(1)絵 本
木を植えた男
ジャン・ジオノ/原作
フレデリック・バック/絵
寺岡襄/訳
あすなろ書房 1989
作者のジオノ氏は、1913年(第1次世界大戦
の前年)、南フランスの荒れ果てた大地を歩いて
いました。何日も歩くうち、初老の羊飼いにあい、
小屋に泊めてもらいます。その男は妻子を亡くしてから、山にこもりドングリを植えてきた
といいます。何年も何年も。山はよみがえり、不毛の地は豊かな土地に変わっていきました。
献身的に働く全ての人々に捧げられた作品で励まされる本です。
絵で読む広島の原爆
シリーズ
那須正幹/文 西村繁男/絵
福音館書店 1995
広島の原爆の本です。原爆の投下にいたった
歴史的背景などが、くわしく書かれています。
わかりやすい文章で、ふりがなもついているの
で、子どもも理解することができます。また、
広島に投下した原爆や、原爆搭載機エノラ・ゲ
イの図などもあるので、資料としても役立ちま
す。ほかに『絵で見る日本の歴史』もどうぞ。
(2)せいめいのれきし
バージニア・リー・バートン/文・え
いしいももこ/やく
岩波書店 1964
『ちいさいおうち』などで知られる、バージニア・
リー・バートンの本です。この本は生命の歴史につ
いて、太陽の誕生から現在に至るまで書かれていま
す。やさしい言葉とふりがなで、子どもたちが理解
しやすく書かれています。また、最後には「さあ、
このあとは、あなたがたのおはなしです」としめく
くられており、過去から現在まで生命がつながって
いることがわかるでしょう。
(3)読 み 物
大きな森の小さな家
シリーズ
ローラ・インガルス・ワイルダー/作
ガース・ウィリアムズ/画
恩地三保子/訳
福音館書店 1972
アメリカ開拓時代、北アメリカのウィスコンシン州の大きな
森の小さな家に、ローラという女の子と、その一家(父、母、姉、
赤ちゃん)が住んでいました。大自然の厳しさにさらされなが
らも、皆で力をあわせて知恵をしぼり、明るく楽しく生活して
いる一家の様子は、この本を読む人に生きる感動を与えてくれ
ます。
お江戸の百太郎
シリーズ
那須正幹/作
長野ヒデ子/画
岩崎書店 1986
江戸の岡引、大仏の千次の息子、百太郎が主人公です。毎日
寺子屋で勉強をしながら、おチカちゃんゆうかい事件、道をき
くゆうれい事件などの謎を、頭を働かせて次から次へと解き、
事件を解決していきます。江戸の暮らしも生きいきと伝わって
くる楽しい時代劇。続編も5冊あります。
(4)銀河鉄道の夜
宮沢賢治/作
岩波書店 1963
父は不在、母は病気の少年ジョバンニは、苦しい家計を支
えています。家のことで皆にからかわれ、孤独な日々を送る
ジョバンニ。祭りの夜、気がつくとジョバンニは銀河鉄道に
乗っていたのです。でも、その鉄道にはなぜか親友カムパネ
ルラも乗っていて……。美しい描写と少年の心に胸を打たれ
る宮沢賢治の代表作を収めた短編集です。
カッレくんの冒険
シリーズ
アストリッド・リンドグレーン/作 尾崎義/訳
岩波書店 1965
13歳の名探偵カッレくんは夏休みのある日、アンデスや
エーヴァ・ロッタと共に白バラ軍として赤バラ軍と戦うバラ
戦争を繰り広げていました。でもその最中に、エーヴァ・ロッ
タが本物の殺人事件の犯人を見かけたことで、大事件に巻き
込まれていきます。
平和で静かな街の中で、いきいきと活躍するカッレくんた
ちの姿に、子どもは惹き付けられます。『名探偵カッレくん』
『名探偵カッレとスパイ団』もどうぞ。
鬼の橋
シリーズ
伊藤遊/作 太田大八/画
福音館書店 1998
この本は作者が平安時代に実在した人物「小野篁(おののた
かむら)」の伝説を「今昔物語集」等からヒントを得て創作し
た物語です。京都鴨川にかかる橋を舞台に、少年の篁が、ふ
としたことから異母妹を死なせてしまい、傷つき悩みつつ再
び生きていく力を取り戻すまでの姿が、鬼の悲天丸の活躍と
ともにみごとに描かれています。本の好きな子にすすめたい
1冊です。平安朝シリーズ第2弾『えんの松原』もどうぞ。
(5)くらやみ城の冒険
シリーズ
マージェリー・シャープ/作
ガース・ウィリアムズ/絵 渡辺茂男/訳
岩波書店 1987
ネズミたちの「囚人友の会」は、さびしい時間を過ごしてい
る囚人の相手を務める会です。今回は、くらやみ城に捕えられ
ている詩人を助けることが決定します。そのため、ミス・ビア
ンカ、バーナード、ニルスの3匹は難攻不落の牢獄に向かいます。
まったく性格の違う3匹のねずみたちの冒険は、ハラハラド
キドキの連続です。この他にも、ビアンカの6つの冒険が本に
なっています。
クラバート
プロイスラー/作
ホルツィング/絵
中村浩三/訳
偕成社 1980
少年クラバートは、荒地の水車場の見習いになり、親方から
魔法を習います。親方からこき使われながらそれに耐え、少し
ずつ魔法を覚えていきます。3年後、クラバートが生死をかけ
て、自由とある少女の愛を勝ち得るために親方と対決する日が
やってきました。緊迫感あふれるスケールの大きなファンタ
ジーです。
くまのパディントン
シリーズ
マイケル・ボンド/作
ペギー・フォートナム/画
松岡享子/訳
福音館書店 1977
暗黒の地ペルーからやってきたくまの子、名前はパディント
ンです。なぜなら、パディントン駅でブラウンさん夫妻に発見
されたからです。パディントンの行くところ、どこでも珍妙な
事件が持ち上がりますが、それでもブラウンさん一家はじめ、
皆に愛されるパディントンの天然の愛くるしさは永遠です。シ
リーズ全10巻。
(6)グリーン・ノウの子どもたち
シリーズ
ルーシー・M・ボストン/作
ピーター・ボストン/絵 亀井俊介/訳
評論社 2008
母を亡くして孤独な7歳の少年トゥリーは、母方の大叔母
オールド・ノウ夫人の古い屋敷で過ごすことになりました。ふ
としたきっかけで300年も昔にこの家に住んでいた先祖の子ど
もたちと友達になり、トゥリーの心も少しずつ癒されていきま
す。シリーズ6巻。どれも深い味わいのある美しいファンタジー
です。1972年刊の改訂新版です。
宝島
スティーヴンスン/作
海保眞夫/訳
岩波書店 2000
ジムは、医者のリムジー先生などとともに1枚の古い地図
をたよりに宝島へと船で出発します。ところが信頼していた
コックが悪名高き海賊ジョン・シルバーと知ってから追いつ
追われつのスリルに満ちた冒険がはじまります。多くの抄訳
本が出版されていますが、謎ときの面白さもある原作に忠実
なこの完訳本でどうぞ。
クローディアの秘密
E.L.カニグズバーグ/作
松永ふみ子/訳
岩波書店 1975
クローディアは家出を決心して、がっちり溜め込んだ貯金
を持つ弟を誘います。行き先はメトロポリタン美術館。ここ
なら子どもが昼間うろうろしても不審に思われないし、昔の
王様のベッドで眠れるし、食堂の噴水でからだだって洗えま
す。でも、順調に家出を続ける二人の前にミケランジェロの
謎が……。 児童文学の古典の楽しい1冊です。
(7)旅のはじまり
シリーズ
竹下文子/文
鈴木まもる/絵
偕成社 1994
僕の名前はケン。春休みに長期出張中のお父さんに会いに行
くため、電車に乗って一人旅をすることになりました。しばら
くすると隣に黒い猫が乗ってきて、自分はサンゴロウという名
前で、失われたうみねこ族の宝を探し求めていると言います。
手がかりはぼろぼろになった紙に書かれた地図だけ。猫と行動
をともにすることになったケンは……。
たのしいムーミン一家
シリーズ
トーベ・ヤンソン/作・絵
山室静/訳
講談社 1990
冬眠から覚めたムーミントロールたちは、黒い帽子を見つけ
ます。しかしそれは、ものの形を変えてしまう魔物の帽子だっ
たのです。おかげで、不思議な事件が次々にムーミントロール
たちにふりかかります。
アニメでも有名なムーミンの物語。個性豊かな住人たちが、
ムーミン谷で大活躍します。シリーズは全9冊。ほのぼのとし
ながらも、ワクワクできる物語です。
ダニーは世界チャンピオン
ロアルド・ダール/作 柳瀬尚紀/訳
クェンティン・ブレイク/絵
評論社 2006
ダニーとお父さんは古いジプシーの箱馬車に住んでいます。
お父さんは、絶対間違いなく、男の子にとって最高のわくわく
するお父さん。でもある日の深夜、ダニーはお父さんがこっそ
りと出かけていくのに気付きます。お父さんの秘密とは。
世界で一番素晴らしく、楽しくてわくわくするお父さんとダ
ニーの物語。『ぼくらは世界一の名コンビ!』(同社刊)を改訳
して出版したものです。
(8)だれも知らない小さな国
シリーズ
佐藤さとる/作
講談社 1985
子どものころ、「ぼく」は秘密の場所を持っていました。
あるとき、そこで小指ほどの小さい人を見かけます。実は、
そこはコロボックルの王国だったのです。大人になった「ぼ
く」とコロボックルたちの、秘密の冒険が始まります。
50年近くも読み継がれてきている、日本の代表的なファン
タジーです。コロボックル物語として、全6冊がシリーズ化
されています。
トムは真夜中の庭で
フィリパ・ピアス/作
高杉一郎/訳
岩波書店 1967
夏休み、トムは庭のない退屈な家に預けられてしまいます。
しかし、真夜中に家の大時計が時を13回打ったとき、トムの
目の前に現れたのは緑溢れる庭園。そこでトムは、ハティと
いう古めかしい服を着た少女と友達になります。
イギリスの美しい風景が作品の世界観に反映された、時間
と年齢を超えるファンタジーです。
トム・ソーヤーの冒険
マーク・トウェイン/作
石井桃子/訳
岩波書店 1952
ミシシッピ川沿いの小さな村が舞台です。わんぱくな少年ト
ムは宿無しのハックルベリ・フィンとともに、 川の中の島で海
賊生活を楽しんだり洞窟を探検して行方不明になりかけたり
と、スリルに満ちた冒険を重ねます。作者の少年時代を鮮やか
によみがえらせていて、登場人物の会話も生きいきとしていま
す。世界中の人々から愛されてきた児童文学の傑作です。
(9)ドリトル先生アフリカゆき
シリーズ
ヒュー・ロフティング/作 井伏鱒二/訳
岩波書店 1961
オウムから動物語を習ったドリトル先生は、動物と話すこ
とができるようになりました。その特技を生かし、獣医になっ
たものの、お金が無くなってしまいます。そんなとき、アフ
リカのサルから、恐ろしい疫病がはやっていると便りが来ま
した。
動物と話すドリトル先生と、動物たちの掛け合いが楽しい
1冊。シリーズは、12巻あるので、是非ドリトル先生や動物
と旅に出かけてみてください。
バッテリー
シリーズ
あさのあつこ/作
佐藤真紀子/絵
教育画劇 1997
中学入学を目前に控えた春休みに岡山県境の地方都市、新
田に引っ越してきた原田巧。天才ピッチャーとして類まれな
才能に恵まれ自負が強い反面、他者に対して冷酷な面も持つ
巧の前に、同級生永倉豪が現れてバッテリーを組むことを申
し出ます。家族や級友などの周囲との関わりの中、 変わりゆ
く少年の姿を描きます。全6巻。
二分間の冒険
岡田淳/作
大田大八/絵
偕成社 1985
体育館でひろったトゲヌキを保健室に届けようとする悟
(さとる)は「おまえ、いいものをもっているじゃないか」
と黒猫に声をかけられました。それが始まりで、子どもしか
いない不思議な世界に迷い込み、「一番たしかなもの」を探
して竜退治に出かけることになってしまいます。
(10)ふたりのロッテ
エーリヒ・ケストナー/作
高橋健二/訳
岩波書店 1962
ある夏、ルイーゼとロッテは、スイスの林間学校で偶然に
出会います。そして、自分たちは両親が別れたために別々に
育った、ふたごの姉妹だと気づきます。ふたりは別れた両親
を仲直りさせるために、大胆な計画を立てます。ルイーゼと
ロッテは両親を仲直りさせることができるのでしょうか?
冒険者たち
シリーズ
斎藤惇夫/作 薮内正幸/画
岩波書店 1982
町ネズミのガンバは、船乗りネズミたちの宴会に出かけて
いき、助けを求める島ネズミの忠太に出会います。島ネズミ
の全滅の危機を救うため、ガンバは夢見が島へ渡る決意をし
て、知恵と力の限りをつくします。果たして、狡猾なイタチ
を出し抜くことはできるのでしょうか? 『ガンバとカワウソ
の冒険』『グリックの冒険』もどうぞ。
星新一ショートショートセレクション
―ねらわれた星―
シリーズ
星新一/作 和田誠/絵
理論社
ショートショートとは、とくに規定はありませんが、400字
詰め原稿用紙10枚前後の、とても短い文学のことをいいます。
な か で もSF作 家 の 星 新 一 は、1000編 以 上 の 著 作 が あ り、
「ショートショートの神様」と呼ばれています。美人のロボッ
トがでてくる「ボッコちゃん」など、ちょっと不思議だけど、
印象的なお話がたくさんあります。
(11)ホビットの冒険
J. R. R. トールキン/作
瀬田貞二/訳
岩波書店 1965
ホビット族(小人)のビルボ・バギンズは、裕福で平穏な暮ら
しをしていました。ところがある日、魔法使いのガンダルフと
13人のドワーフたちに強引に誘われ、竜に奪われた宝を取り
返しに危険な冒険の旅に出かけます。その冒険でビルボはさま
ざまな経験をつみかさね、成長していきます。また、その冒険
の途中で指輪をひろいますが、その指輪が後の作品で世界三大
ファンタジーのひとつ、『指輪物語』へとつながっていきます。
ぽっぺん先生の日曜日
シリーズ
舟崎克彦/作
岩波書店 2000
日曜日、ぽっぺん先生は、本の整理の途中に「なぞなぞのほ
ん」を見つけて読んでいるうちに、気がつくとその本の中に入
り込んでしまっていました。抜け出すには、なぞなぞをひとつ
ひとつ解いて、最後のページまでいかなければなりません。さ
て、先生は本から抜け出せるでしょうか。続編2冊。どれも奇
想天外でユーモラスです。筑摩書房から1973年に出版された
シリーズ(全6冊)もおすすめです。
星の王子さま
サン=テグジュペリ/作
内藤濯/訳
岩波書店 1962
「ね…ヒツジの絵をかいて!」砂漠に不時着したぼくの目の
前に、突然小さな男の子が現れます。その子は小さな星を持っ
ていて、そこに咲くバラのことや今まで旅をしてきた星でのさ
まざまな話をします。「たいせつなことはね、目に見えないん
だよ」という言葉を残していく王子さま。誰の胸にも深い読後
感を残す物語です。
(12)ムギと王さま
ファージョン/作
石井桃子/訳
岩波書店 1971
「ムギと王さま」「月がほしいと王女さまが泣いた」「10え
んぶん」など27の短編集。昔話らしい味わいのものから詩的
なもの、空想的なものまで、話の舞台も国も設定も変化に富
んでいます。想像豊かなおもむきのある話ばかりです。
魔法使いのチョコレートケーキ
マーガレット・マーヒー/作
シャーリー・ヒューズ/画
石井桃子/訳
福音館書店 1984
魔法の腕は悪いけれど、 すばらしいチョコレートケーキを
作る魔法使いの話(表題作)や、 男の子が「ぼく、犬、ほし
いな!」と林の中を独り言を言いながら歩いていると、大き
な1枚のオレンジ色の葉っぱが家までついて来てしまう話
「葉っぱの魔法」など、不思議な驚きに満ちたお話集です。
魔女の宅急便
シリーズ
角野栄子/作
福音館書店 1985
魔女の母と人間の父を持つ少女キキの成長を描く物語で
す。コリコの町でたった一人、魔女の宅急便を始めたキキは、
物と一緒に込められた人の願いや想いも運びます。現在5巻
まで出ていますが、相棒の黒猫ジジや大好きなとんぼさんと
共に活躍し、シリーズ最終巻では、 キキも、もう20歳です。
(13)モモ
ミヒャエル・エンデ/作
大島かおり/訳
岩波書店 1983
大きな都会のはずれの小さい円形劇場の廃墟に、ある日小
さな女の子が住みつきます。モモという名前のその子は、相
手の話を「ほんとうに」聞くというすばらしい才能をもって
いました。幸せに暮らすモモと近所の人たちの前に、時間泥
棒を働く灰色の男たちが現れます。 灰色の男たちの謀りごと
を止めるには……。エンデの傑作ファンタジーです。
ルドルフとイッパイアッテナ
シリーズ
斉藤洋/作 杉浦範茂/絵
講談社 1987
ルドルフは黒猫。知らない街に来てしまい、イッパイアッ
テナという大きなトラ猫に出会います。ルドルフは、教養、
字の読み書きなどを教えてもらい、野良猫として成長してい
きます。
猫たちの社会が生きいきと描かれ、まるで実際の猫の生活
を覗いたような気分になれる1冊。『ルドルフともだちひとり
だち』『ルドルフといくねこくるねこ』もどうぞ。
ライオンと魔女(ナルニア国物語)
シリーズ
C. S. ルイス/作 瀬田貞二/訳
岩波書店 1966
四人兄弟が、衣装だんすの奥に進むと、別の世界ナルニア
につながっていました。そこは、白い魔女が支配する、ずっ
と冬の国。四人の子どもたちは、ナルニアの真の王であるラ
イオンのアスランと共に、魔女の軍団と戦います。
世界でもっとも有名なファンタジーの1つ。アスランや喋
る動物、空想上の生き物などのキャラクターや、ナルニア国
の壮大な世界観に惹きこまれてしまいます。シリーズは全7
巻で、ナルニア国の始まりから終わりまでが語られています。
(14)高学年向け
そ の 他
イネの一生
シリーズ
守矢登/著
あかね書房 2005
『科学のアルバム(新装版)』のシリーズの本は、植物、
動物、鳥、天文、地学などの分野で、たくさんの冊数の
本が出版されています。このシリーズのひとつ『イネの
一生』では、種まきから発芽、田植えから開花といった
イネの育ちの様子から、田んぼのまわりの生きものなど
も詳しく知ることができます。たくさんの写真が美しく
使われていて、小学校で必ず学習する知識をわかりやす
く理解することができます。
ごちそう砦
シリーズ
宮崎学/著
偕成社 2002
『アニマルアイズ』のシリーズは、動物の目で環
境を見ています。第1巻の『ごちそう砦』では、
売りものにならず捨てられたリンゴを食べる動物、
東京湾のゴミすて場にむらがる鳥など、動物がご
ちそうを食べる写真がたくさんあります。このシ
リーズの本はほかにも第2巻の『死を食べる』など、
全部で5冊出版されています。
(15)子どもに語るグリムの昔話
シリーズ
ヤーコプ・ルードビッヒ・グリム/著
ビルヘルム・カール・グリム/著
佐々木梨代子・野村泫/訳
こぐま社 1990
19世紀初め、グリム兄弟は、多くの口承物語を書き記し
ました。それが有名なグリムの昔話です。誰もが一度は触
れたことのある物語が、多数収録されています。
「子どもに語る」とタイトルにあるように、耳で聞いてわ
かりやすいので、ぜひ声に出して読んでみてください。今
までとは違う物語のように感じますよ。
ジョニーベアー
シリーズ
アーネスト・T・シートン/作・絵
今泉吉晴/訳
福音館書店 2003
イエローストーン国立公園の森には、 熊がたくさん住ん
でいます。 公園内に建つホテルにやってきたシートンは、
調理場の残り物を食べる熊の観察のためにごみの山に潜り
こみ、 詳細な記録をつけました。 愛くるしい小熊の姿と共
に、 動物を惨めな境遇に落としている人間の姿を、 鋭い筆
致でシートンは描きます。シリーズ全9巻。
世界がもし100人の村だったら
シリーズ
池田香代子/再話 C. ダグラス・ラミス/対訳
マガジンハウス 2001
世界は63億人の人がいます。 100人に縮めたらどうなるの
でしょう。性別では52人が女性48人は男性です。子ども、
大人、お年寄りでは、30人が子どもで、70人は大人で、そ
のうち7人はお年寄りです。人種では70人は有色人種、30人
が白人です。
100人に縮めてみたら、今まで気がつかなかった事に気が
つき、まったく違う何かがみえてきます。この本を読むと違
う世界にいる人が身近に感じられます。一人一人がこの村(世
界)の住民なのです。
(16)まど・みちお全詩集
まどみちお/著
理論社 1992
この本はなんと厚さ5センチ、 片手で持つにはちょっとつ
らくなるほどの大きさです。 でも、 ぱらっと開いて読んで
みると、不思議と気持ちが落ち着いて、 今の気持ちにぴった
りくる詩が見つかるのです。 まどみちおさんは日本人で初め
て国際アンデルセン賞を受賞した詩人です。 きっと知ってい
る、 歌ったことのある詩が見つかりますよ。