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This research is an attempt to find out the psychological attributes which the surface texture of different materials used in product design has, by the semantic differential method.

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

器機計画に関する生活空間構成の研究? ―器機構 成材料の材質感について―

著者 奥谷 多作

雑誌名 奈良学芸大学紀要. 自然科学

13

ページ 51‑58

発行年 1965‑02‑27

その他のタイトル Studies on Living Space for Industrial Design (II) ―With special reference to an analysis of the surface texture―

URL http://hdl.handle.net/10105/3398

(2)

奈 良学 芸大(自然)第13巻昭和40年 J. Nara Gakugei Univ. (Na告), vol.│3,間5,

器機計画に関する生活空間構成の研究 Ⅱ

‑器機構成材料の材質感について‑

奥  谷  多  作 (奈良学芸大学技術科教室)

昭和39年9月30日受理

Studies on Living Space for工ndustrial Design (H)

‑ With special reference to an analysis of the surface texture ‑

Tasaku OKUYA

(Department of Industrial Arts, Nara Gakugei University, Nara, Japan) Received September 30, 1964

This research is an attempt to find out the psychological attributes which the surface texture of different materials used in product design has, by the semantic differential method.

Twenty students were given the same ten materials ( Brass plate, Aluminium plate, Stainless steel plate, Siozi wood board, Oil tempering fiber board, vinyl chloride mold board, Melamine resin laminated board, Linoleum sheet, Plate glass, and Pottery tile,) and asked to rate them on the 12 seven‑point adjective‑pair scales. The inter‑correlations between scales were factoranalyzed

by Thurstone′s centoloid method.

Five interpretable orthogonal factors were extracted from the date : Factor I‑Movement, Factor H‑Feeling, Factor u‑ Freshness, Factor w‑Touch and Factor V‑Hardness.

1 緒

product designの目標とする構成要素の全体効果について texture (surface texture‑

材質感も含めて)の意義を人間工学の立場で考察するとき,それは生理的な問題よりむしろ心理 的な問題の方が重要になって来る,しかるに今まで心理的効果は生理効果に比べて科学的解明が されることが少なかった為に textureの効果についても充分に客観性をもった判断が下しにく い点があった,しかしある量産された product design の材質構成が全体としてよく出来てい

51

(3)

52 嘩 ‑ t一 作

るか否かという事には,現実にかなりの客観性があることも否定できない所で,多くのproduct designerの今日までの業績からもそれは立証きれている.そこではただ英然とよく出来ている いないというような表現でなく,もう少し適確な表現で,その全体効果を客観的に表示すること が望まれる.たとえばあるproduct designの材質効果について,暖かさが5段階中の4程度, 落着きが5,重さが3,という具合に表現出来るならばこれによって,その材質効果に関するか なり正確なイメージを伝えることが出来る.それは,色彩学の場合ある一つの色についての物理 的な属性‑普通は色相,明度,彩度という三属性,あるいは主波長と純度と視感反射率という 同じく三属性,さらに望ましくは透明度,光沢度も加えて一一を個々に表示することによってそ

・の綜合効果としてのも一つの色やを表し得るのと似て,心理的な も測定寺 を意味するものであ る.以上のような必要性から,著者は心理学の分野で近年用いられることの多いsemantic differential (意味微分法,以下S.D.法と略す)法によって,先ずproduct designの構成材料 に係る材質効果に関する心理的属性を探ることを試みた S.D.法というのはイリノイ大学,C.E.

Osgood氏によって考案された方法(以下同氏の研究は<Osgood>と略す)で,ある概念を表 わすのに,後記のような言葉の意味を変数とした因子分析を行なって,その概念に対する最少数 の変数あるいは次元を次る方法である.一般にある概念を表わすのに使われる言葉を残らず拾い 出すならば,それは非常に大きな数になり,到底実用に通し難く,その中には同義語,意味の重 複する言葉,あるいは全く相反する意味をもつ言葉等が数多く含まれているはずである,そこで

その混沌に秩序をもたらし,複雑なものを単純にし,研究に必要な最少数の変数あるいは次元を 見出すのが同法の目的である. product design を構成する材料の材質効果に同法を通用すると それはすでにのべたように ①材質構成に於いてその結合効果を一挙に表わす ⑧心理量となり それによって ①材質効果が通常多くどのような言葉によって表現されているか ⑧どのような 幾くつの次元の空間に表わせるかを掴もうとしたものである.なお,本研究についていろいろ御 指導と御協力をいただいた奈良女子大学住居保健学教室花岡利昌教授,本学心理学教室杉村健 教官に対して心から感謝いたします.

2 研究の 方法

S.D.法の一般的な研究手続は次のようになる.

仰 まず言葉の対をつくる.言葉の対は目的によってやや違ったものが選ばれてよい,その数量 も見方によって異ってよい.

(2)概念を適切なだけつくる.概念によって因子分析の結果がかなり異ることがある.

<3 分析用デ‑タ‑を求める.適当な被験者に2)の概念を(1)の言葉の対で測定させる.

(4)分析用データ‑を処理する.因子分析の統計的手境は,測定値から相関行列をつくること と, 相関行列から因子行列を求めることであるが,これは一般にはThustoneのセントロイ

ド法を使って計算する.

上の一般的手続に照らして本研究の計画を次のように立てた.

く5)言葉をあつめる.まず材質パネルを被験者に見せてできるだけの言葉をあつめる. (第1表) この言葉の中で出現頻度の多いものを選ぶ.

(6 実験用の言葉の対を選ぶ. (1)で出現頻度の多いものでさらに,日本心理学会大会発表論文集 (1960)山本,西村,野村,飽戸「S.D.法による日本語の意味研究」 (以下<意味研究>と略す

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器機計画に関する生活空間構成の研究 Ⅱ 53‑

) ,に使用されている言葉の対を12種選びだした.この数は人手による計算であることを考慮 して決めたもので電子計算機等の使用を考える時にはさらに増加させたい.予備実験によって 利用頻度の高いものを選びそれに加え,言葉も形容詞・形容動詞に限り,名詞も形容詞・形容 動詞に言いかえてあります. (第1表で( )の中の言葉)

第1表 材質の意義を表す言葉

あさい,あさはかな,あでやかな,あざやかな,あくどい,昧けない,ありふれた,味がない (あかるい) ,あかぬけた,圧迫的, (あたたかい),あつい,厚ぼったい,厚みのある,あっ さりしている,あくの強い,あくどい,アクセントのある,あたらしい,安定した,淡い,陰 気な,威圧的,いかめしい,いらだたせる,いらいらする,いやな感じ,いやらしい, (いき いきした,生きていない,粋な,うわついた,うすっぺら,うすぐらい,うるさい,うっとお しい,ういういしい,うすい,うるおいがない,うるんだ,うごきのある,美しい,鋭敏な, エレガント,大味な,重苦しい,重々しい, (重い) ,重みがある,落着きのある,落着きの ない, (おだやかな),おっとり,おとなしい.

軽やかな, (軽い) ,かびくさい,感じが惑い,感じのよい,快的,かたくるしい,がさがさ した,乾燥した, (乾いた) ,からっとした, (かたい) ,かくぼった,がっちりした,簡素 な,輝かしい,清らかな,清い,気味が惑い,気が滅入る,仰々しい,金属的,きつい,きた ない,きれいな,近代的,ぎすぎすする,きらびやかな,きんぴかな,きんきんした,きゃし ゃな,ぎらぎらする, (くらい) ,くらくらする,くすんだ,くすぶった,空虚な,空白な, くっきりした,軽快な,現代的,けばけばしい,上品な,こまやかな,ごみっぼい,ごみごみ‑

した,好ましい,こぎれいな,快い,心地より,効果的,濃い,コントラストに富む,ごたご たしている,ごちゃごちゃしている, (ごてごてしている) ,ごたついた,こみいった,ごみ‑

ごみした.

さむざむした,さっぱりしない,さっぱりした,さらっとした,さわやかな,ざらざらした, さえた,さえない,さびのある,しっとりした, (しめった),しめっぼい,じめじめした,也 味な,しらじらしい,渋い,上品な,しっくりした,しっくりしない,しゃれている, (刺激 的) ,しまりのない,色彩に乏しい,色彩的でない,沈んだ,重厚な, (純粋な) ,しつこい 新鮮な,趣味がわるい,趣味的,シック,しずかな,質素な,すずしい,するどい,すべすべ

した, (すっきりした),すっきりしない,すがすがしい,スマート,すっとする,すいこま れるような,すなおな,すきとおった,澄んだ,せいせいする,鮮明な, (生気のない) ,清 的,清楚な, (清潔な),整然とした,センスがある,センスに乏しい,洗練された,素朴な.

耐えられない,ダイナミック,単調な,単純な,ちゃかちゃかした,ちらちらした,ちゃちな 中庸,知的, (つめたい),つるつるした,つやのある, (強い),てりはえる,てり輝く,

どよんとした,どんよりした,どぎつい,ととのっている,透明な.

何の変哲もない,なめらかな,なまぬるい,なごやかな,にぷい,にごった,熱っぽい,ねぼ りのある,ねぼけている,のっぺりした.

はっきりした, (はげしい) ,はつらつとした,はなやかな,はでな,はりつめた,ひややか な,ひんやりした,表面的,ぴかぴかした,ひきしまった,ふかぶかした,ふかい,ふかみあ

る,普通な, (不潔怨) , (不純な) ,ぶこつな,複雑な,平面的,平均な, (平静な(,べ たべたした,ほこりっほい,ぼけた.

∴‑ ̲二 一 一・∴tt  ‑‑ ‑:

gっ,目立たない,目のさめる,目にしみる,モダン,もたついた.

: ∴二∴ ∵∴‑‑∴∴   ‥∴ :

fいる,よごれfz, (軌、),弱々しい・

ら !理知的,リズムがある,ロマンチック.

わ lわるい,わるくない,わびしい,若い.

(5)

54 奥 谷 多 作

(3)実験用の材質の種類を選ぶ.次の10種類によってproduct designに於て利用頻度の高い材 質を代表させた. 1.黄銅板, 2.アルミニウム板, 3.ステインレス鋼板, 4.シオジ材, 5.軟質セ ンイ板, 6.塩化ビニール成型材, 7.メラミン化粧板, 8.油脂系シ‑ト, 9.透明ガラス板, 10.陶器質タイル.これらの材質は,無彩色のパネルにはめこみ固定し,切り口や端の部分は 見えないようにした.

(4)分析用データを得るために被験者に(3)のパネルを(2)の言葉の対について測定させる.測定は 次の7段階のどこかに12対の言葉全部について評定させたもので,奈良学芸大学学芸学部の学 生10名と奈良女子大学家政学部学生20名を被験者として行われ,その内10人をランダムに除い て残り20人のデータを分析した. (非常に,かなり,やや,まったく中間,やや,かなり,罪 常に)

(5)分析用データを処理する.言葉の対の相関行列をつくり,さらに相関行列から因子負荷量を 計算し,セントロイド法で因子空間をプロットする.

i6)因子分析された結果を検討する.

3 結果とその考察

第2表に相関係数表をあげる.この表は二つの言葉の対相互の関係を示しているので,後の計 算の為という以外にも個々の値がそれぞれに興味深く有用なデ‑タである.

第2表 相 関 係 数 表

ma

軽い 刺激的あたた 弱い 不純な かい

かたい一票わらか 清潔な一不潔な 0.09 重 い‑軽  い ‑0.01 ‑0.28 斗vjl‑A一利潮的

‑、>.v.二 ‑fc‑:二:二か い    い

強 い一弱  い 純持て‑こ‑fこ純'J.

乾いた‑湿った

・はげし‑おだやか

烹豆享‑E鵠

生気の̲生き生き

・jTい  した くらい一あかるい

ー0.17  0.21 0.19

0.58  0.04 ‑0.04 ‑0.05

0.28  0.11 0.06  0.33 0.11 0.64 ‑0.24  0.15

0.22  0.32 ‑0.48 ‑0.10 0 2 5

5  1

1   0

0  0

T   O O   o O 0   O     1 0     0     0

u

Iつ

m

はい  おか

Iだ

ら   かい/

y' z

の   生た 気 r J   J d , し 閉 g

^ B T . E Z ゝ 二 J     >

I て

つしる‑てしる

すりい ごてい L   や

0.38 ‑0.08 ‑0.19 ‑0.65 0.23 0.42 0.01 0.17

‑0.02 0.56 ‑0.26  0.28  0.02 0.05  0.58  0.25 ‑0.14

0.14 ‑0.42 0.56  0.20 0.21 ‑0.21 ‑0.35'‑0.30 ‑0.25 ‑0.38

0.11 ‑0.34  0.62  0.29  0.17 ‑0.13 ‑0.27 ‑0.31 ‑0.28 ‑0.26  0.64

(6)

器機計画に関する生活空間構成の研究 Ⅱ 第3表 因 子 負 荷 量 表

セ ン ト ロ イ ド 因 子 F

7段階評定

SD

55

かT=い一票わらか5 清潔な一不潔な 重 い一軽  い 平静な‑刺激的 つめた̲あたたか

い    い

強 い‑弱  い 純粋な一不純な 乾いた一湿った はげし‑おだやか

‑: H.ニ 生気のr生き生き ない  している

・てCyL、一一‑蝣tlか::,い・

‑0.34 +0.15 +0.39 +0.51

+0.17 ‑0.62

+0.41 +0.49 +0.73 十0.06

‑0.23 +0.26

‑0.22 ‑0.29 +0.19 ‑0.61

‑0.33 ‑0.31

‑0.71 ‑0.ll

+0.35 十0.09

‑0.35 +0.35 +0.32 ‑0.14 +0.34 +0.40

‑0.20 +0.52 +0.37 +0.18 +0.37 ‑0.10

‑0.08 +0.38

+0.29 ‑0.60 +0.38 +0.13

+0.27 +0.76 +0.08 +0.11 】 0.673

1

・0.40 +0.62 ‑0.05 +0.29 i 0.631

#       C O   C O   O O   G i   t H ( n   c n   m    

^     m   m    

^ f    

^

1 0       t o   c o   o o 1   1   1   1   1   1   1   1

第4表は第3表を整理して,言葉の対を因子別に分類した表である.すなわち各々の言葉の対 の各因子に対する負荷量のうち 0.6以上を++, 0.4以上を+, ‑0.6以下を  サ ー0.4以下を

‑と略記して各対をせれぞれ第一因子,第二因子,第三因子,及び第四因子のみをもつもの,第 一と第二をあわせもつものと,不明のものに分類したものである.この結果次のようなことが言 える. ①第一因子は,平静な,おだやかな等が表す因子, ⑧第二因子は,生き生きした,すっき

りしている,純粋な,清潔な等が表わす因子, ⑨第三因子は,暖いが表す因子,. ④第四因子は, 強い,かたいが表す因子であると見られる.

<Osgood>では,常に第一因子はevaluation,第二因子は potency,第三因子はactivity と意味づけられているが, <意味研究>でも大体<Osgood>と同じ結果が得られていて,第一 因子は気持のよい,愉快な,あかるい,よい,うつくしい,きれい,楽しい,好きな,立派な, ありがたい,すぐれた,陽気な,うれしい等が表すevaluationの因子,第二因子は,男性的, 大きい,かたい,複雑な等が表すpotencyの因子,第三因子はうるさい,浅い,はやい等が表 すactivvityの因子であり,またこれらでは第一因子がきわめて顧著に表われる.それらと較 べてみると,本実験では第一因子はむしろactivity,第二因子が, evaluationと意味づけた万 が適当と思われる.その二つの因子はともにはっきり表われていて注見してよい結果であって,

材質固有の樹質感についてはactivity とevaluationはほぼ同じような重要性を持つものであ ると推測される.また第三因子にとくにあたたかいの因子が表れたことも結果として興味あるこ とである.さらに第四因子は potncyと意味づけられることになり,これも product design の構成材料についてはうなづける結果で potencyの因子は一般の場合よりは重要であると言 えよう.

(7)

56

奥 谷 多 作

次にこれらの因子の意味づけについてさ らにこまかく検討してみる.第1図は各言 葉の対のもつ第一因子と第二因子との関係 を負荷童をもとに直交座棟の上にプロット した図であり,第2図は同じく第三因子と 第四因子との関係をプロットした図であ る.これらの図によって一層よく理解され る.とくに第一因子と第二因子との間には 微妙に変化する言葉の序列のあること,と

くに第二因子軸をはさんで,すっきりして いる,純粋な,清潔な等の因子と,軽い,

あかるいの因子に分かれるとみる解釈が成 立し,このことは第2表でこれらの言葉の 対相互の相関係数をしらべてみてもはっき

り二群に分かれることから裏付けられる.

第‑因子について言えば, evaluationと passivity の間に,平静な,おだやかなが

あり, evaluationとactivityの間には, あかるい,軽い等のあることがわかる.

第4表 言葉の対の因子分類表

ii一 戦 o)吋

I q    ‑']蝣蝣

不 明[乾いた一湿っ た

第1図 I,韮因子空間

(8)

器機計画に関する生活空間構成の研究 Ⅱ

乾urn O

°

・蝣r静蝣蝣X

.6

0つめたい

・蝣1,言言∴

O.

!2

ー    ‑.6  ‑.4  ‑.2

・2・くら0.4 .6

‑.2

強い

°重い

S2M 1, ft円j'一空調

一万,第三因子と第四因子は強いの因子と みるのが妥当のようである.そして第四因 子はあまり重要でないように思われ,第2 表でも裏付けされる.こうして,上の四つ の因子は結論的に次のように言いかえるこ

とができて,あえて命名する とすれば, 第一因子(activity)は,平静な,おだや かな等による「動き」の因子.第二因子

(evaluation)は,すっきり,純粋な,活

第5表 因子の意味づけ

57

因 子 ;   こ と ば

1 :動 き 2 [気持ちのよさ

平静,おだやか

すっきりしている,純粋な, 清潔'‑i

軽い,あかるい あたたかい,やわらかい 強い,重い

潔な等による「気持のよさ」の因子及び,軽い,あかるい等による「新しさ」の因子.

第三因子は,あたたかい,やわらかい等による「あたたかさ」の因子。第四因子(potency) は強い,重いよる「強さ」の因子と言える.結局はじ釧こ表れた第一〜第四因子を,動き,気持 のよさ,暖かさ,新しさ,強さの五つの因子に考えなおすことができるのである. (第5表)

これらはどれも経験的に予測されていたことの裏づけと言える結果であるが,とくにこれを実 際の材質構成にあてはめてみると得ることが少くないであろう.例えばこの第一因子の,動きは 生活空間に於ける雰囲気を計画する時とか,事務用器機,試験用器機,家庭用器機等のデザイン に当然重要なものであることがわかっていながら,今日まで第二因子の,気持ちのよきほどに重 視されていなかったきらいがある.これは今後の product designの材質構成ではとくに重要

(9)

58 奥 谷 多 作

な因子として考えなければならないであろう.また第三因子の,暖かきは既に種々の研究がある が,この結果によっても再認識されるべきであろう.そして今後気持のよさ以外の動き,暖かさ 新しさ,強さ等が独立項目として product design の材質計画の目標あるいは検討項目として 考えられなければならない.

^^^B^2^^Eei 醐

材質固有の今村質感寺を組み立ている意義を求めるため S.D.法を応用した結果,以上述べて きたような経過を経て,それが5つの因子空間に表わせることに結論した.それらはおよそ,動 き,気持ちよさ,新しさ,暖かさ,強さの意味をもつ因子である.これらはおおむね経験的に予 測されていた因子であってかなり満足した結果であって,他の研究とも類似の結果が得られた.

またこれらはいずれも今後product design の材質計画の目榛として,あるいは種々のgood designの比較研究に広く応用される事が考えられる.

文   献

(1)奥谷多作: Semantic Di臼erential法による材質感の研究,デザイン学会第11回大会研究発表梗概集

(1964).

(2)岩原信九郎:教育と心理のための推計学,世界社(1952).

(3)日本マーケティング協会:製品計画のためのチェックリスト,岩波書店(1963).

(4)白峰文雄:製品設計のポイント,日刊工業新聞社(1961).

(5) Woodson,W.E. : Human engineering guide for equipment designer.

Univ. of California Press (1954).

同   上 :人間工学,青木・野本訳,コロナ社(1959).

(6) Osgood,C.E., Suci, G. J., & Tannenbaum, P. H. '. The Measurement of Meaning. Univ. of Illinois Press (1957).

(7) Thurstone,L.L∴ Multiple Factor Analysis. Univ. of Chicago Press (1947).

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