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「幼児の音楽表現カリキュラムに関する研究」

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Academic year: 2021

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(1)幼児の音楽表現カリキュラムに関する研究. 教科・領域教育学専攻 芸術系コース 音楽分野 M07225j. 伊藤友妃子. r幼稚園教育要領」のr第2章 ねらい及び内容」. した。. に記されているとおり、「表現」の教育は豊かな感性.  第一章では、r西洋音楽中心主義の問題点」とr保. を育て、感じたことや考えたことを表現する意欲を. 育者養成課程での問題点」を取り上げ、日本の音楽. 養い、創造性を豊かにする観点で行われる。幼児の. 教育の傾向と問題点を示した。また、幼児のために. 音楽表現教育は、小学校以上の学校での音楽教育と. 考え出された特徴のある教材を取り上げ、それぞれ. は性質を異にし、楽譜を読んだり、音程やリズムを. にその有効性を考えた。しかし、既存の教材は、音. 正確に演奏するということよりも、音楽に親しみ、. の素材そのものと触れ合うというよりは、音楽に慣. 音で遊びながら自分の感じた事を音や動きで表現す. れ親しむことに重点が置かれているものも多いよう. ることを重点的に取り扱う。. に感じ、子どもの感覚を大切にするためのr表現」.  しかし、幼稚園の現場で行われている音楽表現の. を模索した。. 方法は、歌唱、器楽演奏、リズムダンスなどが主で、.  そこで、子どもの「表現」を考えるにあたって、. その表現方法は小学校以降の音楽の学習と大差はな. そもそも「表現する」というのはどういうことなの. いように見受けられる。. か考えた。哲学や美学の考え方を参考に、幼稚園及.  幼稚園における「表現」の現状を探るために、2008. ぴ学校教育が重視している「表現」は「理論的表現」. 年3月から4月にかけて神戸市の46の市立幼稚園に. の方ではないだろうかという推論が生まれた。音楽. 表現領域の音楽的な活動に関するアンケートを実施. の理論的表現になれることを目的に、音楽を聴いて. した。そのうち回答があった16の幼稚園の活動内容. 又は楽譜を見て作曲者がどんな意図を持って作曲し. を集計した。その結果現在の幼稚園での音楽的な活. ているのか推測できるように子どもを導く。そのた. 動は、活動内容そのものは以前のまま、つまり小学. めに教師は、音程、リズム、音の大小などの表現の. 校のr音楽」教育との連携を考慮していた6領域の. 仕方を子どもに伝えようとする。しかし、新しい(平. 頃のまま、保育者の気づきやねらいを広げるという. 成元年以降の)幼稚園教育要領は「自分のイメージを. 形をとっていることがわかった。なぜ、幼稚園教育. 動きや言葉などで表現し」とあるように、eXpression. においての「表現」が教科学習と変わらない内容に. の表現を求めているように見える。. なってしまうのか「西洋音楽中心主義」と「保育者.  また、音楽表現に関して学習のねらいを考えると. 養成課程」を視点にその問題点と今後の課題を考察. き忘れがちなのが教育要領の第2章の表現冒頭にあ. 一446一.

(2) る「感じたことや考えたことを自分なりに表現する. を通して身の回りのr音」で何かに気づき考える、. 事を通して、豊かな感性や表現するカを養い、創造. というねらいをr表現」教育の中にもっと取り入れ. 性を豊かにする」の中の「考えたこと」つまり「思. ることが重要である。. 考する」ということである。音を通して考えること.  領域「表現」における身体での表現や言葉の表現. の答えを本研究では二十世紀の西洋的価値観からの. は幼稚園での生活全体を通して取り上げられること. 脱却を目指してきた現代音楽(※1)の中に見出した. もあったが、「音」に関する表現は設定保育での扱い. いと考えた。. になることが多い。本研究の取り上げたカリキュラ.  以上のようなことを踏まえて、技術に偏らず、子. ムはある日の一例だが、生活全体を通して「音環境. どもが「音に注意ぶかくなる」ような指導を考えた. に注意深くなるための取り組み」をすることが、快. 時、参考になるのがマリー・シェーファーの「サウ. 適な音環境をよく考えて選ぶことのできる子どもを. ンド・スケープ」の考え方であった。サウンド・ス. 育てる。また、音をよく聴く姿勢をはぐくむことで、. 「音楽」に対しても、より快適で美しい音を探究す. ケープには様々な活動に対して聴覚的な発想も忘れ. ずに取り入れてほしい、それぞれの環境を生きる. る態度が生まれる。. 人々の立場に立った環境観をとってほしいといった.  本研究は「サウンド・スケープ」の考え方を目案. メッセージが込められており、彼の考えた「サウン. の中に取り込むことで、生活を送る上でのr聴くカ」. ド・エデュケーション」には「音を聴く」ための1OO. の育成を目指した。そして、カリキュラムを検討し. 個の課題が載せられている。本稿では、「サウンド・. た結果、音を身近な素材として感じ、自分の音環境. エデュケーション」とシェーファーの音楽作品を手. を構成する力をつけること、そしてやがては社会の. がかりに幼稚園の一日の活動の中で考えられる「サ. 音環境や音のマナーについて考えられるようなリテ. ウンド・エデュケーション」的活動や配慮を挙げた。. ラシーを育むことこそ幼稚園にふさわしい「表現」. 同案をサウンド・スケープの視点で見直すと、設定. 教育であるという結論に至った。. 保育で音楽を扱っている時だけではなく、日常のど のような活動のなかにも音は響いていることに気づ. 主任指導教員 (草野次郎 教員). いた。生活の中で聞こえる音について、よく感じ、. 指導教員   (長尾義人 教員). 考え、選び取っていけるようになることが幼児期に 必要な音の表現であると考える。.  「自然の音に耳を澄ませる」活動はほとんどの園 が行っている。しかしrサウンドスケープ」という ことばは定着していないようである。サウンドスケ ープの考え方をとおして、音がただ単独で存在する のではなく、それを響かせるバックグラウンドがあ って存在するのだという考え方、r聴く」ということ. 一447一.

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参照

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