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当 面 の 技 術 対 策

(9月)

平成23年8月30日

農 林 水 産 部

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9 月 の 重 点 事 項 Ⅰ 安全安心な農産物生産 1 安全・安心な農作物の生産 P2~3 2 農薬の飛散防止対策 Ⅱ 稲 作 1 登熟を高める水管理 P4~5 2 収穫機、乾燥機の事前点検 3 適期刈取りの推進 4 適正な乾燥・調製 5 農作業の事故防止 Ⅲ 畑 作 1 大豆の管理 P6~7 2 麦類 Ⅳ 果 樹 1 適期収穫 P8~9 2 りんごの着色管理と中生品種の落果防止対策 3 台風対策 4 病害虫防除 5 適正施肥 Ⅴ 野 菜 1 秋野菜の適期播種と管理 P10~11 2 夏秋野菜等の管理 3 ハウス抑制メロンの管理 4 食用ぎくの管理 5 病害虫防除の徹底 6 台風対策 Ⅵ 花 き 1 ストックの管理 P12~14 2 フリージアの植え付けと管理 3 スプレーぎくの開花調節 4 ばらの管理 5 アルストロメリアの管理 6 花壇苗の育苗、鉢上げ、出荷 7 病害虫防除の徹底 8 台風対策 Ⅶ 畜 産 1 家畜の「夏バテ」防止対策 P15~16 2 良質サイレージの収穫・調製 3 牧草の適期更新 4 放牧場の管理 5 稲わらの収集確保 6 環境保全対策

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Ⅰ 安全・安心な農産物生産 病害虫防除に当たっては、耕種的対策や物理的対策を積極的に導入し、農薬に過度に 依存しない防除を計画的に実践する。また、農産物の安全性を確保するため、農薬の適 正使用と栽培管理記録簿記帳などの生産工程管理を徹底するとともに、農薬の適正な保 管、管理等により農薬が原因となる事故のないように十分に注意する。 1 安全・安心な農作物の生産 (1)病害虫の発生しにくい環境づくりのため耕種的対策や物理的対策を組み合わせ、 農薬だけに頼らない防除対策を実施する。また、こまめなほ場観察による病害虫の 早期発見、正確な診断に基づく適切な対策を講じる。 (2)農薬の使用に当たっては、農林水産省登録番号のある農薬を使用し、かつ適用作 物、使用濃度や使用量、使用回数及び収穫前使用日数を遵守する。 (3)合成ピレスロイド剤等を使用する場合は、市町村農作物有害動植物防除協議会等 で定めた地区に限って使用し、蚕・魚類に対する被害を防止する。 (4)農薬には、ミツバチやマルハナバチなどの有用昆虫に対し長期間影響のある薬剤 があるため、薬剤の選定に留意するとともに、養蜂業者等に対して防除計画の事前 周知を行う等連携を密にし事故防止に努める。 (5)農薬に対する耐性菌・抵抗性害虫出現防止のため、同一成分の農薬の連用散布に ならないよう薬剤を選択する。 (6)薬剤散布に当たっては、周辺の住民、環境、作物に十分配慮し、飛散防止対策を 講じる等、地域住民や養蚕農家、たばこ耕作者、養蜂業者等に損害が生じないよう にする。 (7)病害虫防除実施後は、直ちに栽培管理記録簿の記帳等、管理作業の記帳を必ず行 う。 (8)収穫作業の前には、記帳した防除実績と使用した農薬の使用基準を必ず確認 する。特に、収穫時期が早まる場合などは厳重に行う。 2 農薬の飛散防止対策 飛散防止に当たっては、単一な方法でなく複数の方法を組み合わせるとともに、 隣接、周辺生産者等との連携を密にすることが重要である。 (1)風向と風速 ・風が強い日中の散布を避け、風の弱い早朝や夕方に行う。 ・風下に他作物や河川、住宅等がある場合は、特に注意する。 (2)散布方向や散布位置 ・園地の端部では、園地の外側から散布する。特に、農薬が飛散しやすいSSでは 端列を手散布にする。 ・作物のない空間に無駄な散布をしないように、不要な場合はノズルを止める(特 に真上方向)。 ・ノズルと作物の距離が開きすぎると風にあおられやすくなるので、できるだけ作 物の近くから散布する。 (3)散布ノズルと散布圧力 ・散布圧力を上げすぎないようにする(粒径が細かくなるため)。

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・散布ノズルは、使用目的に合わせた適度な噴霧粒径のノズルを選択する。ドリフ ト低減型ノズルも有効である。 (4)適正な散布量 ・散布量が多くなるほど飛散しやすくなるが、散布量が少ないと防除効果が劣るの で、作物の生育量にあわせて適正量を散布する。 (5)風量の調節 ・SSで防除する場合は、ほ場での薬液の到達状況を把握し、過大な風量にならな いよう散布する。 (6)近接作物生産者との連携・調整 ・近接する農作物の収穫時期を考慮した散布計画、散布時期、緩衝地帯設定等の協 議など近接作物の生産者と十分に連絡をとる。 (7)遮蔽シート・ネット等の設置 ・境界に防風ネットを設置する。 ・ドリフトが懸念される作物をシートで被覆する。 ・ソルゴーなど障壁作物を園の周辺に植栽する。 (8)飛散(ドリフト)しにくい剤型の利用 ・粉剤や液剤をドリフトしにくい剤型(粒剤、育苗箱施用剤等)に変更する。 (9)有人ヘリ、無人ヘリを使用するときの対策 ・風速などの作業環境に注意し、国の通知等で定められた散布方法(飛行高度、飛 行速度等)を遵守するとともに、関係機関、団体が連携して事前周知等の被害防 止対策に努める。 ・散布区域における他作物の作付け状況等を事前に把握し、散布除外地設定等の必 要な対策を行う。 (10)中長期的対策 ・品目ごとに作付場所の団地化を進めて、飛散リスクの軽減を図る。 (11)その他 ・農薬使用後は、調合タンク、ホース等の散布器具はきれいに洗浄する。 3 農産物の適切な取扱 (1)収穫時及び収穫後の農産物は、農薬、包装資材、その他農業資材及び農業機 械等と明確に区分保管する。 (2)農薬は、施錠可能な場所に保管し、漏出防止に努めるとともに、他容器への 移しかえを行わない。 (3)コンテナ等の収穫容器は、洗浄されたものを使用し、収穫された農産物以外 のものを保管したり運搬するために使用しない。 (4)トラック等の輸送車両は、十分な清掃を実施する。特に農薬散布器具を輸送 した場合は、使用後必ず洗浄する。 (5)収穫後の農産物を保管、調整及び包装作業に使用する施設は、十分な清掃を 実施する。 (6)衛生的に保つことが困難になった出荷容器は、廃棄する。

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Ⅱ 稲 作 本年の県全体の出穂始期は8月4日、出穂盛期は8月8日で平年並となった。平坦部 「はえぬき」の穂数は平年よりやや少なく、一穂籾数は平年よりやや多く、㎡当たり籾 数はほぼ平年並となっている。 出穂後10日間程度は高温で経過しており、胴割粒の発生など品質低下が懸念される。 このため、根の活力を維持する間断かん水を励行し、登熟を高める水管理を徹底する とともに、適期刈取りと適正な乾燥調製により高品位米の安定生産を図る。 1 登熟を高める水管理 (1)水管理の徹底 出穂後30日頃までは玄米肥大が旺盛な時期であり、間断かん水や飽水管理をき め細かに行い、根の活力維持を図る。 また、強風やフェーンが予想される場合には、湛水に切り替え、稲体の衰弱を防 ぎ、高品質米の生産に努める。 (2)早期落水の防止 落水時期の目安は、普通田で出穂後30日、排水不良田で25日、砂質系で保水 の劣る田では35日程度であるが、9月以降も気温が高い見込みとなっており、落 水時期はできる限り遅らせ、平坦部「はえぬき」で、少なくとも9月5日頃までは 用水を確保し、早期落水は行わない。 2 収穫機、乾燥機の事前点検 作業能率・精度の向上とトラブルを防止するため、バインダー、コンバイン、乾燥 機の整備点検を早急に実施する。 コンバイン、バインダーは、刈取り部や足回り等を点検整備し、変形、摩耗したも のは修理交換し、作業中のトラブル発生を防ぐ。 3 適期刈取りの推進 刈取りの適期は、出穂後の積算平均気温を目安に、枝梗の黄化、青籾歩合、籾水分、 倒伏程度などを加味して総合的に判断する。また、出穂期や㎡あたり籾数の違いから、 ほ場毎の刈り取り適期に違いが見られる可能性が大きく、登熟状況に十分注意すると ともに、計画的に刈取作業を進める。 出穂後の積算気温から刈取り適期を判断する場合、「はえぬき」は950~1,2 00℃(但し、出穂後30日間の日平均気温が25℃以上の場合は、900℃~1, 150℃)、「つや姫」は1,000~1,200℃、「あきたこまち」は950~ 1,100℃、「ひとめぼれ」は950~1,100℃、「コシヒカリ」は1,00 0~1,200℃、「ササニシキ」は950~1,100℃を目安とする。また、刈 取り始めの青籾歩合は、「はえぬき」と「ササニシキ」は20%、「つや姫」と「あ きたこまち」、「ひとめぼれ」、「コシヒカリ」は15%を目安とする。 刈り遅れると胴割米、茶米、奇形粒等が急激に増加するとともに、光沢も低下し、 外観品質が低下するだけでなく、食味も低下しやすい。特に、カントリーエレベータ ーとライスセンターにおいては、作業計画を早急に作成・点検し、地域全体で適期刈 取りを推進し、刈り遅れないようにする。 なお、水口で青立ちが多い箇所や倒伏、病害虫の被害の大きい箇所は、別刈りし、

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未熟粒や被害粒の混入による品質低下を防止する。 4 適正な乾燥・調製 乾燥時は張り込み籾の性状や青籾の割合、張り込み量等を十分把握の上、水分測定 を確実に行い、適正な送風温度で乾燥を行う。仕上がり玄米水分は15%になるよう にし、過乾燥にならないように注意する。特に、本年は出穂後10日間の最高気温が 高く経過しており、胴割米の発生が懸念されるため、急激な乾燥を避ける。 籾ずりは、籾を十分放冷し、適正水分であることを確認してから行う。脱ぷ率80 ~85%を目安に、必ず「試しずり」を行う。「試しずり」で肌ずれや砕粒、胴割れ の発生、アラ混入等がないことを確認してから連続作業に入る。 選別は、1.90㎜網目(LL)の使用を基本とし、整粒歩合の向上を図る。 5 農作業の事故防止 収穫期は、コンバインとバインダーによる事故が起きやすい。特に、ほ場進入時や 後退時の転落・転倒、詰まり除去時のフィードチェーンやカッターへの巻き込みが多 いので、十分注意する。 トラブルが発生した場合は、必ずエンジンを止めて対処し、事故防止を徹底する。 6 台風対策 (1)事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備える。 (2)貯蔵施設において、あらかじめ浸水の被害が想定される場合には、収穫物を浸水 の危険がない安全な場所に移動するなど、適切な対応に努める。 (3)冠水した場合は、葉先や穂先だけでも水面に出すよう速やかな排水に努める。 また、冠水や浸水の被害を受けた稲体は根の活力が低下していることから、田面 の過度な乾燥に注意する。 (4)冠水や籾ずれ等の被害の著しいほ場では、白葉枯病などの多発が懸念されること から、排水後、病害の発生動向に十分注意し、的確な防除に努める。 (5)台風通過直後のフェーン現象の発生により稲体の消耗が大きいことから、通水に よる水分補給の実施により、稲体の活力保持に努める。 (6)収穫直前の地域において、稲体の倒伏や穂発芽の発生などにより品質の低下が懸 念される場合には、可能な限り速やかに収穫作業を開始するとともに、被害籾に ついては、仕分けを行い乾燥、調製作業を実施する。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で6年目を迎え ます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の注意 を払いましょう。 9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。

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Ⅲ 畑 作 大豆の開花期は、6月上旬は種で「リュウホウ」が7月20日頃、「エンレイ」が7 月22日、「タチユタカ」が7月24日頃となり、平年より5日程度早まった。今後は、 品質向上を目指し、排水対策や病害虫防除(紫斑病、マメシンクイガなど)に万全を期 す。 麦類の播種適期は、9月下旬~10月上旬である。事前に、排水対策を徹底するとと もに、播種期(適期は10月10日まで)が遅れないよう適期作業に努める。 1 大豆の管理 (1)排水対策 今年は、局地的に大雨が降ることが多くなっている。排水不良は、根の活力を低 下させ、収量、品質の低下を招くので、明渠や排水溝の手直しを行い、降雨後、速 やかな排水が図られるようにする。 (2)病害虫防除 茎葉が繁茂している時期なので、莢に薬剤が十分付着するよう丁寧に散布する。 紫斑病、マメシンクイガは、収量・品質に及ぼす影響が大きいので、適期を失し ないように防除を実施する。 (3)収穫準備 コンバイン収穫では、雑草や青立ち大豆の草汁が汚損粒の原因となるので、落葉 期になったら早めに抜き取る。また、収穫期に降雨が続くこともあるので、適期収 穫に向けて、早めに各生産集団等で効率的な刈取計画を立てるとともに、コンバイ ンや乾燥機の整備点検を行う。 2 麦 類 (1)排水対策 麦類は湿害に弱い作物なので、ほ場の周囲には必ず明渠を掘る。また、耕起前に サブソイラーや弾丸暗渠を7~10m間隔で本暗渠へ直交するように実施し、表面 の停滞水がスムーズに排水できるようにする。また、砕土・耕起は出来るだけ丁寧 に行い、砕土率70%以上を目標とし、出芽率の向上及び生育の均一化に努める。 (2)適期播種 播種適期は9月下旬から10月上旬である。播種が遅れると越冬前の生育量が少 なくなり、雪腐病抵抗性が低下するともに、穂数不足で減収し品質も低下しやすい。 このため、播種は10月10日までには終えるようにする。 (3)施肥量 基肥量は10a当たり窒素、リン酸、カリ各10㎏を基本とする。また、麦類は 酸性に弱い作物なので、pH6.0~6.5を目標に苦土石灰や炭カル等を施用する。 (4)播種様式と播種量 播種様式にはドリル播きと散播などがあるが、生育を揃え収量、品質の高位安定 化を図るためにも、ドリル播きを基本とする。 播種量は10㎏/10aを目安とする。なお、播種が適期より1週間遅れる場合は、 播種量を20%程度増量する。 3 台風対策 (1)大雨による浸水や冠水後の排水対策が速やかに行われるよう、ほ場周辺や排水路

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の点検整備を行う (2)滞水した場合は、生育遅延や根腐れを引き起こし、日照不足と相まって作物体 を軟弱化させ、病害虫に対する抵抗性を弱めるので、速やかな排水対策を行う。 (3)風により莢が損傷、あるいは倒伏した場合は、傷口から病原菌が侵入し、収量 の低下やカビ粒、腐敗粒、紫斑粒の発生が懸念されるので、病害の発生動向に注 意し、適切な防除対策に努める。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で5年目を迎え ます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の注意 を払いましょう。 9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。

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Ⅳ 果 樹 果樹の生育は、前年よりもやや遅れているが、高温により外観よりも果実の成熟が先 行しやすいので、収穫遅れにならないよう熟度に応じた収穫に努める。 また、収穫が終了した樹種では、基肥の施用時期にあたるので、樹勢や着果負担に応 じた施肥を行う。さらに、台風の襲来に備え、事前の対策を手抜かりなく行う。 1 適期収穫 (1)もも「川中島白桃」や「ゆうぞら」の満開後の日数による収穫日の目安は、「川 中島白桃」が125~130日、「ゆうぞら」が135~140日後なので、予想 日に近づいたら果実の着色程度、地色、手触りによる果実の弾力、糖度等、果実品 質を調査・判断して収穫する。 収穫は、熟度の進みが早い樹勢が弱い樹や、樹冠上部の枝、樹冠の外周部、長・ 中果枝の先端から行い、何回かに分け適熟果を収穫する。また、鮮度保持のため、 収穫は朝の涼しい時間に行う。 (2)りんご「つがる」や「さんさ」等の早生品種の収穫は、日持ち性を重視し、硬度 が13ポンドを下回る場合は、着色の進みを待たずに収穫適期内に収穫する。また、 中生種の「千秋」や「昂林」等も収穫遅れにならないように注意する。 (3)ぶどうの大粒種は、品種特有の着色となり、糖度が高く酸度がほどよく低下した ものから収穫する。収穫に当たっては、果粉を落とさないように丁寧に行う。 (4)西洋なし「マルゲリット・マリーラ」の収穫は、満開130日前後、「ゼネラル ・レクラーク」は、満開後150~155日が収穫の目安となる。予想日に近づい たら糖度や硬度、酸度、種子色、ヨード反応等の指標に従って判断を行い収穫する。 また、収穫は、熟度が進んでいる樹冠外周の日当たり良好な部位から行い、樹冠 内部は数日後に収穫し、熟度の揃った果実の収穫に努める。 出荷の際には、選果・選別を丁寧に行い、輪紋病等病害果は取り除く。 2 りんごの着色管理と中生品種の落果防止対策 (1)支柱の立てかえ、枝つり、徒長枝の整理などを行い、樹冠内部の受光体制を改善 する。葉摘みは、収穫予定の20日前頃を目安に、始めは果実に接触している葉を 摘み、その後、果そう葉を摘むようにする。 (2)摘葉剤は、処理後の平均気温が20℃程度で経過した場合は安定した効果が得ら れるが、15℃程度では効果は低下する。また、樹勢が弱い場合は効果が強く出る 傾向にあり、ボルドー液を散布した園地でも過剰摘葉となった事例があるので注意 する。摘葉剤は使用できる品種が限定されているので、使用基準に従い散布する。 (3)「デリシャス系」、「紅玉」など中生品種では、落果防止剤を収穫開始予定日の 25日前に1回散布する。 「秋陽」でストッポール液剤を使用する場合は、散布時期は9月10~15日頃、 1,500倍で1回散布することとし、気温が高い時間帯の散布は避ける。 3 台風対策 【事前対策】 (1)大雨に備え、園内の明きょの点検、周囲の排水路や側溝等の整備を行い、雨水が 園内に停滞しないようにする。防風ネットは事前に点検し、損傷がひどいネットや

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古くなったネットは、耐久性の強いものに替え、支柱も補強する。 (2)りんごわい化栽培やおうとうなどの根域が浅い樹は、支柱で幹や主枝を支えて倒 伏を防止する。また、幼木も、倒伏防止のため支柱を立て縄等で結束する。 (3)収穫期を迎えている品種については、収穫を急ぐ。まだ、収穫ができない樹は支 柱を補充し、落果を防止する。 (4)棚栽培では、棚の倒壊を防止するため、古い支柱の交換や棚線の点検を行う。 (5)収穫が終了したぶどうの雨よけテント等の施設では、ビニールを撤去する。未収 穫の施設では、マイカー線の締め直しや支柱の点検を行い、ビニールの破損部分は 補修しておく。 【事後対策】 (1)風で落下した果実は、傷の程度により選別を行い、それぞれの用途に応じて処分 する。損傷の見られる果実は、生食用には出荷しない。 (2)倒木した場合は、できるだけ早く起こして支柱で支える。すぐ起こすことが困難 な場合は、根に土をかけるなどして乾燥を防止する。 (3)枝が裂けた場合は、裂開部を接合するため癒合剤を塗布し、ボルトやカスガイ等 で固定する。損傷がひどい枝は切り落とし、傷口に癒合剤を塗布する。 (4)ほ場の排水が悪い場合は、排水溝を掘る等、早急に排水対策を行う。葉や果実が 水につかった場合は、早急に殺菌剤を散布し、果実腐敗や病害の感染を予防する。 4 病害虫防除 りんごで斑点落葉病、輪紋病、炭そ病、すす点病、すす斑病などの発生が多い園地 では、9月上旬から中旬に有機殺菌剤や有機銅剤を1~2回散布する。 ぶどうの雨よけ栽培では、収穫が終ったら直ちにビニールをはずし、べと病、褐斑 病、フタテンヒメヨコバイなどの防除を行い、葉を病害虫から守る。 ももでせん孔細菌病が多い園地では、収穫後に9月上旬から下旬にボルドーを2回 散布する。なお、薬剤散布にあたっては、農薬の使用基準を遵守する。 5 適正施肥 収穫が終了したものでは、9月下旬から10月上旬に基肥を施用する。有機質肥料 を施用する場合は、分解に要する期間を考慮し、2週間程度施用時期を早める。 施肥量は、樹齢や新梢長、新梢の停止時期、葉の大きさ、葉色などによる樹相診断 と今年の着果状況等も加味して決定する。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で5年目を迎え ます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の注意 を払いましょう。 9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。

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Ⅴ 野 菜 高温の影響を受けて、夏秋、抑制栽培品目で草勢の低下がみられる。このため、 きめ細かな肥培管理を行い草勢の維持・回復に努める。また、秋野菜では、天候に 配慮しながら適期作業を進め、生育量の確保に努める。長雨や台風に備え、排水対 策やハウスの補強、防風ネットの設置等を徹底する。 1 秋野菜の適期播種と管理 (1)秋野菜の播種晩限(村山平坦部)は、だいこん・せいさいが9月7日頃、ほうれ んそう(露地)が9月15日頃であり、適期は種に努める。 (2)だいこんの間引きは生育を揃えるため、生育に応じて行う。一本立ての目安は本 葉6~7枚頃とする。また、間引き毎に根元に軽く土寄せを行う。 2 夏秋野菜等の管理 (1)きゅうり、なす等は草勢が低下してくるため、古葉、り病葉、奇形幼果を摘除し、 窒素成分で10アール当たり2~3kg の追肥を、7~10日間隔で複数回行って草 勢の回復を図り、良品生産に努める。 (2)ねぎは目標の軟白長が確保できるようになったら、最終の土寄せをしっかり行う。 軟白に要する日数は、9月中旬収穫で約15日、9月下旬~10月中旬収穫で約 20~30日、11月以降収穫で約40日以上が目安となる。 (3)えだまめは、収穫後鮮度の低下が早いため、気温の低い時間帯(早朝、夕方)に 収穫する。脱莢等調整作業は、涼しい場所で手際良く行い、できるだけ早く水冷し、 予冷庫に入れて品温を下げ、品質保持に努める。また、8月の降雨により、莢の褐 変症状が多発しているほ場では、選別を徹底して品質低下防止に努める。 3 ハウス抑制メロンの管理 果実の肥大期からネット完成期に当たるので、きめ細かな温湿度管理を行う。温度 は日中28~30℃、夜間13℃以上保てるよう、保温と換気で調節する。かん水は ネットの発現と玉の肥大に合わせて行う。 4 食用ぎくの管理 (1)早熟栽培用の苗は、白さび病の予防と収量を高めるため、さし芽苗を使用する。 親株は8月下旬から9月上旬に地際より刈り取る。さし穂は展開葉3~4枚、長さ 5~6cm に調整し、鹿沼土等の用土に3~4cm 間隔に挿すか、セルトレイ128 穴に挿し、約20日間育苗する。 (2)抑制栽培では、草丈が30cm 頃に追肥と土寄せを行い、フラワーネットを張る。 下旬にはハウスサイドにビニールを張り、最低夜温13℃を確保する。 5 病害虫防除の徹底 (1)きゅうりは、褐斑病、うどんこ病、べと病、トマトでは葉かび病の発生が多くな るので、適期防除に努める。 (2)ねぎは、さび病、黒斑病、軟腐病の発生が懸念されるので、適期防除に努める。 また、土寄せ作業は地温が低い時間帯に行い、葉鞘に傷をつけないよう注意する。 (3)アブラナ科野菜(はくさい、キャベツ、かぶなど)の根こぶ病は、薬剤だけでは

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9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。 防除が難しい。耕種的な対策として、抵抗性品種の活用や移植栽培の導入、排水対 策の徹底、酸度矯正、高うね栽培等を行う。 (4)秋野菜のべと病、白斑病、黒斑病等の病害と、コナガ、アオムシ、ヨトウムシ等 の害虫の防除を徹底する。 (5)メロンのえそ斑点病が発病した株は、早期に抜き取り適切に処分する。また、発 病株に触れた手や器具で健全株に触れない。 6 台風対策 (1)露地品目 ア 夏秋きゅうり、なす、アスパラガス等では支柱や防風ネット等の点検、補強を行 い、強風による茎葉や果実の損傷を防ぐ。 イ 大雨による浸水や停滞水がすみやかに排水されるよう、明きょや暗きょ、排水路 の点検を行う。浸水した場合は、直ちにポンプによる強制排水等の排水対策を行う。 ウ 乾燥した風(フェーン)が強い場合は、かん水して茎葉損傷等の被害軽減を図る。 エ ねぎ等が倒伏した場合には、天候の回復を待ってできるだけすみやかに起こし生 育の回復を図る。また、果菜類は損傷した果実や不良果はすみやかに摘除する。 オ 茎葉に傷が発生すると病害が発生しやすくなるので、病害虫の発生に留意し、防 除基準に従って防除する。 (2)施設品目 ア 大雨による施設内への水の浸入を防ぐため、施設周辺の排水溝等の点検を行う。 イ 防風施設やパイプ支柱、アンカーなどの点検を行い、損傷箇所や連結ジョイント などにゆるみがある場合は、すみやかに補修を行う。アンカー等は必ず設置して、 強風によるパイプや支柱の浮き上がりを防止する。 ウ 強風による被害を防ぐためハウスの天窓や側窓などの点検を行い、マイカー線の 締め直し、支持材の点検、被覆資材の破損部補修等を実施する。また、フェーン現 象による気温上昇で天窓等が自動開放しないよう手動制御する。 エ ハウス被覆資材が破損した場合には、風等の状況を見ながらすみやかに補修し て、内部の作物の管理が十分に行える状態にする。 オ 被覆資材の破損などで茎葉の損傷など作物の被害が発生した場合は、被害株の抜 き取りや茎葉を摘除するとともに、かん水や液肥の茎葉散布、追肥により草勢回復 に努める。また、病害虫の発生に留意し防除基準に従って防除する。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で5年目を迎 えます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の 注意を払いましょう。

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Ⅵ 花 き 今月は、フリージア、アネモネなどの低温性花きの定植時期であり、ストックは高温 障害を受けやすい時期にあたるので、高温対策に配慮した管理を行う。さらに、秋彼岸 に向けた出荷盛期となり、稲刈り等の他作業も繁忙期になるため、倒伏防止ネットの調 整、播種準備、土壌消毒、防除等の作業・管理は、遅れないよう計画的に行う。また、 秋の長雨や台風に備えて排水溝の整備補修、ハウスの補強及び防風ネットの設置、倒伏 防止ネットの点検補強等、大雨と強風への事前対策を徹底する。 1 ストックの管理 この時期は生育量を確保するとともに、花芽が分化する重要な時期であるため、か ん水やハウス内環境の管理に十分留意する。土壌水分について、生育初期はやや多め にかん水して草丈を確保し、茎葉が地表面を覆うようになってきたら徐々にかん水量 を減らす。発蕾期以降はほ場の保水力に合わせてかん水量を減らすか、もしくは打ち 切って乾燥気味に管理して、締まった花穂になるよう努める。ハウス内は、換気を図 ってできるだけ涼しくし、光が十分に当たるよう管理する。9月に気温の高い状態が 続くと花飛びしやすく、さらに茎葉の萎れが花飛びを助長しているものと考えられる ことから、曇天日が続いた後の晴天時の萎れは軽い遮光や茎葉に散水を行うことで最 小限にとどめる。 移植栽培では、葉が地表面を覆う前(定植10~14日後)に軽く中耕を行い、追 肥する。追肥量は窒素成分量で10a当たり3~5kg を目安とし、カリも同量施用す る。直播栽培では、播種後35日頃に同量の追肥を行う。草丈が20~30cm に達し たら15~18cm 目のネットを張り、草丈に応じて上げ、倒伏を防止する。 2 フリージアの植え付けと管理 11月から12月に出荷する冷蔵促成栽培の植え付け時期は、9月下旬から10月 上旬である。品種にもよるが、植え付け時に平均気温20℃以上の条件では、花下が りなどの高温障害が発生する割合が高くなるので、定植時の花芽分化ステージとハウ ス内温度(地温)に十分留意して定植時期を決定する。植え付け前に遮光とかん水を 行い定植ほ場の地温を下げておくとともに、植え付け後は十分にかん水し、換気を図 って涼しい環境で管理する。なお、主要品種の「アラジン」など草勢の強い品種にみ られる茎葉の徒長は、モザイク病の罹病が少ないことが予想される場合、定植直前の 剪葉処理(15㎝以上伸びた新葉を10㎝程度残す)により軽減できる。 3月から4月に出荷する普通栽培作型の植え付けは、木子などの小球では今月下 旬、成球では10月中旬頃が定植時期となる。定植の際には冷蔵促成栽培と同様に温 度管理に留意する。植え付け後7~10日程度で本葉の展葉が始まるので、曇天日を 選んで遮光資材を除去する。 3 スプレーぎくの開花調節 8月第6半旬以降は自然日長が13時間以下になり、秋ぎくタイプの品種にとって 限界日長以下の日長時間となる。秋ぎくタイプのスプレーギク(風車ぎくを除く)を 用いた今月中旬から下旬収穫目標のシェ-ド栽培では、シェ-ド終了時期を今月上旬 とする。11月上旬から下旬収穫目標の電照栽培では、電照打ち切り時期をそれぞれ 今月上旬~下旬とする。

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4 ばらの管理 ばら栽培は、夜温18℃前後が適温とされており、今月中旬が加温開始の目安とな る。夜温が低くなると、赤色系品種のブラックニング、黄色系品種の赤色化等の花色 異常、ブラインド枝や奇形花の発生、到花日数の増加など切り花品質の低下及び収量 の減少が懸念される。保温・加温にあたっては、ハウスの密閉性及び暖房機器の点検 ・補修を行うとともに、循環扇の利用や温風ダクトの適正配置による温度ムラの防止 に努める。 ばら養液栽培の周年生産において、秋冬期の生産性を高めるには適切な温度と肥培 管理、施設内への光線透過量の向上等の栽培条件に留意する。特に、アーチング栽培 では、同化専用枝の確保、株元の摘葉や弱小枝の折り曲げによるナックル部分(収穫 用瘤)の受光改善に努める。さらに、短茎多収技術として改良アーチング栽培法(特 許技術)があり、本県では9月上旬から収穫枝を小葉5枚葉1節残して切り上げるこ とで、高い増収効果が認められている。なお、本栽培法は、切り上げ開始時に太く充 実した母枝を選ぶことが重要であり、切り花ボリュームは通常のアーチング栽培より も小さくなる。 5 アルストロメリアの管理 気温低下に伴い生育が旺盛になってくるため、葉色や草勢をみながら追肥を行う。 追肥は液肥を主体とし、窒素成分量で10a当たり2kg 前後を目安に施用する。未開 花茎(葉芽)については、繁茂している場合は適宜折り取り、開花茎の抽出を促す。 また、株元まで光が入るように細茎や曲がり茎も間引くが、一度に多量に間引きを行 うと草勢が低下するため、2~3週間毎に株当たり3~5本を目安に行う。 6 花壇苗の育苗、鉢上げ、出荷 パンジーやビオラ、ストック、葉ぼたんは育苗から鉢上げの時期で、早いものでは 出荷となる。この時期は、高温による根の腐敗を防止するため、培養土の排水性等の 特性に応じたかん水を心がける。生育量を確保するため、若苗定植を徹底し、過度な 遮光にならないように管理する。鉢上げ活着後は、換気を徹底し、葉が触れ合う前に 適宜鉢ずらしを行い、軟弱徒長を防止する。 ビオラやストックは9月下旬から出荷が始まるが、事前に出荷先と調整して市場性 の高い色組で出荷する。 7 病害虫防除の徹底 白さび病(きく)、花腐菌核病(りんどう)、うどんこ病(ばら)、灰色かび病(ト ルコぎきょう他)は秋冷とともに発生が多くなる。また、例年発生が見られるコナガ (ストック)、ヨトウムシ(トルコぎきょう、デルフィニウム)、アブラムシ、ハダ ニ、オンシツコナジラミ(施設品目)、近年発生が多いオオタバコガ(きく、りんど う、ダリア等)などの害虫に注意し、診断や発生予察に基づいた適正防除を徹底する。 8 台風対策 (1)露地品目 ア 露地ぎくやりんどう等では防風ネットや倒伏防止ネット、支柱等の点検、補強を 行い、強風による茎葉の損傷を防ぐ。

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9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。 イ 大雨による浸水や停滞水がすみやかに排水されるよう、明きょや暗きょ、排水路 の点検・補修を行う。浸水した場合にはポンプによる強制排水を含め、直ちに排水 対策を実施する。 ウ 乾燥した風(フェーン)が強い場合は、かん水により茎葉の損傷等の被害軽減を 図る。 エ 茎葉に傷が発生すると病害が発生しやすくなるので、病害の発生に注意し、防除 基準に従って防除する。 (2)施設品目 ア 大雨による施設内への浸水を防ぐため、施設周辺の排水溝等の点検を行う。 イ 防風施設や支柱、アンカー等の点検を行い、損傷箇所や連結ジョイントの弛み等 がある場合はすみやかに補修を行う。アンカー等を設置していない施設では、強風 によるパイプや支柱の浮き上がりを防止するため、必ず設置する。 ウ 強風による被害を防ぐためハウスの天窓や側窓などの点検を実施し、マイカー線 の締め直し、支持材の点検、被覆資材の破損部の補修等を行う。また、フェーン現 象による気温上昇で天窓等が自動開放しないよう手動運転に切り替え、天候に応じ て開閉管理する。 エ ハウス被覆資材が破損した場合は、風等の状況を見ながらすみやかに補修して、 内部の作物の管理が十分に行える状態にする。 オ 被覆資材の破損等により、茎葉の損傷など作物への被害が発生した場合は、被害 株の抜き取りや茎葉を摘除するとともに、液肥の茎葉散布や追肥等により草勢回復 に努める。また、病害の発生に注意し防除基準に従って適性に防除する。 カ 大きな被害が発生した場合には、暖房機等の施設装備を考慮して速やかに代替作 物を検討し、作付けの準備を行う。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で5年目を迎え ます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の注意 を払いましょう。

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Ⅶ 畜 産 暑熱による家畜への影響は、真夏よりも朝夕の気温が下がる9月に多く現れる傾向に あることから、暑熱対策を継続する。生産性の低下や各種疾病の発生が懸念されるため、 家畜の管理、観察を毎日十分に行う。 今月中旬から水稲の収穫時期に入るが、耕種農家との連携を図り、稲わらの計画的な 収集・確保に努める。また、生産された堆肥は耕種農家等へ供給し有効利用を図る。 1 家畜の「夏バテ」防止対策 (1)家畜の暑熱対策として、引き続き畜舎内の換気、送風を適切に行い、家畜が新鮮 で冷たい水を十分に飲めるように注意する。 (2)牛では、消化が良く嗜好性の高い飼料を組み合わせ、適切な栄養バランスの飼料 給与を行う。特に、TDN、ビタミン、ミネラルが不足しないよう注意する。定期 的なビタミン剤の投与や、ルーメン機能を正常に保ち採食量を増加させるため、重 曹等の添加、粗飼料の切断長を通常より短くした給与も効果的である。 (3)個体観察は分娩前後の家畜を中心に念入りに行い、食欲の低下等の異常が認めら れた場合は、直ちに獣医師の診断を受ける。 2 良質サイレージの収穫・調製 (1)良質なとうもろこしサイレージを調製するには、ほ場内で子実の熟度を確認し、 黄熟期の適期収穫に努める。収穫時の切断長は10mm程度とする。二次発酵防止 のためには、ビニールの中仕切りやプロピオン酸の添加等の対策を講じる。なお、 縦型サイロの場合は詰め込み開始時に、ブロアーにより十分に換気する等、細心の 注意を払い、酸欠事故を防止する。 (2)稲発酵粗飼料用イネの収穫は、もみの消化性と脱粒性を考慮してTDN含量が最 大となる黄熟期(出穂後30日)が適期である。調製作業において、密封を高める ためベールラッパーによるラッピングは3回巻き(6重巻き)以上を行い、可能で あれば両面粘着タイプのストレッチフィルムの使用が望ましい。 運搬時の損傷や保管時の野鼠およびカラスによるフィルム破損にも十分注意し、 破損した場合は直ちに補修する。 3 牧草の適期更新 草地更新を行う際は、播種時期が遅れないよう注意する。平坦部では9月上旬を目 処に播種作業を行う。更新後にギシギシ等の強害雑草が確認された場合は、早期に除 草する。 4 放牧場の管理 下牧を控えたこの時期は、気象条件や放牧頭数により草量の不足が予想される場合 があるので、草地の状況をよく確認し、下牧日程を調整する。草量の不足や貯蔵飼料 の給与が困難な場合は、関係機関、団体等と調整のうえ下牧日程を検討する。 5 稲わらの収集確保 稲わらは貴重な粗飼料であることから、耕種農家との連携を図り、良質な稲わらの 確保に努める。

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9月の農作業における留意点 ◆節電及び計画停電対策 「農林水産業における節電及び計画停電に対応した技術対策」(農業総合情報 サイト「あぐりん」(http://agrin.jp/)を参照し、節電及び計画停電に対応した技 術対策の徹底を図る。 ◆農作業事故防止 収穫作業等に係る農作業事故が増加してくるので、十分な休憩を取るとともに、 余裕を持って計画的な作業を行い、事故防止に努める。 わらの乾燥が不十分で長期保存が難しいと想定される場合は、水分が高いままのラ ップサイレージ調製による有効利用を図る。 なお、手法の詳細や不明な点は最寄りの総合支庁農業技術普及課で確認する。 6 環境保全対策 (1)畜舎、堆肥舎、堆肥化処理施設及び周辺環境の点検と整備は継続し、生産された 堆肥は耕種農家等へ供給し有効利用を図る。 (2)暑さが和らぐとハエの発生が再び多くなるので、発生源対策、幼虫対策及び成虫 対策を併せて行う。 ※残留農薬のポジティブリスト制度が平成18年にスタートし、今年で5年目を迎え ます。農薬を使用する際は、使用基準を守り、農薬の飛散を防止するなど細心の注意 を払いましょう。

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