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大会参加報告(大会後ツアー)

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ミツバチ科学 (2000)21(3):141- 143

大会参加報告

(

大会後 ツアー)

白野 学 ・佐々木正己

オオ ミツバ チと昆虫食のタイ 第5回 ア ジア養蜂研究 会 とタイ北部 オオ ミ ツバチツアーに参加す る今回の旅 は, いきな り 飛行機 が4時間 も遅 れ るとい う- プニ ングか ら始 まった. チェンマイの ロータスホテルに到 着 したころには夜中にな ってお り,外Egに行 く のが初めての自分 は非常 に不安 になった. 翌 日は会議 に参加 したが, 自分 は英語が非常 に苦手 であ り, さらには じめて参加す る学会の 雰B]気 に緊張 し, は じめは何 を言 っているのか わか らなか った. しば ら くして なれて きたの か, スライ ドを見なが ら発表 を聞 いていると, 少 しずつわか るよ うにな って きた. 自分 にとっ て学会の雰囲気が,何よ りも新鮮 に感 じた.同 時開催の ビー ワール ドエキスポ2000は ミツパ テ科学 ブースの店番 と会議-の参加 を交互 にや っていたのであまりまわれなか ったが, いろい ろな ミツバチグッズや タイの-チ ミツなどが展 示 されていて,なかなか面 白か った. 会議 の途中で, タイの養蜂場やオオ ミソバチ の巣を見 るツアーに参加 し, まずチェンマイ大 学の構内につ くられているオオ ミツパテの巣を 見た. 1m 近 い一枚の巣板 にオオ ミツバチがび っしりとっいている巣 は,実際に間近で見 ると 大 きくて迫力があ り,感想 は

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「す ごい」の一言 だ った. タイの養蜂場では, コ ミツバチやハ リ ナ シパテを見 ることがで き, コ ミツバチの巣を 見ているときに タイのスズ メバチ も見 ることが で きた. タイのスズメバチは日本のツマグロス ズメバチに近 く腹部が2色 に分かれている.こ れはぜひ棲本 にと捕接を試 みたが後一歩の とこ ろで逃が して しまった. まだチ ャンスがある 図 1 ランバンの昆虫食屋台を見学 と,その場 はあ きらめたが, スズメバチ捕獲の チ ャンスは後 にも先 に もこの一回だけであ り, 非常 に心残 りであ った. 会議終了後 に参加 したオオ ミソバチツアーで は,オオ ミツバチの巣が十数個 もっいている木 を見 ることができ, その巣の数 と蜂の多 さに圧 倒 されて しまった.採集 を試みた際,先生が刺 されるといったアクシデ ン トも起 こったが ここ で採集 したオオ ミツパテは今で も大事 に飾 って ある. 自分 は今回,学会 とオオ ミツバチのほかにタ イ料理 も楽 しみに していた. タイについた 日の 晩 ご飯 はホテルの外 に食べにいったが,そこで 食べたソムタムタイ (青パパ イヤのサ ラダ)が 非常 に辛 く, タイと日本の料理の味付 けの違 い を痛烈 に味わ った. また, タイ料理ではナ ンプ ラー (魚醤)がよ く使われていた. E]本で隠 し 味に醤油を入れ るのとそれほど変わ らない感覚 なのだろう. しか しこのナ ンプラー,一種独特 の香 りがあ り, 自分 は大丈夫だ ったが, いっ し ょに参加 した朝賀君 は若手 らしくかな り苦戦 し ていた. そ して極めつ けは昆虫食である. 日本で もイ ナゴや蜂の子 といった昆虫食 はあるが, タイは その種類がす ごい.オオ ミツバチツアー初 日に いった ランバ ンの昆虫食屋台 (図1)には, カ イコ, タガメ, コオ ロギなどた くさんの昆虫が 山のよ うにつ まれてお り, その 日の夕食 に昆虫 が出たのはい うまで もない.見た目はかな りグ ロテスクな昆虫のか ら揚 げ. カイコはち ょっと 匂 いが きっか ったが, タガメとコオ ロギはさ く さ くと してて, ビールによ くあい,意外 とおい

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HP Lか った. 今回の旅 は,移動 も多か ったが,その ことで 多 くの場所 を訪れ,多 くの ことを体験す ること がで きた.オオ ミツパテをは じめとす るタイの 動植物 の観察 や会議 への参加 は, 自分 に とっ て,一生思 い出に残 る経験 であ り, もう一度 タ イに行 く機会があれば,今回の旅行で得 た経験 をいか した旅を したい. (白野) 北ボルネオの野生 ミツパテに会 う 大会後,吉 田 と佐 々木 はボル ネオに立 ち寄 り,当地 の ミツバチ事情 を垣間見 ることがで き た.お世話 にな ったのはテノムの農業試験場の Tingek博士 で,すぼ らしい経験 をさせて もら うことにな ったが, テノムまではコタキナパル の飛行場か ら車でかな りの距離 を走 り,山を越 えて入 らなければな らない.途中幸運だ ったの は,山道か ら一時間ばか りジャングルの中を沢 に下 ったところで ラフレシアの花を見 られたこ とである. ラフレシアには何種類かが知 られて いるが,現地の ものは直径が40cm 弱の種類で ある, サ ラワク州の直径 1mにもなる巨大 な も のに比べれば小 さいが,幼 い頃か ら本であこが れて きた ものを目の当たりに したときの感激 は ち ょっと表現 しに くいもので,汗 びっしょりの 山道の苦労 も報われて余 りあるものだ った (図 2).ブ ドウ科の巨大 なツルに地中で寄生 してい る植物で,後承知のよ うに,緑色の葉 などは-切 ない.観察で きた花 は開花後すでに4-5日経 ってお り,強烈な匂 いにさそわれて-工や時 と して ミツバチが集 まって くる時期 は過 ぎて しま 図2 あこがれのラフレシア 図3 梁に並んだオオ ミツバチの巣と巣坂上の働き 蜂のカーテン っていたが,小 さな コオ ロギ頬が花の中に何匹 も訪れていた. まだ シーズ ンの初 め,おそ らく この年最初の花 と思われ,子供の頭 ほどもある 菅 もい くつか見 ることがで きた. テノムの街が一望出来 る山の上のホテル (と いって もホテル らしいホテルはこれ くらい) に 宿 を とり,翌朝試験場 のKalituさんに ジープ で迎えにきて もらう.森林伐採のためか,泥で 真 っ茶色 に濁 った川 を渡 り,山懐の試験場 につ くとTingek博士が待 って いて くれた. 場内の 一角 にある新設の ミツバチ博物館 はまだ建物が 建 っているだけで,中は完備 されていないが, 度肝を抜かれた.なん と建物の梁 にい くつ もの 野生 のオオ ミツバ チが営巣 して いるのであ る (図 3).観察 にベス トの位置 とはいえなか った が,2階の窓か ら身を乗 り出 して,接写写真 も とることがで きた. ここでぜ ひ実験 してみ たい と考 えて いたの が,当地 の トウヨウ ミツバチとサバ ミツバチが スズメバチ頬 に対 し, はた して蜂球を作 るか, その場合何度 くらいまで温度 を上 げるか,であ った.1990年 にマ レー シア農科大学 の トウヨ

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図4 蜂球の温度は43.1℃を示している ウ ミツバチで予備実験 したときには,蜂球 はで きたが刺針行動をする蜂 も見 られ,温度 も日本 (北方)産の ものに比べて低いように思われた. そこで今回は精度の高いサー ミスター型温度計 を持参 しての訪問であった.あ らか じめ捕獲 し たスズメバチの胸部 と腹部 の間を糸で縛 って逃 げないように し, これを巣門のところに提示す る.そのときのガー ド蜂の行動, とくに蜂球を つ くるか,刺すか,発熱部 の飛期筋への酸素供 給運動がみ られるか,それに蜂球内の温度がど こまで上がるか,をみるのである.結果の詳細 については別の機会に譲 りたいが,結論的には 両種 ともスズメバチを殺す にたる発熱を しうる ことがわか った (図 4).

サバ ミツバ チ は1986年 に Apisvechitiと して新種発表 され,その後Apiskoschevni -koviとされた赤 い (実際には濃い檀色の)ミツ バチである.佐々木 は初めてであったので, こ の実験 は感激ひとしおであった.吉田は,請わ れて本種 にも有効 と思われる人工授精の勘所を 伝授する一幕 もあった. 実験施設の回 りはすべて小 さな堀が巡 らせて 図 5 ミモザの花に来たキナパルヤマミソバチ 143 あり, タップ ミノウを もうす こしタナゴ型 に近 くしたような小魚が泳がせてあった.堀 はア リ が建物 に侵入するのを防 ぐためであり,小魚 は もちろん発生する蚊のボウフラを食べさせ るた めである. こんなところにも熱帯の研究所 らし い雰囲気が実感 された. ジャングルは 「昼なお 暗い」 というほどではないが,場内にも結構森 があって車で案内 して もらう途中,オオ ミツバ チの巨木のところに連れていって もらった.そ の木 は谷 あいか らす ー っと高 く延びた 1本 の 木で,オオ ミツパテの巣がぶ ら下が っていると ころまでは何 と地上か ら45m との ことであ っ た. 短 い滞在 はあっという間に過 ぎ,帰路につか ねばな らなか ったが,帰 りはTingek博士が同 行 して くだ さ り,今 ひ とつ嬉 しい体験 がで き た.途中の山道の標高約2000m地点の花上で, 数匹のキナパルヤマ ミツバチApisnuluensis を採集することがで きたことである. これは外 見はニホンミツパテに酷似 してお り,慣れない と 当 地 の トウ ヨ ウ ミ ツ バ チApis cerana indicaとの区別 も難 しい.巣がどこにあるのか はもちろんわか らなかったが,会えただけで も 幸せであ った. ミモザの花 に来 ているところ (図 5), 帰化植物であろうと思われる黄色のキ ク科の花に来ているところの写真撮影にも成功 した. 山道の食堂で昼を食べていると,森 に雲がか か ってはまた晴れる.世界の動植物愛好家が一 度 は行 きたいと思 うキナパル山にも連なる山塊 であり, ウツボカズラなどの植物 も期待 してい たが, これは無理な注文であった. この一帯の 森 は人の手が入 っていないvirgin forestとの ことであったが,エルニーニ ョの関係でボルネ オも雨が降 らず,特に大半 を占める伐採地では あちこちで厳 しい状況 との ことであった.ボル ネオの木 は一部では植林 も進んではいるが,ま だまだ違法な伐採 もみ られ るようで,それ らの 木材の大部分が 日本に持 ち出されていることを 考えると,真 っ茶色な川の水をみるにつけ,複 雑な思 いにもか られた. しか し忘れ得ない旅で あった. (佐々木)

図 4 蜂球の温度は 43. 1 ℃を示している ウ ミツバチで予備実験 したときには,蜂球 はで きたが刺針行動をする蜂 も見 られ,温度 も日本 ( 北方)産の ものに比べて低いように思われた

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