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1 目的
精神科特有の症状に口渇がある。その患、者の口腔内 を観察すると乾燥している。それを軽減するために飲 水行動をとっていることが考えられた。口腔乾燥に対 して口腔保湿ジェル<商品名:オーラルバランス>
Uメ1麦ジェルとする)があり先行研究では多飲症患、者 を対象にしたものは多いが、口渇にアプローチした研 究は見当たらなかった。そこで口渇を訴える多飲症患 者に対して、ジェル塗布前後の口腔乾燥状態、口渇感、
一日の体重差を比較し飲水量が減少するか検証した。
"方法
1.対象者・研究期間:統合失調症の 30‑40代の女性 3 名(A,B,C氏)期間は 2014年4月 5月。
2.研究方法
D 体重測定を 6時、20時に測定。2)「口腔乾燥 診断基準(柿木の分類)JD を用いて毎食前後にチェ
ツクする<0 が乾燥なし 3 まで評価> 3)本人の口 渇感を毎食前後に聞く<0 なし 1あり> 4) 4月はジ エルを使用せず、5月は毎食後にジェルを塗布した。
他に希望時ジェルを塗布できることにした。
3.分析方法
D 研究方法D2)3)を 4月と 5月で比較した。
2)研究方法1)の体重値を 4月と 5月の平均値、平 均最大値で比較した。更に体重差が最大数値の「日内 体重変動率ψ噺麦即WGとする)」ので比較分析した。
4.倫理的配慮
研究目的、方法、守秘義務、研究への協力及び協力 拒否が可能であることを説明し同意書を取り交わし た。A病院倫理委員会の承認を得た。
Ⅲ結果
1.患者の背景:ジェルは毎食後の他に塗布を希望して くる患者はいなかった。
2.ジェル開始前後の 1日の体重差平均比較:(図 1)
口渇を訴える多飲症患者へのアプローチ
ーロ腔保湿ジェルを塗布する事で得られる効果一 キーワード:口腔保湿ジェル、口腔乾燥、口渇、多飲症
0井浦三奈香D、坂井藍D、井村紀代子D 医療法人青松会松浜病院D 4.口腔乾燥診断基準と口渇感の平均値比較:
<A氏>塗布回数80回。口腔乾燥は朝食前と夕食前以 外、軽減していた。口渇感は夕食前以外、軽減してい た。<B氏>塗布回数36 回。「これをつけると太る。」
と妄想的発言あり、途中から塗布しなかった。口腔乾 燥は塗布後、軽減していた。口渇感は塗布後が強くな つていた。<C氏>塗布回数68 回。精神状態によりジ エルを拒否する日があった。口腔内は唾液分泌促進薬 が研究途中より開始になってから潤っていたが、口渇 感は塗布後が強かった。
Ⅳ考察
体重を測定する事は、多飲症を発見しその程度を評 価するために有効な方法のひとつである。今回の結果
から 20omg 30omg と数値は少ないものの患者全員の 飲水量は低下したと考える。しかし、即WG は食事を 考慮しても通常、健常成人では士1 1.5%に治まり、
2%を超えて 3%以上となると何らかの異常、つまり多 飲症が考えられる。このことから、体重が低下しても 全員がまだ多飲症であることがわかった。
口腔乾燥は3名とも若干のばらつきはあるものの、
ジェル開始後は軽減していたことから、ジェルの効果 があったと考える。しかし、口渇感は個人差があり、
特にB氏、C氏は塗布後に強く感じていた。多飲症の 増悪因子のひとつにストレスが挙げられる。川上らは
「数値をもとにした指導のみを行なうと、体重測定に 強いストレスを感じて混乱する場合が多く見られま す」.)と述べている。今回、体重、口腔乾燥、口渇感 の観察点のみでストレスを与えてしまい、口渇感を強 く感じさせてしまった可能性がある。今後は、患者の 思いを受け入れ、体重増加時には数値のみの関わりで はなく、散歩やレクリエーションなど、水源から遠ざ けるような関わりが必要であると考える。
V 結論
本研究において、口渇を訴える多飲症患者に対し、
口腔保湿ジェルを塗布した結果、口腔乾燥は軽減して も、口渇は改善しなかった。しかし、低値であるが飲 水量を示す体重は3名とも低下した。
引用文献・参考文献
D 安細敏弘・柿木保明編.今日からはじめる!口腔 乾燥症の臨床.37.東京:医歯薬出版株式社.2008 2)川上宏人他.多飲症・水中毒ケアと治療の新機
軸.釘.東京:医学書院.2010 3)前掲D 88
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2.4
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<図1 ジェル開始前後の1日の体重差平均比較>
3.ジェル開始前後差の最大数値のNDWG算出比較:
A氏は塗布前2.67%、塗布後 1.83%、 B氏は塗布前 5.50%、塗布後4.45%、 C氏は塗布前 10.20%、塗布 後9.65%だった。
A氏 B氏
30
C氏