• 検索結果がありません。

. 経済動向と関連政策の評価. 今後の改革のシナリオ 3. 中期的な経済見通し

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア ". 経済動向と関連政策の評価. 今後の改革のシナリオ 3. 中期的な経済見通し"

Copied!
22
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2018.11.26

インド経済およびモディノミクスの現状と展望

(2)

1.経済動向と関連政策の評価

2.今後の改革のシナリオ

(3)

成長率は上昇、消費と投資が改善

◯ 成長率は、シン政権末期(12~14年)の年率+6.4%から、モディ政権下(14年~)では同+7.4%に上昇 ‧ 16年の高額紙幣廃止、17年の財サービス税(GST)導入で一時低下も、18年4~6月期は前年比+8.2%まで改善 ◯ 需要項目別では、消費と投資が改善 ‧ ただし、輸出は鈍化 (注)シン政権末期は2011年第2四半期~2014年第2四半期、モディ政権は2014年第2四半 期~2018年第2四半期。 (資料)インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 【 実質GDP成長率 】 0 1 2 3 4 個人消費 政府消費 総固定資本形成 シン政権末期 モディ政権 (成長率寄与度、年率、%PT) 輸出 (注)政権期の区分は左図と同じ。 (資料)インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 【 実質GDP成長率への主な需要項目別寄与度 】 8.2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 13 14 15 16 17 18 (年) (前年比、%) シン政権末期の平均 (年率+6.4%) モディ政権の平均 (年率+7.4%)

(4)

投資にとって、ビジネス環境の改善と経済政策の確実化はプラス要素

◯ 世界銀行による「ビジネスのしやすさ指数」は近年にランクアップ、ただし目標の世界50位入りは途上 ‧ モディ政権の行政デジタル化(従業員積立基金の電子決済化、建設認可と貿易手続きのオンライン化) などが高評価 ◯ FRBが開発した「経済政策不確実性指数」も低下し、シン政権末期に朝令暮改で政策麻痺と呼ばれた状況は改善 ◯ ただし、銀行の不良債権が膨らんでいることは、投資資金供給の制約となる恐れ ‧ モディ政権は、破産法改正、公的資金投入を行い、不良債権処理に道筋をつけたところ 【 ビジネスのしやすさ指数 】 (注)新聞記事のテキスト分析に基づく評価。

(資料)Federal Reserve Bank of St. Louisより、みずほ総合研究所作成

【 経済政策不確実性指数 】 (資料)世界銀行より、みずほ総合研究所作成 0 50 100 150 200 250 300 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18(年) 不確実 ↑ 130 100 77 1 190 2012 13 14 15 16 17 18 (世界順位) モディ政権の目標(50位) シン政権 モディ政権 (年) 50 シン政権 モディ政権

(5)

◯ インフレ率(消費者物価指数)は、シン政権末期の前年比2桁から、モディ政権下では同4%±2%のターゲット内で推移 ◯ 主要費目のインフレ率が低下するなか、特に食品インフレ率の低下が顕著 ‧ 食品のなかでは、穀類、野菜・果物、タンパク質性食品(肉、魚、卵、牛乳)、豆類の物価が安定 (資料)インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 【 インフレ率(消費者物価指数前年比) 】 (資料)インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 【 主な食品のインフレ率寄与度 】

インフレ率が食品を中心に低下、購買力向上で消費にもプラス

シン政権 モディ政権 シン政権 モディ政権 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 13 14 15 16 17 18 (前年比、%) 食品・飲料 その他 燃 CPI (年) 料 住 衣 類 ターゲット 4%±2% ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 12 13 14 15 16 17 18 穀類 野菜・果物 タンパク質性食品 豆 (前年比、%PT) (年)

(6)

物価安定の背景として、モディ政権による農産物価格や金融政策の改革

◯ モディ政権は、貧困層への配給用に農産物を政府が買い上げる公定価格(最低支持価格)について、伸びを抑制 ‧ 2018年は翌年の総選挙に向けた農村対策で高めに設定されたが、それでも過去の選挙前の伸びは下回る ‧ また、農産物の買い占め摘発など、流通改革にも取り組む ◯ モディ政権は、金融政策の独立性と透明性を改善 ⇒ 金融政策の信認を高め、インフレ期待を抑制する効果 ‧ ただし、最近では貸出規制や流動性調節を巡り政権と中銀の対立が報じられ、中銀の独立性に関する懸念が浮上 【 農産物の最低支持価格 】 (資料)みずほ総合研究所作成 【 金融政策改革 】 (注)15品目の最低支持価格上昇率を単純平均 (資料)インド農業省より、みずほ総合研究所作成 インフレターゲット導入 インド準備銀行法改正 シン政権末期の2014年1 月に、ラジャン前総裁が 非公式にインフレターゲッ ト(+4%±2%)を導入 従来は総裁が単独で金融 政策を決定 2015年、モディ政権はイン フレターゲットを公式に承 認 2016年の同法改正で、金 融政策委員会(総裁を含 む6名)による合議制に移 行。会合の議事録も公開 シン政権 モディ政権 0 5 10 15 20 25 30 35 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (前年比、%) (年) 総 選 挙( 2 0 1 9 年 総 選 挙( 2 0 1 4 年 総 選 挙 2 0 0 9 年

(7)

財政再建は途上、徴税強化と補助金抑制に一定の成果

◯ 財政赤字はモディ政権下で縮小、ただし財政責任法で定めるGDP比3%の目標は未達(2020年度に達成の計画) ◯ 税収が増加しており、モディ政権が主だった増税を行っていないことから、徴税強化が背景 ‧ 2017年7月に導入された財サービス税(GST)についても、税制コンプライアンスを改善するとの期待 ◯ 歳出面では、最大の支出項目である利払い費は固定化の一方、補助金削減に一定の成果 ‧ JAM(銀行口座開設、国民皆番号制、モバイル金融の三位一体運用)により、補助金不正受給を減らすことに成功 【 財政赤字 】 (資料)インド財務省 Union Budgetより、みずほ総合研究所作成 【 税収、主な歳出 】 (資料)インド財務省 Union Budgetより、みずほ総合研究所作成 シン政権 モディ政権 0 1 2 3 4 5 6 7 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 実績 予算および中期計画(2018年2月発表) 財政赤字目標 (名目GDP比、%) (年度) シン政権 モディ政権 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 11 12 13 14 15 16 17 見込 18 予算 (名目GDP比、%) (年度) 税収 利払い 補助金 支出

(8)

経常赤字は足元で再拡大、原油高や民間ISバランス悪化が背景

◯ 経常赤字は、モディ政権下で断続的にGDP比でゼロまで縮小したが、2017年以降は再び拡大基調 ‧ 原油価格の上昇で財輸入が増加 ◯ ISバランスの観点からみると、モディ政権の財政赤字削減は経常赤字の縮小要因 ‧ ただし、民間の貯蓄超過が縮小しており、油価と共にモディ政権のコントロールが効きにくい要素で経常赤字は再拡大 【 経常収支(内訳) 】

(資料)IMF World Economic Outlook Database、インド財務省より、みずほ総合研究所作成

【経常収支(ISバランス) 】 (資料)インド準備銀行、統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 シン政権 モディ政権 シン政権 モディ政権 ▲ 14 ▲ 12 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 12 13 14 15 16 17 18 経常収支 (GDP比、%) (年) 石油関連 貿易収支 その他 貿易収支 サービス貿易 +所得収支 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 経常収支 (名目GDP比、%) 財政赤字 ↓ ↑ 民間貯蓄>投資 (年) 民間 (貯蓄-投資) 連邦政府財政 州政府財政等

(9)

▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 12 13 14 15 16 17 18 資本収支 (GDP比、%) (年) その他投資 証券投資 直接投資

直接投資が規制緩和を背景に流入、外貨準備が蓄積

◯ モディ政権下で経常赤字が抑制された一方、資本流入は続いたため、外貨準備は増加基調で推移 ◯ 資本収支のなかでは、証券投資、その他投資は出入りを繰り返したのに対し、直接投資は安定的に流入 ‧ モディ政権は、保険、防衛、鉄道、航空、電力取引所、不動産、単一ブランド小売(専門店等)の分野で外資規制緩和 ‧ 総合小売(スーパー等)は、モディ政権の公約では外資反対だったが、現状は各州の判断に委任。総合小売の参入を 制度上は認めている州は3分の1程度あるが、実際に参入を承認する事例は少ない 【 国際収支 】 (資料)インド準備銀行より、みずほ総合研究所作成 【 資本収支 】 (資料)インド準備銀行より、みずほ総合研究所作成 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 12 13 14 15 16 17 18 外貨準備増減 経常収支 資本収支 (GDP比、%) (年) 経常赤字拡大 資本流入縮小 外貨準備減少 資本流入増加 外貨準備蓄積 資本流入増加 外貨準備蓄積 シン政権 モディ政権 シン政権 モディ政権

(10)

トルコ 南アフリカ ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ▲ 10 0 10 (外貨準備/短期対外債務、倍) (経常収支/名目GDP、%) アルゼンチン 外貨潤沢 経常黒字 外貨不足 経常赤字 インド メキシコ インドネシア トルコ 南アフリカ ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ▲ 10 0 10 (外貨準備/短期対外債務、倍) (経常収支/名目GDP、%) アルゼンチン 外貨潤沢 経常黒字 外貨不足 経常赤字 メキシコ インド インドネシア

ルピーは足元で最安値更新だが、通貨安への耐性は向上

◯ ルピーの対ドルレートは2018年に急落、2013年のテーパータントラム時につけた最安値を更新 ‧ 今も当時も米利上げ(期待)が背景だが、ルピーは当時のような独歩安でなく、実効レートでみればさほど下がらず ◯ 2013年に比べて経常赤字は抑制され、短期対外債務の外貨準備によるカバーも向上し、対外資金ニーズは縮小 ‧ したがって、通貨安への耐性は向上 【 ルピー相場(対ドル、実質実効レート) 】 (資料)IMFより、みずほ総合研究所作成 【 経常収支、外貨準備/短期対外債務 】 (資料)CEICより、みずほ総合研究所作成 2013年(シン政権) 2018年(モディ政権) シン政権 モディ政権 75 80 85 90 95 100 105 45 50 55 60 65 70 75 13 14 15 16 17 18 対ドルレート 実質実効レート(右目盛) (2010年=100) (ルピー/米ドル、逆目盛) (年) ルピー高 ルピー安

(11)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 2次産業比率 1次産業比率 3次産業比率 (%) (年)

雇用改善に遅れ、労働市場改革は進まず

◯ 失業率はモディ政権下で微増、成長率トレンド上昇の成果は反映されず ‧ 2018年も、3月にインド国鉄が9万人を募集したのに対し、2800万人もの応募者があり、雇用情勢は停滞の様子 ◯ 雇用者構成をみると、製造業比率は横ばいで、1次産業からのシフトは3次産業が受け皿 ‧ 現地ヒアリングでは、3次産業では零細企業や自営業、契約雇用などが雇用の中心で、underemploymentが多いとの声 ◯ 政策面では、国政レベルでの労働市場改革(解雇規制緩和等による柔軟化)は進まず、一部の州での規制緩和に限定 【 失業率 】 (資料)静観銀行より、みずほ総合研究所作成 【 雇用者構成 】 (資料)世界銀行より、みずほ総合研究所作成 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (%) (年) シン政権 モディ政権 シン政権 モディ政権

(12)

「Make in India」運動の成果はみえず、インフラ不足が製造業の障壁

◯ 製造業のGDP比率は16~18%程度で横ばいを続け、モディ政権の「Make in India」運動が目指す25%に届かず ◯ インドにおける製造業の課題としては、インフラ不足を税制と共に上げる意見が多数 ‧ インフラ整備については、財源(財政再建中)、制度(土地収用法改正の棚上げなど)といった制約 【 GDPの産業別シェア 】 (資料)国際協力銀行「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」 より、みずほ総合研究所作成 【 製造業にとってのビジネス上の課題(2017年アンケート) 】 (資料)インド統計計画実行省より、みずほ総合研究所作成 0% 25% 50% 75% 100% 12 13 14 15 16 17 18 製造業 3次産業 その他 1次産業 (年) シン政権 モディ政権 0 10 20 30 40 50 60 法制が 不透明 インフラ 不足 税制が 複雑 他社との 競争 労務問題 インド インドネシア 中国 タイ ベトナム 製造業 の目標 (25%)

(13)

総括として、モディノミクスは部分的に成果を上げる一方、残された課題も

◯ 残された課題のうち、ビジネス環境の一層の改善については既にモメンタムがみられ、不良債権は処理の枠組みが整う ◯ 一方、財政再建下でのインフラ整備は困難で、雇用と土地改革の法改正については「ねじれ国会」がハードル ◯ 最近の話題として、RCEPの行方にも要注目(インドは自由化に慎重) 【 モディ政権下の経済パフォーマンス、政策面での進展と残された課題 】 (資料)みずほ総合研究所作成 経済指標 経済指標の評価 進展した関連政策 残された政策課題 成長率 インフレ

・消費、投資加速 ・インフレ目標達成 ⇒ 消費にもプラス ・ビジネス環境整備 ・経済政策の確実化 ・農産物価格統制 ・インド準備銀行法改正 ・ビジネスのしやすさ指 数で世界50位入り ・不良債権処理 財政収支 国際収支

・財政赤字縮小 ⇒ ISバランス改善 ・ただし、財政赤字目標は未達、経常赤字再燃 ・直接投資増加、外貨準備蓄積 ・徴税強化 ・GST導入、JAM推進 ・補助金削減 ・直接投資規制緩和 ・財政赤字目標達成 (さらなるISバランス改善) 雇用・所得 製造業/GDP

×

・雇用停滞 ・製造業比率の停滞 ・雇用改革 ・土地改革 ・インフラ整備

(14)

1.経済動向と関連政策の評価

2.今後の改革のシナリオ

(15)

今のところ、モディ政権は来年の下院選で再選、上院の過半数は2020年代の見通し

◯ モディ政権の与党は2014年の総選挙で下院の過半数を占めるも、上院は過半数割れの「ねじれ国会」 ‧ 上院が法改正を伴う改革の障壁 ◯ 来年5月までの下院総選挙について、与党は支持率を落としているものの、過半数を辛うじて確保する見通し ◯ 州議会議員の間接選挙による上院は、与党が今までのように州議会選挙で勝利を続ければ、2020年以降に過半数ヘ ‧ 「ねじれ国会」が解消し、モディ政権が指導力を発揮して改革を進めやすい状況に 【 インド国会の仕組み、議席構成 】 (注)議席数は2018年8月29日時点。 (出所)インド国会ホームページ より みずほ総合研究所作成 【 世論調査に基づく次回の下院選挙予想 】

(資料)India Today Mood of the Nation Pollより、みずほ総合研究所作成

0 50 100 150 200 250 300 350 400 前回 選挙 14/8 15/4 15/8 16/2 16/8 17/1 17/7 18/1 18/5 18/7 (議席) (調査実施、年/月) BJP+連立(与党) 国民会議派+連立(最大野党) その他 過半数 上 院 ・任期6年、2年毎に約1/3ずつ 改選 ・州議会議員による間接選挙 ・上記のため、勢力交代に時 間がかかる仕組み 下 院 ・任期5年 ・有権者による直接選挙 ・首相指名と予算に関しては、 下院のみで可決可能。その 他は両院の可決必要 0 123 BJP + 連立 (85) 会議派 + 連立 (57) その他 (99) 空席 (4) 245議席 0 273 545議席 BJP + 連立 (314) 会議派+連立 (52) その他 (175)

(16)

「ねじれ国会」で国政レベルの改革が足踏みしても、州レベルで改革が先行する可能性

◯ モディ首相は各州が改革を競い合う「競争的連邦主義」を提唱 ‧ 世界銀行と共同で、同銀行の「ビジネスのしやすさ指数」を基に、ビジネス改革実行指数を開発して州別にランキング ‧ 各州がランキング上位を目指して改革を競う気運が生じており、州首相が改革派のアンドラプラデシュが2018年の首位 【 ビジネス改革実行指数の州別順位(2018年) 】 (注)地図の番号は2018年の順位。デリーのみ州でなく、行政区分は「首都圏」。

(資料)インド産業政策・振興局”Business Reform Action Plan”より、みずほ総合研究所作成

10 6 7 3 9 5 1 4 2 8 11 14 13 12 15 17 16 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 ← 改革実行 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1.アンドラプラデシュ 2.テランガナ 3.ハリアナ 4.ジャールカンド 5.グジャラート 6.チャッティスガル 7.マディヤプラデシュ 8.カルナータカ 9.ラジャスタン 10.西ベンガル 11.ウッタラカンド 12.ウッタルプラデシュ 13.マハラシュトラ 14.オディッサ 15.タミルナドゥ 16.ヒマルチャルプラデシュ 17.アッサム 18.ビハール 19.ゴア 20.パンジャブ 21.ケララ 22.ジャンムカシミール 23.デリー 24.トリプラ 25.ナガランド 26.ミゾラム 27.マニプル 28.シッキム 29.アルナチャルプラデシュ 30.メガラヤ (%)

(17)

インフラ財源の捻出は容易でないが、モディは過去に社会保障費から振り分けた経緯

◯ インフラ整備の財源については、2020年度までの中期財政計画をみる限り、資本支出の積み増しは期待しずらい ◯ 2021年度以降の長期展望については不確定な要素が多いものの、モディ政権は財政均衡を重視する傾向 ‧ 財政赤字を拡大してまでインフラ財源を増やすことは考えにくい ◯ モディ首相はグジャラート州首相だった2002~2013年度に、社会保障費を抑制してインフラ予算を積み増した経緯 ‧ ただし、その結果として、グジャラート州の経済は発展したものの、人間開発指数は低位にとどまったとの指摘 【 歳出構造 】

(資料)インド準備銀行Handbook of Statistics on Indian Statesより、みずほ総合研究所作成

【 各州予算の資本支出の伸びvs社会保障費の伸び 】 (2002~2013年度の年率-1990~2001年度の年率) (資料)インド財務省より、みずほ総合研究所作成 0 3 6 9 12 15 11 12 13 14 15 16 17 見込 18 予算 19 中計 20 中計 モディ政権 (名目GDP比、%) (年度) 経常支出 資本支出 3%の赤字目標 財政赤字 シン政権 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 (社会保障費の伸び幅、%PT) (資本支出の伸び幅、%PT) 社会保障費 抑制 資本支出 拡充 グジャラート州

(18)

1.経済動向と関連政策の評価

2.今後の改革のシナリオ

(19)

インドの発展段階は「下位中所得国」で、伸びしろは大

(資料)世界銀行より、みずほ総合研究所作成 【 一人当たり名目国民総所得と、それに基づく発展段階分類(2017年) 】 ◯ 一人当たり国民総所得(GNI)に基づく世界銀行の分類で、インドは2007年に「下位中所得国」に昇格 ‧ 上位の発展段階に向けた伸びしろが大 1820 1190 1230 2170 2270 3540 3660 5960 9650 8690 24984 28380 46310 54530 35644 38550 58270 1,000 10,000 100,000 イ ン ド ミ ャ ン マー カ ン ボ ジ ア ベ ト ナ ム ラ オ ス イ ン ド ネ シ ア フ ィ リ ピ ン タ イ マ レー シ ア 中 国 台 湾 韓 国 香 港 シ ン ガ ポー ル ユー ロ 圏 日 本 米 国 (ドル、対数目盛) 12,055ドル 3,895ドル 高所得国 上位中所得国 下位中所得国 先進国 NIEs ASEAN

(20)

インドでは、人口ボーナスのポテンシャルを活用しやすい環境が整備

◯ インドでは、生産年齢人口/総人口の比率上昇(人口ボーナス)が続き、労働と資本の要素投入が拡大するポテンシャル ◯ 人口ボーナスのポテンシャルを実際に発揮するには、労働や資本を効率的に活用できる環境を整えることが重要 ◯ これらの環境を表す代理変数として世界競争力指数に注目し、その水準と変化のモメンタムを基に環境整備を評価 ◯ インドでは、競争力の水準が相対的に高く、かつ改善しており、人口ボーナスを活用する環境が整いつつある様子 【 生産年齢人口/総人口の比率が上昇する期間) 】 (注)生産年齢人口=15~64歳人口。 (資料)国際連合より、みずほ総合研究所作成 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 フ ィ リ ピ ン イ ン ド イ ン ド ネ シ ア ベ ト ナ ム マ レー シ ア タ イ 台 湾 韓 国 シ ン ガ ポー ル 香 港 (年) 下位 中所得国 上位 中所得国 高所得国 2 0 1 9 年 ↓ ▲ 0.15 ▲ 0.10 ▲ 0.05 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 3.5 4.0 4.5 イ ン ド ネ シ ア イ ン ド ベトナム フィリピン 良好 横軸:指数の水準(2017年) 縦軸: 指数の 変化幅( 過去5 年間) (注)下位中所得国のアジア諸国と、同じ発展段階にある人口が2,000万人を超える主 な国を比較。

(資料)World Economic Forumより、みずほ総合研究所作成

(21)

(前年比、%) 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025~2028年 暦年 期間平均 世界実質GDP成長率 3.5 3.2 3.8 3.8 3.8 3.6 3.6 3.7 3.7 3.6 3.6 予測対象地域計 3.6 3.4 3.9 4.1 4.0 3.7 3.6 3.7 3.7 3.7 3.6 日米ユーロ圏 2.4 1.5 2.3 2.4 2.1 1.4 1.4 1.6 1.6 1.5 1.4 米国 2.9 1.5 2.3 2.8 2.6 1.4 1.5 1.8 1.8 1.7 1.6 ユーロ圏 2.1 1.8 2.4 2.2 1.8 1.6 1.4 1.4 1.4 1.4 1.4 日本 1.4 1.0 1.7 1.1 1.1 0.5 0.9 1.2 1.1 1.2 1.0 アジア 6.2 6.2 6.1 6.2 6.0 6.0 5.8 5.8 5.6 5.6 5.3 中国 6.9 6.7 6.9 6.5 6.4 6.3 5.8 5.5 5.2 5.0 4.4 NIEs 2.1 2.3 3.2 2.8 2.5 2.1 2.2 2.2 2.2 2.2 2.0 ASEAN5 4.9 4.9 5.3 5.3 5.1 4.9 5.0 5.3 5.3 5.3 5.3 インド 7.6 7.9 6.2 7.4 7.4 7.4 7.7 8.0 8.0 8.0 8.1 オーストラリア 2.5 2.6 2.3 3.0 2.7 2.3 2.3 2.3 2.3 2.3 2.2 ブラジル ▲ 3.5 ▲ 3.5 1.0 2.0 2.5 2.3 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 メキシコ 3.3 2.9 2.0 1.9 2.3 2.5 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 ロシア ▲ 2.5 ▲ 0.2 1.5 1.6 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5

中長期的には、インドの成長率は+8%台に向けて高まる見通し

◯ 成長率は2020年代に+8%に向けて高まる見通し ‧ モディ政権が次の下院選挙で勝利し、上院も制して「ねじれ国会」を解消することで、改革が進捗する想定 ‧ リスク要素として、次の下院総選挙に要注目 【 世界経済見通し総括表(2018年6月時点) 】 (注)網掛けは予測値。予測対象地域計はIMFによる2016年GDPシェア(PPP)により計算。 (資料)IMF、各国・地域統計より、みずほ総合研究所作成

(22)

本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、弊 社が信頼に足り且つ正確であると判断した情報に基づき作成されておりますが、弊社はその正確性・確実性を保証する ものではありません。本資料のご利用に際しては、ご自身の判断にてなされますようお願い申し上げます。

参照

関連したドキュメント

究機関で関係者の予想を遙かに上回るスピー ドで各大学で評価が行われ,それなりの成果

この小論の目的は,戦間期イギリスにおける経済政策形成に及ぼしたケイ

地方創生を成し遂げるため,人口,経済,地域社会 の課題に一体的に取り組むこと,また,そのために

他方、今後も政策要因が物価の上昇を抑制する。2022 年 10 月期の輸入小麦の政府売渡価格 は、物価高対策の一環として、2022 年 4 月期から価格が据え置かれることとなった。また岸田

〔問4〕通勤経路が二以上ある場合

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

省庁再編 n管理改革 一次︶によって内閣宣房の再編成がおこなわれるなど︑

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年