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3 種類の木灰の消石灰との反応性
学籍番号 1200042 氏名 柿内 正宏
指導教員 大内 雅博
高知工科大学 システム工学群 建築都市デザイン専攻
要旨:木質バイオマス発電の副産物でありバイオマスコンクリートの主成分である木灰には主灰,リドリ ング灰,飛灰の 3 種類がある.各木灰に対する,消石灰との反応性を調べた.主灰とリドリング灰は水と 混ぜても単独では硬化せず消石灰の添加により硬化したため,消石灰との反応性があると評価した.一方,
飛灰は単独で水と反応して硬化したが,消石灰を添加すると強度が低下した場合があったため,消石灰と の反応性があるとは言えなかった.木灰 3 種類を混合し消石灰を添加したものの強度が,各木灰単独に消 石灰を添加したものの強度の加重平均値を大きく上回ったことから,各木灰同士での反応の可能性を得た.
Key Words :バイオマスコンクリート,木灰,主灰,リドリング灰,飛灰,消石灰,混和材
1. はじめに
高知県は県土の 84%が森林であり,この特徴を生 かした木質バイオマス発電が行われている.その副 産物として木灰が発生する.バイオマスコンクリー トの主成分である木灰には,その発生プロセスによ り主灰,リドリング灰,飛灰の 3 種類がある。この 木灰の有効活用が求められているが,そのためには 一層の強度増進が必要である.既往研究により,木 灰の一部を消石灰に置換することにより強度増進が 図られることが分かっている.
本研究では,各木灰または混合木灰に消石灰を添 加し,その混和材としての適性を調べた.
2.使用材料と配合
使用材料および基本配合を示す(表-1, 2).木灰は 主灰,リドリング灰,飛灰の 3 種類に分類される.
発生比率は 70:15:15 である.消石灰は工業用消石 灰特号を,水は水道水を使用した.
配合表中の「木灰」は,3 種類の木灰を発生比率 で混合したものを示す.「主灰」「リドリング灰」「飛 灰」では 3 種類の木灰それぞれを単独で用いた.さ らに,上記 4 種類について,木灰の一部を消石灰に 置換した.水比,飛灰水比,消石灰置換率について は,それぞれ(1a),(1b),(1c)に示す式で求めた.
表-1 各材料の特性
表-2 基本配合
水比(%) = 水(𝑔)
材料(𝑔)+消石灰(𝑔)∗ 100 (1a)
飛灰水比(%) =飛灰(𝑔)
水(𝑔) ∗ 100 (1b)
消石灰置換率(%) = 消石灰(𝑔)
材料(𝑔)+消石灰(𝑔)∗ 100 (1c)
名称 絶乾密度(g/cm³) 吸水率(%)
主灰 2.56 4.1
リドリング灰 2.05 1.7
飛灰 2.30 -
消石灰 2.21 -
水 1.00 -
主灰 リドリング灰 飛灰 水
木灰 25.5 1050 225 225 382
主灰 25.5 1549 - - 395
リドリング灰 25.5 - 1346 - 343
飛灰 80.0 - - 810 648
単位量(kg/m³) 名称 水比(%)
2 3.各材料の消石灰置換率と圧縮強度の関係 各材料の消石灰置換率と圧縮強度の関係を示す (図-1,図-2).
「木灰」は消石灰無添加のものより,消石灰を添加 したものの方の強度が高くなった.消石灰はバイオ マスコンクリートの強度を増加させる混和材として 活用可能であることが確認できたと言える.
「主灰」と「リドリング灰」は消石灰無添加では 硬化せず,消石灰を添加すると硬化した.また,消 石灰置換率を高めると強度も高くなった.消石灰置 換率を高くするに従い,消石灰単体のものの強度を 上回った.
「飛灰」は水比 70%と水比 80%の 2 通りで,消石灰 置換率を変化させた.水比 70%のものは,消石灰置 換率を高めると強度の増加がみられた.一方で,水 比 80%のものは消石灰無添加のものの強度が最も高 く,消石灰置換率を高めると強度は低下した.この ことから,飛灰の強度には消石灰置換率だけでなく 水比が影響している可能性を得たと言える.
4.飛灰水比と圧縮強度の関係
飛灰が主に水と反応して硬化すると仮定し,飛灰 水比と圧縮強度の関係を求めた(図-3).適切な飛灰 水比であれば消石灰無添加のものが最も強度が高く,
飛灰は主に水との反応に強度が依存していると考察 した.また,消石灰は飛灰との反応性がないものと 評価した.
5.まとめ
木灰 3 種類を発生比率で混合したものと,その一 部を消石灰に置換したものの圧縮強度を比較した (図-4 の緑色のプロット).いずれも,消石灰を添加す ることで強度が高くなったため,バイオマスコンク リートに対して,消石灰は強度を高める混和材とし ての適性があると評価した.
一方,木灰 3 種類を混合したものの強度が,木灰 3 種類の各灰の圧縮強度の発生比率による加重平均 値(図-4 の茶色プロット)よりも大幅に高いのは,各木 灰が消石灰または水と反応したのみならず,3 種類 の木灰間でも反応しているためと考察した.
【参考文献】
1)奥田竜二:木灰と消石灰を用いたコンクリートの 圧縮強度向上,高知工科大学卒業論文,2016 年 2)片山諒辰:木灰と消石灰を用いたコンクリートの
強度発現,高知工科大学卒業論文,2016 年
図-1 各材料の消石灰置換率と強度の関係
図-2 飛灰の消石灰置換率と強度の関係
図-3 飛灰水比と強度の関係
図-4 木灰 3 種類の混合および加重平均の 消石灰置換率と強度の関係 0
1 2 3
0 10 20 30 40 50
材齢7日圧縮強度(N/mm²)
消石灰置換率(%)
木灰 主灰 リドリング灰
消石灰のみ
0 1 2 3 4 5
0 10 20 30 40 50
材齢7日圧縮強度(N/mm²)
消石灰置換率(%)
飛灰(水比70%) 飛灰(水比80%)
0 1 2 3 4 5
0 50 100 150 200
材齢7日圧縮強度(N/mm²)
飛灰水比(%)
消石灰無添加 消石灰置換率5%
消石灰置換率10%
消石灰置換率35.1%
消石灰置換率74.1%
0 1 2 3
0 5 10 15
材齢7日圧縮強度(N/mm²)
消石灰置換率(%)
木灰3種類 混合 木灰3種類 加重平均