審 査 論 文 要 旨(日本文)
論文提出者氏名: 内藤 咲貴子 審査論文
題 名:Novel ex-vivo training model for free-hand insertion using a double-bending peroral direct cholangioscope
(フリーハンド下でダブルベンディング胆道鏡を使用したトレーニングモデルの 有用性)
著 者:Sakiko Tsukamoto Naito, Takao Itoi, Kenjiro Yamamoto, Takayoshi Tsuchiya,
Syujiro Tsuji, Reina Tanaka, Mitsuyoshi Honjyo, Shuntaro Mukai, Yukitoshi Matsunami, Yasutsugu Asai, Yuichi Nagakawa, Nobuhiro Ikeuchi, Atsushi Sofuni
掲載誌:Journal of Gastroenterology and Hepatology (2017)
doi:10.1111/jgh.13684.PMID:28688125 [Epub ahead of print]
(審査論文要旨:日本語論文の場合1,000字以内・英語論文の場合500 words)
[背景と目的] 近年、細径内視鏡を直接胆管に挿入する直接経口胆道鏡(D-PVCS)は胆道疾 患の診断および、治療に有用であると報告されている。これまでに我々は補助デバイスを用 いない挿入方法、いわゆるフリーハンド下で直接的に挿入可能な D-PVCS 専用のダブルベン ディング胆道鏡を(DBD-PVCS)開発してきた。今回、このDBD-PVCS を使用しフリーハン ド下で挿入可能なトレーニングモデルを開発し、このトレーニングモデルの有用性について 通常の細径内視鏡と比較検討したので報告する。
[対象および方法] このトレーニングモデルは食道から 8mm 程度の胆管入口部の十二指腸下
行脚乳頭部までを組み立て、10mmの胆管を有し、ポリウレタンにより作製した。内視鏡は、
DBD—PVCS と通常細径上部消化管内視鏡を使用した。2名の D-PVCSエキスパートと9 名の
D-PVCS 未経験内視鏡医がフリーハンド下でD-PVCS を施行した。初めに全員が DBD—PVCS
と通常細径上部消化管内視鏡を用いて肝門部胆管までの挿入を施行した。次に D-PVCS 未経 験内視鏡医のみエキスパートによるトレーニング後に再度DBD—PVCSを施行した。それぞれ の手技成功率を検討した。
[結果] 1. エキスパート: 2人とも通常の細径内視鏡を使用した場合にはフリーハンド下での
肝門部までの挿入は困難であった。しかし、DBD-PVCS を使用すると共にフリーハンド下で 肝門部への挿入が可能であった。本モデルは実臨床での印象と非常に類似しているとの評価 であった。2. 未経験内視鏡医: 1) トレーニング前; フリーハンド下で経口細径内視鏡による 肝門部までの挿入は不可能であったが、2名(22.2%)はフリーハンド下でDBD-PVCSの肝門 部までの挿入が可能であった。2) トレーニング後; 9名全員(100%)が肝門部までのスコー プ挿入が可能であった。
[結論・考察] 今回の検討では本トレーニングモデルによるトレーニング後の実際の臨床症例 での検討には至っていないが、このDVD-PVCSを使ったトレーニングモデルは実際の症例を 行う前のフリーハンド下での D-PVCS のトレーニングに役立つ可能性が示唆された。近い将 来、このモデルを用いたトレーニングが実臨床に与えるインパクトに関して前向きの検討が 必要である。
東 京 医 科 大 学