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技術論文 GPS と慣性センサを利用した車両姿勢角推定 * 平野 麻衣子 ) 天野 真輝 ) 服部 義和 小野 英一 ) 福田 光雄 ) 廣瀬 太郎 Estimation of Vehicle Attitude Integrating Inertial Sensors

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(1)

これは,5.1 節でも述べたとおり,統合制御 II の場合,図 6 (a) に示したとおり,統合制御II の周波数応答 δf II /β と τfr II /β が, 1 Hz まで位相差を 180° 程度もっているためである. 図8 (c)より,統合制御 I, II は従来車両の横変位と比べ,3 区間全体で位相の遅れが生じているものの,制御なしの場合 に区間2 および区間 3 の前半で生じる急峻な車両の姿勢変化 が統合制御I, II により抑制されていることがわかる.また,4 に示すとおり,従来車両との横変位偏差の最大絶対値|Ye | に関して,統合制御II は統合制御 I の場合より,約 7-20 %程 度低減できることがわかる. 6.ま と め ベンチマーク問題で与えられた超小型4輪IWM車両に対し て,従来車両と同等以上の横風安定性,緊急回避性能の実現 することを目的として,前輪操舵角と駆動/制動トルクを統合 した車両運動制御システム設計を行った.本論文により得ら れた結果をまとめると次のとおりとなる. (1) システム同定の際に,外乱入力の場所とその大きさを調 整することによって,ベンチマーク問題No.3 で課題として与 えられている時速60 km での横風試験,およびダブルレーン チェンジ試験による評価に合致した低次元化モデルを獲得す ることができた. (2) 得られた低次元化モデルを用いて,周波数応答により制 御入力による車両の横方向運動に関する動特性を解析した. その結果,約1 Hz 以下の周波数領域で,前輪操舵角入力,お よび駆動/制動トルク入力に対して車両横滑り角がヨーレート 応答より,位相を70-180° 程度進ませていることを示した. (3) 低次元化モデルに対して,周波数領域で制御量の評価を 行い,前輪操舵角制御と駆動/制動トルク制御の間で互いに矛 盾した動作を起こすことなくこれらを統合した制御システム を設計することができた. (4) 超小型 4 輪 IWM 車両モデルに対して,横風,およびダ ブルレーンチェンジ試験シミュレーションを実施した結果, 低次元化モデルを用いて設計した統合制御システムの妥当性 を確認することができた. 今後は,低μ 路旋回加速,またぎ路旋回制動などの条件下 で車両速度に変化が生じる場合の車両運動制御システムの設 計を行うとともに,旋回加速性能,旋回制動性能に加えて省 エネルギー性との両立を目指したいと考えている. 参 考 文 献 (1) 国土交通省都市局・自動車局.超小型モビリティ導入に向 けたガイドライン,平成 24 版,2012.http://www.mlit.go.jp/ common/000212867.pdf,(参照 2014-7-15) (2) 平野豊:エネルギー消費と動的性能の両立を目指した新モ ビリティ用車両制御,自動車技術会学術講演会前刷集, No. 146-11, p. 9-12 (2011) (3) 勝山悦生:インホイールモータによる非連成 3D モーメン ト制御の開発,自動車技術会論文集,Vol. 43, No. 2, p. 183-188 (2012) (4) 村田智史:インホイールモータによる車両運動性能の革 新,自動車技術会シンポジウムテキスト, No.10-13, p.40-45(2014)

(5) Tiller , Michael M ほか:Modelica による物理モデリング入

門,東京,オーム社, 2003, p. 1-13 (6) 井上慎太郎ほか:Modelica を用いた新モビリティのモデリ ングと制御(第1報),自動車技術会学術講演会前刷集, No. 48-13, p. 1-4 (2013) (7) 井上慎太郎ほか:Modelica を用いた新モビリティのモデリ ングと制御(第2報),自動車技術会学術講演会前刷集, No. 86-14, p. 17-22 (2014) (8) ユンソンギルほか:インホイールモータを搭載した超小型電 気自動車のためのシステム同定と H 制御系設計, 自動車技術 会学術講演会前刷集,No. 48-13, p. 1-6 (2013) (9) ユンソンギルほか:超小型電気自動車の操縦安定化制御シ ステム設計,日本機械学会運動と振動の制御シンポジウム講 演論文集, No. 13, p. 1-9 (2013) (CD-ROM)

(10) He, Junjie. et al. : Integrated Active Steering and Variable Torque Distribution Control for Improving Vehicle Handling and Stability, SAE Transactions, Vol. 113, No. 6, p. 638-647 (2004) (11) Nagai, Masao. et al. : Study on integrated control of active front steer angle and direct yaw moment, JSAE Review, Vol. 23, No. 3, p. 309-315 (2002)

(12) 足立修一:MATLAB による制御のためのシステム同定

(第2 章),東京,東京電機大学出版局,1996,202p

(13) Overschee, Peter Van. et al. : N4SID-Subspace Algorithms for the Identification of Combined Deterministic-Stochastic Systems, Automatica , Vol. 30, No. 1, p. 75-93 (1994)

(14) 野波健蔵ほか:MATLAB による制御系設計, 東京電機大

学出版局, 1998, p. 103-140

(15) Dempsey, Mike. : Dymola for multi-engineering modelling and simulation, Vehicle Power and Propulsion Conference VPPC '06. IEEE, p. 1-6 (2006)

(16) Pacejka, Hans B. : Tire and vehicle dynamics, Oxford, Elsevier, 2006, p. 172-215

Table 4 Results of each section in double lane change test Section Control No Integrated control I Integrated control II CV Max.of |Ye | (m) 1 2 3 0.164 0.193 0.177 0.120 0.165 0.080 0.111 0.123 0.063 - - - Max.of |ߚ| (deg) 1 2 3 1.02 1.76 1.60 0.692 0.797 0.272 0.415 0.542 0.208 0.401 0.547 0.178 Max.of |re| (rad/s) 1 2 3 - - - 1.13×10-2 1.63×10-2 0.895×10-2 0.865×10-2 1.25×10-2 0.575×10-2 - - -

GPS と慣性センサを利用した車両姿勢角推定

平野 麻衣子)天野 真輝)服部 義和 小野 英一)福田 光雄)廣瀬 太郎

Estimation of Vehicle Attitude Integrating Inertial Sensors and GPS

Maiko Hirano Masateru Amano Yoshikazu Hattori Eiichi Ono Mitsuo Fukuda Taro Hirose GPS signal is used for estimating drifts in inertial sensors. The drift in sensors could be estimated accurately without updating GPS signal constantly because the drift rate is lower than vehicle dynamics rate. In this paper, we propose the observer for estimating vehicle roll and pitch angle accurately with compensating for drift inertial sensors.

KEY WORDS: vehicle dynamics, motion control, electronic stability control, GPS, Drift (B1)

.ま え が き 車両の姿勢角(鉛直軸に対するロール角,ピッチ角)は, 車体スリップ角の推定精度に影響を与えるため,車両の安定 化制御において重要な状態量である.これらの状態量を推定 する手法として,慣性センサのみを利用する方法  や,慣性 センサに加え,*36 からの情報を利用する手法が提案されてい る   .姿勢角の推定精度は,センサのゼロ点ドリフトに依存 する.しかし,ゼロ点ドリフトが小さい高精度なセンサや, 内部でドリフト補償可能なセンサを利用することはコスト面 が課題となる.そこで,小野ら  はセンサのゼロ点ドリフト をオンラインで補償しつつ,姿勢角を推定する手法を提案し ている.文献  のドリフト推定手法では,オブザーバ出力は センサ信号の積分に比べ,センサ誤差の影響を受けにくいこ とに着目し,センサ信号の積分とオブザーバ出力を比較する ことでセンサ誤差を推定する手法である.ここでは,横加速 度とヨー角速度のゼロ点ドリフトの推定に対し,車速変化を 利用することを特徴としている.本稿では,文献  のセンサ 情報に新たに *36 信号を追加し,センサゼロ点ドリフトの推 定に対し,*36 信号から推定される車両のヨー角を利用する. これにより,車速変化を必要とせず,ドリフトを補償するこ とが可能となる.また,*36 を利用する際,衛星を常時捕捉で きないことがしばしば問題となるが,センサゼロ点ドリフト は車両運動に比べ,十分低い周波数で推移するため,ある程 度の時間内では一定と考えられる.したがって,必ずしも *36 信号の常時捕捉を必要としない. , 章では,文献  の姿勢角推定手法について述べる. 章に,*36 信号を利用するセンサゼロ点ドリフト推定手法を  年  月  日受理, 年  月  日自動車技術会春 季学術講演会において発表.  ・ ・ ・) 株 豊田中央研究所 愛知県長久手 市横道    ・)トヨタ自動車 株 静岡県裾野市御宿   提案し, 章に実験データを利用した推定結果を示す.  .車両の運動方程式 剛体の運動方程式 剛体に固定された  軸加速度(前後加速度,横加速度,上 下加速度), 軸角速度(ロール角速度,ピッチ角速度,ヨー 角速度)と運動状態量(前後速度,横速度,上下速度,ロー ル角,ピッチ角)の関係を表す運動方程式を以下に示す. (1) (2) (3) (4) (5) ここで,U:前後速度V:横速度W:上下速度 Gx:前 後加速度Gy:横加速度Gz:上下加速度 P:ロール角速度 Q:ピッチ角速度R:ヨー角速度

:ロール角

:ピッ チ角g:重力加速度とする(図 ).また,座標系は図のよ うに車体上向きを ] 軸の正方向とする右手座標系とし,角度 はオイラー角を表す.      

Fig.1 Vehicle Coordinates ピッチ角速度の推定 文献(4)で提案されている姿勢角推定手法では,ヨー角速度と 前後,横加速度を計測する横滑り防止制御用センサを二つ利

*

P U W Q X axis V Y axis Z axis R 0  V  䢼䢢䣉䣮䣱䣤䣣䣮䢢 䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧 䣵䣻䣵䣶䣧䣯 䢼䢢䣘䣧䣪䣫䣥䣮䣧 䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧䢢䣵䣻䣵䣶䣧䣯 Z X O Y

(2)

用する.すなわち, 軸加速度(前後,横,上下)と  軸角速 度(ロール,ヨー)をセンサ信号として計測する.ピッチ角 速度Q は文献  で提案されているように,  式の関係から推 定する.自動車の運動では上下速度W の絶対値が小さく,路 面外乱の高周波成分を除けば,「上下速度W の微分値の平均 (低周波成分)は  付近の値となる」という特徴を利用する と,以下のような推定式が得られる. (6) ここで,aは推定値を表すとする. 姿勢角推定に必要なセンサ信号は前述の信号の他に,車輪 速センサを利用も利用する.次節にその詳細を述べる.  .姿勢角推定 自動車運動固有の特徴  節で示した運動方程式を利用し,オブザーバを構成する. オブザーバでは,積分演算による状態量の発散を抑制するた め,観測できる物理量をフィードバックする.文献  の提案 手法では,フィードバックする物理量として,自動車運動固 有の特徴を利用する.すなわち, L 「車体前後速度微分値(低 周波成分)は車輪速から推定ができる」, LL 「車体横速度 微分値の平均値(低周波成分)は  付近の値となる(スリッ プ角は長時間増大し続けない)」, LLL 「地面固定座標系の 鉛直軸方向の加速度は,重力加速度にほぼ一致する」という 三つの特性をフィードバックに反映する.また,上下速度は 小さいとし,以下ではW0と仮定する. L より,車輪速か ら推定された前後速度をVs0とすると,前後速度微分値Uは,     と表せることから,以下の条件を利用する. (7) これは,Vs0から演算される加速度と前後加速度の差と,ピッ チ角の関係を表している.次に LL より,低周波成分に対し てV0が成り立つことから, (8) という条件を利用する. LLL は,座標系 0  上の重力加速度g と座標系V上のGx y G Gzとの関係が,次式によって記述 できることを意味する. (9) 姿勢角推定オブザーバ 前節に示した自動車運動固有の特徴を利用し,姿勢角推定 のためのオブザーバを構成する.オブザーバの状態量を (10) フィードバックに用いるオブザーバ出力を

T f y d f x d f

g

g

g

y

~

~

~

~ 

(11) とする.また,センサ信号から演算される車両出力を

T y d f x d f

g

g

g

y 

(12) とする.ここで, ydf xdf g g , は,センサ信号および横速度推定 値V~から得られる    式の左辺を,車両出力 f ydf xdf g g g ,~ ,~ ~ は,加速度センサ信号および姿勢角推定値から得られる      式の右辺をそれぞれローパスフィルタ処理した 値とし,以下の式で定義する. (13) (14) (15) (16) (17) ただし,はそれぞれローパスフィルタの時定数を表 している.すなわち,      式はいずれも長い時間の 中での変化を考慮したときに満足する条件 L  LL  LLL に 由来する関係式であるため,オブザーバの測定量のフィード バックには,両辺をローパスフィルタ処理した値を利用する. フィルタ時定数は,遅れによる誤差を伴わない値に調整する. オブザーバ出力と車両出力に対し,適切なオブザーバゲイ ンK を設定することによってロール角,ピッチ角を推定する オブザーバが構成できる.すなわち,ロール角,ピッチ角を 推定する非線形オブザーバは,以下の状態方程式で記述され る.  K (18) g y x   , , 0 s V U   オブザーバゲインの一例として,オブザーバの安定性を確保 するため,線形化を行ったときの対角成分が負の係数を持つ ように,次式のように表す.

 

                      g y x xdr x g x ydr y g y K K K G G K K G G K K u x k K 0 0 0 0 0 0 0 0 , ~     (19) ただし,Ky,Kg,Kx,Kg,Kx,Ky,Kgは適切な正の定数とす る.   式のパラメータを調整することによって,オブザーバ の安定性と収束性は確保される.しかしながら,収束性の向 上のためには,各パラメータを可変にする等の方策が必要と なる.  式の安定性と収束性を保証するK の一般的な設計 方法については今後の課題である. 姿勢角推定,車体速度推定およびドリフト推定の関係 車体速度についても姿勢角の推定と同様に,オブザーバを構 成することができ,これまでにも様々な手法が提案されてい る    .車体速度推定オブザーバから,スリップ角推定値~ U V ~~ ~ 

によって求められる.この車体速度推定値U ~~,Vは 姿勢角の影響を受ける.一方,姿勢角推定オブザーバの  式 は,横速度推定値V~を利用するため,車体速度の影響を受け る.また,姿勢角・車体速度の推定値は共にセンサドリフト の影響を受ける.  そこで,本稿で提案する手法は,各オブザーバから得られ る誤差を含む推定値を用い,センサゼロ点ドリフトを同時に 推定することによって,相互に影響する誤差をオンラインで 徐々に低減させていく手法である.以下では,車体速度に関 してもオブザーバによって推定されていることを前提に,ド リフト推定を検討する.  .*36 信号を利用するセンサゼロ点ドリフト推定 文献  で提案されているセンサゼロ点ドリフト推定の手法 は,オブザーバ出力としての姿勢角推定値はセンサ信号の積 分によって演算される姿勢角と比べ,センサ誤差の影響を受 けにくいことに着目し,    式の運動方程式の単純積分と オブザーバ出力を比較することでセンサ誤差を推定する手法 である.この手法では,ゼロ点ドリフトを推定するセンサ信 号の中で,横加速度とヨー角速度について,車両の横方向に 関する  式の関係を基に,一つの基礎式から二つのドリフト 量を推定する必要がある.そこで,文献  では,ヨー角速度 センサドリフトの係数が車速となることに着目し,車速変化 を利用することで,二つのドリフト量を推定した.本稿では, *36 信号から得られる車両ヨー角をヨー角速度の積分と比較 することで,二つの基礎式から横加速度とヨー角速度のドリ フト量を推定することを考える.  *36 信号から推定される車体ヨー角 衛星から得られる信号は,搬送波と搬送波上に ,で付与 されるコードで構成されており,搬送波のドップラー効果に よって生じる周波数変化分を計測したものを *36 ドップラー という.この *36ドップラーと衛星速度から車体の地球中心 座標系に対する速度を推定する手法は様々なものが提案され ており,これらの手法により,精度の高い車体速度ベクトル が得られる  .*36 ドップラーによる車体の速度ベクトルは, 図  のような地面固定座標系0 O-XYZ)に対する速度として 求めることができる.したがって,座標系0と *36 ドップラ ーによる車体速度ベクトルとのなす角が

GPS得られる. Z1 X1 Y1 U V 䣘䣧䣮䣱䣥䣫䣶䣻䢢䣸䣧䣥䣶䣱䣴 䣕䣮䣫䣲䢢䣃䣰䣩䣮䣧β ’ 䣘䣧䣪䣫䣥䣮䣧䢢䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧 䣵䣻䣵䣶䣧䣯 䣉䣧䣱䣥䣧䣰䣶䣴䣫䣥䢢 䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧䢢䣵䣻䣵䣶䣧䣯 䣃䣰䣩䣮䣧䢢䣱䣨䢢䣦䣫䣴䣧䣥䣶䣫䣱䣰䢢 䣧䣵䣶䣫䣯䣣䣶䣧䣦䢢䣨䣴䣱䣯䢢 䣉䣒䣕䢢䣦䣱䣲䣲䣮䣧䣴 GPS

ZE XE YE O 䣛䣣䣹䢢䣃䣰䣩䣮䣧  Fig.2 Vehicle Yaw Angle and Velocity Vector

 XY 平面での運動のみを考えた場合,と車体スリップ角 および車体ヨー角の関係は, (20) と表される.  本稿では,車体のロール角,ピッチ角を考慮した車両運動 を扱うため,  式の関係を三次元での車両運動を考慮した 形に拡張する.車体姿勢角は,Z 軸→Y 軸→X 軸の順番で回転 させたオイラー角である.したがって,車体座標系をX 軸Y軸の順に戻した座標系 O-X1Y1Z1と,地面固定座標系との Z軸まわりの回転角が車体ヨー角である.このとき,車体の 速度ベクトルをO-X1Y1Z1で表した場合のX1方向成分とY1方 向成分から作られるベクトルをVX1Y1Z1とすると,X1軸と 1 1 1YZ X V とがなす角は (21) と表される.すなわち,車両の三次元運動を考慮した場合,  式は次式のように修正される. (22) 上式により,*36信号から得られる車体速度ベクトルと車体 ヨー角の関係が得られた. ドリフト推定に利用する基礎式     式において,上下速度を無視するとともに,ピッチ VGPS

(3)

用する.すなわち, 軸加速度(前後,横,上下)と  軸角速 度(ロール,ヨー)をセンサ信号として計測する.ピッチ角 速度Q は文献  で提案されているように,  式の関係から推 定する.自動車の運動では上下速度W の絶対値が小さく,路 面外乱の高周波成分を除けば,「上下速度W の微分値の平均 (低周波成分)は  付近の値となる」という特徴を利用する と,以下のような推定式が得られる. (6) ここで,aは推定値を表すとする. 姿勢角推定に必要なセンサ信号は前述の信号の他に,車輪 速センサを利用も利用する.次節にその詳細を述べる.  .姿勢角推定 自動車運動固有の特徴  節で示した運動方程式を利用し,オブザーバを構成する. オブザーバでは,積分演算による状態量の発散を抑制するた め,観測できる物理量をフィードバックする.文献  の提案 手法では,フィードバックする物理量として,自動車運動固 有の特徴を利用する.すなわち, L 「車体前後速度微分値(低 周波成分)は車輪速から推定ができる」, LL 「車体横速度 微分値の平均値(低周波成分)は  付近の値となる(スリッ プ角は長時間増大し続けない)」, LLL 「地面固定座標系の 鉛直軸方向の加速度は,重力加速度にほぼ一致する」という 三つの特性をフィードバックに反映する.また,上下速度は 小さいとし,以下ではW0と仮定する. L より,車輪速か ら推定された前後速度をVs0とすると,前後速度微分値Uは,     と表せることから,以下の条件を利用する. (7) これは,Vs0から演算される加速度と前後加速度の差と,ピッ チ角の関係を表している.次に LL より,低周波成分に対し てV0が成り立つことから, (8) という条件を利用する. LLL は,座標系 0  上の重力加速度g と座標系V上のGx y G Gzとの関係が,次式によって記述 できることを意味する. (9) 姿勢角推定オブザーバ 前節に示した自動車運動固有の特徴を利用し,姿勢角推定 のためのオブザーバを構成する.オブザーバの状態量を (10) フィードバックに用いるオブザーバ出力を

T f y d f x d f

g

g

g

y

~

~

~

~ 

(11) とする.また,センサ信号から演算される車両出力を

T y d f x d f

g

g

g

y 

(12) とする.ここで, ydf xdf g g , は,センサ信号および横速度推定 値V~から得られる    式の左辺を,車両出力 f ydf xdf g g g~ ,~ ,~ は,加速度センサ信号および姿勢角推定値から得られる      式の右辺をそれぞれローパスフィルタ処理した 値とし,以下の式で定義する. (13) (14) (15) (16) (17) ただし,はそれぞれローパスフィルタの時定数を表 している.すなわち,      式はいずれも長い時間の 中での変化を考慮したときに満足する条件 L  LL  LLL に 由来する関係式であるため,オブザーバの測定量のフィード バックには,両辺をローパスフィルタ処理した値を利用する. フィルタ時定数は,遅れによる誤差を伴わない値に調整する. オブザーバ出力と車両出力に対し,適切なオブザーバゲイ ンK を設定することによってロール角,ピッチ角を推定する オブザーバが構成できる.すなわち,ロール角,ピッチ角を 推定する非線形オブザーバは,以下の状態方程式で記述され る.  K (18) g y x   , , 0 s V U   オブザーバゲインの一例として,オブザーバの安定性を確保 するため,線形化を行ったときの対角成分が負の係数を持つ ように,次式のように表す.

 

                      g y x xdr x g x ydr y g y K K K G G K K G G K K u x k K 0 0 0 0 0 0 0 0 , ~     (19) ただし,Ky,Kg,Kx,Kg,Kx,Ky,Kgは適切な正の定数とす る.   式のパラメータを調整することによって,オブザーバ の安定性と収束性は確保される.しかしながら,収束性の向 上のためには,各パラメータを可変にする等の方策が必要と なる.  式の安定性と収束性を保証するK の一般的な設計 方法については今後の課題である. 姿勢角推定,車体速度推定およびドリフト推定の関係 車体速度についても姿勢角の推定と同様に,オブザーバを構 成することができ,これまでにも様々な手法が提案されてい る    .車体速度推定オブザーバから,スリップ角推定値~ U V ~~ ~ 

によって求められる.この車体速度推定値U ~~,Vは 姿勢角の影響を受ける.一方,姿勢角推定オブザーバの  式 は,横速度推定値V~を利用するため,車体速度の影響を受け る.また,姿勢角・車体速度の推定値は共にセンサドリフト の影響を受ける.  そこで,本稿で提案する手法は,各オブザーバから得られ る誤差を含む推定値を用い,センサゼロ点ドリフトを同時に 推定することによって,相互に影響する誤差をオンラインで 徐々に低減させていく手法である.以下では,車体速度に関 してもオブザーバによって推定されていることを前提に,ド リフト推定を検討する.  .*36 信号を利用するセンサゼロ点ドリフト推定 文献  で提案されているセンサゼロ点ドリフト推定の手法 は,オブザーバ出力としての姿勢角推定値はセンサ信号の積 分によって演算される姿勢角と比べ,センサ誤差の影響を受 けにくいことに着目し,    式の運動方程式の単純積分と オブザーバ出力を比較することでセンサ誤差を推定する手法 である.この手法では,ゼロ点ドリフトを推定するセンサ信 号の中で,横加速度とヨー角速度について,車両の横方向に 関する  式の関係を基に,一つの基礎式から二つのドリフト 量を推定する必要がある.そこで,文献  では,ヨー角速度 センサドリフトの係数が車速となることに着目し,車速変化 を利用することで,二つのドリフト量を推定した.本稿では, *36 信号から得られる車両ヨー角をヨー角速度の積分と比較 することで,二つの基礎式から横加速度とヨー角速度のドリ フト量を推定することを考える.  *36 信号から推定される車体ヨー角 衛星から得られる信号は,搬送波と搬送波上に ,で付与 されるコードで構成されており,搬送波のドップラー効果に よって生じる周波数変化分を計測したものを *36 ドップラー という.この *36ドップラーと衛星速度から車体の地球中心 座標系に対する速度を推定する手法は様々なものが提案され ており,これらの手法により,精度の高い車体速度ベクトル が得られる  .*36 ドップラーによる車体の速度ベクトルは, 図  のような地面固定座標系0 O-XYZ)に対する速度として 求めることができる.したがって,座標系0と *36 ドップラ ーによる車体速度ベクトルとのなす角が

GPS得られる. Z1 X1 Y1 U V 䣘䣧䣮䣱䣥䣫䣶䣻䢢䣸䣧䣥䣶䣱䣴 䣕䣮䣫䣲䢢䣃䣰䣩䣮䣧β ’ 䣘䣧䣪䣫䣥䣮䣧䢢䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧 䣵䣻䣵䣶䣧䣯 䣉䣧䣱䣥䣧䣰䣶䣴䣫䣥䢢 䣥䣱䣱䣴䣦䣫䣰䣣䣶䣧䢢䣵䣻䣵䣶䣧䣯 䣃䣰䣩䣮䣧䢢䣱䣨䢢䣦䣫䣴䣧䣥䣶䣫䣱䣰䢢 䣧䣵䣶䣫䣯䣣䣶䣧䣦䢢䣨䣴䣱䣯䢢 䣉䣒䣕䢢䣦䣱䣲䣲䣮䣧䣴 GPS

ZE XE YE O 䣛䣣䣹䢢䣃䣰䣩䣮䣧  Fig.2 Vehicle Yaw Angle and Velocity Vector

 XY 平面での運動のみを考えた場合,と車体スリップ角 および車体ヨー角の関係は, (20) と表される.  本稿では,車体のロール角,ピッチ角を考慮した車両運動 を扱うため,  式の関係を三次元での車両運動を考慮した 形に拡張する.車体姿勢角は,Z 軸→Y 軸→X 軸の順番で回転 させたオイラー角である.したがって,車体座標系をX 軸Y軸の順に戻した座標系 O-X1Y1Z1と,地面固定座標系との Z軸まわりの回転角が車体ヨー角である.このとき,車体の 速度ベクトルをO-X1Y1Z1で表した場合のX1方向成分とY1方 向成分から作られるベクトルをVX1Y1Z1とすると,X1軸と 1 1 1YZ X V とがなす角は (21) と表される.すなわち,車両の三次元運動を考慮した場合,  式は次式のように修正される. (22) 上式により,*36信号から得られる車体速度ベクトルと車体 ヨー角の関係が得られた. ドリフト推定に利用する基礎式     式において,上下速度を無視するとともに,ピッチ VGPS

(4)

角速度に  式の推定値を代入した以下の方程式をオブザー バで利用する状態方程式とする. (23) (24) (25) (26)  前節で示した手法によって,車体ヨー角の情報が得られる. したがって,本手法では文献  でも用いた    式に加え, 車両のヨー方向に関する次式も状態方程式として利用する. ・ (27)  センサ信号Gx, Gy, Gz, P, R に一定のドリフト誤差 Gxdr, Gydr, Gzdr, Pdr, Rdrが重畳し,    式の左辺はオブザーバによっ て真値が既知と仮定すると,以下の関係が成立する. (28) (29) (30) (31) (32) ただし,dU,dV,d

,d

は,    式の右辺に相当するオ ブザーバの内部演算値である.なお,車両上下方向について は,「鉛直方向の加速度は重力加速度」という条件から以下 の関係も利用できる.

cos cos cos sin sin 1 1 zdr z ydr y xdr x f G G G G G G s g         

g

E

G

D

G

D

G

D

gf1 zdr

gf2 ydr

gf3 xdr

gf

(33) ただし,

cos cos 1 1 1 s D f gf

sin cos 1 1 2 s D f gf

sin 1 1 3 s D f gf

cos cos cos sin sin 1 1 zdr z ydr y xdr x f gf G G G G G G s E         (34) とする. これらの式をセンサドリフト誤差について整理すると,以 下のように記述できる.

T T xdr ydr dr dr zdr dE dE dE dE dE dE G G R P G dD 6 5 4 3 2 1    (35) (36)     (37) ここで,tsmpはオブザーバの演算に用いるサンプリング時間と する.   式における各信号(センサ,推定値)は,ノイズ除去 のため,一定時間区間(ドリフト推定のサンプリング時間t) の平均値を利用する.すなわち,センサのゼロ点ドリフトの 時間変化は小さいことを考慮し,サンプル時間tごとに演算 の平滑化を行う.したがって,センサゼロ点ドリフトは,  式の両辺をt秒間積分した以下の式から推定する.

T T xdr ydr dr dr zdr E E E E E E G G R P G D 6 5 4 3 2 1   (38)   式において,行列D は 6 行 5 列の行列である.したが って,ドリフト誤差を求める方程式は擬似逆行列D+を用いて 次式で表される.

T T xdr ydr dr dr zdr E E E E E E D G G R P G 6 5 4 3 2 1   (39) 上式の演算によってセンサのゼロ点ドリフトを求めることも できるが,ここではゼロ点ドリフトの時間変化は小さいこと を考慮し,さらにサンプル時間毎の演算の平滑化等を行う.   *36 信号を利用するセンサドリフト推定の効果確認 本稿で提案した *36 信号を利用するセンサドリフト推定手 法の効果をオフライン演算によって確認する.図  に山岳路 走行時のデータを示す.データ計測には,軸加速度,軸 角速度を高精度に計測できる慣性センサ(2[IRUG7HFKQLFDO 6ROXWLRQ 社 57)と,*36信号を受信するアンテナおよび 受信機(1RYDWHO 社製 )OH[3DN)を利用した.57 は, )OH[3DN とは別に *36 システムを搭載しており,車体ヨー角 も高精度に計測できる.図のデータは,車速 NPK から NPK まで,横加速度,減速度は PVの範囲で変化する通 常走行である. 図  は,*36 ドップラーから推定した車体ヨー角と,*36 信 号の合計受信時間の推移である.*36 のサンプリング時間は PV である.図  の走行条件下では,衛星を常時捕捉できず, *36 信号の連続受信時間は最大 V 程度となる.また,全走行 区間での受信時間の合計は V 程度となる.*36 ドップラー から推定する車体ヨー角は,車両速度ベクトルの方向を基に 推定するため,低速時にはノイズが多く重畳し,精度は劣化 する.しかしながら,NPK 以上での精度は高く,計測器か ら得られる車体ヨー角との誤差は小さい.図  の結果から, *36 信号を受信可能な環境では,精度良く車体ヨー角が推定で きることが分かる. 䣖䣫䣯䣧䣝䣵䣟 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢶 䢯䢴 䢲 䢴 䢶 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢯䢷 䢲 䢷 䢳䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢲䢰䢷 䢲 䢲䢰䢷 䣘 䣧䣪 䣫䣥䣮 䣧 䣘 䣧䣮 䣱 䣥䣫 䣶䣻 䢢䣝 䣭 䣯 䢱䣪䣟 䣎 䣱 䣰䣩 䣫䣶 䣷䣦 䣫䣰䣣 䣮 䣃 䣥䣥䢰 䢢䣝䣯 䢱䣵 䢴䣟 䣎 䣣 䣶䣧 䣴䣣 䣮 䣃 䣥䣥䢰 䢢䣝䣯 䢱䣵 䢴䣟 䣛 䣣 䣹 䢢䣣 䣰 䣩䣷 䣮䣣 䣴䢢 䣘 䣧䣮 䣱 䣥䣫 䣶䣻 䣝䣴䣣 䣦 䢱䣵 䣟  Fig.3 Acceleration and Angular Velocity of the Vehicle

䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢴䢲䢲 䢯䢳䢲䢲 䢲 䢳䢲䢲 䢴䢲䢲 䣖䣫䣯䣧䢢䣝䣵䣟 䣛 䣣 䣹 䢢䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 Measured GPS doppler 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢲 䢳䢲䢲 䢴䢲䢲 䢵䢲䢲 䣔 䣧䣥䣧 䣫䣸 䣧䣦 䣶䣫 䣯 䣧 䢢䣝 䣵 䣟

Fig.4 Yaw Angle and Receiving Environment of GPS  図  のデータに UDGV GHJV のヨー角速度ドリフ トを印加した場合について,ドリフト推定を行わない場合(点 線),ドリフト推定を行った場合(実線),およびドリフト を印加しない状態での推定値(灰色)を図 ,図  に示す.ま た,* PV の横加速度ドリフトを印加した場合につ いても同様に図 ,図  に示す.図  では,V 付近でヨー 角速度のドリフト推定値が真値に収束し,姿勢角推定誤差は 低減していることが分かる.このとき,図  から *36 信号は 合計で V 程度受信している.一方,横加速度にドリフト を印加した場合,ヨー角速度にドリフトを印加した場合より も収束は遅いものの,ドリフト推定値は真値に収束していく ことが分かる.なお,提案手法のロバスト性は様々な環境下 および試験条件での検証が必要であり,今後の課題である.

(5)

角速度に  式の推定値を代入した以下の方程式をオブザー バで利用する状態方程式とする. (23) (24) (25) (26)  前節で示した手法によって,車体ヨー角の情報が得られる. したがって,本手法では文献  でも用いた    式に加え, 車両のヨー方向に関する次式も状態方程式として利用する. ・ (27)  センサ信号Gx, Gy, Gz, P, R に一定のドリフト誤差 Gxdr, Gydr, Gzdr, Pdr, Rdrが重畳し,    式の左辺はオブザーバによっ て真値が既知と仮定すると,以下の関係が成立する. (28) (29) (30) (31) (32) ただし,dU,dV,d

,d

は,    式の右辺に相当するオ ブザーバの内部演算値である.なお,車両上下方向について は,「鉛直方向の加速度は重力加速度」という条件から以下 の関係も利用できる.

cos cos cos sin sin 1 1 zdr z ydr y xdr x f G G G G G G s g         

g

E

G

D

G

D

G

D

gf1 zdr

gf2 ydr

gf3 xdr

gf

(33) ただし,

cos cos 1 1 1 s D f gf

sin cos 1 1 2 s D f gf

sin 1 1 3 s D f gf

cos cos cos sin sin 1 1 zdr z ydr y xdr x f gf G G G G G G s E         (34) とする. これらの式をセンサドリフト誤差について整理すると,以 下のように記述できる.

T T xdr ydr dr dr zdr dE dE dE dE dE dE G G R P G dD 6 5 4 3 2 1    (35) (36)     (37) ここで,tsmpはオブザーバの演算に用いるサンプリング時間と する.   式における各信号(センサ,推定値)は,ノイズ除去 のため,一定時間区間(ドリフト推定のサンプリング時間t) の平均値を利用する.すなわち,センサのゼロ点ドリフトの 時間変化は小さいことを考慮し,サンプル時間tごとに演算 の平滑化を行う.したがって,センサゼロ点ドリフトは,  式の両辺をt秒間積分した以下の式から推定する.

T T xdr ydr dr dr zdr E E E E E E G G R P G D 6 5 4 3 2 1   (38)   式において,行列D は 6 行 5 列の行列である.したが って,ドリフト誤差を求める方程式は擬似逆行列D+を用いて 次式で表される.

T T xdr ydr dr dr zdr E E E E E E D G G R P G 6 5 4 3 2 1   (39) 上式の演算によってセンサのゼロ点ドリフトを求めることも できるが,ここではゼロ点ドリフトの時間変化は小さいこと を考慮し,さらにサンプル時間毎の演算の平滑化等を行う.   *36 信号を利用するセンサドリフト推定の効果確認 本稿で提案した *36 信号を利用するセンサドリフト推定手 法の効果をオフライン演算によって確認する.図  に山岳路 走行時のデータを示す.データ計測には,軸加速度,軸 角速度を高精度に計測できる慣性センサ(2[IRUG7HFKQLFDO 6ROXWLRQ 社 57)と,*36信号を受信するアンテナおよび 受信機(1RYDWHO 社製 )OH[3DN)を利用した.57 は, )OH[3DN とは別に *36 システムを搭載しており,車体ヨー角 も高精度に計測できる.図のデータは,車速 NPK から NPK まで,横加速度,減速度は PVの範囲で変化する通 常走行である. 図  は,*36 ドップラーから推定した車体ヨー角と,*36 信 号の合計受信時間の推移である.*36 のサンプリング時間は PV である.図  の走行条件下では,衛星を常時捕捉できず, *36 信号の連続受信時間は最大 V 程度となる.また,全走行 区間での受信時間の合計は V 程度となる.*36 ドップラー から推定する車体ヨー角は,車両速度ベクトルの方向を基に 推定するため,低速時にはノイズが多く重畳し,精度は劣化 する.しかしながら,NPK 以上での精度は高く,計測器か ら得られる車体ヨー角との誤差は小さい.図  の結果から, *36 信号を受信可能な環境では,精度良く車体ヨー角が推定で きることが分かる. 䣖䣫䣯䣧䣝䣵䣟 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢶 䢯䢴 䢲 䢴 䢶 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢯䢷 䢲 䢷 䢳䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢲䢰䢷 䢲 䢲䢰䢷 䣘 䣧䣪 䣫䣥䣮 䣧 䣘 䣧䣮 䣱 䣥䣫 䣶䣻 䢢䣝 䣭 䣯 䢱䣪䣟 䣎 䣱 䣰䣩 䣫䣶 䣷䣦 䣫䣰䣣 䣮 䣃 䣥䣥䢰 䢢䣝䣯 䢱䣵 䢴䣟 䣎 䣣 䣶䣧 䣴䣣 䣮 䣃 䣥䣥䢰 䢢䣝䣯 䢱䣵 䢴䣟 䣛 䣣 䣹 䢢䣣 䣰 䣩䣷 䣮䣣 䣴䢢 䣘 䣧䣮 䣱 䣥䣫 䣶䣻 䣝䣴䣣 䣦 䢱䣵 䣟  Fig.3 Acceleration and Angular Velocity of the Vehicle

䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢴䢲䢲 䢯䢳䢲䢲 䢲 䢳䢲䢲 䢴䢲䢲 䣖䣫䣯䣧䢢䣝䣵䣟 䣛 䣣 䣹 䢢䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 Measured GPS doppler 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢲 䢳䢲䢲 䢴䢲䢲 䢵䢲䢲 䣔 䣧䣥䣧 䣫䣸 䣧䣦 䣶䣫 䣯 䣧 䢢䣝 䣵 䣟

Fig.4 Yaw Angle and Receiving Environment of GPS  図  のデータに UDGV GHJV のヨー角速度ドリフ トを印加した場合について,ドリフト推定を行わない場合(点 線),ドリフト推定を行った場合(実線),およびドリフト を印加しない状態での推定値(灰色)を図 ,図  に示す.ま た,* PV の横加速度ドリフトを印加した場合につ いても同様に図 ,図  に示す.図  では,V 付近でヨー 角速度のドリフト推定値が真値に収束し,姿勢角推定誤差は 低減していることが分かる.このとき,図  から *36 信号は 合計で V 程度受信している.一方,横加速度にドリフト を印加した場合,ヨー角速度にドリフトを印加した場合より も収束は遅いものの,ドリフト推定値は真値に収束していく ことが分かる.なお,提案手法のロバスト性は様々な環境下 および試験条件での検証が必要であり,今後の課題である.

(6)

䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢲 䢳䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢲 䢳䢲 䣒 䣫䣶 䣥䣪䢢 䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 䣔 䣱 䣮䣮 䢢䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 Without drift

Without drift estimation(Dashed) With drift estimation(solid)

䣖䣫䣯䣧䢢䣝䣵䣟

Fig.5 Estimated Attitude (Drift in yaw angular velocity)

䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳 䢲 䢳 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳 䢲 䢳 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳 䢲 䢳 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢷 䢲 䢷 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢷 䢲 䢷 䣉䣺䣦䣴 䣝䣯 䢱 䣵 䢴䣟 䣉䣻䣦䣴 䣝䣯 䢱 䣵 䢴䣟 䣉䣼䣦䣴 䣝䣯 䢱 䣵 䢴䣟 䣒䣦䣴 䣝䣦䣧䣩 䢱䣵 䣟 䣔䣦䣴 䣝䣦 䣧䣩 䢱䣵 䣟 䣖䣫䣯䣧䢢䣝䣵䣟

Fig.6 Estimated Zero Drift (Drift in yaw angular velocity)  ま と め センサゼロ点ドリフトの推定に対し,*36 信号から得られる 車体ヨー角の情報を利用する手法を提案した.このドリフト 推定手法と姿勢角推定オブザーバを組み合わせたアルゴリズ ムについて,走行データを用いた検証を行ったところ,*36 の利用によって,精度良くゼロ点ドリフトと車両のロール角, ピッチ角を推定できることが分かった.  参 考 文 献  +(ULF7VHQJ/L;XDQG'DYRU+URYDW(VWLPDWLRQRI /DQG9HKLFOH5ROODQG3LWFK$QJOHV3URFHHGLQJRI$9(& S    0+UJHWLF-'HXUDQG'3DYNRYLF$GDSWLYH(.)%DVHG (VWLPDWRU RI 6LGHVOLS $QJOH 8VLQJ )XVLRQ RI ,QHUWLDO 6HQVRUVDQG*366$(,QWHUQDWLRQDO-RXUQDORI3DVVHQJHU &DUV0HFKDQLFDO6\VWHPV9RO  S    -5\XDQG-&*HUGHV,QWHJUDWLQJ,QHUWLDO6HQVRUV 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢲 䢳䢲 䢲 䢷䢲 䢳䢲䢲 䢳䢷䢲 䢴䢲䢲 䢴䢷䢲 䢵䢲䢲 䢵䢷䢲 䢶䢲䢲 䢶䢷䢲 䢯䢳䢲 䢲 䢳䢲 䣒 䣫䣶 䣥䣪䢢 䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 䣔 䣱 䣮䣮 䢢䣃 䣰䣩 䣮䣧䢢 䣝䣦 䣧䣩 䣟 䣖䣫䣯䣧䢢䣝䣵䣟

Without drift estimation(Dashed) With drift estimation(solid)

Without drift

Fig.7 Estimated Attitude (Drift in lateral acceleration)

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Fig.8 Estimated Zero Drift (Drift in lateral acceleration) ZLWK*36IRU9HKLFOH'\QDPLFV&RQWURO7UDQVDFWLRQVRI $60(-RXUQDORI'\QDPLF6\VWHPV0HDVXUHPHQWDQG&RQWURO 9RO  S    小野英一,三浦有美子,安富大祐,山口克之 軸加速度・  軸角速度センサを利用した姿勢角推定自動車技術会論文 集9RO1RS    <.RMLPD16X]XNL<+DWWRUL(7HUDPRWR3UHFLVH /RFDOL]DWLRQ8VLQJ7LJKWO\&RXSOHG,QWHJUDWLRQ%DVHG2Q 7UDMHFWRU\(VWLPDWHG)URP*36'RSSOHU3URFRI$9(& 1RS    $1LVKLR.7R]X+<DPDJXFKL.$VDQRDQG<$PDQR 'HYHORSPHQWRI9HKLFOH6WDELOLW\&RQWURO6\VWHPEDVHGRQ

9HKLFOH 6LGHVOLS $QJOH (VWLPDWLRQ 6$( SDSHU

1R    :.OLHU$5HLPDQG'6WDSHO5REXVW(VWLPDWLRQRI 9HKLFOH6LGHVOLS$QJOH$Q$SSURDFKZR9HKLFOHDQG7LUH 0RGHOV6$(SDSHU1R  

修正操舵を低減する車両剛性に関する研究

田尾 光規) 大元 一弘) 加藤 大輔  寺田 健一郎  芝田 興史

A Study on the Vehicle Stiffness for Reducing the Steering Correction

Mitsunori Tao Kazuhiro Oomoto Daisuke Katou Kenichiro Terada Koji Shibata

It is well-known that the vehicle stiffness has great influences on the vehicle dynamic performance. However,   it is difficult to measure the objective effect of it in the vehicle dynamic standard test and to design it quantitatively. In this paper, the objective indicator “steering correction” which is the closed loop dynamic test and has relation with the vehicle stiffness is defined. Two relationships between the vehicle stiffness and the steering response and between the steering response and the steering correction are clarified by the new idea and the driving simulator. By combining these results, the objective relationship between the steering correction and the vehicle stiffness is clarified. Finally, the proto car made by using these relations achieved the top level of this performance.

KEY WORDS: Vehicle Dynamics, Vehicle Stiffness, Evaluation Technology, Steering Correction (B1)

1.ま え が き 車体剛性やシャシ剛性といった車両剛性が,操縦安定性の フィーリング評価に,大きな影響を及ぼすことは一般に良く 知られている.たとえばストラットタワーバー(以下,タワー バー)の装着やサスペンションラバーブッシュの剛性アップに よる性能向上はその代表例である.ハンドル操作に対してク ルマが遅れずに動く,カーブで思った通りのラインを正確に トレースできるなど,お客様の日常の使われ方においても非 常に分かり易い性能向上が確認されており,サスペンション の横力トー変化特性やタイヤのコーナリングパワ特性(以下, CP 特性)等と同様に,車両剛性を適切に設計することは非常 に重要である. しかし,車両剛性の効果は,カーブに沿って走行しようと するドライバのハンドル操作修正量(以下,修正操舵量)と いった,人間特性を含むクローズドループ試験のデータとし ては計測されることができるものの,操舵応答性試験等,オ ープンループ試験の一般的な車両データとしてはその差が極 めて小さいために抽出されにくく,車両剛性が車両特性にど のような変化を与え,その変化がどのようにドライバの評価 につながっているかについては,不明確な部分が多い. 本研究では,新たな考え方に基づいた車両剛性違いでの操 舵に対する車両応答の変化と,その変化がドライバの修正操 舵量へ与える影響をそれぞれ明確にして組み合わせることで, 修正操舵量を低減するための車両剛性について,その定量的 *2014 年 10 月 28 日受理.2014 年 10 月 22 日自動車技術会秋 季学術講演会において発表. 1)・2)・3)・4)・5) 日産自動車(株) (243-0123 神奈川県厚木 市森の里青山1-1) な関係を示した. 2.修正操舵の定義と分析 2.1. 修正操舵のシーンと評価指標の定義 図1 は,タワーバーの有無による走行性の違いを表してい る.以下のようなコースを100km/h の一定速で,センターラ インに沿うように走行したときの操舵角の時間変化を示す. タワーバー有り仕様では,狙ったラインをトレースし易くな るという評価ドライバのコメントの通り,より少ない修正操 舵量(操舵角変動)で走行できていることが確認できる.  修正操舵量の定量的な評価指標として,操舵角の変動を表す 操舵角速度に着目,本走行区間の平均値を修正操舵量[deg/s] と定義した.計測要素の一つであるドライバは,組織の職業 スキルドライバに限定し,N=5 試行回のデータの上下限を除 いた3 回の平均値を代表値とした.図 2 に,タワーバー有無

*

Fig.1 Steering correction & Experimental course

Fig.2 Experimental result

での,定義した修 正操舵量の計測結 果比較を示す.定 量的にも16%の修 正操舵量の低減が 確認された.

参照

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