# ) !( ! ). 値. !"$$. !". !". !$$$. 注):スキル高群,:スキル低群,:社会的スキル :情緒的表現性,:情緒的感受性, :情緒的コントロール :社会的表現性,:社会的感受性, :社会的コントロール ( )内は標準偏差,$$: ! ,$$$: !. . . %"!$$$. !$$$.

(21)

(22). 原田朋枝・島田   修 表. 社会的スキルの各下位尺度における群別の対人不安下位尺度別平均得点の比較. . &. (   )  . . . . . !( !" ) !( "! ) !( ! ) !""( "!# ) !( #! ). . "!#"( !# ) !""( ! ) !( "!" ) !( "! ) !"( #! ). 値. !". %!. !#$$$. !"$$. !. . . !( ! ) #!( "! ) !"( "! ) !( !"" ) !( #!" ). . . !"( !# ) !( !" ) !"( "!" ) !( "!" ) !( #! ). 値  . !.  . %!. !$. #!$$$. !". . !( !# ) !( "! ) !"( "!# ) !( ! ) !"( #! ). . !( #!" ) !( !" ) !( !" ) !"( ! ) !#( ! ). 値. . . . !". !. !. !". !$. . !( ! ) !"( ! ) !( !"" ) !( !# ) !( ! ). . "!( !# ) #!( !# ) #!( ! ) #!( !# ) !"( !" ). 値. !$$$. !. !$$$. !"$$$. !#$$$. . . "!( ! ) !( ! ) !#( "! ) !( ! ) !( #!# ). . . !( ! ) !( ! ) !( !" ) !"( "! ) !( #! ). 値 . %!$$$. %!$$$. %!. %!"$$$. %#!"$$$. . #!( !# ) !#( "!# ) !( ! ) "!"( !" ) !#( ! ). . !"( ! ) #!( !# ) !( !" ) !( !# ) !( #! ). 値. !#$$$. !$$$. !"$$$. !$$$. !$$$. 注):スキル高群,:スキル低群,&:対人不安,:社会的スキル :情緒的表現性,:情緒的感受性, :情緒的コントロール :社会的表現性,:社会的感受性, :社会的コントロール  :対人関係で緊張する悩み,  :自分や他人が気になる悩み,  :集団に溶けこめない悩み  :多勢の人に圧倒される悩み, :くつろいで人とつき合えない悩み. . . . ( )内は標準偏差,$: ! ,$$: ! ,$$$: !.  下位尺度で有意差が認められたが(情緒的表 現性は ,ÁÁÁ :(  )%  & '; ÁÎ :(  ) %!& ' .情緒的感受性は,ÁÁÁ:(  )% & ' ; ÁÎ :(  )%  & ' ),その他の 安の. つの下位尺度では有意差が見られなかった .なお,. ではなぜ自分の社会的スキルを低く評価している 人は対人不安を感じやすいのだろうか.この点につ いて.   は ,対人不安に関する包括的な自己呈. 示理論を用いて説明している.つまり,ユーモアの 感覚,口ごもらないで話を進める能力,あるいは人. 情緒的コントロールは ,くつろいで人とつき合えな. 前で話をする能力のような重要な社会的スキルが欠. い悩みで有意差が認められたものの( ÎÁÁ: (. けていると信じている人は ,自分は対人場面におい. % & ' ),その他の.   ). つの下位尺度では有意. 以上の結果から ,社会的スキルの違いによって関 連する対人不安の側面に違いがあることが明らかに なった . 考. て他者に好ましい印象を与えることができず ,その ような対人場面では肯定的に評価されないと結論付. 差は見られなかった .. 察.  .社会的スキルの自己評価と対人不安との関連 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連につ. け ,その結果,対人不安が発生するようになるとい うのである..   の指摘するように ,私たちの生活は他者. との関わり合いを抜きにしては語れないものである. また ,私たちは他者と調和的な対人関係を形成・維 持することを重視する.従って ,自分に対する他者 の評価は人々にとって最大の関心事であり,他者か. いて検討した結果,自分の社会的スキルを低く評価. ら肯定的な評価を引き出すことが必要となる.しか. している人ほど 対人不安を感じやすいことが示され. し ,自分の社会的スキルを低く評価している人は ,.   の考え方や (   . た.この結果は,. 他者から肯定的な評価を引き出すための対人的技能. の研究結果と一致するものである.. に自信が持てず ,自分は対人場面において他者から.

(23) !. 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連 肯定的に評価されないと思い込みやすい .従って ,. かった. 「情緒的」なスキルよりも「社会的」なスキ. 対人場面において不安を感じ やすいものと考えら. ルの方が多様な対人不安と関連すると考えられる.. れる.. なお, 「情緒的」なスキルのうち,情緒的表現性と情.  .各下位尺度ごとの社会的スキルの自己評価と対. 緒的感受性は対人不安の共通した.  下位尺度とのみ.  つの下位尺度は ,と. 人不安との関連. 有意差が認められた .これら. 各下位尺度ごとの社会的スキルの自己評価と対人. もに複数の他者と接触する場面で生じる不安である. 不安との関連について検討した結果,自分の社会的. ととらえることができる.つまり,複数の他者と接. 感受性を高く評価している人ほど 対人不安を感じや. 触する場面では ,情緒的表現性と情緒的感受性とい. すいことが示された.この結果は ,本研究の予測を. う つのスキルを高く評価しているか否かによって. . 支持するものであり,.  の研究結果と一致す. . 対人不安の程度が異なると考えられる. また ,対人不安のうち多勢の人に圧倒される悩み. るものである. その他,各下位尺度ごとの社会的スキルの自己評. は ,情緒的コントロール以外の全ての社会的スキル. 価と対人不安との関連を検討したことにより,以下. において有意差が認められた .従って,多勢の人に. の結果が見出された.. . 第 は ,対人不安総得点の得点範囲は. 点"点. であるにもかかわらず ,本研究では全ての社会的ス キルで ,対人不安総得点の得点範囲が.  点"!!. 圧倒される悩みと社会的スキルの自己評価との関連 はスキルの違いにかかわらず共通していると考えら れる. さらに ,社会的スキルを情報の伝達(情緒的表現. 点であったことである.これは ,現代大学生の対人. 性,社会的表現性),情報の解読(情緒的感受性,社. 不安意識が量的に減弱していることを示唆する結果. 会的感受性),情報の管理・制御(情緒的コントロー. ではないかと考えられる.事実,田中ら  は ,従. ル ,社会的コントロール)の. 来の対人恐怖症論をふまえ ,青年期にある個人の対. 報の伝達に関するスキルでは自分や他人が気になる. 人不安意識の過去. 悩みにおいて有意差が見られなかった.このことか. 識尺度を用いて数量的に検討した結果,大学生の対. ら ,情報の伝達に関する自己評価は自分や他人が気. 人不安意識は量的に減弱していることが明らかにさ. になる悩みの程度と関連性が低いと思われる.また,. 年間における変化を対人不安意. つに分類すると ,情. れている .本研究から得られた結果は田中ら  の. 情報の管理・制御に関するスキルではくつろいで人. 知見を支持する方向にあると言える.. とつき合えない悩みにおいて有意差が認められた .. . 第 は ,自分の社会的コントロールを高く評価し. 従って ,情報の管理・制御に関するスキルを高く評. ている人の対人不安総得点が最も低いことである.. 価しているか否かによってくつろいで人とつき合え. これは ,自分の社会的コントロールに自信を持つこ. ない悩みの程度が異なると考えられる.. とによって対人不安が最も抑制される可能性がある. 本研究では ,私たちが日常場面で経験する対人不. ことを示唆している.社会的コントロールに優れて. 安について社会的スキルの自己評価との関連を包括. いる人は ,機転がきき,自己評価が高いことが指摘. 的に検討した結果,自分の社会的スキルに自信が持. されており  ,自己評価と対人不安との間には負の. てない人は対人不安を感じやすいことや社会的感受. 相関があることが報告されている  .従って,自分. 性は対人不安に対して他の社会的スキルとは異なる. の社会的コントロールを高く評価している人は ,自. 働きをすることが示された .. 己評価が高く,その結果として対人不安を感じにく. 最後に本研究の問題点と今後の課題について述. いものと考えられる.. べる.本研究では ,質問紙を用いて検討を行ったた.  .社会的スキルの自己評価と対人不安の各下位尺. め ,社会的スキルの自己評価と対人不安がともに個. 度との関連. 人の内省による自己報告であり,そのため両者の間. 「社会的」なスキルでは ,社会的表現性と社会的. の関係が認められやすかった可能性が考えられる.. 感受性においてそれぞれ自分や他人が気になる悩. 今後,社会的スキルの自己評価と他者評価の両方を. み,集団に溶けこめない悩みを除いて ,全ての対人. 測定し ,対人不安との関連についてより詳しく検討. 不安の下位尺度で有意差が認められた .一方 , 「情. する必要がある.. 緒的」なスキルでは ,情緒的表現性と情緒的感受性. また ,本研究では ,情緒的感受性におけるスキル. において ,集団に溶けこめない悩み,多勢の人に圧. 高・低群間の対人不安総得点に有意差は見られな. 倒される悩みという対人不安の. かった .しかし ,情緒的感受性に優れている人は ,.  下位尺度,情緒的. コントロールにおいては ,くつろいで人とつき合え. 他者の非言語的で情緒的なしぐ さに 特に注意を払. ない悩みという下位尺度としか有意差が認められな. い,非言語的コミュニケーションにおいて他者の情.

(24)

(25) . 原田朋枝・島田   修. 緒を速く効率的に解読することができるため ,他者. 影響を受け ,その結果として不安を感じることがあ. によって情緒的に喚起されやすいことが指摘されて. るのではないかと考えられる.この結果についても. いる  .このことから,他者のしぐさや態度などの. 今後検討する必要がある.. 文       献  )& '()  , * ,+  , - - .:/ 

(26)  0

(27) 1 -0    0  2

(28) -.   

(29)     , ,3" , ..  %1  ..  )4 +4:45%- 

(30) 5  1   -

(31) 

(32) '

(33)   26   %  

(34)   7 )%.    ,(  ),3 , . # )  4* 生和秀敏(監訳)対人不安.北大路出版, . (   4*:         ,   ,      .8   

(35) , 1   0 +52

(36) ,# .) 2 - -

(37)   - ..  )  , ,89 - & - 8 0- 8:   ,

(38) 

(39) '

(40) -   : 

(41)  1 0 .         ,(  ),3 , ..

(42)   

(43) ..  .  )+'

(44) +:6

(45)

(46) 52 -   - 

(47) 

(48) 6  6 

(49) 5 

(50) 1

(51)  26  ..

(52)   , ,3 , . " );2 -:             .( < ' . ,  , . (木村駿,小川和彦訳:シャ. イネス.勁草書房, .)  ) 5  ,+ , .- , - =

(53) 6 4:/6    1 26   - 0  1

(54)  6 

(55)  5%.  

(56)   , ,3 , ..

(57)    ..

(58)     .  )*00 * ,/5' , - /6 '  8 : '

(59) - -  2 ..

(60)       , ,"3 , ..  )榧野潤:社会的技能研究の統合的アプローチ(  )>? の信頼性と妥当性の検討> .関西大学大学院『人間科学』, , 3" , .  )林洋一,小川捷之:対人不安意識尺度構成の試み.横浜国立大学保健管理センター年報, ,3 , .  )田中康裕:青年期における対人不安意識の特性と構造の時代的推移.心理臨床学研究,  (  ),3# , .  )岡田努,永井撤:青年期の自己評価と対人恐怖的心性との関連.心理学研究, ( " ),#"3# , . # )= -  - *00 *:@

(61) 1 - -5 -@ 

(62)    2  

(63)

(64)  

(65)

(66)   

(67) 

(68)

(69) .   !    , ,"3 , .. 1  .. (平成年  月  日受理).

(70) 社会的スキルの自己評価と対人不安との関連.   

(71)             / &*&A& - B

(72) 5 ?4&A& C& - 4  D E ( -

(73)      

(74)    

(75) . 

(76) . ? 6 

(77) 

(78) 5- 6 

(79) 6

(80) 2(

(81) 1% 5 1

(82) 

(83) '

(84) -

(85)    (   -! /6

(86) 529

(87)  #" 5 

(88) 

(89) 5-

(90)  (  

(91) '-  F  6  '

(92) ?  ( ? ) - 

(93) 5 

(94) 1

(95)   ! /6 

(96) 5

(97)

(98) 6( 6 6 (

(99) 1% 5 1

(100) 

(101) '

(102) (

(103)  6 606

(104)    (

(105) 1! &-

(106) 

(107) 

(108)  ( 

(109) 5 - (6 

(110) 52

(111)  1 ? )-@ - 1  6

(112) 

(113) '

(114) ( 

(115) 5 - (6 

(116) 52

(117)  1 ? ) 6 (  - 

(118)   ! /6 606

(119) 1% 5 1

(120) 

(121) 

(122)   (

(123)  6 606

(124)    (

(125) 1! ? -- 25

(126)  1 -@ 

(127) 

(128) 

(129) '

(130)  

(131)  

(132)   ( 

(133) 5 - (6 

(134) 52

(135)  1 

(136) 5 

(137) 1

(138)    )(

(139) -@ !  

(140) -   / &*&A&. 4

(141)  G

(142) + 0  .  +

(143) 60 7 -5 6 1. 4- .1  E(

(144) ' H 

(145)  1 4- .1  E5 

(146) 6' %# ,  CE(

(147) ' 4- .1  ,5  I! !  3D.

(148) .

(149)

参照

関連したドキュメント

本来的自己の議論のところをみれば、自己が自己に集中するような、何か孤独な自己の姿

A number of qualitative studies have revealed that Japanese railroad enthusiasts have low self-esteem, are emotionally distant from others, and possess

第四。政治上の民本主義。自己が自己を統治することは、すべての人の権利である

ヨーロッパにおいても、似たような生者と死者との関係ぱみられる。中世農村社会における祭り

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

プラン一覧 現状の悩み 変革のメリット Office 365 とは 悩みを解決 スケジュール メール& 情報共有・ 共同作業 オンライン会議 社内 SNS クラウド版

c マルチ レスポンス(多項目選択質問)集計 勤労者本人が自分の定年退職にそなえて行うべきも

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年