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『古今和歌六帖標注』翻刻(一九)

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(1)Title. 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). Author(s). 伊藤, 一男. Citation. 北海道教育大学紀要. 人文科学・社会科学編, 58(1): *17-32. Issue Date. 2007-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/854. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) ︵人文科学・社会科学編︶第五十八巻. 翻刻︵一九︶. 第一号. 平成十九年八月. 藤一男. 北海道教育大学旭川枚国文学研究室. 伊. は国歌大観番号を、私家集は私家集大. ︵天保二年−一人三一−序︶を翻刻した。中. ﹃古今和歌六帖標注﹄. 北海道教育大学 紀 要. ︻概要︼ 山本明清﹃古今 和 歌 六 帖 標 注 ﹄ に引用されている 和 歌 に 、 ¶ 万 葉 集 ﹄. 成の歌番号を、その他は新編国歌大観の歌番号を付した。 なお、今回は、第六帖、草のうち、蘭・菊・芸・桔梗・龍脆・苦臆・蓄薇・ 刈萱・萱・杜若・薦・花かつみ・芦・菱・尊・根尊・善業・浮草・月草・忘 草・忍草・ことなし草・芹・水葱・蓼・葎・玉葛・葛・真葛・青葛・朝顔・ 浅茅・茅花・完・紫陽花・さこく・萱・茅高・蕨・ゑぐ・百合・藍・まさき 葛・日陰・山橘・菅・笹・葵・酢栄華・三稜・蓬・苔・いちし・しばの五四 項目、虫のうち、虫・蝉の二項目を収めた。. 完九七年一一 完九人年三月︶﹁﹃古. ○本箱は、﹁﹃古今 和 歌 六 帖 標 注 ﹄ 翻 刻 ︵ 一 ︶ ﹂ ︵ ﹃ 旭 川 国 文 ﹄ 第 一 三 号 月︶﹁﹃古今和歌六 帖 標 注 ﹄ 翻 刻 ︵ 二 ︶ ﹂ ︵ ﹃ 語 学 文 学 ﹄ 第 三 六 号. 完九人年人月︶、以下、同紀要、第五〇巻第一号︵完九九年人月︶・. 今和歌六帖標注﹄翻刻︵三︶﹂︵﹃北海道教育大学紀要︵人文科学・社会科学編︶﹄ 第四九巻第一号. 第五一巻第一号︵二〇〇〇年人月︶・第五一巻第二号︵二〇〇一年二月︶・第五二巻第一号. ︵二〇〇一年九月︶・第五二巻第二号︵二〇〇二年二月︶・第五三巻第一号︵二〇〇二年九月︶・. 第五三巻第二号︵二〇〇三年二月︶・第五四巻第一号︵二〇〇三年九月︶・第五四巻第二号. ︵二〇〇四年二月︶・第五五巻第一号︵二〇〇四年九月︶・第五五巻第二号︵二〇〇五年二月︶・. 第五六巻第一号︵二〇〇五年九月︶・第五六巻第二号︵二〇〇六年二月︶・第五七巻第一号. 貫之. いつもきく風とはきけど荻のはのそよぐ音にぞ秋はきにける. ふ続を家. をぎ. ︵二〇〇六年九月︶・第五七巻第二号︵二〇〇七年二月︶所載の︵四︶∼︵一人︶を受けるもの. である。. 三七一五. ﹃新古今﹄恋三︵一二一二︶安法法師女. ︵矧鳳凰秋上︵二四四︶・付秋上︵七実︶・家︵1三七七︶︶. ︻頭︼. 三七一七. みつね いづる舌は舌 をぎの葉に吹くる風ぞ秋来ぬと人にしらるゝしるし也けれ. ︵掛秋︵一三九︶・新樹︵人︶・家︵1喜︶・古本﹃窮恒集﹄︵1憂︶︶. おなじ人 に拾り舌 荻の葉納経紀琵㌍﹂拷秋風の人にしらるゝはじめなりけれ. よのつねの秋風ならばをぎのはにそよぐばかりの音はしてまし. ∴.L∴へ. るイ. 秋風の吹につけてもとはぬかな荻のはならば音はしてまし. ︵古本集︵Ⅲ一一四・Ⅲ萱一・Ⅳ国男︶︶. 三七一人. 原︵一〇三六︶. 朝夕に撫ておほしゝ草なればおひてみゆるぞ我宿の荻. ︵矧恋四︵人実︶中務・家︵三言︶︶. 三七一九. ︻頭︼第二帖. ことわりや恨むることも秋風のそよ︿荻のはにぞおどろく. 名にしおへばいづれもかなしあさな︿なでゝおほしゝうなゐ子が原 三七二〇. 17.

(3) 伊 藤 一 男. ︻頭︼此帖. こも︵三八一四︶. いとゞし く 物 思 ふ 宿 の 荻 の 葉 に 秋 と つ げ つ る 風 の 侍 し さ. 五月まつぬまに生たるわかごものそよ︿われもいかでとぞ思ふ 三七三. 人. 三七二人 女郎花なが藤ばかまおりつれば秋の紅葉をかめつけにして む寛 三七二九 秋風にほころびぬらし藤袴つゞりさせてふきりぐすなく とて新. ︵副俳語︵萱一〇︶棟梁・凰富︶・軌矧︵人五︶︶. きく. 名岐久﹂とみえ、又、ふるくより歌にも ﹁きく﹂とのみよみて、﹁かは. 可波良於波伎、俗云本音之重︺。日精草也﹂。こゝに﹁俗云本音之重﹂と. ﹃和名抄﹄草類云、﹁﹃四声字苑﹄ 云、菊︹和名加波良与毛岐、一云. ︻頭︼. みためと手折つるけふ. 秋風の 荻 の 葉 を 吹 音 き け ば い よ ︿ 我 も 物 を こ そ お も へ. ︵矧秋上︵二 二 〇 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三七二二. モ. あれば、﹁きく﹂といふは俗のやうなれど、﹃医心方﹄薬名部にも、﹁和. ホ. らに さがのみかどの坊にて うつる続 がためにと手をりつるかな 続 みな人 の そ の 香 に 狗 悠 憾 ば か ま 君 の 御 の た を わ た る け ふ. 、. ノ. カ. ニ. メ. ゾ. ル. フ. ヂ. パ. カ. マ. キ. ミ. ロ. ノ. マ. ニ. マ. フ. ヂ. パ. カ. 続. マ. ウ. ヘ. イ. ノ. ロ. オ. 云、﹁平城天皇大同二年九月乙巳、幸二神泉苑一琴歌間奏. ︵続後拾秋上 ︵ 二 大 七 ︶ 嵯 峨 天 皇 御 製 ・ 大 ︵ 二 五 大 ︶ ︶. 三七二三. コ. ソ. ニ. ホ. ヒ. ク リ. ケ リ. ︵古秋下︵二七三︶素性・菊︵主・新撰︵九四︶・朗︵五五三︶・家︵1富・Ⅲ三︶. ク. 業平 うつ家 植しうゑば秋なき時やさかざらん花こそちらめねさへかれめや. ︵同︵二六人︶・例︵九七︶・対︵二七二︶・家︵1六・具九・Ⅲ六・Ⅳ三︶︶. ひさかたの雲の上にて見る菊はあまつ星とぞあやまたれける. ともみゆ。. ︻頭︼. 菅原のおとゞ ︹是善朝臣男︺ 紀伊 秋風の吹上にたてる白ぎくは花かあらぬか彼のよするか. ﹃素性集﹄ ︵Ⅰ人八︶. ︵同︵二七二︶・矧︵人︶・前掛︵九人︶ノ. 三七三三. ︵同︵二大九︶・矧︵二七二︶・叶吾︶・家︵三︶. 三七三二. としゆき. せ給へり。また、﹁離騒﹂ に、﹁朝飲二木蘭之墜露骨久餐二秋菊之落英一.■. 此御うた、わが朝にてきくをよめるはじめにて、しかも﹁ちる﹂とよま. 己乃己呂乃志具礼乃阿米ホ菊乃波奈知利曽之奴倍岐阿多羅蘇乃香乎. ︻頭︼ ﹃類衆国史﹄曲宴云、﹁延暦十六年十月云云酒酎皇帝歌日、 コ ノ コ ロ ノ シ グ レ ノ ア メ ニキク ノ ハ ナ チ リ. 三七≡. カ. 三七三〇座れてほす山路の牒旬露の間にいかで燵紬絶餓鳴響にけん. らよもぎ﹂ ﹁かはらおはぎ﹂ などよめるはいと︿のちにて、しかも誠. ノ. ﹃類 衆 国 史 ﹄ ト. ︻頭︼ ピ. にまれ也。さらは、﹁きく﹂といふ名を俗なりとはいひがたきにや。 ノ タ ヲ リ ク ル ケ フ つか舌・菊・朗. ヤ. ノ. いろふかく匂ひけるかな. ならのみかど. フ. 云云。干時 皇 太 弟 頒 歌 云 、 ミ. ト. 美耶此度乃曽能可迩米豆留布智波賀麻岐美能於保母能多乎利太流祁布 上和之日、 ヲ リ ヒ. 続. 真理此度能己己呂乃麻丹真布智波賀麻宇倍伊呂布賀久ホ保比多理介利. にまがふ. 所人の 心 細 ほ ㌦ に 藤 ば か ま う べ も 色 こ く 咲 て み え け り. 続. 群臣倶称二万 歳 一. みな. 三七二四. いろことににほひたりけり人. 敏行 あきくる新. なに人 か き て ぬ ぎ か け し 藤 袴 く る 秋 ご と に 野 べ を 匂 は す. ︵同︵二六人︶ 平 城 天 皇 御 製 ・ 同 ︵ 二 五 七 ︶ ︶. 三七二五. に舌・朗. やどりせし人のかたみかふぢ袴わすられがたき香はにほひつゝ. つらゆき. ︵副秋上︵二 三 九 ︶ ・ 前 方 ︵ 喜 ︶ ・ 家 ︵ 三 ︶. 三七二大. 素性. ぬしし ら ぬ か こ そ に ほ へ れ 秋 の 野 に 誰 ぬ ぎ か け し 藤 袴 ぞ も. はにほひつゝ朗. ︵同︵二四〇︶ ・ 軌 跡 ︵ 二 喜 ︶. 三七二七. ︵同︵二四一︶ ・ 朗 ︵ 二 九 〇 ︶ ・ 家 ︵ 1 三 ・ Ⅲ 三 ︶. おなじ人. ゾ シ ヌ. 18. ベ キ.

(4) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). おなじ人. 咲初し 宿 の か は れ ば 菊 の 花 色 さ へ に こ そ う つ ろ ひ に け れ. おなじ人 は杵. ふる郷 を わ か れ て 咲 る 菊 の 花 た ひ ら か に こ そ 匂 ふ べ ら な れ. つらゆき. 秋風の吹上のはまのしら菊はなみのよするか花のさけるか. 三七三四. 三七三五. そめ ぬ 家. 貫之 の家. いろ染 る 物 な ら ね ど も 月 影 に う つ れ る 宿 の 白 ぎ く の 花. 月影も花もひとつにみゆる夜はいづれをわきて折んとぞ思ふ. ︵副秋上︵二人○ ︶ ノ. 三七三六. 三七三七. うつろふと見ゆる物から菊の花さけりし枝ぞかはらざりける. ︵家︵土二四︶︶. 三七三人 何れを か 花 と は わ か ん 長 月 の 有 明 の 月 に ま が ふ し ら 菊. 三富○. つらゆき. うすくこく色ぞみえける菊の花露や心をわきて置らん. の後. ︵前掛秋下︵ 五 二 〇 ︶ ・ 代 秋 下 ︵ ≡ 六 ︶ ・ ﹃ 貫 之 集 ﹄ ︵ 1 萱 一 ︶ ︶. 三七三九. も其. ︵矧掛秋下 ︵ 三 五 三 ︶ 清 原 元 輔 ・ ﹃ 貫 之 集 ﹄ ︵ 1 衰 ︶ ︶ しも 風 ・ 家 が 風 ・ 家 を家 三富一おく露のそめまどはせるきくの花いづれかもとの色には有らむ. とかはみん家. ﹃窮 恒 集 ﹄. ︵Ⅰ五一一・Ⅲ三九一・Ⅳ七三・Ⅴ二′. ︵風秋下︵吉二 ︶ 貫 之 ・ 家 ︵ 1 二 三 六 ︶ ︶. ︻頭︼. よしもかな家. 貫之 は家. 緒をより て ぬ く も の に も が 朝 毎 に き く の 上 な る 露 の し ら 玉. ︵家︵圭一九︶︶. 水にさへ 流 れ て ふ か き 我 宿 の 菊 の 淵 と ぞ 成 ぬ べ ら な る. 神無月千々に う つ ろ ふ 菊 の 花 下 同. 三富二. 三富三. ︵同︵1三人二︶ ︶. みつね. 三富四. 三七宝. 三七実. 三七望. 三七実. 三七実. 心あてに折ばやをらん初霜のおきまどはせる白ぎくの花. おなじ人. を新・家. ︵副秋下︵二七七︶・前掛︵喜︶・卦卦︵三︶・矧︵二七三︶・叶︵二人︶︶. こ新・家うす新・家. まさ家ぬイ. 菊の花ときもおそきも今までに霜のおかずは色と見ましや. ︵矧掛冬︵五九人︶・家︵1吉・Ⅲ童一・Ⅳ喜・V壷︶. おなじ人 こ家・イ. はつ時雨ふりそめしより菊の花なかりし枝ぞまたそはりける わきがたきよの古き蔵. ︵対冬一︵六五〇六︶・家︵Ⅲ云・Ⅳ一三・V童︶. 月影に色わきがたくしらぎくは折てもをらぬ心ちこそすれ. ︵古本集︵1二四・二〇六・Ⅲ≡二・Ⅲ言七・Ⅳ一三七︶︶. ︵三三五︶︶. 朝ごとに露はおけども菊の花人のよはひはくれずぞ有ける. 秋其. ︵﹃貫之集﹄. 窮恒. もとよりの色にはあれど菊の花かたえはうつす所がらかも. 菊の花千くさの色をみる人の心さへにぞうつろひぬべき 三七五〇. ︵1七二・Ⅲ二羞・V一大︶︶. 類従本﹃窮恒集﹄ ︵Ⅳ一三二︶. ︵﹃窮恒集﹄. ︻頭︼. とものり. おなじ人 まで家. 波とのみ打こそみつれ住の江の岸にのこれる白ぎくの花. ゆ新. もとよりの色にはあれど菊のはな色に出てもとし経ぬるかな. 三七空. 山憮. ひと本と思ひし菊を大沢の他の底にも誰か植けむ. はな舌・新. ︵射線副秋下︵票○︶是則︶. 三七五二. はあはれとぞみる新. 植し時花まちどほに有しきくうつろふ秋に逢んとや見し. 千里. ︵副秋下︵二蓋︶・矧︵二︶・新撰︵云︶・家︵三〇︶︶. 三七五三. ︵同︵二七一︶・矧≡一︶・矧矧︵三雲︶・句︵ナシ︶・矧村︵萱二︶︶. 19.

(5) 伊 藤 一 男. ︻頭︼. ﹃後 撰 ﹄ 春 上 ︵ 一 七 ︶. 藤原兼輔. 秋を置て 時 こ そ 有 け れ 菊 の 花 移 ろ ふ か ら に 色 の ま さ れ ば. おなじ人. やどちかくうつしてうゑしかひもなくまちどほにのみ匂ふはなかな. 三宝四. 伊勢. の末に出された. をみる家. かとあやまたれける舌. ♂イ. 続. はな. 此うた、﹁おなじ人﹂とあるはわろし。﹃古今﹄を正しとすべし。次. ︵同︵二七九︶ 平 貞 文 ・ 掛 掛 ︵ 萱 一 ︶ ︶. ︻頭︼ のうたも﹁ よ み 人 し ら ず ﹂ な る を 、 類 従 本 ﹃ 句 題 和 歌 ﹄. ︵矧秋下︵四 〇 〇 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. とや家. かねすけ. としゆき. けふ引て 雲 ゐ に う つ す 菊 の 花 あ ま つ 星 と や あ す よ り は み ん. にほひきて 古. きくなら ぬ 菊 こ そ 我 は お も ほ ゆ る 君 に あ ひ つ ゝ 人 し な け れ ば. ︵家︵1二三七・ Ⅲ 二 三 七 ・ Ⅲ 二 三 七 ︶ ︶. 秋のよもふかくなるやときくの花かげさへとひて君にみゆらん. と家. なにしき く 色 染 か へ し 匂 ふ ら ん 花 も て は や す 君 も こ な く に. に. るはこゝよ り と ら れ た る 誤 也 。 三宝五. 三宝六. 三宝七. 三宝人. ﹃古 今 ﹄ 秋 下 ︵ 二 六 九 ︶. ︵古本集︵1五 九 ・ Ⅲ ・ Ⅲ 三 大 ・ Ⅳ 実 ︶ ︶. ︻頭︼. 是別. おなじ人. ︵前掛冬︵五 九 五 ︶ ・ 矧 冬 ︵ 喜 二 ︶ ・ 対 冬 一 ︵ 大 吉 五 ︶ ︶. 続. なれば. 菊のはな 冬 野 の 風 に ち り も せ で け ふ ま で と て や 霜 は 置 ら む. の野風に新・代. あたらし き 物 に ざ り け る 神 無 月 時 雨 ふ り に し 菊 に は あ れ ど も. おなじ人. 久かたの雲のうへにて見るきくはあまつ星とぞあやまたれける. 三宝九. 三芙○. ぎも. ︵矧矧掛秋下︵ 三 人 五 ︶ ︶. ︻頭︼. ﹃貫之集﹄ ︵Ⅰ一一・Ⅲ九︶. これひら. みそぎする河のせみればからころもひもゆふくれの波ぞたちける. ︵対冬一︵六五呈︶. ひ後 かくばかり深き色にも移ろふを猶君きくの花といはなん. 匂ひけん盛りはみねど菊の花なごりをしくもおもほゆるかな. ︵矧恋五︵突三︶清蔭朝臣︶. 三七盃. 色も香もにほふ菊ともなりてしが我よりはまたあらじと思はむ. よつな ︹はイ︺. しら雲の上にしうつる菊なればいたくを匂へ花と見るべく かとぞみる新 色かはる秋のきくをば一年にふたゝびにほふ花とこそみれ ︵副秋下︵二七人︶よみ人しらず・新撰︵喜︶︶. くさのかう. ﹃和名抄﹄草類云、﹁﹃礼記注﹄一ム、芸︹音雲、和名久住乃香︺、香草. 伊勢. ﹁ありのひふき﹂とみゆ。されど歌にはふる. 草のかう色かはりぬる白露は心おきてもおもふべきかな ︵家︵1八人・Ⅲ人九・Ⅲ人七︶︶. 桔 梗 きちかう 此草、﹃和名抄﹄ には. よみ人しらず. あきちかう野は成にけり白露のおける草葉も色かはりゆく. あだ人のまがきちかうな花うゑそにほひもあへず折つくしけり 三芙九. 秋のつきちかうてらすとみえつるは露にうつろふひかりなり烏. 三真︵一 副物 わ 名︵ が 四四 せ〇こ ︶友が 則・ひ 家︵ も 天︶ ゆ ︶ふぐれの菊の花あかずぞ秋の色はみえける 三七吉. 続. ﹃拾遺﹄物名︵三六三︶. くより音にて ﹁きちかう﹂とのみよめり。. ︻頭︼. 三七天. 也﹂。. ︻頭︼. 三七宝. 三美大. 三芙五. 三芙三. さける夫きくのはな夫ゆめ夫 三真二 ひとくさに咲はかひなし百敷にうつして後は色かふな菊. 20.

(6) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). ︻頭︼. 龍胎 り、つたむ. 物名︵三六二︶. には﹁えやみぐさ﹂又﹁にがな﹂とみゆ。され. よみ人しらず. ﹁りうたん﹂と音にのみよめり。. 此革 も 、 ﹃ 和 名 抄 ﹄. ど歌には ﹃拾遺﹄. むエ. 三七七一我宿の花ふみちらすとりうたんのはなければやこゝにしもくる. 川上に今よりうたんあじろにはまづもみぢばやよらんとすらん しだく舌なく家. つらゆき. おなじ人. 風寒み鳴 か り が ね の 声 に よ り う た ん 衣 を ま づ や か ら ま し. さ新∵家. 色深き 露 の か き り う た む れ ど も 紫 ふ か き 秋 の は な か な. 伊勢. 花しあらばかつきてをらん秋風に波立かへりうたふなかにも. ︵副物名︵四四 二 ︶ 友 則 ・ 家 ︵ 六 九 ︶ ︶. 三七七二. 三七七三. 三七芸 ︵軌跡物名︵云 九 ︶ ・ 家 ︵ 1 八 人 ・ Ⅲ 九 〇 ・ Ⅲ 人 九 ︶ ︶. 紫 苑 しをに. 秋の野の 草 葉 を 人 も お り き し を に し き の ご と も み え わ た る 哉 ぞ杵. ﹃和名抄﹄草類云、﹁紫苑、一名紫構︹和名能之、俗云之乎迩︺。. 三七宝. ちりぬともみつる色をばわすれじをにはかにうつる花のいろも. ︻頭︼. 三七芙. ︻頭︼此うた﹁色も﹂とあり。おもふに、﹁かも﹂の﹁か﹂文字をおとしゝ. いせ つらぬかば新・家 たま新・家. うけた む る 袖 を し を に て ぬ き と め ば 涙 の 瀧 の 数 は み て ま し. とめ ん 新. なるべし。. 三七七七. きくも 猶 咲 出 ぬ れ ば こ と 花 は そ れ に あ ら じ を に ほ ひ け る 哉. おなじ人. 咲はてゝ今はあらじと思ひしをにはかくれても匂ひけるかな. 貫之. ︵軌跡物名︵ 一 三 吾 ︶ ・ 家 ︵ 1 喜 ・ Ⅲ 一 三 五 ・ 竺 三 五 ︶ ︶. 三七七人. 三七七九. 三七人○. ふりはへていざ故郷の花みんとこしをにほひぞ移ろひにける. ︵副物名︵室︶よみ人しらず︶. くたに. ﹁くたに﹂説々あり。﹃藻塩草﹄. ﹁苦胆﹂と書て牡丹の類といへり。をとめの巻云、﹁ひんが. には、﹁苦脆﹂とありて、龍臆の一. 三七人一紫の花ゆひしつとつけしをに思ひはふかく結びこめてき. ︻頭︼. 名とせり。 又、契沖は. しはすゞしげなるいづみ有て、くたになどやうの花うゑて、春秋の草木、 その中にうちまぜたりとみゆ﹂。. 散ぬればのちはあくたになる花を思ひしらずもまどふ今日哉. には ﹁岩藤なり﹂といへり。 三七人二. ﹃河海抄﹄ てふ古∵家. ﹃和名抄﹄草類云、﹁¶本草﹄云、蓄薇、﹃陶隠居注﹄云、営実︹和名、. 水上を山にて落る瀧つせのしづくのたえすそゝぐたに陰 番 赦 さうび. つらゆき. ︵副物名︵四三五︶遍昭・家︵1三・Ⅲ≡︶︶. 三七人三. ︻頭︼. 我はけさうひにぞみつる花の色をあだなる物といふべかりけり. 無波良乃美︺﹂。 三七人四. ︵副物名︵四三大︶貫之︶. かるかや よしとても河 三七人五 まめなれどよき名もた、ずかるかやのいざ乱なんしどろもどろに. ﹃古今﹄誹譜︵一〇五二︶ よみ人しらず. ︵河梅枝︵七喜︶. ︻頭︼. まめなれどなにかはよけくかるかやのみだれてあれどあしけくもなし ﹃狭衣﹄一︵一人︶. 本ノマ、 秋風に乱れそめにし苅董をわれぞつかねてゆふきくれみし. わがこゝろしどろもどろになりにけりそでよりほかになみだもるとて 三七人六. 21.

(7) 伊 藤 一 男. 三七人七. さ方・夫. かや 河上のねじろ高がやあやに︿さねいねて社ことに出にしか. ﹃寛平 歌 合 ﹄. ︵五五︶. 涌出品云、﹁不レ染二世間法一如二蓮華在一レ水﹂。. 吹風はかをのみそふる我宿の他のはちすをとりなつくしそ らぷエ. 露をだに玉となしつるはちす葉に思ふ心をいれてみせばや. 三七九人. かきつばた. きる人もしらず初. すみの江のあさゞはをのゝ杜若きぬにすりつけきむ目しらずも. 良琴よしかた. ︹参議衆樹男︺. つるかも方. いひそめし昔の人のかきつばた色ばかりこそかたみなりけれ. やど後. ︵矧七︵一三六一︶・矧矧掛春下︵垂︶・対春六︵要一︶・矧︵壷︶︶. 三七九九. ︵矧夏︵一大〇︶︶. つくといふ家あるらん方∵赤 三人00 我のみやかく恋すらん杜若匂へる妹はいかにかあらむ. きみ方さめ方. ︵矧十︵一九人六︶・﹃赤人集﹄︵1二葉・Ⅲ喜︶︶. 貫之. まに朗. 三人〇一かきつばたにほへる妹をいさなみに思ひ出つゝなげきけるかな ︵同十一︵二五三︶︶. け家. 君がやとわが屋とわくるかきつばたうつろはぬ時みん人もがな. 貫之. ︵1七九人︶︶. 家. こゝをほかにて家. に. つらん 家. 返事 おき風 めにかは 賞 みひと 賞 むつましくかこひへだてぬ杜若誰かたちかはうつろひぬべき. ︵家︵1七九七︶・矧︵五七七︶伊勢︶. 三人〇二. 三人≡. ひ家. るかも方. たゞちにて君かこえこんかきつはた風をはかりてうつろひぬべし. 又. ︵家︵1二七・Ⅲ九︶・﹃貫之集﹄. 三人〇四. に方. 常ならぬ人くる山のあきつのゝかきつばたをし夢にみえつゝ. ︵家︵1七九九︶︶. 三人〇五. ︵卦七︵一三塁・対春六︵妻○︶よみ人しらず︶. ︻頭︼契沖云、﹁人国山、秋津野とつゞけたれば大和也。但 ﹃八雲御抄﹄. なりひら. から衣きつゝなれにしつましあればはるぐきぬるたびをしぞ思ふ. には紀伊と注し給へり﹂。. 三人〇六. ︵副帝旅︵四豆・前掛︵哀︶・例︵豆・家︵−人〇・Ⅲ二三・Ⅲ五大・Ⅳ四一︶︶. こも. 22. かるかやのほに出て物をいはねどもなびく草葉は哀とぞ見し. 三七人 人. ﹃日 知 録 ﹄ 妬 女 桐 碑 文 云 、 ﹁ 日 積 レ 新 一 日 焼 レ 之 ﹂ 。. かやの野べいともかるゝか峯の上の桧かえともに久しきものを 火ヲカヌ 七日かる萱はわが身のうへなれや人におもひをつけてやみぬる. ︵矧十四︵三 男 七 ︶ ・ 対 雑 十 ︵ 一 三 五 五 大 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三七人九 三七九〇 ︻頭︼. ﹁七日ま. 今按ずるに、かゝる諺、いと︿ふるくよりいへりとみゆ。こゝに﹁七 ︵一七四〇︶に. ﹁わがゆきは七日はすぎず﹂などある. 日﹂とある は 、 た ゞ 日 数 の 多 き を い ふ 。 ﹃ 万 葉 ﹄ で家にもこ ず て ﹂ 、 又 ︵ 一 七 四 人 ︶. はちす たる方. 久かたの 雨 も ふ ら ぬ か は ち す 葉 に た ま れ る 水 の 玉 に 似 む み ん. と同じ。. 三七空. はちす 葉 に お き ゐ る 露 の 玉 水 は う か べ る 人 の 心 と ぞ 見 る. ︵矧十六︵三人三 七 ︶ ︶. 三七九二. みとりなりと思ふばかりに蓬莱の香は身にさへもしみにける哉 く夫・家なり家 小社身ヲカヌ にごり江はかたふかてこそあけにけれみをはちすさへみれば生けり. 伊勢. 三七九三. 三七九四. へせう など家. 蓬莱の 濁 り に し ま ぬ 心 も て 何 か は 露 を 玉 と あ ざ む く. せ夫 ︵対夏三︵ 三 五 重 よ み 人 し ら ず ・ 家 ︵ 1 二 男 ・ Ⅲ 二 空 ・ Ⅲ 五 三 ︶. IL IL L. ノヾ. ﹃法華経﹄. 夏のよの露なとゞめそはちすばのまことの玉となりしはてねば. ︻頭︼. ︵副夏︵一大五 ︶ ・ 矧 ︵ 室 ︶ ・ 家 ︵ 1 三 四 ・ Ⅲ 三 四 ︶ ︶. 三七九五. L L.

(8) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). ︻頭︼. ﹁こも﹂と﹁花かつみ﹂、ふた所にわけて出せれば、別物のやうなれ. には. ﹁芹﹂. の外にゑぐをあげたり。但ふるき書はくはし. ど、同物也。﹃袖中抄﹄巻十六に、顕昭云、﹁ゑぐ﹂とはせりをいふとい へど、﹃六 帖 ﹄. 米﹂. の文字を. ﹁花かつみ﹂ にあてたり。おもしろし。猶くはしくは師の. ﹃万葉攻澄﹄ にいはれたるを見るべし。. き方かつて万かも方・夫 三人一五 女郎花さく沢におふる花かつみみやこもしらぬ恋もする哉. ︵矧四︵六蓋︶中臣女郎・対秋二女郎花︵竺〇二︶︶. きみがをる八重山吹の花かつみかつ見る人ぞこひしかりける. くあきらめずして、物の異名をも正さず。名のかはりたれば、別にあぐ 三人一大. みちのくの浅香の沼の花勝見かつみる人の恋しきやなぞ. つの童. あし. 芦づのゝ生出し時に天地と人とのしなは走りにけり. トモエアガルモノニヨリテナリマセルカミノミナハウマシアンカ. ﹃古事記﹄神代記云、﹁犯酢衝那酎疇耐知新睾那淋須隙俳斬新瞑姉郭邪. ︻頭︼﹃和名抄﹄草類云、﹁﹃玉篇﹄云、献茶︹和名阿之豆乃︺、産之初生也﹂。. ︵卦︵六二七︶︶. 三人一人. を新やわたらん古∵新. ることもあれば、一定にあらずといはれたる、実にしか也。こゝもその 三人一七. 春駒の あ さ る 沢 へ の ま こ も 革 ま こ と に わ れ を 思 ふ や は き み. ︵副恋四︵六七七︶よみ人しらず・前掛︵二二人︶︶. ごとく、名 の か は り た れ ば 別 物 の ご と く あ げ た る 也 。 我せこに恋つゝあらすは刈こもの思ひみだれてしぬへきものを. わぎも方・ 続. 三人〇七. 三人○人. わがせ子がおふるかをしささだの他のこもにもがもやはやさん. ︵矧十一︵二 芙 五 ︶ ・ 矧 矧 掛 恋 二 ︵ 七 一 人 ︶ ︶. 三人〇九. こも枕高 瀬 の よ と に か る こ も の か る と も 我 は し ら で た の ま ん. 河内. ︵第三︵一六 六 五 ︶ 己 出 ︶. 三人言 ︵三九七︶顕昭. ﹃給語抄﹄. ﹃能因歌枕﹄等の説よろし。﹃本草啓蒙﹄. 津の国の難波の芦のめもはるにしげき我恋人しるらめや. がた家そらねもせられやはする家. をみるがかなしさ続. 人しれずもの思ふ時は難波なる芦のしらねのしられやはする つのくにの 重したねの下になかるゝ 童. ︵新刊恋一︵≡四︶貫之・家︵圭一人︶・卦︵六二人︶︶. つらゆき. しら彼のよすればなびくあしの根のうき世の中はみじかゝらなむ ︵矧鳳凰雑下︵一二二七︶よみ人しらず︶. 貫之. 人まろ. え新. なには女の衣ほすとて刈てたく芦火の煙たゝぬ日ぞなき. ひし. ︵矧乱雑中︵妻三︶・家︵1妻︶︶. 三人二三. ねたるかも方・夫 ナシ方らくに方∵夫 三人二二 押照やなには堀江の芦辺には層ぞねたらし霜のふれるに ねたる舌 ︵矧十︵二喜︶・対秋三雁︵塁三︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵Ⅲ一大九︶︶. 天≡. 三人二〇. ︵副恋二︵六〇四︶貫之・家︵1富○︶︶. 三人一九. 因萌騰物而成神名字麻志阿斯討備比古遅神云云﹂。こゝのさまをよめる. ﹃六 百 番 歌 合 ﹄. たゞかぞ方. ︻頭︼. おほとものかたみ. 、つたと聞ゆ。. に﹁菰. こもまくらたかせのよどにたつしぎの羽音もそゝやあはれかくなり がきく方. 三人一一わぎも子 に か け て な い ひ そ 刈 こ も の 乱 て お も ふ 君 が あ た り ぞ. ﹃万 葉 ﹄ 十 五 ︵ 三 六 四 〇 ︶ 羽 栗. ︵卦四︵六九七︶ ︶. ︻頭︼. つらゆき 夜殿ヲカヌ. 美夜故辺ホ由可牟船毛我可里許毛能美太礼弓於毛布許登都擬夜良牟 仮ヲカヌ. 駒にかふ沢のわかごもかりにきていかてよどのゝことをしりけん きみ夫. 三人一二. みくまのゝかるやみこものあみかけてゆふてに思ふ我ならなくに. に夫. 三人一三. ﹃奥義 抄 ﹄. ﹁花かつみ﹂は菰をいふ。花咲菰を﹁花かつみ﹂とはいふ也。﹃童豪. はなかつみ. 五月まつ沼に生たるわかごものそよ︿われもいかでとぞ思ふ. ︵対雑四野︵ 九 人 二 〇 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三人一四. ︻頭︼ 抄﹄. 23.

(9) 伊 藤 一 男. 石見な夫. 三人二四. うき名寄. 君がためうきぬの他に菱とると我染し袖のぬれにけるかも. ︵矧七︵一二 男 ︶ ・ 対 夏 三 ︵ 三 重 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. とい へ ば 名 寄 太 助. あすへては心ほそみの他に生るひしの下根のながれこそすれ れけ方. 三人二五 ね夫つむ夫. とよ国のきくの池なる菱のうれをとるとや妹がみ袖ぬるらん. ひし夫. 三人二大. ぬなは に方. ひとまろ え八. かてましを方. なりにけるかな家. 我心ゆ た の た ゆ た に 浮 ぬ な は へ に も 沖 に も よ り や か ね ま し. そでぬれにけん夫 ︵卦十六︵三人七大︶豊前国泉郎・対夏三︵三富○︶又雑五池︵豆五九︶よみ人しら. ず︶. 三人二七. ﹃後 拾 遺 ﹄ 雄 一 ︵ 八 七 二 ︶ 曽 根 好 思. こりずまのこもり江に生るうきぬなはうき身に物を思ふころかな. ︵矧七︵一三五 二 ︶ ・ 家 ︵ 1 二 九 ・ Ⅲ 三 男 ︶ ・ 州 ︵ 二 〇 人 ︶ ︶. 三人二人 ︻頭︼. 忠孝. 川上やあらふの他のうきぬなはうきことあれやくる人もなし ねぬなは た舌. かくれぬの底より生るねぬなはのねぬ名はたてじくるないとひそ. こもり江重. 三人二九. ﹃拾 遺 ﹄ 雑 恋 ︵ 一 二 二 一 ︶ 明 日 香 采 女. 山水に君はおひねど根専業のくるまに︿も思ひますかな. 暮はつることやおそきとねぬなはのねぬれば人のくるもしられず. つきエ. ︵副誹語︵萱二 大 ︶ ・ 家 ︵ Ⅲ 実 ・ Ⅲ 七 二 ・ Ⅳ 六 人 ︶ ・ 劃 ︵ 六 三 四 ︶ ︶. 三人三〇. 三人三 ︻頭︼. うき華 三人三四. いせ さ. 新・代・家. りけり. 新・代・家. 三人三五. とき衣の思ひみだれて浮草のうきても我は有わたるかな. 人磨. 見るからに思ひますだの他に生るあさゞのうきて世をばへよとや. あさゞ. 恋をのみますだの他のねぬなはのくればぞ物の乱れともなる. 人和. 池水のそこにあらではねぬなはのくる人もなしまつ人もなし 三人三二. 三人三三. 新・代・家. ︵矧十一︵二吾 九 ︶ ︶. こひみだれつゝ方こ ひ 方 も 方. きた. わびぬれば身をうき草のねをたえて誘ふ水あらばいなんとぞ思ふ. をのゝこまち. ︵新千雑上︵一大五九︶・代雄三︵三二三こ・家︵1七人・Ⅲ人〇・Ⅲ人○︶︶. 三人三大. てみだる\うきくさは続. 窮恒 てみだれる古本は古本 三人三七 水の面に生る五月の浮草の彼の上にや種をまきけん. ︵副雑下︵九三人︶・前掛︵二塁・家︵1三人・¶三︶︶. くらん古本. ﹃古今﹄雑下︵九七六︶みつね. ︵矧乱雑中︵室五︶・古本集︵Ⅲ妄・Ⅲ三〇一︶︶. ︻頭︼. こもり江にひまなくうける渾のまなくぞ人は恋しかりける. 水の面におふる五月のうき草のうきことあれやねをたえて来ぬ 三人三人. ︵対雑十︵一三五九二︶よみ人しらず︶. つきくさ. 月草に衣はすらん朝露にぬれての後はうつろひぬとも. ︻頭︼契沖云、﹁俗にいふ露草なり﹂。 三人三九. ︵矧七︵一三空︶・副秋上︵二塁よみ人しらず・掛雑上︵望遠︶人丸・家︵1二人・ Ⅲ三九人︶︶. つきくさのいたづらにある心かな我思ふ人のこともつげ来ぬ. ﹃斎官女御集﹄. ︵Ⅰ七六・Ⅲ一・Ⅲ一︶. 昔より打見る人につき草の花心とは君をこそ見れ. 三人四〇 三人竺. ︻頭︼. 方. かも 方. をエ 月草のうつろふ色におもひせば今まで君を待ましものか きくエ つき草に衣色どりすらめども移ろふ色といふがくるしさ. へだてけるけしきをみれば山吹の花ごゝろともいひつべきかな 三人四二 三人四三. ︵万七︵一三三九︶︶. けぬ. 世の中の人の心は月草のうつろひやすき色にぞ有ける 方▲夫. つとに咲夕べはきゆるつきくさのけぬべき恋も我はする哉. あした. ︵第五己出︵三男○︶︶. 三人四四. 三人空. 根をたえ︵て か空 べ︶ る・浮 他集 の﹄ 深︵き な︶ るべし 卦水 十に ︵う 二二 古く 本さ ﹃は 人丸 Ⅲを 三頼 Cむ 四︶. 24.

(10) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). 三人実. 三人望. つゆ方. たくるなへに方. 貫之. 朝夕にさきすさびたる月草のひくさへともにけぬべくおもほゆ ︵同︵二二人一︶︶. わすれ草. みちしら ば つ み に も ゆ か ん 住 の 江 の 岸 に 生 て ふ 恋 わ す れ 草. ﹃万葉 ﹄. 七︵一一四七︶. ︵乱すみけし ︵ ≡ 一 ︶ ・ 掛 掛 ︵ 三 四 〇 ︶ ︶ ︻頭︼. ﹃小 町 集 ﹄. ︵Ⅰ七四・Ⅲ三三︶. 住吉にお ふ と ぞ き ゝ し 忘 華 人 の こ ゝ ろ に い か で お ひ け ん. 暇有者拾ホ 将 往 住 吉 之 岸 因 云 恋 忘 貝 三人実 ︻頭︼. ︵劃︵塁︶. くエ. 打忍びい ざ す み の 江 へ 忘 草 わ す れ て 人 の 又 や つ ま ぬ と に家 をつまじとぞおもふイ. おなじ人 の拾・夫 し人を夫・家. すみの江 に 舟 さ し よ せ よ 忘 草 し る し 有 や と つ み に 行 べ き. おなじ人. わすれぐさ我身につまんと思ひしは人のこゝろにおふるなりけり. 三人実. 三人吾. 三人空. すみよしと海士はいふとも長居すな人わすれ草岸に生なる. 窮恒. ︵掛雑上︵実 六 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 対 雑 十 ︵ 一 三 吾 五 ︶ ・ 家 ︵ 1 七 ・ 豊 ︶ ︶. つぐ舌おふといふな り 古 ∵ 新. 我ため は み る か ひ も な し 忘 ぐ さ わ す る 計 の 恋 に し あ ら ね ば. ︵副雑上︵九 重 壬 生 忠 孝 ・ 前 掛 ︵ 二 九 九 ︶ ︶. 三人五二. ﹃伊勢 物 語 ﹄. ︵三九︶. 蒔ヲカヌ わすれぐさ種のかぎりははてなゝん人のこゝろにまかせざるべく. ︵矧恋三︵七 人 九 ︶ 長 谷 雄 朝 臣 ︶. 三人五三 ︻頭︼. 独のみな が め ふ る や の つ ま な れ ば ひ と を 忍 ぶ の 草 ぞ 生 け る. しのぶ草. 今はとてわするゝ草のたねをだにひとのこゝろにまかせずもがな. 三人富. ︵副恋五︵芙 九 ︶ さ た の の ぼ る ︶. いせ. 三人五五. いづることもなきやどは後. いで︿ずなるやどは家. はな薄ほに出穂に出すなき宿の昔しのぶの草を社みれ. 貫之. 恋しともいはでふる屋の忍草しげさ増れば今ぞほに出る. ︵矧秋中︵二人人︶中宮宣旨・家︵1二塁・Ⅲ二竺・Ⅲ二塁︶. 三人五大. つねに舌. めに夫. 山高み峯のあらしのふくさとは匂ひもあへず花ぞ散ける. ことなしぐさ. こりずまの桧にはいとゞ年ふれどことなし草ぞ生そはりける. くりこ夫. ︵副物名︵四実︶紀としさだ︶. 三人五七. 三人突. ﹃後撰﹄恋三︵一二二〇︶つらゆき. ︵対雄二山︵人五蓋︶よみ人しらず︶. ︻頭︼. かざすともたちと立なんなき名にはことなし草のかひやなからん. つらゆき. んエ. ﹃枕草紙﹄云、﹁ことなしぐさはおもふ事なきにやあらんと思ふもをかし﹂。 人和. ﹁たゝび﹂. ぬ新. 人にのみいはれの他のあやなくにことなし草の宿にさそはれ ずて新. ∴.仝に. 左大臣橘のもろえ. きみ見てしほどのふるやのひさしには逢ことなしの草ぞ生ける. びて方. ∴.へ予、. ︵新勅恋五︵九望︶︶. せり. 三人六一あかねさすひるはたゞおくぬば玉のよるのいとまに摘るせりこれ. テク、マ. ﹃万葉﹄ に﹁たゝびて﹂とある、よろし。契沖云、﹁この. ︵卦廿︵四望五︶︶. ︻頭︼. に﹁於レ是天皇命二神祇伯一、敬受レ策﹂とみえ、. の略. ﹃万葉﹄十五︵三六八八︶の長歌に﹁多太末可母﹂とみえたる﹁たゝ. といふ詞は、﹃欽明紀﹄ また. ま﹂と同し詞にて、はかりことといふ意也。さて﹁び﹂は﹁さび﹂. 命婦︹伝未詳︺ 山城. ますらをと思へる物をたちはきてかにはの田ゐに芹ぞつみける. かへし. 語にて、﹁翁さび﹂ の ﹁さび﹂と同じすゝむ意也云々﹂。. 三人六二. 25.

(11) 伊 藤 一 男. かも夫. 春雨のふ り は へ て ゆ く 人 よ り は わ れ 先 つ ま ん や せ 河 の 芹. ゆきて夫. 人しれ ず 沼 に 生 て ふ 深 ぜ り の 我 だ に ひ か ば ね も み ざ ら め や. ぬエ. ︵同︵四望六︶︶. 三人六三 三人孟. ﹃本 草 和 名 ﹄ 云 、 ﹁ 前 菜 、 和 名 奈 岐 ﹂ 。. なぎ. ︵対春一若菜 ︵ 二 二 四 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ︻頭︼. 契沖云、﹁こ れ は 俗 に い ふ 水 葵 と い ふ も の な り ﹂ 。 大伴のするが丸 こ方∵夫. 苗代のこなぎが花を衣にすりなるゝまに︿あせが悲しき. たれ夫. さ夫. はる霞春日の里にうゑしなぎなへなりといひしえはさしにけり. 三人六大. ︵身二︵四 呈 ・ 対 雑 十 三 里 ︵ 要 0 0 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三人六五. け力. の方・夫. かむつけのいかほの沼に植しなぎかく恋んとや種もとめけん. み方∵夫. ︵同十四︵三 五 芙 ︶ ・ 同 春 五 首 代 ︵ 一 人 八 人 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三人六七. ん方∵夫. こそまて舌. みな月のかはらに生るやほたでのからしや人にあはぬ心は. ︵豊票︶︶. 我宿のほたでふるからつみはやしみになるまでに君をしまたん. たで. こ方∵夫 ︵同︵三四 一 五 ︶ ・ 同 雑 六 沼 ︵ 一 一 三 六 二 ︶ 人 丸 ︶. 三人六人. 三人六九. ︵同十一︵二 蓋 九 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄. あを夫こゝちは夫. ﹃山 家 集 ﹄. ︵Ⅰ一〇一六・Ⅲ五八人︶. ︵対雑十︵喜 〇 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ︻頭︼. を方. 左大臣もろえ. まさしめん方. 葎はふい や し き 宿 も 大 君 の こ ん と し り せ ば 玉 し か ま し を. むぐら. くれなゐの色なりながらたでのほのからしや人のめにもたてぬは. 三人吉. ︵第二︵≡一七 ︶ 己 出 ︶. いかならん と き に か 方. 三人七一なにしに か か し こ き 妹 が 葎 生 の け が し き 宿 に い り は ま す ら ん ︵矧四︵蓋九 ︶ 大 伴 田 村 大 嬢 ︶. 貫之. 三人七二. む後. ふか篠∵家. 木家. やへもぐら心のうちにしげゝれば花見に行ん出たちもせず. おなじ人. 八重葎しげくのみこそ成まされ人めぞ宿の草にならまし. ︵矧春下︵垂︶・家︵1人四一︶︶. 三人七三. やど夫∴河. なにせんに玉の台もやへ葎はへらん中に二人こそねめ. ︵家︵1四四一︶︶. 三人七四. ヲリテバ. ︵対雑十人恋︵幸三七︶よみ人しらず・河夕顔︵≡三︶︶ ︻頭︼ ﹃万葉﹄十一︵二八三六︶ セ ム シケル ハヒタル. ﹁玉﹂はほめていふ詞、﹁かづら﹂は蔓草の惣名也。﹁葛﹂を﹁くず. 玉かつら. 葎生てあれたる宿の恋しきに玉とつくれる宿も忘れぬ. 玉敷有家毛何将為八重六倉覆小屋毛妹与居者 三人蓋. ︻頭︼. かづら﹂、﹁五味﹂を﹁さねかづら﹂、﹁忍冬﹂を﹁すひかづら﹂なといふ. がごとし。さるに、はじめの二首髪也。草のかづらをよめるにあらず。. 貫之. 三人七大 たま葛かづらき山のもみぢばの面影にのみ見えわたる哉. こゝに入たるは誤なるべし。. は後・新こそ新りけれ新. おなじ人. かけて思ふ人もなけれど夕さればおもかげ絶ぬ玉かづらかな. ︵矧秋下︵三空︶・前掛吾︶︶. 三人七七. ﹃古今﹄墨けし︵一萱二︶. ︵矧副恋三︵一二重・家︵圭一〇︶︶ ︻頭︼. さだふん. 秋風に吹かへさるゝ葛の葉のうらみても猶うらめしき哉. くず のうらふきかへす舌・後. いかさまに生るものぞと玉葛いかでしのびにねも見てしがな. こし時とこひつゝをれば夕ぐれのおもかげにのみ見えわたるかな 三人七人. 三人七九. ︵副恋五︵人二三︶・矧村︵芙︶︶. 26.

(12) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). 三人人○. かねみの王 足曳の 山 下 し げ く は ふ く ず の 尋 て こ ふ る 我 と し ら ず や. ︵矧恋二︵六〇五 ︶ ︶. つらゆき ふつろひ舌. ︵Ⅰ二二・Ⅲ二〇〇・Ⅳ一五・Ⅴ五六︶. 三人八一ちはやぶ る 神 の い が き に は ふ 葛 も 秋 に は あ へ ず 色 付 に け り. ﹃窮 恒 集 ﹄. ︵副秋下︵二大二 ︶ ︶. ︻頭︼. 枯かねて霜にうつろふ葛の葉のうらみやせまし風につけつゝ. 水の面のからくれなゐになるまゝにあきにもあへずおつる紅葉か 三人人二. なき名のみたつたの山のさねかづらくる人ありと誰かいふらん. ︵後恋三︵吉○︶\. 三人人九. つれなきを思ひ忍ぶのさねかづらはてはくるをもいとふべらなり. なりけり後. 三人九〇. ︵矧恋三︵七人七︶よみ人しらず︶. あをつゞら. 七かづら万・続=市本 三人空 山高み谷べにはへる育つゞらたゆる時なく逢よしもがな. ﹁阿加豆良﹂とみゆ。﹁乎﹂文字をおとしゝなるべし。. ︻頭︼﹃本草和名﹄云、﹁防己、和名阿乎迦都良﹂とあり。さるを、﹃和名抄﹄ には. みる方・続も方. ︵矧十一︵二七人五︶・矧副恋四︵≡二〇︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵Ⅲ実○︶︶. 本ノマ、. やまがつの垣ほにはへるあをつゞら尋くれどもあふよしもなし. よみ人しらず. 三人九二. ﹃拾 遺 ﹄ 恋 五 ︵ 九 人 二 ︶. ︻頭︼. 絶ぬとはいひてし物を育つゞらまたくりかへしやまひとのうさ. やかもち かほ花 方. られぬかな 伊. こゝには﹁牽牛花﹂と﹁木樺﹂とをまじへ出せり。 なか 伊. 春日野ののべの樺おもかげにみえつゝ妹は忘れかねつも. たかまどの 方. おぼつかな誰とかしらん秋霧の絶間にみゆる朝顔のはな おひ方. がほ人匂ひまし人. 朝見はあさ露置て咲といへど夕影にこそ咲増りけれ. 真淵云、﹁此は. ﹁樺﹂. にて、木也。この前後、後世のあさがほとは. みるに、夕にもしをれず。睾肇詩云、﹁樺花半照夕陽収﹂。かゝれば此朝. 蓋取レ此﹂。さて、木樺を漠にはもはら朝生夕落といへども、現に彼花を. 木樺花︺﹂。﹃埠雅﹄一ム、﹁樺華、如レ葵、朝生、夕隕。一云弄、瞬之義、. 車顔如二弄花一﹂。﹃玉篇﹄云、﹁樺︹居隠切。木名︺﹂。又云、﹁弄︹師閏切。 オツ. 契沖云、﹁此﹁朝がほ﹂は ﹁弄﹂ にて木也﹂。﹃毛詩﹄鄭風云、﹁有レ女同レ. 聞えず﹂。. ︻頭︼. ︵矧十︵二云︶・﹃人丸集﹄︵1九大・Ⅲ芙︶︶. 三人九大. ︵軌跡秋上︵二空︶よみ人しらず・矧︵二九三︶道信︶. 三人九五. ︵封入︵一大三〇︶・対秋二︵望七三︶みつね・﹃伊勢集﹄︵垂三・晶一七・Ⅲ塁ハ︶︶. 三人九四. あさがほ. 三人九三. ひとの拾. 風早み 峯 の 葛 の は と も す れ ば あ や か り や す き 君 が 心 か. のこゝろぞ舌. すげ夫 はうみ夫 女郎花生る沢辺の真葛原いつかもくりて我衣にきむ. 足柄の箱根の山にはふ葛のひかばよりこね比粍渦旬ん. の. ﹁内大臣藤原卿﹂とあり。こは鎌足 ﹁かまたり﹂ かてましも力. ︻頭︼. あふみなる打出のはまのうちいでゝうらみやせまし人のこゝろを 三人人三 まだこぬ舌. わがやどのくずは日ごとに色付ぬきまさぬ君は何ごゝろぞも. にけ方. ︵掛雑恋︵一 二 空 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三人人四. 三人人五. ︵矧十︵二二九 五 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄ ︵ Ⅲ 二 大 三 ︶ ︶. ころも夫. 三人八大. ︵同七︵云六 ︶ ・ 対 秋 二 女 郎 花 ︵ 四 三 〇 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ひき夫相模き夫なほ ︿ に 方. には. みまかりの内大臣. 此名 あ や ま れ り 。 ﹃ 万 葉 ﹄. さねかづら. ︵矧十四︵ 三 三 盃 ︶ ・ 対 秋 五 ︵ 入 室 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ︻頭︼. な方. 公の御事也。 御 食 子 卿 男 。 こ ゝ に ﹁ み ま か り ﹂ と あ る は むろ方. 玉くしげみまとの山のさねかづらさねずばつひに有とてまたむ. 書損なるべし 。. 三人人七. みんまとイ. 三条右大臣 名にしおはゞ相坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな. ︵同二︵九四︶︶. 三人八人. 27.

(13) 伊 藤 一 男. はで家. 貫之. がほは桂花也といはゞ下の旬、さも侍るべき欺云々﹂。猶朝顔の事説々. ひ家. ひとまろ. この山 の も と に も あ ら じ 朝 顔 の 花 を の み 見 て 我 や 帰 ら ん. やど 家. おほし。. 三人九七. あさぢ. ﹃後 撰 ﹄ 恋 一 ︵ 五 七 七 ︶. 源ひとしの朝臣. 浅茅生 の を の ゝ し の 原 忍 ぶ と も 今 は し ら じ な と ふ 人 な し に. ︵家︵1二豆︶. 三人九人 ︻頭︼. むらまつ ︹むしまろの誤︺ のゝ方 る方. ぞ方. る方. に﹁天皇﹂とあるは聖武天皇の御事也。こゝに﹁あめのみ. あめのみかど. けさ鳴 て ゆ き し 層 が ね 寒 み か も 此 比 あ さ ぢ 色 付 に け り. あさぢふのをのゝしのはらしのぶれどあまりてなどか人のこひしき. 三人九九. ﹃万 葉 ﹄. ︵封入︵要人 ︶ 阿 倍 虫 麿 ︶. ︻頭︼ ゝあ る は わ ろ し 。 かりがね方. けさの 朝 げ 秋 風 寒 く 閲 し な へ 野 辺 の あ さ ぢ は 色 付 に け り. かど﹂. 三九〇〇 ︵封入︵蓋 ○ ︶ 天 皇 御 製 ・ 矧 矧 秋 中 ︵ 三 重 ︶ ぬ方・夫. 三九〇一山高み夕 日 が く れ の 浅 茅 原 後 み ん た め に し め ゆ は ま し を. おもふよりいかにせよとか秋風になびくあさぢの色ことになる. ︵1二大 ・ Ⅲ 三 男 ︶ ︶. ︵同七︵云二︶・掛雑下︵五男︶人丸・対雑十四標︵蓋仝︶よみ人しらず・﹃人 丸集﹄. 三九〇二. 秋はぎ は 咲 ぬ べ か ら し 我 宿 の あ さ ぢ が 花 の 色 付 み れ ば. ちりぬる方. ほづみのわうじ. 時雨の み ま な く し ふ れ ば 春 日 野 の 浅 茅 の 色 も 移 ひ に け り. ︵副恋四︵七 二 五 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 矧 掛 ︵ 二 大 九 ︶ ︶. 三九〇三. 三九〇四. まくずはふ小野のあさぢを心より人ひかめやも我ならなくに. ︵封入︵三重 ︶. 三九〇五. ︵同十一︵二人三五︶︶. つばな. 君がため我手もすまに春の野にぬけるつはなぞくひてこえませ. ︻頭︼契沖云、﹁﹁茅花﹂の義也。﹃本草﹄に﹁白茅根有二補中益気之功二至戸。 わけ方 をみけ袖. 三九〇大. わが君にけぬはこふらしたまひたるつぼなをくヘビいや痩にやす. わけ方. ︵同人︵一男○︶紀女郎・矧︵六九人︶︶. 三九〇七. にもしげきわがこひ家. 茅花つむあさぢが原の壷萱今さかりなり我恋らくは. ぬく方. ︵同︵垂三︶家持︶. 三九〇人. ﹃医心房﹄ 巻一云、﹁完華︹加ホ比︺﹂。また ﹃枕草紙﹄ 云、﹁かにび. かにび. ︵同︵岳九︶大伴田村大嬢・対春六萱︵真一︶・﹃家持集﹄︵1三人・Ⅲ三九︶︶. ︻頭︼. ﹃澄類本草﹄ 引二 ﹃図経﹄ 二云、﹁完花二月開二紫花一腰似二紫荊一而. の花、色こからねど、藤の花にいとよく似て、春と秋とさくがをかしき 也﹂。又. 住レ穂、又似二藤花一両細云云﹂。さるを先哲みな﹁雁緋也﹂といはれたる. ゆる拾. わたつみのおきなかにひのはなれ出てもゆとみえしはあまのいさり火. はわろし。. 三九完. を万. 片をかにひのはるぐとみえつるはこのもかのもに誰かつけゝむ. ︵掛物名︵三芙︶伊勢・家︵Ⅲ吾囚︶︶. 三九一〇. あぢさゐ. 三九一一あぢさゐの八重咲ごとくやつよにもいませ我せこ見つゝしのばん. 契沖云、﹁﹁やつよ﹂ は ﹁八代﹂也。﹁を﹂ は助語なり。歌の意は、. ︵卦廿︵四四実︶左大臣・対夏三︵三三実︶︶. ︻頭︼. あぢさゐの八重さくごとくいつまでも︿長くいませ、と也。﹁八代﹂. ﹃散木集﹄夏部︵Ⅰ三二〇︶. あかねさすひるはこちたしあぢさゐの花のよひらに逢みてしがな. はたゞ長きをいへるなり﹂。 三九一二 ︻頭︼. あぢさゐの花のよひらにてる月をかげもさながらをる身ともがな. 28.

(14) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). ︻頭︼. さこく ﹁さこく﹂、いかなる花ともしりがたし。はやく﹃新撰六帖﹄. のころ. にも、そのさま忘れさりしにや。此二首のうたにつきてよみたるやうに. ﹁ゑぐ﹂、﹃袖中抄﹄第十六にも﹁せり﹂をいふとみえ、また契沖も、. ゑぐ. ︵古物名︵塁二︶しんせい法師︶. ︻頭︼. 考るに、﹃散木集﹄春部︵Ⅰ二六・二七︶に、. ﹁芹は、味ゑぐきものなれば、しかいへるなるべし﹂といへり。よりて. 春はきて き の ふ ば か り を 浅 緑 色 は け さ こ く 野 は な り に け り. みゆ。 三空三. をかみ河むつきにはゆるゑぐのうれをつみしなへてもそこのみためぞ. は ﹁せり﹂ の異名なる事あきらけし。. はゝ方. 足引の山田の沢にゑぐつむと雪げの水にもの裾ぬらす つみ方. きものを方・続・夫. あしひきの山沢ゑぐをとりに行ん日だにも逢ん親はせむとも. ゆり. ふベガ. 夏の野のしげみに咲る姫百合のしられぬ恋はくるしかりけり. みちのべの草深ゆりの後にてふ妹がみことを我はしらめや. 人しれず恋はしぬともみそのふのから藍の花の色に出めや. まさきかつら. ﹃書紀﹄継体紀、大兄皇子御歌一ム、﹁麻左棄逗囁﹂。. も 力. ﹁鶏冠草、和名加良. 道の辺のくさふか百合の花ゑみにゑみせしからに妻といはましや. あゐ. ﹃本草和名﹄ 云、﹁藍実、和名阿為乃美﹂。また. ︵同七︵一二五七︶︶. ︻頭︼. ︵同十一︵二七人四︶・対雑十藍︵一三五七一︶よみ人しらず︶. 三九二人. しのびには方て方. 阿為﹂とありてこともの也。. ︻頭︼. 春日野に煙たつみゆをとめ子し春野のおはき摘てくるらし. 三九二七. ︵同十一︵二男七︶︶. 三九二大. ︵同人︵一吾○︶坂上郎女・矧矧掛恋一︵六三三︶・対夏二︵三≡二︶︶. 三九二五. ︵矧十一︵二芙○︶︶. 三九二四. ︵第三︵一七二九︶己出︶. 三九二三. とみゆ。是にて ﹁ゑぐ﹂. 心ざしふかきみたにゝつみためていしみゆすりてあらふねぜりぞ. 仲実朝臣. はる雨に し め ぞ ゆ ふ ら し 花 に け さ こ く は 色 え て 咲 み ち に 烏. 春の野にすみれ摘にとこしわれぞのをなつかしみ一夜ねにける. かへし. 三空四. 三空六. ﹃和名抄﹄草類云、﹁﹃本草﹄云、萱菜、俗謂之萱葵︹和名須美礼︺﹂。. すみれ. 此う た 、 ﹁ さ こ く ﹂ な し 。 例 の ま ぎ れ な る べ し 。. 秋の野はねこじにこじてもてぬともいはほの種は残しやはせぬ. ︻頭︼﹃竹取物語﹄云、﹁くさぐのうるはしきるりをいろえてつくれり云々﹂。 三九妄 ︻頭︼. ︻頭︼ むつま枕. ︵封入︵垂四︶赤人・矧副春下︵一大〇︶・劃春下︵二軍・対春六︵真二︶・家︵1. 山吹の咲 た る 野 べ の つ ぼ す み れ 此 春 雨 に さ か り な り け り. ︵矧春下︵人 九 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. わがやど に 萱 の 花 の お ほ か れ ば き や と る 人 や あ る と ま つ か な. 一大三・Ⅲ望・ 解 彗 ・ 楓 ︵ 五 ︶ ︶. 三空七. 三聖人. 三九完. ﹃本 草 和 名 ﹄ 云 、 ﹁ 草 高 、 和 名 於 波 岐 ﹂ 。. おはぎ. ︵封入︵岳 塁 口 同 田 女 王 ・ 対 春 六 款 冬 ︵ 二 〇 三 ︶. ︻頭︼ ら方∵夫う方にら し も 力 ・ 夫. 藁火ヲカヌ. 我為にな げ き こ る と も し ら な く に 何 に わ ら び を 焼 て つ け ま し. みよし 野 の 山 の 霞 を け さ み れ ば わ ら び の も ゆ る 煙 な り け り. わらび. ︵同十︵云九 ︶ ・ 対 春 若 菜 ︵ 二 人 三 ︶ ︶. 三九二〇 三九三. ︵1実六・Ⅲ三五九・Ⅲ三大〇︶︶. けふりたちもゆともみえぬ草の葉を誰かわらびと名付初けん. ︵﹃伊勢集﹄. ≡九二二. 29.

(15) 伊 藤 一 男. 此うた、﹃ 万 葉 ﹄. サネカゾラ ︵一一三三︶に﹁冬薯預﹂とよめるはわろし。また、こゝ. に﹁まさきづら﹂とよめるもより所なし。官一長が﹁トコロヅラ﹂とよめ. 云、為レ蔓以レ羅︹和語云、比. すべらぎの神の宮人まさきづらいやことしきに我かへり見ん. とこ方. るぞいとよろしき。﹁ところづらいやとこしき﹂とつゝけたる詞也。 三九二九. 家持. ﹃和 名 抄 ﹄ 祭 祀 具 云 、 ﹁ ﹃ 日 本 紀 私 記 ﹄. ひかげ. ︵同七︵≡三一︶ ︶. ︻頭︼ 加介加都良︺ ﹂ 。. な新. まがふ寛・新. 足曳の山下ひかげかつらけるうへにやさらにうめをしのばむ ら新. をとめ子がひかげの上にふる雪は花のかざしにいづれたがへり. ︵同十九︵四 二 夫 ︶ ・ 矧 矧 雄 一 ︵ ≡ ○ ︶ ︶. 三九三〇. 三九三. 常磐なる日蔭のかづらけふしこそ心のいろにふかくみえけれ. ︵凰︵要︶・矧 矧 ︵ 四 〇 六 ︶ ︶. 三九三二. 此う た 、 ﹁ ひ か げ ﹂ を 物 名 に よ め り 。 あかぎるきみ方. 云、﹁大嘗祭供神科. のうたにあらず﹂。. あかぎるいも八. 朝日か げ 匂 へ る 山 に て る 月 の う つ く し 妻 を 山 越 に 置 て. 人しれ ぬ 心 を 君 に お く 山 の お も ひ か け て ふ 草 に お ひ け り. ︵矧恋三︵七 三 五 ︶ も ろ ま さ の 朝 臣 ︶. 三九三三 ︻頭︼. 三九三四 ︵矧四︵実五 ︶ 田 部 忌 寸 裸 子 ・ 州 ︵ 盃 ︶ ︶. は俗にいふ. 山たちばな. ﹁山 橘 ﹂. ﹁薮柑子﹂也。﹃造酒司式﹄. ︻頭︼契沖云 、 こ れ は ﹁ 朝 日 影 ﹂ 也 。 ﹁ 羅 ﹂. ︻頭︼. に、﹁牡丹、也末多知波. わが恋 を し の び か ね て は 足 曳 の 山 た ち 花 の 色 に H ぬ べ し. 友則. 山橘子哀等 草 各 二 糖 ﹂ と み え た り 。 ﹃ 本 草 和 名 ﹄ 奈﹂。. 三九三五. ︵副恋一︵六六 人 ︶ ・ 矧 掛 ︵ 二 三 人 ︶ ・ 家 ︵ 三 二 ︶ ︶. へて方∵夫みこ方∵夫. 三九三大 けのこりの雪にあひたるあしひきの山橘をつとにつめらな. 足引の山たち花の色に出て我こひなんをやめむかたなし. ︵矧廿︵四軍︶家持・対雑十︵≡三完︶よみ人しらず︶. 三九三七. 三吉野のみくまが菅をあまなくに刈のみかりて乱れなんとや. すげ. ︵同十一︵二芙七︶︶. 三九三人. 三九三九. ネモコロ ワレモ アヒモハザラメヤ. あし引の山に生たるすがの根のねんごろみまくほしき君かな. ︵同︵二人三七︶・対雑十︵一三五三二︶よみ人しらず︶. も万も方. ︵同四︵芙○︶家持︶. 四︵七九一︶. イハカゲニオフル スガノネノ. ﹃万葉﹄. オクヤマノ. ︻頭︼. ひしわがこと赤. 女郎花さく野に生る白菅のしらぬこともていはれしわがせ. つゝじ方∵赤. 奥山之磐影水生流菅根乃懇書毛不相念有哉 三蓋○. ナシガ. ︵矧十︵一九〇五︶・対秋二女郎花︵四三〇九︶よみ人しらず・﹃赤人集﹄︵1云・Ⅲ. 三蓋三. こ夫ねもごろ方. 大君のみかさにぬへる有馬菅ありつゝみれどことなきわぎもこ. かさにぬふてふ童. ︵同︵二軍一︶・対雑十︵一三五軍人丸︶. 見渡せば三室の山の岩ほ管しのびに我は片思ひぞする. 人和. ︵同十一︵二塁○︶︶. しほのねに根ざす小すげの忍びずて君にこひつゝ有がてぬかも. みなとにさねはふカ. ・り−、. 三九空. 三蓋二. ナシ方. ﹃践麻大嘗会式﹄云、﹁奉拝朝臣一人執二菅益一、子部宿祢一人笠取直. ︵同︵二蓋七︶・同︵一三五三大︶又雑十七帝王︵一大実七︶・卦︵吾三︶︶. ︻頭︼. 一人並執二益綱二不云﹂。. 契沖云、﹁むかしは有馬より菅笠など奉りしにや。今有馬温泉の近所に. を 方. めてむすびしこゝろわすれかねつも 方. おく山の岩本菅のねふかくもおもほゆるかも我思ふ妻は. ︵同︵二七芙︶︶. すがの根のねんごろ殊にこひせましうら思ふ心おもほえぬかも. 笠岡といふ所あり﹂。 も方. 三蓋四. 三九塁. 30.

(16) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一九). や. 奥山のいは蔭に生る菅のねのねもごろ我もあひ思はぎらん. ︵同三︵三九七 ︶ 笠 女 郎 ︶. 三九実 ︵同四︵七空 ︶ 藤 原 朝 臣 久 須 磨 ︶. し童. まさり家. 蔵本. ねたゆれわれやはたゆる夫. 恋すてふさやまの他のみくりこそ引ば絶すれ我やねたゆか. こもるはり夫. ︵河玉かづら︵忘00︶︶. 三九五五. 武蔵 ︵対雑五池︵哀三︶よみ人しらず︶. 三九五大. 故郷となるぞわびしき夏衣よもぎの上の露みるごとに. われもふりよもぎも宿にしげりにし門に音する人は誰ぞも. 秋風やよもぎの宿に吹ぬらん声なつかしく鳴きりぐす こけ. 寝ヲカヌ. ときはなる桧にかゝれる苔みれば年のを長きしるべとぞ思ふ ︵第四︵二二六人︶己出︶. 石の上に生出るこけのねもいらずよな︿物を思ふころかな. ︵1二人九・Ⅲ一芸︶︶. ﹃古今﹄恋四︵人八四︶. ︵﹃家持集﹄. ︻頭︼. 行ヲカヌ. 逢ことをいつかその日とまつの木の苔の乱れて恋るこの比. ﹃新勅撰﹄恋二︵七三二︶ よみ人しらず. といふ欺云々﹂。. 今按ずるに、﹃和名抄﹄野菜類に、﹁量. 三突三. わがこひづまは方. のうたは木也。﹁いちしのはな﹂とならべ出せるは誤也。. みちのべのいちしの花のいちじろく人骨しりぬ殊に恋すと. ﹁大原﹂. 類に、﹁大貴︹和名於保之︺﹂などみゆ。これらをさしていふ欺。. ︹和名之布久住、一云之︺﹂、又草. ︻頭︼若沖云、﹁此花未詳。もし、﹁いち﹂はたゞそへたる詞にて、﹁しの花﹂. いちし. きみに逢んその日をいつとまつの木のこけのみだれてものをこそ思へ. ︻頭︼. 三真二. 春がすみたなびく山のさくら花下同. 友則. 三真一おく山の岩ほの苔の年久にみれどもあかぬ君にも有哉. 三突○. 三九五九. 三九芙. 三九五七. よもぎ. ﹃桧葉集﹄ 六帖. ︻頭︼. 此﹁おく山のいはかげに生る﹂といふうた、流布本になし。今はエ. ︻頭︼. むさしなるさやまの他のみくりこそひけばたえすれわれやたえする. みな人の笠にぬふてふ有馬菅ありての後も逢ざらめやは. いもが為 す が の み と る と ゆ く 我 は 山 路 ま よ ひ て 此 日 く ら し つ. 本にておぎな へ り 。 三九空 ︵同七︵一二吾︶ ︶. 三九笑. さゝ の七・家. ︵卦冬︵九大七 ︶ 貫 之 ・ 家 ︵ 1 三 大 ︶ ︶. けイ・重. すゑイ. 玉笹の葉 わ き に お け る 白 露 の 今 い く 世 へ ん 我 な ら な く に ︵劃︵五九人︶︶. あふひ かも新. ちはやふ る 神 の 卯 月 に 成 に け り い ざ 打 む れ て 葵 か ざ ゝ ん. むすぷ. 童. 篠の葉も さ え つ る な へ に 足 曳 の 山 に は 雪 ぞ 降 つ み に け る. ︵同十二︵三 〇 盃 ︶ ・ 掛 恋 四 ︵ 人 芙 ︶ ・ ﹃ 人 丸 集 ﹄ ︵ 1 壷 ・ Ⅲ 三 二 大 ︶ ︶. むとぞ恩ふ万・拾・ 人. 三九実. 三九吾. 三九空. 逢ロヲカヌ. よみ人しらず. 思ふなかさけにゑひにし我なればあふひならではやむ薬なし. ︵軌跡夏︵ 垂 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三九五二. ﹃拾遺 ﹄ 恋 一 ︵ 六 六 五 ︶. ︵劃︵四二人︶︶. ︻頭︼. われこそやみぬ人こふるやまひすれあふひならではやむくすりなし ﹃童豪抄﹄巻五に、﹁酒にゑひたるにはあふひの実をくへばさむといへり﹂. 森ヲカヌ. などわが袖のこゝら峯けき. とみゆ。今按ずるに、こは何によりてかくいはれたるにか。物に見えず。 かたばみ. あふこ と の か た ば み 革 も つ ま な く に みくり ふかみ河. つくま江 に 生 る み く り の 水 は や み ま だ ね も み ぬ に 人 の 恋 し き. 近江. 三九五三. 三九富. 31.

(17) 伊 藤 一 男. 三九盃. ︵万十一︵二男 ○ ︶ ︶. 大原の此 い ち 柴 の い つ し か と 我 思 ふ 殊 に こ よ ひ 逢 る か も. ナシ方. たゝみごもへだてあむかずにかよひせば道の芝草生ざらましを. しば. ︵第五︵二董二 ︶ 己 出 ︶. 三九大五 こと方・イ. 道のべ の い つ し ば 原 の い つ も ︿ 人 の ゆ る さ ん 時 を し ま た ん. ︵卦十一︵二七七 七 ︶ ︶. 三九大六 ︵同︵二七吉︶︶. ︵二七七〇︶にも﹁五柴原﹂とありて木也。草の. ﹁芝﹂. ︻頭︼﹃袖中抄﹄第十七、﹁顕昭云、此うた、﹃六帖﹄に﹁芝﹂の部に入たり。 ひが事欺﹂。. 真淵云、﹁﹃ 万 葉 ﹄. まつむしぞなく後. 秋のよ の 明 る も し ら ず 鳴 虫 は わ が ご と 物 や 悲 し か る ら む. 虫. とひとつに出 せ る は わ ろ し ﹂ 。. 三九大七. ヲリ. 秋風の や ゝ 吹 し け ば 山 寒 み 侍 し き 声 に 虫 ぞ 鳴 な る. ︵副秋上︵ 重 ︶ と し ゆ き ・ 家 ︵ 童 ︶ 野を後. 三九六人. スミ カ ノ. ﹃新撰 万 葉 ﹄ 上 ︵ 三 九 ︶. ︵矧秋上︵ 二 六 一 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼. わが為にくる秋にしもあらなくに虫のねきけば物ぞ悲しき. 鷺之陳之花哉散沼濫佐敷音丹折蝿手嶋 三九大九. つ後. 秋くれば 野 も せ に 虫 の お り つ め る 声 の 綾 を ば 誰 か き る ら ん. みだ後. ︵副秋上︵真 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 矧 ︵ 人 三 ︶ ・ 矧 ︵ 三 二 九 ︶ ・ 矧 掛 ︵ 三 〇 ︶ ︶. まづ舌・寛・力・撰. 三九吉. ︵矧秋上︵二 大 二 ︶ 藤 原 元 善 朝 臣 ︶. 三九七一あきの夜 は 露 こ そ こ と に 寒 か ら し 草 村 ご と に 虫 の 侍 れ ば. そせい. 秋早み 蝉 の 鳴 つ ゝ な げ か れ ぬ つ れ な き 人 の 住 山 と ほ み. せみ. ︵副秋上︵ 妻 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三九七二. とものり. し方 いは走る瀧もとゞろに鳴蝉の声をし聞ば都おもほゆ. ︵卦十五︵三六重大石蓑麿︶. 伊勢. 咲花は年にかへねど空蝉の世のためしにもちるにざりける 本ノマ、 いまも猶われてぞ人のうらめしきかるさなかのなかになかれて. ﹃古今﹄誹譜︵一〇五九︶ よみ人しらず. も後 空蝉のむなしきからになるまでに忘れんと思ふ我ならなくに. といふ七▲代 あはれてふ人はなくともうつせみのからになるまでなかんとぞ思ふ. 裸よりはなれて玉をつ、まめや是なんそれとうつせみんかし. ︵旭川校教授︶. なみのうつせみれば玉ぞ乱れける拾はゞ袖にはかなからんや ︵同︵四二四︶在原しげはる︶. 三九人○. ︵副物名︵四二五︶忠みね・古本集︵Ⅲ一二子Ⅳ五︶︶. 三九七九. ︵卦恋四︵一大二四︶忠峯・矧恋四︵二五五二︶・古本﹃忠峯集﹄︵Ⅲ一三・竺七・Ⅳ二三︶︶. 三九七人. ︵矧恋五︵人九大︶深養父︶. 三九七七. よひの間に出ていりぬる三日月のわれてもの思ふころにも有かな. ︻頭︼. 三九七大. 三九蓋. 三九七四. ︵副恋四︵七重・矧︵四一︶・矧矧︵≡・掛矧︵杢︶・家︵三四︶︶. 恩へば古∵寛∴撲∵朗・家 三九七三 蝉の声きけばかなしな夏衣うすくや人のならんとすらむ るとお. 32.

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