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岡山大学の先進的環境保全システム構築をめざして―岡山大学環境管理センター管理部門の再編―

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Academic year: 2021

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巻頭言

岡山大学の先進的環境保全システム構築をめざして

    一岡山大学環境管理センター管理部門の再編一

環境管理センター長

素水昌二(理学部教授)

 岡山大学は本年創立50周年を迎えた。各種記念事業が行われたが,その一つにセンター公開講演 会・施設公開を加えて頂いた。講演会には約160名もの参加があり,活発な質疑・応答が行われた。 施設来訪者も70名に達し,工夫をこらした展示パネル,最新の分析機器を目の当たりにして熱心な 討論が続いた。関係者一同,市民の環境問題への関心の深さを再認識すると共に,センターとして 少なからず地域に貢献できた喜びで休日・時間外の準備の苦労も吹っ飛んだ。多忙の中,ご協力頂 いた講師の小野芳郎(環境理工),杉尾剛(農)両先生はじめ関係各位に感謝申し上げる。  センターの歴史は,昭和50年学内共同利用施設として発足した特殊排水処理施設に始まる。以後 有機廃液処理施設,環境管理施設,そして現在のセンターになった。この間25年,公害が社会問題 としてクローズアップされた時代から環境保全の時代へと移り,センターの役割,業務も変貌した。  従来のセンター業務は,教育・研究活動に伴い発生する無機・有機実験廃液,実験洗浄・生活排 水の管理,処理及び関連する啓蒙活動,教育・研究を主とし,これら業務を通して大学のより良い 環境保全を目指すものであった。最近では従来の業務内容を越えた新い・環境問題が浮上し,従来 の対応(主としてその時々に制定された法律の遵守という立場からの対応)とは異なる対応が求め られている。例えば,ゴミ問題のように法律による規制とは別に,大学自身の環境保全に対する取 組み,その姿勢が社会の関心を集め,先進的な対応が問われるようになった。ゴミ問題では,幸い にも全学の意志が統一され,ゴミ焼却停止と有用資源の分別回収がスタートした。廃棄物の減量化・ リサイクル,ゼロエミッショソ等問題は未だ山積しているが,初年度としてはほぼ順調に推移して いる。  環境保全対策に関する世界的現状は,国際標準化機構(ISO)の環境マネジメントシステムに関 する国際規格ISO 14000シリーズに見られるように,法律上の規制のクリアだけではなく,環境倫 理とも言うべき自主的規範に基づく組織的・積極的取組みが要求されている。製造業等を中心とし た企業でISO 14000シリーズの認証取得が活発化し,自治体,公的機関でも取得準備が急ピッチで 進んでいる。一部の大学においてもISO取得の検討が既に進められている。岡山大学でも先進的 環境保全の立場から総合的・先進的環境管理システムの構築が急務と考えられる。  このような現状と社会情勢を鑑み,センター業務の見直しを行い,本年度より新たな4部門制が

一2一

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スタートした。従来の有機,無機廃液業務を廃液管理部門へ統合し,更に洗浄,生活排水業務を排 水管理部門へ統合した。これら2部門の他に,教育・研究に加え諸々のキャンパスライフに伴い発 生する廃棄物に関連した業務を担う廃棄物管理部門,部局からの環境調査依頼等への対応と大学全 体の環境マネジメントシステム構築等を行う環境管理部門を新設し,新たな取組みを始めた。  構成員1万5千人の岡山大学では,教育・研究,その他キャンパスライフに伴い膨大なエネルギー 資源が消費され,多種多様な廃棄物が多量に排出される。教育・研究活動の一層の活性化と快適な キャンパスライフを図りつつ,いかに社会の先導となりうる環境保全,環境管理システムを構築す るか。岡山大学構成員一丸となって個性あふれる環境先進大学へ脱皮できることを期待したい。

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参照

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