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オリーブ油の組成決定

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(1)

209  

一丁J−  

オリーブ油の組成決定   

平木 照男・川本 和明  

1.序  

オリーブ油は,オリ−・プの果実中に.10〜40%(重畳%)を占める不乾性油で   食用,医薬,化粧品,産業用資材として広範開な用途を有する衆知の優れた油   脂である。  

(1)  牧野に・よって,種子備物門,被子儲物亜門,双子英網,合弁花亜綱,回旋花  

田,木犀亜目,ヒヒラギ科の分類位置を与えられているオリー・プは,小アジア及   び南欧原産の高さ7〜10mの常緑喬木,時に」准木であり,葉ほ披針形で短い葉   柄によって:対生し,表面は濃緑色,衷而は銀白色を呈する。この築から,トリ  

アコンタンC80H6B(mp66.50C),へソトリアコYタンC31H64(mp68.1OC,bp   302OC/15mmHg),ぺンタトリアコンタンC8BHら2(mp74.70C,bp881OC/15mm  

(2〉  

Hg)の3種のパラフィンが分離されたという報告がある。春,枝上部下の葉腋   に花道を抽出し,先端4裂した白色の小形合弁花を開く,4弁,2おしべ,1   めしべを有し,がく片は小形で4歯を呈する。花後,暗緑色で卵円形の果実を   生ずる。またオリープには,野生種(0.silvestrisMiller;Silvestris Rouy)  

と栽培種(0.europaeasubrp)との2種があるが,有用性は後者にある。   

世界における栽培開始の年代は明らかにされていないが,近年,オリーブ産   地は,インドパンジャブ地方から地中海沿岸地帯を経てカナリ・一諸島に.及ぶ間   に主に・分布し,北米,オ−ストリア,南阿もまた栽培を盛んにしている。   

わが国におけるオリー・プ栽培は,文久2年,林洞海の意見により横須賀に輸   入試作されたのが初めとされているが,本格的試作は,明治41年7月1日農商   務省よりオヅ−プ指定試験設置の委嘱を受けた香川県が,小豆島西村に1町1  

(1)村越,牧野,原色植物大図鑑,誠文堂,1,224(昭和30)  

(2)刈米達夫,植物成分の化学,南山堂,1(1953)   

(2)

・−− 2 −   第38巻 第3弓   210   反9畝17歩の畑地を利用し,米国より輸入の蔚木519本を翌年4月22日に栽植  

した時に初まる。品種ほ.ミッVヨン(Mission)及びネバデイロブランコ(Ne・−  

Vadillo Branco)であった。以来55年その間に品種の選択が行われでマンザエ   ロ(Manzanillo),ラッカ(Lucca)が加わり,栽培技術の進歩とともに質恩に   大いなる変化をみせている。第1表,第2表はその状況を示す。  

第1表  わが国の栽培状況  

(昭和38年4月農林省園芸局特産課調)  

鰐2表  都道府県別生産高(昭和37年)   

(3)

オリーブ油の組成決定  

211    l一一− 3・一   

そしてそのオリ−プ果実ほ,大部分が搾油される(二第1図)。オリー・プ油の   性状ほ,多くの油脂が淡黄色であるのに対し,圧搾法により採取したものは発   色であり,抽出法に.より得たものほ多少緑色を帯びている。  

第1図 オリ」−小プ果実の利用状況(昭30〜35年平均)  

(香川県農業試験場調査)  

オリ− プ果実  

l   

区互73・7%  

%   .3   6  2  

い︑.・・い.仙  

緑 果塩∴蔵1100%  

1.6%  

(3)   

柑■界における主要な油脂の生産品は滞8表により示されるが,金川油として   の品質についてほ.,オリ十プ油が他の油脂をりようがして優位に.あり,また用   途の広汎性(第2図)においても比類なきものとされている。このことからオ  

リーブ油のもつ客観的,主観的品質の特性が他の油脂と非常に異なるこ.とが理   解される。   

油の品質は,・一・般に特数の測定により,更に詳細には組成決定をえて確認さ  

(4) れる。ところがオジ十プ抽の組成決定に関しては,わが国では昭和4年に木村  

(5) が,ロダン分析法を利用して間接的に行なった研究及び上野が,極度オジーープ  

硬化油から決定を行なった報告をみるにとどまり,しかも両研究とも試料の内   容は不詳であるが,多分に脱臭,脱色の操作をはどこした市販品を用いたと考  

(3)麦島,草野,工業化学全書,日刊工業新聞社,32,5(1960)  

(4J木村和三郎,工化,、32,.607−614(1929)  

(引 上野誠一・,工化粧511−512(1938)   

(4)

帯38巻 第3弓   212   

・−イl一  

えられるので,粗油把関する組成決定の報告は未だ存在しないことにこなる。  

館3表  世界払おける油脂の生産最  

(単位1,000t)  

、\−、\、_、年      、、\→\  品 目 \\\  

綿 実 油   落花生池  

大 豆 油  

向日葵油   菜 種 油   胡 麻 油  

オリ−プ油  

計  

第2図  オリ ノー・プ油の用途   カ リ ー プ 抽   

... 

1  

一 

]  

食  用  

ー−軟  膏︵火傷︑汗疹︑湿疹︶   ー 精製フート  

用   1潤滑油 鋳型抽   

一−頭髪用   

1疲脇知    1 

紡績用  

脂肪酸採取  

﹁マヨネーズ  

Tサラダ油  ﹁アンプヲ池   − 

化粧下地  

1クリーム   

ーポマード  

ー塗布用  益射用︵㌍叩い諸完泄㌔タ︑︑\ン︶  

ナ  

そ の 他  

ー 汐▼ ソ  

(5)

オリー・プ油の組成決定   ー一 言 −■一   

213  

そこでわれわれは,脱臭,脱色操作を受けてこいない粗油を用い七,それの組  

(6)  

成決定をすることに.した。とのこと紘外山らが,オリ−・プ油の脱臭紅塵し,炭   化水素の流出を認めていること。また不飽和脂肪酸の含有恩が多いため紅精製   過程における変質が予想される等の考慮を及ぼす時,市販品との異質性が推察  

されるので,それの解明手段としての意義もある。  

2.実   験  

組成決定に.関する′この研究払おいては,そのメチ・ルエステルをまず減圧下に  分留し,次に各留分についてそ・の成分を検索し,組成を試験することにした。   

2.1.試 料  オリ十ブ粗油は,香川県農業試験場小豆分場から受け入れ   たものであって,その特数は測定の結果第4表のとおりになる。  

第4表 試料租池の特数  

ただしヨク素価は,ウィイス法   

不けん化物は,日本油脂化学協会法,須   藤法による。   

2.2.試料の調製  試料組子由を精製メ   タノ・−・・ル(試料の2倍豊)及び少鼠の濃鹿   酸(メタノールの2.9藍屋%)ととも紅24   時間煮沸し,メタノリジスによりオリーー・ブ   粗激脂肪酸のメチリレ.エ・スチルをつくった。  

項   目  

0.9107  

1.4690  

107.53   190.18   酸   価  

不けん化物  

3..19   

135%  

その時の収率ほ85.12%,そして二第5表の特数を有する。  

第5表 メチルエステルの件数  

2.5.第1阿分留  メチリレエステルを   減圧下(4.5mmHg)において莱留し,第  

6表の結果をえた。  

d警   0・8903  

1い4559  

ヨウ素価   110・58  

けん化価   189.18  

(61外山,石)tl,日化,59,1193(1938);・MHMargalet,ComptrendL,202..86L7(1936)   

(6)

第38巻 第3号   

第6表  第1回分留結果  

214   

エー 6・− 

2.4. 第2回分留    留分CFl,C釣,Cダ$のおのおのを減圧下(5mmHg)  

で蒸留し,第7表の結果をえた。  

第7義  弟 2 国分留結果   

2.5. 各習分の特数  同一・沸点範囲の留出物を合計し,それぞれについ   て特数を測定してみると第8表のとおりになる。   

(7)

オリ′−プ油の組成決定   

第8表 各留分の収患 と 特数  

− 7 _   

215  

2・6・ 液体酸と固体酸申分難  成分を検索するために鉛塩アルコ−ル  

(7)  

法によって各留分を液体酸と固体酸とに分離した。ただし各留分はメチルエ    ステルになっているので,それぞれのけん化価に相応するよりもや.」多いめ  

(5%過剰)の水酸化カリウムを含むコユタノ・−ル溶液でけん化し,次いで酸   分解して脂肪酸に改め,しかる後,該法を適用した。その結果各留分を構成   する固体酸,液体酸及び不けん化物の割合並びに特数は,次のようになった  

(第9表)。  

(7)喜田源逸,油脂化学及試験法,至文堂,707(昭32);ElTwitche11,J.,IndEng    Chemり13,806(1921)   

(8)

216   

・− ∂ −  

2・7. 液体酸の成分検索  留分2及び4の液体酸をp−プロムフェナシ  

(8)  

ルエステルとなし,95%エタノールで再結晶を行ないその都度融点を測定し   た。その結果は第10表の示すごとくである。そしてこの結果より各留分の成分  

は次のように.なる。  

第10表 誘 導 体 の 融 点  

(8)RいL・Shriner,RC。Fuson and D…Y.Curtin The Sy$tematicIdentification of    Organic Compound ,Fourth Edition,John Wiley&Son亭,Inc。,200(1958)   

(9)

217  

オリ−プ油の組成決定  

⊥・β −   

2・7・1 留分2  培晶Ⅱの融点は,純粋オレイン酸の同エステルの融  

(9) 点46・00Cに−一徹し,混融試験の結果融点降下を見ない。故に・オレイン酸の存在  

が認められる。   

2・7・2・ 留分4  残漆Ⅰ(m.p41.5〜43.00C),結晶Ⅲ(mp39.9〜44.  

00C)からオレイン酸の存在が認められる。ただこの場合,純粋オレイン酸の   同エステルが示す融点に−・致しないのは,ヨウ素価(第9表)からみて,飽和   酸が倣恩典存しているための融点降■下に.起因すると考える。   

2.7.S. 留分6及び7  これらの留分には,リノーール酸C18銑急02の存  

(10)  

在が推測されるので,ハ.ズラ民具化法に.より臭化試験を行なったが,その結果   は,石油エーテル不溶性の9,10,12,13−テトラプロムステアリン酸G8銑203βγ4   の生成が認められず,リノール酸は,存在しなかった。   

またこれらの留分を脂肪酸確認誘導体(p−−プロムフ羊ナシルエステル)と   なし,95%エタノーリレで再結晶を繰り返して第11表の融点をえ.た。留分6及び  

7の濾液Ⅲ溶質が示す−融点ほ,オレイン酸の同・エステル融点(460c)紅一激す   る。  

第11表  融  点(OC)  

(9)日本油脂化学協会,油脂化学便覧,丸普,71(昭和33)  

はm ⊥野,岡村,油脂実験法,丸軌353〜354(昭和25)   

(10)

第38巷 賂3号  

21さ   

−JO−−  

以上のことから認められたものは,オレイン酸(レス△9オクタデセソ酸)  

G8ガ$。仇のみであったが,各留分のヨウ素価(第9表)とオレイン酸の理論ヨウ   素価値■89.96とにいささか差異を見る以上,飽和脂肪酸または.不けん化物(た   だし.エチルエ・−テル不溶性のもので,本来不けん化物と称されるものとほ異な   る,従って混同を避けるためこの種不けん化物に対して:ほ,爾後仁疑似酸と仮   りに呼称する)などを含有することは必定である。そこで別に調製した除不け   ん化吻未分留の液体酸(ヨウ素価:74.錨)を用いて次の実験を行なった。   

まず試料を100Cで一遇間放置する時に析出する結晶物を取り出す0この晶出   物ほ,主として:オレイン酸以外のものと考えられるのでこれを95%、エタノ・−ル  

で再結晶した。測定融点ほ.第12表紅示す。  

第12表  析 出物再結晶 の融点  

こ.の表における始晶Ⅴのものは,中和価0の測定値を有する。またp・−プロム   フエナジルブロマイドとエステルを生成しないところからC()oH其の存在が考   えられず従って脂肪酸でなく,さきに疑似脂肋酸と考え/たものに−激する。た   だしmp38.5〜89.00C,エチル・エーテル不魔性,エタノール可溶性の性状をもぅ  

この物質の確認ほ,未だ行なっていない。また結晶Ⅰ〜Ⅱの融点から飽和脂肪   酸の存在も考えられるが,この種類確認も未だ行なっていない。  

2.8. 固体成分の検索  各留分紅つき,脂肪酸またはp・−プロムフエナ  ジルエステル誘導体のエタノ・−ル再結晶−−混融試験を行ない成分を精査す   る。  

2.8.1. 留 分2  95%エタノールで再結晶し,融点を測定すると第  

13衷のとおり紅なる。   

(11)

オリ十プ抽の組成決定    第13表  留分 2 の融点  

219   ・−−ヱユー  

()内は融点(OC)を示す。  

留分 2  

緒晶Ⅰ(30.0〜576)   濾液ユ  

董   I  

(58.8〜60.5)  濾液∬  結晶A(39.2〜54・0)   濾液A  l   l日放針→l  

結晶Ⅱ(62〜62・5)濾披Ⅲ  

結晶イ(56。0〜58.0) 減液イ  

:.  

P−プロムフエナジルエステル化  

l■  

a(67.8〜75.0)  

結 姑 鎗 結  

b(69.0〜74.0)  

(73.0〜79.0)  

d  

−晶  

(76.0〜79.0)   

結晶Ⅲ(ヨウ素価:0)は,純粋パルミチン酸(mp卵.7〜680C)と混融する   と融点68.0〜63.80Cを示し,融点降下は認められない。従ってパルミチン酸の   存在が認められる。   

結晶イは,ヨウ素価0.12で飽和酸のみからなり,この融点ほミリスチン酸20  

%ヰパルミチン酸80%の混合物融点に等しい。故にミリスチン酸の存在も認め   られる。また結晶dは,p・−プ占ムフエナジルエステソレ化脂肪酸(濾液イの溶   質)のmp29〜49.50C,中和価195.89,・ヨウ素価86.26と結晶d自身ゐ示す融点   からエライデン酸十ミリ 

点に等しい融点をもつことが考えられ,固体オレイン酸(エライデン酸)の存   在が更に.認められる。   

2.8.2  留 分5  95%エタノ‖・−・ル再結晶の結果を弗14真に示す。結   晶Ⅰは,大部分520Cで溶融する。この融点はパルミチン酸50%+エライデン酸  

50%の混合物融点紅等しい。故に・エライデン酸,パルミチン酸の存在を認める。   

2.8.5  留 分4  第15表に再結晶の結果を示す。   

(12)

220   第38巻 第3号  

・_J2−−−  

第15表 留 分 4  

■ ̄ ̄ ̄■■ ̄ ̄ ̄   

這㌃「訂盲「毒    罪14表 留分3再結晶物融点  

 ̄ ̄【【一 ̄  

訂妄丁遠盲盲丁盲言竃  

(結晶0)  

(結晶Ⅰ)  

58.2〜61 0  

(結晶Ⅱ)  

57.0′−J58.5   

結晶Ⅱはエライデン酸20%十パルミチン酸80%の混合物融点(mp58・7 C)  

に.等しい融点を有する。従ってパルミチン酸,エライデン酸の存在を認める0    2.8.4 留 分6  第16表に再結晶の結果を示す。濾液Ⅰの溶質ほ・,  

ェライヂン酸77%・十パルミチン酸23%の混合物融点(mp89・80C)と大体一徹  

する融点をもち,拾晶Ⅱは,中和価198.88でオクタデセン酸とステアリソ酸と   からなるものと考えられる。従って結晶Ⅲの示す融点はエライデン酸89%」−ス   テアリン酸11%の混合物融点(44.30C)である。故にエライデン酸,ステアリ  

ン酸,少嵐のパルミチン酸の存在を認める。  

第16表  留分6の再結晶物融点   

2.8.5 留 分7  p−プロムフエナジルエステル化の後,その誘導   体を95%エタノ・−ルで再結晶した。その結果は第17表のとおりである。  

第17表  留分7の再結晶物融点   

(13)

オリーブ油の組成決定   − ヱ∂−   

221  

結晶Ⅱほ大部分650Cで溶融する。この融点ほ純粋エライデソ酸誘導体の融点  

(.650C)に.■−一激する。また結晶Ⅳも純粋エライデン酸誘導体に・はゞ等しい融点   をもつ。ただ叫 一致をみないのは,ステアリソ酸誘導体の徽慮共存のためであ  

る。   

2.8.6 留 分 CFR  再結晶の結果を欝18表に示す。  

第18表  再結晶物の融点(OC)  

脂   肪   酸   濾 液 Ⅰ の P ̄  

プロムフごナシルエ   ステル  

再 結 晶  

回   数   姑  晶  部   濾  汲  部  

(結晶a)  

(結晶b)   

60.0′}62.0   

(給晶C)   

61.0へ′63け5   

(結晶d)  

61.5′)62.2   

(結晶0)   

37、0′、′395   

(結晶Ⅰ)   

388′}42.2   

(結晶Ⅱ)   

384′}42.0  

(濾液Ⅰ)  

(濾液Ⅲ)  

(濾液Ⅴ)   

39り5{′41‖2  

(結晶Ⅴ)   

70.0〜75.0  

結晶Ⅴは,大部分70′−′71.50Cで溶融する。この融点はステアリソ酸20%+ア   ラキン酸80%の混合物融点にはゞ等しい。濾液Ⅴの溶質ほ,中和価184.92の測   定値を有する。それ故に,示す融点を勘案すると,この溶質の組成はアラキン   酸81.6%とエライデン酸及びステアリン酸68.4%からなる。結晶dは,純粋エ   ライデン酸p十プロムフエナジルエステルとはゞ等しい融点を示す。   

2.8.7  エライデン酸の確認  固体敵中に存在するエライデソ酸ほ,  

(11)  

またハズラ氏酸化法によっても確認した。すなわち,試料オリーブ油から別に   調製した固体酸を用いて上記方法により酸化し,生成物を95%ユタノ−ルで再   結晶して融点93〜940Cのオキン酸をえた。こ.の融点は純粋エ・ライヂン酸のオキ   棚 A.Lapworth and EN.Mottram,JlChem一Soc・,127,1928(1925)   

(14)

第38巻 簡3号   222  

ー∴H・−  

q  

シ化により生ずる9,10−ヂオキレスチアリン酸C18践402(0ガ)2の示す融点に   等しい。   

以上の結果から固体酸構成成分ほ,C14践808,C16月8202,C18月8602,C18月も4仇  

(トランス』9ォクタデセソ酸)となる。  

5.結果及 び考察  

3.1 特数の比較  試料オ  リ−プ油の特数と従来発表されて:いるそれを   比較してみると(第19表),試料オリ十プ油の場合,ヨウ素価が高く,また不  

興19表  オリ−ブ油の特数比較  

3) 

香川県産槻遥2)l市貝反精製遥l外 国 遥亜   

試 料(粗池)  

d壬喜‥0 

916  

n‥471    0..2′・)0.6  

187′叫.′196  

75′} 90   

1..5%以下  

16.0.9140  

15 ■′・.ノ0.9180   

d誉‥0・9107   n㌘:1.4690  

3.19   190..18   107.53   1.35%  

比   重   屈 折 率    酸   価    けん化価   

ヨウ素価    不けん化物    凝 固 点   

ライヘルト    マイスル価    へ−ネル価   アセチル価   水分及び凝周物  

d  

26.1、4657  

nヱ)・〜1.4667   

0け3′−ノ11.0  

185′}196  

79′、′ 88  

0…4〜1い0%  

60C  

O.、6′、′1.5  

95   10.5  

0.3以下  

けん化物が多い。一不けん化物の構成要素として不飽和炭化水素があるが,脱   臭の際,留出するものがあり,そのため精製池では粗油よりも不けん化物量は少   なく,またヨウ素価も小さくなることを考えると,このことは理解出来る。−  

(1功 土屋知太郎,実用油脂便覧,産業図沓,509(昭和31)  

(1剖 日本化学会,化学便覧,丸善,1760(昭和33)  

(14)N・A.Lange, Handbook ofChemistzy ,NinthEdition,H即1db00kPl!blishers,   

如い,75寧〜759(1956)   

(15)

オリ−プ抽の組成決定  

叶∴ほ−  

223  

(15)  (15)  

脱臭操作の際の留出払関してほ,Margalet,外山らの研究があり,C18HB4,  

G6月も。,C19月も6,Gさガ4盆,G8」払0が不けん化物から除かれるこ・とを報告してい  

る。   

吉.2. 液体酸の組成  液体酸成分ほ検索の結果に.従い,オレイン酸と   飽和酸または靡似酸からなるものとして,次の式により,・そ・れらの成分の各国   分における鼻的関係を決定する。   

① オレイン酸存在比率;ニ国分のヨウ素価×1.11   

④ 飽和酸または疑イ以駿存在比率=100・−−オレイン酸存在比率  

㊥飽和酸または疑似腰の中和価==塾生独月旦竺塾       0 01×④   

以上の静式によれほ液体酸の組成は,次のように 

留分6の算出中和価が負紅なることから,この留分にほオレイン酸以外のもの   として,汐エチレン酸,特にリノー・・ル酸の存在懸念をもたせるが,臭素化試験   の結果該酸の不在を確認しているので,この起因をカ■キン駿,殊に・リレノーー・ル   酸C18月糾03の存在のためと考えたい。しかし乍らこ・の酸の存在報告ほなく,椅   査も充分でないからこれに.関してほ後日検討して報告する。  

(16)   

液体酸構成成分についてほ,更にHilditc血らによって−,約1%豊の9−へキ  

し1:\  

サデセン酸(ゾ−マリン酸)』9一G6筏002の存在報告及び井上らによるクロマ   トグラフ分離に基づくテトラデセン酸C14為602の確認報告があるが,これらの   成分は見い出すことが出来なかった。   

吉.5  固体酸の組成 次の方法で各留分における固体オレイン酸及び飽   和酸の存在比率を算出すると第20表になる。   

① 固体オレイン酸の存在比率=留分のヨウ素価×1.11   

⑧ 飽和酸の存在比率=100・−①  

= 留分の中和価・−・1.99×①  

(参 飽和酸の中和価   

0.01×(参  

q5)前出(註6)  

(l& T小P。Hilditchand乱M.Thompson,J.SocいChem.Ind∴56,434T(1937)  

(17)Y.,Inouye.M.NodaandO.Hirayama,J.Amer・OilChem.Socい,32,132(1955)   

(16)

224   

第38巻 欝3号  

−・−ヱ6■岬  

と.の在在比率を図示すれば,第8図となる。この図においで方,.γの2っの位   置に固体不飽和酸存在比率の梅大値がある。このこ・とから固体不飽和駿の2種   類が存在するように考えられるが,実験の結果1種類のみしか確認されなかっ   た。  

第20表  液体髄及び固体駿の組成   

(17)

オリ」−・プ抽の組成決定   

第8図  固体酸中の不飽和酸存在比率  

225   一Jr −−−  

1  2   3   4   5   6   /  1モ  

留 分 番 号  

石.5.1 飽和酸の組成  各国分における飽和酸の中和価を基に次の式  

に.より決定した。   

A 各留分の成分が2成分系の場合   ax+bY=留分飽和酸の中和価   

Ⅹ十Y=1   

‡  

ただし,aは−・成分の理論中和価,bは他の成分の存在比率,Ⅹはa成分の   存在比率,Yはb成分の存在比率とする。   

B 留分1は,次の方法で静出   

(第8表)から国分1のメチルエステルのヨウ素価は,69.57を知る。これ   略C18不飽和酸(オレイン酸,固体オレイン酸)の示す数億であるから,C18不   飽和脂肪酸の存在比率=69.57×1.11=77.22%となる。従ってG4,C16混合飽   和脂肪酸メチルエステル存在比率=100・−・77.22=22.78。%となる。そして同表   の示すけん化価194.74=22.78∬+190、×77.22であるから,.ガ=210.8となる。  

(ただし190は.C18不飽和脂肪磯メチルエステルの理論けん化価)   

(18)

第38巷 第3号  

226   

・・−Jβ −−  

210.8はG4及びG6混合飽和脂肪酸メチル1エステルの示すけん化価であるため   次の式によってC‖,C16飽和脂肪酸の嶺的関係が決定出来る。   

今,Cl墾の理論けん化価:231.46,存在比率:Ⅹ%,C16の理論けん化価:207.45,  

存在比率:Y%とすると,  

231.46Ⅹ‡207.45Y=210.8   

Ⅹ十Yこ==・1  

から,Ⅹ=13.8%,Y=86.2%をうる。従って全体比はⅩ=0.14%,Y=0.88  

%となる。これらの結果をまとめると第別表に.なる。  

第21表  飽和酸の細成   

吉.4  不けん化物  今回の実験対象ではないが,不けん化物に関して鱒  

(18)  

前述の炭化水素類の他に,EisneI・らのガスクロマトグラフィ一に.よるβ一−レス   ステリン(22,23〜dihydIOStigmasterol)C相月忘002及びスチグマスタ.リン(5,  

(19)  

22−Stigmastadien−8β−Ol)G9H480の存在確認の報告があり,またLange   ほ,α】トコフ.ェロー・ル(ビタミンE)が油脂100g中3〜30mg存在するこ・とを   述べている。  

(20)   

スクワレンG。筏gの存在は,mO吋如・na工・sOnらに.よって発見されているが,  

(21)  

辻本らは,本邦香川県産オリ・−プ油不けん化物中にもその存在を認めている。  

(18)J EisneIandD.Firestone,)ハAssoc・OffilAgril・Chem・,46,542(1963)  

(19)W・Lange,JllAzzler・OilPhezn・Soc・},27,l生14(1950)  

鋤 T・ThorbjarnarsonandJlC Drummond,阜nalyst,60,23(1935)  

鮒 辻本,小柳,工化,3g,245(昭和11)   

(19)

オリ−プ油の組成決定   −エ9 叫  

227  

(22)  

更に最近,Alamらによって.油脂100g中に156mg存在することがガスクロマト  

グラフ分析で解語された。  

4.結  

発表されているオリーー・プ抽の細成は,第23表に示したが,この表と実験結果  

(第22表)にほ.幾分の差異がある。特にリノ・ニル酸ほ.顕著である。これに.つい   第22表 決 定 離 成   第28表 発表されている組成  

(2a)  

ては外山の比較的低沸点留分にアセチル価の高いものが存在す−るという報告か   ら,あるいは粗油中にはヒドロキジ髄(リレノ・−ル酸)が存在し,これが脱色   

位2)SルQ.Alam,J.Brossard and G.Mackinney,Nature,1g4,479(1962);Chemい    Abst.,57,5026(1962)  

㈹ 外山,土屋,エ化,36,620(1933)  

佗劇 土屋,実用油脂便覧,産巣図昔,474(昭和ク5)  

但51G.Zimmermann,Ⅰ。Hillinger and LElJ.Better,Qualitas Plant.efMateriae    Vegetabiles,8,306〜311(1961);Chem・Abst.,56,10585(1962)  

Q6)AlJart,ActaChem小Scand・,13,1723〜1724(1959);Chen・Abst・,56,9173(1962)   

(20)

算38巻 貸3弓  

ー20・−  

228  

(27)  

操作中にリノ−−・ル酸に変質するこ・とも考えられる。またオレイン酸異性体は,  

(28)  

オリ十プ油中に偲存在しないことになっているが,粗油「中には主としてエライ   デソ酸として存在し,他紅イソオレイン徴の存在も考えられる。   

以上実験の結果,精製油と租池との間には単に色,臭いの違いだけでなく,  

成分に・大いなる差異があることが判明した。そして,このことほ.,化学的にほ   属性の形成過程を明らか紅する手がかりとなる点で興味ある注目を引くが,オ  

リー・プ池紅優れた油としての使用価値をもたせるためにほ,精製ほ不可欠の操   作であることを理解させる。   

最近,油脂の研究に.盛んにクロマトグラフ分析が用いられ,従来法で発見出   来なかった成分が次々と見い出されて−いる。そこ■でわれわれも今後,クロマト   グラフ分析を導入し,前述した疑似酸の本質を確認すると同時に,カ■り血プ油   の使用価値形成要素を詳細に探究し,商品鑑定のために賀する考えである。  

駒 喜田,油脂化学及試験法,至文蛍,1561(昭32)  

銅ibid‖,1159;RC‖MillicanandJ・B・Brown,,りBiol・Chen・,154,437 

参照

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