平成21年 ○月○日
第3学年○組理科学習指導案
指導者 ○○ ○○ 単元 電気であかりをつけよう 本単元の考え方 本単元では、豆電球と乾電池を導線でつなぎ、あかりがつく様子に興味・関心をもち、電気を通す つなぎ方や通さないつなぎ方、電気を通す物や通さない物を調べ、電気の回路についての見方や考え 方をもつことを目標としている。具体的には、①興味・関心をもって進んで調べること、②あかりが つくつなぎ方とつかないつなぎ方、電気が通る物と通らないものを比較しその違いや共通点について 考えること、③あかりがつくつなぎ方とつかないつなぎ方、電気が通るものと通らないものを回路を 作って調べたり、表などに整理してまとめたりすること、④電気を通す物によって電気の通り道が一 つの輪となった時にあかりがつき、それを回路ということを理解することをねらいとしている。豆電 球という教材は、あかりがつくという現象と、その現象に関わる事物や働きかけを関係付けることで、 目には見えない電気の性質をとらえさせることができる。このことは、身の回りの自然事象から必要 な事実を取り出し、それらを関係付けたり、意味付けたりする科学的な思考力を養う上で意義深い。 本学級の子どもは、日常生活の中で電灯のことを電気と呼んだり、「電気」といえば「明るい」と答え るなど、電気が光に変換することを経験的に知っている。しかし、電池等を用いて自分であかりをつ けたことがある子どもは全体の約17%しかおらず、電気は電柱から空気中を伝わって天井裏から電 灯に届いていると考えるなど、電気の性質や通り道については様々な見方や考え方をもっている。子 どもの自然事象に対する興味・関心は高く、抱いた疑問を意欲的に探究し、問題解決力を発揮しなが ら自然のきまりを創り出すことができる。また、それらの科学的な知識を用いて身の回りの自然事象 の仕組みを積極的に明らかにし、説明しようとする姿も見られる。しかし、いざ説明しようとすると、 自然事象から説明に必要な事実を取り出すことができる子どもが42%、そこからさらに既習の知識 を用いて意味付けることができる子どもが23%、そして事実を既習の知識で意味付け、仕組みとし て説明できる子どもが8%と、事実と既習の知識を正しく関係付けて説明できる子どもは少ない。従 って、事実を取り出す視点をもたせて自然事象に関わらせたり、取り出したことを既習の知識と結び つけたり、因果関係を明らかにして説明したりする活動を設定していくことが大切であると考える。 本単元の指導に当たっては、探究によって創り出した自然のきまりを用いて身の回りの自然事象の 仕組みを明らかにし、説明できることを重視している。従って、電気の性質や回路の働きについて探 究し、自然のきまりを創り出す学習活動の後に、その知識を用いて新たな自然事象の仕組みを明らか にし、説明する活動を位置付ける。本単元では、子どもの興味・関心を高め、製作や操作を通して仕 組みを明らかにしたり、説明したりできるという利点からここにものづくりの活動を位置付ける。具 体的には、科学的な知識を用いて提示されたおもちゃの作り方を見通し、見通しに沿って製作を行 い、製作した物を紹介することを通して身の回りの自然事象の仕組みを 明らかにし、説明できるようにする。本単元のものづくりの教材には、「ピ カピカUFO」というおもちゃを用いる。「ピカピカUFO」は、半分だけ アルミホイルを貼った円盤が風の力で回転することで、回路ができたり、 できなかったりして本体の豆電球が点滅する仕組みになっており、その 仕組みには、①電気を通すつなぎ方や通さないつなぎ方、②電気を通す 物や通さない物の性質という科学的な知識が用いられている。 【ピカピカUFO】本単元の導入では、身の回りにある豆電球を用いた道具の提示を行い、あかりがついたり消えたり する現象に興味をもたせる。そして、これらの道具に共通する豆電球・電池・導線を取り出すことに よって、これらの関係や性質、働きについて調べていきたいというめあてをもたせる。展開では、子 どもの課題意識がつながるような探究活動を設定し、「あかりがつく時には、電気の通り道が一つの 輪になっている」ことや「物には電気を通す物と通さない物がある」ことをとらえられるようにする。 終末では、展開で得た科学的な知識を用いて、「ピカピカUFO」の作り方を見通し、見通しに沿って 製作を行い、製作した物を紹介することを通して、あかりが点滅する仕組みを明らかにし、説明でき るようにしていく。そのために、ものづくりの活動を①「見る」②「明らかにする」③「紹介する」の3段 階で構成し、次のような支援を行っていく。①「見る」では、点滅の仕組みに必要な事実の取り出しを 行う。その際、モデルのUFOを事物・働きかけ・現象の視点で観察を行い、観察したことを視点別に 付箋紙に書いて可視化できる探偵ボードを用いて必要な事実を落とさずに取り出せるようにする。② 「明らかにする」では、取り出した事実を既習の知識を用いて意味付け、仕組みを明らかにする。その 際、探偵ボードの付箋紙に既習の知識を書いて、先に取り出した事実の付箋紙と関係付けて並べ、仕 組みを見通すことができるようにする。そして、見通した仕組みを基に実際にUFOを製作すること で仕組みを明らかにしていく。③「紹介する」では、ピカピカUFOの点滅の仕組みについて説明する。 その際、既習の知識と事実を結んだ説明の文型(説明モデル)を提示し、それに沿って探偵ボードの言 葉を整理したり、製作した物を動かしながら説明の文章を考えたりすることで、既習の知識と事実を 結びながら事象の順序に沿った説明ができるようにする。 単元目標 単元計画(7時間) 段階 配時 学習活動と内容 1 豆電球と導線、乾電池のつなぎ方をいろいろ変えてあかり 第 ① がつく様子を調べ、あかりがつく時には電池の+-と導線、乾 1次 電池が1つの輪になっていることについてとらえる。 電 2 導線を長くしたり、形を変えたりしてあかりがつく様子を 気 ① 調べ、金属は形を変えても電気を通すことを豆電球にあかり 回 がつく現象をもとにとらえる。 路 3 ソケットなしの豆電球と導線で回路をつくることを通して、 ① 回路とは電気の通り道が1つの輪になっているということを 豆電球の中の仕組みと合わせてとらえる。 第 1 回路の一部に、身の回りにあるいろいろな物を入れ、豆電球 2次 ① にあかりがつくかを調べ、電気を通す物と通さない物を比較・ 物 分類することで金属は電気を通し、それ以外の物は通さない の ことをとらえる。 性 2 金属でできた身の回りの物をつなげて、回路をつくること 質 ① を通して、金属の一部を触れさせてつなぐと回路は成立する ということをとらえる。 ○ 回路に使われている物や電気の通り道に興味・関心をもって進んで調べようとする。 ○ あかりがつくつなぎ方とつかないつなぎ方を比較しその違いに気づき、電気や物の性質、回路の条件に ついて考える。 ○ あかりがつくつなぎ方とつかないつなぎ方、電気を通す物と通さない物を表などに整理してまとめる。 ○ 電気を通す物によって電気の通り道が一つの輪となった時にあかりがつくことをとらえる。 ○ 電気や物の性質、回路についての知識を用いて、身の回りの自然事象の仕組みを明らかにし、説明する ことができる。
第 1 アルミホイルと画用紙が交互に回路に入って、豆電球のあ 3次 ② かりがついたり消えたりするおもちゃの観察・製作を通して、 もの 本時 あかりが点滅する仕組みを既習の知識を用いて明らかにし、 づく 説明することができる。 り 本時 平成21年 ○月○日 (○曜日)第3・4校時 理科室において 主眼 「電気を通すつなぎ方や通さないつなぎ方がある。」「電気を通す物や通さない物がある。」 という既習の知識を用いて、ピカピカUFOの点滅に必要な材料やその組み立て方を明らかに し、その仕組みを説明することができる。 授業仮説 「見る」「明らかにする」「説明する」という3つの段階で構成したものづくりの活動を探偵ボードを 用いて思考を可視化しながら行えば、ピカピカUFOの材料(事物)と組み立て方(働きかけ)を点滅 (現象)と関係付けながら取り出し、取り出したことを「電気を通すつなぎ方や通さないつなぎ方が ある。」「電気を通す物や通さない物がある。」という既習の知識を用いて意味付け、ピカピカUF Oが点滅する仕組みを説明することができるであろう。 【細目】 ① 見る段階では、「ピカピカUFO」のあかりがつく時とつかない時を比べながら観察し、観察した ことを「事物(何に)」→「働きかけ(どうしたら)」→「現象(どうなった)」の順に付箋紙に書いて、 関係付けながら探偵ボードに貼れば、必要な事実(「事物:豆電球、導線、クリップ、アルミホイ ル、画用紙」「働きかけ:一つのわになるようにつなぐ」「現象:明りがつく、あかりが点かない」) の取り出しができるであろう。 ② 明らかにする段階では、あかりがつく時と点かない時に分けて探偵ボードに並べられた事実の付 箋紙に、既習の知識を書いた付箋紙を加えて並べ直して文章化すれば、事実が既習の知識によって 意味付けられ、UFOが点滅する仕組みを見通すことができるであろう。更に、見通したことを製 作を通して実際に確かめれば、UFOが点滅する仕組みを明らかにすることができるであろう。 ③ 説明する段階では、自然事象の説明の仕方を説明モデルで提示し、探偵ボードの付箋紙に書いて あることを基に実際にUFOを操作しながら文章化すれば、あかりが点滅する事象を説明すること ができるであろう。 準備 ピカピカUFO(観察用おもちゃ)37 個 送風機 探偵ボード 付箋紙 学習プリント UFOの材料(画用紙 アルミホイル 豆電球 単三電池 電池ボックス ソケット付き導線 導線 竹ひご プラカップ はとめ ストロー 板ゴム 両面テープ 接着剤) 本時の流れ 配時 学習活動と内容および教師の支援 評価基準 見る 1 仕組みを明らかにして製作したいというめあてをもって、ピカ ピカUFOの観察を行い、仕組みに必要な事実を取り出す。
(1) 提示されたピカピカUFOの点滅の様子を観察して仕組みを 明らかにしたいというめあてをもつ。 ○ 探究意欲・製作意欲の喚起 ※ 「ピカピカUFO」が点灯する様子と点滅する様子を見せ、比 較することで、点滅という現象の不思議さに気付かせる。 ※ お家の人にも一緒にピカピカUFOを見て頂き、現象に対する 疑問を子どもに投げかけてもらうことで、現象が起こる仕組みを 明らかにしてお家の人に説明したいという目的をもたせる。 ※ どうして点滅するのかということについて予想を交流し、そ の予想を①どんなものを使っているのか、②どんな作り方をし ているか、③どんなきまりが使われているのかに分類・整理す ることで、これまでの学習したことを使って解決できそうだと いう見通しをもたせる。 めあて どんなものを使って、どんな作り方で、どんなきまりを使っ てUFOがピカピカするのか、UFOの作り方を考えたり、作 ったりして、お家の人に説明できるようになろう。 (2) ピカピカUFOを観察し、仕組みに関係する事実「事物」「働き かけ」「現象」をたんていボードに取り出す。 ○ 自然事象の分析と「事物」「働きかけ」「現象」の取り出し ※ 一人に一つ観察用のUFOと探偵ボードを用意し、実物を操 作しながら取り出しができるようにする。 ※ 探偵ボードを示し、「何を(に)」「どうしたら」「どうなった」か という順に色別の付箋紙に書きながら取り出す方法を確認する。 ※ 風の部分については、全員で確認しながら取り出しを行い、 探偵ボードの使い方を理解させる。
※ 電気の部分については、「ピカピカ」という現象を、あかり がついている時とついていない時に整理し、それぞれ分けて観 察するようにする。 ◇ 事実を取り出す ※ 観察用のUFOを操作して、つながっている順序や変化の様子を 観察し、何をどうしたら、どうなったかをつなげながら取り出すこ A 回路に使われている とで、「事物」「働きかけ」「現象」の取り出しができるようにする。 材料、したこと、どう なったかを全て取り出 すことができる。 B 回路に使われている 材料を全て取り出すこ とができる。 C 回路に使われている 材料の一部を取り出す ことができる。 ※ 全員で確認する。 作る 2 取り出した事実を既習の知識で意味付けて仕組みや作り方を見 ◇ 既習の知識を用いて 通し、実際に製作してその仕組みを明らかにする。 事実の意味付けを行う (1) 取り出した事実を既習の知識で意味付け仕組みをつかむ。 A こんな作り方をする ○ 既習の知識による取り出した事実の意味付け と、こんなきまりがあ ※ 風の部分については全員で考え、「どうなる」の前に、既習の るから、こんな事が起 知識をわけとして書き込むわけカードの使い方を確認する。 こると理解し、プリン トに記述することがで きる。 B 適切な既習の知識を 付箋紙に書き、探偵ボー ドに貼ることができる。 C 教師によって示され た既習の知識を付箋紙 に書き、探偵ボードに 貼ることができる。
※ あかりがつく時とつかない時の理由をわけカードに書き込み 「したこと」と「どうなる」の間に挟み込むことで、既習の知識に よる意味付けを行う。 ※ 自分なりに、わけカードを書いて挟み込んだ後、探偵ボード を声に出して読む。 ◇ 見通した仕組みを確 かめ、明らかにする A 自分で材料を取って、 自分で作り、UFOを完 成させることができる。 (修正も含む) B 自分で材料を取って、 (2) 見通した仕組みに沿って、材料を選び、UFOを製作する。 自分で作ることができる。 ○ 見通した仕組みの具体化と確かめ ※ たんていボードを基に材料を取らせ、たんていボードを見て C 個別の支援を基に、 製作したり、製作後に探偵ボードでチェックしたりすることで、 自分で材料を取って自分 見通した仕組みを確かめることができるようにする。 で作ることができる。 紹介 3 製作したUFOを紹介する練習をする。 する (1) お家の人にピカピカUFOの作り方や遊び方を紹介する文章 を書く。 ○ 既習の知識によって意味付けられた自然事象の仕組みの説明 ※ 導入で用いたお家の人からの疑問に答える形で、本時を通し て明らかになったピカピカUFOの作り方や遊び方を説明しよ うというめあてを確認する。 ※ 説明モデルに照らし合わせて、実際にUFOを操作しながら 探偵ボードを整理する。風の部分をみんなで一緒に考えて文章 化することで、説明のポイントの具体化や探偵ボードの使い方 を確認する。 【説明モデル】
※ 説明モデルに照らし合わせて、実際にUFOを操作しながら、 電気の点滅の部分の探偵ボードを整理する。整理したことを基 に、あかりが点滅する事象を説明する文章を書けるようにする。◇ 明らかになった仕組 みを説明する A 事実のつながりと既 習の知識の両方を用いて 説明する文が書ける。 B 事実のつながりと既 習の知識のどちらかを を用いている。 C 事実のつながりと既 習の知識のどちらも十 分でない。 (2) お家の人にピカピカUFOの作り方や遊び方を紹介する練習 をする。 ※ 二人一組で説明の練習行い、既習の知識を用いて説明ができ ているかを確認できるようにする。 (3) 学習の振り返り ※ めあてに戻って本時の内容を振り返り、振り返りシートに記 入したり、本時の感想を交流したりして自己評価を行い、達成 感や満足感をもたせる。