奈良教育大学学術リポジトリNEAR
收盆曲線
著者 寺川 末治郎
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 1
号 2
ページ 104‑107
発行年 1952‑03‑01
その他のタイトル Product(−Revenue)Curve
URL http://hdl.handle.net/10105/5215
収 益
−104−
寺 川
Suejir・O TERAKAWA:
1
農業接術法則としての脾星酢頓才ノ法則は TlげgOtに より或はRicユrdoによってまとめ上げれた。この法則 そのものはシンボリックには rC≠(A,B,(1,……)
一足慣ム0以後は 蒜く1−
又増分形式では
声(A+△A,B,し1,……)一声(Jl,R,(1,……)>
≠(A十2△A,B,(1,・‥‥・)一声(A+△A,B,C,…)
として表現されえるものであるが当初古典学派による 生産期費郡の概念は上掲の数式の君味する様な限界性 を深化することなく問題となったのは平均費周のみで あった。其の樽柿がhIlrS1−nllをこえ1鵬6年βIarraの 劃期的な論文のあらわれるまで繹いた。新しい意味の 限界費用は平均賓邦と関連しつ㌢崇拝琵論の科学性を 高め、それが今日の経濱分析として経済学の骨稀とな ってゐる。その適用の節匹は利潤(㌢匝大化損失の極小 化を求める企業経営の画しつみでなく Wel払re の蹄大 化を前面に押し出してゐる昨今の 8ccialistecollnmy
に於いても其の客圃合理性のゆえに紅濱詳論的自然 法則としての一般承認を得やうとしてゐる0 これが塀 情である。従って限罪草間と平均契印の二曲細の叙述 と共にIluInel−iual ぐmn】pje を記載しない近代鬱済学書 はあり碍ないと言はれる。殊に米国では此の傾向は決 定的でさへある○進んで之にJlL較的簡単な解析数式を 与へることによって両曲際相互の歩みを精確化するこ
とも既に可能になってゐる。((4)参酵)
2
近代経済学の内包をする脾益分楯、費貯分析は詳し く言へは経溶学と紆嚢学との共迂猟域をなすも(つであ るが前者の斑按の態度は徒者の契証的態度にJILべてカ ナリ単純でゐる。この点は芭琵出蒋ない。然し問題
の核心に差別はない。所て摂苛手指呂(r㈲大化を拝訂す る規準とみなされるものにも若干の種別がある。其(つ うちの二つ。一つは末共時宕糀と未来壁間流とを現行 利子率で資本化して某に′静観 ヽ」(1を極大化する
11iLksの方法、今一つはV/(1=1を托る −llien
曲 線
末 治 郎
Product(−Revenue)Curve
利子率に等しいときに極太である。Cを投下貸本額と した場合の聴益菌数は
r=f(C)
赦益の現在値はⅤ=f(C)C二rt但しtは投資期問、
Ⅴ−rコの差額Gの樫大条件は
G=f(C)e−rt−C…………(1)
篇=f(C)e・rt一丁=0
即ちf(C)e−rt=1………_‥(2)
然るに式 C=frC)e−Pat………(3)
ここのPユは平均収益率(卸erageinter−1乱lrate)で 資本の平均効率ともよばれえるもの。
文武I=f(C)e−pmt ………(4)
(4)は(3)を細分したものでなく琵凱こよって其の値 単位lと与へられたもの。PInは限界収益率又は資本 の限界効率とよばれるもの。
次ぎにPa兼び1−1−−について解く。
l)n=十eg(等)………(5)
p =十ogp(Cト‥・‥・・(6)
依って(2)と(ノ1)から限界収益率が利子率に等しいな らばⅤ−Cは極大である0これと同一の教具に別途で 封丁達することも可能であるc
P=C(ePa(U)t−Crり・・・・・・・..・..(7)
緻分LてPの醇大化の穿件を見比す。
pa(CトトIlog(tCpa,(C)+I)=r・・・(8)
この左辺は限界埴益率に等しい。
又(6)の限界式とは別個に構成して
ぐPmt岩音(Cepa(C)t)………・‥(9)
この鼓F左迄の問罪勝者,率は資金の1停単位が期間 t の終りまで一定率です断に成長するとして其の値が 投下資金の附加単位 alladditiol一礼lu一雨もに帰すべき、
同期間末の終資本額の倍加分に等しくなるやうな利子 率を意味する。(9)の右辺を微分して両辺に対数をつ けると
ニ慧慧霊豊ar如i.、t。r。allat。)が 。Inニ舶+÷1cg(tCpa,仰1ト(10)
茶良学芸大学紀要 第1巻夢2号・】95g年(昭和酢年)3月1日
収 益 曲 線
(8)の左辺と(10)の右辺とほ等しい。依って
Plll=こr
pmとPa との関連素式から限界収益と平均収益と の均衡条件も得られる。Pa (U)=0とおけば
(10)から puユ(U)=Pa(C)………(11)
右辺がその極大点にあるとき其の値は左辺に等しい0 これで証明せられた0
(b)差引額でなくⅤ!Cの割合を極大化するには生産 量乃至は脾益の摺加百分享が費汗酵加のそれに等しい こと即ち平均取入率が限界脾益軋一等しいことが其の 条件となる0
v qc)eイt
でF㌢…℃−………(12)
(1について緻分し結果を0とをくと
f(U)e−TLしけ(U)e−Tt)ニ0…(l:〜)
等)ニ王,((−)……・………‥(‖)
両辺に現数をつけ、且つ期間で割ると
÷log(寧)尋logP(C)………(15)
これで平均埴益率とと限界収益率との均衡が証明せ られた。次ぎに(=l)と(b)との匿係をグラフであら わす
0 ̄ ̄ Cl C′2
図1資本投下単位数
(礼)では限界埴益率と市場利子率との均等をふくむ意 味からここに与へられたと仮定した利子率rを噂lect一 することは不可。(b)は限界収益率と平瑚吏益率との
埠等を指元するから差し当り利子率1蘭は間置になら ない。この事から ヽ −()の極大化を求める投資は投 下資本単位を002まで、又V/Cを極大化する場合は 0(11までの投下酎百の正シサが教へら九そ0其のため
(n)では市場利率の高低によっC直接に左右せられる
(1であるが(b)では PmとPa との均衡点を拝へれ ばよいから其の限りでは市場利率は問題に入らない0 次ぎにrの利子率直結が月と一致する様な最後的均 衡では(a)(b)が一致する。だから企業者にとっては何 れの極大化按準を採るか注無差別である0 乍然か様 な最紋的埠衝に達する前後においては(a)式を揺るか
(b)式をとるかに依って当の企業運営の現頂内容は自 ら異らざるを得ない。上の数式は勿論、投資金融の部 門において看過することの許されないものであるが、
これと問題点を変更する一敏の生産企業でも借入岸本
ー105__
を以て経営やられるものにあってはその間の事情はか あらない。市場利子率及びその利子率による貸本化還 元か絶対に必要であるから。費用の構成項目は企業の 性質から程々に変化すべきは当然である。そして何れ の経済新嘗でも刊澤の棒大を追求するとの前掛こ立つ 限り一定数の曲線群の指し手,に柁うことになる。その場 合に最も重要視すべきは限界費用と限界収益の二曲裸 であり、この事は梶管の種類、内容の区別を絶して妥 当する。F・lJLItろの「企業投資Lr理許」では利子率を 一冠とみなさない場含についても説明してゐるが′J、諭 では引用しなかった。
3
第1図は「今日は万人周知日と呼ばれてゐる拙物繹 却曲線、U 字型曲韓の平均費用、限界費用の両曲細 を上方へひっくり返したものであることは何人も気付
ぐであらう0然し等1図の様式躇今日まで本邦で広く 採用されてきたものではない。例へは京大青山教授は
「独占の経済理論」の中で費宵曲緑のグラフに軌、て第 1回の生産貴曲韓を描いてはゐるが、それについて別 段の説明はあたい、ていない。或は生産量は費円の逆関 係だから聴音曲線は自明と考へたからかも知れない。
叉同じ天壌助教理の「企業の生産量に関する研究」も 多数のグラフを載せてゐるが例の曲輝に関する限りは RobiniOll 女史の及び其の後一般的になった直線形式 を紹介してゐるのみ。直様形式の看同性、匪刺性はさる ことながら、ともかく事情は進展してこないそれ等に 比して戦後舶敢せられたBaellやHouldillgの経済分 析(−経済原論)では部門によっては面目一新とい うほどに進んできてゐる。そしてこれら米国学者 に共通の長所は極めて満足すべき numerical examPle の外に二つの生産量薗糠を新しく措いたelabDration
にある0 この点に間違はないと恩ほれるが彼等ほま た等しくシンボリックな黄濁肘与を意識的に差しひか へたo jioLIldi唱 の如きは目的のす近くまで来てゐ るが遂に遺憾を残した。 然るに弟近 Colulllbid 大 学のS軸1erはその「慣稚諭」で今日まで感知せ られてきた賂点の一部を除去してくれた。
その方法ほ米匡流にまづ、Ilt−lnerlCRlCⅩ11nPIu を与 へ他に、数式とグラフ即ち≡環のillStrLlnlellt を用い て問題たる曲裸の解硯にあたってゐる。殊に角度を利 用しての説明は何人にも理解せしめないで措かねとい う程のものである。当の曲線群が経済分析に対して持 つ墓要享にかへりみるならは鑑の親切は決して排すべ
きでない。
4
(LJ)S痺Ierの数式を借用する。
ー106− 寺 川 末 治 郎
今Ⅳ 単位の票田が Pの生産者を生むと仮定すれば P/Nは平均生産量とみることが田変る0更に崇用をn 単位追督して其のため際生産量にp だけの楷加をみ たとするならば新しい平均生産量は
P+p
『蒜………(1)
仮酢よって宗吾一昔>0………(2−
竿蒜欝>0……(3)
即ち Ⅳp−Pn>0
÷>芯………(4)
Kを1より大として
キ=貰謀>宗E・・…・(5)
ここでp/11は給生産量における摺分を費用の憎分で割 った値であって限界生産値を意堕すZo P+p/Ⅳ+n
は明かに平均生産値である0 日tiglerの数式引用は以 上で終るがこれでわかる様に平均年産量が即口の状勢 にあるときほ限界生産量は平均生産量よりも大きい0 第1図でいい、ぼUlの前田ロち点もまでは1)n噛緑は pa曲線の上方を乗ることが証明せられる0次ぎに(2)
を反矧こして減少の式をつくってみると上同様の推理
 ̄ご
宗吾一昔<0………(2)
kをlより小さくすれば
÷=蒜等<韻…(6)
仮定によって今度は限界生産量は平均生産量より小で あるから平均曲隈が滅小の状態にあるときは限界曲線 に平均曲線の下方を葬る。しかも限界曲緑は平均曲線 よりも早くから下降に転んじてゐる、この劃ま費用値 の場合に限界曲隈が平均融泉よりも早くから上昇に転 んじる事とシソメトリカルに解し得る等柄である0
収益曲線を描く場合常にモデルとなってゐる費用曲 線の数式を参考までに示す。
K(ズ)総生産費、誓)平均生産費、
品(寧)=(寧一等巧÷…(1)
左辺の正、負は右辺の括コ内の数値できまる。
限界生産費<平均生産置ならば 品(空夢)く0………‥=…………‥(2)
限界生産費>平均生産費ならば 浣(寧)>0…………・・・‥…‥‥……(:−)
限界生産費=平均生産費ならば
鳥(掌)=0日………(ヰ)
平均生産費曲隈の糎′1、点て限界生産費曲纏と交わる。
図 2
要するにStiglpl・の表式は費用解析の示す曲糎を丁 度上方へひっくり返した形を与へるから曲線の、▼isua細 liz′ltion の目的には直裁簡明である。然し其の蓑式が 解析的でないためにまた欠点がつきまとう。安易にす ぎるとの批難もあらう。物聾的生産物を対象とする生 産量匝数ならばAlle−1がやってゐる様に「偏微分の腰 間」が心要になる。又販売収益個数に限るならば−限 界収差=平瑚蟻(ト去)(但しEは需要の弾力度ト の形に整式出来ることが望ましい。日比野教授の生産
 ̄力曲輝はAllenと同様である。そこでは当の両曲線交叉1 の事実はわかるがそれい.外で曲線の歩みを捕詳するに は多大の緊韻が必要する〇これが欠点といへば欠点で あって費同曲顆をそのまま逆に返してさてどうしてそ
うなるかの説明を省略する様な等が起る。
((1)米国学者に共通する巧妙な角度を以っての説明 は都合によってここには解介しない。
r5)蛇足の誹を受けるが収益曲韓から田て来る三つ のPropositiollをまとめてをく。
(1)平均生産量が増加してゐるときは限界値は平均 値よりも大。
(2)平均生産量が減少してゐるときは限界値は平均 値よりも/j、。
(3)だから、平均生産量が極大点にあるときほ限界 値と平均値とは相等しいeここで両曲線が交わる。
そして与へられた此の収益(−生産量)曲線のProposi−
tinを例の二項の費用曲線相互の関連様式と対解する ならば、そこで始めて収益と費用との一蝦的関連を妥 当に会得することにならう。ヨ理論経済学の故扱ふ均衡 慣椎の理解はかくしてまず可能になる。
この程度に到達するならばヨリ複雑な構成を持つ独占 慣柿、国際偶緒を克服するにも困難を感じないであら う。要は限界費、収両曲線の歩みをみきわめることに 外ならない。今流行の「径路分析」Ee01−OlhicA11alysisは かつての経済原論に代る名称であるが、それは同時に 限界分析とも称せられるものであって静態慈済を考鮭 する限りは既に言及した一群の曲線になは若干の限界 曲線を加味するならば、それで理静的コスモスの大部
収 益 歯 線
分ほ内包せられることになるe所謂近代紆活学は笑は 一個の限界隊理に立脚してゐると言へる。従って平均 原理は理論経済学に関する限りどこまでも限界原理の 侍女としての地位においてその存事が許される0再言 すれば一群の限界概念を巧に塔解し應用することが掟 清学での「近代的」である。26.9.26
参寄書
G.(L V.Lutz,TheoryorInl・eStnlentOr Firm
1951 G.Stigler,the Theory crPriee 1950 Jjouldi−1g.Ec虜10mie AllalysiS l911
おowman&Baぐh,Economic AllユけSis and PublicPolicy 1647
R,G,D,Allen,MathematicalAnalybis for Economist5 1950 日比野勇夫 経済理論の数学基礎 1949
最後にあげた著賓は秀れた邦書である。
_・.107_