「ネコ」も「cat」も2音節 : Government Phonologyの音節理論
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(2) 1, 音韻論 「音韻論って 何ですか」と. 1993) には、. 『. 質問されたら、 どう答えますか。 大辞林. ( 村松. (phonology) 構文論・意味論などと 並ぶ、 言語学の一分野。. 言語音の機能や 体系・構造を 研究する。 コと 書いてあ ります。 筆者は、 この 定 義を読んで伝統的な 言語記述の本を 思い出しました。 例えば「 X 請文法」とい う. 本があ るとします。 文法、 語彙、 方言、 歴史等の章の 前、 たいてい第. 1. 章か. 第 2 章に音韻についての 章があ りがちです。 その章には、 X 語の音素のリスト があ って、 その他の音的特徴が 記されています。 勿論これも音韻研究の 大事な. 一分野です。 全ての音韻研究は、 実際の言語の 正確な記述の 上になりたってい ると言ってもよいでしょう。. しかし、 これだけが音韻論だったら、 世界中の全. ての言語の音的特徴が 調べ尽くされた 時点で音韻論も 終わってしまいそうです し、. 筆者が 20 年間興味を持ち 続けることはなかったでしょう。. 音韻理論、 特にこの十数年の 理論は、 躍動的・エキサイティンバで、 語学の修士論文・ 博士論文のトピックとしても. れども、 その面白さにふれることはおろか ません. (注. 理論旨. 最も人気の高い 一分野です。. 全体像を っ かむことも簡単ではあ. け り. 2) 。 その理由は、 1970 年代から音韻研究の 理論的枠組みを 根本的. に揺るがすような 新理論がいくつも. 誕生し、 音韻研究が細分化されてしまった. からです。 これら全ての 新理論は、 Chomsky & Halle (1968) が産みの親であ 「生成音韻論」. る. (Generative Phonology) の 末蕎 なのですが、 血縁関係にあ. るとは思えない 種多様化してしまいました。 例えば、 イギリスの ェ ジンバラ大 学で Dependency Phonology ( 依存音韻論. ). について Ph.D. 論文を書いた 人であ. っても、 現在アメリカや 日本などで人気のあ. る Optimal. け y Theory. ( 最適性理. 論 ) を 使った研究をするためには 勉強し直さなければなりません。. Lexical Phonology. ( 語彙音韻論Ⅰと. が 根底から違うので、. また、. Gove nment Phonology 刊ま 、 その音韻 観 Ⅰ. それぞれの理論を 実践する 2 人の研究者が. 2. 理論を同時. それでも全ての 学派・理論は 概ね共通したゴールをもっています。. 音韻理論. に用いて共同研究を 行うなどということは 到底考えられません。. は、. ヒトが生まれながらにもっている「言語の 一. 93. 一. 素」であ る「普遍文法」を 解明.
(3) しようとする「生成文法」の 一部門です。 普遍文法は 、 全ての言語が 共有する 一般原則 群と 多様性を生むパラメータ 群から成り立っているシステムです。. 従. って、 音韻理論の目的は、 ヒトが生まれた 時から既に持っている 音韻能力の解 明. ということになります。 音韻能力といってもいろいろあ りますが、 中でも. 「音声認識」は、 最重要項目です。 コミュニケーションによって 成り立つ共同 体の中でなければ 生存できない ヒト にとって、 言語能力は 、 種の保存の点から 考えても最も 重要な能力の. 1. つです。 そして、 自然言語のインプットとアウト. プットは音声によって 行われますので、 音声認識 うこと か。. ). はとても大切なのです。. ( 単語類を聞いてわかるとい. 「聞いてわかる」とはどういうことでしょう. ここで諸理論の 意見が分かれます。 具体的には、. 能 ・役割、 (ii) 心象としての 音声の表示方法、. (. (田). i) 心的辞書の構造・. 機. 心象としての 音声、 調. 昔 活動、 物理現象としての 音声のインターフェイス 等に関して、 様々な提案が なされています。 GP の考えはこうです。 まず、 空気の縦波であ る音波として の 言語音が我々の 耳に入ります。 次に、 この物理的信号は、 エレメント (element). とよばれる脳内にあ る心象としての 最小音韻単位に 直接照合・転換されます (Harrjs & Lindsey l995) 。 そして、 その結果が心的辞書に 送られ・辞書中 の 特定の単語類との 照合が行われ、 意味や統語等に 関する情報を 得ることがで. きるのです。 心的辞書内の 各単語類の「 昔 」に関する情報は、 音節構造と ェレ メントによって 成り立っていると、 GP. は考えます。 この情報を頼りに 検索が. 行われ、 耳から入った 昔は無事に対応する 単語に出会うのです。 この意味にお いて、 音韻能力とは 音声認識における 語彙アクセス. (lexical access) を助け. る システムだと 言うことができます。. GP. は、. 識 理論」、. ます. (注. 「エレメント 理論」、 「形態論. (Ⅱ. 「認可. (mo Phology). censing) 理論」、. 「自動 音声認. 「音節理論」等の 理論で構成されてい. 「. 3) 。 早速その音節理論の 一部にふれてみましょう。. 一 9Ⅱ. --.
(4) 2. 音節 「音節」という 概念は、 人間の認知能力の 一部であ る音韻能力の 中で重要な 役割を果たしています。 音韻現象は、 特定の音節構造によってひき 起こされる もの、 音節内の特定の 位置で起るもの、 単語の中の特定の 音節に起るものが 圧 倒 的多数だからです。 音節という概念は、 国語学、 語学教育、 日常会話でも 使われますが、 その定義はまちまちです。. く. 「英語の. よ. cat は、 同音節ですか」. という質問を 思い出してください。 この質問に答えるためには、 音節につい て、 何らかの定義を 持っていなければなりません。 音節の定義なしに「 cat 」と いう昔の結合は は 、 GP. 1. 音節だと答えるのは、 単なる直感でしかあ りません。 それで. はどのように 音節を定義づけているのか 見てみましょう。. 多くの音節理論において、 音節とよばれるものはいくつかの「構成素」 (constituent) とよばれる単位から 成り立っています。 G P が提案する音節 構成素は 、. ス. 」. 「オンセット」. (0nset) 、. 「ライム」. (Rhyme). 、. 「ニュークリア. (Nucleus) の 3 つです。 ここまで、 音節という単語を 何度も使ってきまし. たが、 実は、 GP には音節が存在しません。 音節を構成素、 つまり単位として 認 めていないからです。 他理論で音節とよばれるものは、 イムの連鎖」に を. 相当します。 しかし、. GP の「オンセットとラ. ここでは使い 馴れた「音節」という 単語. 「オンセットとライムの 連鎖」の略として 使うことにします。 音節構造は樹木. 図. によって表すことができ、 オンセット、 ライム、 ニュー. ク. リアスはそれぞれ 0 . R. N と表示されます。 オンセットとは、 一 音節内で母音 の前に起こる 子音. (群 ). が属する構成素です。 例えば、 英単語「 please」の中. の pl- は 、 オンセットに 属します。 ライムは、 オンセットの 子音以覚の全ての. 音を含みます。 再び英語の例ですが、. 「. ライムに属します。 ニュークリアスは、. plenty 」の第. 1. 音節 plen- の中の -en は. (2) に見るように、 ライムの下部構. 成素で、 所謂母音が装填される 構成素です。 オンセットとライムは 常に対とし て 現れ、 どちらか メント. 1. っ だけが現れることはあ. (segment 「個々の言語音」. ). りません。 更に、 各構成素とセバ. は、 X 点 (skeletal point) を介して連結. されます。 (2) は、 言語音 [ta] の音節構造です。 オンセットには 一. 95. 一. ¥tコが、.
(5) Laコが 装填されています。. ライムメニュークリアスには. (2) O. R. N. 七. 各構成素は、 最大にして 2 つぼ分岐することができます 「バイナリ一の. (注. 4) 。 これを. (The Bina ㎡ ty Theore づ とよびます (Kaye l992) 。. 定理」. 諸印欧語にみられる 語頭の. 2. つの子音結合は、 心的辞書内で 分岐オンセットと. して表示されます。 例えば、 英単語の廿 y. trip. ト ace 等の [t -] は次の構 「. 造 をもっています (. (注. 5) 。. 3) O / /. Ⅰ Ⅰ. X 七. 分岐オンセットの 2 つの X 点には然るべきセグメントが. 装填されます。 左の X 点. には、 p.t.k.b.d.g 等のセグメントが 、 右の X 点には、 「, 1 等のセグメントが. 装填されなければなりません。 順序を逆さまにした 結合は普遍的にオンセットからは. [「 p. れ .. lk.lb] 等の子音. 排除されます。 しかし、 どうしてこうした 制. 約 があ るのでしょうか。 これは、 左の X 点が右の X 点の存在を認可しているから です。 この左から右へ 及ぶ 力 を「統率」. (government) とよびます。 統率する. X 点には、 統率が可能であ るセグメントが、 統率される x 点には、 統率されるこ. とが可能なセグメントが 装填されなければなりません。. 丁度、 電池の陽極Ⅰ 陰. 極の端子が電極板の 陽極Ⅰ陰極に 正しく接続されなければならないの 同じです。. p,t,k.b.d.g等のセグメントは 統率子で、 r.l 等のセグメントは 被 統率子です。 一. 96. 一.
(6) 次に、 分岐ニュークリアスの 例を見てみましょう。 分岐ニュークリアス つの母音セグメントが 2 対. 1. で接続すると 長母音になります。 そして、 分岐 二. ユー クリアス と 異なる母音セグメントが. す. (注. と 1. 2 対 2 で接続すると 二重母音になりま. 6) 。 英単語「 什 ee 」と「 try 」は次のように 表示されます。. (4) O. 0. R. l. 1 1 1. R. 1 1. N. Ⅹ. /. Ⅰ. Ⅰ. X X@. X@. X. 1. 1. 七. て. エ. /. Ⅱ. Ⅱ. X X@. X@. /. Ⅹ. N. Ⅰ. X. t. i. l. l. 七. て. a. エ. 二重母音 [aⅡ. 長母音ば ;]. 分岐ニュークリアスに 接続される 2 つのセグメントにも 厳しい制約があ って 、 左の X 点には、 a.e.0 等が 、 右の X 点には、 i.u 等が接続されなければなりませ ん 。 これは、 分岐ニュークリアス 内にも左から 右への統率があ って、 a,e.0 等 は 統率子で、 i. u 等は被統率子だからです. (注. 最後に分岐ライムの 例をあ げます。 (5) 「. 7) 。 は、 2 音節からなる 英単語. Plenty 」の音節構造です。. (5) O. l. l. l 1. N. X@. 第. 1. 0@. R. Ⅹ. 1. Ⅹ. X. X@. I. I. Ⅹ. I Ⅹ. X. R. N. 1. 1. X@. X. 1. 1. 1. 1. 1. 1. p. 工. e. n. t. 二. 音節の末尾の 子音 [nコは 、 分岐ライムの X 点に接続しています。 この位置. は、 伝統的に「コーダ」. (coda) とよばれています。 コーダには、 s.r.l.. セグメント等が 装填され、 またコーダが 存在する条件として、 後続するオンセ ット に P.t.k.b.d.g 等がなければなりません。 セットによって 統率されているからです 一. 97. 一. (注. これは、 コーダがその 後のオン 7 参照 ) 。 上でふれたように、.
(7) p.t.k.b.d.g等は統率子で、 s. 鼻音セグメントは r.l と同じように 被 統率子です。 さて、 理論的道具が 揃ったので、. 「. cat 」の音節構造について 話を進めてみま. しょう。. 8.. コーダのはなし. 一般的に、 ます. (注. 「. cat 」は次のような 単音節の構造をもっていると. 考えられてい. 8) 。. (6) 0@ l. @. lⅩ N. l. l. X. X. I. k 「. R Ⅹ. Ⅹ. X I. ㏄. I 七. plenty 」の [nコが コーダであ るように、 ここでは [t] がコーダです。 とこ. ろが、 GP はこの構造の 存在を認めません。. (6). は次の一般原則によって 排. 除されます。 (7 ) コーダ認可原則 (Kaye lg90) コーダは、 その後にあ るオンセットによって 認可されなければならない。 ( 一部省略、. 筆者 ). 「コーダ認可原則」は、. (phonological licensing). 「音韻認可」. (Kaye. 1990. Harris l994. Yoshida l997) という一般基本原則の 一部です。 「音韻語, 可 」とは、 簡単に言うと、 X 点及び構成素を 含む全ての音韻的単位はそれ 自体 では存在できず、 他の単位によって 存在を認可されなければならないというこ とです。 例えば、 一 音節内のライムは 他の音節のライムによって 存在を認可. さ. れます。 音節内では、 ライムがその 前にあ るオンセットを 認可します。 従って、 ライムを伴わずにオンセットだけが. 現れることはできません。 一. 98. 一. また、 分岐オン.
(8) セットと分岐ニュークリアスの. (5). と. (6). します。. ( 統率 ). そし. 、 次の音節のオンセットによって 認可されるのです。 上. て 一 音節中のコーダは の. 左の X 点は右の X 点を認可. (8a) と (8b) として複製します。. を. (8) b. Ⅲ¥ Ⅰ. ⅩⅩ. |. xl+. ま. ﹂. ﹂. xlk. xl,. n. の オンセットによってその 存在が認可されています。. (. Ⅰ. 111. |. エ. x. 第 1 音節のコーダ. RlNlx. 0. Ⅰ ¥Ⅰ. p. xll. Ⅰ上. |. x. (8a) では、 矢印で示したように、. RlNlXll.. ⅠⅩ. Ⅰ. Nlxle. 宝Ⅰ. トⅠ. |. 111. R. 0. Ⅹ、 1 11. 0. a. Mn] の点 ). は第 2 音節. しかし (8b) では、 mt. コ. の コーダ点の後にそれを 認可するオンセットがないので、 このコーダは 無認可、 つまり存在が. 許されないということになります。. 「コーダ認可原則」は、 普遍. 原則として提案されたものですから、 いかなる言語においてもコーダは 語中 でのみ起こりえて、 単語末尾の子音はコーダになりえません。 では「 cat 」の. [t. コ. のような単語末尾の 子音は一体どの. を 導いてみましょう。. X. 点に属するのでしょうか。. 単語末尾の子音はコーダになれません。. 音 類 が接続できる X 点は、 オンセットをおいて 他にあ. その答え. コーダ以外に 子. りません。 従って、. 末尾. の子音はオンセットに 属します。 更に、 オンセットはその 後のライムに 認可さ. れて初めて存在できるので、. 単語末尾の子音の 後にはライムがなければなりま. せん。 そして、 「単語末尾」というからには 母音を伴わないので、 そのライム はセグメントをもたない 空のライムということになります。 は、 ・ソト. と. その結果、. 「. cat. 」. (9a) の 2 音節の構造をもっと 分析されます。 これを仮に「 尾 子音オンセ 説 」とよんで (9b) の一般に広く 受け入れられている「 尾 子音コーダ 説. 比較してみましょう。. 一. 99. 一. 」.
(9) (9) a. 尼子音オンセット 説. b, 尼子音コーダ 説. 0@. 0@. R@. 0@. 1. 1 I@. N@. 1 I@. 1. 1. 1. R. 1. R. lⅠ. l. N. l. N. 1. l. l. Ⅱ Ⅱ. X I. k. 宙. I. k. 七. 巴. I 七. どちらの構造が 、 我々の言語能力の 中にあ って見ることのできない 真実に近い のでしょうか。. (ga) の「 尾 子音オンセット 説 」は、 所詮 GP. という一学派の. 「コーダ認可原則」という 一原則からでた 理論内部の構築物です。 ですから、. 「コーダ認可原則」を 認めない人は「 尾 子音コーダ説のどこが 悪いの」と言い たくなるでしょう。 しかし、. (9b) の構造を支持する 人は、 無意識に次の 原則. を 支持していることになります。. (10)a. 尾 子音は、 その後に何も 聞こえないので 正に「末尾」であ. り、 その後. には何もない。. b. 尾 子音は、 その前の母音が 属する同じ音節に 属する。 筆者の知り得る 限り、 ほとんど全ての 音韻研究が (loa). していても、 これらの立証を 試みた研究はあ りません。. と. (lob) を暗に支持. (loa. b) は、 議論な. しに、 我々の常識の 一部になっているのです。 勿論、 筆者も GP を知るまでは、. (loa. b) 以外の可能性を 考えてもみませんでした。 次に、 経験的に「 尾 子音オンセット 説 」と「 尾 子音コーダ 説 」の妥当性を 調 べてみましょう。 理論言語学は、 経験科学の一分野です。 提案された原則は 、 それが生み出すものと 物質世界の現実を 照らし合わせることによって. けなければなりません。. 「. 評価を受. 尾 子音オンセット 説 」が「尼子音コーダ 説 」より 勝. っていると思われる 4 つの理由をあ げてみましょう。 第. 1. の理由は強勢アクセントの 付与に関するものです。 多くの言語において、. 分岐ニュークリアス、 もしくは分岐コーダに 含まれる母音が 優先的にアクセン トを持ちます。 分岐ニュークリアスを 含む音節 (CVV 一. 100. 一. 、 C は子音を V は母音.
(10) 含む音節 (CVC). を 示す ) と 分岐コーダを. と対比させて、. は、 どちらでもない 音節 (CV). 前者を「 重 音節」、 後者を「 軽 音節」とよびます。. つまり、 多. くの言語においてアクセントは 重 音節に引き付けられる 傾向があ るわけです。 ところが、 アクセントを 引き付ける 重音節 (CVC) 単語末尾の CVC あ. は、 語中に限られていて、. という音の結合はアクセントを 引き付けない 言語がいくつも. るのです。 言い換えると、 これらの言語では、 単語末尾の CVC. してふるまれないということになります ト説 」が予測できる. (注. 結果です。 末尾の CVC. なのですから、 たとえ、. あ. 9) 。 これは、. 「. が 重 音節 と. 尾 子音オンセッ. は 、 実は 2 つの 軽音節 (CV.C. ゆ. ). る言語において 重 音節がアクセントをもつ 傾向があ. っ たとしても、 末尾の CVC. には関係のない 話です。 一方、. は、 アクセント付与において、 どうして単語末尾の CVC なるのか説明しなければなりません。. 「. 尾 子音コーダ 説. が語中の CVC. 」. と異. また、 アクセントに 関して、 ブラジルの. ポルトガル語には 面白い現象があ ります。 ブラジルのポルトガル 語の名詞 と形 容調め アクセントは 末尾第. 1. 音節、 末尾第 2 音節、 末尾第 3 音節のどれかに 付. 与されます。 しかし、 これは単語が 母音で終わる 場合であ. って、 単語が子音. l.n,r,sで終わる場合は、. 末尾第 2 音節だけ. が. アクセントをもち、. ( 所謂 ). ( 所謂 ). 末尾 第. 1. 音節 か. ( 所謂 ). 末尾第 3 音節にまではアクセントは 到達できな. いのです。 なぜアクセント 付与の範囲が 縮まってしまうのでしょうか。. 「尼子. 昔 オンセット 説 」にとって、 これは問題とはなりません。 なぜなら、 子音で終 わる単語の「所謂」末尾第 第 4 音節だからです. 3 音節は、. 「. 尾 子音オンセット 説 」にとっての 末尾. (。 CV.,CV.,CV.,C. め. ). 。 単語最後のニュークリアス. に 母音があ ってもなくても、 アクセントは 最後の 3 音節のいずれかに 付与され. るという単純なな 一般化が可能になります。 第 2 の理由は、 「閉音節内母音短縮」とよばれる 現象に関するものです。 一ダを 含む 重 音節 (CVC). コ. は、 コーダがその 音節を閉じているところから. 「閉音節」とよばれます。 閉音節内短縮現象というのは、 閉音節内では 長母音 と 二重母音が起きにくいというとても. 強い傾向のことです。 本来、 長母音 か 二. 重母音であ るものが閉音節内に 現れなければならない 時には短縮して 短母音 一. 101. 一. と.
(11) なります (CVVC. づ CVC). 。 英語とアラビア 語カイロ方言の 例をあ げてみ. ましょう。 わかり易いように、 母音短縮の引き 金を引くコーダの 後にピリオド. く. を打って、 11). 短縮された母音には. 下線を引きます。. a. b. receive. recep , tion. reduce. ア. beet@. 。 house. gooz@. ・. edUC. tl0n. bet na@ ・. husband. ・. goz , ha@. ・. ・. our@ house ,. her@ husband ,. (lIb) を見る限り、 確かに閉音節の 中では長母音が 起こることができないこ とがわかります。 つまり CVVC という音節が 許容されていないのです。 しかし. (IIa) はどうなるのでしょうか。 許容されていないはずの 存在するのです。 これは、 せん。 語末の CVVC. 「. CVVC. が語末に. 尾 子音オンセット 説 」にとっては 問題とはなりま. は 、 実は CVV.C. め. .なので、 開音節の中の 母音が長 母. 昔 であ ることを妨げるものは 何もないからです。. 一方、. 「尼子音コーダ 説. 」. を. 信じる人は、 語中のコーダは 音節を閉じているのに、 どうして語末のコーダは あ. たかも音節を 閉じていないようにふるまうのか. 説明しなければなりません。. 第 3 の理由は、 単語末尾の子音群の 共鳴性に関するものです。 次の共鳴性の. 階層を見てみましょう。 (12). 母音. 共鳴性が高 い. わたり母音. ( 二重母音の. 流音. (. Lr3 や ml] 等 ). 鼻音. (. [n] や [ 血等 ). 阻害 昔. ( 流音と鼻音を. 2 番目の母音. 除いた子音. ). ). 共鳴 桂が 低 い. 「共鳴性の順序原則 (Sonority Sequencing Principle) 」という原則があ. っ. て、 音節内では、 その核にあ る母音から遠退いて 周辺に近付く 程、 共鳴性が低 くなるといわれています. (注 1. 0) 。 例えば、 比 ain [trein] という単語中、 一. 102. 一.
(12) [a] の共鳴性が最も 高く、. 核 となる母音. そこから語頭へ 向かって. 低くなります。 また、 語尾へ向かっても [i] 、. と次第に共鳴性が. [. 日、 [t]. [n] と次第. に 共鳴性が低くなります。 しかし、 フランス語の table [tablk、 qua け e [kat円 のように共鳴性の 順序原則に違反すると 見られる単語が 存在します。 2 母音の後の阻害 昔で 共鳴性がかなり. 鳴性 が上がるのです。. 「. 下がった後、. 単語典、. 母音後 2 番目の子音で 再び 共. 尾 子音コーダ 説 」は、 table が次の音節構造をもつと. 分析します。 (13) 尼子音コーダ 説 0@. R. 1. 1 ⅩⅡ. N ⅠⅩ. l 1. 1. X. X@. X. X. t. a. b. 工. この分析は、 Lb]. Ⅹ. Ⅹ. Ll] が同じ音節に 属しているので、 共鳴性の順序原則に. と. 違反していることになります。. 共鳴性の順序原則を、 普遍原則から 一部の言語. にのみ適用される 原則へと降格させてしまいます。. 「. 尾 子音オンセット 説. 」. の. 分析と比較してみましょう。 (14) 尼子音オンセット 説 0@. R@. l. 1. @ I@. N I@. 0. R. 1Ⅹ l I@. N. Ⅰ. I. ¥@. X. X. X@. X. t. a. b. 二. X. 子音結合 [bl] は、 その前の [ta] が属する音節のコーダではなく、. 第 2 音節. の オンセットなので、 共鳴桂の順序原則に 違反することなく [b]より [1]の共鳴 性の方が高くなっています。 なお、 [bbがコーダ 、 [1¥がオンセット (tab.l0 . 一. 103. 一. ).
(13) にはなりえません。 これは、 [bhが統率子で [1]が 被 統率子だからです。 第 4 の理由は、 末尾の子音の 配列と語中のコーダとオンセットの. (15a) の第. 致 です。 次の英単語を 見てみましょう。. 1. 配列との 一. 音節と第 2 音節の境界. をピリオドで 示します。 (15). a. b. fflel , ting. melt cast. ting. cas ,. turn, ting. hunt. cam , ping. camp. (l5a) が示すように、 コーダとそれを 許可するオンセットの 配列には厳しい 制約があ ります。 コーダになりえる 昔は、 l.r.s 、 鼻音等、 子音の中でも 共鳴 性の高いもので、 コーダの後に 来るオンセットには 極めて共鳴性の 低い子音が 起こります。 同一の配列制約を. (15b) にも観察することができます。. 昔 オンセット 説 」においては、. 「. melting 」の Llt. コ. 「. 尾子. と「 melt 」の [lt] は同. じ構造なので、 同じ昔の配列規則があ って当然ということになります。 (16) 晃子音オンセット 説 0@. 0@. R. R@. 0@. 0@. R. lⅩ. l. N. @ I@. l. )@. Ⅹ. I@. I. N. 1. 1. 1. 1. x@. x@. x@. x. 1. 1. 1. 1. I. m. I@. x@. ¥@. x. x@. N@. e. 二. 七. 二. Q. R. N. X. X@. Ⅰ. I. N. X. X. X. 1. 1. 1. 1. m. e. l. %. 一. とに 的 と 制こ 列う コしⅠ 酉 L ると. にな ト単 カ 。ノ 。Ⅰ セ実 ン事 オと とる ダれ. ま い. 104. 0@. lⅠ. l. 一ら. コ見. も. ネ Ⅰ土日. ダ一. 一コ. 2. が. 制し. コの 。 っす. 昔 子 尾. 末約ま. ﹁. 万つ 一、めて 一同 な. 一. R.
(14) (17) 尼子音コーダ 説 0@. 0@. R. lⅠ. l. l. N. @ X. 1 X@. 1. 1. m. l Ⅹ. e. l. N. 1 X. X. 1. 1. 1. 七. 二. 1. lⅠ 1 X@. Ⅹ. 0@. R. l. Ⅰ Ⅰ. 二. X. X. 1 口. R 1 ⅠⅩ. N ⅩⅠ. 1. 1. X. X@. 1. 1. m. e. Ⅹ. Ⅹ. X. X. 1. 1. 二. 七. 4. オンセットのはなし ここまで、. 「. cat 」の [t] のような 尾 子音は実はその 前の母音と同じ 音節に. 属さないという 話しをしてみました。 次に語頭の子音について 話をしましょ. つ。. 「バイナリ一の 定理」を思い 出し. て 下さい。 バイナリ一の 定理は 、 全ての音節構成素は 2 項的、 つまり、 最大に して 2 つにしか分岐しないと 言っています。 つまり、 3 つや 4 つや 5 つに分岐. するオンセットは 人間言語に存在しないのです。 は 最大 2. つの子音しかもっことができないのです。. 言い換えるなら、 オンセット バイナリ一の 定理に対して. 直ぐ出てくる 反論があ ります。 それは「印欧語には SPl-,SPr.StⅠ.Skr-.で始ま る 単語がたくさんあ. るじゃないか。 オンセットに 2 つより多い子音を 詰め込め. ないと言うのは 事実に反するじゃないか」といったものです。. 勿論、 3 つの子. 音で始まる単語があ るのは事実です。 これらの事実は 、 果してバイナリ 一の 定 理への反例となりえるのかどうか. 調べてみましょう。 こうした反論は 、 次の原. 則を提案していることになります。 (. Ⅰ. 8). 1. つの単語の始まりから 最初の母音に 到達するまでの 子音群は全てオ. ンセットに属する。 従って、 印欧語にみる s+C の 2 子音または s+C+C 03. 子音は 、 全てオンセットに 属する。. 筆者の知る限り、 特にこの原則の 妥当性を証明しようとした 試みはあ りませ ん。. 言語学者も言語学者でない 人も、 議論なしに、 当然の絶対真理のように. 思っているのです。 それでは、 (18) に対する反論をあ げて、 バイナリ一の 定 理を援護してみましょ. つ。. 一. 105. 一.
(15) まず、 Kaye (1992) の英語のデータをもとに 話を進めます。 多くの英語方言 では、. 1. (19). [u の間にわたり 昔 Ly] が現れます。. つの子音と母音. コ. tune [tyu:n]. dew@ [dyu:]. news@ [nyu:z]. lute [lyu:t]. [y] は分岐オンセットを 形成していると 考えられます。. 語頭の子音と 次の. (20) O. 0@. R. | l. R. I. I. N. Ⅹ. 1. I. N. x@. x. 1Ⅰ. Ⅰ. x@. x@. x@. t. y. u. x@. バイナリ一の 定理は、 Lpl. Ⅱ.kl.9l.bl] 等の子音結合の 後に [y] が現れる. と ができないと. 予測します。 そして、 予測通り、 [yコが 現れることはあ. り. ません。. (2I). g Ⅲ e[glu:@,lglyu:l. blew Ibl@nblyii:!. p 憶 vialiPlu:v囹. f ㎞ d m u:dl, Ⅲ y Ⅵ l. l,lPlyU:v同 @. これは、 すでに 2 つの子音で充満しているオンセットが. できないからです。 つまり、 存在しえない ナリ く. 22). LglyU. ロ. 、 3 つめをもつことは. という音の構造は、 バイ. 一の定理に違反してしまうのです。. O. R /. / /. lⅠ l 1. N. Ⅹ. 1Ⅹ. Ⅹ. X I@. g. I@. 工. I@. y. さて、 実験準備完了です。. X I@. X /. U. もし、 s+C. が、 オンセットを 形成するのだったら. [pl.kr.flコ等の語頭の 子音結合 群と 同じように [yコが 続くことが不可能な はずです。 ところが、 StUPid LStyUPid 一. コ. 106. 、 SPew 一. [SPyU Ⅰにみるように、 S+ C.
(16) の後には [y] が起こりえるのです。 どうして、 最初の子音が. 合だけ [y] を伴うことができるのでしょうか。. s+C+y. Ls] の 2. 子音結. は、 オンセットを 形. 成するのでしょうか。 イタリア語にも、 s+C. と s+C+C. 合はオンセットなのでしょうか。. が語頭に現れます. (注 1. 1) 。 これらの 結. そして、 バイナリ一の 定理への反例となりえ. るのでしょうか。 イタリア語には、 Raddoppiamento. Sintattico という音韻現. 象があ ります。 2 単語が続いていて 最初の単語の 最後の母音がアクセントをも つ 場合、 2 番目の語の最初の 子音が重複子音になるのです。. (23). paltopulito[PaItoppulitol くきれいなコートノ ec ㎡ no[ekk ㎡ no]. くそれはかわいい. ノ. 2 番目の単語が 2 つのオンセット 子音で始まっている 場合でも子音の 重複化は. 起こります。 (24). c. 柚 tnste[c冊nnhSte] 「. く 悲しみの町 ノ. caf 驚 freddo 山打紐掩dd Ⅱ. く 冷たいコーヒー ノ. しかし、 caf跨 spesso[ka 驚spesso] く 濃いコーヒートのように、. 2 番目の単語が. s 十 C で始まっている 場合は、 子音重複は起りません。 晦dd0pPi㎜ ent0 Sintattic0. においても、 s+C はオンセットとしてふるまわないのです。 イタリア語には、 s+C+ 験紙 がもう. 1. (C) がオンセットかどうか 判別できるリトマス 試. つあ ります。 男性 形 定冠詞の [ilJ. のオンセットに 子音があ る名詞に接続され、. と. [10 です。 [ilJ は語頭 コ. [10] は語頭のオンセットに 子音. Llo コの [0コは 、 母音の前では 脱落して [1]. がない名詞に 接続されます。. だ. けになります。. (25) 「Ⅱ. が、 「. ll COSto. く. 値段 ノ. l.. e ㎏ nco. (く. № e ㎏ nco) く リスト ン. costo 」の名詞「 costo 」は、 分岐していないオンセットで 始まっています 「. il treno. 」. く 列車 ノ. のように、 分岐オンセットで 始まる名詞であ っても. i1」が選ばれます。 これで実験準備が 整いました。 s+C. れぞれ 2 子音と 3 子音をもっオンセットかどうか 最初の [s]. が オンセットに. と s+C+C. 実験してみましょう。 もし、. 属するならば「 i1」が選ばれるはずです。 一. 107. 一. が、 そ.
(17) (26). lo SCU O 「. く 暗さ ノ. lo SlanC lo. く 勢い. く 周匝 ノ. lo SP 丘「ez,2,0. く 侮辱 ノ. lo St aCe l0 Ⅰ. 予想に反して、. 「. ノ. 10」が選ばれてしまいました。 つまり、 イタリア語は 、 上の. 名詞の語頭の Ls] がオンセットに 属していないと 判断していることになります。 以上、 あ る言語にオンセットの 中身を対象に 起こる音韻現象があ る場合、 s. +C. 十. (C) の [s] はオンセットとして 扱われない例をあ げてみました。 これ. らの例は、. 「語頭の. (C) はオンセットなので、 バイナリ一の 定理は正. s+C+. しくない」という 議論に対する 反例となりえます。 更に、 語頭に s 十 C 十 (C) をもっ言語では、 語中でも同一の s+C. と. s+C+C. [5 の前ではなく [5] と次の子音. かなる音韻理論であ っても、 音節の境界は. または子音群の 間にあ るとに判断します. が起こりえます。 その際、 い. コ. :dis.play. *di.splay.) 。 GP. (例. 以外の理論は、 語中に起こる s+C または s+C+C 昔. は後続する音節のオンセットであ. (群 ). るとみなします。. (C) の [sコの 正体は何なのでしょうか。 GP では、 語. 語頭に現れる s+C+. (C) も語頭の s+C+. 中の s+C+. の [s コは コーダで、 次の子. (C). も全く同じ音節構造をもっていると. [5] の次に起こることができる 子音 (群 ). 分析します。 この分析によって 、. 語頭でも語中でも 同一だということが 少しも不思議ではなくなります。 「. が. 英語の. spike 」と「 street 」の音節構造を 示してみましょう。. (27) 0@. R. 0@ R. |. |. N. N. N. 1. 1 X@. 0@ R. 1. R@. ). Ⅰ. 1. Ⅹ. O. N. /. │. 1. Ⅰ. X@. X X@. X X X. s. p a@. i@. O. | Ⅹ. l 1. Ⅹ. X l. GP は、 印欧語の S+C+. k. 0@. R. S. X@. Ⅰ. /. Ⅰ. l. 1. X Ⅰ. r. 1. Ⅰ. X X@. 1. t. I. I. N. /. 工. N N 1. X X 1 七. (C) における [S] は コーダで、 その前のニュー. リアスは空であ ると分析します。 つまり、. [s. コ. はそれ自身で. 1. ク. つの音節を形成. しているのです。 したがって、 GP では「 spike 」も「 street 」も 3 音節として 分析されます。 イタリア語の 男性 形 定冠詞を思い 出してください。 一. 108. 一. Lil] は 、.
(18) 次の単語の最初にオンセット 子音があ る場合に選ばれ、 そうでない場合は [10] slamcio や sprezzo の [sコは 、 コーダなのですから. が 選ばれます。. [10] が選ばれ. るのです。 次に、 英語のわたり 昔 [yコを 思い出してみましょう。 SPew [SPyU Ⅰ の [Sコは コーダなので、 オンセットのバイナリ 一の定理とは 無関係です。 従っ. て、 次の [P コと [yコが オンセットを 形成することをさまたげません。 く. 28) 0@. O. R. R. l. | N. l. Ⅹ. 1. Ⅱ. 1. X. X. N. Ⅹ Ⅰ. X. /. X. Ⅰ. X. X. l. 1. 1. s@. p@. y@. /. Ⅹ. u. イタリア語の Raddoppiamento Sintattico は、 2 単語間に空の X 点が挿入され. (29) は、 caffe. る現象だということができます。 赤 ですが、. ( ). f 憶 ddo[kaffefreddo]. の表. で示したものが 付加された X 点です。 付加された X 点は、 その. 前の音節のコーダとなり、 その後の音節のオンセットの 最初のセグメント. [f]. が 拡張して重複子音になります。. (29). 0@. R@. 0@. O. R. I@ I@ I@ 1¥ I@. N@. I@. N@. l. l. 1. 1. X@. X@. X@. X@. k. a. f. e. ¥. (X)@. (30). 0. c 血色. R. l. Ⅹ. I. 1. Ⅹ. X. X. 1. 1. l. ご. e. N. 1. 1. X. X. Ⅹ. X@. 五. I. I. Ⅰ. R. l. l. d@. o. Ⅹ. sppesso[k ぬ驚spesso]の表示と比べてみましょう。 R. 0. | N. X@. Ⅰ. (29) を次の. | 1. Ⅰ. 0@. R. 0@. I@ I@ I@ 1¥. l. I@N@ I@I@N@¥ I@¥. l I. R. 0@. lⅩ. N. 1 ¥. I. X. X. X. X@. X. X. X@. k@. a@. f@. e@. s@. p@. e. I. I. Ⅹ. X Ⅹ. N. I. I. X. R. X. l. l. S@. 0. Lfreddo] の mf とは違って、 Lspesso] の語頭の [s] は コーダです。 既に コ. 一. 109. 一.
(19) コーダがあ るので、 Raddoppiamento Sintattico は 、 新たに X 点を挿入して コ一 ダを 作ることができないのです。. 5.. まとめ. 我々の 5 感では、 言語音の音節構造にふれることができません。. 理論という虫. 眼鏡を通して 初めて音節構造は 見えるようになります。 理論が異なれば 全く違 っ たものが見えてきます。. と語頭の s+C+. (C). 本稿では、 GP. という理論を 通して単語末尾の 子音. の姿が見えるようにしてみました。. んは「 cat 」と「 s ヒ eet 」が. 1. さて、 それでも皆さ. 音節だと 居、 いますか。. (注). 1, 本稿で取り上げる 音節理論は、 GP の 1990 年頃 に確立された 標準的な音節 理論であ る。 最近、 Lowenstamm. 語は開音節しかもたず、. と. 二重. (I997). .. Scheer (l997) 等は 、 全ての言. 2 子音結合は 2 つの異音節オンセット、 長母音・. 母音は 2 つの異音節ニュークリアスであ. 6 よる. 「. street 」は 5 音節 (s め. ・. tめ. ると提案した。 彼らの理論. .㎡. i.t め . ) として分析される。. 2 . G0vernment Ph0n0l0gy を視野に入れた 音韻論の入門書には. Kaye (1989). があ る。 3 , G0ve Ⅰ nment Vergnaud. Ph0n0l0gy. の理論的枠組みにつⅤ. (1985.1990) 、 Charette. へ. ては Kaye.. し. 0%enstamm. &. (1991) 、 Brockhaus (1995) 、 Harris &. Lindsey@ (1995)、 Kaye@ (1995)@ @@o 4 . Lowenstamfmm (1997) 、 Scheer (1997). Yoshida (1993H は、 分岐構成素を 認. めていない。. 日. 5. 本語の物昔のわたり 昔は通常オンセットに 属すると考えられている. 仏 he l987; Poser lg90 などを参照 ) が、 Yoshida (19g0b,. ュークリアスの 一部と分析した。 一. 110. 一. 1996) はニ.
(20) 6. 日本語の長母音と 二重母音は通常. 1. 音節内の分岐ニュークリアスとして. 析されるが、 Yoshida (19g0b. 1995. 1996). は. 分. 2 音節だと主張した。. 7. 統率の方向性は 普遍的であ りパラメータ 化はされない。 構成素両統率は 主 部頭位で 異 構成素間統率は 主部属位であ る。. 8. 日本語の挺昔は 通常音節末尾のコーダとしてとり Phonology では 援昔が 1990b.. 1. 扱われるが、 G0vernment. 音節を形成すると 分析される. (Yoshida lgg0a.. 1996L 。. 9. 閉音節にアクセントが 付与される言語において 単語末尾の Cya. がアクセ. ント をもつ例は存在する。 空箱 鴫を認めない 理論においては、 それ故に、. 末尾の CVC. は 重 音節であ. り、 尾 位子音はコーダであ るという議論がなり. たつであ ろう。 語中の「閉音節」が、 コーダをもつ 其の閉音節 なのか、 それともその 後に空 範. をもっ 偽 閉音節 (CVC. め). (CVC) なのか、 G. P による個別言語の 検証が必要であ る。. 10 .. 「共鳴性の順序原則」とよばれる 現象は 、 G? の構成素 内 統率と異構成素間. 統率の現れであ る。 共鳴性と統率の 比較は Yoshida I996 参照。 11. イタリア語のデータと 議論は、 1988 年ロンドン大学 S OAS. における. Jonathan Kaye fこ よる Phonology Seminar を参考にした。. 参考文献 Abe , Yasuaki(1987)Metrical@structure@and@compounds@in@Japanese Ling ℡ stics ,. Broc. 廿laus,Wiebke. Im@. &` ,. (l995)Skeletaland. Ⅰ. Phonol0鰍. edted|yゝ ,. ・. su. , Issuesin@Japanese. Saito , 5-52..ordrecht , Fors. 店 as0. 枠nenlals 血ct ℡ e W 』. London/Newv. York:Long. 田卸. 血 menl. ・. Charette , Mo Ⅰk(1991)Co@<//<;0775@on@Phonolosical@Government , Noam@&@. h Gove. Fr)onJriers ofP 古 I0用 [OAoo 恩ん ed れbed by JacquesDurand & Francis. Katam ㎏,180-22l.. Chomsky. れ. ,. ,. Morris@Halle@(1968)@The@Sound@Pattern@of@English. Cambridge@University@ ,. New@York. ・. Harper‖ndヽow Harris ,. John・. ,. 一. 111. 一. Phonology・,. Press.
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