コーラ‑の資産概念
渡 辺 和 夫
1 は じめに
会計上の基本概念 として, しば しば,資産 ・負債 ・資本 ・収益 ・費用の諸概 念があげ られる
。これ らは貸借対照表お よび損益計算書の構成要素 として欠か す ことので きない概念である。 これ らの諸概念 をどうとらえるかは会計理論 に 重要な影響 を与 える
。会計理論の骨格 はこれ らの諸概念 によって形成 されると いって もいいす ぎではない。
5 つの諸概念の うち資産概念 は とりわけ複雑 な内容 をもっている
。資産概念 には常 に測定属性の問題が関係 して くる。取得原価主義論者の資産概念 と時価 主義論者の資産概念 は著 しく異 なる。同 じく取得原価主義論者であって も,資 産概念の内容 は異 なることが多い。 コーラ‑は資産概念 をどの ようにとらえて いたのであろうか。会計用語 に強い関心 をもっていただけに,その見解 は注 目 に値す る。本稿の 目的は
,『 会計学辞典』における資産概念 を中心 に分析 し,コー ラ‑の見解 を検討す ることにある。
2 『 会 計 用語』 と 『 会計 学辞 典』
アメ リカ会計士協会 ( AI A) は 1 9 31 年 に会計用語委員会の編集になる 『 会計 用語』 と題す る出版物 を公刊 した。それは会計用語 に関する予備報告書の性格 をもっていた。 『 会計学辞典』 を作成す るにあた り, コー ラ‑は同書 を基礎 に
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した といわれている
。『 会計学辞典』 の出版年は 1 9 5 2 年であ り, 2 つの書物の 間には 20 年の歳月の隔た りがある
。したがって,内容的にも分量的にも大 きな 差異があって当然である
。第 1 表 は as s et ( S ) ( 資産)に関する解説行数 を 『 会計用語』と 『 会計学辞典』
の各版について調べた ものである
。それは内容の検討 に先だち,分量の 目安 と して示 した ものである。 もっとも,『 会計用語』 と 『 会計学辞典』では書物の 体裁がかな り異 なるため,比較す るにして も自ず と限度がある。た とえば,前 者は 1 段組であるのに対 し,後者は 2 段組 になっている。また,『 会計学辞典』
の各版に して も,微妙 な違いが存在する。その ような点を十分 に考慮する必要 がある
。『 会計学辞典』の内容は 『 会計用語』と比較 して大幅に充実 した といえよう
。また,『 会計学辞典』 の初版か ら第 5 版 まではほ とん ど不変 といって よい。第 6 版になって若干の減少が見 られる
。第 6 版は第 5 版 まで と異 な り, コーラ‑
自身が改訂 した ものではない。初版か ら第 5 版 まであまり変わ らない とい うこ とは, コーラ‑の資産概念がほぼ確定 していたことを意味す るといえよう。
第 1 表 ass et( S) の解配行数
合 計
『 会 計 用 語』 1 7 行
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