理科 生物 学習指導案
1 単元名 第5章 動物の反応と行動 第4節 刺激への反応 2 単元設定の理由 ○単元観 本単元では、動物が外界の刺激を受容し、神経系を介してそれに反応する仕組みと、動物の行動について 理解させることが主なねらいである。本教材は、眼や耳の感覚細胞が刺激を受容する仕組みや筋肉の筋原繊 維が収縮する仕組み、受容器と効果器は神経系によって連絡されていくことを学習することを通して、日常 の行動や反応は全て受容器から神経系、効果器における情報伝達であること表現している。また、本教材は 次のような点で価値がある。①生物材料を用いて受容器や神経系、効果器などの解剖実験を通して、生体は 環境に応じた構造をしていることを視覚的に理解することができ、思考力・判断力・表現力を養うことがで きる。②普段の生活の中で行っている運動や反応は、外部の情報処理や体内の情報処理を神経系でおこなっ ているから起こるのであるということを認識することができる。 ○生徒観 本クラスは、理系の生物選択者である。中学校では、第2分野(3)動物の生活と生物の変遷で、動物が外界 の刺激に反応している仕組みを感覚器官や神経系、運動器官のつくりと合わせて学習している。事前アンケ ートによると、効果器の代表例である筋肉の種類を知識として定着できている生徒は80%であった。また、 それらの筋肉の意識との関係性や疲労具合について文章で表現することができた生徒は50%であり、筋肉の 構造について、図で表現できた生徒は20%であった。このことより、筋肉の種類は知っていても、性質や実 際の筋肉の形などの構造が理解できていない生徒がほとんどであることがわかった。そのため、生物材料を 用いて実験・観察を行い、実際に視覚的に筋肉の特徴を捉えることを通して、日常生活の中で当たり前に行 っている運動には、それぞれの特徴を持った効果器がはたらいており、それらは環境に応じた構造をしてい ることを理解させる工夫が必要である。 ○指導観 本単元の指導に当たっては、受容器と神経系、効果器についての知識を覚えるだけではなく、実験を通し て受容器から効果器まで興奮が伝導・伝達して行動や反応を起こしているしくみを理解させる。そして、そ のしくみを日常生活と結びつけながら考察することで、具体的な事象と関連づけられるようにすることをね らいとする。また、事前アンケートより、体内のしくみの性質や構造、意義を理解できていない生徒が多数 いるため、実験を通して実際に視覚的に捉えることが必要であると考える。そのために、動物の受容器や中 枢神経系、効果器の解剖の実験を取り入れ、光受容器である眼球の中身が黒いことは理に適っていることや 効果器である骨格筋はエネルギー供給を盛んにするために多核であることなどを視覚的に理解させる。さら に知識を定着させるために、学習プリントや問題集を用いて、刺激の受容から反応までの流れの復習を行 う。 3 単元指導目標(到達目標) ○動物の反応と行動について、日常生活と結びつける態度を培う。(関心・意欲・態度) ○受容器や中枢神経系、効果器について、図を用いて特徴を表現する能力を養う。(思考・判断・表現) ○実験器具を正しく扱い、対象の事物を観察し、実験結果をまとめる技能を高める。(技能) ○刺激の伝導や伝達の仕組みをもとに、受容器から効果器までの興奮の流れやその反応について理解する。 (知識・理解)4 指導計画(配当時間 22時間) 第1次 刺激の受容から反応への刺激の流れを説明することができる・・・・・・・・・1時間 第2次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5時間 1・・ニューロンの構造について説明することができる (1時間) 2・・細胞内外の物質濃度の違いをもとに、静止電位と活動電位についてイオンの 移動の観点から説明することができる (3時間) 3・・ニューロン間の興奮の伝達について説明することができる (1時間) 第3次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6時間 1・・刺激の種類によって受容器が異なることを説明できる (1時間) 2・・光受容器と光受容のしくみについて説明できる (3時間) 3・・音を受容するしくみについて表現できる (1時間) 4・・平衡感覚を受容するしくみについて表現できる (1時間) 第4次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3時間 1・・脳の構造と各部のはたらきについて説明することができる (1時間) 2・・脊髄の構造と反射の経路について説明することができる (1時間) 第5次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7時間 1・・筋の種類と構造について説明することができる (1時間) 2・・筋収縮のしくみについて説明することができる (2時間) 3・・受容器・中枢神経系・効果器についての実験・観察を行い、それぞれの部位 を正確に図示することができる (4時間)本時3/4 5 本時 (1)本時の指導目標 ムカデの脚の筋肉の観察を通して、筋肉の構造の特徴を視覚的に捉え、表現することができる。(思 考・判断・表現) (2)本時の手立て ムカデの外観の図を示し、観察対象の脚の筋肉の構造を確認しながら、その特徴をスケッチさせる。 (3)本時の授業仮説 効果器である筋肉の観察において、ムカデの外観の図を示し、観察対象の脚の筋肉の構造を確認しな がら、その特徴をスケッチさせる学習過程を設定すれば、筋肉の構造の特徴を視覚的に捉え、表現する ことができる生徒が育つであろう。 (4)教材 教師 ①学習プリント ②実験器具 ③カメラ 生徒 ①学習プリント ②実験器具
(5)学習の展開 学習内容・活動 教師の支援 指導上の留意点 教材 配当 時間 学習 形態 評価 導 入 1 本時の目標を確認する。 ムカデの脚の筋肉を観察 し、脚の筋肉の構造の特徴 について説明する。 ○単元のまとめの実験であること を確認するために、今回は刺激の 受容から反応までの一連の流れの 最終段階である効果器について実 験を行うことを確認する。 ○「効果器である筋肉にはどのよ うなものがあるか。」と発問し、 本時の目標につなげる。 ① 3分 一斉 展 開 2 実験Ⅰを行う。 (1)実験Ⅰの説明を聞く。 ・ムカデの脚の観察 ・ムカデの脚の筋肉の扱き 出し方について、テレビ で確認する。 ・構造観察用のムカデの観 察の仕方について、テレ ビで確認する。 (2)実験Ⅰを行う。 ・ムカデの脚の筋肉を扱き 出し、はほぐしてから酢 酸カーミンを滴下する。 ・筋肉を染色している間 に、構造観察用ムカデの 顎をスケッチする。 ・染色が完了したら、顕微 鏡にセットして筋繊維を 観察し、スケッチする。 3 実験Ⅰの考察を行う。 (1)脚の筋肉の様子について 記述する。 ・棒状の細胞である。 ・核が多くある。 (2)脚の筋肉は何という筋肉 か考察する。 ・横紋筋である。 ・骨格筋である。 ○円滑に実験を行えるようにする ために、実験方法をプリントと実 物で説明する。 ○円滑に実験を行えるようにする ために、ムカデの脚の筋肉の扱き 出し方や構造観察用のムカデの観 察について、テレビにつなげたカ メラを用いて実演する。 ○正しい手順で実験を行えるよう に、注意点が守れているかに着目 し、机間指導を行う。 ○顕微鏡のピントが合ったら、筋 繊維を1つ選び、スケッチするよ うに指示する。 ○染色が完了する前に構造観察用 ムカデのスケッチが終わった場合 には、口や顎以外の部位も観察す るように指示する。 ○筋肉の構造を確認できていない 生徒には、顕微鏡操作について助 言する。また、筋肉の断定が難し いときは、図説を参考にして同定 するように助言する。 ○筋肉の種類を断定することがで きるようにするために、観察した 結果から、ムカデの脚の筋肉は何 という筋肉であるのか考察するよ う指示する。 ①② ③ ①② ① 5分 20 分 7分 一斉 個人 個人 筋肉の構造 の特徴を視 覚的に捉 え、表現す ることがで きる。(思 考・判断・ 表現) <学習プリ ント>
(3)発表をする。 4 実験Ⅱを行う。 (1)実験Ⅱの説明を聞く。 ・ムカデの脚の筋肉以外の 観察 (2)実験Ⅱを行う。 ・事前に選んだ部位を持ち 帰って観察し、スケッチ する。 5 実験Ⅱの記述を行う。 ○考察を共有するために、実験Ⅰ の脚の筋肉について考察した内容 を隣同士で発表し合い、クラス全 体で発表する場を設ける。 ○身近な害虫であるムカデを詳し く観察する機会であるため、脚の 筋肉以外にも興味をもつ部位を観 察することを伝える。 ○適当な観察方法で観察できるよ うにするために、必要に応じて肉 眼やルーペ、顕微鏡を用いて観察 し、スケッチするよう指示する。 ○選んだ部位は、そのまま観察し ても、メス等で解剖して観察して もいいと助言する。 ○選んだ部位の名称を、別紙を用 いて同定し、結果の欄に記入する よう指示する。また、観察方法 も、肉眼・ルーペ・顕微鏡のどの 方法で観察したのか記入するよう に指示する。 ○安全に実験が行われているかに 注目して、机間指導を行う。 ○どのようにして観察したのか、 またその結果どのようなものが観 察されたのか記述する。 ① ①② ① 1分 10 分 一斉 個人 個人 ま と め 6 実験の後片付けを行う。 ○後片付けを円滑に行えるよう に、器具を片付ける場所等につい て指示する。 ② 4分 一斉