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学校教育における吹奏楽部の在り方 ―コンクールに対する意識を中心に―

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Academic year: 2021

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(1)Title. 学校教育における吹奏楽部の在り方 ―コンクールに対する意識を中心に ―. Author(s). 関向, 央奈. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第49号: 37-46. Issue Date. 2017-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9862. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第49号(平成29年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.49(2017):37-46. 学校教育における吹奏楽部の在り方 ―コンクールに対する意識を中心に― 関 向 央 奈 北海道教育大学大学院 教育学研究科. A Study on the State of Brass Band in School Education ―Through an Attitude Survey of Brass Band Competition― SEKIMUKAI Hirona Hokkaido University of Education Graduate School of Education. 本論文では、吹奏楽部の活動として大きなイベントであるコンクールに着目し、意識調査を行っている。数ある吹奏楽 部の演奏行事のなかで、コンクールは特に重要視されているように感じ、なぜコンクールに出場する必要があるのか、コ ンクールがあることで吹奏楽部が成り立っているのではないかと考えるようになった。そのため、顧問と部員の双方に対 し調査を行い、実際に部活動をしている者の意識を調査した。顧問に対しては、自身のコンクールに関する考えや、部員 に対しどのようにコンクールの説明を行っているかなどを中心にインタビュー形式で調査を行った。部員に対しては、ア ンケートを実施した。項目として、 コンクールの出場経験などの基礎的情報から、コンクールに出ることで得ている効果、 失っているものなどプラス面マイナス面のどちらも回答できるアンケートとなっている。二つの調査から、顧問と部員の 間には、コンクールに対する明らかな意識差が存在していることがわかった。. 1.はじめに. う考えが、メディアを含めた様々な方向から見える中で、. 私は、小学校3年生から大学卒業時まで吹奏楽部に所属. 実際の吹奏楽部はどのような活動になっているのかを、学. し、活動を行ってきた。10年以上吹奏楽部に所属し、活動. 士論文ⅱでは、調査した。具体的には、吹奏楽の歴史と『バ. していた中で、年々吹奏楽部の活動に疑問を感じ始めた。. ンドジャーナル』で掲載されたコンクールについての記事. その疑問に大きく関わるのがコンクールである。現在、吹. の分析、小・中学校及び高等教育機関の顧問へのインタ. 奏楽部の活動=コンクールへの出場となるほど、コンクー. ビューである。また、高等教育機関ではコンクールへの意. ルに出場することは、当然のこととなっている。しかし、. 識調査を、学生を対象に行った。しかし、この学士論文の. それにより部員は、学生として本来するべき活動ができて. 範囲では、顧問のコンクールへの意識はある程度明らかに. いない現実があるだろう。私自身は、練習日程の多さや、. なったものの、小・中学校の児童・生徒の意識までは調査. 朝練を強いられた経験から、課題や勉強をおろそかにしか. できなかった。. ねない状況を過ごしてきた。吹奏楽部がコンクールに参加. そこで、本論文では、新たに釧路管内にある中学校にお. するのはなぜなのだろうか、コンクールありきの吹奏楽部. いて、吹奏楽部に所属している中学生を対象にアンケート. になっていないだろうか、コンクールに出る必要はそもそ. を実施し、その結果を集計するとともに、各校におけるコ. もあるのだろうか、などコンクールを中心とした疑問が私. ンクールに対する意識の差を考察する。その結果を踏ま. のなかで多く挙がる。. え、顧問との意識の差についても考察を行う。なお、新た. また吹奏楽の月間雑誌である『バンドジャーナル』ⅰで. にアンケートを実施した学校は2校あるが、両校ともに吹. は、コンクールについての特集が、一年の大半を占めて掲. 奏楽コンクールにおける実績は数多く、例年釧路地区大会. 載されている事実も確認している。内容としては、課題曲. を突破し上位大会に進む強豪校といえる学校である。. の演奏ポイントや、各種コンクールの結果などが掲載され ている。ほかにもテレビ番組でコンクール強豪校に取材を. 2.顧問に対するインタビュー. してピックアップしていたこともある。. 釧路管内において、吹奏楽部及び同好会の顧問をしてい. このように、吹奏楽部の活動=コンクールへの出場とい. る教員に対し、インタビューを行った。インタビュー対象. - 37 -.

(3) 関 向 央 奈 者は、小学校教員が3名、中学校教員が3名、高等教育機関. ことである。コンクールで演奏するものとは異なる、ほか. 教員が1名である。1において述べた、私が考えているコン. のジャンルなどに取り組むとき、コンクールの際に培った. クールに関する疑問点が、実際に部活動を指導している顧. 知識だけを考えてしまうのではないかという不安な部分も. 問の意識としてどのようなものなのかを調査した。インタ. あるという。. ビューはコンクールに関する項目として以下の6項目の質. Bさんは、教員歴2年である。コンクールは数ある吹奏. 問を中心に行った。. 楽部の活動の中でも、1つの曲に集中できるため、しっか. ①コンクールに対する教員自身の考え。. りと楽譜に向き合う機会にしているという。コンクールを. ②コンクールのためだけに行っている特別なことはある. 通し、児童たちの成長を顧問が感じるのはもちろん、児童. か。. 自身が成長を感じ取ることができるとしていた。. ③部員に対してコンクールをどのように説明しているか。. Cさんは中学生の時から吹奏楽部に所属していた。高校. ④部員はコンクールについてどのように受け止めているよ. 生の時の顧問が「コンクールは必ず出場する必要はなく、. うに見えるか。. 出なくてもいい」という考えだったことが今の自身の考え. ⑤コンクール以外に大切にしている行事はあるか。. 方に影響しているという。当時、顧問にそのように言われ、. ⑥どうして吹奏楽部の顧問を続けていられるのか。. 初めて自分たちでコンクールに出る意味について考えた。. 本項では、 小学校教員3名(A、 B、 C) 、 中学校教員3名(D、. それがコンクールに対する考えを持つきっかけになり、当. E、F)の順に、校種ごとに節を分け、各項目のインタビュー. 時は演奏技術の向上を求めコンクールに参加した。何のた. 結果をまとめていく。. めにコンクールに出るのかをしっかりと考える必要性を高 校生の時の経験から理解した上で、Cさんは初任で顧問を. 2-1 小学校教員. 持った。赴任校は例年コンクールに出るのは、当然である. ①コンクールに対する教員自身の考え. という雰囲気であったが、Cさんは児童に対し、コンクー. Aさんは、教員歴35年のベテラン教員である。コンクー. ルに出ることは、絶対ではないのだということを伝えた。. ルに出るということは、目標がはっきりする。そのように. 対象が小学生であったため難しい話は出来なかったが、高. 明確な目標があることで、児童の活動の励みになるという. 学年は話の意図をくみ取り、なぜコンクールに出場するの. ことがまず挙げられた。ここでいう目標とは、コンクール. かを考えたという。その結果は演奏レベルの向上、レベル. で入賞することや上位大会に出場することではなく、まず. が上がることにより、取り組む曲のレパートリーの増加、. はコンクールに出場するということであり、そのために練. そして難しい曲を取り組めることによって楽しく活動でき. 習を行い、それに結果がついてきて、児童とともに喜ぶこ. るという考えになったという。. とができるという。そしてその経験が次の演奏会などの行 事に進むきっかけになるという。. ②コンクールのためだけに行っている特別なことはあるか. また、児童に対して、コンクールという世界があること. Aさんは、合宿を行うこと、外部講師を招くことの2点. を教えることも、顧問としてすべきことであると考えてい. を挙げた。顧問と部員だけで向き合い、音楽を作り上げる. る。コンクールのない音楽を演奏する世界もあるが、それ. だけでなく、第三者から客観的に見てもらい、部員にとっ. だけを教えるのではなく、多くのことに触れさせるのも顧. て新たな世界を開くためであるという。. 問の仕事だと考えている。そして、そのためには出場して. Bさんは、特に特別なことはしていない。練習日程を増. コンクールを実際に経験させるしかないという。. やすことや、外部講師を呼ぶことも可能ではある。 しかし、. Aさんは、コンクールに対しプラスの面も考えている. 部員が小学生であることから、家族と過ごす時間、友人と. が、コンクールにおけるマイナス面についても考えてお. 過ごす時間として日曜日を設定しているため、コンクール. り、それについて2つ挙げていた。1つ目は、目標に設定す. のために特別なことを行い、練習のサイクルを変えること. ることは部員にとってもわかりやすく良いことなのだが、. はしないという。. 金賞をとるか、とらないかという最後の結果だけが、コン. Cさんは、練習時間を長くすることや、コンクールのホー. クールの目安になっていることに対し、疑問を持ってい. ルをイメージするために、学校の体育館を使った練習を. た。部員自身はもちろん、周りで支えている人も結果だけ. 行っている。また実際のコンクールで使われるホールでの. にとらわれてしまうと、それまで部員が頑張ってきたこと. 練習ⅳも行ったが、これは保護者からの要望で行ったもの. が重要視されなくなる。そうなることで、コンクールの後. である。顧問だけがコンクールに対して、考え、動いてい. の活動に対して、児童の気持ちが向かないなどの影響もあ. るだけでなく、保護者がいかに熱心で、協力的かがわかる。. るという。 2つ目は、コンクールは1曲に長い時間向き合うⅲ とい. ③部員に対してコンクールをどのように説明しているか。. うプラス要素もあるが、そこに多くの時間をかけることに. Aさんは、コンクールを特別扱いすることはなく、他の. よって、児童の中に育つ音楽性への影響はないのかという. 演奏会との違いはないと説明している。どのような場で. - 38 -.

(4) 学校教育における吹奏楽部の在り方 も、 自分たちのベストの演奏をすることを呼び掛けている。. ルのための部活動ではないという。. Bさんは、自分たちの正解だと思う音楽を行う場が、コ. Fさんは、教員歴17年である。コンクールに出ないとい. ンクールであると伝えた。初年度はコンクール初参加のた. う考えもあるが、それでは対外的評価を得ることが出来. め、賞の受賞を目指した出場ではなく、普通の演奏会と変. ず、自分たちで演奏をして終わりになってしまう。そうで. わらない感覚で、コンクールに出場したいかどうかを部員. はなく、自分たちの実力や対外的評価を知ることが大切で. に訊ね、出場を決めたという。. あるという。また自身も演奏者である立場から部活動を考. Cさんは、自分のベストを尽くし、自分たちの演奏の良. えたときに、何か明確な目標がないと部員が長い期間、活. いところと、もっと伸ばしていくべきところを教えてもら. 動に取り組めないという問題もあり、一年に一度、1つの. える場であり、 技術的な向上を図る場であると伝えている。. 曲に集中して取り組む機会ができるのは、コンクールのい いところだという。. ④部員はコンクールについてどのように受け止めているよ うに見えるか。. ②コンクールのためだけに行っている特別なことはあるか. Aさんは、指導者が一生懸命やれば児童もついてくる. Dさんは、合宿、外部講師を招く、ホールを使った練習. し、指導者と一緒に頑張ろうとする姿が見えるという。. をあげた。普段の演奏会ではここまでのことは行わない. Bさんは、他の行事同様、特別なことは何もなく、児童. が、コンクールは評価がつく場であることから、多くのこ. は前向きに活動していたという。. とを一生懸命やり、その上で評価され、勉強する場だと考. Cさんは、夏のコンクールは一年を通し、一番やる気が. えている。. 強く、年間を通し思い切り取り組むことができているとい. Eさんは、コンクールのために頑張っても意味はなく、. う。. 本質は伸びないという考えから、コンクールに限定した特 別なことはしていない。コンクール以外でも本番が近づけ. ⑤コンクール以外に大切にしている行事はあるか。. ば土日の練習を1日練習とすることや、外部講師を招くこ. 3校とも多くの行事に参加しており、特に地域行事への. ともあり、それは、どの行事においても同じことであると. 参加が多かった。地域とのつながりを意識していることが. いう。. 分かる。また夏のコンクールだけではなく、冬に行われる. Fさんは、コンクールに向けて、1曲にかける時間が長. ソロ・アンサンブルコンクールにも3校とも児童を出して. くなることから、外部講師を招く、参考音源を用意する、. いた。. 合宿、ホール練習などを行っている。コンクールを大切に 取り組むことで、定期演奏会を大切にしたいという思いに. ⑥どうして吹奏楽部の顧問を続けていられるのか。. つなげるという。. 三者ともに、楽しいからという理由をあげていた。楽し さの理由はそれぞれだが、まずはその気持ちを第一に持っ. ③部員に対してコンクールをどのように説明しているか。. て、顧問を持っているということが分かった。. Dさんは、コンクールを特別扱いした説明はせず、会場 が大ホールであり、上位大会があるものだという簡単な説. 2-2 中学校教員. 明で終えているという。. ①コンクールに対する教員自身の考え. Eさんは、コンクールに参加する際の編成自体ⅴ も、生. Dさんは、 顧問年数が11年の教員である。コンクールは、. 徒とともに決定するなど、しっかりとミーティングを重ね. スキルを高めるためには必要であるが、何を目的として出. コンクールへの出場を決めている。1年生が新入部員とし. るのかが大切であり、何を一番重要なポイントとして、コ. て入部してくる際には、年間行事の説明をしっかりと行. ンクールに取り組むのかを、顧問だけでなく、生徒ととも. い、コンクールに関しても、編成や上位大会などの詳細説. に考える必要があるという。生徒にとっての部活動の最終. 明を行っている。編成に関する問題は特に大きく、みんな. 目標は、一年の集大成として設定している定期演奏会であ. で音楽を楽しむことを前提に話を進めているが、どの編成. るため、コンクールはそこに向けての通過点であると考え. を選ぶかによっては、人数制限があるため、メンバーを選. ていた。. 抜する必要も出てくることから、その部分も含め、生徒が. Eさんは、顧問年数20年である。Eさんの本音としては. コンクールに対し、何を一番に考えて進むのかを大切にし. コンクールが好きではない。音楽は点数のつくものではな. ながら、話し合いが楽な考えに流れないように注意し、時. く、演奏者が喜び聴いた人が感動することが大切であり、. 間をかけて考えるようにしているという。 . 評価がつくことが、重要なのではないと考えているからで. Fさんは、客観的に自分たちを評価してもらうことで、. ある。また、部活動は人間育成の場であるという考えの. その評価によって、自分たちの集大成である定期演奏会の. もと顧問をしているEさんは、コンクールに出ることだけ. 来場数につながるのではないかという考えを持っている。. が、人としての成長につながるわけではないし、コンクー. 「コンクールで金賞だったあの学校の演奏なら聴きに行き. - 39 -.

(5) 関 向 央 奈 たい。」という周りの評価につながるということである。. とが負担になっている事実はあるという。顧問を持たなく. 定期演奏会の来場者の増加は、部員のためにも、良い影響. ていいならば、本来すべき仕事やプライベートをもっと大. になる。またFさんは、Eさん同様、部活動を人間形成の. 切にしたいと思うが、だからと言って部活動のことを適当. 場としていることから、みんなで1つの目標に向かうこと. に行うことはしていない。. で、乗り越えたときの達成感があり、例え結果がついてこ. Eさんは、つらいことも多いが、部員が顧問として自分. なくても部員には成長が残り、学べるものが多いという。. を受け入れてくれて、感動をもらえることで顧問をやめら れないという。また、部員とともに大切な瞬間を過ごすこ. ④部員はコンクールについてどのように受け止めているよ. とが、自分のエネルギーに繋がっていることもある。顧問. うに見えるか。. を持つ中で大切にしている行事が慰問演奏であるが、これ. Dさんは、あくまでも目標の1つとして考えているがそ. は相手に自分たちの音楽が伝わる瞬間が、他の行事よりも. のなかでも、大きな行事だと捉えている様子を感じてい. 直接わかり、自分たちの活動に意味を感じられるという。. る。また、上位大会がある以上やはり全道大会に進みたい. Fさんは、吹奏楽が好きで、部員たちの成長が見えるこ. という気持ちがあることも感じている。. とが顧問を続ける大きな理由であるという。. Eさんは、結果として評価がついてくるのがコンクール の特徴であることから、やはり何度話をしてもその評価が. 3.アンケート調査. すべてになってしまう部員がいるという。演奏を終え、金. A校及びB校(釧路管内の中学校) 、C校(釧路管内の高. 賞、銀賞、銅賞及び上位大会への進出の結果が出た後が、. 等教育機関)にアンケート調査を行った。回答者数及び、. 顧問として大切な場面であると考えている。そこでは、コ. 調査対象者の吹奏楽経験については以下の通りである。. ンクールで得た他人の評価が、自分たちのこれまでやって. A校:回答者は26名(うち男子2名)。全体の4/5が小学校. きたことの全てではないのだということを伝えるようにし. の段階で吹奏楽経験がある。. ており、それが部活動としての教育の瞬間なのではないか. B校:回答者は15名(うち男子1名) 。全体の4/5が小学校. と考えている。. の段階で吹奏楽経験がある。. Fさんは、部員はコンクールを試練として受け止めてい. C校:回答者は39名(うち男子14名)。3名が入学後に初め. るという。本番までの過程はつらいものであると顧問自身. て吹奏楽部に入部しており、それ以外は、入学前から吹奏. も感じているが、コンクールが終わると、上級生からは、. 楽経験があり、特に10名が小学校から継続している。. コンクールを通し、達成感を得ることが出来たという声が. 3校ともに近年の吹奏楽コンクールでは地区大会の突破. 挙がるという。. はもちろん、全道大会での上位入賞を遂げる強豪校といえ る学校である。. ⑤コンクール以外に大切にしている行事はあるか。. 質問項目及びその回答結果は一覧表にまとめてある。ア. 3校ともに多くの行事が挙がった。EさんとFさんの学校. ンケートでは、質問内容に応じて選択式と自由記述式の両. では、学校行事にも積極的に参加している。校外行事とし. 方の回答方法の質問項目を設定した。選択式の質問では、. ては3校ともに老人ホームなどでの慰問演奏を行っている. 二者択一式以外にも、多くの選択肢を設定した質問もあ. のが印象的であった。. る。多くの選択肢がある質問は、複数回答を可としたが、 その回答の中での意識の差を明確にするために、その中で. ⑥どうして吹奏楽部の顧問を続けていられるのか。. 最も当てはまる回答には◎を、その他の当てはあるものに. Dさんは、それが仕事だからであり、実際顧問を持つこ. は●を付けるように指示して回答をしてもらった。. 表1 3校におけるアンケート結果集計 A校 ①コンクールに出場した Yes 26 人 100.0% ことがある No 0 人 0.0%. B校 C校 Yes 15 人 100.0% Yes 39 人 100.0% No 0 人 0.0% No 0 人 0.0% Yes 15 人 38.5% ②コンクールに出場する Yes 26 人 100.0% Yes 11 人 73.3% No 22 人 56.4% No 0 人 0.0% No 4 人 26.6% ことは好きか どちらともいえない 2 人 5.1% ③コンクールに出場することのどんなところが好きか ◎. ●. ◎. ●. ◎. ●. みんなで演奏できること 17 個 65.4%. 7 個 26.9%. 3 個 20.0%. 5 個 33.3%. 0 個 . 0.0% 9 個 23.1%. 評価がつくこと. 1 個 3.6%. 6 個 23.1%. 5 個 33.3%. 3 個 20.0%. 0 個 . 0.0% 3 個 7.7%. 技術が上がること. 4 個 15.4% 17 個 65.4%. 一つの曲に集中できること 1 個 3.6%. 7 個 26.9%. 5 個 33.3%. 4 個 26.7%. 4 個 10.3%. 2 個 13.3%. 3 個 20.0%. 1 個 . - 40 -. 8 個 20.5%. 2.6% 2 個 5.1%.

(6) 学校教育における吹奏楽部の在り方 Yes 33 人 84.6% Yes 14 人 93.3% No 3 人 7.7% No 1 人 6.7% どちらともいえない 3 人 7.7% ⑤どのようなところに意味を感じるか. ④コンクールに出場する Yes 26 人 100.0% No 0 人 0.0% ことに意味を感じるか ◎. ●. 団結する 14 個 53.8% 10 個 38.5% 部活動をしている感じが 2 個 7.7% 7 個 26.9% する 結果が出ること 4 個 15.4% 8 個 30.8%. ◎. ●. ◎. ●. 3 個 20.0%. 4 個 26.7%. 5 個 12.8%. 2 個 13.3%. 3 個 20.0%. 0 個 0.0%. 2 個 5.1%. 3 個 20.0%. 5 個 33.3%. 0 個 0.0%. 5 個 12.8%. 10 個 26.0%. 技術向上 7 個 26.9% 12 個 46.2% 7 個 46.7% 3 個 20.0% 10 個 26.0% 17 個 43.6% ⑥コンクールに出場する Yes 0人 0.0% Yes 8 人 53.3% Yes 25 人 64.1% ことに不満を感じたこと No 26 人 100.0% No 7 人 46.7% No 14 人 35.9% はあるか ⑦どんなところに不満を感じるか ◎ 練習が面倒. 0 個 0.0%. ●. ◎. 1 個 3.6%. 1 個 6.7%. ● 1 個 6.7%. ◎. ●. 0 個 0.0%. 6 個 15.4%. 集まれない. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 2 個 13.3%. 1 個 6.7%. 2 個 5.1%. 4 個 10.3%. 評価が出る. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 4 個 10.3%. 5 個 12.8%. 一曲に向き合う ⑧コンクールに出場する ことは当たり前だと思う か ⑨コンクールに出場する ことは自分の負担になっ ているか ⑩コンクールに出ること は自分のプラスになって いるか ⑪⑩の理由. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. Yes No . 1 人 3.6% 25 人 96.2%. Yes No . Yes No . 2 人 7.7% 24 人 92.3%. Yes No . プラス 26 人 100.0% どちらともいえない 0 人 0.0% マイナス 0 人 0.0%. 1 個 2.6% 2 個 5.1% 8 人 20.5% Yes 4 人 26.7% No 30 人 76.9% 11 人 73.3% どちらともいえない 1 人 2.6% 5 人 33.3% Yes 10 人 66.7% No. 26 人 66.7% 13 人 33.3%. プラス 24 人 61.5% 12 人 80.0% プラス どちらともいえない 3 人 20.0% どちらともいえない 15 人 38.5% マイナス 0 人 0.0% マイナス 0 人 0.0% 自由記述. ⑫コンクールに出場することで得られているものは何か ◎. ●. ◎. ●. 楽しさ. 6 個 23.1%. ◎. 15 個 57.7%. ●. 1 個 6.7%. 4 個 26.7%. 1 個 2.6%. 7 個 17.9%. 団結力. 13 個 50.0%. 10 個 38.5%. 1 個 6.7%. 8 個 53.3%. 4 個 10.3%. 12 個 30.8%. 2 個 7.7%. 5 個 19.2%. 3 個 20.0%. 6 個 40.0%. 6 個 15.4%. 20 個 51.3%. 演奏技術. 9 個 34.6%. 13 個 50.0%. 3 個 20.0%. 11 個 73.3%. 8 個 20.5%. 22 個 56.4%. 体力. 1 個 3.6%. 5 個 19.2%. 1 個 6.7%. 6 個 40.0%. 0 個 0.0%. 8 個 20.5%. 忍耐力. 音楽への知識. 2 個 7.7%. 8 個 30.8%. 0 個 0.0%. 7 個 46.7%. 1 個 2.6% 11 個 28.2%. よろこび. 4 個 15.4%. 15 個 57.7%. 1 個 6.7%. 7 個 46.7%. 0 個 0.0%. 5 個 12.8%. 吹奏楽への意欲. 2 個 7.7%. 9 個 34.6%. 2 個 13.3%. 8 個 53.3%. 0 個 0.0%. 7 個 17.9%. 吹奏楽への熱意. 3 個 11.5%. 7 個 26.9%. 3 個 20.0%. 4 個 26.7%. 2 個 5.1%. 7 個 17.9%. 音楽の面白さ. 2 個 7.7% 11 個 42.3%. 5 個 33.3%. 3 個 20.0%. 4 個 10.3%. 7 個 17.9%. ◎. ●. ⑬コンクールに出場することで失っているものは何か ◎. ●. ◎. ●. 勉強時間. 8 個 30.8%. 8 個 30.8%. 8 個 53.3%. 6 個 40.0%. 4 個 10.3%. 15 個 38.5%. 自由時間. 10 個 38.5%. 1 個 3.6%. 3 個 20.0%. 11 個 73.3%. 16 個 41.0%. 15 個 38.5%. 友人との時間. 2 個 7.7%. 5 個 19.2%. 3 個 20.0%. 9 個 60.0%. 2 個 5.1%. 11 個 28.2%. 体力. 1 個 3.6%. 7 個 26.9%. 0 個 0.0%. 1 個 6.7%. 1 個 2.6%. 8 個 20.5%. 吹奏楽への意欲. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 5 個 33.3%. 1 個 2.6%. 2 個 5.1%. 吹奏楽への熱意. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 4 個 26.7%. 0 個 0.0%. 2 個 5.1%. 楽しさ. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 2 個 13.3%. 4 個 26.7%. 1 個 2.6%. 7 個 17.9%. よろこび. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 3 個 20.0%. 0 個 0.0%. 3 個 7.7%. 音楽の面白さ. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 3 個 20.0%. 0 個 0.0%. 4 個 10.3%. - 41 -.

(7) 関 向 央 奈 ⑭コンクールに出場するのに必要だと思うことは何か ◎ やる気. 16 個 61.5%. ●. ◎. ●. 8 個 30.8%. 9 個 60.0%. 4 個 26.7%. ◎ 11 個 30.8%. ● 17 個 43.6%. 人数. 1 個 3.6%. 5 個 19.2%. 2 個 13.3%. 7 個 46.7%. 2 個 5.1% 10 個 26.0%. 日程調整. 1 個 3.6%. 3 個 11.5%. 2 個 13.3%. 5 個 33.3%. 2 個 5.1%. 演奏技術. 9 個 23.1%. 10 個 38.5%. 12 個 46.2%. 4 個 26.7%. 10 個 66.7%. 1 個 2.6% 13 個 33.3%. 時間. 2 個 7.7%. 4 個 15.4%. 2 個 13.3%. 10 個 66.7%. 4 個 10.3%. 17 個 43.6%. 余裕. 2 個 7.7%. 2 個 7.7%. 3 個 20.0%. 3 個 20.0%. 4 個 10.3%. 6 個 15.4%. お金. 1 個 3.6%. 4 個 15.3%. 0 個 0.0%. 2 個 13.3%. 3 個 7.7%. 9 個 23.1%. 1位. 2位. 3位. ⑮好きな行事 コンクール 6 人 コンクール 4 人 定期演奏会 6 人 定期演奏会 3 人 お祭りのパレード 3 人 ソロコンクール 2 人 文化祭 3 人 三年生を送る会 1 人 合宿 2 人 中吹連 1 人 商業施設での演奏 2 人 体験入部 1 人 イベントでの演奏 2 人 引退式 1 人 アンサンブルコンクール 1 人 お祭りのパレード 1 人 地域行事 1 人 アンサンブルコンクール 1 人 コンクール 9 人 文化祭 7 人 アンサンブルコンクール 4 人 釧路市芸術祭 3 人 コンクール 3 人 定期演奏会 2 人 定期演奏会 3 人 合宿 1 人 お祭りのパレード 2 人 アンサンブルコンクール 1 人 体験入部 1 人 お祭りのパレード 1 人 ホール練習 1 人 演奏会 1 人 運動会 1 人 文化祭 9 人 お祭りのパレード 4 人 イベントでの演奏 3 人 コンクール 5 人 定期演奏会 3 人 定期演奏会 4 人 合宿 1 人 お祭りのパレード 2 人 コンクール 1 人 引退式 1 人 商業施設での演奏 1 人 アンサンブルコンクール 1 人 アンサンブルコンクール 1 人 音楽鑑賞 1 人 運動会 1 人 部活紹介 1 人 ⑯⑮で選択した行事とコンクールの違いは何か ◎. ●. ◎. ●. その他 15 人 小学校での演奏 11 人 アンサンブルコンクール 7 人 商業施設での演奏 2 人 地域企業での演奏 2 人 コンクール 2 人. 小学校での演奏 15 人 その他 7 人 地域企業での演奏 6 人 アンサンブルコンクール 4 人 コンクール 4 人. コンクール 9 人 小学校での演奏 5 人 商業施設での演奏 5 人 卒業式 5 人 その他 3 人 地域企業での演奏 3 人 新入生歓迎会 2 人 アンサンブルコンクール 2 人. ◎. ●. 気合の入り方. 0 個 0.0%. 0 個 0.0%. 3 個 20.0%. 7 個 46.7%. 3 個 7.7%. 7 個 17.9%. 練習量. 6 個 23.1%. 4 個 15.4%. 2 個 13.3%. 5 個 33.3%. 0 個 0.0%. 6 個 15.4%. 楽しさ. 3 個 11.5%. 4 個 15.4%. 5 個 33.3%. 5 個 33.3%. 11 個 30.8%. 8 個 20.5%. 目的. 9 個 34.6%. 10 個 38.5%. 3 個 20.0%. 6 個 40.0%. 4 個 10.3%. 16 個 41.0%. ⑰吹奏楽を始めたきっかけ. 自由記述 ⑱吹奏楽を続けている理由 ◎. 楽しいから やめられないから. 19 個 73.1% 0 個 0.0%. ●. ◎. ●. ◎. 4 個 15.4%. 5 個 33.3%. 5 個 33.3%. 4 個 10.3%. 21 個 53.8%. 1 個 3.6%. 2 個 13.3%. 2 個 13.3%. 6 個 15.4%. 8 個 20.5% 2 個 5.1%. 2 個 7.7%. ●. やめる勇気がないから. 0 個 0.0%. 1 個 6.7%. 2 個 13.3%. 1 個 2.6%. うまくなりたいから. 6 個 23.1%. 13 個 50.0%. 5 個 33.3%. 6 個 40.0%. 3 個 7.7% 10 個 26.0%. みんなとできるから. 4 個 15.4%. 10 個 38.5%. 1 個 6.7%. 5 個 33.3%. 6 個 15.4%. - 42 -. 7 個 17.9%.

(8) 学校教育における吹奏楽部の在り方 の声はなかった。コンクールの特徴であるこの2つの項目 ①に関しては3校とも全員の参加が見られた。吹奏楽部. に関する不満が出ていないということは、感じている不満. がコンクールに出場することは、やはり自然な流れである. は、コンクールに対するものではなく部活動に関するもの. と言える。. とも受け取ることが出来る。. しかし、②の回答を見るとA校は全員がコンクールの. ⑧では3校ともにコンクールへの出場を当たり前だとは. 出場について、意欲的な回答なのに対し、B校では全体の. 思わないという回答のほうが多かった。アンケート回答者. 1/3、C校では全体の半数以上が好きではないという回答. 全員がコンクールへの参加経験がある中で多くの人が当た. をしている。A校は全員で同じ感情であるが、B校とC校. り前だとは思っていないという。. ではそうではない状態でコンクールに出場していることが. ⑨ではA校がほとんどの部員が負担に感じていないのに. わかる。. 対し、B校では1/3、C校では2/3が負担を感じている。全. ③においては学校ごとに選択に違いが見られている。A. 体の多くがこんなにも負担を感じるほど、大変な行事であ. 校では◎で最も選択されているのは、 「みんなで演奏でき. るコンクールに、なぜ出場しているのだろうか。. ること」の項目である。コンクールに対する意識が統一さ. ⑩ではA校はまた全員がコンクールの出場が自分にとっ. れているところからも、部活動として仲間意識を大切に活. てプラスになっていると回答している。B校も8割がプラ. 動している姿が感じられる。●で最も選択されているの. スの回答になっている。しかしC校の結果を見ると確かに. は、 「技術向上」の項目である。これは◎であげられた「み. プラスに感じている回答が半数以上だが、4割近くがどち. んなで演奏できること」の項目と選択されている数が同数. らともいえないと回答している。プラスになっている部分. であり、A校の回答者の中ではコンクールの好きな部分と. もあるが、⑦の回答からわかるように、不満を感じている. してこの2つを同等に考えることができる。 「技術向上」の. 部分もあることから、すべてが良い方向には捉えられてい. 項目に関してはB校、C校でも一定の選択数が見られ、3校. ないのだろう。しかし、3校ともにマイナスになっている. ともにコンクールにおいて、意識している部分なのではな. との回答はいなかった。コンクールにおいて何らかの効果. いだろうか。B校の◎においては、 「評価がつくこと」と「技. は得ていると言える。. 術向上」の部分で、同数の回答を得ており、コンクールと. ⑫でA校は前半で行った他の質問の回答と変わらず、 「団. いう特別なものに対する意識が強く見られている。. 結力」に◎が多くついている。●は「楽しさ」、 「演奏技術」 、. ④ではA校は②同様に全員がコンクールに対する意味を. 「よろこび」の項目にも多くあり、今までの回答と通ずる. 見出して参加している。全員が同じ回答であることに着目. ものがある。B校は◎が最も多いのは「音楽の面白さ」に. しておきたい。B校およびC校は数名ずつではあるが、意. なっている。●になると「演奏技術」になる。コンクール. 味を見いだせないままコンクールへの参加を行っている部. として、曲と向き合うことによって得られている音楽的な. 員がいることが分かった。特にC校は全体の14%が意味を. 面が見られる。C校は◎が演奏技術、●が演奏技術の次に. 見いだせていない現状がある。何のためにという部分が抜. 忍耐力となっており、年齢層がA、B校と違う分、感じ方. けている状態でのコンクールへの参加であり、そこに意味. も違っていることがわかる。. を見いだせていないことから、コンクールに出ることがい. ⑬では⑫の反対で失っているものについての回答をして. かに当たり前とされているかが読み取れる。. いるが、3校ともに時間の項目への回答が多いのが目立つ。. ⑤では、④におけるコンクールに出場することの意味を. 「勉強時間」、「自由時間」、「友人との時間」と、どれも学. 感じている部分に関しての項目であるが、A校は「団結す. 生である回答者にとって、必要で重要な時間である。. ること」に◎の数が最も多くついており、ここまでのA校. ⑭ではコンクールに出場するために必要だと思うものに. の回答であるみんなで一緒にという方向性からずれていな. ついての回答だが、3校ともに◎は「やる気」が一番多い. いことがわかる。●になると「技術向上」が12個と最も多. 回答になっている。やる気がないとコンクールには向かえ. く、これに関してもここまでの回答と一致していることが. ないという部員の経験からの意見だと読み取れる。A校と. わかる。B校、C校においては、◎は「技術向上」が最も. B校では次に「演奏技術」が挙げられており、やはりコン. 選択数として多く、これもA校同様ここまでの回答とずれ. クールに出るには演奏技術が必要と考えている。また他の. のない結果になっている。. 質問項目の回答からもわかるように、コンクールで得るも. ⑥ではA校は全員が不満を感じていない結果となってい. のとしても演奏技術は選択されており、出るためにも必要. る。しかしB校とC校は半数以上がコンクールに出ること. なうえに出ることで伸びる部分として、部員が認識してい. に関して不満を抱いていることがわかる。. ることがわかる。C校では●の項目で「時間」の選択肢に. ⑦ではB校とC校がどこに不満を抱いているのかがわか. 対する回答が多く、失っているものが時間である部員に. るが、各項目において回答数に大きな差はない。だが、C. とって、多くの時間を必要とする行事の1つがコンクール. 校ではすべての項目に選択があったのに対し、 B校では「評. であるという思いが見える。. 価が出ること」や「1曲に向き合うこと」に関しては不満. ⑮では活動しているうえで好きな行事を自由に回答して. - 43 -.

(9) 関 向 央 奈 もらった。A校及びB校は、1位2位ともにコンクールの回. 〇コンクールに対する目的意識. 答が多くなっている。②においてコンクールが好きだと答. 多くの教員から出ていた、何を目的としてコンクールに. えた部員が多かったことからもこの回答には納得できる。. 臨むのかという部分に関しても、多くの学生がしっかりと. 半数以上が好きではないと回答したC校においては、1位2. 理解していると考察する。好きな行事とコンクールの違い. 位でコンクールを選択している回答者はいるものの、わず. についての回答を見ると、しっかりと「目的」であると回. かであり、それ以外の地域貢献行事や、小学校へ行っての. 答している学生が多い。◎と●を合計すると、A校とB校. 演奏行事などへの関心が強いことがわかる。回答者全員が. では6割以上の学生がその違いを考えてコンクールに臨ん. 出場しているコンクールではあるが、好きな行事として捉. でいることがわかる。. えずに出場しているということがわかる。 ⑯では好きだと回答した行事との差について回答してい. 〇コンクール自体の扱い方. る。A校では「目的」という回答が◎で一番多い。しっか. コンクールは定期演奏会に向けての1つの通過点である. りとコンクールに出る目的が考えられており、それ以外の. という考えが中学校の教員には多く見られたが、これに関. 行事との違いを、部員自身がわかっている上で活動してい. してはアンケートの回答者の意識とは差が見られていると. ることがわかる。B校では「楽しさ」の回答が◎で一番多. 考える。教員は集大成として定期演奏会を位置づけている. い。コンクールは楽しいだけではない、もしくは楽しさの. ことがインタビューからわかるが、その顧問の思いが伝. 質が違うと感じていることがわかる。C校でもB校同様に. わっていないように感じる。. 「楽しさ」 に◎をつけた者が多く見られる。●になると「目. アンケートの結果から見られる学生たちの意識として、. 的」の回答が多くなり、そこにおいてはA校と同様にしっ. A校ではみんなで楽しんでやるということを考えているよ. かりと考えているからだといえる。. うに感じたが、顧問の定期演奏会が集大成であるという考. ⑰では部活動として吹奏楽を続けている理由を聞いた。. えがしっかりと伝わっていれば、この場合、A校の多くの. A校は「楽しいから」の選択が◎として最も多く、7割を. 生徒の意識が定期演奏会に向くことが普通ではないだろ. 超えている。部活動をみんなで楽しむA校の様子が感じら. うか。しかし、好きな行事は何かというというに対し、A. れる。●では「上手くなりたいから」が5割を占めており、. 校もB校も、多くの生徒がコンクールと回答している。A. やはり一貫してみんなで楽しく、を第一に考え、その次に. 校では回答者26名中21名が、3位までの回答にコンクール. 演奏技術という考えが見える。B校においてはA校の結果. に関するものを選んでいるのに対し、定期演奏会は11人と. と大きな差はなく、学校は違うが、同じ年代である中学生. なっている。顧問であるFさんのインタビューの様子から. は似た思いで部活動に励んでいることがわかる。C校にお. は、 「定期演奏会が部活動としての一番」というような雰. いては、「やめられない」と「みんなとできるから」とい. 囲気を受けていたため、この結果は驚いた。顧問が一番大. う回答が◎で多い。 「やめられない」についての解釈はい. 切だと考えている定期演奏会よりも、コンクールのほう. ろいろあるのだが、●において「楽しいから」の回答数が. が、楽しく好きな行事だと考えているように読み取れる。. 5割を超えていることから、部活動が楽しくやめられない. B校においても、好きな行事の3位までに、コンクール. のだと解釈される。. についての回答が20人にいるのに対し、定期演奏会は10人 となっている。他の行事との違いは何かの項目で、楽しさ. 4.顧問と生徒の意識の違い. が違うという回答も多く出ていることから、生徒にとって. 4では、2で行った顧問へのインタビューと3で行った学. は、定期演奏会よりもコンクールのほうが楽しさを感じら. 生のコンクールに対する意識調査のアンケート結果を比較. れる行事であるという認識になっていることがわかる。ま. し、両者のコンクールに対する意識の違いを考察する。中. た、一年間の行事として、定期演奏会よりもコンクールに. 学校の顧問と学生のアンケート結果の関係性だが、Dさん. 対する意識のほうを強く持っているともいえる結果になっ. はB校の顧問であり、FさんはA校の顧問である。. ている。好きではない行事が一年の集大成であるという顧. 〇部活動の在り方. 問と学生の意識の差は大きな問題ではないだろうか。. まず中学校の教員に対するインタビューで多く言われた こととして、部活動は人間形成の場であるということであ. 〇時間に対する認識. る。それについては生徒にもしっかりと伝わっているとア. コンクールの特徴として、1曲に向き合うという部分が. ンケート結果から読み取ることが出来る。特にA校だが、. ある。そのために多くの時間をかけ、他の行事とは違う扱. みんなで一緒に演奏することや、団結力などの項目に対す. いをして、外部講師を招いたり、練習時間を延ばしたりし. る回答が大変多く、吹奏楽という部活動を通して、ただ楽. ている顧問もいることがインタビューからわかる。外部講. 器を演奏するだけではなく、部活動として行う意味を見出. 師が来るということは、その講師の時間に合わせた日程を. して活動を行うことが出来ていると言えるだろう。. 組むことになるのだろう。多くの時間をかけることでより よい演奏、曲の仕上がりになることは、私も経験上理解で. - 44 -.

(10) 学校教育における吹奏楽部の在り方 きるところである。そして、顧問の考えとして、コンクー. 重ね、生徒同士での話し合いを持たせているEさんのスタ. ルが一つの通過点と考える以上、一生懸命取り組むために. イルは理想的であると言えるだろう。. は必要な過程なのだということも理解できる。 しかし、アンケートによれば、コンクールに出ることに. 〇コンクールに求めているもの. よって、様々な時間を失っていると感じている学生が3校. 先述しているが、学生に行ったアンケートの結果を見る. ともにいる。このことから時間をかけなければならないコ. と、コンクールに出場することで求めているものは技術向. ンクールに対し、好きという好意的な感情があっても、吹. 上であるということがはっきりとわかる。出場するため. 奏楽以外にかける必要な時間が削られているという認識を. に必要なものとしても技術が挙げられており、コンクー. 持ちながら取り組んでいることがわかる。そのような取り. ルは賞がつく以上、やはりいかに上手に演奏するかという. 組み方では、やはりマイナスに感じている感情の方が強く. ことに焦点が置かれていることがわかる。学生に対するア. なってしまうのではないだろうか。特に勉強時間を失って. ンケートではここまではっきりと意見が見えたのにもかか. いるという生徒の意識について言えば、学生として本来す. わらず、教員へのインタビューでは、技術向上という言葉. べきことが出来ていないという状況に生徒が置かれている. は出てこない。ここでも部員と教員との認識にずれを感じ. と言えよう。高校受験を控えている中学生にとってこの事. る。やはり部員はコンクールで勝つことを意識しているか. 態は大きな問題であると考える。部活動として位置づけら. らこそ、技術の向上が必要だと考えるのではないだろう. れている以上、このような由々しき状況については、もっ. か。その一方で、顧問はコンクールを1つのステップであ. と注目していかなければならないと同時に、改善していく. り、最終段階は定期演奏会であるという考えがあるため、. 必要があるのではないだろうか。. コンクールで勝つという認識は薄い感じが受ける。コン. そして、このように学生にとって、時間がないというこ. クールで勝ちたいと思う学生の気持ちとのずれは、どこか. とは、同様に顧問自身も時間を失っているという問題にも. ですり合わせなくてはならないだろう。. つながるだろう。顧問が熱心で、部活動に時間を費やすこ とが苦ではないからといって練習時間を延ばす、練習を増. 5.終わりに. やすというのではなく、しっかりと生徒、学生にとって. 今回、吹奏楽部に直接かかわる、「顧問」と「部員」の. 必要な時間を確保し、顧問自身も自分の時間を犠牲にせず. 意識に関しての調査を行った。顧問がどのような願いを持. に、部活動を行う必要性があるのではないだろうか。. ちながら部活動に携わり、コンクールに取り組んでいるの か、それを部員がどの程度理解し、受け止めているのかが. 〇部員に対するコンクールの説明. わかった。その中ではっきりとしたコンクールに対する双. 顧問が部員に行う、コンクールに対する説明は、顧問そ. 方の認識のずれをいくつか確認することが出来た。. れぞれにおいて差があるように感じた。. 私が1において提示した疑問点(なぜコンクールに参加. 中学校の顧問は、コンクールを特別視していないのだか. するのか、コンクールありきの吹奏楽部になっていない. ら、普段行っている演奏会と変わらず、会場が変わり、上. か、コンクールに出場する必要性)に関しては、ある程度. 位大会があるというシステムのみの説明をするのも当然で. 解決したように思う。部活動をしている以上、一定の目標. ある。しかし、学生に行ったアンケート結果からわかるよ. を持ちながら活動することは必要であり、運動部のように. うに、部員はコンクールを技術向上の場として認識してい. 点数が試合ごとに見えるわけではない吹奏楽部にとって、. る以上、それはただ自分たちの演奏を聴きに来た観客がい. コンクールは、とてもいいイベントになっている。誰に自. る定期演奏会や地域行事での演奏とは明らかな違いを意識. 分たちのどのような演奏を聴いてもらうのか、しっかりと. して持ち取り組んでおり、自分たちを評価してもらうとい. 目的意識をもって取り組むことで自分たちの部活動を、よ. う気持ちが強いのではないだろうか。しっかりと目的意識. り充実したものにできるだろう。コンクールありきの吹奏. をもって取り組んでいるコンクールだからこそ、部員の意. 楽部であるということは、学生のアンケートからもやはり. 識をくみ取った説明を顧問側も意識して行うべきではない. そうであると言わざるを得ない結果になっている。メディ. だろうか。中学生になり、強制ではない部活動に自分で決. ア等による外部からの影響もあるかもしれないが、やはり. めて入部している以上、やはりコンクールがどのようなも. 部活動として目的を設定するためには出場するしかない. のであるのかの説明をしっかりとした上で、自分たちは何. し、評価を受けるコンクールの特性上、その行事が一年の. のために出るのかを考えさせる時間が必要ではないだろう. 中で重要度が高く、コンクールありきの部活動になるのは. か。吹奏楽部はコンクール以外にも多くの行事が年間通し. 否めないのだろう。. て行われているが、どうして学生は、その他の行事と区別 した認識を持っているのだろうか、その認識を持ち続ける ということは、コンクールで何を目標としているのかとい. 注及び参考・引用文献. うことを考えなければならない。しっかりミーティングを. ⅰ『バンドジャーナル』,音楽之友社,1959 ~. - 45 -.

(11) 関 向 央 奈 ⅱ関向央奈『学校教育における吹奏楽部のあり方につい て』 (北海道教育大学釧路校学士論文),2016 ⅲコンクールの期間は、練習時間の多くをコンクールで演 奏する曲に費やす。 ⅳ実際に演奏するホールで練習することで本番と同じ状態 を知ることでコンクールでの演奏に影響をもたらす。 ⅴコンクールの中学生以上の部にはA編成、B編成、C編 成の3つの編成がある。人数制限や課題曲の有無などの違 いがある。. - 46 -.

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参照

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