小児科 後期臨床研修プログラム
Ⅰ. 診療内容 一般外来では、小児の急性疾患の診療を、特殊外来では、神経疾患、アレルギー疾患、 心疾患、内分泌疾患、腎疾患、膠原病、発達異常など慢性疾患の医療を行っている。併 設の救命救急センターでは三次小児救急医療を行っている。入院患者は小児の common disease を中心とした急性期疾患と、集中治療を必要とする救命センターからの入院患者 であるが、一部腎疾患など慢性疾患患児も取り扱っている。同時に乳児健診、予防接種 など小児保健医療も行っている。 Ⅱ. 学会認定施設名 日本小児科学会、日本アレルギー学会 Ⅲ. 到達目標 一般小児疾患および救急小児疾患の特徴を理解し、適切な治療方針をたて、全人的な 小児の診療技術を習得する。同時に小児保健医療も習得する。 Ⅳ. 行動目標 1) 小児の各年齢における特殊性を考慮して面接および病歴の聴取ができる。 親からの病歴の聴取の取り方 急激に変化する症状を、経時的に的確に聴取できる。 既往歴の取り方:出生歴、発達歴、ワクチン歴、家族歴などを聴取できる。 2) 正しい手技により小児の診察ができ記載できる。 非協力的な児からの所見の取り方 年齢を考慮した所見の取り方 年齢別神経学的所見の取り方 3) 以下の疾患について経験し、疾患の診断、治療、予後の概略が述べられる。 新生児 ハイリスク児、新生児の蘇生法、新生児の成熟度評価法、低出生体重児の管理、血 糖の管理、呼吸管理、循環不全、ショックの循環管理、新生児黄疸、新生児感染症、 呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、分娩外傷、新生児仮死、新生児けいれん、新生 児貧血、母体の疾患、薬物による新生児の異常、新生児外科疾患。先天異常、染色体異常 先天異常のみかた、常染色体異常症(ダウン症など)、性染色体異常症(ターナ症候 群など) 先天代謝異常 新生児マス・スクリーニング、代謝異常症の診断の進め方、アミノ酸代謝異常症、 有機酸代謝異常症、高乳酸血症を呈する疾患、糖質代謝異常症 内分泌疾患 成長ホルモン分泌不全性低身長症、周期性ACTH・ADH分泌不全症、クレチン 症、バセドウ病、先天性副腎過形成、クッシング症候群、思春期早発症、半陰陽 代謝性疾患 糖尿病、低血糖症、アセトン血性嘔吐症、ミトコンドリア病 免疫異常、膠原病 免疫機能検査法、原発性免疫不全症、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデ ス、川崎病、アレルギー性紫斑病 アレルギー疾患 アレルギー性疾患の検査法、アレルギー性疾患の治療法・管理方法、気管支喘息、 アトピー性皮膚炎、アナフィラキシー、食物アレルギー、薬物アレルギー 感染症 感染症の診断法、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘・帯状疱疹、単純ヘルペス、 突発性発疹症、EBウイルス感染症、エンテロウイルス感染症、アデノウイルス感 染症、無菌性髄膜炎、インフルエンザ、化膿性髄膜炎、敗血症、ブドウ球菌感染症、 MRSA感染、溶連菌感染症、百日咳、結核、クラミジア感染症、マイコプラズマ 感染、腸管感染症、不明熱 呼吸器疾患 扁桃炎、仮性クループ、急性細気管支炎、喘息様気管支炎、肺炎、胸膜炎、気道異 物 消化器系疾患 胃腸炎(細菌性胃腸炎、ウイルス性胃腸炎、病原大腸菌感染)、肥厚性幽門狭窄症、 腸重積、虫垂炎、ウイルス性肝炎、B型肝炎母児感染予防、胆道閉鎖、臍ヘルニア、 ソケイヘルニア 循環器疾患 循環器疾患の診断法、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈幹開存症、大動脈縮 窄症、ファロー四徴症、川崎病の冠動脈変化、起立性調節傷害、不整脈
血液疾患 鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、血友病、血球貪食症候群 小児癌 小児癌の診断法、小児癌の治療法、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、神経芽細 胞腫、脳腫瘍、肝腫瘍、ウイルムス腫瘍 腎、泌尿器系疾患 腎、泌尿器系疾患の診断法、検尿法、嚢胞腎、水腎症、急性糸球体腎炎、ネフロー ゼ症候群、慢性糸球体腎炎(IgA腎症、紫斑病性腎炎など)、尿路感染症、膀胱尿 管逆流、腎不全、停留睾丸、包茎 神経・筋疾患 神経学的診断法、脳性まひ、熱性けいれん、軽症胃腸炎にともなうケイレン、てん かん、脳炎・脳症、筋ジストロフィー、ギランバレー症候群、ADEM、神経皮膚 症候群 精神、心理疾患 運動発達遅延の診断法、言語発達遅延、学習障害・多動症、神経性食思不振 事故 異物誤飲、誤嚥、溺水、SIDS、虐待、異状死のとりあつかい 4) 診断に必要な基本的検査を選択、実施し解釈ができる。 自ら実施できる項目 身体測定、検温、採血、採尿法、ツベルクリン反応、正しい手技で細菌培養・抗原 迅速検査検体を採取、吐物、便、穿刺液の性状および一般検査、髄液検査、血液ガ ス分析、検査のための鎮静法、検査の児への侵襲の理解、心電図検査、畜尿の指示、 ビリルビン簡易測定、血糖の簡易測定、新生児脳超音波断層検査、川崎病と代表的 心疾患の心超音波断層検査、腹部超音波断層検査、X線検査(胸部、腹部、CT) 検査の適応を適切に判断し、指示できる。 一般微生物学的検査、血清学的、免疫学的検査。内分泌学的検査(負荷試験等)腎 機能検査、骨髄検査、アレルゲン検索、血液凝固系、腫瘍マーカー、発達検査、脳 波、尿による代謝異常スクリーニング、薬物血中濃度、染色体検査、新生児マス・ スクリーニング、呼吸機能検査、MRI、MRA、腎シンチ検査、造影剤検査。 5) 診断をもとに、適切な治療計画を立て実施する、また以下の処置ができる。 指示書、処方録の作成が出来る。 薬剤(抗生剤、解熱剤、ステロイド、抗けいれん剤、アレルギー剤、気管支拡張 剤)の作用、副作用、年齢による投与量を理解し、処方できる。
輸液療法を理解し、治療出来る。 各年齢を通じで末梢静脈路を確保できる。 注射(静注、筋注、皮下、皮内)が正しく出来る。 輸血、血液製剤の種類、作用、副作用を理解し正しく治療出来る。 導尿、浣腸、高圧浣腸の適応を理解し、正しく出来る 吸入療法が正しく出来る。 栄養療法(経管栄養、離乳食、下痢時の栄養)が正しく出来る 胃洗浄、十二指腸ゾンデの挿入が正しく出来る 腸重積の空気整復が正しく出来る 肉芽の処置、そけいヘルニアの還納が正しく出来る 光線療法の適応を理解し、正しく出来る 蘇生術が正しく出来る 指導医の指導下に以下の処置が出来る 腹腔穿刺、胸腔穿刺、膀胱穿刺、経静脈栄養、新生児・乳児の呼吸管理(人工換気、 酸素吸入) 6) 患者とその家族へ病気の説明と指導、教育ができる。 7) 小児保健の一貫として乳児健康診断および予防接種ができる。 生後 5 日目の健診、生後1ヶ月健診、その他1歳までの乳児健診 母子手帳を理解し活用 予防接種 BCG、4 種混合、MR、Hib、肺炎球菌、ヒトパピローマウイルスワクチンなど の定期予防接種ができる。 インフルエンザ、水痘、流行性耳下腺炎、ロタワクチンなど任意接種ワクチン、B 型肝炎ワクチン 8) 小児医療に関連した制度、法律の理解 医療費公費負担制度、伝染病予防法など 9) 小児救急医療の対応ができる。 小児の感染症(肺炎、髄膜炎など炎症反応高値例への対応) 呼吸障害(気管支喘息、仮性クループ、異物誤嚥) 消化器疾患(急性胃腸炎、腸重積)と脱水症 けいれん性疾患、意識障害(熱性けいれん、脳炎・脳症) 異物誤飲、誤嚥、薬物中毒 小児のCPA
10)小児・育成医療を必要とする患者、家族に対し全人的に対応する 小児の各発達段階に応じて適切な医療を提供できる。 小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。 虐待について説明できる。 学校、家庭、職場環境を配慮し、地域との連携に参画できる。 11)症状、疾患への疑問に対し、必要な文献の検索が出来る。 12)経験した症例をまとめ、地方会、小児科学会などに発表できる。 Ⅴ. 大学の医局人事による卒業後3年目から3年間における研修施設への赴任状況 卒業後3年目から4年目の2年間の小児科後期研修後に、名古屋大学小児科に帰局し、 そこで約半年小児科研修する。その後は大学院進学志望者と、一般病院赴任希望者とに 別れる。大学院赴任希望者は、大学での研修後、6ヶ月〜1年一般病院に赴任し、その 後大学院に進学する。一般病院赴任希望者は1年〜3年を一般病院で引き続き研修し、 その後、小児科のサブスペシャリティーを研修できる施設に移動する。当院の様にNI CUが併設されていない施設で研修した場合、次の赴任施設は、NICUが併設されて いる一般病院となる。 Ⅵ. 専門医、認定医などの資格取得 2年間の卒後初期臨床研修を受け、その後日本小児科学会員となり、小児科臨床研修 を3年以上受けたものが、小児科学会が実施する筆記試験、症例要約評価、面接試験お よび審査に合格した場合、専門医として認定される。 Ⅶ. 週間スケジュール 月 火 水 木 金 朝 午前 1~2回/週 一般外来診察 2~3回/週 病棟回診 2~3回/週 新入院患者の診察処置 午後 ワクチン 外来 1ヶ月児 乳児健診 救急外来来院患者の診察、週 1 回慢性外来担当 夕方 カンファ レンス カンファ レンス 早朝勉強会