• 検索結果がありません。

地方中枢都市における食料品入手可能性と住民への影響に関する研究―宮城県仙台市でのウェブ調査による分析―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地方中枢都市における食料品入手可能性と住民への影響に関する研究―宮城県仙台市でのウェブ調査による分析―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

地方中枢都市における食料品入手可能性と住民への

影響に関する研究―宮城県仙台市でのウェブ調査に

よる分析―

著者

大鐘 智香子

雑誌名

農業経済研究報告

51

ページ

107-107

発行年

2020-02-29

URL

http://hdl.handle.net/10097/00127898

(2)

地方中枢都市における食料品入手可能性と住民への影響に関する研究

―宮城県仙台市でのウェブ調査による分析―

大鐘 智香子(資源環境経済学講座・農業経営経済学分野) 【目的】 日本における食料品入手可能性の一課題として、食料品アクセス問題が指摘され て久しい。農林水産政策研究所の試算によると,日本では全国で 2015 年現在 65 歳以上高 齢者の 24.6%が食料品へのアクセス問題に直面している(高橋, 2018).高齢化が進む日本 において,食料品アクセスの保障は高齢者の健康な食生活を支えるために不可欠であり、 改善が求められる社会的課題だ.一方で薬師寺ら(2013)は,特に都市部においてこれま で主眼で無かった,65 歳以下の非高齢者層も買い物に不便や苦労を感じており、また食料 摂取状況にも課題が存在すると指摘した。しかしその実態は詳述するには至っておらず、 また対象とされた都市は殆どが三大都市であり、地方中枢都市の状況は不明瞭な点が多い。 本研究は非高齢者を含む食料品アクセス問題発生状況とその要因、その後の食料摂取状況に ついて,住民の視点に立ち概観することを目的とし、次の課題を設定した:①食料品の買い物 における不便の有無とその要因 ②各種買い物サービス利用者について、利用が買い物の不 便や苦労に及ぼす影響とその要因 ③買い物の不便や苦労が食料摂取状況に与える影響 【方法】 宮城県仙台市在住の満 18 歳以上で「普段世帯の食料品の購入を担当する人」に 該当する男女 300 名を対象にウェブ調査を行い、以下のように分析を行った。 ①と②について、被説明変数に買い物の不便や苦労(4 段階の順序変数),説明変数に, 店舗の近接性や各種買い物サービスの利用状況,回答者の属性や世帯状況,社会資本の有 無について検討できるものを設定した.分析には順序ロジットモデルを利用した。 ③について、被説明変数には食料摂取の多様性を評価する指標である食料摂取の多様性 得点(0~10 点で得点化)、説明変数に,店舗の近接性、各種買い物サービスの利用状況,回 答者個人の属性や世帯の状況,食事の準備様式、社会資本の有無について検討できるもの を設定した.分析には Tobit モデルを利用した。 【分析結果】 分析の結果,全課題で共通して店舗までの所要時間、回答者の性別や年齢, 世帯構成員の人数とその状況,各種買い物サービスの利用が食料品購入に係る苦労や不便 に影響していることが示唆された.課題①では特に世帯内に未就学児や身体介助必要者が いる回答者の間で不便や苦労が散見され、回答者の周囲の事情によって付随する属性が買 い物の不便や苦労の程度を高めていることが判明した。課題②では各種買い物サービス利 用によって移動時間による労苦が軽減したほか、利用前後で特に未就学児の世帯員を有す 回答者の不便や苦労が大幅に減少する傾向が見られた。課題③では、各種買い物サービス の利用と、生鮮食品利用頻度の高さ、並びに外食利用頻度の高さが、食料摂取状況の充実 に貢献していることが判明した。既往研究では食の外部化が進むにつれて摂取状況は悪化 するとされていたが、その結果を支持するものにはならなかった。 【結論】 以上より、次の事を結論付ける。第一に、食料品アクセス問題は 65 歳以上高齢 者の課題に留まらないことだ。特に,既往研究でも指摘されていた子育て世代に加え,学 生についても食料品アクセス不安に直面していることが示唆された.また,今回の調査で は「高齢者」と「買い物の不便や苦労」の関係について,統計的に有意な結果が得られず, 先行研究を支持するものにはならなかった.第二に、各種買い物サービスの利用は買い物 行動を簡便化し、その後の食料摂取状況の充実にも大いに寄与することだ。特にサービス の利用は、住民を食料品入手に係る時間的拘束より開放する傾向にある。第三に、食料ア クセス不安は食料品摂取の多様性損失を招く可能性が高いことだ。課題①②の分析結果か ら、買い物の不便や苦労は店舗までの移動時間に大きく影響されている。そのため、入手 に費やす時間の削減や、食の外部化による食事準備に係るあらゆる時間の削減など何らか の形で所要時間と折り合いをつけている住民は摂取状況も良好である傾向が見られた。 -107-

参照

関連したドキュメント

津  波 避難 浸水・家屋崩壊 避難生活 がれき撤.

⑴調査対象 65 歳以上の住民が 50%以上を占める集落 53 集落. ⑵調査期間 平成 18 年 11 月 13 日~12 月

地域 東京都 東京都 埼玉県 茨城県 茨城県 宮城県 東京都 大阪府 北海道 新潟県 愛知県 奈良県 その他の地域. 特別区 町田市 さいたま市 牛久市 水戸市 仙台市

施設 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 10年比 松島海岸 㻟㻘㻠㻝㻥㻘㻜㻜㻜

本報告書は、日本財団の 2015

汚染水の構外への漏えいおよび漏えいの可能性が ある場合・湯気によるモニタリングポストへの影

 宮城県岩沼市で、東日本大震災直後の避難所生活の中、地元の青年に

It is found out that the Great East Japan Earthquake Fund emphasized on 1) caring for affected residents and enterprises staying in temporary places for long period, 2)