−121−
第一条業務上の取引において︑競業の目的で善良の風俗に反する行為をする者に対しては︑中止及び損害賠償を
請求することができる︒
第二条本法において︑商品とは︑農産物を含み︑営業上の役務及び利益とは︑農業上のものを含む︒
第三条公衆に対する告知又は比較的広範囲の人々に対する通知中において︑業務上の事実︑特に︑商品若しくは
営業上の役務の性質︑原産地︑製造方法︑価格決定につき︑商品の仕入れ方法若しくは仕入れ先につき︑褒賞の保
有につき︑売出しの動機若しくは目的につき︑又は在庫量について︑特に有利な提供の外観を生じさせるおそれの
ある不真実な表示をする者に対しては︑当該の不真実な表示の中止を請求することができる︒
第四条特に有利な提供の外観を生じさせる目的で︑公衆に対する告知叉は比較的広範囲の人々に対する通知中に
おいて︑業務上の事実︑特に︑商品若しくは営業上の役務の性質︑原産地︑製造方法︑価格決定につき︑商品の仕
入れ方法若しくは仕入れ先につき︑褒賞の保有につき︑売出しの動機若しくは目的につき︑又は在庫量について︑ 資料西ドイツの不正競業防止法︵邦訳と解説︶
一九○九年六月七日の不正競業防止法︵ラィヒ官報第四九九頁︶
改正一九二五・三・二一︑一九三二・三・九︑一九三五・二・二六︑
一九四○・三・八︑一九五七・三・一一︑一九六五・七・一二︵後注︶
満田重昭
−122−
来米悪意をもって不真実かつ誤認を生ずるおそれのある表示をする者は︑一年以下の軽懲役及び五千ドィシ・マルク以
下の罰金︑又はそのいずれかに処する︒
2第一項の不真実な表示を︑事業体において従業員又は受任者がするときは︑その行為が事業主又は事業体の主
任者の認識のもとに行なわれたものであるかぎり︑従業員又は受任者のほか︑これらの者もまた刑に処する︒
第五条業務上の取引において︑出所の表示とされることなく︑特定の商品又は営業上の役務の名としてはたらく
名称の使用は︑前二条の規定の適用を受けない︒
2前二条の規定の解釈においては︑当該表示に代わるものとして用いられ︑かつ︑その目的に適当であるかぎり
図形的表現及びその他の手段は︑これを前二条の表示とみなす︒
第六条公衆に対する告知叉は比較的広範囲の人々に対する通知中において︑破産財団に由来するにもかかわらず
現に破産財団に属しない商品の販売を公告する場合には︑商品が破産財団を出所とする趣旨の表示をしてはならな
米2前項の規定に違反する者は︑百五十ドイツ・マルク以下の罰金又は拘留に処する︒
第七条公衆に対する告知又は比較的広範囲の人々に対する通知中において︑売りさらえとして公告することがで
きるのは︑次の事実に基づく場合にかぎる︒
︵a︶事業全部の廃止
︵b︶支店の事業の廃止
︵c︶個々の商品の種類の取扱いの中止
2売りさらえの公告に際しては︑前項にかかげる︵a︶から︵C︶までの理由のうち︑いずれによるものである
かを表示することを要する︒︵C︶の場合には︑売りさらえの関係する商品の種類を表示しなければならない︒ ︑001V
−123−
4︵削除︶
第七条のa公衆に対する告知又は比較的広範囲の人々に対する通知中において︑特定の在庫商品の蔵払いを目的
とする販売を公告する者は︑その販売の動機となった事情を表示することを要する︒販売が当該事業において取扱
う各種商品中の個々の種類のみに関するときは︑公告中に︑さらに︑その販売の関係する商品の種類を表示しなけ
第七条のb前々条及び前条に規定する売出しについては︑公告に先立って︑上級行政官庁の定める期間内に︑上
級行政官庁の定める官署に対して︑届出をしなければならない︒この届出には︑販売する商品を種類︑性質及び分
量にしたがって記載した目録を添付しなければならない︒上級行政官庁は︑当該の売出しが一定の期間を経過して
も終了していない場合について︑目録の更新を予定することができる︒届出には前々条第二項及び第三項並びに前
条に規定する表示を記載し︑売出しの開始︑予定された終了時期︑及び開催の場所を示さなければならない︒届出
を行なう宮署の要求があるときは︑売出しの根拠となる事実を証する書類を提出することを要する︒
2上級行政官庁は︑前各条項を実施するため︑さらに規則を制定することができる︒また︑上級行政官庁は︑売
出しの期間について命令を発することができる︒上級行政官庁は︑許された期間を超過する売出し︑前々条第一
項の規定により許されない売出し︑又は前条の場合において表示された根拠から見て︑取引見解上正当と認めら
れない売出しを禁止することができる︒命令の制定に先立って︑上級行政官庁は︑当該の商業︑手工業及び工業
の公的職業代表団体の聴問を行なわなければならない︒
3届出の閲覧は︑だれに対しても許される︒表示の後置的審査については︑当該官庁のほか︑商業︑手工業及び れぱならない︒ 3前項の規定は︑前々項にかかげた売出しのいずれかに関する公告であって︑﹁売りさらえ﹂と称さないものに
準用する︒
︵削除
−124−
工業の公的職業代表団体の︑公けに任命された委員も権能を有する︒
第七条のC売りさらえ︵第七条︶の終了の後︑事業主︑その妻及び双方の近親者が︑廃止を公告した事業体若し
くはその一部を継続すること︑又は一年を経過しない前に︑売りさらえを行なった地において︑売りさらえを行な
ったと同種の商品を取扱う取引を開始することは︑許されない︒事業主︑その妻又は双方の近親者が︑第一文の規
定を回避する目的で︑他人の営業に直接若しくは間接に参加し︑又はこれの使用人となることは︑営業の継続又は
自己の営業の開始に準ずるものとみなす︒固有の法人格を有する会社に経済上支配的に参加する者︑又はその事業
の運営に支配的影響力を有する者もまた︑事業主とみなす︒近親者とは︑直系の尊属及び卑属︑同父母及び異父母
の兄弟姉妹︑並びにその配偶者をいう︒
2売りさらえ開始の後は︑前項にかかげた以外の者も︑売りさらえを行なっている当該企業の在庫を出所とする
商品をもって︑同一又は隣接の場所において事業を開始することは許されない︒
3独立でない販売所の在庫商品の販売が︑当該販売所の廃止を理由として前々条にしたがって公告された場合に
は︑販売終了の後一年以内に︑同一事業体の新しい販売所を同一の地に設置してはならない︒
4ラィヒ経済大臣は︑隣接の行政区画を第一項及び前項の規定における地とみなす旨を︑定めることができる︒
5上級行政官庁は︑当該の商業︑手工業及び工業に関する公的職業代表団体の意見を聴問した後︑第一項︑第二
項及び前々項における禁止の例外を認めることができる︒
第八条次の者は一年以下の軽懲役及び罰金︑又はそのいずれかに処する︒
一売りさらえ︵第七条第一項から第三項まで︶又は第七条のaによる販売の公告の場合に︑もっぱらその売出し
のために調達した商品を販売に供する者︵いわゆる商品の前仕入れ及び後仕入れ︶
二前条第一項から第三項までの規定に違反する者
−125−
四ラィヒ経済大臣により第九条のaに基づいて定められた規則に違反する者
第二条連邦参議院の決議により︑小売取引における特定の商品は︑数︑量若しくは重量のあらかじめ定めた単位
により︑叉は当該商品若しくはその包装に数︑量︑重量若しくは製造地若しくは出所地についての表示を付しての
み︑営業として販売することを許される旨を︑法定することができる︒ 第九条需要期の変わり目に一般的許可に基づいて行なわれる販売に対しては︑第七条のa︑第七条のb及び前条
の規定を適用しない︒この許可はラィヒ経済大臣又はその指定する官署が与える︒この場合においては︑当該販売
の数︑日時及び期間︑公告の方法並びに販売に含めることの認められる商品について︑決定することができる︒当
該販売のための商品の前仕入れ及び後仕入れ︵前条第一項︶もまた︑禁止又は制限することができる︒ラィヒ経済
大臣又はその指定する官署が︑この権能を行使しない場合には︑上級行政官庁は︑当該の商業︑手工業及び工業の
公的職業代表団体の意見を聴問した後︑許可を与え︑その他詳細の規則を定めることができる︒
第九条のa第七条から前条までの規定に該当しない特殊の売出しを規制するために︑ラィヒ経済大臣は規則を定
めることができる︒この規則は連邦公報︵国巨冒号間口園①侭①H︶に掲載する︒
来第一○条次の者は︑百五十ドイツ・マルク以下の罰金又は拘留に処する︒
一売りさらえ又は第七条のaによる販売の公告において︑第七条第二項︑第三項又は第七条のaに規定する表示
二第七条のb若しくは同条の規定に基づいて定められた命令に違反し︑又はこれらの規定若しくは命令に従うに
あたり︑不真実な表示をする者
三ラィヒ経済大臣︑その指定する宮署︑又は上級行政官庁により︑第九条に基づいて定められた規則に違反する
者 をすることを怠る者
−127−
この場合において︑定期刊行物の編集者︑出版者︑印刷者又は配布者に対しては︑表示が不真実であることを
知っていたときにのみ︑損害賠償を請求することができる︒
二第六︑八︑一○︑一二の各条に故意又は過失により違反した者
3第一︑三︑六︑八︑一○︑二︑一二の各条により許されない行為を︑事業所の従業員又は受任者が行なった
場合には︑事業主に対しても中止請求をすることができる︒
第一四条競業の目的で︑他人の営業につき︑事業主若しくは事業所の主任者個人につき︑又は他人の商品若しくは
営業上の役務について︑事業の経営又は事業主の信用を侵害するおそれのある事実を主張し又は流布する者は︑当
該事実が立証できる程度に真実でないかぎり︑被侵害者に対して発生した損害を賠償する義務を負う︒被侵害者は
また︑当該事実の主張又は流布の中止を請求することができる︒
2内密の通報に関する場合であって︑通報者又は受領者が当該通報につき正当な利益を有するときは︑中止の請
求は︑事実が真実に反して主張され又は流布される場合にのみ︑許される︒損害賠償の請求は︑通報者が事実の
真実でないことを知り︑又は知るべきであった場合にのみ︑提起することができる︒
3前条第三項の規定は︑本条の場合に準用する︒
第一五条他人の事業につき︑事業主又は事業所の主任者個人につき︑他人の商品又は営業上の役務につき︑事業の葉経営を害するおそれのある事実を不誠実に真実に反して主張し又は流布する者は︑一年以下の軽懲役及び五千ドイ
ツ・マルク以下の罰金︑又はそのいずれかに処する︒
2前項の事実が︑事業体において従業員又は受任者によって主張され又は流布される場合に︑当該行為が事業主
の認識のもとに行なわれたときは︑従業員又は受任者のほか︑事業主に対しても刑を科する︒
第一六条業務上の取引において︑人名︑商号又は︑事業︑営業︑若しくは印刷物の特別名称を︑他人が権原に基づ
−128−
4第一三条第三項の規定は︑本条の場合に準用する︒
第一七条事業体の従業員︑労働者又は見習人として︑雇傭関係に基づいて打ち明けられ又は知り得ることとなった
業務上又は経営上の秘密を︑雇傭関係の継続中に︑権限なく︑競業の目的又は私利のため又は事業主に損害を与え
る意図をもって︑第三者に通報する者は︑三年以下の軽懲役及び罰金︑又はそのいずれかに処する︒
2業務上又は経営上の秘密を︑前項にかかげる通報のいずれかにより︑又は法規若しくは善良の風俗に違反する
自己の行為により︑入手した者が︑これを競業の目的又は私利のため︑権限なく利用し又は第三者に通報したと
きは︑前項の場合と同じ刑に処する︒
3通報に際し︑行為者が︑当該秘密が外国において利用されるものであることを知っているとき︑又は行為者が
当該秘密をみずから外国において利用するときは︑五年以下の軽懲役に処することができる︒
4前各項の規定は︑通報の受領者が当該秘密をすでに知っており︑又は知る権利を有している場合であって︑行
為者がその事情を知らないときにも︑適用される︒ いて行使する人名︑商号叉は特別名称と混同を生ずるおそれのある方法で使用する者に対しては︑当該の他人から使用の中止を請求することができる︒2使用者は︑当該の濫用的態様による使用が混同を生じさせるおそれのあることを知り又は知るべきであった場
合には︑被侵害者に対し損害を賠償する義務を負う︒
3事業標及びその他当該事業を他の事業と識別させるための設定物であって︑関係取引圏において当該事業の標
:
識として通用しているものは︑特別名称に準ずるものとする︒商標及び表装の保護については︵一八九四年五月三日の商品名称の保護に関する法律lラィヒ官報第四四一頁第二条及び第一五条︶︑前各項の規定を一二日の商向
適用しない︒
−129−
第一八条業務上の取引において委託された原型又は技術的性質の指図書︑特に︑図面︑模型︑型紙︑断面図︑調製
法書を︑競業の目的又は私利のために︑権限なく利用し又は第三者に開示する者は︑二年以下の軽懲役及び罰金︑
︲又はそのいずれかに処する︒前条第四項は︑本条の場合に準用する︒
第一九条前々条及び前条の規定に違反した者は︑さらに︑発生した損害を賠償する義務を負う︒義務者が数人ある
ときには︑連帯債務者とする︒
第二○条競業の目的又は私利のために︑第三者を誘惑して第一七条又は前々条に違反する行為をさせようと試みる
者︑又はこのような違反行為をしようという他人の申出を受けいれる者健二年以下の軽懲役又は罰金に処する︒
2競業の目的又は私利のために︑第一七条及び前々条に違反する行為をしようと申出る者︑又は他人の要求に対
してそのような行為をする用意のあることを明らかにする者は︑前項と同様の刑に処する︒
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第二○条のa第一七︑一八の各条及び前条に違反する行為に対しては︑ドイツ・ラィヒ刑法典第四条第二項第一号の規定を適用する︒この場合においては︑当該行為が︑内国の事業体又は経営体の秘密を対象とするものであるこ
第一二条本法にかかげる中止又は損害賠償請求権は︑請求権者が当該行為及び義務者を知った時から六箇月間行使
しないときは︑時効によって消滅する︒請求権者の認識の有無を問わず︑行為の時から三年を経過したときも︑同
2損害賠償請求権については︑損害の発生前には時効の進行は開始しない︒
第一三条刑事訴追は︑第四︑六︑一○︑二の各条にかかげた場合を除いては︑告訴によってのみ開始される︒第
八及び第一二条の場合には︑第一三条第一項にかかげる営業者又は団体は︑いずれも告訴を提起する権利を有す とを要する︒様とする︒
ア︵︾◎
−130−
2告訴の取下げは許される︒
3第四条により刑に処すべき行為を理由とする場合には︑告訴によってのみ訴追できる行為︵第八︑第一二条︶
の場合と同じく︑被侵害者︻刑事訴訟法第三七四条第一項第七号︶のほか︑第一三条第一項にかかげる営業者及
び団体は︑いずれも私訴を提起する権利を有する︒
第二三条第四︑六︑八︑一二の各条の場合において︑刑に処する判決を下すときは︑当該有罪判決を有罪者の費用
において公示すべきことを︑命ずることができる︒
2第一五条の場合において︑刑に処する判決を下すときは︑同時に被侵害者に対して︑当該有罪判決を一定の期
間内に︑有罪判決を受けた者の費用において公示する権能を与えなければならない︒
3裁判所は︑無罪の判決を受けた被告人の申立により︑当該無罪判決の公示を命ずることができる︒費用は︑国
庫の負担とする︒ただし︑告訴人又は私訴原告に課する場合は︑この限りでない︒
4この法律の規定に基づいて中止の訴えが提起された場合には︑判決中において︑勝訴の当事者に対し︑判決の
命令的部分を一定の期間内に︑敗訴当事者の費用において︑公示する権能を与えることができる︒
5公示の方法は︑判決中において定める︒§第二四条この法律に基づく訴えについては︑被告が営業所を有する地又は︑営業所のないときは︑住所を有する地
を管轄する裁判所が︑専属管轄を有する︒内国に営業所又は住所を有しない者については︑内国における居所地の
裁判所又は︑居所の知れないときは︑行為の行なわれた地を管轄する裁判所が︑専属管轄を有する︒
第二五条この法律に規定する中止請求権を確保するため︑民事訴訟法第九三五︑第九四○条に規定する要件にあた
らない場合においても︑仮処分を許すことができる︒これについては︑請求の根拠となる行為の行なわれた地を管
轄する区裁判所も︑また︑管轄権を有する︒そのほか︑民事訴訟法第九四二条の規定を適用する︒
−131−
第二六条この法律にしたがって科された刑罰のほか︑被害者の請求により︑一万ドイツ・マルク以下の償金を被害
者に対し支払うことを︑命ずることができる︒この償金の支払いを命ぜられた者は︑連帯債務者となる︒償金支払
いを命ずる判決のあったときは︑それ以上に損害賠償請求をすることはできない︒
第二七条この法律に基づく請求権の主張を含む訴えが提起されている場合︑当該民事訴訟事件は︑地方裁判所が第
一審を管轄するかぎり︑商事部の管轄に属する︒
2︵対象なし︶
第二七条のa州
する︒2調停所には︑主任者として︑裁判所構成法による裁判官の資格を有する法律専門家一名︑陪席者として︑専門
的知識を有する営業者二名以上を置く︒主任者は︑競業法の分野に精通している者でなければならない︒陪席者
は︑各暦年ごとに作成される陪席者名簿の中から︑各紛争事件ごとに︑主任者が任命する︒任命は︑当事者の同
意を得て行なわなければならない︒調停所構成員の除斥及び忌避については︑民事訴訟法第四一条から第四三条
まで︑及び第四四条第二項から第四項までを準用する︒忌避の申立については︑調停所所在地を管轄する地方裁
判所︵商事部叉は︑商事部がない場合には︑民事部︶が︑裁判を行なう︒
3第二一条に基づく民事諏訟事件に際し︑紛争問題について相手方と話し合うため︑各当事者は︑調停を申立て
ることができる︒この場合において︑係争の競業行為は︑最終消費者を対象とする業務上の取引に関するもので
なければならない︒第一三条に基づくその他の民事訴訟事件に際しては︑相手方の同意がある場合に︑調停を申
4調停所の管轄については︑第二四条を準用する︒ なければならない︒塗立てることができる︒ 州政府は︑産業経済における競業上の紛争の解決のための調停所︵調停所︶を︑商工会議所内に設置
−134−
値引法︵忌詞号禺侭①の①蔚・︺一九三三︶がある︒
不正競業防止法の全条文を︑ほぼ・ハウム・ハッハⅡヘーファメール︵後掲︶にしたがって︑内容によって分類してみ
ると︑次のようになる︒
︵一︶総則的規定一二条
︵二︶許されない顧客誘引三一○条
︵ィ︶不真実な表示三五条
︵ロ︶不正売出し六一○条
︵三︶販売数量単位と表示義務二条
︵四︶贈収賄一二条
︵五︶一一二条の場合に対する民事的救済と当事者一三条
︵六︶事業非穀一四一五条
︵七︶企業標識冒用による混同行為一六条
︵八︶スパイ行為︑背信行為一七二○条のa
︵九︶一般法に対する特則を定めた共通規定一二二九条︵一○︶附則三○条
右のほか︑商標法第二五条に規定する表装の保護は︑不正競業防止法第一六条に規定する事業標︵営業標︶の保護
と同じ性質のものであること︑第一条の一般条項により︑各種の誤認惹起表示︑比較広告︑強要︑しつこい勧誘︑各
種の特別利益の提供︑射幸心の利用︑雪だるま式顧客勧誘︑その他顧客の合理的判断を歪めるような勧誘方法︑物理
的妨害︑ボイコット︑その他各種の方法による市場からの締め出し︑営業非穀︑価格戦争︑価格差別︑経済的優位の
−135−
﹁業務上の取引﹂︵鴇の呂堅三呂閂ぐ①島①言一条︑五条︑ご一条︑二一条︑一六条︑二七条のa︶は︑必ずしも経
営体ないし企業を前提とするものでなく︑また︑学芸上の活動︑弁護士や医師の職業活動などを包含する観念であ
る︒営業や職業にまったく関係のない純粋に私的な活動︵たとえば︑最終消費者の購買︶や︑公権力上ないし公職上
の活動は除かれるが︑公共団体の活動も業務上の取引になる場合がある︒
﹁事業﹂︵の①のo恵三旨言吋国の貫茸9.の①のg建扇言弄凰呂.両H急のご侭①のg露骨七条のc︑三一条︑一三条三項︑一四
条一項︑一七条︶は︑継続性のある経済上の活動で︑給付と反対給付の交換によって行なわれるものをいう︒営利の
目的は必要でないから︑社会的目的︑慈善目的の事業でもよい︒したがって︑﹁営業﹂︵の①急の弓①冨耳房ごより広い
観念である︒反対給付として金銭を受ける必要もなく︑他の財物でもよい︒また︑医業︑弁護士業︑建築業なども含
まれる︒なお︑わが国では︑私法上﹁事業﹂という語はあまり使用される例がないので︑文脈によってはやや熟さな
い感じのするところがあるが︑﹁営業﹂と多少異なる観念であることを示すため︑この翻訳では﹁事業﹂で一貫する
こととした︵たとえば︑一六条三項の﹁事業標﹂︶︒
﹁営業﹂は︑営利ないし利得を目的とする点で﹁事業﹂よりも狭い観念であるが︑これも︑競業法上はきわめて広 濫用︑他人の商品の奴隷的模倣︑他人の業績ないし創作の盗用︑他人の名声の利用︑他人の広告への寄生︑他人の従業員又は顧客の直接的奪取︑法規・契約・商標品の垂直的価格拘束︵再販売価格維持契約︶.および取引先制限ないし排他約款つき取引の違反による有利な地位の取得など︑多様な類型の行為が規制されてきていること︵・ハウム・ハツハⅡヘーファメール・後掲二七○頁以下参照︶を︑念頭におくことが必要である︒なお︑第一条から第三一条までは不特定多数の競業者に対する競業行為であり︑第一四条から第二○条のaまでは特定の競業者に対する競業行為であって︑したがって︑前者についての差止訴訟提起権は︑その分野に属する競業者および利益団体にも認められていること︵一三条︶に注目すべきである︒
、
、職
−136−
く解されなければならない︒第一三条の﹁営業者﹂︵の①急のH言貫の夢①且①︶には︑人格のない社団︑カルテル︑発明
の実施許諾権者︑匿名組合員︑営業の利益に参与する不動産等賃貸人︑共益団体︵弁護士協会など︶︑公共団体︑農
場主︑相互保険会社なども該当しうる︒また︑弁護士︑弁理士︑公証人︑医師︑歯科医︑獣医などの自由職業従事者
も﹁営業者﹂であり︑薬剤師︑技師︑作家︑画家なども︑業としてその権利を利用するときは﹁営業者﹂である︒
実質的意味での不正競業法の発展については︑比較法的にみるときは︑フランス法が先駆者としての地位を占め︑
豊富な判例と一○○年をこえる伝統をもっていて︑ドイツの不正競業防止法︵一八九六年︶も︑フランスの判例法を
模範として制定されたものといわれる︒しかし︑不正競業防止のための体系的な成文法を備えた国としては︑おそら
くドイツが最も早いのであり︑規制されている行為類型の多様なことからいっても︑判例・学説の発展の顕著なこと
からいっても︑今日では︑ドイツの不正競業法が体系的に最も発達しているというべきであろう︵︑ハゥム・ハッハⅡヘ
ーファメール・後掲九二頁参照︶︒不正競業法がかなりの発展をみせている他の一つの国は︑アメリカ合衆国である
が︑素材が豊富であるにもかかわらず︑体系的把握の試みはコモン・ロ−の伝統からはじゅうぶんに行なわれておら
ず︑コールマン︵カルマン︵O堅言自国︼閃且三︶︑デレン・ハーグe9①弓の侭︾三画言獄﹈.︶など︑ドイツ出身の学
者の活動がむしろ顕著である︒このことは︑ドイツの不正競業防止法が︑体系的把握のための座標ないし枠組みとし者の活動がむしろ顕著である︒この︾
てはたらいていることを推測させる︒
ひるがえって︑日本法との関係をみると︑わが現行不正競争防止法がドイツ法の影響を格別受けていないことは︑
制定の事情からも規定の内容からも︑明らかである︒しかし︑その前提となる一般民事法が実体法︑手続法︑いずれ
もドイツ法系であること︑関連領域である工業所有権法も︑わが国のものがドイツの法制に近いことを考えると︑ド
イツの不正競業法の比較研究が︑わが国の不正競業法のあり方の把握のために有益であることは疑えない︒また︑わ
が国の不正競争防止法が︑高度化する現在の企業競争の前に無力であり︑改善を必要としていること︵豊崎・企業法
/
−137−
研究昭和四三年一月号一七頁︑満田・企業法研究昭和四四年一月号八頁参照︶を考えるとき︑さらに︑わが国の不法
行為理論が差止請求権との関連が弱く︑フーフンスのような不法行為法の一般条項を基礎とする不正競業法の発展では
不じゅうぶんなために︑不正競争防止法の成文法規の充実という方向をとるほかはないと思われること︵末弘博士が
早くから不正競争防止法上の差止請求権に着目しておられることに︑注目すべきである︒禾弘・民法雑記帳一三八頁
以下参照︶を考えるとき︑ドイツ不正競業防止法の研究は現在きわめて重要であるといわなければならない︒
豊崎光衛﹁ドイツの不正競業法﹂比較
豊崎光衛﹁不正競業法の発展﹂田中失
豊崎光衛﹁不正競業と損害賠賞償﹂我
有馬忠三郎・不正競業論一八四頁以下
参考文献
国四昌旨ご画︒壷I困禺の崗冒の三.ごくg吾①葛の時すのl匡口Qごく画舜の冒園の言彦のョ門のoき︽国昌自︾P鈩昌︸・︾こつF
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目の蔚口閏.〆︒日日①昌胃園匡目の①︑の蔚函の︑のロ・の口匡三色員閂①邑雪禺言の尋の﹃ロ騨諺巨夢︾ご雪.
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小野昌延・註解不正競争防止法九頁以下︒ 三日91詞里自国.ごロ冨貝92雪①詳言急図画国四国ロ自己①胃︑g富国具乞霊.豊崎光衛﹁ドイツの不正競業法﹂比較法研究一九号︵一九五九年一○月号︶二二頁︒豊崎光衛﹁不正競業法の発展﹂田中先生還暦記念︑商法の基本問題一七四頁以下︒豊崎光衛﹁不正競業と損害賠賞償﹂我妻先生還暦記念︑損害賠償責任の研究中五八七頁以下︒ 国巨閉冒国自国I勺席曾o宍曾l尿房冒ゆく.の閏昌Pご﹃2苔①葛の門ずの門①o壷丘
後注
崇百五十ドイツ・マルクの罰金は︑一九六四年二月二六日の法律︵連邦官報第一部第九一二頁︶第七条第一項によって改訂さ
れ︑五百ドイツ・マルクになった︒ ︺①③③
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第二三条のaこの法律に基づく請求の提起されている民事訴訟において︑一方の当事者が︑全訴額に応ずる訴訟費用の負担に
よりその経済上の地位を著しく害されるおそれのあることを疎明するときは︑申立により裁判所は︑命令によって︑当該当事
者の裁判費用支払義務を訴額中の一部であってその経済事情に適切な部分に限定することができる︒裁判所は命令の前提とし
て︑第三者が直接にも間接にも当該当事者の負担すべき費用を引受けることのないよう︑疎明をさせることができる︒命令の
あった場合は︑これによって利益を受ける当事者は︑その弁護士に対する報酬もまた︑訴額の当該部分に応じてのみ支払えば
足りる︒当該当事者に訴訟費用が課されるか又は自らこれを引受けるときは︑相手方の支払った裁判手数料及びその弁護士に
対する報酬を︑訴額のこの部分に応じてのみ弁償すれば足りる︒相手方に裁判外費用が課されるか叉は相手方がこれを引受け
るときは︑援助を受ける当事者の弁護士は︑その報酬を相手方からこれに帰すべき訴額に応じて取立てることができる︒
2前項による申立は︑裁判所に対してこれを行なって︑調書に記載を受けることができる︒この申立は︑本案の弁論に先
立って提起することを要する︒弁論開始の後は︑仮定又は確定の訴額を裁判所がその後引上げる場合にのみ︑この申立を行な
うことが許される︒申立について裁判をするには︑事前に相手方を審尋しなければならない︒
米来来米一九六八年一月二日改正の現行商標法では第一条および第二五条である︒
米来来来米現在は︑刑法第三条および第四条第三項第五号がこれにあたる︒ 米来五千ドイツ・マルク以下の罰金は︑刑法第二七条第二項第一号により︑最低五千︑最高一万ドイツ・マルクになっている︒米来来一九六五年七月二一日の法律︵連邦官報第一部第六二五頁︶により︑第一三条第一a項と第二三条のaとが新設された︒
第一三条胞第三条︑六条︑七条第一項︑二条の各条項の場合においては︑啓発と相談により消費者の利益を擁護すること
を定款上の目的に掲げる団体であって︑団体として民事訴訟を提起できるものも︑中止の請求をすることができる︒第一条の
場合においても請求が︑商品若しくは営業上の役務についての不真実な表示であって特に有利な提供の外観を生じさせるおそ
れのあるものに関するか︑又はその他の競業を目的とする行為であって消費者の重要な利益にふれるものに関するときは︑同
様とする︒
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