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国際均衡の財的・貨幣的基礎 : 対内外均衡と貸出 政策

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(1)

国際均衡の財的・貨幣的基礎 : 対内外均衡と貸出 政策

その他のタイトル Commodity and Monetary Aspects of International Economic Equilibrium.

著者 木村 滋

雑誌名 關西大學商學論集

巻 9

号 4

ページ 331‑353

発行年 1964‑10‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00021592

(2)

ることである︒

国際均衡の財的・貨幣的基礎

|—対内外均衡と貸出政策ー_

三︑函数の指定

使

本稿の目的は︑次節の図1で示す簡単な部門間資金循環モデルの想定のもとで︑対内外均衡と政府・金融機関の

企業に対する貸出との関係ならびに資本・労働比率の有界性よりする国際均衡と完全雇用とのディレンマを考察す

われわれの考察の局面は長期的な経済成長の局面であって︑景気変動ないし循環の局面は捨象されるが︑われわ

(3)

332 

格メカニズムの作用を含意していたのである︒ るような諸力が作用しはじめるであろう︒第二は︑一方では資本と所得の成長率と︑他方では労働の成長率とを等 のモデルはおよそ次のような新古典派的批判を蒙っ 国際均衡の財的・貨幣的基礎

れが以下の所論で︑なぜ資本・労働比率が伸縮的である

C o b b , D o u g l a s

型の生産函数を使用したか︑またなぜ伸縮

的であるその比率の有界性を想定したか︑その根拠を明らかにしておかなければならない︒② 経済成長と景気循環にかんする

H a r r o d

ならびに

H i c k s

ている︒すなわち︑それらは要素間の代替性を許さない生産函数を仮定し︑しかも変数はすべて実質量であって︑

貨幣的・価格的現象にいかなる意義も与えていない︒したがってかかる調整要因を欠く結果︑長期的ですらその経

済体系はせいぜい均衡成長のナイフの刃の上でバランスしているにすぎない︒つまり均衡成長径路ほ二様の意味で

不安定である︒第一に︑所得の成長率がその均衡径路から瞬間的にはずれると︑同じ方向にさらに激しく逸脱させ

しくさせようとする力は存在せず︑もしこの二つの成長率が異なると︑固定した資本・産出比率のためどちらか一

方の生産要素が過剰になるのである︒これらの不安定性から脱れる途とはいかなるものであろうか︒もしわれわれ

が資本・労働比率と価格の伸縮性を許すならば安定的な均衡成長は可能であり︑もはやそれはナイフの刃の上での

バランスではないのである︒さらにこの場合︑資本・産出係数は仮定された生産函数に函数的に従属し︑その戦略

的な地位を失なうが︑それは理論的モデルを相当単純化し得るものである︒すなわち︑誘発投資と自生的投資の判③ 然としない区別や︑産出︑投資︑貯蓄にラグを付ける必要をなからしめるものであると︒

Ha rr od

H i c k s

のモデルに対する

To bi n

So lo

弁護者がいないわけではない︒ w などが加えた右のような新古典派的批判の挑戦に立向う

E i s n e r

Ha rr od

H i c k s

のモデルはもともと可変要素比率と貨幣・価

Ha rr od

の定式において︑保証成長率

G w

は貯蓄率Sと企業家を満

(4)

それは一次同次の生産函数のもとでは資本・労働比率の変 足せしめる状態におく必要資本・産出比率

C r

および産出物のうち生産過程の延長あるいは資本・産出比率の増大

に吸収された割合が︵資本深化率のことであっ.て︑資本を

K

︑産出物をY

t

d*

11

d(

KA

Y)

ld

t)

に依存する︒この関係はg11s‑d*と示される︒けだし

KI

I

I I I

デ 翠

yd

(

1/

Y1

1s

=G

wC

r+

d*となるからである︒発明の現象が生じたり利子率が下落すればがは正値をとり得る︒が

が正ならば資本・産出比率

C r

は時間とともに増大し︑

化を意味する︒しかしながら

Ha rr od

自身も述べるように︑利子率が十分に下落するなんらかの自然的傾向が存在

するかどうかを尋ねること︑これは難問題と言わなければならないのである︒

Hi

ck

sにしてまたしかり︒彼は加速

度因子あるいは資本・産出比率を変化せしむべき要因が不安定性や︑完全雇用からの離反を消去するかどうかの考

察のために︑天井の吟味や貨幣要因の分析に多くの頁数を割いている︒ここでも困難さは貨幣的フレームワークの

調整能力の欠如に帰因するのであると︒

これを要するに

So lo w

のように生産函数にかんして要素代替性︑言いかえれば資本・労働比率の可変性を認め

れば均衡成長径路の安定は可能となり︑可変ならざる限り不安定であろう︒しかしながら︑貨幣賃金率︑利子率︑

資本報酬率が無制限に変化し得るものであろうか︒これらには必ずや変化を許す限界が存在し︑したがってこの面

からする資本・労働比率の変化を許す限界が存在するに相違なく︑ここにこの比率の有界性を想定すべき理由があ

さて︑われわれは相当長期間後の成長局面を扱い︑均衡成長の可能条件を眺めようと意図する︒したがって資本

・労働比率の可変性を許す

C o b b , D o u g l a s

生産函数を採用する︒しかしながらこれを無制約に使用するものではな

国際均衡の財的・貨幣的基礎

(5)

TCC 

囲悩戦睾Q益忌・導裟忌堆樫(共記)

:,, 0嶽怜・忠惹丑梼

Q

押砥ギサ〇瞬縣初共心1卜入入ャ

Q

舎巻ヂ槌共足二や埒ぐい゜

呉人没ド心共心共

Q

艇図辻苫

Q

ぐ星座心ヤ逗裟

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浦癒祁滞<ャ心リ

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Q

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Q

心゜具忍

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Q

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Q

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皿姐忌崇怜総酋か

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R.

F.  Harrod,  Toward  a  Dynamic  Economics,  1948.  1

哩睾・葉托踪ば・に・<

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幻し「酋築臨如村翌器」゜

豆 J.  R.  Hicks,  A  Contribution  to  the  Theory  of  the  Trade  Cycle,  1950. 

担ぬ活溢

'J

k

「叫繍穏環渥」゜

J. Tobin,  "A  Dynamic  Aggregative  Model,"  in  Journal  of  Politial  Economy,  Apr.,  1955,  p.103. 

R. 

M.  Solow,  "A  Contribution  to  the  Theory  of  Economic  Growth,"  in  Quarterly  Journal  of  Economics,  LXX,  Feb.,  1956,  p.  65.  A.  C.  Enthoven,  "A  New‑classical  Model  of  Money,  Debt,  and  Economic  Growth,"  in  J.  G.  Gurley  and  E.  S. 

Shaw,  Money  in  a  Theory  of  Finance,  1960,  pp.  303‑4. 

逃共溢

1

器笛...,.

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(f)

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11<111

―回嵐゜

T.  lwand,  "Model  of  Capital  Accumulation  and  Economic  Instability,"  in  the  Review  of  Economics  and  Statistics,  Feb.,  1961,  p.  56. 

R.

Eisner,  "On  Growth  Models  and  the  Neo‑classical  Resurgence,"  in  Economic  Journal,  LXVIII,  Dec.,  1958, 

pp.  708‑10. 

11  話戸室蠍俎逹諮菌

囲成造迩捉溢娑・領謳縣習<哨嵌'{照字

Qlll

蔀巨足中弄,...)'追太活戸や字全呉^い」'図

‑Q

サい足涯珊投活戸巨嫁俎瞑薇中1卜さ糾麒閉…ぷ

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ド江俎祁州#忘侭ヤ心<卓嵌匁溢臣・俎蓬縣認

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岩抵足哀

ド葉出剥問喉奇心゜

iJ Q 

(6)

に注意しなければならない︒

両部門の証券に対する家計による保有割合は一定と仮定する︒さて︑家計は賃金と利子とより成る所得から消費財

を購入し︑また租税を支払う︒その残りは家計貯蓄であって︑資本勘定貸方に振替えられ︑通貨ならびに証券の保

有増加に対する資金源泉となる︒家計は物的資産を保有しないものとする︒

企業は自己の保有する資本ストックと家計から提供される労働とをもって生産活動を行なう︒資本使用料収入か

ら支払利子と租税とを控除した残りを全額︑内部留保する︒これは企業の所得であり同時に企業貯蓄であるわけで

ある︒たゞしここでは減価償却引当金を含むグロスで考えている︒投資すなわちここでは新投資と再投資との合計

は企業部門でのみ行なわれるものとする︒企業は資産として資本ストックと通貨とを保有し︑.負債は企業証券であ

る︒輸出入はこの部門で行なわれる︒自生的資本輸出入は無視する︒輸出に際して受取る外国為替︵外貨︶は政府

•金融機関に売却され、輸入に必要な外国為替(外貨)は政府・金融機関から購入される。

政府と金融機関を統合して政府・金融機関と呼ぶ︒この部門の経常勘定の収入は企業証券の保有に対する利子受

取りと企業および家計からの租税受取りであり︑支出は家計によって保有されたこの部門の証券に対する利子支払

と経常購入であり︑経常勘定収支は均衡しているものと仮定する︒資本勘定についてはこの部門は企業証券と外貨

とを保有し︑他方︑この保有増加に対する資金は証券の発行と通貨の供給増加とによってまかなう︒部門内部の取

引︑たとえば政府証券の金融機関による保有などは︑政府と金融機関が統合されているから現わされていないこと

なお︑ここで証券というのは︑債券︑株式︑借用証などを一括代表して用いた言葉であり︑簡単化のため証券は

毎期一貨幣単位の利子を支払う永久債券

(p

er

pe

tu

it

y)

であると想定する︒通貨は現金通貨と預金通貨とより成り︑

国際均衡の財的・貨幣的基礎

(7)

336 

( 5 )  

怜濤南湘宗士逃吾+痔酒・愈摺藩涯

8

怜満南湘茄

H

8

斎逃吾ー怜湘

8

8

痔酒・舎薔華濫南湘茄祉迫吾ー踪酒・悔薔藩湿

8

0

右の各式を加えて整理すれば︑

1

政府・金議楓関

部 門 間 資 金 循 環 図

企 業 家 計 海 外

経常勘定

資本勘定

国際均衡の財的・貨幣的基礎

( 4)  

( 3 )  

( 2

)  

蔀学際蒜冷造

I l l H

途宰址逃吾

票湘滓士涵吾+半途宰址基〗=

111

南湘湘

嗣蔦宗址嫁吾+琵湘宗址基吾

1 1 1

燥ヰ雫 油ヰ

( 1 )  

熔濠+卸途宗斎基吾

1 1 1

怜濤雫眺+宦湘 は次のごときものとなる︒ 各部門の資本勘定における会計的恒等関係 加として示される︒ 貯蓄はさておき︑その各変数はストックの増 引︵企業の投資︶と金融取引の両者を含み︑ しよう︒また図1の資本勘定には実物資本取 両者の国民経済における構成比は一定と仮定

(8)

の結果⑤の第

2

財市場︑企業証券市場︑政府・金融機関証券市場︑通貨市場の各均衡条件は︑右の第1から第

4

0

に等しいことである︒たゞし企業証券と政府・金融機関証券の同質性が仮定されるから︑第

2

と第

3

のものは合

体して証券市場の需給関係を表わすものとみなし得る︒

ヨリ精密な循環図は︑小泉明編﹁マネー・フロー﹂︱︱︱︱︱頁︒経済企画庁﹁マネー・フロー表︵昭和

3 1 年ー

3 4 年度︶の試

算﹂研究シリーズ第9号︑四

0

頁 ︒

各変数の性格づけに必要な次の定義を与え刹︒各経済主体の経済的決意によって決定される変数を行動変数︑体

系外部から外生的に与えられるものを外生変数︑他部門における関連変数が決まれば受動的に決まるものを受動変

数︑各部門の勘定についてその会計的恒等関係からある一変数は他の変数がすべて決まるとそれらの残差として決

まるが︑これをバランス変数と呼ぶ︒需給調節機能を営む価格︑利子率などは調整変数と呼ばれる︒

さて︑ここでわれわれは政府・金融機関の金融政策は貸出規制すなわち企業証券保有の増減︑および利子率政策

であるとする︒したがってこの両者は外生変数である︒とくにここでは利子率は政策的に固定されているものと仮定する︒したがってわれわれがとくに注目する外生変数は前者である︒

企業の証券発行は家計と政府・金融機関とからの企業証券保有増加によって受動的に決まる受動変数とする︒そ

︸は恒等的に

0

に等しい︒企業の内部留保はその経常勘定において売上と費用との差として

国際均衡の財的・貨幣的基礎 途宗斎基吾+幽盆→

8

岸蔦宗祉基吾—皆湾←井溶送吾}

1110

.  

(9)

338 

7 )  

画加舟滞替

1 1

A

これはまた次のようにも表現し得る︒

( 6 )  

熔濠

1 1

怜湊弓囃+瀾ヰ雫囃ー婁圧+罫

A

動変数とみなすと︑証券保有増加はバランス変数となる︒ 国際均衡の財的・貨幣的基礎

決まるバランス変数であり︑それが資本勘定に振替えられる︒企業の通貨保有増加を行動変数とみる︒そうすれば

企業の資本勘定では投資がバラツス変数となる︒このことは与えられた固定的利子率のもとで︑投資意欲ほ旺盛で

あるがそれが資金面で制約されていると想定することに他ならない︒

政府・金融機関の企業証券保有増加は外生変数ではあるが︑見方によっては︑たとえば国際均衡の維持に必要な

貸出量の時間的径路を考察するような場合には︑それは内生的受動的に求められよう︒ここでとられるのはこの方

法なのである︒外貨増加は海外部門の行動変数︵この国にとっては外生変数︶たるこの国の輸出と︑この国の行動

変数たる輸入との両者から決まる海外部門のバランス変数たる海外経常余剰

11

外貨増加から受動的に決まる受動変

数である︒政府・金融機関の証券発行︑つまり家計からの借入れは家計部門のバランス変数たる証券増加から決ま

︸も恒等的に0に等しい︒通貨供給増加は以上よりバランス変数であ

家計の貯蓄は経常勘定におけるバランス変数であって︑それが資本勘定に振替えられている︒通貨保有増加を行

さて︑固の各︷のうち︑恒等的に0に等しいものを省けば第1と最後のものが残る︒ワルラス法則によって

このいずれかを省き得るので︑最後のものを省けば結局︑経済の均衡条件は次式によって示されることとなる︒ る ︒ る受動変数とする︒かくして固の第3

(10)

国際均衡の財的・貨幣的基礎︵木村︶

率の下落を意味する︒

R

の上限を

R l

下限を品とすると、R1~R~R2>。ーこれは

r-P

aR1aー1より下り得 この生産函数では規模に対する収穫不変︵一次同次︶が仮定されている︒労働は一定率

n

で成長しているものとす

る︒したがって

t

期の労働供給量は

No

en ーである︒ここで

A

N O は初期労働存在量を示す︒

p 1 1 Y k ( K N ) 1 1 a R a

‑ 1

A

P 1 1 Y N ( K ̀ N ) 1 1 ( 1

a

) R a

働とが同一率で成長すれば両者は不変であることを意味する︒さらに収穫逓減を仮定する︒

KK

<O , 

NN<O 

ところで生産函数について特に留意しておかなければならない点は︑

R

の上昇は実質資本使用料の下落と実質賃金率の上昇を意味し︑

ず ︑

W ‑ P

( 1

‑ a ) R

;

より下り得ざることを意味する︒

R

の有界性の仮定は経済の適応過程に決定的な限界を劃

することになるが︑この問題については第五節で検討されるであろう︒

00 ) 

労働市場の需給均衡は即時的に成立するものとみなす︒

( 9 )  

( 8 )  

Y 1 1 Y ( K

"

N ) 1 1 K a N l 1 R

= R a N ,   l

> a V o  

r ‑ P

を実質資本使用料︑ 生産函数

R

の有界性についてである︒資本・労働比率

R

の下落は実質資本使用料の上昇と実質賃金

r ‑ P

W ‑ P

0次同次であり︑このことほ資本と労 以下では生産函数︑消費函数︑輸出函数︑輸入函数︑家計および企業の実質通貨需要函数を指定する︒そうすれ

ばその他のバランス変数あるいは受動変数はおのずと決まってくるわけである︒

Y

K

N

R

を資本・労働比率

( K

‑ N

) P

w ‑ P

を実質賃金率とする︒生産函数は

Co

bb

,D

ou

gl

as

型のものを想定する︒

(11)

3.40 

実質輸出額の成長率が一定という仮定は︑わが国の物価水準が可変な場合には著しく不合理のように見うけられる︒

これは名目輸出額の弾力性を1と仮定することに等しい︒同様に︑実質輸入額を実質生産物のみの函数とすること

も︑たとえ外国の価格︑為替相場を不変とするも︑わが国の物価水準が可変な場合︑相対価格の函数とされるべき

( l 4  

U3l 

M ( Y ) 1 1 m 1 Y ,   l >

m 1

> ︒

X 1 1 X o e " 1 ,   x >

C 1 A

0

, l

> c 2 >

︒ ︑

l >

c a

> ︒

輸出函数と輸入函数

X O を初期実質輸出額として︑

M x

をそれぞれ実質輸出額︑実質輸入額とする︒為替相場と外国の価格は

1

0 2 )  

C h ( i ,   H h W h ,   ) 1 1 c 1 i + c J h + c a W h  

ギ <

,

 

関証券とを

p

"

(

1

P)

の割合で保有するものとする︒.tを利子率︑

r

を家計の所得税率︑

H h

を家計の実質可処分

Lh  

B k  

P │+│ 

U P  

̲ ︵ ほ N+ 竺

9 W

h を家計の保有する実質金融資産︑すなわち

W h 1 1 p p  

所得︑すなわち

H h 1 1 ( l

r )  

消費函数家計貯蓄の規定に要する家計の消費函数を指定する︒

C h を家計の実質消費支出︑

B h

を家計の保有す

したがってその受取る名目利子額︑

L h

を家計の保有する通貨量とする︒家計は企業証券と政府・金融機

Y 1 1

言 + 涵

Z = R a N

国際均衡の財的・貨幣的基礎

オイラーの定理より︑

とすれ

(12)

国際均衡の財的・貨幣的基磯

この場合、•Lh-Pは.t

Hh

Wh

Lh-Pの、

土 ︵ 幸 ︶ 戻

屋>。`

l>a(~) 1>a(~)1aw>

0 ,

W

I

I L h A P + B h [ J P

よりさらに

B h ‑ i P

きである︒しかしながらストックの増加としての函数もストックとしての函数の指定から導かれるものであること

を示そう︒いまストックとしての実質通貨需要函数を

L f ‑ P

︑現有実質通貨量を

L h ‑ P

③ 

ストックの増加としての実質通貨需要函数.ム

‑ P

P

L h ‑ P

の差の函数と考えられる︒

i

[ 平

( i [

き )

! 索 ] ミ

> ︒

(i"Hh, 

W k )  

Li  

ここで指定した実質通貨需要函数はストックとしてではなく︑ストックの増加としての函数であることに注意すべ

l1

A0

"

l>

l2

>

︒ ,

l a

0

1>

14

>

(15) 

壼 ・

/  . . ̀ 

.  

 

壼 ︷

翠 ︶

1 1 l 1

i

+ 屋

l 3

索 +

l 4

•Lh-Pただしd(LhAP)ldt。以下同様。 て物価安定を図る場合には許され得る仮定と考えられるであろう︒ 理由はあろう︒これらはいわば簡単化のためばかりではなく︑第五節で触れるように︑貨幣当局の通貨政策によっ

家計の実質通貨需要函数家計の実質通貨保有というストックの増加としての需要函数を︑利子率・t︑実質可

処分所得

H h ︑保有実質通貨量

L h ‑ P

および保有実質証券価値ふ︳

i P

(13)

342 

06 ) 

壼 ・

/ ̀

!'" 

̀  

Lb  

4 ) 1 1 l 1 s + l 2

Y

+ l

a

Y ̀ ・  

企業の実質通貨保有量を

L h ‑ P

主 ;

h9

壼 `

幸 ︶

かくしてわれわれは次のように書くことができる︒

国際均衡の財的・貨幣的基磯

. 

A 0  

0(

Lh

AP

)

0

(L

iA

P)

I I i  

0 i o i  

. 

> ︒

0(

Lh

AP

)0

(L

iA

P)

 

I I i

H ・ h

︶ 

. 

1 八 0

0(

Li

AP

)I

JW

h 

よ ︑ 一

aw

h

a(

fa

/P

) 

0(

Lh

AP

) 

(

Lh

AP

)

. 

(

Lh

]p

)1

(

L

号 ︶

0 W h )

き ︒

>

(B

i

p)

0w

h

a(

Bh

!i

P)

 

ストックとしての実質通貨需要函数が線型であればストックの増加としての函数もまた線型である︒

企業の実質通貨需要函数家計の場合と同様な考え方に基ずいてストックの増加としての需要函数を指定する︒

l 1

A 0 ,

l >

l 2 ̀ >

l [

0

具体的な指定を必要とする函数は以上につきる︒残された.ハランス変数あるいほ受動変数はこれらを用いて表示

(14)

政府・金融機関の実質通貨供給

0 1

)  

国際均衡の財的・貨幣的基礎 企業の実質証券発行額

B b / i P 1

1

Bh

!i P+ Bu /i P

ス変数であったから次のように表わし得る︒

.  

IIIBb[ip+Sb

LbAP

企業は税控除後の所得をすべて内部留保すなわち企業貯蓄するものとされているから︑企業の所得税率を︐

r

Sb=(l|r 、示 K ー室 11(1 ー

r

、)( RY —令)

このうち企業証券保有増加はミ

B h ! i P ,

政府・金融機関証券保有増加は

(1

P )B hl ip

である︒たゞし

l>

PV o

受動変数であるから︑政府・金融機関の実質企業証券保有増加を

Bo /i P

これを•L-Pと表わせば、バラソス変数であるから次のようになる。たゞし 家計の実質証券保有増加

••

0 O ) ̲

B

 

h ! i P 1 1 S h

L

hA P

ハラソス変数であるから次のように表わし得る︒ U9) 

て ︑ ( 1 8 )  

Sh11Hh|c-

貯蓄ふを家計の実質貯蓄とすれば︑ ( l n   投資 し得るわけである︒

I

を実質投資‘•Bb-iPを企業の実質証券発行額、

s b

を企業の実質貯蓄とする︒仮定により投資はバラソ

(15)

344 

回邪舟蹄怠+塞A11熔滴+芸濤+雲圧 のいずれかがみたされることを条件とする︒前者はまた 怜満

8

画溢茄叫碁吾+瀾ヰ

8

臨途宗曲基吾11嗣涛荒黍涵吾 あるいは 熔濠11怜藩弓眺+燥

H

堺囃ー罫圧+婁圧 既述のように経済の均衡は

③ 

⑥ 

水野正一編﹁日本のマネー・フロー﹂一三一ーニ頁参照︒

4章 ︒

Enthoven•ibid•pp.

3 20 │

2 ・

1 0

ま ︶ 国際収支定義式

Lf Ap 11 1X

M .

実質外貨保有高増加

Lf AP

は実質国際収支差額を示す︒

政府・金融機関の実質証券発行額

.  (1│B)B

U P

受動変数であるから︑

.  

(2 2l  

LI P1 1B g[ ip +L fl p

( 1

f J ) B h l i P

•LI-Pを実質外貨保有増加とする。

(16)

と表わされ︑この左辺は財の供給を︑右辺は需要を示し︑財の需給均衡条件を示す︒もし名目通貨供給量が外生的

に与えられているならば︑右のいずれかの均衡条件が成立するとき均衡価格が決定される︒ところで価格決定の問

題は次節で触れるとして︑目下はマネー・イルウジョンの不存在を仮定して実質クームで作業する︒

国際均衡は輸出

11

輸入であり︑国際均衡が維持されるならば︑経済の均衡は

/ = S b + S h │ x + M , X 1 1 M

つまり国際均衡

X 1 1 M

のもとでの対内均衡

I = S b + S h

をみたすを要する︒ここでの問題は︑ある与えられた政

府・金融機関の対企業貸出量のもとで︑

I = S b + S h

X

+ M

という経済の均衡状態では産出物ひいては国際収支は

いかなるものかということを考察することではない︒この接近法は︑非線型微分方程式の解を求めるという陸路に

突きあたるであろう︒したがってわれわれは︑国際均衡を維持するに必要な国民生産物を求め︑これと

I = S b + S h

とより

•Bg-iPないしBg-iP

を求めることを問題とする。‘

われわれは生産函数を指定した際︑資本・労働比率Rの有界性について述べた︒このことはきわ︐めて重大な結果

をもたらすものではあるが︑いま暫くはそのことに考慮を払わずに議論を展開して行くこととする︒さらに︑以下

では相当の時間経過後の近似解を求めることとする︒したがってわれわれの関心は景気循環局面ではなく︑

期の成長局面である︒

⑳に⑬︑⑲を代入し

0

に等しいとおけば︑国際収支均衡の維持に必要な国民生産物

y

が次のように求められる︒

Y 1 1 │ X o e "

1

m 1  

V 0 ,

m i V O

よりかかる

y

は増加的で︑その成長率は一定率ズであることが知られる︒

次に、国際均衡のもとでの対内均衡を示すI=Sb

'Shに⑨、⑫、⑮

i

訓、閲を代入して•Bg-iPを求めれば、

国際均衡の財的・貨幣的基礎 ヨリ長

(17)

346 

この線型非同次微分方程式系の特性多項式

P( D)

は ︑

I t

l 2

X o e

" '

m1

(x

l a ̀

ここで

y

8

で示される既知函数︑

ま ︶

国際均衡の財的・貨幣的基礎

.1

p

. 

Bo/iP11[P(Ca+la)-ca]L/P+[(1

P){(1

c2)(I-r)i

c

a}

p

{l

2(

11

r)

i+

l4

}]

B

ip

+l

a

Lb

[P

+[

1

r)

1

a

){ (

1

P)

1

c2

)

pl

2}

l

2

]Y

(

C1

+l

1)

l

1

C

1}

まず企業の実質通貨保有量ム︳Pを求める︒⑱より

. 

Lb

AP

1l

a

Lb

!P

11

1

12

Y

この線型微分方程式を解き︑l[A0を考慮しかつ定数項も無視した近似解を示せば︑

2

>

:

x>

,

m1

>

3

3︑A0より︑Lh‑Pは増加的で︑その長期後の成長率は輪出や国民生産物の成長率と同じ一

定率であることが知られる︒

次に家計の実質通貨保有量Lh‑Pと家計の実質証券保有量

B h ‑ i P

L h B h  

la

1̲

{l

2(

1

r)

l

4}

̲│ ̲

  11

Ml

r

)(

l

R)

Y+

l1

i

Lh

  p p i p  

. 

Iー(1|l2c2)(l|r)(1a)Y(C1+li)i

B h  

Bh

 

Lh

 

C

3+

ls

)

{ ( 1

/ 2  

c 2 ) (

l  

r ) i  

(c

s+

/4

)}

 

i p p i p  

⑮と⑳とより︑ B h ‑ i P

L b P

(18)

(3 0)  

国際均衡の財的・貨幣的基礎

Bh[ip

A 2 1 X o e

"

'

L h A P J r A 1 1 X o e

"

1  

符号よりみてほゞプロージプルと考え得る︶︑定数項も無視した近似解は次のようになる︒ の両者がみたされることを意味する︒この条件がみたされているものと仮定すれば︵推測の域を出ないが︑係数の

L I >

︒ │[ls+

1 │ l 2

c 2 ) ( l ,

' T)i̲

C s + l 4 ) ] > ︒

C l

らは任意定数︑5 一般解は︑単根を仮定すれば

傘 11│C1

{ ,

h

( 1 1 c 2 ) ( l

r ) i + c s } e

A 1

1   ‑

C 2

 U 2

1

│ c 2 ) ( l

│ r ) i + c s }   e A

o t

1は一組の特殊解とする︒特性方程式の根ふ︑んの実部が負であれば︑相当な時間

経過後の近似解はそれぞれ

e

1となる︒このことは重根の場合にも同様にあてはまる︒

︑んの実部が負であるた

A l

めの必要十分条件は支

( D )

のて係数がすべ正であることである︒この証明は容易である︒われわれの場合この条件は︑

C1(,h+C3)e

ミ+C2(,l.2

ca)eA•1

十 7

B h

" " "    

U P  

特性方程式の根を

︑んとすれば︑

A l

l 3

A 1 1  

‑ C 3 + l 3  

{(112c2)(l1r)i(C3+l4) ただし

̲ { l 2 ( 1

r )

l 4 }

P ( D ) 1 1 D 2

│ [ l a + ( 1 │ 1 2

│ c 2 ) ( l

r ) i

( C a + l 4 ) ] D + 4

(19)

348 

B 1

>

0

B g ‑ i P

(3 2)  

B g / i P =

;

B 1 X o e % t

x .  

訓を積分し︑定数項を無視した近似解ほ︑ ここで

(3

1)

 

ここで 国際均衡の財的・貨幣的基礎

A1111(1|r)

(

1

R)

{

l2(C3+x)+l4(1|c2)}

/ m 1 r p ( x )   A2111|

(

1+T)

(

1

3)

{

l3(1|c2)

+

l2cs|

1|l21c2)x}

(

/ m 1 r p ( x )  

( x ) 1 1 R 2 ̲

{l3+1-12c2)(l|r)i|C3+l4)

x+A

A11>

︒ 一 支

(8

)V

o

は容易に知られる︒

A21> ︒

•Bg-iPおよびBg-iPの成長率は

B h ‑ i P

は増加的で︑長期後の成長率は両者ともまた一定率X

政府・金融機関の企業証券保有増加

•Bg-iPは閲に閲、四.潤を代入して、

Bg/iP~B1Xoe"'1

B111

︑ な

1 A 1 1

1g

4 . 2 1

4 3 3

4 . 3 4 A 3 1 1 1 p ( C s + l s )

C 3 A 3 2 1 1 ( 1 │ P )

︷︵

1

( 1

r ) T I C 3 } + p { l 2 ( 1

r ) 平

l 4 }

A 3 3 1 1 l

s

l 2

m 1 ( x │ l s

︑ ) A

11[

1

r)(1|9)(1P)

1

c2)

/3l2)+l2、]ミ

m1

定率である は確認できないが︑そうであると仮定する︒

八〇

P

(20)

であるから︑長期的には

P

は一定率で下落して行かなければならないわけである︒しかしながら︑貨幣当局が物

価安定政策を採用し︑その現金通貨の名目供給量をの率で増加させて行けば︑現金通貨と預金通貨が一定比率

国際均衡の財的・貨幣的基礎

L A

P J r ( A s s /

l s

+ A u ) X o e . .  

のである︒もし名目通貨供給量が不変であるならば︑

L h

︑したがって

‑ P

L ‑ P

からは絶対価格水準は決定されない︒名目通貨供給量

L

が与えられてはじめて

P

が決まる

これまでは実質クームで作業してきた︒通貨市場の均衡式

L A P l l L b A P + L h A P

において︑初期に均衡が成立し

L A P 1 1 L b A P + L h A P

が得られるが︑われわれが前節の計算の結果として求められた

L b ‑ P

使

以上のことから︑もしわれわれが資本・労働比率

R

の有界性を考えないとすれば︑対内外均衡を維持するに必要

な政府・金融機関の対企業実質貸出量は長期的には輸出成長率と同じ率で成長すべきであろう︒また実質産出物︑

資本ストック︵次節で示すように︶︑企業と家計の実質通貨保有量︑家計の実質証券保有量も同様の率で成長す

ることとなる︒このことは一国の経済が国際均衡を維持せんとする限り︑全く世界経済の成長に吸引され︑その成

長率に依存せざるを得ないことを意味するものである︒しかしながら物語はこれで終りではない︒いまや対決の迫

られている問題は

R

の有界性︑したがってそれより帰因する国際均衡と国内失業とのディレンマである︒

(21)

350 

の制約を無視して︑完全雇用のもとで生産を行なうならば︑

3 ]

la|(1

6)[h_1(1|r`) =( PA21 ふ B1) +

a(1

r

、) m 1 x  

K 1

ー K

の符号の確認は難しいが︑

K 1

> 0

さて︑もし労働の成長率nと輸出成長率Xとが一致する場合︑名目通貨供給量がズの増加率を維持しつづける

限り︑完全雇用のもと︑資本ストック︑国民生産物および金融資産と負債が︑

1 1 n

の率で成長し︑物価︑賃金率︑

資本使用料は不変で︑さらに国際均衡を維持し得るといういわば貿易を含む開放体制のもとでのバランスした成長

の存在が可能なわけである︒しかしながら

X1

1n

は必ずしも常に保証されるものではない︒いまかりに

R

の有界性

(3 5)  

K=K1Xoext+C~K1Xoext

仰︑⑲︑仰︑罰︑閲︑伽を用いて

K

(3 0 

KII(1

6)

Idt 国際均衡の財的・貨幣的基礎

1

3 )

を保つと仮定したから︑通貨全体の供給量もXの率で成長し︑物価は安定である︒もしこのよう

にして物価安定ならば︑われわれが得た前節までの実質クームで表わされた諸結果は︑それらに不変な

P

を乗ずれ

ば名目額に換算し得るものである︒

次に︑前節までで得た結果を利用して︑対内外均衡をみたす投資ー

仮定によって投資は粗投資であったから︑減価償却率を8

したがって資本ストック

K

K

の長期成長率はまたである︒

参照

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これまで応用一般均衡モデルに関する研究が多く 蓄積されてきた 1) − 10)

謝辞:本研究は,著者(中山晶一朗)がリーズ大学交通 研究所に滞在中にも進めており, Prof. and Sheffi, Y.: On Stochastic Model of Traffic Assignment, Transportation Science,

Leonard: Elicitation of honest preferences for the assignment of individuals to positions, Journal of Political Economy 91 (1983)

Talman: Sets in excess demand in simple ascending auctions with unit-demand bidders, Annals of Operations Research 211 (2013) 27-36.

Eckstein: Dual coordinate step methods for linear network flow problems, Mathematical Programming 42 (1988)

東京工業大学

Murota: Multiple exchange property for M ♮ -concave functions and valuated matroids, Mathematics of Operations Research 43 (2018) 781-788.

気候変動対策 詳細は P22 知的財産活動 詳細は P32 財務戦略 詳細は P13–14. 基礎研究の強化