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有機物質化学

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Academic year: 2021

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(1)

有機物質化学

3:構造と酸性度

木・1限

(2)

酸・塩基と解離定数

Brønsted (ブレンステッド)酸・塩基

定義:酸とはプロトン(H)を放出するもの 塩基とはプロトン(H)を受け取るもの

A–H + :B A + H–B

酸 塩基 共役塩基 共役酸

一般的な酸・塩基の強さの予測

1)A–Hの結合エネルギーが小さいほど強酸 2)Aの電子親和力が大きいほど強酸

3)Aの共鳴エネルギーがA–Hよりも大きいほど強酸 4)H–Bの結合エネルギーが大きいほど強塩基

5)Bのイオン化電位が低いほど強塩基

6)H–Bの共鳴エネルギーがBよりも大きいほど強塩基

A–H + H 2 O A + H 3 O +

酸解離定数

pKa

(水溶液中)の定義

K a = [A ][H 3 O + ] [A–H]

平衡定数

pKa = –logK a

酸解離定数

(3)

有機酸と有機塩基

代表的な有機酸

methanoic acid

(formic acid) Ethanoic acid (Acetic acid) pKa = 3.75 pKa = 4.76

methanol ethanol pKa = 15.5 pKa = 15.9

water pKa = 16.0

A–H + H 2 O A + H 3 O +

酸 塩基 共役塩基 共役酸

methylamine pKa = 10.7

K a = [A ][H 3 O + ]

[A–H] pKa = –logK a

H O O

H O

O

H H3C O

H O

H H O

H H3C HN

H

H

3

C O O

H H O

H H

3

C O

O

H O H

+ + H

(4)

酸性度と構造(1)

酸の強さは、共役塩基の安定性によって決まっている。

A–H + :B A + H-B

弱い塩基であればあるほどその共役酸は強く、

塩基の安定性が大きければ大きいほど、その共役酸は強い。

塩基の安定性の要因:1)電気陰性度、2)大きさ

H 2.2

Li 1.0

Be 1.6

B 2.0

C 2.6

N 3.0

O 3.4

F 4.0 Na

0.9

Mg 1.3

Al 1.6

Si 1.9

P 2.2

S 2.6

Cl 3.2

Br 3.0

I 2.7

Paulingの電気陰性度 電気陰性度の大きさ

C < N < O < F

酸性度の大きさ

H

3

C–H < H

2

N–H < HO–H < F–H

共役塩基の安定度

H

3

C

< H

2

N

< HO

< F

電気陰性度の大きな原子はその負電荷を保持できる。

原子が同じ程度の大きさならば、最も強い酸は電気陰性 度が最も高い原子に結合している水素をもっている。

塩基 共役塩基 共役酸

(5)

酸性度と構造(2)

原子の電気陰性度はその混成状態に依存する。

電気陰性度の大きさ sp混成 > sp2混成 > sp混成

原子の大きさがことなる場合は、電気陰性度の違 いよりも、その大きさが酸性度へ強く影響する。

共役塩基の安定度

F > Cl > Br > I ethyn

pKa = 25

ethene pKa = 44

ethane pKa > 60

電気陰性度は、原子が結合電子を引 張る能力の尺度。

よって、電気陰性度の高い原子は原 子核により近い結合電子を持つ。

s軌道は、p軌道よりもその原子核か らの平均距離が短い。よって混成に おけるs軌道の寄与が高いほど電気 陰性度があがると考えられる。

電気陰性度の大きさ

F

< Cl

< Br

< I

酸性度の大きさ

H–F < H–Cl < H–Br < H–I

Fの価電子は2sp3軌道にあり、Cl の価電子は3sp3軌道、Brの価電子 は4sp3軌道、そしてIの価電子は 5sp3軌道にある。

軌道の占める空間は、

2sp3<3sp3<4sp3<5sp3 の順に原子核から遠く広い空間を占 めている。すなわち、負電荷がより 広い空間に分散するために大きな原 子の方がより共役塩基が安定化する。

F < Cl < Br < I

原子の大きさ

H

H H

H H

H

H H

H

H

H

H

(6)

酸性度と構造(3)

置換基の電子効果

電気陰性度の大きな置換基の導入により酸として強くなる

pK

a

4.76 2.85 1.48 0.70 0.23

電気陰性度の高いハロゲン原子は結合電子を自らの方へ引き付ける。

このようにσ結合を通じて電子を求引する効果を電子求引性誘起効果と呼ぶ。

電子求引性誘起効果によるカルボニル酸素原子周り の電子密度の減少によって、カルボン酸の共役塩基 であるカルボン酸イオンが安定化する。この安定化 によってその共役酸であるカルボン酸の酸性度は上 昇する。

pK

a

2.86 4.05 4.52

置換基と酸性プロトンとの距離関係が長くなれば、その誘起効果は減少す る。

H3C O O

H C

H2 O O

H

Cl H

C O

O

H Cl

Cl

C O

O

H Cl

Cl

Cl C O

O

H F

F F

H C

2

O O

H Cl

OH O

Cl OH

O Cl

OH O Cl

(7)

酸性度と構造(4)

共鳴効果(電子の非局在化)

1)カルボン酸の共役塩基は、アルコールの共役塩 基の二つの水素原子に代わり、二重結合によって結 ばれた酸素原子があり、その電子求引効果

2)電子の非局在化が電子密度をさらに低下させる。

acetic acid pKa = 4.76

ethanol pKa = 15.9

カルボン酸が、アルコールに比べ酸性度がはるかに高い2つの理由

共鳴寄与体

非局在化電子

共鳴混成体

局在化電子

共役塩基の共鳴安定化が大きいほど酸性度は高くなる。

OH O

OH

H

3

C O O

H

3

C O O

H

3

C O O

H

3

C O

(8)

Lewis酸とLewis塩基

酸・塩基の第二の定義

Lewis酸:電子対を受け取って共有するもの(空軌道を用いて反応する化学種)

Lewis塩基:電子対を与えて共有するもの(非共有電子対を用いて反応する化学種)

H + + :NH 3 H–N + H 3

電子対を受け 取って共有する。

電子対を与えて 共有する。

Lewis酸は、プロトンだけではない

B H +

H

H

N

H

H

H B N

H

H H H

H

H

Lewis

塩基

Lewis

3

B

1S

2

2S

2

2P

1

2P

x

2P

y

2P

z

参照

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