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中央学術研究所紀要 第36号 134深田伊佐夫「仏事におけるシキミの役割に関する考察」

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Academic year: 2021

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仏 事 に お け る シ キ ミ の 役 割 に 関 す る 考 察

緒 言 1 . シ キ ミ の 基 本 属 性 1 ­ 1 シ キ ミ の 基 本 属 性 1 ­ 2 化 学 成 分 の 特 徴 1 ­ 3 国 内 主 要 産 地 の 概 要 2 . 事 例 調 査 結 果 2 ­ 1 事 例 調 査 の 概 要 2 ­ 2 真 言 宗 系 教 団 の 儀 式 儀 礼 2 ­ 3 日 蓮 正 宗 の 仏 前 荘 厳 2 ­ 4 そ の 他 の 仏 前 荘 厳 2 ­ 5 葬 儀 の 場 面 で の 役 割 3 . 考 察 3 ­ 1 考 察 の 視 点 3 ­ 2 経 典 に み ら れ る 教 説 か ら の 考 察 3 ­ 3 シ キ ミ の 植 物 特 性 か ら の 考 察 4 . 総 括 ・ 今 後 の 研 究 課 題 5 . 謝 辞 6 . 注 釈 7 . 参 考 文 献 ・ 引 用 文 献

深 田 伊 佐 夫

シ キ ミ ( 格 ) は 、 さ ま ざ ま な 仏 事 の 場 面 で 用 い ら れ る シ キ ミ 科 の 常 緑 樹 で あ る 。 シ キ ミ と 仏 事 場 面 の か か わ り は 身 近 な 生 活 面 で も 、 い く つ も の 例 に 接 す る こ と が で き る 。 例 え ば 仏 前 荘 厳 の 場 面 に お い て は 、 真 言 宗 の 寺 院 で は 読 経 な ど の 開 始 に 際 し て シ キ ミ の 葉 を 六 器 の 水 に 浸 し て 仏 を 供 養 す る 儀 式 が 執 り 行 わ れ て い る 。 日 蓮 正 宗 で は 、 寺 院 の 本 尊 や 家 庭 の 仏 壇 の 荘 厳 に 青 々 と し た シ キ ミ の 葉 を 供 えて い る 。 浄 土 真 宗 の 仏 前 に も シ キ ミ と 花 を 併 用 して 供 えて い る 。 葬 儀 の 場 面 に 目 を 移 せ ば 、 西 日 本 の 多 く の 地 域 で は 葬 儀 の 際 の 枕 飾 り ・ 祭 壇 装 飾 ・ 外 飾 り に シ キ ミ の 葉 が 用 い ら れ て い る ( 冠 婚 葬 祭 新 聞 社 134

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 ほ か け 9 7 5 ) 。 さ ら に 宗 派 や 地 域 に 関 わ らず、 寺 院 の 境 内 地 や 墓 地 の 各 所 に も シ キ ミ が 植 栽 さ れて お り 、 曹 洞 宗 H P の 「 年 中 行 事 ・ 彼 岸 の 項 」 に は 、 墓 参 の し き た り と し て 「 春 秋 の お 彼 岸 に は 墓 前 に シ キ ミ を 供 え て お 参 り す る 」 こ と が 紹 介 さ れて い る 。 ま た 、 経 典 に も シ キ ミ に 関 す る 教 説 が み ら れ る 。 例 え ば 妙 法 蓮 華 経 方 便 品 第 2 に は 「 栴 檀 及 沈 水 木 棺 井 除 材 ( 栴 檀 及 び 沈 水 木 蜜 並 に 余 の 材)」(『大正新脩大蔵経』第9巻法華部・P.008c)をもって仏を供養する こ と に よ っ て 得 ら れ る 、 精 神 的 な 功 徳 が 説 か れ て い る 。 こ の よ う に シ キ ミ が 多 く の 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る 背 景 に は 、 シ キ ミ が 芳 香 性 ・ 防 腐 作 用 ・ 防 虫 作 用 を も つ 常 緑 樹 で あ る ( 上 原 ; 1 9 9 8 ) と い う 植 物 特 性 と 、 シ キ ミ を 仏 前 に 供 え る こ と が 宗 教 儀 式 に お け る 香 供 養 の ひ と つ に な る ( 円 文 舎 に 0 0 5 ) こ と や 、 豊 か な 生 命 力 を あ ら わ す 常 緑 樹 で あ り 本 尊 を 荘 厳 す る の に 相 応 し い ( 日 蓮 正 宗 布 教 研 修 会 ; 1 9 7 5 ) と い う 、 宗 教 的 な 意 義 と 結 び っ い た 可 能 性 な ど 多 く の 要 素 が 存 在 し て い る と 考えられる。 そ こ で 本 論 文 で は 、 シ キ ミ が キ ク な ど の 仏 花 と 並 ん で 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る よ う に な っ た 事 由 、 役 割 に つ い て 明 ら か に す る た め 、 ① シ キ ミ の 植 物 特 性 ② 仏 事 に 用 い ら れ て い る 場 面 の 事 例 ③ 経 典 ・ 教 理 に み ら れ る シ キ ミ に 関 す る 文 証 な ど を 把 握 し 、 そ れ ら に よ り 得 ら れ た 事 柄 を 整 理 して 考 察 を 試 み た い と 考 え る 。 な お 本 論 文 は 、 緒 言 に 続 き 第 1 章 で は シ キ ミ の 基 本 属 性 と し て 植 物 特 性 を 中 心 に 述 べ 、 第 2 章 で は 仏 事 で の 用 い ら れ 方 の 事 例 に つ い て 触 れ 、 第 3 章 で は シ キ ミ の 基 本 属 性 と 仏 事 で の 事 例 を ふ ま え て 、 本 論 文 の 趣 旨 で あ る シ キ ミ が キ ク な ど の 仏 花 と 並 ん で 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る よ う に な っ た 経 緯 と 事 由 に つ い て 考 察 し 、 第 4 章 で は 全 体 の 総 括 と 今 後 の 研 究 課 題 の 順 で 構 成 さ れて い る 。 シ キ ミ の 基 本 属 性 ト 1 シ キ ミ の 基 本 属 性 シキミ(mciuml・c、ligiosumSieb.etZucc.)は、シキミ科シキミ属の常 緑 小 高 木 で あ り 、 国 内 で は 関 東 以 西 の 本 州 中 南 部 ・ 四 国 ・ 中 国 ・ 九 州 ・ 沖 縄 地 方 に 、 国 外 で は 朝 鮮 ・ 中 国 南 部 ・ 台 湾 に 分 布 し て い る 。 ま た 、 自 然 植 生 の 北 限 と さ れ る 関 東 以 北 の 地 域 で も 、 コ メ ノ キ ( 青 森 県 ハ 戸 地 方 ) 、 アオキ(山形県)などシキミの方言名が存在する(ハ坂書房編:2001) こ と か ら 、 条 件 に よ っ て は 東 北 地 方 に も 分 布 し て い る と 考 え ら れ る 。 成 木 に 生 長 し た 場 合 の 樹 高 は お お む ね 3 m か ら 1 0 m 、 胸 高 直 径 ( 根 元 か ら1.2mの直径)が0.3m程度に達する。4月から5月にかけて乳白色の 135

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中央ly!術研究所紀要第36号 花 を つ け 、 9 月 に は ハ 角 形 の 果 実 を 結 ぶ 。 葉 は 長 楕 円 形 で あ り 、 葉 や 茎 を折ると芳香成分シキミ酸の香気を発する(上原;1998、岡本;1968)。 (写真­1を参照) 後に詳述するが、果実にアニサチン(allisatin)という有毒成分も含ま れ て お り 、 摂 取 量 に よ っ て は ヒ ト が 死 に 至 る 場 合 も あ る た め 、 有 毒 植 物 お よ び 植 物 と して は 唯 一 の 劇 物 に 指 定 さ れ て い る 。 花 を つ け る こ と や 香 気 を 発 し 仏 事 に も 用 い ら れ る こ と か ら 、 ハ ナノ キ ( 花 の 木 ) ・ コ ウノ キ ( 香 の 木 ) ・ ブ ツ ゼ ン ソ ウ ( 仏 前 草 ) の 別 名 も も つ 。 ま た 、 シ キ ミ の 名 前 の 由 来 は 果 実 が 有 毒 で あ る こ と か ら 、 「 悪 し き 実 」 と 呼 ば れて い た の が 転 じ て 「 し き 実 ( シ キ ミ ) 」 に な っ た と の 説 も あ る ( 岡 本;1968)。 し か し 、 毒 物 ・ 劇 物 に 指 定 さ れ て い る 半 面 、 多 く の 有 用 な 用 途 も 持 ち 合 わ せ て お り 樹 皮 が 抹 香 ( 線 香 ) 、 果 実 か ら は 香 水 、 枝 葉 は 仏 前 花 、 材 は 念 珠 や 寄 木 細 工 、 傘 の 柄 、 鉛 筆 な ど の 材 料 と して 活 用 さ れて い る ( 岡 本 ; 1968、堀田ら;1989)。学名の中に宗教(IJ(ぅ1igion)を冠した語句が含まれ て い る こ と や 、 上 述 の 用 途 に み る 抹 香 ( 線 香 ) ・ 仏 前 花 ・ 念 珠 に 用 い ら れ て い る こ と か ら も 宗 教 、 特 に 仏 教 と は 深 い 所 縁 が あ る 樹 木 で あ る 可 能 性 が 高 い と 考 え ら れ る 。 写 真 ­ 1 シ キ ミ の 枝 葉 薬 王 寺 墓 地 ( 東 京 都 青 梅 市 ) に て 筆 者 撮影 ト 2 化 学 成 分 の 特 徴 シ キ ミ に 含 ま れ る 化 学 成 分 の う ち 、 特 徴 の あ る も の は 植 物 体 の う ち 大 半が果実に含まれる有毒成分のアニサチン(allisatin)、と植物体の全体に 存在する芳香成分のシキミ酸である(植松;2000)。ここで、それぞれの 136

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 成分の概要について触れておくことにする。まず、アニサチン(arlisatin) の化学式は(: 5睡008であり、痙 性の神経毒をもつ(長倉ら;2001)。マ ウ ス の 検 体 に よ る 腹 腔 注 射 実 験 で は 、 体 重 工 k が こ 対 して 1 m g で 強 い 痙 草 を 発 症 し た デ ー タ が 報 告 さ れて い る 。 こ の た め 、 同 科 ・ 同 属 の 植 物 で あ り 果 実 の 形 状 が 類 似 し た ス タ ーア ニ ス ( 中 華 食 材 の 八 角 ) と 誤 認 さ れ た こ と が 原 因 の 死 亡 事 故 や 、 シ イ の 果 実 ( シ イ の 実 ) と の 誤 認 に よ る 集 団 食 中 毒 事 故 の 発 生 が 報 告 さ れ て い る (植松;2000)。 次に芳香成分であるシキミ酸は、化学式C、Hlo05の環状ヒドロキ酸で、 芳 香 族 化 合 物 の 生 合 成 の 重 要 な 中 間 体 で あ る 。 そ の 名 の 通 り シ キ ミ の 果 実 か ら 発 見 さ れ た が 、 ほ と ん ど の 植 物 成 分 に 含 ま れ て い る ( 大 木 ら ; 四鏡、志田;1995)。この芳香成分は、シキミが香剤として活用される根 拠 と な って い る 。 ト 3 国 内 主 要 産 地 の 概 要 生 花 市 場 に お い て は 、 シ キ ミ や サ カ キ な ど 神 前 ・ 仏 前 に 供 え る 常 緑 樹 の こ と を 「 切 り 枝 」 ま た は 「 神 仏 枝 物 類 」 と 称 し て い る 。 神 道 で 用 い る サ カ キ ( 地 方 に よ り 亜 種 の ヒ サ カ キ ) 、 真 言 宗 が 用 い る コ ウ ヤ マ キ 、 正 月 飾 り や 荒 神 の 神 棚 に 供 え る マ ツ の 枝 も こ れ に 含 ま れ る 。 次 に 、 シ キ ミ の 国 内 主 要 産 地 の 概 要 と 生 産 ・ 出 荷 量 を 把 握 す る た め 、 農 林 水 産 省 の 統 計 資 料 の 閲 覧 と 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 結 果 を 述 べ る 。 統 計 資 料 は 、 農 林 水 産 省 関 東 農 政 局 静 岡 農 政 事 務 所 発 行 の 「 ふ に ・ 農 林 水 産統計・情報センターだより2005年8月号(以下統計1と略す)」と農林 水 産 省 発 行 の 「 平 成 1 8 年 産 花 弁 の 作 付 ( 収 穫 ) 面 積 及 び 出 荷 量 ( 以 下 統 計2と略す)」に拠った。まず「統計1」によれば、2004年度の全国のシ キ ミ を 中 心 と し た 「 切 り 枝 」 生 産 量 は 2 億 5 干 8 3 0 万 本 あ り 、 生 産 量 の 多 い地域は静岡県(16%)・ 城県(13%)・和歌山県(12%)・熊本県(6%) (フ)順であった。(表­1参照) 次 に 「 統 計 2 」 で は 、 シ キ ミ 単 独 の 統 計 は 掲 載 さ れ て は い な い が 、 サ カ キ な ど を 含 む 「 切 り 枝 」 の 統 計 資 料 が 記 載 さ れ て お り 、 作 付 面 積 と 出 荷 量 の 多 い 県 は 静 岡 県 ・ 和 歌 山 県 ・ 城 県 ・ 熊 本 県 ・ 愛 媛 県 ・ 高 知 県 ・ 熊 本 県 な どの 各 県 で あ っ た 。 ( 表 ­ 2 参 照 ) 2 つ の 農 林 統 計 に 示 さ れ た 結 果 と 、 都 道 府 県 単 位 の 表 記 に 若 干 の 差 異 が あ る が 、 主 要 産 地 と 考 え ら れ る 県 に つ い て は 概 ね 同 様 の 数 値 を 示 し て い る こ と が 読 み 取 れ る 。 さ ら に 統 計 の 内 容 を 確 認 す る 意 味 で 、 東 京 都 世 田 谷 区 内 の 生 花 業 者 2 社 か ら 聞 き 取 り を 実 施 し た と こ ろ 、 国 内 の シ キ ミ 主 要 生 産 地 は 、 城 県 。 137

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中央学術研究所紀要第36号 静 岡 県 ・ 和 歌 山 県 ・ 高 知 県 な ど の 各 県 で あ り 、 東 京 を り コ 心 と し た 東 日 本 地 方 で は 城 県 と 静 岡 県 か ら の 入 荷 が 主 流 で あ る こ と と 、 消 費 者 の 多 く が 創 価 学 会 会 員 で 占 め ら れて い る こ と が 判 明 し た 。 以 上 の 結 果 か ら 、 国 内 主 要 産 地 で 出 荷 量 の 多 い 県 は 静 岡 県 ・ 和 歌 山 県 ・ 城 県 ・ 高 知 県 ・ 熊 本 県 の 各 県 で あ り 、 こ れ ら の 国 内 主 要 生 産 地 は 、 シ キ ミ が 自 然 植 生 と し て 分 布 し て い る 、 関 東 以 西 の 本 州 中 南 部 ・ 四 国 ・ 中国・九州・沖縄地方(上原;1998、岡本;1968)とほぼ一致していると 考 え ら れ る 。 従 来 は 、 こ れ ら の シ キ ミ の 主 要 出 i 荷 地 で は 山 野 に 自 生 して い た も の を 採 取 し て 出 荷 し て い た が 、 需 要 の 増 加 と 林 業 の 、 副 業 経 営 に よ る 収 益 改 善 策 の 一 環 と し て 、 女 性 や 高 齢 者 で も 取 り 組 み が 可 能 な シ キ ミ栽培が導入されてきた(長井ら;2001)。また「統計2」によれば、シ キ ミ 主 要 生 産 地 の ひ と つ で あ る 静 岡 県 富 士 市 ・ 富 士 宮 市 に お い て 、 本 格 的にシキミ栽培が開始されたのは1970年代からであるといわれている。 写 真 ­ 2 シ キ ミ の 栽 培 風 景 神 奈 川 県 農 業 技 術 セ ン タ ー 企 画 調 整 部 提 供 138

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表 ­ 2 表­12004年度 合 仏 事 に お け る シ キ ミ の 役 割 に 関 す る 考 察 県別切り枝(シキミ)出荷量割 順 位 県名 割合(%) 本数(:万本) 1 静岡県 16 4,132.8 2 城県 13 3,357.9 3 和 歌 山 県 12 3,099.6 4

熊本県

6 1,549.8 5 千 葉 県 4 1,033.2 6 埼玉県 3 774.9 6 愛媛県 3 774.9 6 福岡県 3 774.9 6

奈良県

3 774.9 7 そ の 他 37 9,557.1 合計 100 25,830.0 ( 農 林 水 産 省 関 東 農 政 局 沼 津 統 計 ・ 情 報 セ ン タ ー : ふ じ ・ 農 林 水 産 統 計 贋 報 セ ン タ ー だ よ り2005年8月号:農林水産省関東農政局静岡 農政事務所:pp.4より転写・加工) 2006年度主な都道府県別切り枝の栽培農家数、作付け面積及び出荷量(出荷量順位) 順位 都道府県名 栽培農家数(戸) 作付面積(a) 出荷量(千本) 施設栽培(千本) 1 静岡県 2,130 46,900 37,700 4,350 2 和歌山県 1,970 53,200 29,000 1,990 3 城県 223 33,700 28,500 3,340 4 熊本県 226 8,950 12,700 1,620 5 愛媛県 749 24,300 10,400 57 6 奈良県 454 10,900 7,510 7 高知県 992 22,400 7,370 1,160 8 兵庫県 265 8,800 7,140 9 徳島県 672 13,600 6,850 78 1 0 福岡県 265 5,130 6,820 2,120 1 1 埼玉県 430 10,900 6,620 176 1 2 千葉県 408 11,300 9,300 18 1 3 福島県 286 15,600 6,470 25 1 4 長野県 817 8,500 6,030 56 1 5 群馬県 283 13,500 5,870 43 1 6 東京都 83 5,940 5,750 3,860 1 7 宮崎県 371 18,000 5,150 全国累計 15,600 402,000 245,900 20,800 (農林水産省大臣官房統計部(2007):平成18年産花斉の作付り|又穫)面積及び出荷量:農林水産 省 : p p . 1 9 よ り 転 写 ・ 加 工 。 ) 注 ) 空 欄 は 数 量 不 明 の た め 記 載 な し 139

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中央学術研究所紀要第36号 2 . 事 例 調 査 結 果 2 ­ 1 事 例 調 査 の 概 要 仏 事 の 場 面 で は 、 多 く の 教 団 が 仏 前 荘 厳 や 儀 式 儀 礼 な ど に シ キ ミ を 用 い て い る 。 ま た 、 墓 前 や 葬 儀 の 供 花 や 装 飾 に も シ キ ミ を 用 い る 習 俗 が あ る(長滞;2001、新谷2003)。 そ こ で 、 こ れ ら の 詳 細 を 把 握 し 、 事 例 調 査 の 内 容 を 確 定 す る 目 的 で 、 ① 仏 教 各 宗 派 の 仏 前 荘 厳 と 、 ② 墓 前 や 葬 儀 の 供 花 や 装 飾 に つ い て 調 査 し た 。 調 査 に 際 し 、 ① に つ いて は 、 新 井 ら ( 1 9 9 6 ) 、 日 蓮 正 宗 布 教 研 究 会 (1975)、野々村(1987)を、②については、冠婚葬祭新聞社(1975)、長 滞(2001)、新谷(2003)を参考にした。その結果、仏前荘厳や儀式儀礼 で は 真 言 宗 系 教 団 ・ 浄 土 真 宗 ・ 日 蓮 正 宗 を は じ め 、 地 域 に よ っ て は 宗 派 に 関 わ り な く シ キ ミ が 用 い ら れ て い る こ と と 、 墓 前 の 供 花 や 葬 儀 の 供 花 ・ 装 飾 で は 、 西 日 本 地 方 を 中 心 に 広 く 全 国 各 地 で 用 い ら れ て い る こ と が判明しか。 こ の よ う に 、 こ れ ら の こ と を ふ ま え 、 事 例 と し て 取 り あ げ る 事 柄 を 検 討 し た 結 果 、 仏 前 荘 厳 や 儀 式 儀 礼 の 面 で は 、 真 言 宗 系 教 団 と 日 蓮 正 宗 の 2 教 団 が 、 シ キ ミ の 使 用 を 教 義 的 に 意 味 づ け る と と も に 、 儀 式 の 重 要 な 所 作 と して 位 置 づ け て い る こ と か ら 、 「 真 言 宗 系 教 団 の 儀 式 儀 礼 」 、 「 日 蓮 正 宗 の 仏 前 荘 厳 」 に 関 す る 意 義 と 内 容 を 調 査 す る こ と に し た 。 ま た 、 墓 前 の 供 花 や 真 言 宗 系 教 団 と 日 蓮 正 宗 以 外 の 宗 派 の 仏 前 荘 厳 に 関 し て は 「 そ の 他 の 仏 前 荘 厳 」 、 葬 儀 の 装 飾 や 供 花 に つ い て は 「 葬 儀 の 場 面 で の 役 割 」 と し て そ れ ぞ れ 分 類 し 、 全 国 的 に 仏 事 場 面 で シ キ ミ が 使 用 さ れ て い る 傾 向 を 把 握 す る 意 味 で 調 査 し た 。 な お 、 事 例 調 査 実 施 の ヨ 尹 順 は 最 初 に 文 献 調 査 に よ り 仏 事 の 場 面 に お け る シ キ ミ の 用 い ら れ 方 を 把 握 し 、 次 に 文 献 調 査 を 裏 付 け る 目 的 で 関 連 す る 寺 院 ・ 葬 祭 業 者 ・ 生 花 業 者 か ら の 聞 き 取 り 調 査 を 実 施 し た 。 2 ­ 2 真 言 宗 系 教 団 の 儀 式 儀 礼 真 言 宗 系 教 団 で は 、 読 経 ・ 法 要 の 前 に 独 特 の 法 具 を 用 い た 4 種 の 修 法 が執り行われている(小野;1980)。その4種の修法のうち、3番目に当 た る 本 尊 を 供 養 す る た め の 修 法 で は 、 六 器 ・ 火 舎 ・ 花 瓶 ・ 飲 食 器 を 用 い て 仏 に 供 物 を 捧 げ る 。 修 法 は 、 水 を 張 っ た 六 器 ( 6 つ の 真 諭 製 の 水 器 ) にシキミの葉を浮かべる([月文舎;2005]。この儀式にシキミの葉を用い る 意 味 は 、 ① 仏 の 供 養 形 態 の ひ と っ で あ る 香 供 養 と し て 、 ② シ キ ミ の 葉 の 香 り を 塗 香 に 相 当 す る と 解 釈 し て い る こ と 、 ② シ キ ミ の 葉 の 形 が 仏 の 教 えを 象 徴 す る 青 蓮 華 に ニ 相 似 して い る こ と 、 四 季 を 通 して シ キ ミ の 葉 が 採取可能であることの3点である(新井ら;1996)。また、法会の荘厳に 140

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 シ キ ミ の 小 枝 や 房 花 を 盛 り 付 け る 場 合 も あ る 。 次 に 、 上 述 の 六 器 の 儀 式 の 実 際 に つ い て 、 高 野 山 真 言 宗 國 圓 山 観 音 寺 ( 横 浜 市 都 筑 区 ) の 伊 藤 義 夫 住 職 よ り 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 結 果 を 述 べ る 。 そ れ に よ る と 、 読 経 や 法 事 に 際 し 本 尊 前 の 須 弥 壇 ( 大 壇 ) 上 に 配 置 さ れ た 六 器 に 水 を 張 り 、 そ の う ち 左 右 の 端 に あ る 2 つ の 水 器 に は シ キ ミ の 葉 を 5 枚 、 そ の 他 の 4 つ の 水 器 に は シ キ ミ の 葉 を 1 枚 ず つ 、 計 1 4 枚 を 浮 か べ る 。 そ し て 、 左 右 の 端 の 水 器 の シ キ ミ の 葉 の う ち そ れ ぞ れ 4 枚 、 計 8 枚 を 取 り 出 し て 須 弥 壇 の 中 央 に 並 べ る 。 こ の 段 階 で 、 6 つ の 水 器 に は 1 枚 ず つ の シ キ ミ の 葉 が 浮 か べ ら れ 、 の こ り 8 枚 が 壇 上 に 備 え ら れ る ことになる。 な お 、 須 弥 壇 ( 大 壇 ) に 登 座 し 儀 式 を 執 行 す る こ と の で き る 僧 侶 は 導 師 と 年 功 者 に 限 ら れ て お り 、 そ の 他 の 僧 侶 は 下 座 に 座 す と い う 。 こ の 儀 式 の 持 つ 意 味 合 い は 、 仏 前 に 水 ・ 花 ・ 香 を 捧 げ る こ と に よ り 、 仏 を 歓 喜 さ せ る こ と に あ る と い う 。 最 近 で は シ キ ミ の 生 葉 に 変 わ り 、 木 製 や 樹 脂 製 の レ プ リ カ も あ り 、 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 観 音 寺 で も こ れ を 用 い て い た。(写真­3・4を参照) 写 真 ­ 3 須 弥 壇 の 六 器 に 盛 ら れ た シ キ ミ 観 音 寺 本 堂 ( 横 浜 市 都 筑 区 ) に て 筆 者 撮 影 写 真 ­ 4 シ キ ミ の 木 製 レプ リ カ 観 音 寺 本 堂 ( 横 浜 市 都 筑 区 ) に て 筆 者 撮 影 141

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中央亡y!術研究所紀要第36号 2 ­ 3 日 蓮 正 宗 の 仏 前 荘 厳 日 蓮 正 宗 は 、 静 岡 県 富 士 宮 市 の 大 石 寺 を 総 本 山 と す る 日 蓮 宗 系 の 教 団 で、 正 応 3 ( 1 2 9 0 ) 年 に 日 蓮 の 高 弟 ( 六 老 僧 ) の 一 人 で あ る 日 興 が 開 宗 した宗派である(宮崎;1978)。 日 蓮 宗 系 教 団 の 中 で 、 唯 一 日 蓮 正 宗 で は 宗 派 の 教 学 面 で の 裏 づ け の も と に 、 寺 院 の 御 宝 前 ( 仏 前 ) や 家 庭 の 仏 壇 の 闘 伽 ( 水 ) と 供 花 に シ キ ミ の 葉 を 用 い て い る 。 闘 伽 で は 、 毎 朝 み 初 め の 清 水 を 勤 行 の 前 に 供 え 、 水 に は シ キ ミ 一 葉 の 先 端 部 分 ( 葉 の 3 分 の 1 程 度 ) を 入 れ る ( 日 蓮 正 宗 宗務院;2007)。供花では、シキミの葉を束ねたものを花瓶に供える。 供 花 を 行 う 根 拠 と し て 、 同 宗 の 信 徒 向 け 教 学 書 「 続 ・ 日 蓮 正 宗 の 行 事 (日蓮正宗布教研修会;1975)」では、「法華経方便品第2には『栴檀及沈 水 木 棺 井 除 材 ( 栴 檀 及 び 沈 水 木 蜜 並 に 余 の 材 ) 』 を も っ て 御 宝 前 を 荘 厳 す る こ と が 説 か れ て い ま す。 色 花 は あ で や か で 美 し く 見 え ま す が 、 咲 い た と 思 う と や が て し お れ て し ま い ま す。 こ れ は 仏 法 か ら 見 れ ば 、 無 常 な る こ と を 示 し て い ま す。 し た が っ て 、 無 常 を 示 す 色 花 は 、 末 法 万 年 の 衆 生 を 救 護 あ そ ば さ れ る 唯 一 絶 対 の 御 本 仏 へ お 供 え す る に は ふ さ わ し く あ り ま せ ん 。 常 住 不 滅 、 尊 極 無 常 の 御 本 尊 の 御 宝 前 を 荘 厳 す る 華 は 、 や は り 常 住 に し て 清 浄 無 垢 を あ ら わ す 華 で な け れ ば な り ま せ ん 。 檎 は 豊 か な 生 命 力 を あ ら わ す 常 緑 樹 で あ り 、 し か も マ ツ ・ ス ギ ・ サ カ キ な ど と は 違 っ て 、 特 有 の 香 気 を 持 つ 日 本 唯 一 の 香 木 で あ り ま す。 そ の 香 気 は 邪 気 を 払 い 、 不 浄 を 清 浄 な ら し め る 力 が あ る の で、 本 宗 で は 棺 を 尊 ぶ の で す 」 と 、 シ キ ミ が 本 仏 を 荘 厳 す る の に 相 応 し い 植 物 で あ る こ と を 宗 門 の 本 尊 観 か ら 定 義 付 け て い る 。 日 蓮 正 宗 で は 釈 尊 の 入 滅 後 2 5 0 0 年 を 経 過 し 、 そ の 教 え が 廃 れて 混 迷 し た 世 情 が 万 年 続 く と さ れ る 時 代 を 末 法 時 代 と 位 置 づ け て い る 。 そ の 末 法 時 代 に 顕 れ る 仏 は 、 妙 法 蓮 華 経 如 来 寿 量 品 に 教 示 さ れ た 永 遠 の 生 命 を も つ 本 仏 で あ る ロ 蓮 大 聖 人 ( 日 蓮 正 宗 宗 務 院 に 9 7 3 ) と して い る こ と か ら 、 そ の 永 遠 の 本 仏 を 荘 厳 す る に は 「 無 常 」 を 表 す 色 花 は 相 応 し く な い も の と して 捉 えて い る も の と み ら れ る 。 ま た 、 日 蓮 正 宗 の 信 徒 団 体 で あ っ た が エ 9 9 2 年 に 宗 門 か ら 独 立 し た 創 価 学 会 で も 、 儀 式 儀 礼 や 御 宝 前 の 荘 厳 は 日 蓮 正 宗 の 形 態 を 踏 襲 し て い る 。 こ の た め 、 現 在 も 全 国 の 創 価 学 会 文 化 会 館 の 御 宝 前 と 家 庭 の 仏 壇 の 荘 厳 、 葬 儀 の 装 飾 に シ キ ミ を 用 いて い る 。 2 ­ 4 そ の 他 の 仏 前 荘 厳 そ の 他 の 仏 前 荘 厳 と し て 見 受 け ら れ る も の と し て は 、 西 日 本 地 方 を 中 心 に 墓 前 の 供 花 と し て シ キ ミ を 用 い る 習 俗 が あ る こ と が 報 告 さ れ て い る 142

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 (長滞;2001、飯倉2003)。そのため、宗派の差異に関わらず、寺院の境内 や 墓 地 に は 、 し ば し ば シ キ ミ が 植 栽 さ れて い る 。 ( 写 真 ­ 5 を 参 照 ) 植 栽 は 、 個 人 の 墓 地 区 画 の 中 に さ れ る 場 合 と 、 墓 地 内 の 共 有 の 場 所 に さ れ る 場 合 が あ り 、 シ キ ミ 単 独 も し く は 生 花 と 併 用 し て 墓 前 に 供 え ら れ ている。 写 真 ­ 5 墓 地 に 植 栽 さ れ た シ キ ミ 薬 王 寺 墓 地 ( 東 京 都 青 梅 市 ) に て 筆 者 撮 影 こ の こ と と も 関 連 し て 曹 洞 宗 で は 、 特 に 教 義 上 の 根 拠 は も た な い が 、 「 お 彼 岸 の 前 日 に は 、 仏 壇 の お 掃 除 は も ち ろ ん 、 仏 具 な ど も き れ い に して、 お 花 も か え ま す。 花 は 植 ( し き み ) ( 香 の 花 ) が ふ つ う で 、 ま た 季 節 の 新 し い 花 を さ して あ げ れ ば 、 一 層 よ い こ と で す。 」 と 記 述 さ れて い る ( 曹 洞 宗HPr年中行事・彼岸)の項http://www.sot(:)zen­netJr.jp/)。 ま た 、 寺 院 の 仏 前 荘 厳 と し て 、 上 述 の 真 言 宗 系 教 団 と 日 蓮 正 宗 以 外 の 伝 統 仏 教 教 団 で あ る 、 天 台 宗 と 浄 土 真 宗 の 供 花 な ど の 事 例 も あ る の で 述 べておく。 ま ず、 天 台 宗 で は 筆 者 が 2 0 0 7 年 7 月 に 訪 問 し た 、 天 台 宗 総 本 山 比 叡 山 延 暦 寺 横 川 に あ る 宗 門 の 法 器 ( 僧 侶 ) 養 成 の 道 場 で あ る 行 院 の 本 堂 、 講 堂 の 仏 前 の 供 花 に は 、 色 花 は 用 い ず シ キ ミ の み が 供 え ら れ て い る こ と が 確 認 で き た 。 シ キ ミ を 供 花 に す る 理 由 は 、 古 く か ら シ キ ミ を 仏 花 と し て 用 い て き た か ら で あ る と い い 、 行 院 敷 地 内 に は 自 然 植 生 の シ キ ミ に 加 え て 、 修 行 僧 ら が 植 栽 し た シ キ ミ が 栽 培 さ れ て い た 。 浄 土 真 宗 で は 寺 院 本 堂 内 陣 や 家 庭 の 仏 壇 の 上 部 の 飾 り 壇 に あ た る 上 卓 の 花 瓶 に 、 腐 敗 を 防 ぎ 香 り を 与 え る 効 果 が あ る こ と か ら シ キ ミ を 、 下 段の前卓に荘厳用の色花を活ける(野々村;1987)ことが知られている。 ま た 、 日 蓮 宗 の 一 部 と 、 い く つ か の 地 域 で は 仏 前 の 荘 厳 に シ キ ミ を 用 143

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中央学術研究所紀要第36号 い る 事 例 も あ る 。 例 え ば 、 筆 者 が 1 9 8 1 年 6 月 か ら 9 月 に か け て、 修 学 と 調 査 研 究 の た め 山 梨 県 南 巨 摩 郡 鰍 沢 町 の 立 正 佼 成 会 鰍 沢 教 会 に 滞 在 し た 際 に 、 山 梨 県 鰍 沢 町 ・ 身 延 町 ・ 南 部 町 と 、 隣 接 す る 静 岡 県 富 士 宮 市 ・ 富 士 市 で は 、 日 蓮 正 宗 以 外 の 宗 派 で あ る 日 蓮 宗 ・ 臨 済 宗 ・ 立 正 佼 成 会 な ど の 信 徒 宅 の 一 部 で も 、 仏 前 に シ キ ミ 単 独 も し く は 生 花 と シ キ ミ を 併 用 し て供える風習があることを確認している(深田;1981)。 2 ­ 5 葬 儀 の 場 面 で の 役 割 葬 儀 の 場 面 で も シ キ ミ が 用 い ら れて い る 。 そ の こ と を 俯 瞰 す る 目 的 で、 東 京 都 杉 並 区 の 葬 祭 業 者 で あ る 、 東 洋 博 善 株 式 会 社 か ら 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 。 そ れ に よ る と 、 東 京 地 方 を は じ め と し た 東 日 本 各 地 の 一 般 的 な 葬 儀 で は 、 日 蓮 正 宗 や 創 価 学 会 の 儀 式 儀 礼 に よ る 葬 儀 以 外 の 祭 壇 装 飾 な ど は 、 キ ク の 花 を 中 心 と し た 生 花 が 一 般 的 な 形 態 と な っ て い る 。 し か し 、 西 日 本 地 域 で は 、 シ キ ミ と キ ク の 併 用 、 シ キ ミ が 主 体 の 地 域 が 多 く み ら れ る と い う こ と で あ っ た 。 た だ し 、 近 年 で は 全 国 的 に 東 京 や 東 日 本 で み ら れ る よ う な 、 キ ク を 主 体 と し た 祭 壇 装 飾 が 大 都 市 を 中 心 に 普 及 し つ つ あ り 、 地 域 や 宗 派 に よ る 装 飾 形 態 の 差 異 が な く な る 傾 向 も 出 て き て い る ということであった。 この聞き取り調査結果を確認する意味で、冠婚葬祭新聞社(1975)よ り 把 握 し た と こ ろ 、 次 の よ う な 状 況 の あ る こ と が 判 明 し た 。 葬 儀 の 場 面 で シ キ ミ の 葉 を 用 い る 府 県 は 、 三 重 県 ・ 和 歌 山 県 ・ 滋 賀 県 ・ 京 都 府 ・ 大 阪 府 ・ 奈 良 県 ・ 兵 庫 県 ・ 徳 島 県 ・ 香 川 県 ・ 愛 媛 県 ・ 高 知 県 の 1 1 府 県 で あ っ た 。 こ の う ち 、 徳 島 県 で は 高 さ 数 m の シ キ ミ の 枝 葉 を 束 ね た も の を 葬 儀 会 場 の 外 飾 り に 、 さ ら に 葬 儀 会 場 内 部 で は 生 花 の 花 寵 と 併 用 し て 、 高 さ 2 m ほ ど の シ キ ミ の 寵 盛 り を 飾 り つ け る 特 徴 的 な 慣 わ し が あ る こ と も確認できた。 先 年 、 ラ ジ オ で 聞 い た 上 方 漫 才 に 「 し か し あ ん た も 底 な し の あ ほ や な あ 。 シ キ ミ の 葉 あ も っ て き た ろ か あ ( お 前 も 、 本 当 に ば か だ な 。 『 死 んで も い い よ 』 と い っ た 意 味 ) 」 「 ひ ど い わ あ 。 縁 起 で も な い こ と い わ ん と い て え や あ 」 と い う よ う な 台 詞 が あ っ た 。 こ の 台 詞 か ら も 、 西 日 本 で は 一 般 的 に 葬 儀 の 場 面 で シ キ ミ が 用 い ら れ て い る こ と が 推 測 で き る 。 ( 写 真 ­ 6を参照) なお、飯倉(2006)によれば、人間が死亡した直後の枕飾りに際して、 地 域 と 宗 派 の 差 異 に 関 わ ら ず 「 一 本 シ キ ミ ( シ キ ミ の 一 輪 差 し ) 」 を 死 者 の 枕 元 の 花 瓶 に 供 え る 風 習 が み ら れ る と い う 。 各 府 県 の 葬 儀 場 面 で の 、 一 般 的 な シ キ ミ の 用 い ら れ 方 に つ い て 総 覧 す れ ば 表 3 の よ う に な る 。 144

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考 3   1 M 仏 事 に お け る シ キ ミ の 役 割 に 関 す る 考 察 表 3 葬 儀 場 面 で の シ キ ミ の 用 い ら れ 方 府県名 枕飾り 祭壇装飾 外飾り 備考 三 重 県 ○ △ 和歌山県 ○ △ △ 御坊・日高地域などにシキミの産地あり 滋賀県 ○ △ 京都府 ○ △ ○ 外 飾 り は シ キ ミ が 一 般 的 大阪府 ○ △ △ 奈良県 ○ △ △ 兵庫県 ○ △ 大 都 市 で は あ ま り 用 い な い 徳島県 ○ ○ ○ 外 飾 り に シ キ ミ の 大 枝 の 束 を 用 い る 香川県 ○ △ △ 宗 派 や 地 域 に よ り 差 異 あ り 愛媛県 ○ △ △ 高知県 ○ △ △ 室戸市・南国市などにシキミの産地あり (冠婚葬祭新聞社(1975)・藤井(1980)・長湯(2001)・和歌山県農林部HP・東洋博善㈱か ら の 聞 き 取 り 調 査 に よ り 筆 者 作 成 。 ) 記 号 ) ○ = 用 い る △ = 地 域 ま た は 儀 式 の 一 部 に 用 い る = 用 い な い 注 ) 図 表 は 一 般 的 な 傾 向 に つ い て 示 し た も の で あ り 、 同 一 府 県 内 で も 地 域 間 差 異 が あ る 。 写真­6葬儀会場のシキミ供花株式会社水芳園(愛知県一宮市)提供 察 考 察 の 視 点 事 例 調 査 に よ る 、 仏 事 で の シ キ ミ の 用 い ら れ 方 を 整 理 す れ ば 、 ① 真 言 宗 系 教 団 の 儀 式 儀 礼 で は 「 仏 前 へ の 香 供 養 」 、 ② 日 蓮 正 宗 で は 「 経 典 の 文 言 に 基 づ く 仏 前 荘 厳 」 、 ② 各 地 の 習 俗 で は 「 墓 前 の 供 花 」 、 ④ 葬 儀 場 面 で は 「 枕 飾 り や 祭 壇 装 飾 」 で あ っ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、 ① と ② の 事 例 は 「 香 供 養 」 の 概 念 や 「 経 文 の 文 言 」 にみられるように、経典の教説に依拠しノミこ性格をもつことが考えられる。 145

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中央学術研究所紀要第36号 ま た 、 ② と ④ の 事 例 で は 実 際 の 仏 事 の し き た り や 習 俗 の 場 面 で シ キ ミ が 用 い ら れ て お り 、 シ キ ミ が 墓 前 や 葬 儀 の 供 花 に 相 応 し い 性 質 を も つ こ と に 理 由 が あ る も の と 考 える 。 と り わ け、 1 ­ 2 で 述 べ た よ う な 毒 性 と 芳 香 性 という特徴ある植物j手刳生は、有力な理由のひとつとして位置づけられる と考えた。 そ こ で 、 以 上 の よ う な 事 例 調 査 の 結 果 を ふ ま え て 考 察 の 視 点 を 、 ① 経 典 に み ら れ る 教 説 、 ② シ キ ミ の 植 物 特 性 の 2 つ を 対 象 に 、 シ キ ミ が キ ク な ど の 仏 花 と 並 ん で 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る よ う に な っ た 理 由 、 役 割 に つ いて 考 察 す る こ と に し た い 。 3 ­ 2 経 典 に み ら れ る 教 説 か ら の 考 察 こ こ で の 考 察 は 、 第 1 段 階 と し て 経 典 の 経 文 に シ キ ミ ( 棺 ・ 棺 ) の 文 言 が 現 れ て い る 例 を 抽 出 す る 目 的 で 、 仏 教 経 典 に 登 場 す る 植 物 と 関 連 す る経典を網羅的に収録した資料として知られる、満久(1978)、和久(1979) と、仏教学研譜の標準的資料として広く用いられている、塚本ら(1967) の 3 つ の 資 料 ・ か ら シ キ ミ に 関 す る 記 述 と 経 典 か ら の 出 典 箇 所 を 検 索 し た。 第 2 段 階 で は 、 第 1 段 階 で 検 索 し た 経 典 か ら の 出 典 箇 所 を 基 に 、 「 大 正 新 脩 大 蔵 経 索 引 第 2 巻 」 に よ り 該 当 す る 経 典 の 経 文 を 確 認 し た 。 そ の 結 果 、 経 文 に シ キ ミ ( 棺 ) の 文 言 の あ る 経 典 は 、 ① 「 大 乗 悲 分 陀 利 経 第 3 」 (『大正新脩大蔵経』第3巻本縁部上・PJ52b)、②「出曜経第9」(『大正 新脩大蔵経』第4巻本縁部下・p.657c)および③「妙法蓮華経方便品第2」 (『大正新脩大蔵経』第9巻づ去華部・P.008c)の3つの経典であることが 明 ら か に な っ た 。 さ ら に 、 ① か ら ③ の 経 文 を 『 大 正 新 脩 大 蔵 経 』 の 該 当 部 分 か ら 確 認 し た と こ ろ 、 い ず れ の 教 説 の 内 容 も シ キ ミ を は じ め と し た 、 さ ま ざ ま な 種 類 の 香 や 香 木 に よ り 仏 を 供 養 す る 有 様 と 、 そ の 功 徳 に つ い て説かれていた。 こ れ ら の 経 典 を 比 較 し た 結 果 、 今 回 の 考 察 で は ③ の 「 妙 法 蓮 華 経 方 便 品 第 2 」 を 文 証 と して 選 択 す る こ と に し た 。 文 証 と して 選 択 し た 理 由 は 、 3 つ の 経 典 の う ち 妙 法 蓮 華 経 は 後 期 の 大 乗 経 典 と し て 成 立 し た た め 、 仏 陀 の 教 説 を 束 ね た 一 連 の 経 典 群 を 総 合 す。 る 性 格 を 有 し て い る ( 安 藤 ; 1978、立正大学;1979)ことや、国内の多くの仏教宗派が所依の経典もし ( で は 読 誦 の 対 象 に して い る こ と か ら 、 一 般 的 に も 認 知 度 の 高 い 経 典 で あ る こ と が あ げら れ る 。 ま ず、 該 当 す る 経 典 の 経 文 は 妙 法 蓮 華 経 方 便 品 第 2 の 「 栴 檀 及 沈 水 木 棺 井 除 材 ( 栴 檀 及 び 沈 水 木 棺 並 に 余 の 材 ) 」 ( 『 大 正 新 脩 大 蔵 経 』 第 9 巻・法華部・p.008c)である。さまざまな香木を用いて、仏を供養するこ 146

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 と の 功 徳 を 教 説 し か 経 文 で あ る と さ れ る こ と か ら 、 経 文 に 示 さ れ た シ キ ミ の 役 割 に つ いて 検 討 し た い 。 しかし、経典に記されたシキミの解釈をめぐっては、中村ら(1989) に よ れ ば 、 シ キ ミ は 鑑 真 が イ ン ド よ り 日 本 に も た ら し た と の 説 を も つ 一 方、古田ら(1988)と大島ら(1993)に.Jこれば、インドではマツ科の植物 で あ る ヒ マ ラ ヤ ス ギ ま た は 、 イ ン ド ナ ガ ハ マ ツ ( 印 度 長 葉 松 ) の こ と を 意 味 して い る と い う 指 摘 も あ る 。 ( 写 真 ­ 7 を 参 照 ) 写 真 ­ フ ヒ マ ラ ヤ ス ギ の 成 木 東 京 都 世 田 谷 区 内 に て 筆 者 撮 影 そ こ で 、 こ の 相 違 と 経 典 に 示 さ れ た 教 説 を 確 認 す る た め 、 和 訳 の 経 典 に 示 さ れ た 木 挨 ( 棺 ・ シ キ ミ ) が 、 原 本 で は ど の よ う な 植 物 と し て 記 さ れ て い る か を 、 『 ケ ル ン ・ 南 条 本 』 の 該 当 箇 所 の 『 法 華 経 』 梵 本 の 原 文 と 照 合 し て み た 。 『 法 華 経 』 梵 本 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 『 法 華 経 』 梵 本 : ye(五Piaileukarontistapanyecandananamagurusyakecitl yedeílldiirusyal(arontist叩anydarus岬ghatarmyal抑cakう(2itll8㈲1) 翻 訳 : さ ら に ま た 、 あ る 人 々 は 、 も ろ も ろ の 山 岳 に お い て 、 ( ブ ッ ク の 遺 骨 が あ る ) 多 く の 塔 を っ く り 、 多 く の 栴 檀 や 沈 香 の ( 塔 を 造 り ) 、 ある人々は、松の種の木(deゝ・lldiiru)の多くの塔を造り、たくさ ん の 木 片 を 集 め た も の か ら な る ( 塔 を 造 る ) 。 1)H.KernandB.Nanjio:Sa涛//7a,7,1a/7叩々ar疏 ,召治/j゛7r/7゛c 良以d垣c X,SI.Pdtersbo11rg 1 9 0 8 ­ 1 2 [ ケ ル ン ・ 南 条 本 ] , p . 5 0 1 1 . 7 ­ 8 . 147

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中央学術研究所紀要第36号 そ の 結 果 、 『 ケル ン ・ 南 条 本 』 の 『 法 華 経 』 梵 本 で は 、 和 訳 の シ キ ミ に あたる部分がde、/aclaruとなっており、古田(1988)らと大島ら(1993) の 指 摘 す る マ ツ 科 の 植 物 で あ る 、 ヒ マ ラ ヤ ス ギ ま た は イ ン ド ナ ガ ハ マ ツ と い う 見 解 と 一 致 し て い た 。 し た が っ て 、 教 典 の こ の 部 分 は さ ま ざ ま な 香 木 や マ ツ を 用 い て 仏 塔 を つ く り 仏 の 供 養 を す る と い う 意 味 が 説 か れ て いることが判明した。 一 方 、 漢 訳 さ れ て わ が 国 に 伝 播 し て い る 経 典 を 大 正 新 脩 大 蔵 経 に よ り 確認すれば、梵語の原文に当たるcle、、/adaruの語訳は木棺(棺・シキミ) に 変 化 して い る 。 漢 訳 引 日 訳 ・ 出 所 は 以 下 の と お り で あ る 。 漢訳2): 諸 佛 滅 度 已 。 供 養 舎 利 者 。 起 萬 億 種 塔 。 金 銀 及 頗 梨 。 車 丿 馬 脳 。 攻 琉 琉 璃 珠 。 清 浄 廣 巌 飾 。 荘 校 於 諸 塔 。 或 有 起 石 。 或 有 起 石 。 栴 檀 及 沈 水 。 木 棺 井 除 材 。 駄 瓦 泥 土 等 。 若 於 礦 野 中 。 積 土 成 佛 。 乃 至 童 子 戯 。 聚 沙 協 佛 塔 。 如 是 諸 人 等 。 皆 已 成 佛 道 。 和訳: 諸 仏 滅 度 し 巳 っ て 舎 利 を 供 養 す る 者 萬 億 種 の 塔 を 起 て て 金 ・ 銀 及 び 頗 黎 と 車 課 と 偏 磯 攻 流 琉 ・ 瑠 璃 珠 と を も っ て 清 浄 に ご ん し ょ う し ょ う き ょ う し ゃ く み ょ う ぜ ん だ ん じ ん 広 く 厳 飾 し 諸 の 塔 を 荘 校 し 或 は 石 を 起 て 栴 檀 及 び 沈 水 木 棺 並 に 余 の 材 瓦 ・ 泥 土 等 を も っ て す る あ り 。 若 し は 服 野 の 中 に 於 て 土 を 積 ん で 仏 を 成 し 乃 至 童 子 の 戯 に 沙 を 聚 め て 仏 塔 と 為 る 是 の 如 き 諸 人 等 皆 巳 に 仏 道 を 成 じ き 。 こ の よ う に 、 経 典 が 漢 訳 ・ 和 訳 さ れ た 時 点 で は 「 檀 ( 檜 ・ シ キ ミ ) 」 の 文 字 が み ら れ る と 同 時 に 、 実 際 に わ が 国 の 多 く の 仏 事 の 場 面 で シ キ ミ が 用いられている。さらに萩原ら(1986)によれば、梵語の(levadaru の語頭の(levaは「神」を表わすことばであることから、d(、、zadaruは、「神 の ( マ ツ ) の 木 」 も し く は 「 神 な る ( マ ツ ) の 木 」 と い う 意 味 を も つ と いう。 ま た 、 経 典 に 示 さ れ た 教 説 は 、 「 仏 が 入 滅 し た 後 に 、 仏 を 供 養 す る 目 的 で 香 木 な ど を 用 いて 仏 塔 を 建 て た 者 は 、 そ れ が 契 機 と な っ て 仏 道 を 歩 み 、 仏 と 同 じ 境 地 ( 成 仏 ) に 達 す る こ と が で き る 」 と い う 意 味 を も っ て い る (小林;1963、庭野;1989)。 これらのことから、deぅvadaruが経典成立当時のインドで「仏塔を建て る 」 な ど の 宗 教 的 な 儀 式 儀 礼 に 関 与 して い た 可 i 定 性 も あ り 、 経 典 が 中 国 2)『大正新脩大蔵経』第9巻法華部・008c。 148

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 に 伝 播 し 漢 訳 さ れ た 過 程 で 、 何 ら か の 理 由 に よ り シ キ ミ に 置 き 換 え ら れ た が 、 「 神 の 木 」 丿 神 な る 木 」 と して の 役 割 が 認 識 さ れ た 上 で 、 わ が 国 の 仏 事 場 面 に も こ の こ と が 継 承 さ れ た と 考 え ら れ る 。 日 蓮 正 宗 の 事 例 で ふ れ た 「 常 住 不 滅 、 尊 極 無 常 の 御 本 尊 の 御 宝 前 を 荘 厳 す る 華 は 、 や は り 常 住 に し て 清 浄 無 垢 を あ ら わ す 華 で な け れ ば な ら な り ま せ ん 」 と い う 宗 教 的意義もcj(3、、adaruの果たしていた役割と関連している可能性もあると 考える。 3 ­ 3 シ キ ミ の 植 物 特 性 か ら の 考 察 シ キ ミ に は ア ニ サ チン と 、 シ キ ミ 酸 の 2 つ の 化 学 成 分 が 含 ま れて い る 。 ア ニ サ チ ン は 、 摂 取 量 に よ っ て は ヒ ト の 致 死 を 可 能 に す る 毒 性 を も ち 、 シ キ ミ 酸 は 芳 香 性 を 発 揮 し て い る 。 こ の 2 つ の 化 学 成 分 の は た ら き に よ り 形 成 さ れ た シ キ ミ の 植 物 寺 匪 は 、 仏 事 を 執 り 行 う 上 で 都 合 の よ い 条 件 を 備 え て い た こ と か ら 仏 事 と 結 び つ き 、 事 例 調 査 で み て き た よ う な 役 割 を 果 た し て き た 可 能 性 が 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 こ こ で は 2 つ の 化 学 成 分 を 含 有 す る シ キ ミ の 植 物 特 性 の ど の よ う な 部 分 が 、 仏 事 と の 結 び っ き を も っ た の か と い う 視 点 か ら 考 察 を 進 め た い 。 ま ず、 上 述 の よ う な シ キ ミ に 含 ま れ る 2 つ の 化 学 成 分 の も つ 植 物 特 性 は 、 古 来 多 く の 人 々 に 認 識 さ れ て き た も の と み ら れ る 。 例 え ば 、 嘉 永 3 (1850)年に刊行された、当時の風俗・行事・故事を扱った、朝川鼎(善 庵 ) の 「 善 庵 随 筆 」 の 一 文 に は 、 「 棺 の 香 気 は 豺 狼 等 こ れ を 忌 む が 故 に 墓 前 に 挿 し て 之 を 発 く の 患 を 防 ぐ に 起 因 す る な ら む 、 又 葉 を 乾 し 末 と め 、 抹 香 と 名 づ け、 香 火 に 用 う る も こ の 故 な り ( 長 洋 編 に 9 7 9 ) 」 と い う 記 述 が あ る 。 ま た 、 シ キ ミ は 毒 草 で 邪 悪 な も の を 退 け る と い わ れ て お り 、 死 者 を 邪 霊 か ら 守 る た め に 使 わ れ る ( 飯 倉 ; 2 0 0 3 ) こ と や、 シ キ ミ の 葉 や 樹 木 を 焚 き 込 む こ と で 死 臭 を 緩 和 す る ( 植 松 ; 2 0 0 0 ) と い う 習 俗 も 存 在 してきた。 こ れ ら の 記 述 か ら 、 シ キ ミ の も つ 「 毒 性 」 と 「 芳 香 性 」 と い う 植 物 特 性 は 、 ① 死 者 供 養 に お け る 邪 悪 な も の か ら の 保 護 、 ② 仏 事 に お け る 香 剤 ( 抹 香 ) と して の 活 用 な ど の 役 割 を 果 た して き た 可 能 性 が あ る も の と 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 こ れ ら の 2 つ の 可 能 性 を 踏 ま え た 上 で 考 察 を す す め た い。 ま ず、 死 者 供 養 の 場 面 に お け る 邪 悪 な も の か ら の 保 護 で あ る が 、 ヽ­ヽ­ し ー に は シ キ ミ の も つ 毒 性 と 芳 香 性 と い う 特 徴 の あ る 植 物 4 寺 性 が 、 死 者 ( 死 体 ) に 対 し て 起 こ り う る 何 ら か の 悪 影 響 を 、 防 止 す る は た ら き が あ る と い う 考 え 方 に 起 因 して い る と 思 わ れ る 。 こ の 死 者 ( 死 体 ) に 対 し て 起 こ り う る 何 ら か の 悪 影 響 の 内 容 は 、 邪 悪 149

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中央学術研究所紀要第36号 な 霊 ( 飯 倉 ; 2 0 0 3 ) の 憑 依 や 前 述 の 「 善 庵 随 筆 」 の 記 述 に も み ら れ る よ う な 、 オ オ カ ミ ( 狼 ) な ど の 野 生 の 害 獣 に よ る 死 体 の 撹 乱 ・ 食 用 が 考 え ら れ る 。 こ の う ち 、 邪 悪 な 霊 に つ い て は 不 可 視 で あ る と と も に 、 そ の 実 体 を 特 定 し 概 念 を 規 定 す る こ と は 困 難 で あ る が 、 現 在 の よ う な 近 代 的 な 死 体 保 存 方 法 や 、 完 全 火 葬 に よ る 埋 葬 が 確 立 し て い な い 土 葬 の 時 代 に お い て は 、 嗅 覚 の 優 れ た オ オ カ ミ ( 野 犬 や キ ツ ネ も 含 む ) や ガ ラ ス ( 堀 田 ら 1 9 8 9 ) な どの 害 獣 に よる 死 者 ( 死 体 ) の 撹 乱 や 食 用 は 、 深 刻 な 問 題 で あ っ た こ と が 推 測 で き る 。 そ こ で 、 死 体 の 近 く や 埋 葬 先 の 墓 地 に オ オ カ ミ な ど の 害 獣 が 感 知 す る よ う な 芳 香 を 発 し 、 有 毒 成 分 を 含 む シ キ ミ の 葉 を し つ ら え 、 あ る い は 香 剤 と し て 炊 き 込 む こ と で 死 臭 を 緩 和 し 、 害 獣 か ら の 防 除 を し て き た と 推 察 さ れ る 。 こ う し た 時 代 の 名 残 か ら 、 臨 終 の 枕 飾 り や 墓 前 に シ キ ミ を 供 え る 習 俗 が 受 け 継 が れて き た も の と 考 え ら れ る 。 次 に 、 仏 事 に お け る 香 剤 と し て の 活 用 に つ い て 考 察 し た い 。 従 来 、 宗 教 に と っ て 香 を 焚 く と い う 行 為 は 神 仏 や 死 者 の 慰 撫 ・ 祈 り の 象 徴 ・ 浄 化 と神聖化・神仏の送迎(小□ら;1989)などの意味合いがもたれてきた。 こ の た め 、 仏 教 で も 香 を 焚 く と い う こ と が 「 香 供 養 」 と し て 儀 式 の 重 要 な 部 分 を 占 めて き た 。 香 剤 は 、 仏 教 伝 来 と 同 時 期 に わ が 国 に も た ら さ れ 、 日 本 書 紀 に も 香 と 仏 教 と 香 の 密 接 な 関 係 を 示 す 記 録 が 見 ら れ る 。 そ の 記 録 は 、 仏 教 伝 来 と 同 時 期 の も の で あ り 、 「 推 古 天 皇 の 3 年 ( 5 9 5 ) 年 夏 4 月 、 沈 水 ( 香 ) 淡 路 島 に 漂 い け り 。 其 大 き 一 囲 、 島 人 沈 水 知 ら ず、 薪 に 交 て て 竃 に 焼 く 。 其 煙 気 遠 く 薫 る 。 則 異 な り と し て 献 ず る 。 ( 淡 路 島 に 漂 着 し た 一 抱 え も あ る 沈 香 の 大 木 を 、 島 民 が 香 木 と は 知 ら ず 薪 と 間 違 えて 焚 い た と こ ろ 、 芳 し い 香 が 漂 っ た た め 不 思 議 に 思 い 朝 廷 に 献 上 し た ) 」 と い う 内 容 で あ る(新谷ら;2003)。さらに、献上された香木で聖徳太子が観世音菩 像 を造立し、夢殿に勧請したとの伝承もある(新谷らに003)。 そ の 香 供 養 の た め の 身 近 な 香 剤 の ひ と っ と し て 、 寺 院 ・ 家 庭 を 問 わ ず 入 手 が 容 易 な シ キ ミ が 活 用 さ れ て き た 。 そ の 活 用 方 法 は 、 山 野 に 自 生 す る シ キ ミ の 葉 を 採 取 し 、 干 し て 乾 燥 し 石 臼 で い て 粉 末 に し て 香 に す る というものである(長滓;2000)。このような香剤の製法の基本は現在で も 同 じ で あ り 、 機 械 化 を と も な っ て は い る か 抹 香 や 線 香 も ほ ぼ 同 様 の 生 産 工 程 を 経 て 製 造 さ れて い る と い う ( 大 阪 市 天 王 寺 区 ・ 香 林 堂 調 べ ) 。 真 言 宗 系 教 団 の 事 例 で シ キ ミ を 用 い る こ と の 意 味 に 「 シ キ ミ の 葉 の 香 り を 塗 香 に 相 当 す る と 解 釈 し て い る 」 こ と は 、 香 剤 と し て の 役 割 を 端 的 に 表 し た も の と 理 解 で き る 。 ま た 、 シ キ ミ は 年 間 を 通 し て 採 取 可 能 で あ る こ と か ら 、 現 在 の よ う な 形 状 の 線 香 が 流 通 して い な い 時 期 に お いて は 。 150

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 身 近 な 香 剤 と し て 用 い ら れ て い た も の と 考 え ら れ る 。 こ の こ と も 、 真 言 宗 系 教 団 で シ キ ミ を 用 い る 理 由 の ひ と つ で あ る 、 「 四 季 を 通 して シ キ ミ の 葉 が 採 取 可 能 で あ る 」 こ と と も 整 ・ 急 性 を も ち 、 シ キ ミ が 身 近 な 香 剤 と し て の 役 割 を 果 た して き た こ と が 考 え ら れ る 。 以 上 の こ と よ り 、 シ キ ミ に 含 ま れ る ア ニ サ チ ン の 「 毒 性 」 と 、 シ キ ミ 酸の「芳香性」という植物jl141性は、死者供養における死者(死体)の保 護 と 、 仏 事 に お け る 香 供 養 の 2 つ の 場 面 で 役 割 を 果 た し て き た こ と が 考 えられる。 総 括 ・ 今 後 の 研 究 課 題 筆 者 は 、 こ れ ま で の 事 例 調 査 と 考 察 を 行 っ た 結 果 、 本 論 文 の 趣 旨 で あ る シ キ ミ が 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る よ う に な っ た 理 由 、 役 割 に つ い て 次 のように解釈した。 ま ず、 経 典 に み ら れ る 教 説 か ら の 考 察 で は 、 経 典 に み る シ キ ミ の 原 語 にあたるc1、ぅ、/adaruが「神の木」または「神なる木」であることからも理 解できるように、経典成立当時のインドにおいては(:1(、、zadaruが何らかの 宗 教 的 な 役 割 を 果 た し て い た 可 能 性 が あ る と 考 え ら れ る 。 同 時 に 、 シ キ ミ の も つ 植 物 特 性 か ら の 考 察 で は 、 そ の 植 物 特 性 で あ る 膏 吐 と 芳 香 性 が 、 死 者 ( 死 体 ) に 悪 影 響 を も た ら す 霊 的 次 元 で い う 邪 霊 や 現 実 的 な 害 獣 か ら の 保 護 と 、 香 剤 と し て の 薬 効 ま で の 、 幅 広 い 植 物 特 性 を 発 揮 して い る こ と も 理 解 で き た 。 ま た 、 今 回 取 り 上 げ た シ キ ミ を 用 い る 儀 式 儀 礼 を 執 行 し て い る 教 団 の 本 拠 地 ( 真 言 宗 = 和 歌 山 県 ・ [ ] 蓮 正 宗 = 静 岡 県 ) お よ び 葬 儀 の 場 面 で シ キ ミ を 用 い る 地 域 は 、 主 に シ キ ミ の 植 生 分 布 地 域 と 主 産 地 で あ る 、 関 東 以 西 の 本 州 中 南 部 ・ 四 国 ・ 中 国 ・ 九 州 ・ ( 沖 縄 地 方 ) と も ほ ぼ 一 致 して い る 。 こ の こ と は 、 自 ら の 儀 式 儀 礼 や 葬 儀 の 場 面 で シ キ ミ を 用 い る 上 で 、 比 較 的 容 易 に 採 取 で き る 環 境 条 件 が 整 っ て い た と い う こ と も 推 察 で き る。 こ れ ら の こ と よ り 、 シ キ ミ が 仏 事 の 場 面 に 用 い ら れ る よ う に な っ た 事 由、役割について考えた時、経典成立当時のd(、u(1aruの果たしていた宗 教 的 な 役 割 が 、 経 典 を 通 し て 伝 播 し 、 何 ら か の 理 由 で 身 近 な 植 物 で あ る シ キ ミ に 置 き 換 え ら れ た 後 に 、 そ の 植 物 特 性 が 宗 教 的 行 為 の 執 行 を す る 上 で 多 く の 有 計 | 生 を も つ こ と か ら 、 仏 事 と 深 い か か わ り 合 い を も つ よ う に な っ た の で は な い か と い う 解 釈 を す る に 至 っ た の で あ る 。 ま た 、 シ キ ミ を 用 い る こ と の 教 義 面 で の 裏 づ け を も つ 日 蓮 正 宗 や 、 そ こ か ら 独 立 し た 創 価 学 会 は 多 数 の 信 者 を 有 し 教 勢 も 活 発 な 教 団 で あ る こ と か ら 、 切 り 枝 市 場 と し て 捉 え た シ キ ミ の 多 く の 部 分 を 消 費 し て お り 。 151

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中央学術研究所紀要第36号 こ の こ と が シ キ ミ 栽 培 を 促 進 す る 要 因 に な っ て い る こ と も 特 記 す べ き こ とであろう。 最 後 に 、 今 後 の 研 究 課 題 に つ い て 2 点 述 べ る 。 第 1 は 、 考 察 に も ふ れ た経典の原本である『法華経』梵本の該当部分の(leぅヽ/adaruが、漢訳され た 時 点 で シ キ ミ に 置 き 換 え ら れ た 過 程 に つ い て の 検 討 で あ る 。 今 回 の 考 察では経典が成立した時期のインドでのclevadaruの宗教的な役割への 関 与 と 用 い ら れ 方 、 漢 訳 さ れ た 過 程 で そ れ が シ キ ミ に 置 き 換 え ら れ た 理 由 を 明 ら か に す る こ と は 不 可 能 で あ っ た 。 今 後 、 こ の こ と に つ い て 仏 典 に登場する植物(斎木;1997、和久;1979)、仏教でいう香供養の概念 (飯倉;2006)、わが国の古典文学にみるシキミと仏事の関係(大島ら; 1 9 9 3 ) と い う 観 点 か ら 、 今 回 の 経 典 の 文 証 に 用 い た 妙 法 蓮 華 経 以 外 の 経 典 を も 含 め て 比 較 検 討 し た い 。 第 2 は 、 シ キ ミ の 植 生 分 布 が み ら れ な い 関 東 地 方 以 外 の 東 日 本 ・ 北 日 本 各 地 で 、 仏 事 等 に シ キ ミ に 代 わ っ て 用 い ら れ る 植 物 の 有 無 に つ い て の 調 査 を 行 う こ と で あ る 。 こ れ は 、 シ キ ミ の 自 然 植 生 の 非 分 布 地 域 と さ れ る と こ ろ で 、 シ キ ミ 以 外 の 植 物 で 仏 事 や 香 剤 と し て 用 い ら れ る 植 物 に つ い て 調 査 し 、 東 西 の 地 域 間 の 差 異 に つ い て 検 討 す る 必 要 性 を 感 じ た か ら で あ る 。 以 上 の 課 題 に つ い て 、 順 次 研 究 を 進 め た い と 考 えて い る 。 5 。 謝 辞 本 論 文 を 作 成 す る に あ た り 、 東 京 農 業 大 学 名 誉 教 授 ・ 杉 浦 孝 蔵 先 生 か ら は 終 始 ご 指 導 い た だ き ま し た 。 明 星 大 学 理 工 学 部 准 教 授 り 畢 田 忠 信 先 生 か ら は 、 シ キ ミ の 化 学 成 分 に 関 す る ご 教 示 と 資 料 の 提 供 を い た だ き ま し た 。 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 社 会 基 盤 学 専 攻 研 究 員 ・ 三 阪 和 弘 先 生 か ら は 、 論 文 の 仕 上 げ の 方 [ 印 既 に つ い て ご 教 示 い た だ き ま し た 。 高 野 山 真 言 宗 國 圓 山 観 音 寺 ( 横 浜 市 都 築 区 ) 住 職 ・ 伊 藤 義 夫 先 生 か ら は 聞 き 取 り 調 査 と 仏 事 の 儀 式 儀 礼 に 関 す る ご 教 示 お よ び 実 地 指 導 を い た だ き ま し た 。 中 央 学 術 研 究 所 所 員 ・ 西 康 友 氏 に は 梵 語 経 典 の 翻 訳 と 解 説 を し て い た だ き ま し た 。 農 林 水 産 省 大 臣 官 房 統 計 部 、 東 洋 博 善 株 式 会 社 ( 東 京 都杉並区)・株式会社香林堂(大阪市天王寺区)、花政(東京都世田谷区)、 花 の ま す お ( 芽 E 京 都 世 田 谷 区 ) に は 、 聞 き 取 り 調 査 に ご 協 力 い た だ き ま し た 。 神 奈 川 県 農 業 技 術 セ ン タ ー 企 ㈲ 調 整 部 、 株 式 会 社 水 芳 園 ( 愛 知 県 一 宮 市 ) か ら は 、 写 真 の ご 提 供 を い た だ き ま し た 。 記 し て 、 厚 く 御 礼 申 し上げます。

注 釈 本 論 文 で の シ キ ミ の 表 記 は 、 全 般 的 に は 生 物 名 詞 の 表 記 法 で あ る カ タ 152

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仏事におけるシキミの役割に関する考察 カ ナ 書 き の シ キ ミ と し た が 、 経 典 お よ び 他 の 参 考 ・ 引 用 文 献 の 原 文 表 記 が 漢 字 書 き の 場 合 は 、 木 檜 ( 槐 ) ま た は 桧 を 用 い た 。 ま た 、 経 典 の 固 有 名 詞 お よ び 経 文 の 漢 字 は 、 原 文 ど お り 漢 字 の 旧 字 体 を 使 用 し た 。 7 . 参 考 文 献 ・ 引 用 文 献 新 井 弘 順 ・ 佐 藤 正 仲 ・ 添 野 智 譲 ( 1 9 9 6 ) 『 図 説 真 言 宗 の 法 式 基 礎 乾 之 巻』、斎々坊、pp.207∼214. 安藤俊雄(1978)『天台学根本思想とその展開』、平楽寺書店、Pp.76∼81. 円文舎(2005)『ひと目でわかる真言宗』、学習研究社、pp.22∼29. E.LEUMANN、C.CAPPELLER(1998):旅心大7釘r­£7VG/?/iS/7f)/C77C)/vi4沢y、 0XFORDUNlv.PRESS、p.500. 深 田 伊 佐 夫 ( 1 9 8 1 ) 『 立 正 佼 成 会 会 員 の 伝 統 仏 教 と の 関 わ り に 関 す る 報 告 書 』 、 立正佼成会学林、pp.1­100. 古 田 紹 欽 ・ 金 岡 秀 友 ・ 鎌 田 茂 雄 ・ 藤 井 正 雄 ( 1 9 8 8 ) 『 仏 教 大 事 典 』 、 小 学 館 、 p.376. H.Kem、andB.Nanjio:&zjj/7どμ772ど7/7a/7jど7パんα、召治だり治どca召ajど//7/cど7X、St.­ I)6tel・;bourg1908­12[ケルン・南条本]、P.50. 荻 原 雲 来 編 纂 ・ 鈴 木 学 術 財 団 編 ( 1 9 8 6 ) 『 漢 訳 対 照 梵 和 大 辞 典 新 装 版 』 、 講 談 社、p.608a。 堀 田 満 ・ 緒 方 健 ・ 新 田 あ や ・ 星 川 清 親 ・ 柳 宗 民 ・ 山 崎 耕 宇 ( 1 9 8 9 ) 『 世 界 有 用 植物事典』、平凡社、Pp.550∼551、1339。 飯倉春武(2006)『日本人のしきたり』、青春出版社、Pp.147∼150。 小林一郎(1963)『法華経大講座第3巻方便品』、日新出版、pp.309∼313. 冠婚葬祭新聞社(1975)『日本の葬儀』、式典新聞編集部、PP.382∼493. 宮崎英修(1978)『日蓮事典』、東京堂とLjl版、P.78. 満久崇麿(1978)『イム典の植物』、pp.27∼31、八坂書房。 長 井 映 雄 ・ 杉 浦 孝 蔵 ( 2 0 0 1 ) 『 和 歌 山 県 中 辺 路 町 に お け る シ キ ミ 生 産 の 現 状 と 展望』、第53回。 『日本林学会関東支部大会発表論文集』、日本林学会、pp.209∼212。 中村元(1986)『仏教植物散策』、東京書籍、pp.27∼30. 中 村 元 ・ 福 永 光 司 ・ m 村 芳 朗 ・ 今 野 達 ・ 末 木 文 美 士 ( 2 0 0 2 ) 『 仏 教 事 典 第 2 版』、p.419。 長洋規矩也編(1979)『影印日本随筆集成第10輯』、 古書院、pp.112∼113. 長洋武(2001)『植物民俗』、法政大学出版局、PP.35∼36、273∼283。 長 倉 三 郎 ・ 井 口 洋 夫 ・ 江 沢 洋 一 岩 村 秀 ・ 佐 藤 文 隆 ・ 久 保 亮 五 ( 2 0 0 1 ) 『 理 化 学 辞典第5版』、岩波書店、p.26. 日 蓮 正 宗 布 教 研 修 会 ( 1 9 7 5 ) 『 続 日 蓮 正 宗 の 行 事 』 、 日 蓮 正 宗 宗 務 院 教 学 部 。 153

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中 央 学 術 研 究 所 紀 要 第 3 6 号 pP.20∼21. 日蓮正宗宗務院(1999)『日蓮正宗要義改訂版』、日蓮正宗宗務院、PP.97∼ 119. 日蓮正宗宗務院(2007)『大日蓮N0.735平成19年5月号』、大日蓮出版、 pp.61­65. 庭野日敬(1989)r新釈法華三部経第2巻』、佼成出版社、13pJ45­347。 野 々 村 智 剣 ・ 仏 教 文 化 研 究 会 編 ( 1 9 8 7 ) 『 門 徒 も の 知 り 帳 ( 上 ) 』 、 法 蔵 館 、 Pp.38∼39. 農 林 水 産 省 大 臣 官 房 統 計 部 ( 2 0 0 7 ) 『 平 成 1 8 年 産 花 斉 の 作 付 け 面 積 及 び 出 荷 量』、農林水産省、P.19. 農 林 水 産 省 関 東 農 政 局 静 岡 農 政 事 務 所 沼 津 統 計 ・ 情 報 セ ン タ ー 富 士 庁 舎 (2005)『ふじ・農林水産統計・情報センターだより2005年8月号』、農林水 産 省 関 東 農 政 局 静 岡 農 政 事 務 所 、 p p . 1 ∼ 4 . 大 木 道 則 ・ 大 沢 利 昭 ・ 田 中 元 治 ・ 千 葉 英 昭 『 1 9 9 4 バ 化 学 辞 典 』 、 東 京 化 学 同 人 、 P.574. 大 島 建 彦 ・ 大 森 志 郎 ・ 後 藤 淑 ・ 斎 藤 正 二 ・ 村 武 精 一 ・ 吉 田 光 邦 ( 1 9 9 3 ) 『 日 本 を知る事典』、社会思想社、pp.844∼872. 岡本省吾(1966)『標準原色図鑑全集8樹木』、保育社、p.45。 小野清秀(1980)『真言禁制加持祈祷秘密の奥伝』、歴史図書社、pp.25∼28。 立正大学日蓮教学研究所編(1979)『[]蓮宗読本』、平楽寺書店、p.39。 斎木芳樹(1997)『仏教植物』、硯文社、Pp.124∼127。 志田正二(1995)『化学事典』、森北出版、pp.530。 新谷尚紀(2003)『「お葬式」の日本史』、青春出版社、pp.74∼76. 『 大 正 新 脩 大 蔵 経 第 3 巻 本 縁 部 上 』 、 p . 2 5 2 b 。 『大正新脩大蔵経第4巻本縁部下』、p.657c。 『大正新脩大蔵経第9巻法華部』、p.008c。 『大正新脩大蔵経索引第2巻本縁部』、p.185。 塚本善隆(1967)『望月仏教大辞典第2巻』、世界聖典刊行協会、p.1748。 上原敬二(1988)『樹木ハンドブック』、加島書店、p.122。 植松黎(2000)『毒草を食べてみた』、文芸春秋社、pp.44∼47. 和久博隆(1979)『仏教植物辞典』、図書刊行会、P.58. ハ坂書房編(2001)『日本植物方言集成』、ハ坂書房、pp.250∼251. 154

参照

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2.先行研究 シテイルに関しては、その後の研究に大きな影響を与えた金田一春彦1950

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