高等学校での租税教室の取り組み事例
~母校で講師をしよう!~
近畿税理士会
会員の母校(高等学校)における租税教室実施に向けての取り組み
平成26年5月
◆会報紙5月号にアンケート「租税教育に関するアンケートについて(お願い)
~母校で講師をしよう!~」を同封(応募者51名、講師希望者累計310名)
平成27年9月
◆母校(高等学校)での講師希望者向け講師研修会を実施(参加者127名)
平成27年3月末まで
◆講師派遣41回実施(平成26年度の高等学校での全実施回数は130回)
会員の所属支部 会員の母校が所在する支部 ② 応募状況の報告として、講師希望 会員の氏名と学校名等の名簿を提出 ⑧ 講師希望会員の支部内に所在する 高等学校における租税教室実施を連絡 ⑩ 実 施 報 告 書 を 提 出 ①母校での講師 希望を回答 ⑧ ´ 支 部 所 属会 員の 母 校 で の 租 税 教 室実施を連絡 ⑦受諾(報告) 講 師 希 望 会 員 近 畿 税 理 士 会 租 税 教 育 推 進 協 議 会 高 等 学 校 ④会員の母校での 租税教室実施を 打診 ⑤租税教室開催 依頼 ⑪ 実 施 報 告 書 と と も に 補 助 金 交 付 申 請 書 を 提 出 ③講師希望者名簿を提供 ⑫ 実 施 報 告 書 を 提 出 ② 応募状況の報告として、講師希望 会員の氏名と学校名等の名簿を提出 ⑧ 講師希望会員の支部内に所在する 高等学校における租税教室実施を連絡 ⑨高等学校と打合せ後、租税教室を実施
会員の母校(高等学校)における租税教室実施のスキーム
平成23年度税制改正大綱(平成22年12月16日)
~租税教育の充実に向けた方針~
【基本方針】
国民が租税の役割や申告納税制度の意義、納税者の権利・義務を
正しく理解し、社会の構成員として社会の在り方を主体的に考える
ことは、納税に対する納得感の醸成と民主主義国家の維持発展に
とって重要であるという健全な納税者意識を養うために行う。
【取組方針】
・租税教育については社会全体で取り組んでいく。
・小中学校段階だけでなく、社会人となる手前の高等学校や大学等
の段階における租税教育の充実を図る。
・租税教育を担う教員等に対する意識啓発について検討する。
・関係省庁及び民間団体が連携して取り組む。
<高等学校>学習指導要領解説(抜粋)
公民/現代社会
「政府の役割と税制・租税」については、市場経済の中での政府の役割は、
国民生活の向上と福祉の充実のために、民間部門では十分には供給するこ
との難しい財やサービスを提供する役割があること、また所得再分配や経
済の安定化を図る役割があることを、近年の経済の動向を踏まえて考察さ
せるとともに、租税を中心とした公的負担の意義と必要性について理解を
深めさせる。その際、納税が国民の義務であることを理解させるとともに、
税金がどのように使われどのようなサービスを受けているかなどについて
納税者としての立場から関心をもつことが大切であることを理解させる。
公民/政治経済
・・・租税に関しては、税制度の基本を理解させるとともに、国民生活に
おける租税の意義と役割、公平で適切な負担の在り方について考察させる。
その際、国民が納税の義務を果たすとともに、納税者としてその使途につ
いて関心をもつことが大切であることを理解させる。
高校生向けモデル授業実施に向けて ~「税について考える授業」~
◆授業の目的をどこにおくか?
自分の住む社会のあり方を税を通じて主体的に考えること
◆授業のポイントは何か?
教える授業から考える授業への転換
◆授業の進め方をどうするか?
一方的なレクチャーではなく、グループワークや発表、
生徒との対話に力点
①ディスカッション「日本の財政と税金」
高校生向け新テキストの作成
会員の母校(高等学校)における租税教室の取り組みを振り返って
◆ディスカッションを入れるかどうか?
◆学校側のニーズにどう答えるか?
TaxPayer(タックスペイヤー)とは?
高校生向け「税について考える授業」の実施に当たって
■授業の目的 授業を通じて、税や財政の役割についての理解を深めるとともに、自分の住む社会の在 り方を税を通じて主体的に考え、健全な「納税者意識」を持つことを目的とします。 ■授業のポイント~教える授業から考える授業への転換~ 租税教育の重要な目的は、平成23 年度税制改正大綱においても示されているように、「国 民が社会の構成員として、社会のあり方を主体的に考えること」にあります。 そこで、これからの租税教育は、「税」についての知識を教えるだけでなく、税とは何か、 公平な税負担とは何か、税金の使いみちはどのようにあるべきかなどについて、生徒自身 が現状を踏まえて問題意識を持ち、税を通じて社会の在り方を考えるという、健全な「納 税者意識」を持つことが求められています。 一方的なレクチャーにより知識を与えるのではなく、税や財政についての生徒の興味や 疑問を引出して、税についての思考を深めることを目指しましょう。 ■授業の進め方 授業は、講師が一方的に話すスタイルではなく、グループワークや発表、生徒との対話 を中心に、生徒が税について主体的に考えることに重点を置いて下さい。 授業を行うに当たっては、授業モデルやディスカッションテーマ、ワークシート等の実 際に授業で使用する資料を記載しましたので、学校側の要望やレベルに応じて内容を選び、 適宜カスタマイズして授業を行って下さい。 なお、グループワークを行う場合は、事前に担当の教師へ進行の協力をお願いし、1 グル ープの人数は5~6 人程度に分け、各グループでリーダーを決めてから進めるようにして下 さい。講師は各グループを回り、発言を促したりヒントを与えたりしながら、グループワ ークが円滑に進むようにファシリテーター(促進者)の役割を担います。 また、資料については担当の教師に生徒への事前配布をお願いし、内容の説明をしても らった上で租税教室に臨むと、より効果的な授業となるでしょう。 ■テキスト(近畿税理士会 パワーポイント版) ・「税のしくみから社会のあり方を考えよう」-高Ⅱ ■配布資料等 ・講師はパワーポイントを使用 ・生徒にはパワーポイント資料、グループワーク(個人ワーク)用のシートを配布高校生用Ⅱ 新聞やテレビで税金に関するニュースを目に したことがあるか問いかけましょう。 おそらく税金に関するニュースを目にしない 日はないと思います。 授業の前半では、税金の基本的な仕組みと我が 国の現状を確認します。 授業の後半では、前半を踏まえ我が国が今後ど うあるべきか話し合ってもらいます。 ゆっくりと大きな声で「こんにちは税理士の ○○○○です。」と自己紹介して下さい。 黒板に自分の名前をフルネームで大きく書き ましょう。 税理士という職業を初めて聞く人にも分かり やすく説明してください。 「これから 50 分間、我が国の現状と税金につ いて一緒に考えましょう。」 「まずは税金の基本的な仕組みについて、お 話ししたいと思います。」 国や地方公共団体は民間では供給されにく い、年金・医療、福祉、教育、警察・消防、水 道・道路等といった様々な公的サービスを提供 しています。このような公的サービスを提供す る資金として、税金は必要とされます。
「税のしくみから社会の在り方を考えよう」
授業をすぐに開始できるよう、あらかじめパ ワーポイントの表紙をスクリーンに映しておき ましょう。 担任の先生からの紹介があるまで、落ち着い た態度でお願いします。直接税を代表する税金として所得税をあげる ことが出来ます。 所得税は累進課税制度となっており、年収が 増加する割合以上に税負担の割合が大きくなる 仕組みとなっています。 なぜ所得税がこのような仕組みになっている のか考えてもらいましょう。 間接税を代表する税金として消費税をあげる ことが出来ます。 消費税は所得の大小に関わらず、納税者は一 律同じ税率を負担することになります。 しかし食料品や生活必需品にも一律同じ税率 を課すことから、消費税は所得の低い人ほど税 負担の割合が大きくなる逆進性という問題を抱 えています。 その一方で消費税は景気変動に左右されにく 生徒たちに自分の知っている税金を思い思い 挙げてもらいましょう。 税金には国に納めるべき国税と、都道府県や 市町村に納めるべき地方税を合わせると約 50 種類もあるといわれています。 これだけ多くの税金が存在することからも、 税金は我々にとって非常に身近なものであり、 私たちの生活に密接に関わっていることを理解 してもらいましょう。 税金は大別すると直接税と間接税の 2 種類に 分類することができます。 直接税は税金の負担者と納税義務者が同じ税 金であり、間接税は税金の負担者と納税義務者 が一致しない税金です。直接税を代表する所得 税と、間接税を代表する消費税を例にして、両 者の違いを分かり易く説明してください。 高Ⅱ
憲法第 30 条では、納税の義務を定めています。 また憲法第 84 条では、租税法律主義を定めてい ます。その一方で、税金の使いみちは、国民の 代表者である国会議員が国会で決めています。 つまり税金についての決まりごとは、すべて憲 法と民主主義のルールに則って定められている のです。 全ての納税者に、担税力に応じた税負担を求 めるにはどうすれば公平になるか考えてもらい ましょう。経済力のある人には、より大きな税 負担を求める垂直的公平があります。もう一つ は経済力が同じ人には、同じだけの税負担を求 める水平的公平があります。 税金は垂直的公平と水平的公平の両方を配慮 する必要がありますが、一つの税金で両方を配 慮するのは困難です。そこで国は複数の税金を 組み合わせることで、税制全体で垂直的公平と 水平的公平の両方に配慮しようとしています。 「ここからは、我が国の現状についてお話し したいと思います。」 国の歳出とは、税金等の使いみちのことです。 歳出の内訳からは、社会保障関連費が約 3 割 と最も多いことが読み取れます。また地方公共 団体へ配分する地方交付税交付金や国の借金返 済にかかる国債費も相当な割合を占めていま す。 高Ⅱ 高Ⅱ 国の歳入とは、税金も含めた国の収入のことで す。歳入の内訳からは、税収では所得税、消費 税、法人税が大半を占めていることが読み取れ ます。また歳入には公債金収入があり、税収合 計よりも大きくなっています。公債金収入とは 国の借金による収入のことです。公債金収入の 歳入に占める割合は年々増加しており大きな問
国の歳入と歳出のグラフを見比べて、気付く点 がないか問いかけてみましょう。歳入は公債金収 入(借金の借入)が 1/2 弱に達しているにもかか わらず、歳出は公債費支出(借金や利子の返済) が 1/4 弱しかありません。これは国の借金返済が 追い付かず、借金が年々増え続けている現実を示 しているのです。 昭和 60 年以降、歳出がほぼ一貫して増加してい るにもかかわらず、税収はバブル崩壊以降減少し ています。これは税収の減少を補うために、公債 発行額が増加してきたことを示しています。平成 10 年代に歳出と税収の差を縮める努力もされま したが、リーマンショックによって差は再び拡大 する傾向にあります。なおバブル崩壊やリーマン ショックといった用語については、簡単に説明を お願いします。 少子高齢化に伴い、社会保障給付費は年々増大 しています。しかし現役世代が支払っている社会 保険料収入は近年横ばいとなっています。そのた め社会保障給付費と社会保険料収入の差は年々 広がっており国の財政を圧迫しています。また働 き手である現役世代が支えなくてはならない高 齢者の割合も年々大きくなってきています。 税収グラフに着目すると、所得税や法人税は景気 変動に左右されやすいことが分かります。一方で 消費税は景気変動にあまり左右されないことも 分かります。近年は不況の影響により直接税(所 得税、法人税等)と間接税(消費税等)の直間比 率は 6:4 まで接近しています。
国家としてのあり方には、「大きな政府」と「小 さな政府」という二つの考え方があります。と ころが、我が国の現状は「中福祉・低負担」と いうアンバランスなものとなっています。今、 我が国は福祉水準を引下げて「小さな政府」を 目指すべきか、国民負担率を引上げて「大きな 政府」を目指すべきかの岐路にあります。 なお「大きな政府」「小さな政府」の考え方 の優劣については、中立的な立場で授業するよ うお願いします。 我が国は、他の先進諸国と比べて国民負担率 は比較的低いものとなっています。ところが老 年人口比率はすでに最も高くなっており、国民 負担率とのアンバランスが生じています。この 事態を早急に是正することが望まれています。 税制は国によってさまざまです。我が国で は、所得税、法人税、消費税が基幹税となって います。我が国の消費税は他の国々と比べて税 率が低く、食料品等の軽減税率も設けられてい ないことが特徴です。また所得税・住民税につ いても税負担は比較的軽いものとなっており、 これらが国民負担率の低さにつながっていま す。 高Ⅱ
ここまでの授業で、我が国が抱える様々な問 題点が見えてきました。これらの問題点を少し 整理してみましょう。これらの問題点について 皆さんは、どのように解決すればよいと思われ ますか。これからグループに分かれて、その解 決方法を話し合って下さい。 公債残高が近年急増していることに言及し て下さい。これは国民一人当たりに換算すると 膨大な国の借金が存在していることを意味す るものであり、将来世代にとって大きな負担と なることを伝えて下さい。 高Ⅱ
1.税金が足りない!どうしょう? (1)すべての政策を実行するにはお金が足りません。 あなたはどうすれば良いと思いますか? また、その理由は? ① 増税する(具体的には? ) 増税することによって税収は一時的には増加するでしょう。しかし増税によって家計や企業が自由 に使えるお金が減少します。そうすると家計や企業の財布の紐は固くなり不況になる可能性がありま す。こうして不況に突入した結果、トータルの税収がかえって減少することもあるのです。 また増税によって企業や高額納税者が海外移転する可能性があります。すると結果として税収が減 少することもあるのです。 ② もっと公債を発行する(具体的には? ) 公債を今以上に発行することは、国家財政を圧迫し本来優先すべき事業に予算を回す余裕を無くす ことになります。 その一方で、国が公債を元手にさまざまな公共事業を行うことが、企業の設備投資を活発化し雇用 を生み、結果として税収が増加するという経済効果があることを、分かりやすく説明して下さい。 ③ 一部の政策をあきらめる(具体的には? ) 不要不急の政策について、中断や廃止するも考えられます。しかし国の政策には多くの利害関係者 がいることから、より多くの国民的理解が得られるよう慎重に議論をする必要があります。(事業仕分 け等) ④ その他(具体的には? ) 減税、財政出動、開発、新資源開発(バイオ燃料等)海洋資源開発(レアアース等)、養殖技術の 確立(ウナギ、マグロ等)、再生医療(iPS細胞等)、日本文化のコンテンツ強化(アニメーション 等)、国際観光振興、少子化対策、移民受入、海外出稼ぎ、公営カジノ、モラトリアム、インフレター ゲット、国債の日銀引き受け等、様々な意見がでるよう授業の雰囲気作りを心がけて下さい。もしか すると生徒の中から意外な意見が出てくるかもしれません。 各班でディスカッションを行い、①~④を選択した理由について、各自がワークシートに記入しま す。できるだけ詳しい理由を書けるよう、講師はヒントやアドバイスを与えましょう。発表は各班の リーダーが行いますが、班全員で考えることが重要です。 (2)みんなの意見を聞いて、また、日本の現状を知ってどう思いましたか? ディスカッションで様々な意見が出てくると思います。それについて各自がどのように感じたか。 また授業を聞いて我が国の現状についてどのように感じたか。ワークシートに自由に書いてもらいま 高Ⅱ
2.これからの税金の使い道を考えよう! 使えるお金は限られています。 あなたはどうすれば良いと思いますか?またその理由は? ① 社会保障費を削減する 高齢化の進む我が国では、高齢者が年々増加しているため、一人あたりの社会保障費を削減 しても、国全体での社会保障費が増加することは避けられません。 ② 公共事業費を削減する 公共事業を削減することは、公共事業に従事する企業の仕事を無くし、さらには従業員の雇 用を無くすことにもつながりかねません。 ③ 文教及び科学振興費を削減する 教育や科学技術の発展のための費用を削減することは、天然資源に乏しく、人的資源に依存 する我が国にとって、将来的に国際競争力を低下させることにつながりかねません。 ④ 防衛費や経済協力費を削減する 防衛費や経済協力費を削減することは、我が国の国際社会における立場を弱め、経済的にも 大きな不利益を被る可能性があります。 ⑤ 地方交付税交付金を削減する 地方公共団体への交付金を削減することは、都道府県や市町村が提供している様々な公共サ ービスが実施できなくなる可能性があります。 ⑥ 国債費の削減 上記①~⑤を削減しない限り、国債費を削減することは不可能です。 ⑦ その他 上記①~④のいずれの削減に重点を置くべきか、みんなで考えましょう。 高Ⅱ
1.税金(歳入)が足りない!さあ、どうしょう?? (1)すべての政策を実行するにはお金が足りないので、歳出を削減するか増税するかなどをしなければ いけません。もし増税するならば、どうすれば国民にとって公平な税負担を実現することが出来ると 思いますか?また、その理由は? ①みんな平等に負担する(具体的には? ) 経済力が同等の人には、等しい税負担を求める考え方を水平的公平といいます。消費税は一律同じ税 率で課税されますが、これは財・サービスを同じ金額を消費した人々が、同じ金額の税金を負担すると いう点で平等(公平)な税金です。消費税は一律に広く薄く課税されることから、税率を少し引き上げ ることで多くの税収が確保することができます。しかし所得が低い人の税負担が重くなる、逆進性とい う問題点を抱えています。 ②お金持ちがもっと多く負担する(具体的には? ) 経済力のある人に、より大きな税負担を求める考え方を垂直的公平といいます。所得税は累進課税制 度により所得の多い人ほど、より多くの税金を負担します。それでは累進課税をさらに強化して、お金 持ちがさらに多くの負担をする税制に変更するとどうなるでしょうか。累進課税を過度に強化すると、 納税者の勤労意欲を阻害したり、お金持ちが海外に逃避する事態が考えられています。 ③新しい税金を作る(具体的には? ) 歳入不足を埋めるのに、従来にない新しい税金をつくることが考えられます。しかしその税金は、「公 平、中立、簡素」といった租税原則に則ったものであることが条件です。租税原則に則りながら、多く の税収を確保できる税金を新たにつくるのは、非常に難しいとされています。 ④その他(具体的には? ) 上記①~③以外にも、税金をどのようにすれば歳入を確保しつつ公平な税負担を実現出来るのか考え てみましょう。また「マイナンバー」社会保障・税番号制度の導入や、歳入庁創設の動向についても時 間があれば触れてみてください。 (2)「所得税」と「消費税」の特徴について、どう思いましたか? 所得税と消費税という馴染み深い税金に、それぞれ長所と短所があることを今回の授業で初めて知 った方も多いと思います。また、これらの長所と短所は公平についての考え方の相違から生じている ことに気づかれた方もいるでしょう。税制全体でどちらの公平を指向するかは、意見が分かれると思 います。しかし水平的公平、垂直的公平いずれも軽視してはならないことを、今回の授業では理解し 高Ⅱ
① ディスカッションの発表 班分けと各班のリーダーは事前に、担任の先生に決めておくよう依頼します。 その際、授業の大まかなタイムスケジュールを伝えます。 可能であれば事前に講義資料を渡しておきます。 ディスカッション中に、各班を見て回り、生徒から活発な意見を引き出しましょう。 各班のリーダーに、班としての意見を取りまとめ発表してもらいます。 リーダー以外の生徒にも各自ワークシートを記入してもらいましょう。 リーダー以外の生徒にも意見を求め、緊張感を持続させるよう配慮して下さい。 この教材は授業後に再読しても生徒達が理解できるよう、説明が多目になっています。 したがって説明を無理に詰め込まず、現場で柔軟に対応していただいて結構です。 ② 講師のまとめ ワークシートの質問に対して、政治の動向、学会での主要な学説、税理士会の見解、講師個人の見解 を交えながら、授業のまとめにして下さい。また時間があれば、税金と公平性については様々な考え方 があること、そして税金を正しく納めることの大切さについて伝えていただけると嬉しいです。 なお授業中にワークシートの質問に対する明快な結論が出せなくても、今回の授業は税金について生 徒たちが自分の頭で考える第一歩であると捉えて下さい。 増税か減税か?・・・・・・・・・・・・増税により税収を増加させるか、減税により経済を活性化させるか、い ずれが財政を改善させるのに有効な政策か。 所得税か消費税?・・・・・・・・・・増税するのであれば垂直的公平を重視する所得税を増税するか、水平的 公平を重視する消費税を増税するか、いずれがより多くの国民に公平と 感じられる政策か。 緊縮財政か積極財政か?・・・・歳出削減により早期に国家財政を改善させるか、公共事業を積極的に行 い、将来の歳入増を見込むのか、いずれが長期的に財政を改善させるの に有効な政策か。 上記のように、財政再建にはそれぞれ対立する政策があり、いずれも説得力を持っています。だから といって、いずれの政策も決断せずに手をこまねいているならば、遠からず財政破綻することは避けら れないでしょう。我が国は、いずれの政策を採用するのか決断しなければならない時期にさしかかって います。それを決断するのは我々国民であり、将来の有権者である皆さんなのです。今回の授業が、皆 さんが将来国政選挙で政策を判断する際の一材料となってくれれば幸いです。この 50 分間、税金につ いて真剣に考えていただきありがとうございました。 高Ⅱ
高校生向け授業モデル①(ディスカッション「日本の財政と税金」)
項 目 内 容 時間 <挨拶・自己紹介> 1.税理士って何ですか? ・自己紹介、税理士の職業紹介 3 分 <税金と財政の基礎知識> 2.はじめに 4.税金の種類 9.税金の使いみちはどのように決めている? 12.歳入(国の 1 年間の収入)と歳出(1 年間 の支出) 13.国の財政を見てみよう 14.税収の推移を見てみよう 15.これからの社会と税を考えてみよう 18.大きな政府?小さな政府? 19.公債残高の推移を見てみよう 20.まとめ(日本の現状) ・授業の内容の説明 ・税金の種類と生活との関わり ・納税の義務と租税法律主義 ・歳入と歳出の比較 ・税収、歳出、公債発行額の推移 ・税目ごとの税収の推移 ・社会保障費の増加と負担者の減少 ・公共サービスと国民負担の在り方 ・日本の財政の現状 ・日本の抱える問題 20 分 <ディスカッション> 21.税金(歳入)が足りない! さあ、どうしよう?? ・ワークシートの記入とグループディ スカッション 20 分 <まとめ> ・グループディスカッションの発表 ・講師のまとめ ・各グループの代表者による発表 ・政治への参加と税金の負担の重要性 7 分高校生向け授業モデル②(ディスカッション「公平な税負担」)
項 目 内 容 時間 <挨拶・自己紹介> 1.税理士って何ですか? ・自己紹介、税理士の職業紹介 3 分 <税金と財政の基礎知識> 2.はじめに 3.どうして税金が必要なんだろう? 5.税金は約 50 種類あります! 6.所得税(直接税)の特徴をみてみよう 7.消費税(間接税)の特徴をみてみよう 8.「課税の公平性」とは? 9.税金の使いみちはどのように決めている? 12.歳入(国の 1 年間の収入)と歳出(1 年間 の支出) 14.税収の推移を見てみよう ・授業の内容の説明 ・身の回りの税金の存在と必要性 ・税金の種類と区分 ・所得税の主な特徴 ・消費税の主な特徴 ・応能負担の原則 ・納税の義務と租税法律主義 ・歳入と歳出の比較 ・社会保障費の増加と負担者の減少 20 分 <ディスカッション> 22.税金(歳入)が足りない! さあ、どうしよう?? ・ワークシートの記入とグループディ スカッション 20 分 <まとめ> ・グループディスカッションの発表 ・講師のまとめ ・各グループの代表者による発表 ・政治への参加と税金の負担の重要性 7 分高校生向け授業モデル③(個人ワーク)
項 目 内 容 時間 <挨拶・自己紹介> 1.税理士って何ですか? ・自己紹介、税理士の職業紹介 3 分 <税金と財政の基礎知識> 2.はじめに 3.どうして税金が必要なんだろう? 5.税金は約 50 種類あります! 6.所得税(直接税)の特徴をみてみよう 7.消費税(間接税)の特徴をみてみよう 8.「課税の公平性」とは? 9.税金の使いみちはどのように決めている? 10.税金の使いみち(歳出)を見てみよう 11.どのような税金による収入(税収)がある か見てみよう 12.歳入(国の 1 年間の収入)と歳出(1 年間 の支出) 13.国の財政を見てみよう 14.税収の推移を見てみよう 15.これからの社会と税を考えてみよう 18.大きな政府?小さな政府? 19.公債残高の推移を見てみよう 20.まとめ(日本の現状) ・授業の内容の説明 ・身の回りの税金の存在と必要性 ・税金の種類と区分 ・所得税の主な特徴 ・消費税の主な特徴 ・応能負担原則 ・納税の義務と租税法律主義 ・国の歳出の中身 ・国の歳入の中身と公債金と税収の割合 ・歳出と歳出の比較 ・税収、歳出、公債発行額の推移 ・税目ごとの税収の推移 ・社会保障費の増加と負担者の減少 ・公共サービスと国民負担の在り方 ・日本の財政の現状 ・日本の抱える問題 40 分 <まとめ> ・ワークシートへの記入 ・講師のまとめ ・今日の学習の振り返り ・政治への参加と税金の負担の重要性 7 分近畿税理士会『租税教室ワークシート①』 ( )年( )組 名前( ) 1.【ディスカッション】税金(歳入)が足りない!さあ、どうしよう?? すべての政策を実行するにはお金が足りません。あなたはどうしたら良いと思いますか? また、その理由は? (例)・増税する。(具体的には?) ・もっと公債を発行する。 ・一部の政策をあきらめる。(具体的には?) ・その他(具体的には?) 2.【まとめ】今日の学習を通じて、これからの日本の財政や税金を考えてみよう! (1)みんなの意見を聞いて、また、日本の現状を知ってどう思いましたか? (2)これからの税金の使い道を考えよう!
近畿税理士会『租税教室ワークシート②』 ( )年( )組 名前( ) 1.【ディスカッション】税金(歳入)が足りない!さあ、どうしよう?? すべての政策を実行するにはお金が足りませんので、歳出を削減するか増税するかなどをし ないといけません。もし増税するならば、どうやったら国民にとって公平な税負担を実現す ることができると思いますか?また、その理由は? (例)・みんな平等に負担する。(具体的にどうやって?) ・お金持ちがもっと多く負担する。(どんな方法で?) ・新しい税金を作る。(どんな税金?) ・その他(具体的には?) 2.【まとめ】今日の学習を通じて、これからの日本の税金について考えてみよう! (1)所得税の特徴や消費税の特徴を知って、あなたが感じたことを書いて下さい。 (2)今日の学習を通じて感じたこと、学んだことなどを自由に書きましょう!
近畿税理士会『租税教室ワークシート③』 ( )年( )組 名前( ) 1.【まとめ】今日の学習を通じて、これからの日本の財政や税金を考えてみよう! すべての政策を実行するにはお金が足りません。あなたはどうしたら良いと思いますか? また、その理由は? (例)・増税する。(具体的には?) ・もっと公債を発行する。 ・一部の政策をあきらめる。(具体的には?) ・その他(具体的には?) 2.今日の学習を通じて感じたこと、学んだことなどを自由に書きましょう!