590 日 本 ロ ボ ッ ト学 会 誌Vol.26 No.6, pp.590∼598, 2008
学 術 ・技 術 論文
双 腕 宇 宙口 ボ ッ トに よ る
回 転 体 把 持 作 業 の ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レ ー シ ョ ン
高
橋
遼
平*1佐
藤
大
祐*2近
野
敦*1内
山
勝*1
Hybrid Simulation
of a Capturing
a Rotating
Object Task
by a Dual-Arm
Space Robot
Ryohei
Takahashi*l,
Daisuke
Sato*2,
Atsushi
Konno*1
and Masaru
Uchiyama*l
This paper presents hybrid (hardware in the loop) simulation of orbital operations by a space robot, and discusses
a way to capture a spinning satellite using a dual-arm space robot. The orbital operations by a space robot, such as
capturing a target object, involve collision between the hands and the object. It is difficult to numerically simulate
complicated phenomena at the collision in general. The hybrid simulation is known as a useful method to verify the
orbital operations having such complicated phenomena.
The hybrid simulation is basically software simulation, re
placing its part of numerical model by a hardware model, which contains complicated structure and motion. Firstly, a
system architecture of the hybrid simulator is presented and a strategy for capturing a rotating object by a dual-arm
space robot is discussed.
Secondly, hybrid simulation of capturing a rotating object by a dual-arm space robot is
performed to evaluate the proposed strategy. Finally, an experimental
result of the hybrid simulation is presented,
and effectiveness of the proposed strategy is verified.
Key Words: Hybrid Simulation, Dual-Arm Space Robot, Capturing Operation, Rotating Object
1.は じ め に
近 年の宇 宙 開発 の進歩 に伴 い,大 型構 造物 の 建設 や,宇 宙 シ
ス テム の保守 ・保 全 とい った軌 道上 作業 を実 現す る宇 宙 ロ ボ ッ
ト技術 の 開発 が望 まれ てい る.
国 際 宇 宙 ス テ ー シ ョン(ISS)の 建 設 で は,ス ペ ー ス シ ャ トル リ モ ー トマ ニ ピ ュ レ ー タ(SRMS)か ら ス ペ ー ス ス テ ー シ ョ ン リ モ ー トマ ニ ピ ュ レ ー タ(SSRMS)へ の 機 材 の 受 け渡 し な どが 行 わ れ て お り,宇 宙 ロ ボ ッ トに と っ て 複 腕 の 協 調 が 欠 か せ な い 技 術 に な りつ つ あ る.こ の よ う な 宇 宙 ロ ボ ッ ト技 術 の 開 発 過 程 に お い て は,実 際 の 宇 宙 環 境 下 で の 作 業 の 実 現 性 や ロ ボ ッ トシ ス テ ム の 信 頼 性 を確 認 す る こ とが 必 要 で あ る.し か し,そ れ ら の確 認 を実 際 に宇 宙 で 行 う に は コ ス トや 実 験 回 数 の 制 限 な ど問 題 点 が 多 い た め,作 業 に大 き な 影 響 を与 え る微 小 重 力 環 境 を 地 上 に お い て模 擬 し,宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 動 作 実 証 試 験 を行 う こ とが 求 め られ る. 地 上 で 微 小 重 力 環 境 下 に お け る動 作 実 証 試 験 を 行 う 有 用 な 方 法 と して,ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レー シ ョ ン が 挙 げ ら れ る.ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー シ ョ ン と は,ハ ー ドウ ェ ア シ ミュ レ ー シ ョ ン と ソ フ トウ ェ ア シ ミュ レ ー シ ョン を 組 み 合 わ せ た 手 法 で あ る. こ れ ま で,こ の 方 法 を 用 い た 様 々 な宇 宙 ロ ボ ッ ト技 術 の研 究 開 発 が 行 わ れ て き た[1]∼[9]. Yoshidaら は,ノ ズ ル コ ー ン を利 用 した 非 協 力 衛 星 捕 獲 戦 略 を検 証 す る た め に,三 菱 重 工 製 ロ ボ ッ トア ー ムPA10を2台 用 い て,ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レ ー シ ョン を行 っ た[1].Aghiliは シ リ ア ル 型 の ロ ボ ッ トア ー ム を 用 い て,0[G]環 境 で の 衛 星 の 挙 動 のハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レー シ ョ ン を行 っ た[2].Rouleauら は 双 腕 ロ ボ ッ トア ー ム を用 い て,一 方 の 腕 で0[G]環 境 で 回 転 運 動 す る 衛 星 の挙 動 を模 擬 し,も う一 方 の 腕 で そ れ を捕 捉 す る 実 験 を行 っ た[3].下 地 ら は6軸 サ ー ボ 機 構 を用 い た ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー タ を 開発 し,ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー シ ョ ンで の 遅 れ 時 間 の 影 響 を考 察 し,遅 れ 時 間 に よ る接 触 力 の 増 大 を 補 正 す る 方 法 に つ い て 言 及 して い る[4].井 上 らは 宇 宙 機 の ドッ キ ン グ シ ミ ュ レー タ を 開 発 し,ド ッキ ン グ の 運 動 模 擬 を実 現 した[5].下 地 ら は,単 腕 の 宇 宙 ロ ボ ッ トに よる 浮 遊 物 体 の 捕 獲 作 業 を想 定 し た バ ー シ ン グ ダ イ ナ ミ ク ス シ ミュ レ ー タ(BDS)を 開 発 し,そ の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 現 した[司.渡 辺 ら は,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る作 業 模 擬 を 目 的 と して,宇 宙 ロ ボ ッ ト自律 作 業 評 価 用 テ ス トベ ッ ド(ASTRA)を 開 発 し,ス ピ ン衛 星 捕 獲 作 業 模 擬 を行 っ た[7].高 橋 ら[8],伊 勢 ら[9]は 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 軌 道 上 作 業 の 模 擬 を行 う こ と を 目 的 と して ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ 原 稿 受 付2007年12月13日 *1東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 *2武 蔵 工 業 大 学 工 学 部*1Graduate School of Engineering
, Tohoku University *2Faculty of Engineering
, Musashi Institute of Technology ■ 本 論 文 は 有 用 性 で 評 価 さ れ ま し た.
レー タ を 開 発 し,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 浮 遊 物 体 へ の 接 触 や, 浮 遊 物 体 の 把 持 作 業 模 擬 実 験 を 行 っ て きた. 宇 宙 ロ ボ ッ トに 期 待 さ れ て い る 実 際 の 軌 道 上 作 業 の 一 つ と し て,ス ピ ン衛 星 の よ う に 回 転 運 動 を して い る物 体 の 捕 獲 作 業 が あ る.ス ピ ン衛 星 の 捕 獲 作 業 模 擬 は 渡 辺 ら[7]に よ っ て 行 わ れ て い る が,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トと ス ピ ン衛 星 の 間 の 相 対 運 動 は,二 次 元 平 面 内 の3自 由 度 に 限 定 され て い る.し か し,た と え捕 獲 前 の 衛 星 が 二 次 元 平 面 内 を 運 動 す る と仮 定 して も,捕 獲 の 際 に は接 触 時 の 衝 撃 な ど に よ り6軸 の 力 ・ トル ク が 発 生 し,そ の 後 の 運 動 は 三 次 元 に な る.し た が っ て 二 次 元 平 面 内 に 運 動 を 限 定 した 場 合,実 際 の 捕 獲 時 の 挙 動 を模 擬 で き な い. 本 稿 で は,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トと作 業 対 象 物 の 間 の 相 対6自 由 度 の 運 動 を提 示 可 能 で あ る 冗 長9自 由 度 モ ー シ ョン テ ー ブ ル[9] を用 い た,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 回 転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験 に つ い て 述 べ る.次 章 で は ま ず,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 軌 道 上 作 業 の 模 擬 を 目的 と して 開発 した ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー タ に つ い て 述 べ る.こ こ で は,本 研 究 で 用 い る ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レ ー シ ョ ン とい う 手 法 に つ い て 説 明 した 後,シ ミュ レ ー タ の シ ス テ ム 構 成,お よ び シ ミュ レ ー タの 安 定 化 補 償 に つ い て 述 べ る. 次 に,衛 星 捕 獲 の 際 の把 持 部,お よ び双 腕 マ ニ ピュ レー タ に よる 回 転 体 の 把 持 戦 略 を検 討 し,用 い る 双 腕 協 調 制 御 則 や マ ニ ピ ュ レ ー タ 手 先 の イ ン ピ ー ダ ンス 制 御 に つ い て 説 明 す る.最 後 に, ス ピ ン衛 星 捕 獲 作 業 を想 定 した 回 転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験 を行 い, そ の 結 果 か ら提 案 し た把 持 戦 略 の 有 効 性 を確 認 す る. 2.ハ イ ブ リ ッ ド シ ミ ュ レ ー タ 2.1ハ イ ブ リ ッ ド シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー シ ョ ン は ,ハ ー ドウ ェア シ ミュ レー シ ョ ン と ソ フ トウ ェ ア シ ミュ レ ー シ ョ ン を 組 み 合 わ せ た 方 法 で あ る.こ の 方 法 で は,エ ン ドエ フ ェ ク タや 作 業 対 象 物 とい っ た, 実 際 に接 触 ・衝 突 な ど の 干 渉 の あ る模 擬 対 象 物 の 一 部 を,コ ン ピ ュ ー タ 内 に構 築 さ れ る数 値 モ デ ル か ら取 り出 し,ハ ー ドウ ェ ア で あ る物 理 モ デ ル と して そ の 挙 動 を提 示 す る モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル に搭 載 す る.数 値 モ デ ル は 模 擬 対 象 物 全 体 で あ る た め,物 理 モ デ ル と して 取 り 出 され た 部 分 も コ ン ピ ュ ー タ 内 に構 築 さ れ て お り,そ の 運 動 は 数 値 モ デ ル に 反 映 され る.物 理 モ デ ル と 数 値 モ デ ル の 境 界 に は 力 覚 セ ンサ が 設 置 さ れ て お り,そ の セ ン サ か ら得 ら れ る力 ・ トル クデ ー タ を 入 力 に数 値 モ デ ル の 動 力 学 計 算 を 行 う こ と で,対 象 と な る 物 体 間 の 相 対 運 動 を実 時 間 で 提 示 す る. こ の よ う に ハ イ ブ リ ッ ド シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は,干 渉 を 伴 う 部 分 は ハ ー ド ウ ェ ア シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で,そ の 他 の 部 分 は ソ フ ト ウ ェ ア シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 行 う.そ の 概 要 を:Fig.1に,シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ア ル ゴ リ ズ ム を:Fig.2お よ び 以 下 に 示 す. Step1:初 期 条 件 を与 え 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンで 物 理 モ デ ル の 位 置 ・姿 勢 を求 め る. Step2:モ ー シ ョ ンテ ー ブ ル の 運 動 を制 御 す る こ とに よ っ て, 数 値 シ ミ ュ レー シ ョ ン で 求 め ら れ た物 理 モ デ ル の 位 置 ・姿 勢 を提 示 す る. Step3:物 理 モ デ ル 間 の 干 渉 運 動 に よ っ て 生 じ る力 ・ トル ク を力 覚 セ ンサ を使 用 して 計 測 す る.
Fig.1 Concept of the hybrid motion simulation
Fig.2 Sequence of the hybrid simulation
Step4:取 得 した 力 ・ トル ク デ ー タ を数 値 モ デ ル に作 用 す る 外 力 と し て 数 値 シ ミュ レー シ ョ ン(動 力 学 計 算)を 行 う. Step5:得 られ た 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン結 果 か ら,物 理 モ デ ル の 位 置 ・姿 勢 を 計 算 す る. Step6:模 擬 対 象 で あ る 物 体 の 運 動 をCGに よ っ て 可 視 化 す る. Step7:シ ミュ レ ー シ ョン時 間 に よっ て,継 続 の 場 合 はStep2 に戻 り,終 了 の 場 合 は シ ミュ レー シ ョ ン シ ス テ ム の 動 作 を停 止 す る. ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レ ー シ ョ ンで は ,模 擬対 象 とす る物 体 間 の 干 渉 運 動 に よ り生 じる 力 ・ トル ク を,実 際 に物 理 モ デ ル を干 渉 さ せ 力 覚 セ ンサ に よ り計 測 す る こ と に よ っ て,従 来 の ソ フ ト ウ ェ ア シ ミュ レ ー シ ョ ンで は 運 動 や 接 触 判 定 の モ デ ル 化 が 複 雑 で そ の 運 動 模 擬 が 非 常 に 困 難 で あ っ た 多 点 接 触 や 衝 突 な どの 運 動 模 擬 が 可 能 と な る.ま た,ハ ー ドウ ェ ア シ ミュ レー シ ョ ン で の 模 擬 対 象 物 の モ ッ ク ア ップ な ど を使 用 した 検 証 試 験 で は 変 更 す る こ とが 難 し い実 験 パ ラ メ ー タ を,数 値 モ デ ル 空 間 に お い て 自 由 に設 定 す る こ とが 可 能 で あ る.例 え ば,模 擬 対 象 物 の 慣 性 や 質 量 な どの 物 理 パ ラ メ ー タや 重 力 の よ う な 外 力 を 自 由 に 設 定 す る こ とが で き る. こ の よ う に ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レ ー シ ョ ン は,ソ フ トウ ェ ア シ ミュ レー シ ョ ン の よ う に微 小 重 力 環 境 の模 擬 を 容 易 に行 う こ とが で き,ま た 物 理 モ デ ル を 実 際 に 干 渉 さ せ て接 触 力 を計 測 す る た め,複 雑 な接 触 ・衝 突 の運 動 模 擬 が 可 能 で あ る.よ っ て,こ の 方 法 は宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 軌 道 上 作 業 模 擬 に適 して い る. 日本 ロボ ッ ト学 会 誌26巻6号 123 2008年9月
592 高 橋 遼 平 佐 藤 大 祐 近 野 敦 内 山 勝
Fig.3 A system block diagram for the hybrid simulator
2.2シ ミュ レー タ の シ ス テ ム 構 成 シ ミ ュ レー タの シ ス テ ム 構 成 をFig.3に,外 観 をFig.4に 示 す,本 シ ス テ ム は,広 い 動 作 範 囲 を 有 す る2自 由度 並 進 機 構 で あ るX-Yモ ー シ ョ ン テ ー ブ ル,高 周 波 の 運 動 を提 示 可 能 な 6自 由 度 パ ラ レ ル機 構 で あ るHEXA[10]型 モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル,ス ピ ン衛 星 な ど の 多 回 転 運 動 を提 示 可 能 な1自 由 度 回 転 機 構 で あ る ス ピ ンモ ー シ ョ ン テ ー ブ ル を組 み 合 わ せ た 冗 長9自 由 度 モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル を 採 用 して い る.双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ と し て は,三 菱 重 工(株)製 のPA10-7Cを 用 い る.ま た,モ ー シ ョ ンテ ー ブ ル の 先 端 部 お よび 双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ と架 台 の接 続 部 そ れ ぞ れ に6軸 力 覚 セ ン サ が 設 置 され て お り,作 業 対 象 物 に作 用 す る 力,お よ び双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ と宇 宙 ロ ボ ッ トベ ー ス 問 に発 生 す る 力 を検 出 す る.こ れ に よ り,作 業 対 象 物 の 一 部 お よ び 双 腕 マ ニ ピュ レー タ を物 理 モ デ ル と し,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ ト と作 業 対 象 物 の 間 の 相 対6自 由 度 の 運 動 模 擬 を行 う こ と が で き る.運 動 模 擬 の 際 は,冗 長3自 由 度 を 各 モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル の 特 徴 を踏 ま え て 振 り分 け て い る[8].ま た,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ の 手 先 に も6軸 力 覚 セ ンサ が 設 置 され て お り,双 腕 マ ニ ピュ レ ー タの 力 制 御 が 可 能 で あ る, こ の よ う に,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ を物 理 モ デ ル と して扱 う こ と で,実 際 軌 道 上 で 運 用 さ れ る 宇 宙 ロ ボ ッ トに 搭 載 さ れ た 双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ を想 定 し て作 業 シ ミュ レ ー シ ョ ン を 行 う こ とが で き る.そ の た め,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ の 制 御 則 や 遠 隔 操 作 技 術 な ど を 含 め た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン も 可 能 と な る 。 な お,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ の 制 御 周 期 は2[ms]と して い る. シ ミュ レ ー シ ョ ン処 理 に は4台 の コ ン ピ ュ ー タ を使 用 し,そ れ ぞ れ,モ ー シ ョン テ ー ブ ル の 運 動 制 御,力 覚 セ ンサ に よ る力 ・ トル クデ ー タの 計 測,数 値 モ デ ル 間 の 相 対 位 置 ・姿 勢 を求 め る動 力 学 計 算,シ ミ ュ レ ー シ ョ ン結 果 を可 視 化 す るCG描 画 を 行 っ て い る.こ の よ.うに,シ ミュ レ ー シ ョ ン処 理 を ネ ッ トー ワ ー ク接 続 され た コ ン ピュ ー タで 分 散 処 理 す る こ と で,モ ー シ ョ ンテ ー ブ ル の 制 御 周 期 を1[ms]と した 実 時 間 モ ー シ ョ ン シ ミュ レ ー シ ョ ン を実 現 して い る. 一 般 に宇 宙 構 造 物 は,地 上 で の ロ ボ ッ ト周 囲 の 環 境 に比 べ 質 量 が 大 き く剛 性 が 低 い,こ の よ うな 宇 宙 構 造 物 と ロ ボ ッ トとの 衝 突
Fig.4 Overview of the hybrid simulator
現 象 は,地 上 で の衝 突 に比 べ る と応 答 周 波 数 が 低 い.例 え ば,質 量200[kg]の 質 点 を,初 速 度0.005[m/slで 剛 性34,000[N/m] の構 造 壁 に衝 突 させ る シ ミュ レ ー シ ョ ン を行 っ た と ころ,接 触 時 間 は お よ そ260[ms]と な っ た.こ れ に 比 べ る と,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タの 制 御 周 期2[ms],モ ー シ ョンテ ー ブ ル の 制 御 周 期1[ms] は 十 分 小 さ く,宇 宙 で の 衝 突 現 象 の 模 擬 にお い て,制 御 周 期 が 原 因 で 系 が 不 安 定 に な る 可 能 性 は低 い と考 え ら れ る. 2.3シ ミ ュ レ ー タ の 遅 れ 時 間 補 償 ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レー タ に は,接 触 ・衝 突 現 象 を 模 擬 す る 際 に系 の エ ネ ル ギ ー が 増 加 し,正 確 に シ ミュ レ ー シ ョ ン を 行 う こ と が で き な い と い う 固 有 の 問 題 が 存 在 す る[4][5].本 シ ミュ レー タ に お い て も,こ れ まで の 実 験 の 結 果 か ら 同 様 の 問 題 が 確 認 され た.こ の 問 題 の 原 因 と して,接 触 ・衝 突 の 際 に モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル の サ ー ボ 誤 差 や シ ス テ ム の 遅 れ 時 間 に よ っ て,物 理 モ デ ル の 押 し込 み が 発 生 す る こ とが 考 え られ る.こ こ で 言 う押 し 込 み と は,実 際 の 物 理 現 象 よ り も長 い 時 間物 理 モ デ ル 同 士 が 接 触 して い る と い う こ と で あ る.こ の 押 し込 み 現 象 に よ り,模 擬 対 象 物 に作 用 す る力 積 が 実 際 よ り も大 き くな る.そ の 結 果,接 触 ・衝 突 後 の 対 象 物 の 反 発 速 度 が 大 き くな り(反 発 係 数 が1よ り大 き くな り),運 動 を 正 確 に 模 擬 で き な い. 反 発 係 数 が1よ り大 き く な る と い う,明 らか に 実 際 の 物 理 現 象 と は 異 な っ て し ま う 問 題 を 解 決 す る た め に,本 シ ミ ュ レー タ
に は シス テ ム 全 体 の 遅 れ 時 間 の 補 償 を導 入 して い る[9].こ の 補 償 方 法 で は,シ ス テ ム全 体 の 時 間 的 な 遅 れ を サ ー ボ の 一 次 遅 れ 系 で代 表 させ,そ の 遅 れ 時 間 に よ っ て 引 き起 こ さ れ る衝 突 時 の 力 積 の 増 大 を打 ち 消 す 人 工 的 な 減 衰 を 付 与 す る こ とで,衝 突 後 の エ ネ ル ギ ー の 増 大 を 防 ぐ.現 在 の と こ ろ,衝 突 後 の シ ス テ ム の エ ネ ル ギ ー が 増 大 も減 衰 も し な い よ う に 遅 れ 時 間 を補 償 して い る た め,反 発 係 数 は,ほ ぼ1に な っ て い る .詳 細 に つ い て は 文 献[9]を 参 照 され た い.
3.双
腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る衛 星 の 捕 獲
3.1衛
星捕 獲 の際 の把持 部 につ い ての検 討
宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 衛 星 の 捕 獲 作 業 模 擬 と し て は,Yoshida ら に よ る 非 協 力 衛 星 の 捕 獲 作 業 模 擬 が 挙 げ ら れ る[1].Yoshida ら は,チ ェ イ サ衛 星 の 単 腕 マ ニ ピ ュ レー タ手 先 に 設 置 さ れ た 捕 獲 用 プ ロ ー ブ を タ ー ゲ ッ ト衛 星 の ノ ズ ル コ ー ン に挿 入 し,プ ロ ー ブ先 端 を 燃 焼 室 内 で 展 開 して 固 定 す る こ とで タ ー ゲ ッ ト衛 星 を 捕 獲 す る と い う方 法 を用 い て い る.Rouleauら も同 様 に単 腕 マ ニ ピ ュ レー タ を有 す る チ ェ イサ 衛 星 を想 定 し,マ ニ ピュ レー タ 手 先 に取 り付 け ら れ た3指 ハ ン ドを用 い て,タ ン ブ リ ン グ す る タ ー ゲ ッ ト衛 星 の ハ ン ドレ ー ル を把 持 す る こ とで,タ ー ゲ ッ ト 衛 星 の 捕 獲 作 業 模 擬 を 行 っ た[3]. 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トを用 い た研 究 と して は,渡 辺 ら に よ るAS - TRAで の ス ピ ン衛 星 捕 獲 模 擬 実 験 が 挙 げ ら れ る[7].渡 辺 ら は 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トの 両 手 先 に取 り付 け られ た3指 グ リ ッパ で ス ピ ン衛 星 表 面 の グ ラ プ ル フ ィ ク ス チ ャ を把 持 し,ス ピ ン衛 星 を 捕 獲 して い る. 以 上 の 研 究 例 の よ う に,衛 星 の 捕 獲 の 際 に は 実 際 の 衛 星 が 有 す る機 構 を利 用 す る こ と が 有 効 で あ る と考 え ら れ る.そ こ で 本稿 で は,衛 星 捕 獲 の 際 にPAF(Payload Attach Fitting)を 利
用 す る.PAFは 衛 星 打 ち 上 げ 時 に衛 星 を ロ ケ ッ トに 固 定 す る た め の 円 筒 型 の 機 構 で あ り,こ れ を双 腕 マ ニ ピュ レー タの 両 手 先 で 外 側 か ら把 持 す る こ とで 捕 獲 を行 う.PAFは 高 剛性 で あ る た め 把 持 時 の 衝 撃 に よ っ て破 壊 し に く く,ま た 大 部 分 の 衛 星 が 装 備 し て い る た め,捕 獲 作 業 に適 した 機 構 で あ る と 考 え られ る.
3.2衛
星 捕獲 作 業の 前提条 件
実 際 運 用 さ れ た ス ピ ン衛 星 の 回 転 速 度 は,静 止 気 象 衛 星 ひ ま わ りの 例 で100[rpm]と 高 速 な もの もあ る.加 え て,捕 獲 の 対 象 と な る 運 用 を終 え た 衛 星 や 故 障 衛 星 は ニ ュ ー テ ー シ ョ ン,タ ン ブ リ ン グ な ど複 雑 な 運 動 を して い る可 能 性 が あ り,ロ ボ ッ ト ア ー ム に よ る 捕 獲 は 困 難 で あ る と考 え ら れ る.こ の よ う な場 合, 捕 獲 す る前 に ス ピ ン衛 星 か ら複 雑 な運 動 を 除 去 し,回 転 速 度 を 遅 く し て,そ の 後 捕 獲 す る 方 法 が 検 討 され て い る.Kawamoto ら は 衛 星 の 外 部 か ら繰 り返 し投 射 物 を投 射 す る こ とで 徐 々 に 角 運 動 量 を 除 去 す る衝 撃 ス ラス ト法 を提 案 し,そ の 効 果 を実 証 し て い る[11].本 稿 で は,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る把 持 作 業 の 前 段 階 と して,上 述 の よ う な 方 法 を適 用 す る こ と で 作 業 対 象 物 の 運 動 が 単 純 な ス ピ ン と な り,回 転 速 度 も低 速 に な っ て い る 場 合 を 想 定 す る. 3.3双 腕 協 調 制 御 則 本 稿 で は作 業 対 象 物 を把 持 す る 際 に,双 腕 協 調 制 御 則 と し て 非 マ ス タス レ ー ブ 双 腕 協 調 制御[12]を 用 い る.Fig.5に 双 腕 マFig.5 Coordinate systems of the dual-arm robot
ニ ピ ュ レー タ の 座 標 系 を示 す .Fig.5に お い て Σ。 は 双 腕 マ ニ ピュ レー タ の 基 準 座 標 系,Σ1は 右 腕 の 手 先 座 標 系,Σ2は 左 腕 の 手 先 座 標 系 で あ る.Σaは 双 腕 協 調 制 御 時 の 代 表 点 に 固 定 さ れ た 座 標 系 で あ り,原 点 は 両 手 先 間 の 中心 で あ る.本 シ ミュ レ ー タで は,双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ と して 使 用 して い るPA10-7Cを 速 度 制 御 モ ー ドで 制 御 して い る た め,こ こ で は 目 標 関 節 角 速 度 を 制 御 入 力 とす る 制 御 則 を導 出 す る.双 腕 協 調 制 御 時 にお け る 両 腕 の 目標 関 節 角 速 度 ベ ク トル〓refは,次 式 よ り導 出 さ れ る. 〓ref=〓z+〓h(1) 〓z=J+dualSBKzp(zref-z)(2) 〓h= AJTdual(I12-S)Khp(href-h)(3) こ こ で,〓z,〓hは そ れ ぞ れ 位 置 制 御,力 制 御 の 両 腕 の 目標 関 節 角 速 度 ベ ク トル で あ る.J+dual,JTdualは そ れ ぞ れ,両 腕 の ヤ コ ビ行 列Jdualの 疑 似 逆 行 列,転 置 行 列 で あ る .Sは 対 角 要 素 が1ま た は0の 選 択 行 列,Bは 姿 勢 成 分 の 変 化 を角 速 度 ベ ク トル に 変 換 す る行 列,Aは トル ク ベ ク トル を 関 節 角 速 度 ベ ク ト ル に 変 換 す る 行 列 で あ る.Kzpは 位 置 制 御 の 比 例 ゲ イ ン行 列 , Kんpは 力 制 御 の 比 例 ゲ イ ン行 列 で あ る.I12は12×12の 単 位 行 列,zref,zは そ れ ぞ れ 一 般 化 作 業 位 置 ベ ク トル の 目標 値 と現 在 値,href,hは そ れ ぞ れ 一 般 化 作 業 力 ベ ク トル の 目標 値 と現 在 値 で あ る.双 腕 協 調 制 御 時 の 制 御 則 の 切 り替 え は,選 択 行 列Sに よ り行 う こ とが で き る. 3.4イ ン ピ ー ダ ン ス 制 御
双腕 マ ニ ピュ レー タに よって作業 対象 物 を把持 す る際,手 先
と作 業対 象物 の 最初 の接触 に よって大 きな衝 撃力 が発 生す る こ
とが予測 され る.作 業 の初 期段 階 で この ような衝撃 力 が発 生 し
た場 合,作 業対象物 を弾 き飛 ば して しまった り,作 業対象物 の大
きな姿勢 の変 化 を引 き起 こす こ とで作 業 の達 成が 困難 に なる と
考 え られ る.そ こで本稿 で は,双 腕 マニ ピュ レー タにイ ン ピー
ダ ンス制御 を導入 す る ことで,マ ニ ピュ レー タ手先 と作 業対 象
物 間の接 触 の際 に生 じる衝撃 力 を抑制 す る.
マ ニ ピ ュ レー タ手 先 に外 力fが 作 用 した と きの 望 ま しい イ ン ピ ー ダ ン ス を 以 下 の 運 動 方 程 式 で 表 す .M△〓 十D△〓 十K△X=f(4)
こ こ で,M(∈R6×6),D(∈R6×6),K(∈R6×6)は そ れ ぞ れ 目標 と す る イ ン ピー ダ ンス 特 性 を 実 現 す る マ ニ ピ ュ レ ー 日本 ロ ボ ッ ト学 会誌26巻6号 125 2008年9月594 高 橋 遼 平 佐 藤 大 祐 近 野 敦 内 山 勝 夕 手 先 の 見 か け の 慣 性 行 列,粘 性 行 列,剛 性 行 列 で あ り,△X (∈R6)は マ ニ ピ ュ レ ー タ 手 先 に作 用 す る 外 力f(∈R6)に 対 す る イ ン ピ ー ダ ンス 中 立 点 を基 準 と し た位 置 ・姿 勢 の 変 化 で あ る.こ こで,M,D,Kは 対 角 行 列 とす る.入 力 をfの2 行 成 分 で あ る,fi,出 力 を △Xの2行 成 分 で あ る △xiと して (2=1,…,6),式(4)を 各 軸 に つ い て の 伝 達 関 数 と して 書 き 直 す と次 式 を 得 る[13]. Gi(s)=△Xi/F i=1/Miis2+Diis+Kii(5) こ こで,MiiはMのi行i列 成 分 で あ り,ほ か も同 様 で あ る. 式(5)は2次 の フ ィ ル タ と等 価 と な っ て お り,fiを 入 力 と し た と き,こ の フ ィ ル タ を通 して 得 ら れ る △xiを イ ン ピ ー ダ ン ス 中 立 点 か らの 位 置 ・姿 勢 の 変 化 と し て 実 現 す る こ と で,マ ニ ピュ レ ー タ手 先 が 与 え られ た イ ン ピー ダ ンス 特 性 を模 擬 で き る. 本 稿 で は,平 衡 状 態 に お い て,双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ両 手 先 の イ ン ピ ー ダ ン ス 中 立 点 が そ れ ぞ れ の 手 先 座 標 系 で あ る Σ1,Σ2の 原 点 と一 致 す る も の とす る. 3.5回 転 体 把 持 戦 略 こ こで は,PAFを 想 定 した 円 筒 型 の 回 転 体 を対 象 物 と し た, 双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ に よ る 把 持 動 作 に つ い て 述 べ る.本 稿 で は, V型 の ア タ ッチ メ ン トを取 り付 け た双 腕 マ ニ ピュ レー タ 両 手 先 で 回 転 体 を把 持 し,制 動 す る.真 空 環 境 で は 金 属 表 面 を 覆 う 気 体 分 子 な どが 取 り除 か れ や す く,そ の た め 摩 擦 係 数 は 大 気 中 に 比 べ 数 倍 か ら無 限 大 とな る.真 空 環 境 で の 高 い 摩 擦 力 を 大 気 中 で 模 擬 す る た め に,V型 ア タ ッチ メ ン トの 接 触 面 に は ゴ ム シ ー トを 貼 り付 け る. 本 稿 で提 案 す る 回 転 体 把 持 戦 略 をFig.6,お よび 以 下 に 示 す. た だ し,回 転 軸 と は 回 転 体 の 回 転 軸 の こ と を 示 す もの とす る. Phase1:回 転 軸 が Σaの 原 点 を通 り,か つ 回転 体 を 把 持 可 能 な位 置 へ 両 手 先 を移 動 させ,把 持 作 業 開 始 位 置 とす る.こ の 時Z1軸,Z2軸 は 回 転 軸 に 直 交 す る 同 一 直 線 上 に あ る. Phase2:両 手 先 と回 転 体 の 相 対 速 度 が0と な る よ う に,両 手 先 を 回 転 軸 ま わ り に 回 転 して 追 従 さ せ る と 同 時 に,Σaの 原 点 方 向 に 両 手 先 と も一 定 速 度 で 接 近 させ る.こ の と き双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ は イ ン ピ ー ダ ンス 制 御 さ れ て い る. Phase3:回 転 体 へ の 接 近 方 向 で あ るXa軸 方 向 に お い て,両 手 先 が 回 転 体 に 接 触 し,閾 値 以 上 の 力 が 両 手 先 に 同 時 に作 用 した ら3.3節 で 述 べ た 双 腕 協 調 制 御 に切 り替 え る.こ の と き,閾 値 は 目標 内 力 に等 し い と し,内 力 制 御 はXa軸 方 向 につ い て の み 行 う.ま た,内 力 制 御 時 に は手 先 の イ ン ピ ー ダ ンス 制 御 は 用 い な い. Phase4:両 手 先 の 回 転 軸 ま わ りの 角 速 度 を 減 速 し,回 転 体 の 制 動 が 完 了 す る. 次 に,各Phaseに お け る双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ の 制 御 方 法 に つ い て 述 べ る.Phase1か らPhase3に お け る 内 力 制 御 へ の 切 り 替 え 前 まで に つ い て は,以 下 の 式 に よ っ て 制 御 さ れ る. 〓ref-〓z+J+dualS△〓dual(6) 式(6)に お い て,△〓dualは イ ン ピー ダ ンス 制 御 に よ っ て 与 え られ る,中 立 点 を基 準 と し た両 手 先 の 速 度 ・角 速 度 を 表 す ベ ク トル で あ り,〓zは 式(2)の 通 りで あ る.こ の と き,式(2)で 表 さ れ る位 置 制 御 は 両 手 先 の イ ン ピ ー ダ ン ス 中 立 点 に 対 して 行 わ れ る.つ ま り,位 置 制 御 が 行 わ れ て い る イ ン ピ ー ダ ン ス 中 立 点 に対 して,イ ン ピー ダ ン ス 制 御 に よ っ て 生 じる 動 作 を足 し合 わ せ て 両 手 先 の 位 置 ・姿 勢 を実 現 す る こ と に な る.ま た,Phase 3に お け る 内 力 制 御 へ の 切 り替 え 後 とPhase4に つ い て は,式 (1)∼(3)に 従 っ て 力 と位 置 の ハ イ ブ リ ッ ド制 御 を 行 う. な お,Phase4に お け る両 手 先 の 回 転 軸 ま わ りの 角 速 度 の 減 速 は,Fig.7に 示 す よ うに 直 線 的 に行 う.〓iを 現 在 角 速 度,〓f を 目標 角 速 度,φmを 目標 角 速 度 到 達 ま で の 回 転 角 度,tfを 目 標 角 速 度 到 達 ま で の 時 間 とす る と,時 刻tに お け る 角 速 度 φ は 次 式 で 表 さ れ る.
〓=
(〓f-〓i)t/tf+〓i(7)
こ こ で,tfは 次 式 か ら求 め ら れ る. tf=〓(8) この〓 を双 腕 協 調 制 御 時 に お け るYa軸 の 回転 角 速 度 と す る こ と で,両 手 先 の 回 転 軸 まわ りの 角 速 度 を減 速 で き る.回 転 体 を 静 止 させ る 場 合,式(7),(8)に お い て〓f=0と す る.上 述 の把持 戦略 を用 い る ことで,回 転体 との接 触 時 に両手 先
に作 用す る衝 撃力,お よび回転体 減速 時 に両手 先 に作用 す る
力の低 減 が可能 とな る と考 え られ る.
Fig.6 Task motion of the dual-arm robot for capturing a
rotat-ing object Fig.7 Deceleration of angular velocity of the Ya axis
4.双
腕 宇 宙 ロボ ッ トに よ る回 転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験
4.1実 験 条 件 前 章 で述 べ た 回 転 体 把 持 戦 略 を 用 い て,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 回 転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験 を行 う.双 腕 宇 宙 ロボ ッ トと 回転 体 の 数 値 モ デ ル をFig.8に 示 す.こ こ で,Σdは 双 腕 宇 宙 ロボ ッ ト 座 標 系,Σrは 回転 体 座 標 系 で あ る.本 実 験 で は,双 腕 マ ニ ピュ レー タ はFig.8に 示 した よ うな 十 分 大 き な 質 量 を 有 す る ベ ー ス に取 り付 け ら れ て い る もの とす る.そ の た め,双 腕 マ ニ ピュ レー タ の 動 作 反 力 や,作 業 対 象 物 と の 接 触 時 の 反 発 力 に よ っ て 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トのベ ー ス の運 動 は発 生 しな い.ま た,双 腕 マ ニ ピュ レ ー タ両 手 先 に はV型 ア タ ッ チ メ ン トを取 り付 け て い る. 回 転 体 の 数 値 モ デ ル と して は,Fig.9(a)に 示 さ れ る よ う な 円 柱 を 用 い る.こ の 円 柱 は 直 径0.34[m],高 さ0.135[m]で あ り,上 面 か ら0.09[m]の 部 分 を 物 理 モ デ ル と してFig.9(b)の よ う に モ ー シ ョ ン テ ー ブ ル の 先 端 部 に 搭 載 す る.回 転 体 の 質 量 と慣 性 テ ンソ ル をTable1に 示 す.回 転 体 の 初 期 条 件 と して は,回 転 速 度 はYr軸 ま わ り に-3.0[rpm](=-0.314[rad/s])Fig.8 Numerical models of the dual-arm space robot and the
rotating object で あ り,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに 対 して そ の1軸 ま わ りの 回 転 以 外 の 相 対 運 動 を して い な い もの とす る 。 ま た,作 業 中 は 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ ト と回 転 体 の 相 対 位 置 ・姿 勢 ,運 動 を 視 角 セ ンサ な ど を 用 い て 同 定 で きる も の と 仮 定 す る. 用 い る 把 持 戦 略 の 設 定 は,3.5節 で 述 べ たPhase2の 接 近 速 度 を0.02[m/s],Phase3,Phase4に お け る 目 標 内 力 を10[N] と し た.双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ の 手 先 イ ン ピ ー ダ ン ス 特 性 に つ い て は,Table2の よ う に 試 行 錯 誤 的 に 決 定 し た.な お,イ ン ピ ー
Fig.9 The numerical and the physical models of the rotating
object
Tablel Mass and inertia parameters of the rotating object
Table2 Impedance parameters of each arm
Fig.10
Motion simulation of the dua1-arm space robot capturing the rotating object: (a) Motion table, (b) CG
(15[s]: Start of the capture motion, 19.8[s]:
The moment of contact, 22.5[s]:
Capture of the rotating
object is completed, 38[s]: Release of the rotating
object)
596 高 橋 遼 平 佐 藤 大 祐 近 野 敦 内 山 勝 ダ ンス 制 御 は マ ニ ピ ュ レ ー タ手 先 の 並 進 方 向 の み に 適 用 す る. 4.2実 験 結 果 お よ び 考 察 実 験 の 様 子 を:Fig.10に 示 す.実 験 開 始 か ら15[s]後 に は, Phase1で の 把 持 作 業 開 始 位 置 に移 動 完 了 して い る.そ の 後, 19.8[s]で 回転 体 と双 腕 マ ニ ピュ レー タの 両 手 先 が 接 触 し,22.5[sl で 回 転 体 の 制 動 が 完 了 して い る.最 後 に,実 験 時 間 の 設 定 か ら, 把 持 を終 了 して 回 転 体 を放 出 した. 実 験結 果 をFig.11∼18に 示 す.Fig.11∼18は そ れ ぞ れ,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ両 手 先 の 位 置 ・姿 勢 か ら算 出 さ れ るYa軸 の 回 転 角 度,回 転 体 のYT軸 ま わ りの 回 転 角 度,双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ 両 手 先 か ら回 転 体 に作 用 す るXa軸 方 向 の 内 力,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トか ら見 た 回 転 体 のXd,Yd,Zd軸 方 向 の 相 対 位 置,回 転 体 に作 用 す るYr軸 ま わ りの トル ク,そ し て 回 転 体 のYr軸 ま わ りの 角 速 度 を表 して い る.各 図 はPhase1に お け る 双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ 両 手 先 の 把 持 作 業 開 始 位 置 へ の 移 動 完 了 後 か ら示 し て い る.ま た,各 図 中 にお い て 一 点 鎖 線 はPhaseの 切 り替 わ り を示 し,四 角 で 囲 ま れ た 数 字 はPhase番 号 を表 し て い る. Fig.11∼18か ら,本 実 験 で 採 用 した 把 持 戦 略 の 流 れ を確 認 す る こ とが で き る.Phase1か らPhase2に18.6[s]で 移 行 し,回 転 体 の 回 転 に 両 手 先 を追 従 させ,19.8[s]で 両 手 先 が 回転 体 に接 触 してPhase3に 移 行 す る.そ して,閾 値 に 従 っ て 内 力 制 御 に 切 り替 わ り,回 転 体 と接 触 を保 ち な が ら,21[s]でPhase4に 移 行 し て 両 手 先 の 回 転 運 動 の減 速 を 開 始 す る.そ の 後,22.5[s] で 回 転 体 の 制 動 が 完 了 し,把 持 を継 続 した 後,実 験 時 間 の 設 定 か ら35.4[s]で 放 出 した.Fig.13を 見 る と,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ両 手 先 の イ ン ピー ダ ン ス 制 御 に よ っ て,回 転 体 との 接 触 時 に 過 大 な力 が 作 用 す る こ と な く,内 力 制 御 へ と切 り替 わ っ て い る こ とが 分 か る.し か しな が ら,内 力 制 御 時 に は,内 力 が 目標 で あ る10[N]を 中 心 に大 き く振 動 して い る.こ れ は,Fig.15∼17 に 表 さ れ て い る よ う に,被 把 持 状 態 の 回 転 体 の 運 動 が 振 動 的 で
ある こ とに起 因 してい るが,回 転体 の振 動 的 な運動 は発散 す る
こ とな く安 定的 に把持 作 業が進 行 して い る.
回 転 体 に 対 して 両 手 先 は 平 面 的 に ア プ ロ ー チ す るが,接 触 時 の 状 況 に よ り三 次 元 的 な衝 撃 力 が 発 生 し,そ の 後 の 回 転 体 の 運 動 は 三 次 元 的 に な る こ とが 分 か る(Fig.15∼17).数 値 シ ミ ュ レー シ ョ ンだ け な らば 理 想 的 な 接 触 を仮 定 す る の で,こ の よ う な 三 次 元 的 な運 動 に は な ら な い.提 案 す る ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー シ ョ ンが 実 際 の 物 理 モ デ ル を ル ー プ 内 に 含 む た め に,こ の よ う な 現 実 に則 した 模 擬 が 行 え て い る こ と が 分 か る. Fig.14に は,両 手 先 が 回 転 体 に 接 触 し て い るPhase3, Phase4に お い て,回 転 体 の 回 転 軸 ま わ り に 作 用 す る トル ク が 示 さ れ て い る.し か し な が ら,本 来 両 手 先 が 回 転 体 の 回 転 に 追 従 して い るPhase3で は トル クが 計 測 さ れ な い は ず で あ る. こ れ は,双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ と モ ー シ ョ ンテ ー ブ ル の サ ー ボ誤 差 の 影 響 で,両 手 先 の 運 動 を完 全 に 回 転 体 に追 従 さ せ る こ とが で きず,接 触 時 に 両 手 先 と 回 転 体 と の 間 に 相 対 速 度 が 生 じ た た め で あ る と考 え ら れ る.Fig.18か ら は,Phase3に お い て 上 述 の トル ク が 作 用 す る こ とで,回 転 体 の 回 転 が 減 速 して い る こ とが 見 て と れ る.Phase4に お い て は,双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ に よ っ て 回 転 体 の 回 転 が 制 動 さ れ,回 転 速 度 が 直 線 的 に 減 速 し て い る こ と が 分 か る.こ のFig.18か ら も,回 転 体 が 制 動 さ れ た 後 の 回 転 速 度 の 振 動 が 確 認 さ れ るが,発 散 す る 傾 向 は 見 ら れ な い.以 上 の 結 果 か ら,提 案 した 回 転 体 把 持 戦 略 を 用 い た 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 回 転 体 把 持 作 業 に 成 功 し,把 持 戦 略 の 有 効 性 を 確 認 で きた.本実験 におい て,被 把持状 態 の回転 体が静止 す るこ とな く,双
腕 マ ニ ピュ レー タ両 手先 間 で振 動 的 な運動 を行 うこ とが確 認 さ
れた.そ こで,こ の振 動的 な運動 につ いての考 察 を行 う.連 続系
にお け る把 持 とい う現象 は,把 持 対象 物が 両手先 間での衝 突 を
無限小 の 時 間間隔 で繰 り返 して い る状 態で あ る と考 え る ことが
Fig. 11 Rotational angle of the Ya axis
Fig. 12 Rotational angle of
the rotating object
around the Yr axis
Fig. 13 Internal force in t he Xa direction
Fig. 14 Input torque to the
ro-tating
object
around
the Yr axis
Fig. 15 Relative position of numerical models in
the Xd direction
Fig. 16 Relative position of numerical models in
the Yd direction
Fig. 17 Relative position of numerical models in the Zd direction
Fig. 18 Angular velocity of
the rotating object
around the Yr axis
597 で き る.そ れ に対 して,ハ イ ブ リ ッ ドシ ミュ レ ー タ を 用 い て 把 持 対 象 物 の 運 動 を提 示 す る場 合,そ の 運 動 は 離 散 系 で あ り,2.3 節 で 述 べ た よ う に 両 手 先 との 接 触 ・衝 突 の 際 に物 理 モ デ ル の 押 し込 み とい う現 象 が 生 じ,実 際 の 物 理 現 象 よ り長 い 時 間 物 理 モ デ ル 同士 が 接 触 す る こ と に な る.そ の た め,被 把 持 状 態 の 対 象 物 は 連 続 系 と比 較 し て 長 い 時 間 間 隔 で 両 手 先 との 衝 突 を 繰 り返 す 状 態 に な る と考 え られ る.た だ し,シ ミ ュ レー タの 安 定 化 補 償 に よ っ て 衝 突 に よ る反 発 係 数 を1程 度 に 抑 制 し,不 安 定 な挙 動 を 除 去 して い る た め,こ の 衝 突 の 繰 り返 し に よ っ て 運 動 が 発 散 す る こ と は な い.以 上 の 要 因 か ら,被 把 持 状 態 に お け る 対 象 物 の,収 束 も発 散 も し な い振 動 的 な運 動 が 生 じ た と考 え ら れ る. 5.お わ り に 本 稿 で は,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る ス ピ ン衛 星 捕 獲 作 業 を想 定 した,双 腕 宇 宙 ロボ ッ トに よる 回転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験 を行 っ た.ま ず,双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 軌 道 上 作 業 の 模 擬 を 目 的 と して 開発 した ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー タ につ い て 説 明 し た.そ の 後,衛 星 捕 獲 の 際 の 把 持 部,お よ び 双 腕 マ ニ ピュ レー タ に よ る 回 転 体 の 把 持 戦 略 を 検 討 し,V型 ア タ ッ チ メ ン トを取 り付 け た双 腕 マ ニ ピ ュ レ ー タ 両 手 先 でPAFを 外 側 か ら把 持 す る方 法 を提 案 した.最 後 に,提 案 し た 回 転 体 把 持 戦 略 を用 い て 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 回 転 体 把 持 作 業 模 擬 実 験 を行 い,把 持 戦 略 の 有 効 性 を確 認 し た. 今 後 は,よ り実 際 に 近 い 条 件 で の 軌 道 上 作 業 模 擬 実 験 を行 う こ とが 課 題 と して 挙 げ られ る.本 稿 に お い て は,宇 宙 ロ ボ ッ ト の ベ ー ス の 運 動 を考 慮 して い な い が,実 際 に は フ リー フ ラ イ ン グ の 宇 宙 ロ ボ ッ トの よ う に ベ ー ス が 運 動 す る 場 合 が 想 定 さ れ る. 本 シ ミュ レー タで は,宇 宙 ロ ボ ッ トの ベ ー ス が 運 動 す る場 合 の 作 業 シ ミュ レ ー シ ョ ン も可 能 で あ る た め,宇 宙 ロ ボ ッ トの ベ ー ス の 運 動 を 考 慮 し た 作 業 戦 略 を 検 討 し,軌 道 上 作 業 の 模 擬 を行 う予 定 で あ る.ま た,本 稿 で は 作 業 対 象 物 が 円柱 型 で あ り,そ の外 側 か ら双 腕 マ ニ ピ ュ レー タ両 手 先 で 把 持 す る と い う方 法 を 採 用 した が,他 の 形 状 の 対 象 物 に対 す る 捕 獲 作 業 や,自 由 度 を 有 す る ハ ン ドを マ ニ ピ ュ レー タ 手 先 に取 り付 け て の 作 業 模 擬 も 行 い た い と考 え て い る.最 終 的 に は,こ れ ま で 研 究 を行 っ て き て い る双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ ト遠 隔 操 作 実 験 シ ス テ ム と 融 合 し,遠 隔 操 作 双 腕 宇 宙 ロ ボ ッ トに よ る 軌 道 上 作 業 シ ミュ レ ー タ を 構 築 す る こ と を 目指 す. 謝 辞 本 研 究 は,科 学 研 究 費 補 助 金 ・基 盤 研 究(A)「 ハ イ ブ リ ッ ドシ ミ ュ レー シ ョン に よ る 双 腕 ロ ボ ッ トの 次 世 代 遠 隔 操 作 技 術 の 獲 得 」(課 題 番 号16206024)の 補 助 を 受 け て 行 わ れ た.
参
考
文
献
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598 高 橋 遼 平 佐 藤 大 祐 近 野 敦 内 山 勝 高 橋 遼 平(Ryohei Takahashi) 2006年 東 北大 学 工学 部 機 械航 空 工 学科 卒 業.2008 年 同大 学大 学 院工 学研 究 科航 空宇 宙 工学 専攻 博 士課 程前 期2年 の 課程 修 了. (日本 ロ ボ ッ ト学 会 学 生 会員) 近 野 敦(Atsushi Konno) 1993年 東 北 大 学 大 学 院工 学 研 究 科博 士 課 程 後 期3 年 の 課程 修 了.博 士(工 学).同 年 同 大学 工 学 部機 械 航 空 工学 科 助 手.1995年 東 京 大 学大 学 院工 学 系 研 究 科情 報 工 学 専攻 助 手.1998年 東北 大 学 大 学 院 工 学 研 究科 航 空 宇 宙 工 学専 攻 助 教授,現 在 に至 る, 日本 機 械 学 会,計 測 自動 制 御 学 会,IEEE等 の 会 員. (日本 ロ ボ ッ ト学 会 正 会 員) 佐 藤 大 祐(Daisuke Sato) 1999年 東北 大 学 大 学 院工 学 研 究 科博 士 課 程 前 期2 年 の 課程 修 了.2000年 日本 学 術 振 興 会特 別研 究員 (DC2).2002年 東 北 大 学 大 学 院 工 学研 究 科助 手. 2005年 東北 大 学 大 学 院工 学 研 究 科博 士課 程 後 期3 年 の 課程 修 了.博 士(工 学).2007年 武 蔵 工業 大学 工 学 部機 械 シ ステ ム工 学科 講 師.現 在 に至 る.日 本 機 械 学 会,計 測 自動 制 御 学 会,IEEEの 会 員. (日本 ロ ボ ッ ト学 会正 会 員 〉 内 山 勝(Masaru Uchiyama) 1977年 東 京大 学 大学 院 工学 系研 究 科博 士 課程 修 了. 工 学博士.同 年東 北大学 工学部精 密工学 科助手.1980 年 同助 教授.1992年 同学 部 機 械 航 空工 学 科教 授. 1997年 同大 学 大 学 院工 学研 究科 航 空 宇 宙工 学 専 攻 教 授,現 在 に至 る.日 本機械 学 会,計 測 自動 制御 学 会,IEEE等 の 会 員.(日 本 ロボ ッ ト学 会 正会 員)