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〈論 説 〉
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法 研 究 序 説(十)
一 公 法学 の視 点 か ら 一
藤 田 尚 則
目 次 は じめ に
第 一 章 イ ンデ ィア ン問 題 の 規制 に関 す る連 邦 の 権 隈 の史 的 展 開 第 一 節 前 憲 法 時代(1532年 〜1789年)
第 二節 合 衆 国憲 法 制定 か ら条 約 締 結 の終 了([789年 〜1871年)(以 上 第is巻 第1・2合 併 号〉
第三 節 土 地 割 当 と同化(1871年 〜 且928年)(以 上第19巻3・4合 併 号) 第 四説 イ ンデ ィ ア ン再 組 織(1928年 〜1942年)
第五 節 連 邦 管理 終 結 政策(1943年 〜1961年)(以 上 第37巻 第1号 、 第37巻 第2・3号 合 併 号 ・第38巻 第1号 、 第38巻 第2号)
第六 節 イ ンデ ィ ア ン 自決 と自治 政 策(196且 年 〜現 在) 1.管 理 終 結政 策 の 放棄 とイ ンデ ィ ア ン 自決 ・自治
(1)チ ェロ キ ーの 昔話 とブ ラ ッ ク最 高 裁判 事 の反 対 意見 (2)イ ンデ ィ ア ン 自決 ・自治 へ の動 き
(3)イ ンデ ィ ア ン部 族 の承 認 手続 とその 問題 点(以.L第38巻 第3号) 2.具 体 的 立法 と行政
(D一 般 連 邦 法
(2)イ ンデ ィ ア ンの宗 教 の 保 護立 法
(3)イ ンデ ィ ァ ン文 化 の保護 立 法(以 上第39巻 第1号) (4)部 族 の土 地 の 回復 ・確 定
(5)経 済発 展(以 上 第39巻 第2号) (6)イ ン デ ィ ア ンの市 民 的権 利 (7)教 育
(8)保 健(以 上 本号)
第二 章 イ ンデ ィ ア ン、 イ ン デ ィア ン ・カ ン トリー、 部族 主 権 第 一 節 イ ン デ ィア ン
は じめ に 1.部 族
(D部 族 とい う用 言吾
(2)連 邦 に よる部 族 の 承認 の 意 味
(3)法 的 ・政 治 的 目的 の た め に部族 と して の 地 位 を決 定 す る連 邦 の 権 限 (4)承 認 をめ ぐる初 期 の判 例 展 開
(5)連 邦 法 の適 用 一 裁判 例 を中心 に (6)イ ンデ ィ ア ン部族 承 認 手 続(再 考) (7)管 理 終結 法 とイ ンデ ィ ア ンの法 的地 位 (8)管 理 終結 され た部 族 の権 利 回復 (9)州 に よっ て承 認 され た部 族 2.個 人 乃 至構 成 員 と して のイ ンデ ィ ア ン
(D"WhoISanhzclianLUI〃rirr伽 η1θα船290f〃titAcl"
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(2)構 成 員 資 格 の 決 定 と連 邦 政 策 の 変 遷 過 程 (3)構 成 員 資 格 を 決 定 す る 部 族 の 権 限 (4)構 成 員 資 格 を 決 定 す る 連 邦 の 権 限 (5)連 邦 法 に み る イ ン デ ィ ア ン の 定 義 の 類 型 化 (6)婚 姻 に よ る権 利 の 得 喪
第 二 節 イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー 1.イ ン デ ィ ァ ン ・カ ン ト リ ー の 承 認
(1)イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー の 定 義 (2)イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー の 承 認 又 は 設 立 2.1948年 法 制 定 以 前 の イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー
(1)イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー の 不 明 確 性 (2)判 例 の 展 開
3.合 衆 国 法 律 集 第25編 第ll51条 とイ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー (Dイ ン デ ィ ア ン保 留 地
(2)従 属 的 イ ン デ ィ ア ン ・コ ミ ュ ニ テ ィ (3)イ ン デ ィ ァ ン割 当 地
4.イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー 管 理 終 結 法 ・余 剰 土 地 法 (D問 題 の 所 在
(2)管 理 終 結 法 ・余 剰 土 地 法 (3)判 例 の 展 開
第 三 節 部 族 主 権 は じ め に
1.主 権 概 念 と部 族 主 権 (D不 思 議 な 主 権 国 家
(2)主 権 の 概 念 と部 族 主 権 の 位 置 づ け 2.部 族 主 権 の 理 論 的 根 拠
(1)条 約
(2)ri有 の 主 権 の 法 理 (3)部 族 主 権 の 法 理 の 侵 食 3.部 族 主 権 と刑 事 管 轄 権
(1)UnitedStatesv.McBratney‑Worcester事 件 判 決 か らの 後 退 一 (2)ExParteCrowDog‐ 部 族 の 政 治 的 独 立 性 一
(3)UnitedStatesv.Kagama‑MCAの 合 憲 性 一
(4)Oliphantv.SquamishIndianTribe‐ 黙 示 の 剥 奮 の 法 理 一 (5)UnitedStatesv.Wheeler一 二 重 の 危 険 の 防 止 条 項 一
(6)Durov.Reina一 非 構 成 員 た る イ ン デ ィ ア ン に 対 す る刑 事 管 轄 権 一 (7)UnitedStatesv.Lara一 改 正 第25編 第1301条 第2号 の 合 憲 性 一 4.部 族 主 権 と 民 事 管 轄 権
(1)総 説
(2)立 法 権 限 と司 法 権 隈 (3)癖 物 管 轄 権 (4)人 的 管 轄 権 (5)領 域 的 管 轄 権 ま とめ
」
ア メ リカ ・イ ン デ ィア ン法研 究 序説(十) 3
第 六 節 イ ン デ ィ ア ン 自決 と 自治 政 策(1961年 〜 現 在)
2.具 体 的 立 法 と 行 政
(6)イ ン デ ィ ア ン の 市 民 的 権 利
(a)1968年ICRA制 定 前 の イ ン デ ィ ア ン の 市 民 的 権 利
1960年 当 時 、 約280,000人 の ア メ リ カ ・イ ン デ ィ ア ン が 合 衆 国 の 保 留 地 に 居 住
zoz)
して い た とされ るが、 イ ン デ ィ ア ンの 法 的 地 位 を考 察 す る場 合 、全 て の イ ンデ ィ ア ン は、 合 衆 国議 会 第62議 会 に お い て1924年6月2Eiに 制 定 され た 「内 務 長 官
203)
に イ ン デ ィ ア ンへ の 市 民 権 の証 明 書 を発 行 す る権 限 を 認 め る為 の 法 徊1」に基 づ い て合 衆 国 の市 民(citizen)で あ る こ とを 想起 す る必 要 が あ る。 同法 は、 制 定 時 に お よそ125,000人 の 先 住 民 と して出 生 したイ ン デ ィ ア ン に市 民 権 を与 え た とさ
り
れ るが 、 市 民権 の 資 格 は 、 部 族 に属 す る イ ンデ ィ ア ン(便 宜 上、 以下 、部族 のイ ンデ ィア ン ともい う。)と 部 族 に属 さ な い イ ンデ ィァ ン(便 宜 上、以 下、非 部族 のイ ンデ ィア ン ともい う。)と の問 で 実 質 的 に異 な っ て い た。 す な わ ち 、イ ンデ ィアン は 、 随 意 に 自 らの 部 族 の 構 成 員 た る地 位 乃 至 資 格 を終 了 させ る こ とが で き、 そ れ に よ っ て全 て の 法 の 目的 に とっ て イ ン デ ィ ア ンで あ る こ とを停 止 す る の で あ る。 部 族 との 関 係 を断 つ こ とに は 、 通 例 、 強 力 な動 機 が 要 求 さ れ た 。 蓋 し、 イ ンデ ィ ア ン は 、 部 族 の 土 地 若 し くは信 託 財 産 に 有 して い る 自 らの 利 益 、 時 と し て実 質 的 な利 益 を放 棄 す る こ とを要 請 され た か らで あ る。 部 族 との 関 係 の終 了 に基 づ い て 、 非部 族 の イ ンデ ィ ア ンた ち は州 法 並 び に連 邦 法 に従 い 、 他 の合 衆 国 市 民 が 受 け る と同 様 な合 衆 国 の憲 法 上 の 保 障 を受 け る こ とに な っ た 。
こ れ と は対 照 的 に、 部 族 に 所 属 す るイ ン デ ィ ア ン た ち は 、 合 衆 国議 会 に よ る 授 権 が な い限 り、 限 られ た 範 囲 で の み 州 法 に服 し、 州 の 裁 判 所 は保 留 地 上 の部 族 イ ンデ ィ ア ンに 刑 衷 管 轄 権 の み な らず 民 事 管 轄 権 も もつ こ とが で きな か っ た の で あ る。 更 に 、 一 定 の例 外 を除 い て 部 族 の イ ンデ ィ ア ンは 、 連 邦 法 に は 当該 連 邦 法 が彼 らに適 用 され る範 囲 で の み服 し、 加 え て 、 保 溜地 で の 彼 らに よ っ て 実 行 さ れ た 犯 罪 に 対 す る連 邦 地 方 裁 判 所 の 管 轄 権 は 、 謀 殺 、 故 殺 、 強 姦 、 殺 意 の あ る暴 行 、 放 火 、 住 居 侵 入 及 び窃 盗 の 罪 に 限 定 さ れ て い た(第 五節1(3)(c) 参 照)。 結 果 、 イ ン デ ィ ア ン法 廷(裁 判 所 、forum,tribunal)が 、 部 族 に よ っ て
4
承 認 され 且 つ保 留 地 で イ ン デ ィ ア ン に よ っ て 実 行 さ れ た 軽 罪 の 全 て に 排 他 的管
'205)
轄 権 を 有 して きた の で あ る。 民 一1E紛争 に 関 して 言 え ば 、 イ ン デ ィ ア ン 法 延 が 保 留 地 で の イ ン デ ィ ア ン相 互 間 の訴 え に管 轄 権 を有 した の み な らず 、 保 留 地 の イ ン デ ィ ア ン に 対 す る保 留 地 の 内 と外 との 非 イ ン デ ィ ア ン に よ る訴 訟 に管 轄 権 を
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有 した 。
当 時 の 部 族 の 裁 判 所 が処 理 した衷 件 件 数 の実 態 は ど うか 。 内務 省BIAの 調 査 に よれ ば、 イ ンデ ィ ア ンの 裁 判 所 に お け る民 事 及 び 刑 薯 馴 牛の 総 計 は 、1960年
zw)
が36,242件 、1961年 が44,577件 で あ っ た と報 告 さ れ て い る 。 ま た 、 あ る 研 究 に よ れ ば 、 か の ナ ヴ ァ ホ ・ネ ー シ ョ ン の 裁 判 所 が1959年 に 処 理 し た 件 数 は 、9,555
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件 が 刑 事 事 件 、 民 事 事 件 が690件 で あ っ た と され る。
部 族 の イ ンデ ィ ア ンの 権 利 、 特 権 、義 務 並 び に責 務 に関 して 言 え ば 、 そ の大 部 分 は部 族 自身 の 法 に よ っ て の み 決 定 され 、 部 族 の 裁 判 所 に よ っ て執 行 され て
209)
い た とい え る 。 部 族 の 裁 判 所 制 度 に 関 して は 、 伝 統 的 な 裁 判 所(traditiollal court)、 イ ンデ ィ ア ン犯 罪裁 判 所(courtofIndianoffenses)及 び 部 族 裁 判 所 (tribalcourt)の 三 つ の タイ プの 裁 判 所 で 構 成 され て い る。 所 謂 伝 統 的 な 裁判 所 は 、 ニ ュ ー ・メ キ シ コ の幾 つ か の 村 落 の 保 留 地 に 限 られ 、 宗 教 的 色 彩 を帯 び 、 法 典 若 し くは成 文 の 条 例 に 従 って そ の機 能 を果 た す もの で は な い 。 イ ン デ ィ ア ン犯 罪 裁 判 所 に つ い て言 え ば 、BIAに よっ て設 立 され た 裁 判 所 で あ り、連 邦 行 政 命 令 集 第25編 第ll.100条 第(b)項 は 、 「部 族 が 州 の管 轄 権 が排 除 され て い る イ ン デ ィ ア ンに管 轄 権 を保 持 す る イ ンデ ィ ア ン ・カ ン トリー で あ る地 域 で あ っ て 、 部 族 裁 判 所 が 当 該 管 轄権 を行 使 す るた め に設 立 され て こな か っ た地 域 に イ ンデ ィ
ア ン部 族 の た め に 正 義 を執 行 た め に 適 切 な る組 織 を提 供 す る こ とを以 っ て 本 節
〔適 用 、 管 轄 権 〕 の 目的 とす る。」 と規 定 して い る(こ の ことか ら、当該 裁 判所 は CFR裁 判所 とも呼 ばれ る)。 そ して 、 ひ とた び部 族 の 法 律 及 び 命令 が 採 用 され 、"ii 族 及 び 内 務 省 に よ っ て承 認 され た な ら ば、 イ ン デ ィ ア ン部 族 の 管 轄 権 に 関 す る 連 邦 規 則 の規 定 は、 裁 判 官 の資 格 、 任 命 及 び 免 職 に 関 す る規 則 並 び に イ ン デ ィ ア ンの 警 察 に 関 す る規 則 を除 い て 、 イ ン デ ィ ア ン部 族 に適 用 され な い と され て
ziol
い る。 部 族 裁 判 所 は 、 イ ン デ ィ ア ンの 法 廷 の 最 もあ りふ れ た そ れ で あ っ て 、 部 族 自身 に よっ て 運 営 され 、 い か な る連 邦 の 規 制 に も服 さ な い とされ る。 尤 も、
部 族 裁 判 所 の 多 くは正 式 な法 的 訓 練 を受 け た こ との な い イ ンデ ィ ア ン裁 判 官 に
ア メ リカ ・イ ン デ ィア ン法研 究 序説(十) S
よ っ て受 け持 た れ 、 法 的 訓 練 を 受 けた 訴 訟 代 理 人(counsel)は 、 しば しば裁 判 所 の面 前 で の 活動 を 禁 止 され 、 彼 らは 民 事 及 び 刑 事 事 件 に お い て一 般 的 に イ ン
デ ィ ァ ン ・ロイ ヤ ー(lndianlawyer)で あ っ た。 多 くの部 族 は上 諦示裁 判 所 を 設 けて い るが 、 上 訴 は ほ とん ど行 わ れ て は い な い 。 上 訴 が躍 躇 さ れ た 理lili1の一 端 は、 第 一 審 裁 判 官 が ほ とん ど とい っ て い い ほ ど上 訴 裁 判 所 の 構 成 員 で あ っ た こ と及 び 時 と して 独 人 制 で あ っ た こ とに あ る と され る。 イ ンデ ィ ア ンの 憲 法 上 の 権 利 の保 障 に 関 して 上 訴 手 続 の 最 も重 要 な側 而 は 、 部 族 裁 判 所 か らの 州 若 し く
は連 邦 の 裁 判 所 へ の 上 訴 の 方 法 が存 在 せ ず、 更 に人 身 保 護 令 状 が 部 族 の イ ンデ ィ
zm
ア ン に は 否 定 さ れ て き た こ とで あ る と 言 え よ う 。
部 族 主 権 の 法 理(doctrineoftribalsovereignty)に つ い て は 、 折 に ふ れ て 述 べ て き た が 、 イ ン デ ィ ア ン の 市 民 的 権 利 の 闇 題 を 考 察 に 当 た っ て 、 必 要 な1眼度 内 で 復 習 して お く(詳 細 に つ い て は、 第 二 章 第 三 節 参 照)。 合 衆 国 と の 交 渉 が 始 ま る よ う に な っ て か ら 、 イ ン デ ィ ア ン諸 部 族 の 法 的 地 位 の 問 題 が 、 部 族 と非 イ ン デ ィ ア ン で あ る"隣 人"と の 一 連 の 争 い 一 民 事 薬 件 の み な ら ず 刑 事 事 件 に つ い て 一 を め ぐ っ て 生 じ て く る よ う に な る 。 か か る イ ン デ ィ ア ン部 族 と そ の 管 Y.iにr! 関 す る議 論 に と っ て の 出 発 点 と な る の は 、 何 よ り も 部 族 主 権 の 概 念 と 言 え よ う 。 こ の 間 題 に 関 す るTt要 な 司 法 判 断 の 一 つ は 、 チ ェ ロ キ ー 部 族 の 族 長 た ち が ジ ョ ー ジ ア 州 に よ っ て 制 定 さ れ た 諸 法 律 の 彼 らの 土 地 内 で の 適 用 を 回 避 さ せ る た め 合 衆 国 最 高 裁 判 所 に 差 止 命 令(injunction)を 求 め て 提 訴 し たCherokee
ziz)
Nationv.Georgia(以 下 、GeorgicsI'」.F件判 決 とい う。)で あ る 。1831年 、 法 延 意 見 を 執 筆 し た マ ー シ ャ ル 主 席 判 事 は 、 以 下 の よ う に 判 決 を 下 し て い る 。
チ ェ ロ キ ー 部 族 は 、 一 様 に 植 民 地 時 代 か ら 国 家(state)と し て 扱 わ れ て き て い る 。 合 衆 国 に よ っ て 彼 ら と締 結 さ れ た 多 く の 条 約 は 、 彼 ら を し て 平 和 を 維 持 し、 戦 争 を 行 な う こ とが で き 、 彼 ら の 政 治 的 特 徴 に お い て 条 約 上 の 誓 約 の 侵 筈 に 対 し て.,=ld任を 持 ち 、 或 い は 合 衆 国 市 民 に 対 し て 個 人 又 は 共 同 体 に よ っ て 行 な わ れ た 侵 害 行 為 に 責 任 が 果 た せ る 人 民(people)で あ る こ と を 認 め て い る 。 合 衆 国 の 諸 法 律 は 、 こ れ ら の 条 約 の 精 神 に 基 づ い て 制 定 さ れ た も の で あ る 。 我 々 の 政 府 行 為 は 、 明 ら か に チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン を 国 家 と して 認 め て お り 、 裁 判 所 は 、 こ れ ら の 法 律 に 拘 束 さ れ る の で あ る 。 合 衆 国 の 承 認 さ れ て い る 境 界 内 に 居 住 す る イ ン デ ィ ア ン部 族 が 極 め て 厳 密 な 意 味 で 外 国(foreignnation)と 呼
6
ば れ 得 る も の か 否 か は 、 疑 い の あ る と こ ろ で は あ る が 、 よ り正 確 に 言 え ば 、 当 該 部 族 は 国 内 の 従 属 国(domesticdependentnations)と 呼 ば れ 得 る で あ ろ う 。 彼 ら部 族 は 、 我 々 が 彼 ら の 意 思 と は 無 関 係 に 権 原(title)を 主 張 し 、 か れ ら の 占 有 が 終 了 し た 場 合 に 占 有 に 関 し て 効 力 が 生 ず る テ リ ト リ ー に 居 住 し て い る 。 同 時 に 、 か か る 部 族 は 、 半 開 花 の 状 態(stateofpupilage)に あ る 。 合 衆 国 に 対 す る 彼 ら 部 族 の 関 係 は 、 保 護 者 に 対 す る 被 保 護 者(wardtohisguardian)のi係
に 類 似 す る も の で あ る 。 合 衆 国 内 の イ ン デ ィ ア ン 部 族 若 し く は イ ン デ ィ ア ン ・ ネ ー シ ョ ン は 、 合 衆 国 憲 法 の い う意 味 で の 外 国 で は な く 、 従 っ て 、 合 衆 国 の 裁 判 所 に お い て 訴 訟 を 提 起 す る こ と は で き な い 。 そ して 、 マ ー シ ャ ル 判 事 は 、 従 属 及 び 半 開 花 と い う 彼 ら の 地 位 は 合 衆 国 が イ ン デ ィ ア ン の 領 土 の 譲 渡 の 統 制 以 外 に お い て 如 何 な る 方 法 で あ ろ う と も イ ン デ ィ ア ン の 主 権 を 制 約 す る こ と に 根 拠 を与 え る も の で あ る と は 判 示 し て は い な い の で あ っ て 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 主 権 を 有 す る 地 位 を 「そ れ 自 身 の 問 題 を 管 理 し、 自 ら を 管 理 し 得 る 他 か ら 区 別 さ れ た 独 立 の 政 治 的 社 会(distinctpoliticalsociety)」 と判 断 す る こ と に よ っ
zip)
て 肯 定 して い る。
本 件 は 、 合 衆 国 法 律 の下 で の イ ンデ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ンの 独 立 した 政 治 的 地 位 を明 らか に は した が 、 イ ンデ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン に対 す る州 及 び連 邦 の 管轄 権 問 題 は、 未 解 決 の ま ま に宿 題 と して 残 した の で あ る。 マ ー シ ャル 主 席 判 事 は 、
214)
1年 後 のWorcesterv.Georgia(以 下 、Worcester事 件 判 決 とwう 。)で 、Georgia 事 件 判 決 で 展 開 し た 理 論 を 力 説 し、 彫 琢 して い る 。 本 件 は 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 境 界 内 に 居 住 す る 全 て の 白 人 は 州 知 事 か ら の 許 可 又 は 許 可 証 を 必 要 と し、 こ れ に 違 反 す る 者 は 重 罪 を 犯 す も の と し て4年 を 超 え な い 期 間 で 璽 労 働 を 伴 う禁 固 刑 に 処 す る 旨 規 定 した1830年12月22日 制 定 の ジ ョー ジ ア 州 法 違 反 で 、
4年 の 有 罪 判 決 を 受 け た2人 の 宣 教 師 が 、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 に 上 訴 し た 事 件 で あ る 。 マ ー シ ャ ル 判 衷 は 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン は 、 チ ェ ロ キ ー 自 身 の 同 意 が あ る 場 合 又 は 条 約 及 び 連 邦 法 律 に 適 合 す る 場 合 を 除 い て 、 ジ ョ ー ジ ア 州 法 が そ の 効 力 を 有 せ ず 、 ジ ョ ー ジ ア 州 民 が 立 ち 入 る権 利 を 持 た な い 明 確 に 定 め ら れ た 境 界 を も つ ネ ー シ ョ ン 自 身 の 土 地(soil)を 占 有 し て い る 別 個 の 共 同 体 一 始 原 的 自 然 権(originalnaturalright)を 保 有 して い る 別 個 、 独 立 の 政 治 的 コ ミ ュ ニ テ ィ(distinct,independentpoliticalcommunity)一 で あ る 。 合 衆 国 と当
ア メ リカ ・イ ン デ ィア ン法 研 究 序説(十) 7
該 ネ ー シ ョ ン との 間 の 全 交 渉 は 、 我 々 の 憲 法 と法 律 に よ っ て 合 衆 国政 府 に帰 属 して い る」 の で あ っ て 、 破 棄 申 立 人 が訴 追 さ れ た ジ ョー ジ ア 州 法 は無 効 で あ っ
215)
て 、 原 判 決 を取 消 す もの とす る と判 示 した 。本 判 決 は、 合 衆 国 とイ ンデ ィ ア ン・
ネ ー シ ョ ン との 関 係 は、 国 際 法 の原 則 に 従 っ て条 約 に よ っ て 処 理 され る こ とを 認 め、 更 に、 両 者 の 間 の 交 渉 権 は、 憲 法 上 並 び に 法 律 上 、 連 邦 政 府 に 付 与 され て い る と判 決 し、 州 の介 入 を許 さ な い と した の で あ っ た。 しか し、合 衆 国 最 高 裁 判 所 は、 外 国 が 主 権 国 と して 有 す るす べ て の 属 性 を イ ンデ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ
ン が具 備 して い る とは見 徹 して い な い こ と、 及 び 部 族 は連 邦 裁 判 所 に訴 訟 を提 起 す る原 告 適 格 を有 しな い の で は な いか とい う疑 い を 抱 い て い る こ とを指 摘 し
な け れ ば な らな い。
二 つ の 最 高 裁 判 決 か ら、 ① イ ンデ ィア ン部 族(乃 至 ネー シ ョン)は 、 固有 の 自 治 権 を もつ 主 権 を有 す る団 体 で あ る、② 部 族 と交 渉 す る権 限 は合 衆 国 に 付 与 さ れ て お り、 州 は 完 全 に排 除 され る、③ 部 族 を 州 並 び に 州 民 か ら保 護 す る合 衆 国 政 府 の 権 限 は 、 明 白 に承 認 され る、 ④ 合 衆 国 議 会 が 部 族 の 法 的地 位 を規 制 し及 び変 更 す る 明 白 な権 限 を 有 す る とい う原 則 が 導 き 出 さ れ 、 更 に 、 チ ェ ロキ ー ・ ネ ー シ ョ ンの権 限 に課 され る制 限 は 、① 部 族 は 外 交 上 の権 限(foreignpower) を 処 理 し得 な い 、 ② 部 族 は 自 らの 土 地 を合 衆 国 政 府 以 外 の 当事 者 に譲 渡 し得 な い とい うそ れ が 導 き 出 され る で あ ろ う。
(b)1968年ICRA制 定 前 の 判 例 の展 開
か か る部 族 ‡ 権 の 法 理 が 、 個 人 と して の イ ン デ ィ ア ンの 法 的地 位 の 問題 に如 何 な る影 響 を具 体 的 に与 えて い た で あ ろ うか 。 以 下 、ICRA制 定 前 の イ ン デ ィ ァ ンが 置 か れ て い た法 的 地 位 を幾 つ か の判 例 一 合 衆 国 憲 法 修 正 条 項 で 保 障 され た人 権 及 び 裁 判 管 轄 権 との 関連 で 一 を見 る こ とに よっ て 明 らか に して み よ う。
南 北 戦 争(1861‑65)後 、政 治 的 権 利 は全 国 的 規 模 に拡 大 され るが 、 「1866年
zir)
市 民 的 権 利 に 関 す る 法 律 」(theCivilRightsActorl866)ま で に 、 合 衆 国 議 会 は 奴 隷 制 度 の 廃 止 の 一 部 と し て1857年3月6日 の 合 衆 国 最 高 裁 判 所 のDred
zn)
ScottV.Sanfordを 廃 棄 しよ う と試 み て い る。 そ の 方 法 と して 、 また 上 記 専 件 が 憲 法 上 の事 件 で あ った こ と もあ って 、1866年 に発 議 さ れ 、1868年7月9日 に 成 立 した合 衆 国 憲 法 修 正 第14条 〔1868年;市 民 的権利 〕 第1節 は 、 「合 衆 国 で 出 生 し又 は帰 化 し、 及 び合 衆 国 の管 轄 権 に服 す る全 て の 人 は、 合 衆 国 並 び に 居 住
8
す る 州 の 市 民 で あ る。」 と規 定 し 、 同 条 第2節 は 下 院 の 議 員 定 数 の 配 分 の た め の 方 式 を 改 正 した 。 し か し、 同 条 第2節 第1文 に い う 「課 税 さ れ な い イ ン デ ィ ア ン 」(lndiannottaxed)の 排 除 は 保 留 さ れ た ま ま で あ っ た 。
(ア)Elkv.Wilkins
l884年II月3日 、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 は 、Elkv.Wilkins似 下 、E1々 事 件 判 決
218)
とい う。)で 、 部 族 を 離 れ た イ ンデ ィ ア ン は 、合 衆 国 憲 法 修 正 第14条 に い う 「市 民 」 で は な い と判 示 して い る。 本 件 原 告 ジ ョ ン ・エ ル ク(JohnElk)は 、 イ ン デ ィ ア ン部 族 の 構 成 員 と して 出 生 した が 、 自発 的 に部 族 との 関 係 を 断 ち 、 ネ ブ ラス カ 州 オ マ ハ 市 に居 住 して い た が 、 帰 化 は せ ず 、課 税 も され ず 、 合 衆 国 と州 の い ず れ か ら も市 民 と して承 認 さ れ て い なか っ た 。1880年4月6日 に施 行 さ れ た オ マ ハ 市 参 事 会 会 員 及 び そ の他 の 吏 員 選 挙 に際 し、 選 挙 人 名 簿 に 登載 され て い な か っ た原 告 は 、 合 衆 国憲 法修 正 第14条 の 規 定 に基 づ い て 合 衆 国 の 市 民 で あ り合 衆 国 の市 民 と して の 権 利 と特 権 を付 与 され る と主 張 し、 訴 訟 を提 起 した。
合 衆 国最 高 裁(グ レイ判事 が法廷意見 を執筆)は 、 合 衆 国 憲 法 の体 制 の 下 で 合 衆 国議 会 の 一 般 法 は明 白 に イ ンデ ィ ア ン を も含 む とい う こ とが 明 示 され な い 限 り、
イ ン デ ィ ア ン に は 適 用 さ れ な い と した 。 そ して 、 部 族 は 部 族 の 権 威(tribal authority)の 下 に出 生 した の で あ る か ら して 、 合 衆 国 内 で 出 生 し、 合 衆 国 の 管 轄 権 に 服 す る す べ て の 人 は合 衆 国 の 市 民 で あ る と規 定 す る修 正 第14条 第1節 は イ ンデ ィ ア ン に適 用 され な い と し、 更 に、 修 正 第14条 第2節 の 「課 税 され な い イ ンデ ィ ア ン」 とい う文 言 に言 及 し、 起 草 者 は修 正 条 項 を イ ンデ ィ ァ ンに 適 用
zip)
し よ う と の 意 図 を も っ て い な か っ た と判 示 し て い る。
(イ)Ta且tonV.Mayes
l896年5月18日 、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 は 、Taltonv.Mayes(以 下 、71α1'07z事
zzo)
件 判 決 と い う。)で 、5人 の 大 陪 審(grandjury)を 規 定 し て い た チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 部 族 法 の 合 憲 性 を 審 理 し た 際 、 合 衆 国 憲 法 修 正 第5条 に い う 法 の 適 正
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手 続(dueprocessorlaw)の 適 用 を1884年 のHurtadov.Californiaの 判 例 を 引 い て こ れ を 拒 否 し て い る 。 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 構 成 員 で あ る 本 件 原 告 ボ ブ ・タ ル トン(BobTalton)は 、1893年2月28日 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ
ン ・ク ー ウ ィ ー ク ー ウ ィ ー(Cooweekoowee)地 区 の 特 別 上 訴 裁 判 所(special supremecourt)に お い て チ ェ ロ キ ー の テ リ ト リ ー 内 で 同 族 を 殺 害 した 殺 人 の 罪
アメ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序 説(十) 9
で絞 首 刑 の宣 告 を 受 け た 。 原 告 は 、5人 か ら成 る大 陪 審 は 修 正 第5条 が 予 想 し て い る意 味 で の大 陪 審 に 当 た らず 、13人 に 満 た な い 員 数 で 構 成 され る大 陪 審 に よ る正 式 起 訴(indictment)は 修 正 第14条 に 違 反 し法 の適 正 手 続 を 侵 害 す る と 主 張 し、 ア ー カ ンザ ス西 部 地 区合 衆 国 地 方 裁 判 所 に人 身保 護 令 状 を 請 願 した 。 合 衆 国最 高 裁 判 所(ホ ワイ ト判事 が法廷意 見 を執 筆)は 、 チ ェ ロキ ー ・イ ンデ ィ ア ン に よ っ て チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ンの 管 轄 権 内 で 実 行 され た 殺 人 罪 は合 衆 国 に対 す る犯 罪 で は な く、 当該 ネ ー シ ョ ンの 地 域 的 個 別 法(locallaw)に 対 す る 犯 罪 で あ っ て 、大 陪 審 に よ る正 式 起 訴 及 び 当該 機 関 の 員 数 を規 定 す る合 衆 国 の 諸 法 律 は 適 用 さ れ な い。 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン に よ っ て 享 有 さ れ る地 方 自治 の権 限 は 、 合 衆 国 憲 法 に先 だ っ て存 在 し、 修 正 第5条 に よ って 決 定 され る もの で は な い。合 衆 国 憲 法 に矛 盾 し又 は条 約 若 し くは連 邦 法 に一致 しな い チ ェロ キ ー ・ ネ ー シ ョ ンの 法律 が 当 該 ネ ー シ ョ ンの 他 の 法 律 に よ っ て破 棄 され た か 否 か の 問 題 及 び大 陪 審 に 関 す る現 行 の ネ ー シ ョ ンの 法 が 何 を意 味 す るか の決 定 は、 ネ ー シ ョ ンの 管 轄 権 内 の 問 題 で あ って 、 当 該 問 題 に 関 す る決 定 は、 そ れ 自体 合 衆 国 憲 法 違 反 にか か わ りを もた な い。 修 正 第14条 は 、連 邦 政 府 の行 為 の み に適 用 さ れ 、 タ ル トン を処 罰 す る部 族 の 行 為 は 当 該 条 項 に よ っ て制 約 され な い と判 示 し
'22'l)
て い る。
か か る結 論 は 、 部 族 主 権 の 法 理 の論 理 的 帰 結 で あ っ て、 イ ン デ ィ ア ン部 族 が 連 邦 法 に よ っ て特 に 規 定 さ れ る場 合 を 除 い て 、 部 族 主 権 を保 有 す る 限 り、 陪 審 に関 す る修 正 第5条 の 基 準 は 部 族 の行 為 に は適 用 され な い の で あ る。 判 例 を見 る に、 更 に、 違 法 な 捜 査 ・逮 捕 、 言 論 ・出 版 ・集 会 の 自lililの侵 害 か らの 保 障 は
Y23)
及 ば な い と され 、 加 え て 、 適 正 手 続 の要 請 に応 え る こ とな く部 族 は課 税 し、 部
2'ta)
族 構 成 員 の 権 利 を 取 消 す こ と が で き る と さ れ て き て い る 。 (ウ)NativeAmericanChurchv.NavajoTribalCouncil
l959年 の 合 衆 国 第10巡 回 区 控 訴 裁 判 所 で 争 わ れ たNativeAmeコ一ican
'L25)
Churchv.NavajoTribalCouncilは 、 部 族 法 と 合 衆 国 憲 法 修 正 第1条 に い
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う 信 教 の 自 由 に 関 わ る 事 案 で あ る 。 ネ ー テ ィ ブ ・ア メ リ カ ン 教 会(Native AmericanChurch、 以 下 、 教 会 とい う。)は 、 多 くの 保 留 地 に 流 布 し て い る キ リ ス ト教 に 類 似 し た セ ク ト(sect)で あ る 。本 件 で 問 題 と な っ た ペ イ ヨ ー テ(peyote) は 、 ウ バ タ マ の 種 子 か ら とれ る 幻 覚 剤 の 一 種 で 教 会 の 宗 教 儀 式 に お い て 会 員 に
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よっ て 使 用 され て い る。 ペ イ ヨー テ は、 麻 薬(narcotic)で は な く、 そ の継 続 的 使 用 は人 体 に有 害 な 影 響 を及 ぼ す も の で は な い と され て い るが 、 州 や 部 族 の 法
227)
で しば しば 禁 止 さ れ て きて い た 。
本 件 は 、 北 部 ア メ リ カ教 会 と その 会 員 が ナ ヴ ァホ 部 族 評 議 会 に よっ て 採 択 さ れ た ナ ヴ ァ ホ ・カ ン ト リー 内 で の ペ イ ヨー テ の持 込 み 、 販 売 、 使 用 又 は所 持 を 犯 罪(拘 禁 並 び に罰 金 の 併 科)と す る条 例 は、 合 衆 国 憲 法 修 正 第1条 、 同4条 並 び に 同5条 の 下 で 保 障 さ れ た 教 会 及 び 教 会 員 の権 利 を侵 害 す る と主 張 して 当 該 条 例 の差 止 め を 求 め て 、 ニ ュー ・メ キ シ コ地 区 合 衆 国 地 方 裁 判 所 に 出 訴 した 事 件 で あ る。
第10巡 回 区 控 訴 裁 判 所 は、Talton事 件 判 決 を 引用 し、 以 下 の よ うに判 示 して 第 一 審 の 棄 却 判 決 を 支 持 した 。 す な わ ち 、 修 正 第1条 は 、合 衆 国 議 会 及 び 州 の 行 為 に適 用 され るが(McCollumv.BoardofEducation,333U.S.208;Zorach
v。Clauson,343U.S,306)、 イ ンデ ィ ア ン部 族 は 州 で は な い 。 イ ンデ ィア ンの 諸 部 族 は、 州 よ り高 位 の(法 的)地 位 にあ り、 彼 らが よ り高 位 の主 権 国家 で あ る合 衆 国 に よ って 明 白 に 従 うよ う要 求 さ れ て きた 限度 に お い て全 権 を持 つ 下 位 の且
つ 従 属 的 国 家 で あ る。合 衆 国 憲 法 は、勿 論 、国 の最 高 法 規(supremelawofland) で あ るが 、 合 衆 国 の 諸 法 の 一 部 で あ っ て 、 判 決 哲 学 に従 え ば 、 憲 法 は、 他 の 法
と同様 に 当 該 憲 法 が 明 白 に イ ン デ ィ ア ン諸 部 族 を 拘 束 し、 若 し くは 憲 法 が 条 約 又 は合 衆 国議 会 の 法 に よ って 拘 束 力 を持 つ と規 定 した 場 合 に の み イ ン デ ィ ア ン ・ ネ ー シ ョ ンに対 して 法 的 拘 束 力 を 有 す る。 憲 法 は、 修 正 第1条 が イ ン デ ィ ア ン ・ ネ ー シ ョ ン に適 用 され る と は定 め て はお らず 、 合 衆 国議 会 の 法 に も何 ら規 定 が
'l'28)
な い 。 連 邦 の 裁 判 所 は 、 部 族 法 又 は 部 族 の 規 制 に 対 し て 管 轄 権 を 行 使 で き な い 。 (エ)Williamsv.Lee
229)
1959年1月12日 に合 衆 国 最 高 裁 が 下 したWilliamsv.Leeは 、 ア リゾナ の ナ ヴ ァホ ・イ ン デ ィ ア ン の保 留 地 で連 邦 法 が 規 定 した 許 可 条 件 に従 って 店 舗 を 経 営 して い た非 イ ンデ ィ ア ンの 経 営 者 に対 して 当 該 店 舗 の 取 引 を め ぐ っ て 当 該 イ ン デ ィ ア ンの 夫 婦 との 間 に生 じた 民事 紛 争(ク レジ ッ ト販 売 によ る代金 の受取人 払) を州 の 裁 判 所 に 提 起 す る こ とを否 認 した}で あ る。
ブ ラ ッ ク判 事 が 、 法 廷 意 見 を執 筆 して い る。 す な わ ち 、 過 去 数 十 年 間 、 合 衆 国最 高 裁 判 所 は 、 本 質 的 な 部 族 関係 が 含 ま れ ず 及 び イ ン デ ィ ア ンの 諸 権 利 が 危
アメ リカ ・イ ンデ ィ ァ ン法研 究 序説(十) //
険 に さ ら さ れ な い 衷 件 に お い てW∂768s'27蔀 件 判 決 で 展 開 さ れ た 諸 原 理 を 修 正 し て き た が 、 当 該 判 決 の 基 本 的 方 針 は 変 更 さ れ て は い な い 。 従 っ て 、 イ ン デ ィ ア ン に よ る 部 外 者 に 対 す る 州 の 裁 判 所 へ の 訴 訟 は 認 め ら れ て き た(SeeFelixv.
Patrick,145U.S.317;UnitedStatesv.Candelaria,271U.S.432)。 そ し て 、州 の 裁 判 所 は 、 保 留 地 で の 非 イ ン デ ィ ア ン が 非 イ ン デ ィ ア ン に 対 し て 犯 し た 犯 罪 に つ い て 審 理 す る こ と を 認 め ら れ て き た(See,e.g.,PeopleofStateofNew
Yorkexrel.Rayv.Martin,326U.S.496)。 しか し、犯 罪 が イ ン デ ィ ア ン に よ っ て 又 は イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 場 合 、 部 族 の 管 轄 権 又 は 合 衆 国 議 会 に よ っ て 明 確 に 他 の 裁 判 所 に 授 与 さ れ た 管 轄 権 が 排 他 的 な も の と さ れ て き た(Donnellyv.
UnitedStates,228U.S.243;Williamsv.UnitedStates,327U。S.Ill)。 近 年 、 ナ ヴ ァ ホ は 自 身 で そ の 法 制 度 を 改 善 し、 今 日 、 ナ ヴ ァ ホ の イ ン デ ィ ア ン犯 罪 裁 判 所 が イ ン デ ィ ア ン を 被 告(人)と す る部 外 者 に よ る 訴 え を 処 理 す る 広 範 な 刑 事 並 び に 民 事 管 轄 権 を 行 使 して い る 。 如 何 な る連 邦 法 も 、 州 の 裁 判 所 に か か る 争 訟 に 対 す る 管 轄 権 を 付 与 して き て は お ら ず 、 一 般 法 律 の 中 で 合 衆 国 議 会 は 、 州 議 会 若 し く は イ ン デ ィ ア ン人 民 が 積 極 的 に 当 該 責 任 を 引 受 け る と投 票 し た 場 合 、 保 留 地 の イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 管 轄 権 を 州 が 引 き 受 け る こ と に 積 極 的 意 思 を 示
し て き た の で あ る が(i953年8月15日 法(Ch.505,§ §6,7,67Stat.590.)所s{7
「公 法 第280号 」)、 ア リ ゾ ナ は 今 日 ま で 引 き 受 け て は い な い 。 本 件 に お い て 州 の'tì
轄 権 の 行 使 を 認 め る こ と は 、 保 留 地 の 問 題 に 対 す る 部 族 裁 判 所 の 権 限 を 侵 害 し 、 そ し て そ れ 故 に イ ン デ ィ ア ン が 自 ら を 統 治 す る権 利 に 介 入 す る こ と に な る の は
'L30)
疑 い の な い と こ ろで あ る。
判 例 理 論 か ら理 解 し得 る よ うに 、 部 族 イ ン デ ィ ア ン は 、 部 族 政 府 の 管 轄 権 に 服 し、 州 は、 連 邦 の 権 限 が 排 他 的 で あ っ たが 故 に 合 衆 国議 会 の 明 白 な 承 認 が な い場 合 、 当 該 州 内 に存 在 す る保 留 地 に 管 轄 権 一 刑 事 管 轄 権 、 民 事 管 轄 権 と も に 一 を及 ぼ し得 な か っ た の で あ る(但 し、1953年 制 定の公 法第280号 の規定 によっ て 、 ア ラス カ、 カル フォルニ ア、 ミネ ソ タ、ネ ブラスカ、 オ レゴン、 ウィス コ ンシン の保 留地 につ いて はそれ ぞれ の州 の管轄 権 が認 め られ て いた こ とにつ いて、 第五 節2 (3)参照)。 部 族 政 府 と個 人 と して の イ ンデ ィ ア ン は、 彼 ら に とっ て必 要 な法 的規 定 を設 け る合 衆 国 議 会 の 無 条 件 の権 隈(plenarypower)にlj艮 した が、 この無 条 件 の 権 限 は 限 られ た範 囲 の み で 行 使 さ れ 、 多 くの部 族 政 府 は連 邦 政 府 に よ っ て
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規 制 さ れ て は い な か った 。 従 って 、部 族 政 府 は 、 多 くの保 留 地 の イ ン デ ィ ア ン の た め に 最 も重 要 な 政 府 権 限 を行 使 して きた の で あ る。 部 族 政 府 は 、 州 が 持 っ 刑 罰 権 よ りも弱 い そ れ を行 使 した が 、 少 な く と も以 下 の二 つ の 重 要 な 点 に お い て そ れ らの 構 成 員 に 対 す る大 き な権 限 を 行 使 して き た。 す なわ ち 、① ほ とん ど の 窩 は 、 コ ミュ ニ テ ィ に よっ て 所 有 若 し くは管 理 され 、部 族 政 府 が その 配 分 を 決 定 す る。 ② 連 邦 の 司 法 原 理 は、 部 族 の 成 員 に 対 す る部 族 政 府 の権 限 行 使 に つ
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い て い か な る 憲 法 上 の 制 約 か ら も 当 該 政 府 を 免 除 して き た 。 (c)1968年ICRAの 制 定 と そ の 内 容
(ア)1968年ICRAの 制 定
1961年 、 「上 院 司 法 委 員 会 憲 法 上 の 権 利 に 関 す る 小 委 員 会 」(Subcommittee onConstitutionalRightsoftheSenateCommitteeontheJudiciary)は 、イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 支 配 下 に あ る 人 の 市 民 的 権 利 に 関 す る 問 題 を 調 査 す る た め に 公 聴 会 の 開 催 を 決 定 し、 合 衆 国 憲 法 が 合 衆 国 政 府 に 対 し て 課 す と 同 様 の 制 限 を 部 族 に 対 し て 課 す 法 案 を 企 図 し た 。 同 委 員 会 で 採 択 さ れ た 修 正 案 は 、1968年4
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月Hr̲iに 合 衆 国議 会 第90議 会 に お いて 「公 法 第90‑284号 」 と して制 定 され た 。 1961年 か ら1962年 にか け て実 施 され た 上 記 小 委 員 会 に お け る公 聴 会 に 関 す る 報 告 書 は 、 「イ ンデ ィア ンが 他 の 市 民 が親 しん で い る権 利 及 び義 務 に つ いて 教 育 さ れ るべ き で あ る とす るな らば 、彼 は保 留 地 の 外 と岡様 、 保 留 地 にお い て もそ の権 利及 び 義 務 を行 使 す る こ とに 於 いて 自 由で な け れ ば な ら な い と考 え られ る。
諸 裁 判 所 は 、 如 何 な る程 度 に於 い て イ ンデ ィア ンの 〔合衆 国〕 憲 法 上 の 権 利 が 恣 意 的 な(arbitrary)な 部族 の権 限 か ら保 護 され るか が不 明確 で あ る こ とを知 らさ
ゆ
れ て き た。 明 確 な立 法 こ そが 必 要 とされ る。」 と述 べ て い る。 小 委 員 会 の 活 動 は、
① 多 くの 憲 法 上 の 権 利 が 部 族 裁 判 所 に お け る訴 訟 で 否 定 さ れ て お り、 現 在 の部 族 裁 判 所 制 度 に は著 しい 不 適 切 性 が 見 出 され る、 ② 部 族 主 権 の 法 理 は 部 族 の活 動 へ の 合 衆 国 患 法 上 の 制 限 を及 ぼ す 手 枷 とな っ て い る とい う認 識 に基 づ く もの
'L34)
で あ っ た 。 ま た 、 法 案 の 主 唱 者 で あ る 上 院 議 員 セ ン ・サ ム ・エ ル ヴ ィ ン(Sen.
SamErvin)は 、 下 院 の 公 聴 会 で 法 案 は 「ア メ リ カ ・イ ン デ ィ ア ン に 他 の ア メ リ
235)
力 人 に保 障 され た諸 権 利 を承 認 す る」 手 段 で あ る と証 言 して い る。
アメ リカ ・イ ンデ ィ ァ ン法研 究 序説(十) /3
(イ)1968年ICRAの 内 容
同 法 は 、 「暴 力 又 は 脅 迫 の 一 定 の 行 為 に 刑 嗣 を 規 定 し及 び そ の 他 の 目 的 に 関 す る 法 律 」 と題 さ れ 、 一 般 的 に 「1968年 イ ン デ ィ ア ン の 市 民 的 権 利 に 関 す る 法 律 」 (theIndianCivilRightsActor1968,以 下 、1968年ICRAと い う。)と 呼 称 さ れ 、 10編 か ら成 る。 そ の 第2編 が 「イ ン デ ィ ア ン の 権 利 」(Rightorlndians)、 第3 編 が 「イ ン デ ィ ア ン 犯 罪 裁 判 所 の 基 準 と な る規 程 」、 第4編 が 「刑 事 事 件 及 び 民 事 事 件 に 関 す る 管 轄 権 」、 第5編 が 「イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー 内 の 犯Vii'一一一」、 第 6編 が 「弁 護 士 の 雇 用 」、 第7編 が 「イ ン デ ィ ア ン の 憲 法 上 の 権 利 に 関 す る 資 料 」 と続 い て い る 。 以 下 、 制 定 時 の 同 法 の 抄 訳 で あ る 。 条 文 直 後 の 〔 〕 内 条 文 は 、 合 衆 国 法 律 集 の 条 項 を 示 す 。
第2編 一 イ ン デ ィ ア ン の 権 利 定 義
第201条 〔第25編 第1301条 〕 本 編 に お い て 、 次 の 各 項 に 掲 げ る用 語 の 意 義 は 、 そ れ ぞ れ 当 該 各 号 に 定 め る と こ ろ に よ る 。
(1)「 イ ン デ ィ ア ン 部 族 」 と は 、 合 衆 国 の 管 轄 権 に 服 し 且 つ 自 治 権 を 有 す る も の と認 め ら れ た 全 て の 部 族 、 バ ン ド又 は そ の 他 の グ ル ー プ を い う。
(2)「 自 治 権 」 と は 、 イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 執 行 機 関 、 立 法 部 及 び 司 法 部 並 び に イ ン デ ィ ア ン 犯 罪 裁 判 所 を 含 む 自 治 権 が 執 行 さ れ る 全 て の 事 務 所 、 機 関 及 び 法 廷 を い い 、 及 び 含 む 。
(3)「 部 族 裁 判 所 」 と は 、 全 て の イ ン デ ィ ア ン 部 族 裁 判 所 又 は イ ン デ ィ ア ン 犯 罪 裁 判 所 を い う。
(立法史;Pub.L.90‑284,Titlell,§zoi,Apr.11,1968,82Staff.77;Pub.L.iOl‑511, 'TitleVm,§8077(b),(c),Nov.5,1990,104Stat.1892.)
イ ン デ ィ ア ン の 諸 権 利
第202条 〔第25編 第1302条 〕 い か な る イ ン デ ィ ア ン 部 族 も 、 自 治 権 を 行 使 す る に 際 して 以 下 の 各 号 に 定 め る 萄 項 を 実 施 す る こ と は で き な い 。
(1)宗 教 の 自 由 な 活 動 、 言 論 又 は 出 版 の 自 由 の 剥 奪 並 び に 平 和 裡 に 集 会 し及 び 苦 痛 の 原 因 を 取 り 除 く た め に 請 願 を す る 人 々 の 権 利 を 禁 止 す る 法 律 を 制 定 し又 は 強 制 す る こ と 。
(2)人 が 自 己 の 身 体 、 住 居 、 書 類 及 び 書 類 の 安 全 を 確 保 す る 権 利 を 侵 害
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し、 宣 誓 或 い は 断 定 的 な 証 言 に よ っ て 裏 づ け ら れ た 相 当 な 理 由 が あ り、
且 っ 捜 索 す る 場 所 と 逮 捕 す べ き 容 疑 者 の 氏 名 又 は 押 収 す べ き 物 件 の 名 を 具 体 的 に 明 記 し た 場 合 を 除 い て 、 令 状 を 発 行 す る こ と。
(3)人 が 、 同 一 の 犯 罪 に つ い て 二 度 危 険 に さ ら さ れ る こ と 。
(4)何 人 に 対 し て も 、 刑 事 事 件 に お い て 自 己 に 不 利 益 を も た ら す 証 言 を 強 制 す る こ と。
(5)何 人 に 対 し て も 、 正 当 な 補 償 な く して 自 己 の 財 産 を 公 共 の 用 に 収 用 す る こ と 。
(6)刑 事 訴 追 を 受 け た 人 に 、 迅 速 且 つ 公 開 の 裁 判 を 受 け 、 訴 追 の 性 格 と 理 由 に つ い て 説 明 を 受 け 、 自 己 に 不 利 益 な 証 言 を す る 者 と 対 決 し、 自 己 に 有 利 な 証 人 を 得 る た め に 強 制 的 手 続 を 用 い 、 及 び 自 己 防 衛 の た め に 自 費 で 弁 護 人 の 援 助 を 受 け る権 利 を 否 定 す る こ と。
(7)過 大 な 額 の 保 釈 金 を 要 求 し、 過 重 な 罰 金 を 科 し、 残 酷 且 つ 異 常 な 刑 罰 を 与 え る こ と 、 及 び 全 て の 場 合 に あ ら ゆ る 犯 罪 の 有 罪 判 決 に6月 の 懲 役 以 上 又 は500ド ル の 罰 金 以 上 を 或 い は こ れ を 併 科 して 科 す こ と。
(8)イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 支 配 下 に あ る 人 に 対 し て 部 族 法 律 に よ る平 等 な 保 護 を 拒 否 し、 又 は 法 の 適 正 な 手 続 に よ ら な い で 全 て の 人 の 自 由 或 い は 財 産 を 奪 う こ と。
(9)私 権 剥 奪 法 案 又 は 事 後 法(expostfactolaw)を 制 定 す る こ と 。 (10)懲 役 を 以 っ て 罰 す べ き 犯 罪 で 逮 捕 ・起 訴 さ れ た 全 て の 人 に 要 請 に 基
づ い て6人 を 超 え な い 員 数 で 構 成 さ れ る 陪 審 に よ る 正 式 事 実 審 理(trail) を 受 け る 権 利 を 否 定 す る こ と 。
(立 法 史;Pub.L.90‑284,TitleII,§202,Apr.ll,1968,82Stat.77;Pub.L.
99‑570,TitleIV,94217,0ct.27,1986,100Stat.3207‑146.) 人 身 保 護 令 状
第203条 〔第25編 第1303条 〕 人 身 保 護 令 状(WCItofhabeascorpus)の 特 権 は 、 合 衆 国 裁 判 所 に お い て 、 イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 命 令(order)に よ る 抑 留 (detention)の 合 法 性 を 審 理 す る た め 、 す べ て の 人 に 利 用 可 能 な も の と見 倣 さ れ な け れ ば な ら な い 。
ア メ リカ ・イ ン デ ィア ン法 研 究 序説(十) iS
第3編 一 イ ン デ ィア ン犯 罪 裁 判 所 の基 準 とな る規 程
第301条 〔第25編 第1311条 〕 内務 長 官 は 、 合 衆 国議 会 に1968年6月1日 若 し くは そ れ 以 前 に イ ン デ ィ ア ン保 留 地 に お け るイ ン デ ィ ア ン犯 罪 裁 判 所 の裁 判 執 行 の 基 準 とな る規 程 を勧 告 す る権 限 を 付与 され 且 つ 指 図 さ れ る。 当該 規 定 に は、 以 下 の 各 号 に 定 め る 内 容 を定 め る規 定 が 置 か れ る も の とす る。
(1)イ ンデ ィ ア ン犯 罪 裁 判 所 に よっ て 犯 罪 を審 理 され る如 何 な る個 人 も、
同様 の 犯 罪 に よ って 連 邦 の 裁 判 所 で 審 理 され る合 衆 国 市 民 が 合 衆 国 憲 法 に基 づ い て保 障 され る権 利 、 特 権 及 び 免 責 特 権 と同一 の それ を有 す る こ とが保 証 さ れ る こ と。
(2)イ ンデ ィア ン犯 罪 裁 判 所 に よ っ て犯 罪 を審 理 され る如 何 な る個 人 も、
当該 個 人 に適 用 され る合 衆 国 憲 法 並 び に部 族 憲 法 に基 づ く権 利 を 助 言 さ れ 、 認 知 す る こ とが 保 証 され る こ と。
(3)イ ン デ ィア ン犯 罪 裁 判 所 裁 判 官 の 官 職 を得 る要 件 を確 立 す る こ と。
(4)イ ンデ ィ ア ン部 族 裁 判 所 裁 判 官 の 訓 練 の為 の 教 育 講 習 の 確 立 を 定 め る こ と。
本 編 の 規 定 を実 施 す る為 に 、 内 務 長 官 は 、 イ ン デ ィ ァ ン、 イ ンデ ィ ア ン部 族 並 び に合 衆 国 の 関連 行 政 機 関 と協 議 しな けれ ば な ら な い。
第302条 〔第25編 第1312条 〕 本 編 の 規定 を 実 施 す る に必 要 な総 額 が歳 出配 分 承 認 され る。
第4編 一 刑 事 事 件 及 び民 事 事 件 に対 す る管 轄 権 刑 事 管 轄 権 の 州 に よ る引 受 け(assumption)
第401条 〔第25編 第1321条 〕(a)合 衆 国 の承 諾 が 、 州 内 に位 置 す るイ ンデ ィ ア ン ・カ ン ト リー の域 内 で イ ンデ ィ ア ン に よっ て 若 し くはイ ン デ ィ ア ン対 して実 行 され た 犯 罪 に関 す る管轄 権 を有 さ な い州 に、 管 轄権 の 引 受 け に よ っ て 影 響 され 得 る特 定 の イ ン デ ィ ア ン ・カ ン トリー 又 は そ の 一 部 を 占 有 す る イ ン デ ィ ア ン部 族 の 同意 を 得 て 、 州 内 で 実 行 さ れ た 当該 犯 罪 に 当 該 州 が 有 す る管 轄 権 と同 じ程 度 で 当 該 州 に よっ て 決 定 さ れ 得 る イ ンデ ィ ア ン ・カ ン トリー 又 は そ の一 部 地 域 内 で 実 行 さ れ た 犯 罪 の い ず れ か 又 は 全 部 に 対 す る 管 轄 権 に 関 す る措 置 の 引受 け に対 して与 え られ 、及 び 当該 州 の 刑 事 法 は 、 当 該 イ ンデ ィ ア ン ・カ ン トリー 又 は そ の 一 部 地 域 内 で 当 該 刑 事 法 が州 内 で
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有 す る と同 一 の 強 制 力 と効 果 を 有 す る もの とす る。
(b)本 条 の如 何 な る規 定 も、 合 衆 国 に よ っ て 信 託 保 有 され 又 は合 衆 国 に よ っ て 譲 渡 に課 され た制 限 に服 す るイ ン デ ィア ン、 イ ンデ ィ ア ン部 族 又 は バ ン ド若 し くは コ ミュ ニ テ ィ に帰 属 す る水 利 権 を含 む不 動 産 又 は 動 産 の譲 渡 、 土 地 に対 す る負 担 若 し くは課 税 を認 め 、 又 は連 邦 の 条 約 、 協 定 又 は 法 徳 若 し くは これ らの 規 定 に 基 づ い て 為 さ れ た 規 制 に矛 盾 す る方 法 で の 当該 財 産 の 使 用 規 制 を認 め 、 若 し くは狩 猟 、 トラ ッ ピ ン グ(trapping)、 漁 携 、 統 制 又 は許 可 若 し くは そ れ らの 規 制 に関 して 連 邦 の 条 約 、 協 定 又 は法 律 に 基 づ い て 付 与 され た イ ンデ ィ ア ン、 イ ンデ ィ ア ン部 族 又 はバ ン ド若 し くは コ ミ ュ ニ テ ィ の如 何 な る権 利 、 特権 若 し くは免 除特 権 を も剥 奪 す る もの で は な い。
民 事 管轄 権 の州 に よ る 引受 け
第402条 〔第25編 第1322条 〕(a)合 衆 国 の 承 諾 が 、 州 内 に位 置 す るイ ン デ ィ ァ ン ・カ ン トリー で 生 じた イ ン デ ィ ア ンが 当 事 者 で あ る イ ン デ ィ ア ン間 の 又 は イ ンデ ィ ア ンに 対 す る 民 事 訴 訟 原 因(civilcausesofaction)に 対 す る管 轄 権 を有 さ な い 州 に、 管 轄 権 の 引受 け に よ っ て 影 響 され 得 る特 定 の イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リー又 は そ の 一 部 を 占有 す るイ ン デ ィ ア ン部 族 の 同 意 を得 て 、 当 該 州 が他 の 民t,:E訴訟 原 因 に 対 して 有 す る管 轄 権 と同 じ程 度 で 当 該 州 に よ って 決 定 され 得 るイ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リー又 は その 一 部 域 内 で 生 ず る民 事 訴 訟 原 因 の い ず れ か 又 は全 部 に対 す る管 轄 権 に 関 す る措 置 の 引 受 け に 対 して 与 え られ 、 私 人 若 し くは 私 有 財 産 に一 般 的 に 適 用 され る 当該 州 の 民 事 法 は、 当 該 イ ンデ ィ ア ン ・カ ン トリー 又 は そ の 一 部 地 域 内 で 当 該 民 事 法 が 州 内 で有 す る と同 一 の 強 制 力 と効 果 を 有 す る もの とす る。
(b)本 条 の 如 何 な る規 定 も、 合 衆 国 に よ って 信 託 保 有 され 又 は合 衆 国 に よ っ て 譲 渡 に 課 さ れ た 制 限 に服 す る イ ンデ ィ ア ン、 イ ン デ ィ ア ン部 族 又 はバ ン ド若 し くは コ ミ ュニ テ ィに 帰 属 す る水 利 権 を含 む 不 動 産 又 は動 産 の 譲 渡 、 土 地 に 対 す る 負担 若 し くは 課 税 を認 め 、 又 は連 邦 の 条 約 、 協 定 又 は 法 律 若 し くは これ らの規 定 に基 づ いて 為 され た 規 制 に 矛 盾 す る方 法 で の 当 該 財 産 の使 用 規 制 を認 め 、 若 し くは州 に検 認 手 続 、 当 該 財 産 又 は そ の権 益 の 所 有 権 若 し くは 占 有 の 権 利 を判 断 す る 管 轄 権 を授 権 す る もの で は な い 。 (c)自 らの 権 限 を行 使 に 当 た っ て イ ンデ ィ ア ン部 族 、 バ ン ド若 し くは コ ミュ
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序説(十) i7
ニ テ ィ に よっ て 以 前 に 採 択 さ れ た 又 は以 後 に採 択 さ れ る如 何 な る部 族 の 条 例 も、 州 の 適 用 さ れ得 る民 事 法 に矛 盾 す る場 合 、 本 条 に基 づ く民 事 訴 訟 原 因 の 決 定 に 完 全 な効 力 と効 果 を 付 与 され る もの とす る。
州 に よ る管 轄 権 の返 還(retrocession) 第403条 〔第25編 第1323条 〕
(a)合 衆 国 は 、合 衆 国 法律 集 第18編 第1162条 、第28編 第1360条 若 し くは1953 年8月15日 法 第7条(67Stat.588)に 基 づ いて 州 に よ って 取 得 さ れ た 刑 事 管 轄 権 又 は 民 事 管 轄 権 若 し くは 両 事 件 の 管轄 権 に関 す る全 て の 又 は い つ れ か の 措 置 の 州 に よ る返 還 を … … 受 け入 れ る こ とを承 認 され る。
(b)1953年8月15日 法 第7条(67Stat.588)は 、 廃 棄 され る。 但 し、 当 該 破 棄 は、 そ の 廃 棄 以 前 に 当 該 条 項 に基 づ い て 為 され た 管 轄 権 の 如 何 な る譲 渡 に も影 響 を 与 え る もの で は な い 。
特 別 選 挙(Specialelection)
第406条 〔第25編 第1326条 〕 刑 事 事 件 又 は 民 事 衷 件 若 し くは両 事 件 の管 轄 権 に 関 して本 副 章 の 規 定 に従 っ て 取 得 され た 州 の 管 轄 権 は、 イ ンデ ィ ア ・カ ン ト リー域 内 に居 住 す る被 登 録 イ ン デ ィ ア ンが 管 轄 権 を受 入 れ るか ど うか に 関 して施 行 され る成 人 に よ る特 別 選 挙 に お い て多 数 票 に よ って 受 入 れ ら れ た 場 合 に 限 り、 イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー に 適 用 さ れ る も の と す る 。 内 務 長 官 は 、 部 族 評 議 会 又 は 統 治 団 体 若 し く は 被 登 録 成 人 の20パ ー セ ン ト に よ っ て 要 請 さ れ た 場 合 、 内 務 長 官 が 定 め た 規 則 並 び に 行 政 規 則 に 基 づ き 特 別 選 挙 を 実 施 し な け れ ば な ら な い 。(傍 線 筆 者)
第5編 一 改 正
第501条 合 衆 国 法 律 葉 第18編 第ll53条 は 、 「凶 器 」 の 字 句 の 直 後 に 「著 し い 身 体 の 損 傷 に 至 る 暴 行 」 な る 字 句 を 挿 入 す る こ と に よ っ て 改 正 さ れ る 。
*現 行 第18編 第1153条 〈イ ンデ ィ ア ン ・カ ン ト リー 内 で 実 行 さ れ た 犯 罪 〉 の 規 定 は 、 「(a)他 の イ ン デ ィ ア ン又 は他 人 の 身体 或 い は 財 産 に 対 して 以 下 の 犯 罪 、 す な わ ち 、 イ ン デ ィ ア ン ・カ ン トリー 内 で 謀 殺(murder)、 故 殺(manslaughter)、
拐 取(kidnapping)、 損 傷(maiming)、 第109A〔 児 童 虐 待(第18編 第2241条 以 下)〕 の 下 で の 重 罪(relony)、 近 親 相 姦(incest)、 殺 意 の あ る暴 行(assault)、
凶 器 を も っ て の 暴 行 、 著 しい 身 体 の 損 優 に至 る暴 行(本 編 第1365条 に 定 義 さ れ て
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い る ところの)、16歳 に達 しない個 人 に対 す る暴行 、 放火(arson)、 不 法 目的侵 入(burglary)、 強盗(robbery)及 び本 編第661条 〔合衆 国の特別 の海 事及 び領 土 の管轄 権 内〕 の下 での重 罪 を犯 した全 ての イ ンデ ィア ンは、合 衆 国の排他 的 管 轄 権 の下で 上記犯 罪 を実行 した全 ての他 の人 と同様 の法 律 と刑罰 に服 す る もの と す る。(b)合 衆 国の排 他 的管轄権 の範 囲 内で効 力 を有 す る連 邦法 に よっ て規 定 さ れず、 及 び刑罰 を科せ られ な い本 条 第a項 で規 定 され た犯罪 は、 当該 犯罪 が実 行 された州 法 に従 って規 定 され、及 び刑罰 が科 され得 る もの とす る。」 と規定 してい る。
1968年ICRAは 、 ア ン グ ロ ・サ ク ソ ン の諸 価 値 を征 服 され た 人 び とに彼 ら の 同 意 を得 る こ とな く課 した もの と して 非 難 され て い る が 、 明 らか に 合 衆 国 議 会 は、 同 法 の 制 定 に 先 立 っ て イ ン デ ィ ア ンの 人 民 及 び部 族 と部 族 の 自治 、 慣 習 或 い は 異 な っ た イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョンが そ れ ぞれ 持 っ て い る価 値 等 に 関 し適 切 に協 議 を行 っ て は い な い 。 上 記 小 委 員 会 は7年 に亘 っ て 公 聴 会 を開 い た が 、 多 くの 問 題 、 中 で も特 に 部 族 の文 化 、 政 府 機 構 に 当 然 払 うべ き で あ っ た 敬 意 や 同法 を侵 害 した 場 合 に 費 や され た 負 担 の救 済 方 法 に つ い て 答 え を出 して い な い
こ とが 指 摘 で き よ う。
(ウ)1968年ICRAとDuro件 判 決
1968年ICRAの 上 記 規 定 は 、 州 が 一 方 的 にイ ン デ ィ ア ン ・カ ン トリー に対 す る管 轄 権 を 引受 け る こ とを認 め て いた 公 法 第280号 第7条 の 規 定(合 衆 国 の同意 は、本 法 に規定 された刑 事犯 罪又 は民 事訴 訟 に関 して若 し くは両 者 に関 して 管轄 権 を 持 た な い全 て の その他 の州 に、 当該州 の人 民 が積極 的 立法 活動 に よっ て州 に管轄 権 の 受 入れ を義務 づ け及び拘 束す る時期 と方 法 を以って 、 〔州 が〕管轄 権 を受入 れ る為 に与 え られ る。)を 覆 して い る。 す な わ ち、1968年 以 降 、 州 は 、 イ ン デ ィ ア ン の土 地 に 対 す る刑 事 管 轄 権 を 一 民 事 管 轄 権 も含 め 一 影 響 を被 るイ ンデ ィ ア ン部 族
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の 同 意 が あ る 場 合 に の み 拡 大 す る こ と が 認 め ら れ る こ と と な っ た の で あ る 。 尚 、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 は 、1990年 のDurov.Reina(以 下 、Dz'即 事 件 判 決 と
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い う。)に お い て 、 構 成 員 で は な い イ ン デ ィ ア ン(nonmemberIndians)で あ る 非 部 族 の イ ン デ ィ ア ン は 訴 追 部 族 と 当 該 イ ン デ ィ ア ン と の 関 係 に お い て 非 イ ン デ ィ ア ン(non‑[radians)に 類 似 す る こ と を 理 由 に 、 部 族 は 構 成 員 で は な い イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 刑 事 管 轄 権 を 有 し な い と い う 判 決 を 下 し た 。 以 下 、 非 構 成