ヘッセンのハウプトシューレにおける学校経営 : 事例研究2「芝生立入禁止」事件
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(2) . ヘ ッ セ ンのハウ プ トシ ュ ー レにおける学校経 営 -- 事例 研究2: 「芝生立入禁止」 事件 --. 村. 田. 貞. 雄. 序 事例研究1では, ハウ プトシューレにおける学校経営の全体構造を生きた実際の姿において解明 しようと試みた. その際, 簡略に 触れるに留めた学校経営における生徒の地位, 特に生徒の経営参 加の現状と問題点を論じようとするのが本稿の課題 である, 前回の事例 では, 学校経営に対する生 徒の共働権と共同決定権が, 実定法上の権利として規定され, 職員会議への生徒の参加及び協議権 などに具体化されている事実について触れておいた. 事例 では, 2名の生徒が職員 会議に参加して い た.. 今回は, 「芝生立入禁止」 事件を生徒の経営参加の事例として取上げ, 前回と同様, 法規定との関 連; こおいて, この事例のもつ普遍的意味の探究に努めてみたい. この事例は, 日記の著者が, 彼の 1 }の理念を学校生活の中に実現しようとしたものである なお 前回の「穴蔵」事件と 「自由教育」( , . の時間的前後関係について, 触れておく必要があろう, 行政官宛ての抗議書に対して, 意外にも郡 長官の回答が寄せられ,その件について協議したのが4月 1 0日の職員会議であっ た.その4日後に, 5 前回の事例 で, 郡長官に対する苦情提出を撤回し, 事件の決着をみた5月 1 今回の日記は 始まる, 日の同じ職員会議で, 今回の生徒総会対策が審議されている,. 事例: 「芝生立入禁止」 事件 4月 14 日(金). 2 }の グロ ナ ウ の ベ ル ク シ ュ ー レ, 私 は, 休 時 間 の 監 督 を して い た. 生 徒 委 員{. バ ル タ ー と マ ン フ レ ッ ドが き て, 芝 生 に 立 入 り が 許 さ れ て い な い こ と に 憤 慨 し た 芝 生 立 入 り は, ,. 数年来の生徒の要求だっ た, 大人の美的感覚に基づいた規則によっ て, 芝生への立入りは禁止さ れている. ただ, 体育の時間は例外で, 時折 「規則違反」 のフットボールが行なわれる. 何 度も ストライキ が話題になっ たが, 今度は単なる話題には留まらないと二人はいっ た. 休時間終了後, 彼らは, 私が担任する最上級学年の9年生とストライキの開始方法について討議した, 二人は, b i l 私に中立を要請した. 私は, 生徒代表委員会の 「顧問教師 Ve r r r 」 として生徒の利益 ndung s eh e を擁護する立場から, 彼らとかなり立入っ て協議した, 彼らだけでは, まずストライキは できな いだろう. 彼らの意識を覚醒し, 不可能の壁を打開する道を示してやらなければならないだろう. i l i それが, 私の職責である. 私は, 仲介的 ve rb nd ch になだめすかす顧問教師にはなりたくない. 私達は, 次の計画を決定した:5年生から9年生ま での全クラスは, 3時間目の終了後芝生に 17.
(3) . 村. 田. 貞. 雄. 座り込み, 校長が討議に応ずるま で授業には出ないと, バ ルターとマンフレ ッ ドは, 全クラ スに 伝令を走らせた. 生徒は, 芝生に集っ た. バ ルターは, ストライキ演説をしようとした. 生徒は喧 喋を極め, 多 くの生徒が芝生の上を走り廻っ たり格闘 していた. 神経質な彼は, 演説を断念せんばかりだっ た. 彼らには, 最初のストライキ であり, それは, 単純にしたいことをするという 意味しかもっ てい なかっ た. 私は, バルターを落ちつかせ, どうして静粛と秩序を確立するか, 顧問教師の職責を 発揮して指示を与えた. 2・3人の年長者が, 自発的に生徒の間を走り廻り, 騒い でいる者を横 に押 しのけ, 黙るよう呼 びかけた. 私は, ストライキに 参加したものか どうか迷っ た. 前面に出ないように努力 したが, 精神的に はストライキと一体化 し, その展開に対する期 待に快よい興奮さえ感じていた. 参加 は, 私にとっ てマイナスになろう. 懲戒処分を受けるのは, 戦術的に軽率 である. 殉教者の態度と連帯への瞳 傷. 校長は, 一年前, 今後とも学校に不穏の種を蒔き, 共同精神を示さなければ首だと暖昧な表 現ながら私を脅迫 したことがある.9年生のゲルトが私の葛藤を見抜いて叫んだ,「ル ドルフ,待っ て いろ よ. 頭 を 一 つ 殴 っ て や る か ら,」. f とを棄て, ことさらに 整っ た文体に 漸やく静かになっ て, バルター が演説を始めた. 突然地方言 しようとしたものだから, それは幾分滑稽に作用 した. 校長は, 現れなかっ た. 私達は戦術を変更した. マンフレ ッ ドが校長に会い, 事情を説明して 討議への参加 を要請したが不成功に終っ た. 遂に, 私自身が出向いた. 生徒は直ちに教室に戻る よう, 彼は要求した. 生徒にはス トライキ権はない, 彼らには危険な政治的行為の代りに学習す べきことがある, 授業は継続されなければならないと. 私は, 生徒と話し合うよう彼の説得に努 めた. 私が主張したのは, 結局, 生徒の正当な要望は考慮 して, 解決策を見出さなけれがならな いし, 学校は先ずもっ て教師の学校 ではないだろうということであっ た, しかし, 成果はなかっ た.「穴蔵」 事件の時, 討論のために視学の来校を招請して拒否され, 彼は失望したのではなかっ た か.. シュ ーマン校長は, 日頃生徒に対して, 特に厳しく振舞っ ている. 彼は, 成人への教育, 民主 的行動 への教育をよく口にするが, 生徒に問題を解決させず, それを管理し抑圧してしまう. 彼・ は, 生徒を信用せず, 規則を危険に 晒すことはない. 一方, 彼は, 教師団には一 定の活動の余地 Kl l il i いう 語 は, 「穴 蔵」 事 件 の ば あ い の よ う に, 上 司 を 認 め る. 彼 に と っ て, KO 1 i ege , o ega tatと. に 対 して さえ 向け られる 連 帯 を 作り 出す.「穴 蔵」 事 件の時, 生 徒の た め では なく, 教師の た め, 私のために尽力してく れた. しかし, 先ず第一に生徒が問題 でなければならない. 校舎管理人のファ ルターが, 脇から攻撃的な口を入れてきた. 生徒の芝生立入は理解 できない, 生徒 が芝生に立入るなら芝生の手入れは 拒否する, この件 で学校維持者に責任を負っ ているので 郡役所に報告すると. 彼は, 芝生の手入れは殆ん どしていない. にも拘 らず, 芝生規程の厳守を 第一義としている. 彼との個人的対立は, 一年後に芝 生の上 で鉄拳 で対立することになる. 校舎 l l i 管理人もKo eg um に所属し, 教育的器 惟様式を学ばなければならないだろう. 同僚達は, 教師の役割 ではなく, 公務員の役割を演じていた. 全員が吹抜けに集まり, 彼らの 利益のために, 空間的にも生徒から離れて, 不安気に, 仮にもストライキを支持している印象を 与えないように努力していることは, 誰の目にも明白だっ た. 生徒の自主決定を援助 しようとし て い る 私 は, 孤 立 した.. 二人の同僚が芝生にきて, 生徒を教室に入れようとした. その後のやりとりの中 で, 校長は, 基本的には討論に応じる用意はあるが, この状態下では不可能だと主張し, 生徒総会の議案とし 18.
(4) . ヘッセンのハウプトシューレにおける学校経営( 2 ). て は どう か と 提 言 し た, バ ル ター と マ ン フ レ ッ ドは了 承 した, バ ル タ ー は, ス トライ キ 中 の 生 徒. に成果を伝え, 教室に帰るように要求した, 彼らは, ブツ ブツいいながら従っ た, 既に生徒 の中 には, 何人かの脱落者が出ていた. 彼らの背中に罵声が飛んだが, これは, ストライキへの連帯 感の証 であろう. 昨年, 私のクラスは, 生徒代表委員会学校細則案全ヘッセン・コンテストに参加し, 3等賞を 獲得した. 草案の最後の条項は, 次のように規定している.「我々は, 学校の不都合に対して示威 運動をし, 極度に非常のばあいにはストライキをする権利を有 したいと思う.」 事態は, 生徒総会を成立させうるか否かということになっ た. 私は, 週に一度, 生徒代表委員 会と話し合っ た. 生徒の明確な行動意識と, 解決するまで戦い抜く意思が問題 である. 私は, 彼 らを動かす前に, 彼らの自発性に期待を懸け, しばらく, 待つことに した. 4月 24 日(月). 私は, 一週間の体育講習会に参加していた. 生徒代表委員会は, 開催され. なか っ た.. 生徒代表委員会は, 今日も開催されなかっ た. 委員長のバルターは出席し ないし, 副委員長のマンフレッ ドも自ら召集しようとしなかっ た. 生徒の怒りは, 便所に表現された. それは, 絶えず破壊され, 排 世物 で汚され, 塗り つけられ 4月 26 日(水). た. 掃除婦達は, 最早や清掃の意思を失っ た. 9年生は, 芝生の解放を条件に, 生徒 が便所監視 を引受けることを総会に提出する意思があっ た. 5月 3 日 (水). 生徒代表委員会, またも延期, バルターの言によれば, クラ ブ活動 に 熱中. して召集しなかっ たのである. 5月 10 日(水). 生徒代表委員会ようやく成立.委員会が開催されなかっ た理由について2・ 3の質問はあっ たが,抗議はなかっ た,5月 1 8日の総会開催を決定.バ ルターは準備委員会を作っ た. 顧問教師の活動義務を意識して, 私は補助的に参加したに過 ぎない. 9年生の学級委員 ゲルトが, 始業前に 「始めに少しばかりお話した いの ですが」 と無気力に申 し出た. 芝生問題を考えているのである. 副委員長のラインハルトは, 総会を無為に過さないた めに, 討議して発言内容などを準備しなければならないといっ た. いよいよ事態は動き出した. 私は, ラインハルトの依頼で, 芝生使用の論拠一覧を書くことになっ た, 生徒は, 便所仕事以外 に紙屑拾 いと芝刈りの手伝いを提案す ることにした. 5月 15 日 (月). 職員会議, 教師団は, 総会対策を協議した, 議決に至る過程は, 次のよう に 整理 できよう. ①教師団は, 最初僅少差 の多数決で, 休時間と週一回体育の時間に芝生の使用 を認める議決をした, ②校長は, この議決に反対し, 撤回しなければ, 監督庁 に通知すると発言 した. ③教師団は, 議決を撤回し, 芝生は週-回体育の時間だけ使用させるという新しい議決を した.. 校長は, 民主主義を危険に晒し欺いた. 最初の議決が彼の立場と一致していたら, 民主的外見 は維持されたろう,校長は,民主的マントを脱ぎ捨てたのである. 彼は, 「穴蔵」事件で戦っ たその 同じ官庁を用いて脅迫してきた.彼は,職員会議に先立っ て,芝生の利用 一 般について,監督庁に問 い合せていた.勿論,校長自身も欲し,職員会議対策上よく使用される否定的回答をえたの である. 19.
(5) . 村. 田. 貞. 雄. 校長を支持した バ ルツァー が新しい議決の提案者 であっ た. 全ての背景には, 監督庁との新たな 対立を回避しようとする校長の意図があっ た. その対立の故に, 視学は, 校長を支持しなかっ た 5日の 「穴蔵」 事件職員会議参照) の である (5月 1 . 5月 16 日 (火). 時間割上の理由から, 生徒総会は, 5月 26 日に延期された.. 生徒代表委員会. 召集情報の流れが悪く, 委員の何人かは, 開催を知らさ れていなかっ た. 正副委員長が授業中の彼らを迎えにいっ たが, 教師達は, 渋い顔をした, 私達 は, 総会の準備をし, 体育の時間と休時間中の芝生の使用 を要求する立場を確立し, 喧味対策を 5月 24 日 (水). 練っ た. 私は最後に, 総会のテーマを各クラスで話し合うことと静粛問題を忘れないよう学級委 員に念を押 した. 5月 26 日 (金) 生徒総会は, 第4・5時限に設定された. 3時間目に2年生と3年生の使 者がきて, 参加 を希望 した. 両クラスは, 基礎学校が狭陽なので広い私達の学校に移されていた. ヴォ ルフは, 使者と一 緒に帰り, クラス討議と参加意思の確認投票をさせた. 規則によれば, 4 年生以下は, 総会の傍聴権が与えられているだけ である. 230名の生徒と1 0名 の教師が体育館に移動 した. バルターは, 委員用の机を準備した. 大部分. は, 床に座り, 幸運な連中が体育用 ベンチを占めた. 2・3年生を膝の上に抱えている者もいる. 校長は, 可成り遅刻 してきたが, 弁解しなかっ た. 官庁的 些事には冗帳面なのに, 生徒総会の時 間は守るに価しないのだろうか. またしても, 静粛問題 が生じた, それは, 最後まで半分解決されずに終っ た, 私は, 声を張り 上げて 「もういい加減にして口を閉 じろ」 と叫んだ, マンフレッ ドは, ノートで机をたたき静粛 にするよう怒号し, ハインツはタン バリンを持っ てきた. インゲは, 机の上に立上り身振りをし 5才の生徒230名による直接民主制は, 制約された成功 しかもたらさなかっ た. 次 た. 7才から1 回からは, 生徒を二分せねばなるまい. バルターは, 前回のストライキを想起させた後, 討議に入っ た. 大部分の教師は, 先の職員会 議の議決を守らないだけ でなく, 基本的に生徒 の芝生使用 に 反対か疑いをもっ ていることが直ち に明らかになっ た. 教師には理由付けは簡単 である, 日く, 芝生の美が害われる, 誰が芝生の世 話をするのか, 学校維持者はいずれにせよ許可しないだろう, 生徒には充分運動場(硬いアスフ ァ ルトの地面) がある等々. 生徒は, お上の発想, 子どもに敵対するもの, 硬直した大人の形式主 義に対して 防御した. 日く, 芝生は装飾用 ではなく学校の芝 生 である, 公園の芝生も立入りが許 されている, 何故芝生は私達のもの ではないのか, 立入りが許可されれば便所掃除も芝 生の世話 も手伝うと. 手伝い提案には, 校長及 び立入り 反対教師は一顧だに与えなかっ た. 日頃は, 規則 義務を軽減するため可能な仕事は生徒に押 しつけようとするのに. 生徒は交渉相手 ではないし, 交渉の代償を認めれば芝生は生徒の手中に 落ちると彼は考えているのだ. 反芝生教師は, 結果は洞察済み で, 討論への参加は少なく, 生徒の 無益な討議をなすがままに 任せた. それは, 私に対する態度の表明 でもあっ た. 生徒の利益を代弁した私は, 誤解され孤立 している. 同僚間の連帯 (「穴蔵」 事件参照) はあっ ても, 生徒との連帯は存在しない. 学校には 二つの戦線が対時しているのだ, 8年生のヘル バルトは, 管理人のフ ァ ルターに仕事をサボっ ている理由を質問した. 生徒の批 判 が彼に集中し, 彼に対する真実の一時間となっ た. 生徒に規則は求めるが自らは何もしない態 20.
(6) . ヘッセンのハウプトシューレにおける学校経営( 2 ). 度と, 彼の乱暴な態度に関する真実. よく彼を批判.し,Ko l l i eg um の一員に加えることに抵抗して いる校長が, 彼を勤勉 であると弁護した, 未成年 の生 徒に対する成人の擁護 . 問題の核心が, 休時間中 の芝 生の使用にあることが明確になるま で長時間を要した バルター . 自身, 生徒代表委員会の要求を正確に再現することすら困難で, 討議中問題の所在を把 握できな いこともしばしばあっ た, 彼の 意見は不明確 で, 後退 した発言に対しても抗議はなかっ た 総会 . は稀である, 貴重な時間の空費. 私は, 生徒の利益のために発言せ ざるをえなかっ た . 芝生使用に関する原則的可否の投票をした. 反対は1 5名から2 0名 であっ た. しかし, 生徒総 会には決定権はない. それは, いわゆる諮問機関 であり, 教師に対する 些細な反対投票さえ成立 しないという確かな感じを私は持っ ている. 討議中, 教頭が担任する7年生の中に反対派が著し く成長し, 意見を 公式 に表明 す るよう に なっ た. とかくする内に, 一時間 が廻っ た 私達は , . 休時間中の芝生使用について投票しようとした, その時, 突然7年生が一団となっ て立上り退場 し始めた. 怒りの抗議が飛んだ. 同僚の バンガート女史が, 彼女のクラスの男子生徒 が一人 群 , 集心理で一緒に出ていこうとした時, 一声 叫んで床に押えつけたのには笑っ てしまっ た 最早や , 静粛さを回復するのは, 不可能だ. バルターとマンフレッ ドは, 困惑の余り椅子に座り込ん でし まっ た. 私は, ことばをひっ たくるように全員に叫んだ.「これ で終り! お前達の教室 で投票しな さい.」 彼らは, 雪崩を打っ て出ていっ た. バ ル ター と マ ン フ レ ッ ドは 直 ぐ8 年 生 の 踊 り の 中 に 消 え た 二 人 に と っ て 総 会 は 終了 し た , . ,. のだ. 教師と生徒の連帯には, 限界があることを思い知らされた. 私には成人の知的問題領域が あり, 子どもには子どもの問題領域がある. しかし, 私は, 二人の後を追い 7年生と話し合っ , て退場の理由を明らかにしなければならないと伝えた. 7年生は, 8年生からテロ行為を受けた こと, 自転車を壊されたことを総会に持ち出そうとしていたの である. 彼らには, 芝生問題以上 に切実な問題 である, しかし, 総会の唯一の議題が芝生問題 であることを知っ ていなければなら なかっ た筈だ. しかし, 徹底していなかっ た. ラー プ女史も, それを生徒に伝えていなかっ た . 何故か, そのために, 芝生問題に集中しなかっ たのだろうか , 校長とファ ルターそれに2・3の同僚が, まだ正面階段に立っ ていた 私達は 激論を交すこ , , とになっ た. バルツァーは, 私の処置を非難した. 正副委員長を指導して討議に影響力 を及ぼし , 極端 にラジカルかつ一面的に議論したと, また, 私がコレギアー ルに振舞わなかっ たとも非難し た. 私 も, 自 分 の 立 場 を 譲 ら な か っ た, 私 の 別 れ の 挨 拶 Aufwi eder sehen に は 誰 も 応 え な か っ た. 6 月 26 日(月). 芝 生問題は, 短かく簡潔に終っ た. 校長 は, 総会 前 に行 な わ れ た職員 会 議の議決は生きていると私に説明 した, ストライキと生徒総会がもたらした成果は, 体育の授業 における芝生使用の 「合法化」 だけだっ た, そして, 生徒代表委員会制 が, 上から組織された箱 庭デモクラシー であり, 約束された共同決定は, その実, 押 し潰され破壊されていることが明ら かにされた, それは, 体制 を支える自由であり, 安全弁 である. 学校の基本方針を伝える家庭通 信用 パンフレッ トには, 角材的太さの表題 で次のように表示されている 「学習の最高目標:自由 . 決定及 び共同決定」 それは, 教師の許容限度内においてのみ認められる 教師の共同決定につい , てはどうか, ▼週間前, 生徒のストライキを報じた「ヴィ ースバーデン速報」 の中で , 一校長は, 次のような間を投げかけていた.「不完全な共同決定によっ て, 我々には民主的に振舞うことが許 されていないのに, 我々の生徒に どうして民主的態度を教えることができようか, 我々教師は, 一体精神分裂症の中で生きるよう強制されているのだろうか 」 , ともかく, この事件 では, 生徒の連帯がみられた. 何時の日か将来, 生徒と教師, それに両親 21.
(7) . 村. 田. 貞. 雄. が連帯する日がくるだろうか.. 考. 察. 1, 参加の概念 ドイ ツにおける労働者の経営参加の歴史は古いが, 今日 では, 教師や大学 生の学校経営, 大学経 生徒の学校経営 営 ,ヘの参加はもちろん, 生徒 の経営 参加も実定法上の権利と して保障されている. への参加という時, 生徒個人の参加と, 生徒の代表者を通じての 参加に分けることができよう. 前 者は, 個々の生徒の興味や諸権利を尊重し, それによっ て生徒の教育を受ける権利を保障すること を目的としている. 個人的参加には, 情報権(授業計画に関する情報, 評価等の 説明を受ける権利) , 関与権 (教育の重点目標, 教育方法, 教材の選択等の決定に 関与する権利) 及び苦 情提出権が含ま れるとされている. 後者は, 生徒が選出する代表機関を通しての間接的参加 であり, 生徒全体の意 見を強力に, より効率的に反映できる形態 である. 本稿 では, 後者の生徒代表委員会による 参加に つ いて 論 じる こ と に す る.. 経営参加とは, 一 般的に, 経営の意思決定に 参加することであり, その際の参加とは, 影響を及 3 ) ヘッセン文部当局も 生徒の経営参加を「権限を有する校長及 び職 ぼすことであるとされている( , . 4 ) また 197 3年の文相会議の決定では 「生徒 員会議の決定に影響を与えること」 と理解している( , . 代表委員会の目的は, 一般的に, 学校内における意思形成に参加する機会を生徒に与えること であ 5 } る( 」 としている. 本稿 でもこれらの見解を踏襲 して, 生徒の経営参加 を, 特に学校の意悪決定への 参加に限定し, 学校の意思決定の権限機関 である校長と職員会議の決定に影響を与えることと定義 しておくことにしよう. 事例によれば, ベ ルクシュ ーレの学校教育目標に, 学習の最高目標と して 「自主決定」 が肉太に 印刷されてい た. この教育目標は, ベ ルクシュ ーレに限られた特殊な例 ではない. ヘ ッセン では, 既に1 948年以来, 邦憲法56条4項に規定された教育目標を具体化するために, 学校における教育 l t l t rwa ung」 ve rmi e 活動に, 生徒が責任感をもち, 積極的批判的に 参加する 「生徒の共同管理 Schu 961年の学校行政法に規定される ところとなり, に道を拓いてきた. 生徒の共同管理 S .M.V,は, 1 3 5日改正) の学校行政法で一応の 970年7月 1 5年5月 0 日(1 96 1 965年の指針で補完, 拡大され, 1 6 ) 現行の学校行政法49条1項は 学校の教育目標を 実現するに当っ て, 生徒は生徒代 確立をみた{ , . l i i two t r ch に共働する旨規 定した後,2項で次のように述べ r an 表委員会を通して自己責 任的e genve t kungs tと共同決定権 Mi ‐ twi r ech r ている. 「生徒代表委員は, ……学校における 生徒の共働権 Mi im mungsrecht を行使する 生徒代表委員は 学校に委託された教育の範囲内において best , 自ら設 , . 文部大臣に委任さ 制定は 」詳細な規程の 達成することができる 定した課題を自己の責任において , . れている (同条4項) が, 学校の教育活動における責任ある 共働, 特に学校の決定への関与及び職 ( 7 } 員 会議への 参加 などの6 項目は,必ず規定しなけれ ばならないものと している .学校 行政法のこの 976年7月 29 日改正)「公立学校における 生徒代表委員 会に関す 970年8月 3 日(1 4 9条に 基づき,1 8 { ) る規則」 が公布された . 1条を整理すると, 生徒の経営参加は, 3形態の権利として承認され 生徒代表委員会規則1 0条,1 im‐ t tbes Mi ik i l i B r echt及 び 共 同 決 定 権 Mi t recht て い る. 即 ち, 関与権 e e gungs , 共 働 権 tw r ungs ‐ tである. 生徒のこれら経営 参加三権を包摂する概念と して, 生徒の共同管理権 Schu mungs r ech 上位法 l h lermitverwatungsrec t を措定したい 何故なら ①生徒の経営 参加権について規定している , . 22.
(8) . ヘンセンのハウプトシューレにおける学校経営( 2 ). が学校行政法 であり,その第2章公立学校の管理 Ve f l l i t l rwa ungderbf ent chenSchu en の 第 2 節 で, 職員会議と学校管理職Schu l l i t e ung 及び生徒代表委員会について規定している つまり 管理 , 行 , , tung が学 校 経 営 Schu l 政を意味する Verwal l i tung を包摂する概念とされているから である 第2 e . 節冒頭 の4 5条が, 学校の教育上の自己責任に関する規 定であり 学校の教育業務は 職員会議 (46 , , 条) と校長 (47 8条) が共同して行使 することを規 定し 49条 で 生徒代表委員会の学校経 営へ ,4 , , の共働権と共 同決定権を保障する構造になっ ている さらに ②各学校の生徒代表委員会は 郡(都 , , , 市) 生徒代表委員 会, 邦生徒代表委員会と積上げられ 後者 は 文部大臣に対する提案権も与 えら , , れている (生徒代表委員会規則21-2 ) , 生徒の経営参加 は, 上位の行政参加にも及ん でいるの であ る. また, ③法理論上も, 学校行政Schu l l t ve rwa ung は, 独自 の領域をもちな がらも, 学校経 営と 学校監督を包摂する上位概念とされている 従っ て 生徒の経営参加は 各学校段階 だけに限定さ . , , れるものではなく, 包括的概 念 である 「生徒の共同管理Schu l l t t rmi e rwa ve ung」 という語を生徒の 経営参加三権 を包摂する概念とするの が適切 であるということになる 一般的にも 生徒の経営参 , , 加 と いう 時, S. M. V. が使 用 さ れ て い る .. 2. 学 校教育における生徒の経営参加の位置づけ ドイ ツ の学校に おける伝統的教育目標は, 良心的 でgewi l ichtbewuβt f t s s enha , 責任感がある pf , ( 9 ) h i t u t c 有為な g 人間の育成 であっ た . それは,指摘するま でもなく,ドイツの宗教的, 政治的, 社会 的状況に即応している そして この教育目標は 現在 でも 基本的 中心的教育目標 であること , , , , , に変りはない. しかし, 戦後, それらの教育目標と並ん で 自主的思考 自主的決定 自己責任 が , , , 強調されている. ヘッセン邦憲法 (1 946年1 2月11日公布)51条によれば 「畏 敬と隣人愛 尊敬 , , と寛容, 正直 と誠実」 と並ん で「自主的, 責任的 で自覚的な国 民」 の育成が教育目的とされている , ヘッセンでも, 他の諸邦と同様 「生徒が 積極的に責任感をもっ て 批判的に学校の教育活動 に参 , , 加する教育的価値を考慮して」生徒の共同管理 S .M,V.を容認し, その段階的拡大に努力 してきたこ と は, 既 に 触 れ て お い た と こ ろ であ る .. このように, 生徒の経営参加 の導入とその強調 は 第二次 大戦後における学校教育の特徴として , 指摘することができる それでは 生徒の経営参加は 学校教育全体 の中にどう位置づけ られてい . , , るか, 「学校における生徒の地位」 に関する文相会 議の決定 (1 97 3年5月 25 日) から探っ てみるこ とにしよう. 「決定」 によれば, 社会秩序の一部 である学校 が 国 家・社会から委託されているのは 「知識 , , , 技能及び能力の伝達」 という学校が負っ ている精神的知的課題と 「倫理的規範及 び文化的宗教的価 値を理解させ る」 という倫理的課題 であるが それらと並ん で 次のような極めて今日的課題が掲 , , げられている. ①自主的批判的判断 自己責任的行為 創造的活動 の能力を与え ること ②自由と , , . 民主主義のために教育すること ③他の人間の価値及 び価値観に対する寛容と尊敬のために教育す . ること. ④国際理解の精神におけ る平和的感情を覚醒すること ⑤社会的行為 と政治的責任への準 . 備を覚醒すること. ⑥ 社会における権利と義務を承認する能力を与え ること ⑦労働界の諸条件に , ついて導入・指導すること, 文相会議の決定は,「学校は, 様々 な期待や要求から生じる緊張関係の中に存在している その際 . , 学校は, 一面的 な党派的荷担を抑制 し 様々な見解を それが自由な民主的秩序 のス ペ クトル内に , , ある限り, 可能にし尊重しなければならない」 と述べている ここには 多元的な思想の共存を認 . , める多元論の立場が表明されている, 従っ て「その際生じる衝突に ついては 十分な討議の後に , , 責任を負っ ている地位によっ て決定されなけ ればならない」 ことになる . 23.
(9) . 村. 田. 貞. 雄. 多元的国家観を哲学とする社会の中 で, 学校が前述の課題を達成しようとすれば, 次の諸前提が 承認されなければなら ない. ①学校における 共同生活には, 規則が必要 である. ②自主性と自己責 任及 び成人への教育は, 生徒が年齢相応に学校生活の形成に 参加することを前提する. ③自主性と 自己責任及び成人への教育は, 社会的行為は葛藤なく行なわれることは稀 であるという洞察に導く べき である. ④自主性と自己責任及び成人への教育は, 生徒が彼らの権利を認識し, 法規範を尊重 し, 法的に根拠を有する決定を尊重することを学ぶことも含まれる, 利害の葛藤, 対 立を前提に した多元的民主主義国家観の下で経営される学校にあっ ては,「学校に r l bs tungs tverwa r echt を与え, 両親と生徒にもっ と決定手 続に参加 させる努 多く の 自 主 管 理 権 Se 力」 となり, 生徒も, 学校教育に 関与している一利 害集団として, 利害の均衡に参加する-要素と みなされるのである. このように して, 生徒の経営参加は, 「自由と民主主義, 責任ある市民及び寛 容への教育」 となり, 職場, 地域社会, 国家の決定に共同して 参加 できる成人への教育と なりうる の である. 生徒の経営参加 をこのように位置づけている文相会議の決定は, 連邦政府の政権党であ 959年の ゴー デス ベ ルク綱領の精神の教育への具体化 で る社会民主党の政策の 基本綱領となっ た1 l o ) シ ュ ー マ ン 校 長 の よ く 口 に す る 「成 人 へ の あ り, 学 校 に お け る 生 徒 へ の 適 用 であ る と い え よ う( .. 教育, 民主的行動への 教育」 と 「学習の最高目標:自主決定及び共同決定」 の思想的潮源は, ここ ●れる. に求めら しかし, この学習の最高目標は, 教育の内容と方法にま で浸透 していないといえよう. その原因 は, 生徒の経営参加の歴史の浅さにあり, 教師は 理念として参加 を承認しても, 彼らの日常の実践 意識にま で及ん でいないというところにあると思われる. 参加 が政策として強調され, 法規を通し て教育現場ま で下りてきても, 伝統的教育目標 である知 識の伝達や宗教教育のよう な確固たる地位 を占めていない. 今世紀の初頭 以来叫ばれている個性に 応じた教育, 子どもからの教育 すら, 伝統 的教育と比較すれば, その地 位の脆弱さは被うべくもない. まして, 生徒の経営参加 をや. それは, 歴史的実験の第一 歩を歩み始めたに過 ぎないのである. 3. 参加の形態と内容 事例 では, 生徒代表委員会を何度か開催 して, 生徒総会の準備をし, 漸やく, その開催にこぎつ けた様子が描写されている. 生徒は, 生徒総会に彼らの意思を結集 して,′学校の決定に影響を与え ようと努力 した. ストライキという 手段を別にすれば,「公立学校における 生徒代表委員会規則」 に 基づいた行動 であり, 合法的な参加権の行使 であっ た. SR)とも呼ば l t ( SV)は,生徒協議会Schu l t t ( e r r a r r e ung e r ve 同規則によれば,生徒代表委員会Schu れるが, 生徒の発達段階に応じて, 3段階に分節されている(同規則2- 1) . 段階代表委員会1は, 旧は, 学 校 段階代表委員会 1 5年生から1 0年生まで, 段階代表委員 会1 は,11年生以上及 び職業学 , ‐ as 年始めに主に成人の生徒によっ て構成されている学年 で, クラス単位に選出された学 級委員 K1 基礎学校の生徒に r s en sp e cherによっ て構成される (同規則3) . 従っ て, 1年生から4年生ま での は, 参加権は与えられていない. 彼らは, 生徒代表委員会の関与の下に, 担任教師から生徒代表委 生までのノ、 員 会活動 への導入指導を受ける(同規則1) . 事例のベ ルクシュ ーレは, 5年生から9年 ウ プトシューレ であるから, 第1段階の生徒代表委員 会に属する. 各段階の生徒代表委員会は, そ ensprecherl名とその代理人2名 を選出する (同規則4 の 成 員 の 互 選 に よ り 段 階 代 表 委 員 長 Stuf 校 では, 学校代表委員長 Schu ‐ 二 以上の段階代表委員会をもつ学 -1) . また, ギムナジウムなど つ l sprechef l名とその代理人2名を段 階代表委員の互選 で選出する(同規則4-2) .段階代表委員長 表委員長は 執行し 学校代 段階代表委員会の決定を は, 段階会議の議長となり, , 全校の生徒代表 , 24.
(10) . ヘッセンのハウプトシューレにおける学校経営( 2 ). 委員会の議長を勤め, その決定を執行する (同規則4-4, 5) , 段階代表委員会は, 学校の全生徒に関係する事項を共同で協議し決定する(同規則5-1) , 校長, 全体職員会議により委任された教師1名,顧問教師 Ve i l b r r r及び監督庁の係官は,委員会 ndungs eh e の会議に 参加権 を有し, 提案権と発言権を与えられている(同規則5-4) . 各学校における 生徒代 表委員会の交渉相手は, 基本的事項に関しては全体職員会議, 特定領域に関する事項については , その領域に関し権限を与えられている部分職員会議である(同規則6-1) , 学校代表委員長は, 校 長, 監督庁及 び社会に対し, 生徒全体を代表して, 多数決によっ て決定された意見を表明する義務 を負っ ている (同規則6-2) . 生徒代表委員会の成員は, その決定において自由であり(同規則7-1) , 選出母体であるクラ ス の意思に拘束されず, 自己の意思に基づいて発言, 投票 できる. しかし, 生徒全体に責任を負っ て いるので, 特に重要事項に関しては, 決定前に生徒総会において意見を徴さなければならないし, 自分の行動について報告する義務を負っ ている, 生徒総会は, 年2回の定期総会と, 生徒代表委員 会の多数決か生徒のき以上の提案 で開催される臨時総会があり(同規則7-2, 3) , 過半数の出席 よる 行政当 局の説明に れていないが 同規則には規定さ があれば議決 できる (同規則7-6) , . 1 1 ( ) と, 生徒の総会参加は自由で, 授業は行われないから下校することも できるとされている , 教 師は, 生徒総会に参加権を有するが, 発言権を有するのは, 校長, 全体職員会議によっ て委任され た教師1名及 び顧問教師である, しかし, 発言権だけ で, 提案権などそれ以上の権利は与えられて いない. 事例 では, 大部分の教師が, 芝 生使用反対の発言をし, その後の討論過程 では発言が少な かっ たと叙述されているが, 法規上は不能な発言行為 であると判断される, さて, 生徒代表委員会の目的は, 前節で述べたところから, 学校における生徒の利益を擁護する ことを通して, 学校の教育目標を達成するために学校と共働し, 参加 を学びながら参加権を行使し ていくことにあるといえよう. それは, 成人になるための学習としての参加 であると同時に, 学校 における-利 害集団 である生徒の, 学習を越えた生活としての参加 でもある, もちろん, 後者が真 の効果的参加教育 であるとすれば, 両者を包摂するより高次の教育的参加として括ることもできよ う. しかし, ともかく, 単なる学習としての参加 だけに留まるものではないとはいえよう, この目 的を実現するため, 生徒代表委員会には, 言論, 出版の自由が与えられる (同規則8) , 生徒 代表委 2) 員 会主催 の行事を実施することもできる (同規則1 , それでは, 生徒の経営参加は,具体的にどのように規定されているだろうか. 同規則1 0条と11条 によっ て, 代表委員会の学校経営への 参加の形態と内容 を整理したのが次の 〈表〉 である, 〈表〉 について, 二・三, 説明を加 えておこう. 「生徒代表委員 会は, 生徒の利害に関わるあらゆ る事項」 について, 関与権及 び共働権が与えられている (同規則11-1, 2) , 「生徒の利害に関わ るあらゆる事項」 とは, 行政当局 の見解によれば, 生徒に直接的にかあるいは間接的にか関わる事 項ではなく, 生徒の利害に関わるか否かが問題 であるが,「学校においては, 生徒の利害に関わりの ない事項は殆ん ど考えられないから, 実際上, 学校の権限に属するあらゆる事項に対して」 関与権 1 2 ) 関与権には 意見を聴取される権利 (同規則11-1) と情報権 が 及 び共働権があるとしている( , . ある.1 973年9月 5 日のヘッセン文相通達によれば, 法規や通達あるいは指示について知らされる 権利, 官報及び職員会議の議事録の閲覧権(必要部分のコピー交付でも可)も含まれるとしている. ただし, 教師の人事関係の事項及び生徒の成績と進級に関する会議の内容については除外される. 共働とは, 行政当局によれば,「単なる情報権, 意見を聴取される権利を越えて, 学校 が生徒 の希 望と要求を充分検討し, 意思の疎通あるいは一致を求めて努力すること」 である,.こう説明した後 「この努力 がなされなけ れば, 権限を有する者 (校長, 職員会議) の決定権は影響を受けない」 と 25.
(11) . 生 徒 の 経営 参加. 〈表〉 き麺u像の形態 参加の段蒔. 与. 関. 共. 権. 生徒の利害に関係するあらゆる事項 ( 11-1) 意見を聴取される権利 ( 11一2) 情報権 ( 3 197 ‐ 9- 5文相通達) 生徒代表委員会1. き ) 篠 島 葦 葦 ま. 纂義 ( 美謝. 同. 上. 調. 法 方 整 (調 停 委 員 会). 同. 上. 上. 及び. 次の事項 (11一3) 1‐ 生徒の懲戒処分 2. 教授・教育形態 3‐ 学習計画の決定 1-7) 教科会議における共働権 (1 同. 生徒代表 委員会m 主として成人の生徒、 からなる段階・学校ノ. 共 同 決 定 権. 権. 生徒の利害に関係するあらゆる事項 .特に、 懲戒細則の制定、 変更、 廃止 (1 1-2) 全体職員会議における提案権、 協議権 0一4) ( 1 参加権者:学校代表委員、 段階代表委員及 びその代理人 その他3名の生徒代表委員 上記以外の生徒は全f剥哉員会議 10一1) の議決を必要とする ( その他の職員会議 参加権者:生徒代表委員会による3名の委 任者‐但し、成績・進級会議及び教師の人事 に関する会議を除く (10一2) 同. 1 生 徒 代 表 委 員 会1. 働. 上. (. 及び. ′ -. -. 1一4) 生徒の利害に関係する次の事項 (1 1‐ 懲戒細則の制定、 変更、 廃止 2. 法規程、 行政規程の統一的実施 3‐ 評価、 進級基準の調整及び統一 4. 宿題の種類と範囲に関する基本方針 5. 学校行事の準備及び実施 同. 上. 及び. 一般指針と異なる教授組織の試行 (11一6) 次の事項 ( 1一5) 1 1. 学校予算の配分、 使用計画 2‐ 教授、 段階組織の展開、 区切り方、 孜正 職員会議の議決に同意できない時 職員会議の議決に同意できない時 1‐ 決定通知後8授業日以内に調停委員会 1‐ 決定通知後1週間以内に調停委員会を を召集 召集 2. その場合、 議決の執行は保留される 2‐ 1 0授業日以内に調停案を職員会談に送 3. 10授業日以内に調停案送付 付 4. 調停案が職員会議及び代表委員会で÷ 3‐ 調停案が否決されれば、 職員会議の議 の多数で否決された時、 調停案は無効 決が有効となる (以上15一 2) 5. その他の場合、 調停案が有効となる。 6. 職員会議及び代表委員会は、 監督庁の 決定を求めることができる 7‐ 緊急の場合、 校長に暫定執行権あり (以 上15一 3) 生徒代表委員会の決定が職員会議の同意をえられない場合も同上の手続きにより解決する (15- 4). 田. .
(12) . ヘッセンのハウプトシュ ーレにおける学校経営( 2 ). 1 3 } この説明は 関与権と共同決定権の中間的参加形態 である共働権の概念内容 を明確に している( , . 表明したものであるといえよう. 即ち, 共働権とは, 決定に影響を与 えることであり その前提に , は, 意思の疎通あるいは一致を求 める真塾な努力 が不可欠な条件として認識されているのである . 努力とは, 個人的次元 での努力と制度的次元 での調停委員会 共同活動委員会の努力を含むであろ , う. なお, 共働権は, 提案権と協 議権を含む参加権 であるから, 職員会議には 生徒代表委員を会 , 議に参加させるか否か, 自由裁量 の余地はない, 4. 参加の調整機構 以上 によっ て, 生徒の経営参加には, 関与,共働 及 び共同決定の三権があり 実定法上の権利とし , て, かなり広範囲の参加権が保障されていることが明らかになっ た 参加 が広範にわたれば 意見 . , の対立, 葛藤は多くなり, それらを調整する機構が必要になる そのための機関が 共同活動委員 . , 会 Auss chuβfurzusammenarbe i t と 調 停 委 員 会 Vermi l t t ungsausschuβ であ る.. 共同活動委員 会は,第1 1段階の生徒代表委員会を有する全ての学校に設置しなければならないが , その他の段階委員会にあっ ては, 任意設置 の機関 である, それは, 同数の教師と生徒によっ て構成 され, 教師代表は全体職員会議, 生徒代表 はその段階代表委員会が選出する 詳細は 各学校の生 , . 徒代表委員会細則が規定することになるが, 父母代表を参加させることもできる(同規則14-1) . 共同活動委員会の任務は, 教師と生徒の利害に関わる事項に ついて 職員会議と生徒代表委員会の , 議決に備えて予め検討しておく ことであり, 職員会議と生徒 代表委員会の協議事項に関し 両者に , 対する勧奨権が与えられている (同規則1 4-2) . 事前の調整活動を任務とする共同活動委員 会に 対して, 調停委員会は, 意見対立の事後処理を目 的とした組織 であり, 対立を収束に導くルールを制度化 したものであるといえよう 生徒代表委員 . 会規則1 5条は, およそ次のように規定している. 段階代表委員 会を有する学校は 学年の始めに , , 1年任期の調停委員会を組織しなければならない. 同委員会は, 一般に 教師及び生徒各2名 によっ , て構成され, 学校父母協議会があれ ば父母1名 が参加する, 教師代表は全体職員会議 生徒代表 は , 生徒代表委員会, 父母代表は学校父母協議会が選出する 同委員会は 成員より議長を互選する . , . 教師代表が選出さ れない時は, 監督庁 が教師を指名する(以上1 項) 生徒代表委員会あるいは段階 . 代表委員会は, 共働権に属する事項に関し, 職員会 議の議決に賛成しえない時 議決の通知を受け , てから1週間以内に, 調停委員会を召集することができる 調停委員会は 1 0授業日以内 に, 調停 , , 案を作成して職員会議に提出しなければな らない 職員会議がその提案を否決すれば 先 の職員会 . , 議は, 有効となる (2項) . 共同 決定権に属する事項に関し,生徒代表委員会が職員会議の議決に賛成 できない時は 議決の通 , 知 を受けてから8授業日以内に,調停委員会を召集することが できる 調停委員会の召集は 職員会 . , 議の執行を延期する効力を有する. 調停委員会は,1 0授業日以内に,全体職員会議と段階代表委員会 に調停案を提出しなければならない, 調停 案が職員会議と生徒代表委員会あるいは段階代表委員会 で審議された後, そのいずれかが鼻以上 の多数決で否決すれば, 調停案は無効となる その際 全 , . 体職員 会議あるいは段階代表委員会は, 監督庁 の決定を求めることができる その他の場合は 調 . , 停案は可決さ れたことになる. 緊急の場合, 特に学校の安全, 教育と授業に重大な危険がある時 , 校長は, 暫定措置を命ずることができる (3項) 前2項は 生徒代表 委員会の決定が 全体職 員会 . , , 議の同意をえられない時にも, 字義に応 じて適用される(4項) 調停委員会は その他教師と生徒 . , 間の意見 の対立を調停する課題を有す る (5項) , さらに, 同規則17条に規定さ れている生徒代表委員 会の顧問教師 Ve i b l r ndung s eh r e rも調整機能 27.
(13) . 村. 田. 貞 雄. を果すことを期待されているといえよう. 顧問教師は 「生徒代表委員会と生徒全体, 生徒代表委員 会と校長または教師間の意見の不一致を仲介する」(同規則17-4-2)職責を与えられているから である, 顧問教師の名称は, それらの間を連絡, 仲介する紐帯となることが期待されていることに 由来する であろう. しかし, それ以上に, 顧問教師の役割は, 生徒の立場に立ち 「生徒代表委員会 と生徒全体に助言し援助する」(同規則17-4-1)ことにあると思われる. なぜなら「顧問教師は, 7-2) し, 「その職務上の活動に その職務に関して上司の職務上の指示に拘束されない」(同規則1 7-3)という ついて, その職責の合法的実施に必要な限り, 自由に任されるものとする」(同規則1 職務遂行の自由と独立性が保障されているからである. また, 顧問教師は, 前述の両委員会と異な り, 生徒代表委員会の成員 だけによっ て選出されるからである. なお, 選出された教師は, 就任を 7-1) 辞退することができる (同規則1 . 生ま でのハウ プトシューレだから, 第1段階の生徒代表委員会に 5年生から9年 事例の学校は, 属 し, 調停委員会は必置, 共同活動委員 会は任意設置 である. しかし, 日記からは, 両委員会の設 置の有無は不明 である. 少なくとも, この事件に関しては 活動していない, それに対して, 顧問教 師は, エルマー 氏自身であり, 四面楚歌 の中で積 極的に活動している. 彼は, 顧問教師の職務を 「生 徒の立場を擁護し」「彼らの意識を覚醒し, 不可能の壁を打破する道を示してやる」 こと であると認 b i l i r nd ch生徒をなだめすかす」 こと 識していた. 従っ て, 教師と生徒の間を取り 結び「仲介的にve を潔しとしない, これは, 彼の教育理念に由来しているといえよう, それは 「実践を通して自主決 定と共同決定を学び, 支配を排除」 する自由教育の理念であっ た. 参加の理念と自己の教育理念に りに傾斜し, 顧問教師の連絡, 調整機能面の認識が疎かになっ て, 生 忠実 であっ たが故に, 生徒の憤 徒の経営 参加 に消極的な教師団から浮き上がる 結果を招いたといえよう. 5. 参加の限界と問題点 1 ( )事例にみる参加の限界と問題点 ハウ プトシュ ーレにおける生徒の経営 参加は, 第1段階の参加 であり, 参加権の形態は, 関与権 と共働権であっ た. 事例の場合, 生徒全体の参加意識は, 最高学年の9年 生を除けば, 概して低調 であると認められる. 生徒代表委員会が再三流会したため, 生徒総会は, 開催を決定してから6 週 間後に漸やくその 成立をみたほ どである. 責任者 である委員 長自身のクラ ブ活動への興味が, 再三 の委員 会流会の原因であっ たし, 生徒総会が失敗に帰した直接の 原因は, 7年生が8年生の暴力行 為を芝生問題以上に切実な問題と認識していたところにある. 連絡の不徹底とか総会の議事 運営の 未熟さ以前の基本的問題点といえよう.「成人の知的問題領域」 とは別の 「子どもには子どもの問題 領域」 があっ たの である. 9年生の担任 であり, 顧問教師であるエルマー氏の 「知的問題領域」 か ら発した積極的指導に, 結果的には, 問題領域を異にする 生徒がついていけなかっ たものと判断さ れ る.. 前回の 「穴蔵」 事件と異なり, この事件 では, エルマー氏は, 共同精神に欠けコレギアールに振 舞わなかっ たとされて, 教師団から孤立した. その第一の理由は, 氏が, 要求実現の手段としての ストライ キに同情以上の連帯 意識をもち, ストライキを指導したこと である.「生徒にはストライキ 権はない」 という校長の見解は, 行政当局の見解と一致している. 例えば, この事件があっ た翌73 年5月 25 日の文相会議の決定 「学校における生徒の地位」 の第9節 「いわゆる 生徒のストライキ」 の中 で, 基本法9条に保障されている 労働者の争議権は, 賃金自治に 基づくものであり, 生徒の在 学関係とは何らの対比関係もないとして,「生徒のストライキ」を許し難い不法な授業放棄であると 断じている. 氏自身が懲戒処分を危倶したほ どであるから, 他の教師が 「空間的にも生徒から離れ 28.
(14) . ヘッセンのハウ プトシューレにおける学校経営( 2 ). て, 不安気に」「仮にも……ストライキを支持している印象を与えないように努力」 したのも当然 で あろう. 第二の理由は, 生徒の経営参加に教師が消極的なこと である. 生徒代表委員会のために週 一時間, 授業中の活動が保障されている (同規則12-5) が, 連絡の不手際もあっ て, 委員の授業 中の退室に, 教師は不快の情を現していた. この点, エルマー氏は, 生徒代表委員会の顧問教師を 引受け, ベ ルクシュ ーレの教育目標 でもある 「自主決定及び共同決定」 という参加の理念に, むし ろ忠実 であるといえよう, 教師の参加に対する消極的態度は, この学校の教師に限らない一般的現象であると推測さ れる. 1 4 ) 例えば,1 2年11月 23 日の文相通達からも, この推測を裏付けることができよう.この通達は( 97 , 「職員会議における生徒代表委員会の提案事項の取扱い」 に関するものであり, 文相は, 生徒代表 委員会の提案が受理されてはいるものの, 長期間審議されずに放置されている事実に不満の意を表 明し,「学校経営の機関と生徒代表委員会の真の共働を欲している立法者 の意図に副わない」として, 改善策を要求して いるのである. ここに, 教育政策に基づく立法者意思と教師の参加に対する対応 間の重離を指摘することができよう. 学校の教育目標として参加 が掲げられても, 教育現場の中に 深く根をおろすまでに至っ ていないと判断されるのである. しかも, その最大の陽路が, 教師の意 識にあることを問題点として指 摘できると思う. 2 ( )教育としての参加に伴う限界 生徒の経 営参加 は, 教育としての参加という性格を基本的にもた ざるをえない, それは,「自主性 と自己責任及び成人への教育は, 生徒が年 齢相応に学校生活の形成に参加することを前提する」 と いう文相会議の決定を引用するま でもない自明の理である. そこには, まず①年齢相応という限界 があり, 法規上3段階に分節さ れ, 相応の参加形態が用意されている. 次に, 教育としての参加は, ②参加すること自体が, 教育の目的と内容と方法を構成することになる. 従っ て, 教師の指導下に おける参加 であるという限界をもつ. しかし, 生徒の経営参加 は, 学校の過保護のもとに置かれた参加 ゴッコ遊 びではないといえる. 生徒も, 教師及び父母と並 び, 学校を構成する-利害集団として認知されている, 即ち, 利害の均 衡を構成する一ベ クトルとしての地位を承認されているのである. 従っ て, 文相会議の決定が,「自 主性, 自己責任及び成人への教育は, 社会的行為は葛藤なく行なわれることは稀であるという洞察 に導く べき である」 という時, 教師と生徒の葛藤もその視野の中に収めていると考えられる.「学校 は, 様々 な期待や要求から生じる緊張の中に存在している」 のであり 「様々 な見解をそれが自由な 民主的秩序のスペクトル内にある限り, 可能にし尊敬しなければならない. その際生じる衝突に つ いては十分な討議の後に, 責任を負っ ている地位によっ て決定されなければならない.」 教師は, こ のことを生徒に教育しながら, 同時に自らの地位を相対化し, 学校における生徒との葛藤に対処し なければなら ない, 教師の意識にみられた前述 の隣路 は, 参加の理念に対する認識の不足と同時に, 生徒との葛藤において自らの地位を相対化する煩わしさにも, その原因が求められよう . 以上の意味で, 生徒の経営参加は, 教育としての参加の範囲を越 えているといえる, 立法者の意 図は, 生徒の経営参加をゴッコ遊 びや 「箱庭デモクラ シー」 に囲い込むところには存在しないだろ う. 生徒の経 営参加は, 学校経営の現実 であり, 煩わしい桂格 でもある, 学校教育, 従っ てその経 営も, 葛藤なしにはすまされない一つの社会的行為 であり, それ故にこそ利害の均衡が図られなけ ればならない, その意味での参加 を社会的参加と呼ぶことができよう, 教育としての参加は, 生徒 の発達段階に応じて, 段階的に社会的 参加 に移行していかなければならない, 生徒代表委員会を3 段階に設定した立法者の意図も, そこにあると思われる, ( 3 )参加 の制 度 的限界 29.
(15) . 村. 田. 貞. 雄. 参加の段階を 「教育的参加から社会的参加へ」 と定式化 できるとすれば, 第1段階の生徒代表委 員会の参加は, 教育的性格を強く帯 びたもの でなければならない. 事例の場合, 教師は, 参加 の教 育的側面を放棄 し, 力関係における総体的優位さの故に, 生徒の 参加 の動きを抑圧し, わずらわし さを回避したものといえよう. 生徒の経営参加 が説かれている一方, 教師と生徒の関係は, 依然と して特別権力関係として説明されている. 教師は, 明文の法規定を欠いても, 生徒に対して規制権 l i l ordnungsbefugn t を行使してきた その歴史的伝統 が, まだ生きて学校 s あ る い は 校 権 Schu gewa .. l ha l i を支配している. 最近, 権力という用語が不適切 であるとして, 在学関係Schu t r ve n s なる語が 用 いられているが, 就学義務は徴兵義務に, 自由意志に基づく在学関係は公務員関係 Be ‐ enve amt 1 5 ) 生徒の経 営参加 が 特別権力関係としての在学 i l t n sと同様の公法関係として説明されている( rha , , 関係内の参加 であるとすれば,「教師の許容限度内」における参加という限界も自ら明らかとなろう. もちろん, 特別権力関係内においても, 明文の法規定に違反することは許されず, 校権には, 目的 的, 場所的, 時間的限界がある. 例えば, 学校には, 学校外での喫 煙を規制する法的権限はないと されている. それは, 教育的指導の領域に属する問題 である. 上下の公法的支配関係に由来する一般的限界と並ん で, 生徒の経営参加の目的から生じる限界も 存在する. その目的は, 多元的民主主義に 対する理解と多元的利 害関係の均衡にあり, さらに, 十 分な討議の後に権威機関の決定に従うという民主的ルールの認識とその生活化にあっ た. 以下に, 生徒代表委員会規則に規定されている参加の制度的限界を列挙してみよう. ①生徒代表委員会は, 学校の構成要素 である (同規則1 2-1) から, 邦の学校監督に服することに なる.学校監督は,法監督,専門監督,職務監督を包摂する概念である.まず,法監督は法規違反の有無 に関する監督 であるから, 生徒代表委員会に対する法監督の存在は,明白である. 次に,専門監督は, 生徒代表委員会の活動と決定に対して教育的観点からなされる適否の監督 である. 従っ て, 生徒代 表委員会の 「自己責任」 の原則 (学校行政法49-1) から専門監督には 一定の限界があるとされて 1 6 ) いる. 職務監督は, 職務の執行に対する監督 であり, 生徒代表委員会については対象外 である( . 監督庁の具体的権限には, 各学校の生徒代表委員会細則の制定及 び変更に対する認可権 (生徒代表 委員 会規則1 9-1, 2) , 生徒が校長を介して提出した生徒代表委員選挙の 無効 請求に対する決定 1 7 ) 生徒代表委員会の会議中における提案権及 び発言権 (同規則5-3) などがある 権{ , . ②生徒代表委員会に対する校長の権 限は, およそ以下の通り である. 生徒代表委員会の会議中にお ける提案権及 び発言権(同規則5-3) , 監督庁あるいは学校維持者に対する生徒代表委員会の意見 を仲介伝達すること (同規則6-2) , 授業時間内における臨時生徒総会の許可 (同規則7-3) , 生徒総会中 の発言権(同規則7-7) , 学校外の人物が生徒代表委員 会行事に 参加す ることに関する 協議権(同規則9-2, 校長の了承がえられない場合は監督庁の決定を求めることになる) , 生徒代 表委員 会の行事実施に対する異議提出権 (同規則1 2-1, ただし, 生徒代表委員会の意見を聴し, 調停委員会における協議の後, 特に危険を伴う場合あるいは学校の負っ ている教育責任が危険に曝 される場合に限られる. 最終決定権は, 監督庁にある) . ③その他, 共同活動委員 会あ るいは顧問教師との関係については, 前述の通り である.. 結 びにか え て. 振り返っ て,「芝生立入禁止」事件を分析の対象とし, そこから直接何らかの結論を抽象するには, 資料的に不十分 であることは免れず,当初 危倶した通り,事例研究と題するにそ ぐわない結果に終っ 30.
(16) . ヘッセンのハウプトシューレにおける学校経営( 2 ). た. 事例を背景においた法規程の単なる解説に過 ぎないとの批判 を甘受するほかはない, しかし , 生徒の経営 参加 に関する論文は, 皆無に近いともいえる ので, 解説的紹介にも, それなりの意味は あると思われる. とも角, 生きた叙上の事例 を通して, 生徒 の学校経営への参加の現状と問題点を 考察してみた. 考察1 では, 生徒の経営参加の概念を校長と職員会議の意思決定に影響を与えることと規定し , 生徒の経営参加権の内容を関与権, 共働権及 び共同決定権の参加三権として措定した 考察2 では . , 教育目標との関連 から学校教育における生徒の経営参加の位置づけ を試みた 即ち, 多元的民主主 . 義国家観に基づく自由と民主主義のための自主的思考, 自主的決定及 び自己責任への教育として生 徒の経営参加を位置づけた. 次に, 参加の形態と内容を考察し, 参加三権を参加 の三形態と捉え, 参加 の三段階と組み合わせて参加の内容を検討した. 考察4では, 参加 の調整機構として 事前の , 調整を目的 とした共同活動委員会と事後の調整を任務とする調停委員会に ついて 説明した 最後に , , 参加の限界と問題点を考察し, 事例にみられる生徒の問題意識と教師の消極的態度に触れ, 特に後 者を一般的傾向として理解した. また, 生徒の経営参加は, 教育的参加 を越えて利害の均衡を目的 とした社会的参加 の側面をもち, 教師の立場の相対化から生 じる問題点にも触れた さらに, 邦の . 学校監督に服するなど, 法に規定さ れている制度的限界について紹介した. 以上か ら, 生 徒の経営参加は, 立法者 の意図を充分に実現するま でに至っ ていないのが現状 であ ると思われる, しかし, 生徒の経営参加は, 少なくとも法規上は, 学校経営の不可欠の要素 であり , P, D それを無視した学校経営は存在 しえない,1 97 7年の S , .大会で, プラントやシュ ミッ トが描いた 1 8 ) その一 環として 「連帯」「共同」「協働」「自主決定」 の社会的民主主義の8 0年代にはいっ た( . , 生徒の経営参加 が, 今後定着化と拡大の過程をたどるであろうことは 十分予想されるところであ , る.. 〈注〉 f Geo l ( 1 t ) Rudol l rg Er r ne r;Haupt l schu l i agebuch oder:De r suchin derSchu t r ve ezul eben z ve r ‐ ag e ,Be , Wア im und Bas l ts.9 nhe e rwo r ,Vo ,1975. l ・u er spr ( 2 ) Scl eche rを生徒委員と訳しておいたが , この2名が 「穴蔵」 事件の第1回職員会議 (2月18日) に参 l 加しているので, 職員会議に参加権を有するSchu sp e r r(生徒代表委員会規則4-2, 10-1) と同一の役 e che 職であると思われる. 3 ( ) 大橋昭一; 経営参加の思想, 1 97 9年, 有斐間, 6~ 7 頁 i f 1 ( r 1 4 ) sChu1 r echtin Hes 1 t urSChu eSamml s en t unde亡 ungderv。 r sChr enf eund Schu verwa ung ,Erganzba ,Begr lse ipp & Hans Bach l l von Pau iβ des Schu l rman Luch[ erhand Ve r ag r echt sund de r Schu veト . He . Grundr l i h l t V T i l S G 4 S t u 7 wa ungin Hes sen r r r e : c e e e , , ,. l id l l l ( ) Schul er 5 r echtin Hes l I sen ine Bes immungen ung des Schu er sin derSchu t e ,B)Ste .Schu geme ,ib .1 .AI , 1 l l l l l l i e ungdesSChu l a tusmin t l er sinde rSchu e ‐Erk rungde rKu s er <onf er en be sch os senam 25 .Zurst .5 .1973 . S .9 id iβ desSchu l ( 6 ) Schul i l rechtin Hes i l: sen tungin Hes t undr r echt sundSchu ve rwa sen er erTe .Gr ,ib ,Vi Schu l er .3 ,S , G4 id I ine Recht ( l 7 ) Schul r echtin Hess en i sgr und agen rd zube er ‐ geme e Unt .Gruppe l: AI ,ib ,C) ,1 ,2 ,a)Geset ha l l f l i t tung de l ie Schu l icht(Schu l l ungund Ve rwa rbf chen Schu en[ enundd auf s tungsgeset verwa z‐SchVG‐ Neufas i ll978)S.301f f sungvom 4 r ,Ap . l id l l ( i 8 ) Schu t tungen andendf f l i r echti n Hes s en rver r e r e e o rdnungube rd e Schu chen ent .Schu ,F) ,1 ,ib ,1 ,Ver Schu l tl970 l il976 en(Vom 3 ) .Augs .d .F,vom 29 .Ju ,i , l l ker;Di l i i l 9 t ( ) F,Hi eschu enin Deut s ch and,Chr s -Ve an r ag ,1954 ,S.9 31.
(17) . 村. 田. 貞. 雄. 97 9年, 32頁以下 ( I ) 仲井斌 ;『西 ドイツの社会民主主義』 D , 岩波新書, 1 QD 0の. 〈注〉 の4, 〈注〉 の 4, 〈注〉 の 4,. S .9 S .7. S 0 3 D .6~ 7 l tung l t agen de r e id rSChu e rver l r ungvon Ant 00 Schu r echtin Hess en .GruPPe6:Lehrer ,Behand ,D) ,1 ,5 ,5a ,ib 2 D1 S 6 2 6 3 2 b l 9 E l 3 N 7 inden Lehre k f )6 ( m e r r r on e enz raβ vom . ove ,. ,. 0 5 ) 〈注〉 の 4, S.1 く注〉 の 4, S .10 f f l i l lderSchu l l t ent chen Schu i en(Vo vom r etungen anden b urd erver 〈注> の8, l e Wah a o rdnungf . Wah ) 3 tl970 .Augs ,S.12. 0 6 ) 節. ◎ 仲井斌 前掲書, 15 9頁. 32. (本学助教授・函館分校).
(18)
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