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IT好き放題:国際標準化の壁

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Academic year: 2021

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(1)情. の ANSI X3T9 の会議に出て,日本案を説明してはとい 報技術の国際標準化活動において,日本は. うことになり,1975 年 4 月に私は古田茂樹氏(富士通). 4 つの SC 幹 事 国,3 つの SC 議 長を担 当するなど. と 2 人でその会議に参加,そのときの議論を国内委員. 華々しい. 2012 年度に日本提案で IS になった規格が. 会に持ち帰り,検討結果を反映した日本案を 7 月に SC. 1). 5 件あるという .. 13 に送付した.翌 1976 年 3 月西ベルリンで SC 13 の.  ところで,情報技術には直接関係しないが,電気自. 会議が開催され,ワシントン会議と同メンバが参加した.. 動車の急速充電器の標準化に日本の規格 CHAdeMO. この会議からやや雲行きがあやしくなってきた.日本案. 方式が苦戦している.この方式は,直流を用いる急. への技術的なコメントがなくなり,標準化された後の管. 速充電方法で交流を直接用いないため,交流電圧の. 理について英国の代表が問題にしてきた.このような動. 異なった世界各国で使用できるという利点がある.こ. きは事前に察知していたので,管理は日本で引き受ける. の充電 器は,国内 1,759 台,海 外 1,215 台(2013 年. 用意があると答えたが,西独,仏国は意見なし,米国. 2). 10 月現在 )が設置されている.しかし,米国と欧州. は国内に持ち帰り,検討したいと即答を避けたのである.. は,直流用と交流用を一体化した「コンボ方式」を対 いる.実績を積み上げている日本の規格の国際標準. 基 応 専 般. 化を阻む対抗規格が出現している.この様相から思い. [シ ニ ア コ ラ ム]. I T. 好き放題. Messag e. 抗規格として検討し,中国でも独自の規格を検討して. n Favorite I T so. 出すのは,大型コンピュータの I/O インタフェースの標 準化での顛末である.  大型コンピュータの本体系と周辺系を接続する I/O イ ンタフェースについて,日本は,1960 年代後半から国. [No.38]. 国際標準化の壁. 内の主要メーカや関係機関が中心となって,標準化の.  第 4 回会議も西ベルリンで翌 1977 年 9 月に開催さ. 検討を進めていた.I/O インタフェース 69 と呼ばれたこ. れた.米国はこの会議に先立ち,米国案を提出して. の仕様は,1969 年に ISO/TC 97 の SC 4 に提案され,. いた.この会議は川合氏と私の 2 人だけの参加であっ. 4 年後の 1973 年 10 月に第 1 回 SC 13(SC 4/WG 4 か. た.米国代表は周辺機器メーカが中心となりメンバは. ら昇格)パリ会議から本格的な審議に入った.引き続き,. ガラリと変わった.このままでは,米国案が国際標準. 情報処理学会の規格委員会配下の対応する国内委員会. になる勢いを感じた. 「もう勝ち目はない」.国内委員. で仕様検討が行われた.第 2 回の SC 13 会議が 1974. 会での事前打合せ通り, 「標準化審議打ち切り」を提案,. 年 10 月ワシントンで開催され,国内委員会主査の高橋 茂氏 (日立)を団長に,川合英俊氏 (電総研) ,発田弘氏. 「今後の技術動向を考え,標準化の進め方に関する決 定を延期する」ということで妥協した.両案は大同小異,. (NEC)のパリ会議のメンバに加えて私も参加した.こ. 時間が経ち過ぎていることもあり,欧州各国は標準化. の会議の初日に,日本案に対するコメント 34 項目が米. に消極的になっていた.東の外れの国からの標準化の. 国から出され,その晩,4 人で回答をまとめて翌日提出. 提案は,終わってみれば欧米の厚い壁に遮られ,国. した.この会議では米国代表から好感触を得て終了し. 際標準化は夢と消えた.. た.その会議の終わりに,高橋団長から,翌年の米国.  正念場を迎える急速充電規格の標準化は,新たに 出てくるであろう「非接触型充電技術」にも対抗しなが ら, 「国際標準化の壁」を打ち破る戦略や戦術が求め. 松永俊雄 Toshio MATSUNAGA [正会員] [email protected] 1965 年東北大学工学部通信工学科卒業.同年電電公社入社.1993 年 NTT を退職,同年東京工科大学教授.2001 年同大工学部長,2007 年同 大大学院研究科長,2009 年同大名誉教授.本会歴史特別委員会委員. 博士(工学)東北大学.. られる. (所属は当時) 参考文献 1) 情報技術の国際標準化と日本の対応─ 2012 年度の ISO/IEC JTC 1 および情報規格調査会の活動─,情報処理,Vol.54, No.9, pp.966-975 (Sep. 2013). 2) http://www.chademo.com/wp/pdf/japan/Qckasyosuii.pdf (2013 年 12 月 5 日受付). 情報処理 Vol.55 No.3 Mar. 2014. 283.

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