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フォーカシングを使った児童への心理教育的援助-「からだの感じ」への気づきをとおして-

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Academic year: 2021

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(1)フォーカシングを使った児童への心理教育的援助. 一「からだの感じ」への気づきをとおして一  学校教育学専攻 学校心理学コース.    M07039G    小橋 洋子. 1.問題と目的. 注意を向けることができるようになるかどうか.  われわれは日常、いろいろな思いや感情を持っ. を検証することを目的とした。日常的に「からだ. て生活しているはずであるが、多忙な日々の中、. の感じ」に注意をむける程度を計るために研究I. 目の前の課題をこなしていくためには思いや感. において小学生用「からだの感じ」尺度を作成し. 情をじっくり味わっている時間がなく、つい後回. た。因子は「「からだの感じ」への気づき」と「不. しにしてしまいがちで.ある。子どもたちも同様で. 確定な「からだの感じ」とのやりとり」の2因子. あり、今の自余の感情や感じに無頓着な子どもた. であった。. ちが少なくない。r辛い」r悲しい」というさまざ.  実践群は「こころの整理箱」を週1回(後半は. まな感情を感じることなく淡々と過ごしてはい. ボディワークを取り入れた)、「こころの天気」を. るが、実際はからだの中でそれらが蓄積されてお. 週2回実施し、それに伴い実践前、実践中、実践. り、頭痛や腹痛などの身体的なサインとして外に. 後に小学生用「からだの感じ」尺度を実施した。. 現れることも起こってくる。.それらが不登校、い. また、統制群にも小学生用rからだの感じ」尺度. じめ、非行といった学校不適応につながっていく. を同じ時期に実施した。両群に対して実践前に小. とも考えられる。最初に現れる『からだの感じ」. 学生用「からだの感じ」尺度の妥当性を検討する. の変化に気づくことでこれらに対処できると思. ためにr小学生用ストレス反応尺度」も実施した。. われる。. さらに、これらと並行して希望者の面接も行った。.  フォーカシングはGend1in,E.Tがカウンセリ. ングを成功させるための技法として開発したも. 3.結果と考察. のである。からだの感じに注意を向け、フェルト.  小学生用rからだの感じ」尺度の内的整合性の. センスに触れることで今まで気づかなかった新. 検討のためにα係数を算出した。第一因子.755、. たな気づきに出会っていくことができるのであ. 第二因子.702となり十分とは言えないが、各項目. る。また、フォーカシング・セッション中のみで. がrからだの感じ」尺度として重要であると考え、. なく日常においてもフォーカシング的態度で生. 採用することとした。また、妥当性を検討するた. 活するようになることが大事であると多くの先. めに小学生用ストレス反応尺度との相関を求め. 行研究で述べられている。. たところ、第一因子とストレス反応尺度合計得点 との間に負の相関傾向がみられ、第二因子との間. 2.方法と目的. に有意な相関がみられた。また、第一因子とスト.  本研究は、フォーカシングを集団で行うために. レス反応尺度下位尺度「無気力」との間に負の相. 考案された「こころの整理箱」と「こころの天気」. 関、第二因子とストレス反応尺度下位尺度r身体. を小学校6年生に2ヶ月間実施することによって、. 的反応」「抑うつ・不安感情」の間に有意な相関. 日常的にフォーカシング的態度でrからだの感. がみられた。これらはそれぞれ尺度の項目からも. じ」に. 妥当だと思われた。. 一g6一.

(2)  実践群と統制群の比較をするために、小学生用.  第二因子においては、3群とも現状維持であり. 「からだの感じ」尺度の因子別得点を従属変数と. 実践の効果を子どもたちの日常に見ることはで. し、群(2)x時期(3)を独立変数とする2要因. きなかった。不確定なrからだの感じ」とやりす. 分散分析を行った。その結果、第一因子において. ることによって、はっきりしなかったり幸い思い. 主効果が有意であり、交互作用が有意傾向であっ. がでてきたりして苦痛になることもあると考え. た。その後の検定の結果、統制群にのみ時期に有. られる。体験を日常化することは難しかったと思. 意差があった。尺度合計において、主効果、交互. われる。. 作用に有意差がみられ、その後の検定では統制群.  後半、「こころの整理箱」の前に行ったボディ. にのみ時期に有意差がみられた。このことより、. ワークは、リラックスすることができてよかった. 実践群はrからだの感じ」尺度得点の変化はなく、. という感想が多かった反面、眠気に襲われる子ど. 統制群は有意に降下したことがわかった。. もたちも存在した。「こころの整理箱」の準備と.  しかし、これらだけでは「こころの整理箱」と. しては、今後の改善が必要であろう。. 「こころの天気」の成果だということはできない。.  2名の事例を検討することで、「こころの整理. 統制群は有意に降下しているが、実践群はかろう. 箱」「こころの天気」さらに面接の効果を検証し. じて維持したものの変化を示さなかったからで. た。両者とも大きな心配ごと、気がかりを持って. ある。統制群が降下した要因についても、「から. いたが、「からだの感じ」に関する記述も多く、. だの感じ」に触れるようなプログラムを経験しな. それと向き合おうとする姿勢も感じられた。面接. いと「からだの感じ」は降下するのか、統制群が. でもEXPスケール評定の高いレベルでの会話も. 特殊な環境にあったのかは今回の研究では推し. 多くみられ、新たな気づきに到達できたと思われ. 量ることは難しいと考える。今後の研究に期待し. る。これら2事例より、「からだの感じ」に触れ、. たい。. 自分自身とやりとりをすることは、辛いこともあ.  次に、実践前に実施した小学生用rからだの感. り簡単ではないが、それを続けることで新たな気. じ」尺度の第一因子、第二因子、合計を,3群(低・. づきと出会い、問題の解決に近づけるということ. 中・高)に分け、その後の変化を検討した。第一. が示唆されたといえる。. 因子において、3群の間で実践の前後において有 意な交互作用がみられ、その後の検定で島群が有. 4.今後の課題. 意に低下し、低群が有意に上昇していた。島群に.  実践群と統制群をできる限り等質化すること、. 属していて低下した子どもたちはrこころの整理. 「からだの感じ」と向き合うことで辛くなったと. 箱」への記述が多くなく、かろうじて維持してい. きの対処法、ボディワークの改善、小学生中学年. る子どもたちは記述が多かったことから、初めは. にも実施できようなr質問紙」に代わる評定の方. rからだの感じ」に気づいていると思っている児. 法を開発することなど、今後の課題が残されてい. 童でも実感を伴う体験をしないとそれは定着し. ると考える。. ないのではないか考えられる。また、低群で上昇 した子どもたちは「こころの整理箱」に多くの「か. らだの感じ」に関する記述が書かれていた。低群. 主任指導教員 浅川 潔司. において、実践前は『からだの感じ」に無頓着で. 指導教員   松本 剛. あった子どもたちも「こころの整理箱」「こころ の天気」を行うことで、「からだの感じ」に注意 を向け、気づくようになったと思われる。. 一97一.

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参照

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