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分析方法の検討

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(1)

OneFootTestの重心図における

分析方法の検討

CheckingupontheMethodofAnalysis

On Electrogravitiograph ofOne FootTest

−重心と接地足腱からみた姿勢保持の評価のために−

ForEstimatingofHumanPosturing,fromanobservation

OntheCenterofGravityandtheContactSurfaceofFootSoles

稲 村 欣 作 KinsakuINAMURA

横 山 義 昭 YoshiakiYOKOYAMA

中、野 美恵子

Mieko NAKANO

(Oct.,9,1980)

Ⅰ は じめに

姿勢は運動を構成する基本的単位であり,動きの出発点でもある。また動くためには静止が 必要であり,動的静的を問わず・姿勢が運動の基本であるということができる。またその姿勢 の基本は二足直立姿勢にあるといわれている○それは人間としての最も重要な定義のひとつで

もある1)2)3)。

体育学の中では,直立姿勢の保持能力を静的平衡性としてとらえ,運動能力因子のひとつと している0 しかしその姿勢の保持に関与する能力は,人間が生体としての活動(運動,動作,

行為)を推進するための統合的かつ基本的な能力のひとつであるということができる。実技を ともなう体育学の中では,実技教育の立場からこのようなとらえ方も必要であると考えられる。

その意味で本研究では・直立姿勢の保持に関与するすべての機能を総合した能力を,「直立能 力」ということにする。

1970年平沢は,直立能力の定量評価のために,重心動揺計のフォースプレート上で,Romberg 足位(両足先と踵を接して揃える)の直立両足立ちと手を腰にあてた左右の直立片足立ちを行 うOneFootTestを提案した4)5)6)0この検査は,静的平衡能検査としても使用できるが,そ の結果はパーフォーマンスであり統合的な意味をもっている。その後OneFootTestは体育 学7)8),平衡神経科学)・整形外科学10)などの分野で広く使われるようになり,両足立ち分析 値の日本人標準値も求められた11)0しかしこの検査に関しては,測定記録である重心図・

Electrogravitiographの分析方法や統計処理などに幾つかの基礎的な問題が残されている。

(2)

そこで本研究では,健康な男子学生100名についてOne Foot Testを開眼で実施し,その 重心図解析値について(1)分布型の検討,(2)散布度の検討,(3)単相関係数による検討,(4)因子分 析による検討を行ったところ,幾つかの重要な知見を得たのでここに報告する。

Ⅰ 方  法 1.対  象

本学の男子学生100名である。1,2年一般体育実技受講者188名のうちから,年令18才あ るいは19才の健康な者を抽出した。

2.測定方法

昭和53年5月,6月に実験室内で,特に園視標を与えず開眼時のOneFootTest(以下OFT とする)を行った。すなわち,Rombergの足位で直立両足立ちを20秒間行い,次に手を腰に あてた直立片足立ちを左右の順で各10秒間行った。この方法は平沢(1970)の方法4)に基づい ている。使用した重心動揺計は3点式フォースプレートのブラビコーダ(Gravicorder;アニマ 4301)である。なお付属のアナライザーにより重心動揺軌跡距離(以下重心動揺距離とする)

も同時に測定した。また垂心動揺に関連すると思われる被験者の身長と体重,および足長と足 幅もあわせて測定した。

3.分析方法      一

重心、動揺計で得た二次元的重心動揺軌跡パターンの記録をElectrogravitiograph(EGG)と いう。ここではそれを分析したデータと重心動揺距離に関する分析値をあわせてEGG解析値

とする。EGG解析値のうち重心動揺面積値算出については,重心動揺軌跡パターンの最外郭 に接するように基線に平行及び垂直な各2本の直線によって囲む,すなわち前後方向(Y)と 左右方向(Ⅹ)の最大振幅の積を求める平沢の方法4)5)をA方式とした。また重心動揺軌跡パ ターンの外縁を曲線で囲む方法12)18)をB方式とした。B方式の面積算出にあたってほ,高精度

Tablel Measured terms of physique,analyzed terms of Electrogravitiograph and their

・   definition of symboIs.The angles are constructedwith the positions of center of gravityatboth feet and onefootstanding・Theareasaredefinedbydisplacement of the center of gravity.Thelengths are totalsiftlength of the displacement of the center of gravity.Theincreases oflength are defined as follow;

ILT=TSL/TSNXlOO IRT=TSR/TSyxlOO.

physique symbol Electrogravitiograph

(EGG)

symbol

慧震吊盟怒

standing height weight footlength

feet width basic area to stand Sheldon,sindex

POSition of Y axis position of X axis

angle area(A)

area(B)

1ength

increaseofarea(A)

increaseofarea(B)

increase oflength

崇蕊奉還誓 諾意慧= 慧急襲還誓

(3)

P O 0 ′.▼太

1

m 一一一」

basic area to stand

(bottom viewin a mirror)

S一・RA=Xl一・yJ  /

SHRA=XN・yN

SRRA=Xli・yR

\JU

area(A)

area(B)

measured by a digitizer or a planimeter

a11gle

GNY=yl=×100 C\Ⅹ=Xl′/nlXlOO GLY=y2日×100 GI.X=X2/mxlOO GRY=y。/1×1OO GRX=Ⅹ3!mxlOO

ILSA=Sl−RA/SNRAXlOO IRSA=SRRA/ S\RAXlOO Il−SB=Sl−RB/S\RBXlOO IRSB=SRRB/S\RBXlOO

Fig.1Method of arlalysis

デジタイザーシステム(DSCAN−NOVA3,読取分解能0.1mmで計測)を使用した。重心位 置の分析については,A方式で求めた長方形の対角線の交点をそれとみなした。なお被験者 の体型を知るためシェルドンの指数を求め,形態計測値に加えた。以下形態計測値の項目と EGG解析値をTablelに示し,記号を与える。Fig.1には分析方法を図示した。

Ⅱ 結果と考察

Table2ほ形態計測値とEGG解析値の算術平均と標準偏差および変異係数を示したもので ある。同条件で測定した平沢らの標準値(固視標2m)11)14)15)に比べ,平均値ではGNYにつ いてはば一致し,SNRAはやや大であった。測定条件が多少異るが,TSNについては田口と 依田(1976);身長と体重で補正16),および山本と飯田(1979);固祝標1m17),の測定した1分 間値の1左よりやや大であった。しかし石坂と横山(1979)の測定した同条件固視標なしの結 果18)とはほぼ一致した。重心動揺がやや大き日であったのは,同視標を与えなかったためと思 われる。またSIの分布は値が大きい方に偏りがみられ,やせ型の被験者がやや多かった。なお Table2では考察の健のため,各項目に番号をつけた。

1.分布型の検討

一般に使用されてるパラメトリックな統計処理法は,その前提としてデータの分布が正規型 であることを仮定している。そのため新しい種類のデータを処理する場合には,まずその分布 型を検討しておく必要がある。にもかかわず重心動揺に関するデータの分布型は,これまでの

(4)

Table2 Mean(M),Standarddeviation(SD),COefficient of variation(CV);(−)denotes

that we can not use CV.

m

ret HWlmlm品禦㌫警芸莞

123456789101112131415

168 9 4 9 4 3 4 6 3 5 1

5 2 1 7 1 5 4 5 2

4

2 2

4

2

5

3

1

0

8

7

2

2

3

3

0.9

16 SLRA 17 SNRA 18 SRRA 19 SLRB 20 SNRB 21 SRRB 22  TSL

23  TSN 24  TSR 25 ILSA 26 IRSA 27 ILSB 28 IRSB 29 ILT 30 IRT

385.3 189.5 351.0 215.1 65.1 165.0 139.0 79.1 98.0 199.2 157.8 194.5 146.5 72.6 49.9

ところ充分に検討されたとはいえない。SUGANO&TAKEYA(1970)は直立両足立ち1分間で 求めた重心動揺面積は開眼時閉眼時ともにポアソン分布であった19)と述べている。また坂口と 角田(1977)は爪先を600開いた直立姿勢開眼時の重心動揺距離を測定し,その分布型は個人内 でも個人間でも対数正規型分布をする20)と述べている。そこで本研究では形態計測値とEGG 解析値について度数分布を求め,正規分布への適合度の検定をX2テストによって行った。また その結果で正規分布とはみなせなかったものについては,ポアソン分布に対する開平変換と対

Table3 Probability(P)ofgoodnessoffitinnormaldistributionbyx2−teSt;(*)denotes a slgnificant difference・

at original at original

a土ter trans士Orma・

tion with square

root

after transforma・

tionwithlogarithm

1 H 2 W 3 1 4  m

5 1m 6  SI 7 GLY 8 GNY 9 GRY lO GLX ll GNX 12 GRX 13 ∠A 14 ∠B 15 ∠C

0.20>P>0.10 0.10>P>0.05

0.02>P>0.01*

0.70>P>0.50 0.50>P>0.30 0.50>P>0.30 0.50>P>0.30 0.30>P>0.20 0.70>P>0.50 0.70>P>0.50 0.70>P>0.50

0.帥>P>0.30

0.80>P>0.70 0.50>P>0.30 0.975>P>0.95

16SIJRA 17SNRA 18SRRA 19SLRB 20SNRB 21SRRB 22 TSL 23 TSN 24 TSR 25ILSA 26IRSA 27ILSB 28IRSB 29ILT 30IRT

0.01>P>0.005*

0.025>P>0.02*

0.005>P>0.001*

0.(氾5>P>0.001*

0.20>P>0.10

0.001>P   *

0.20>P>0.10

0.02>P>0.01*

0.10>P>0.05

0.001>P   * 0.001>P   * 0.001>P   * 0.01>P>0.005*

0.05>P>0.025*

0.025>P>0.01*

0.30>P>0.加 0.20>P>0.10 0.50>P>0.30 0.20>P>0.10 0.80>P>0.70

0.005>P>0.001*

0.10>P>0.05 0.70>P>0.50

0.02>P>0.01*

0.02>P>0.01*

0.05>P>0.025*

0.10>P>0.05

0.025>P>0.02*

0.50>P>0.30 0.70>P>0.50

0.三伯>P>0.30

0.05>P>0.025*

0.50>P>0.30

0.05>P>0.025*

0.70>P>0.50 0.30>P>0.20

0.02>P>0.01*

0.20>P>0.10 0.50>P>0.30 0.50>P>0.30 0.50>P>0.30 0.70>P>0.獣)

0.90>P>0.80 0.30>P>0.20 0.50>P>0.30

(5)

数分布に対する対数変換を行い・変換後のデータにおける正規性への適合度の検定も行った21)。

Table3はそのX2の確率Pを示したものである0形態計測値およびEGG解析値のうち位置 解析値(1〜15)では・lを除いて有意なものはなかった。lの分布が有意に正規性からはず れた原田は,中央の度数が高く尖っていたためであり,その分布には偏りがみられなかった。

そこで1については正規分布と同等に扱うこととした。

解析値は一応正規分布するとみなした。

Fig・2とFig・3ほSNRBとTSNの度数 分布を示したものである。その分布は値の 低い方に偏りがみられ,ポアソン分布型ま たは対数分布型と考えられる。EGG解析値 のうち重心動揺面積と動揺距離および片足 立ち増減率の項目(16〜30)では,TSLを除 いてこれと同様の分布型を示した。Table 3のOriginalでみると,SNRB,TSL,

TSRを除いて16から30はみな有意であり 正規分布とはみなせない。変数変換後をみ ると,開平変換後ではTSL,TSRを除い て,また対数変換後ではTSLを除いて適 合度があがっている。ここでは開平交換後 に適合度が著しく上っているのはTSNと IRTだけであり,全体的には対数変換後の 方がよく正規性に適合するとみることがで

きる。

以上の結果から,EGG解析値のうち重

Table4 Geometricmean(G)andtransformed rangeof土lstandarddeviation(RS).

16  SLRA 17  SNRA 18  SRRA 19  SLRB 20  SNRB 21 SRRB 22  TSL 23  TSN 24  TSR 25 ILSA 26 IRSA 27 ILSB 28 IRSB 29  ILT 30  IRT

515541274863一245389240飢288邦182湖837413

5三氾〜1318 219〜575 4別)〜1122

269〜676 1(X)〜219 245〜537

182〜331 309〜490 126〜457 115〜363 162〜513 151〜398 256〜263 117〜214

すなわち,形態計測値と重心動揺位置

0    10     20     30 Fig・2 Distribution o士SNRBinlOO male

students.

TSN

(mm)

0     10     20     30

Fig.3 Distribution ofTSNinl00male

students.

N

(6)

心動揺面積と動揺距離および片足立ち増減率については,TSLを除いてその分布型を対数正規 とみなし,代表値を幾何平均とした方がよいと考えられる。また平均差の検定など正規分布を 前定とする処理は,データの対数変換を行ってから実施すべきものと考える。本研究で求めた

それらの幾何平均値とoriginalにもどした土1標準偏差域は,Table4に示した。

ここで対数変換後でもSNRAとSLRBがまだ有意であったのは,ここでのデータ数が100 であり,分布型を検討するにはやや標本数が少なかったためであろう。またTSLについては,

何らかの意味をもってこれだけが正規分布をするのか,たまたま正規分布になったものかほ明 らかにはできない。

2.散布度の検討

直立畔こおける人体の動揺を測定する方法では古くから頭頂動揺を測定する方法が使用され てきた。だが現在では電気的変換により重心動揺を二次元的に投影して測定する方法が多く利 用されるようになった。また数種の垂心動揺計が開発され,その動揺自体は正確に測定するこ とができるようになっている。しかし高い精度をもつ計測器を使用し,かつ測定条件をかなり 均一にしたにもかかわらず,重心動揺解析値の散布度は大きく,1回の測定値で定量評価を行

うことは再現性に問題がある22)ともいわれている。しかし測定条件が均一であるならば,その 原因は他に求めるべきで,散布度の大きさのみから目的の機能を正確に測定できていないとい

うのは単絡的である。先の坂口と角田は,重心動揺距離を対数変換すれば,分布型は正規にな り変異係数もかなり小さくなる20)という。この観点に立てば,重心動揺解析値における散布度 の大なる主要因は,外的要因にあるのではなく,解析値自体がもつ分布型の特性によるものと 考えられる。

Table5は対数正規分布を示したEGG解析値とその対数変換値の変異係数を比較したもの である。Originalの変異係数は非常に大きく,やはりそのまま統計処理をするには問題がある

と思われる。しかし対数変換後は非常に小さく ほとんどが10%以下になっている。

一般に再現性を検討するには,同一人につい て何回かの測定を行い,相関または適合度,お よび平均差と散布度の側面から検討することが 必要である。したがって再現性を論じるには片 手落ではあるが,ここでは田口と依田あるいは 坂口と角田と同様に16)20)散布度の側面からみて EGG解析値の再現性ははば満足されていると いうことができる。なかでも重心動揺距離は 散布度が小さく,その解析値としては最も優れ ているものと考えられる。以上の結果から,

EGG解析値の散布度が大きい主要因は分布型 にあると考えられる。再現性に問題があるとい う意見に対しては,対数変換によってある程度 応じることができよう。

3.単相係数による検討 1)補正の問題

これまで,体格との関連または垂心動揺解析

Table5 Comparison o土CVbetween ori−

ginaldata andtransformeddata withlogarithm.

CV;af牢

transformatlOn

(%)

SLRA岬SRRA認諾無声慧諾1RT

678901234567890111122222222223

0

4

9

5

7

9

6

8

1 4 4 4 7 2 7 9 3 2 e U 6 5 5 3 2

(7)

値の分散が大きいことなどから・重心動揺解析値の補正の問題が論じられてきた4)18)20)。現在 では身長または身長と体重で補正した値を直接求める計測器も出現している。身長や体重等,

体格変数との相関がみられれば,それは当然回帰評価をした方がよい23)。その最も単純な方法 が回帰を示すデータで重心動揺解析値を険し,指数化する補正法である。

平沢はEGG解析値を足長と足幅で補正している4)○ これは身体をささえる基底面が大きい 程,その重心を制御するには有利であるという考え方に基づいている。この知見はHellebrandt にはじまり,その考え方は正しい16)といわれる0 さらには山内と平沢(1978),および他の結 果21)25)26)でも確かめられている。しかしOFTのように足位が一定の場合には,それをあては めることができるであろうか。一方坂口と角田は,平衡感覚の大きさが平面的な重心の変位だ けでなく,身体と重力の方向とのなす角度の変化に大きく左右されることを考えると,身長が 大きくなればその重心動揺は大きくなる可能性があるとして,身長により補正を行っている20)。

そこで本研究では・形態計測値とEGG解析値(形態計測値と位置解析値およびTSL以外は 対数変換)の相関係数を求めてみた。その結果形態計測値と位置解析値との相関はすべて有意 ではなかった。また片足立ち増減率ではSIとIRSB(−0.310)およびIRT(−0.221)に低い 負相関がみられた。Table6ほ形態計測値と重心動揺面積および動揺距離との相関を示したも のである。

Table6 Peason,Ssimplecorrelation coefficients(r)between the physique variables and Variablesoftheccnterof gravity・Thereis not significant correlation between

thephysiquevariablesandthevariablesof−hepositions;(*)denotesasignificant

differenceatthe5%levelbyF−teSt,and(**)denotesoneatthe1%level.

1. H

16   SLRA 17   SⅣRA 18   SRRA 19   SLRB 20   SNRB 21  SRRB 22   TSL 23   TSN 24   TSR

2. W 3.1 4. m 5.1m 6. SI

0.060

0.223*

0.110 0.085

0.328**

0.092 0.037

0.209*

0.027

0.033 0.058

0.213*

0.031 0.022

0.227*

−0.029

−0.005 0.073

0 0 0 0 0 0 0 0 0

195 205*

1 5 3 2 3 6 0 1 0

−0.022 0.160 0.069

−0.033 0.191 0.113

−0.048 0.088 0.004

−0.004

0.201*

0.173 0.003

0.222*

0.182

−0.031 0.127 0.025

0.(X)8 0.116

−0.131 0.027 0.231*

−0.159J O.048 0.169

−0.059

ここでは・HとSNRA,SNRB,TSNおよびWとSRRA,SRRBとの問に低い正相関がみ られた0これは身長が高ければ両足立ち時の重心動揺面積と動揺距離が大きく,体重が垂けれ ば右片足立ち動揺面積が大きくなるという■ことを示している0−万基底面関係でみると,号 SRRA,SRRBおよび1mとSNRA,SNRBの間にわずかな相関がみられる。しかしいずれも 正相関であり,Hellebrandtにはじまる考え方とは逆の結果である。このことは,正常成人に おけるひとつの定められた足位での基底面の変化は形態的変化であり,身長および体重の変化 と同様であること(Hと1の相関は0・672,Wとlの相関は0.518),またその程度の基底面の 変化では・重心制御に全く影響を及ぼさないことを示している。したがって成人あるいは発育 段階が同等の被験者について足位を一定にした場合には身長と体重で補正することが適当と思 われる0また足位が変化した場合の解析値を同等に抜かづて比較する場合,あるいは幼児から 成人までというように形態計測値の変動範囲が大きい場合には基底面も考慮すべきものと思わ

(8)

れる。さらにSIとSNRBに正相関があり,SI とIRSB,IRTの間に負相関があったことは,

やせ型の被験者が両足立ちの重心制御に不利で,太り型の者が右片足立ちの重心制御に不利で あることを示している。

さて,この相関を回帰として求めたのがTable7である。またその例としてとHとSNRB,

WとSRRBの回帰をFig.4,5に示した。Table7の決定係数(r2)からみて独立変数の関与は10

%以下でわずかなものである。したがって本研究のように独立変量の分散が正常成人で示され る程度に小さければ,補正を行う必要はあまりないと考えられる。しかしEGG解析値original の変異係数とそれぞれの独立変量で補正した値のそれをTable8に比較してみたが,わずかな がら補正後に変異係数が減少していた。したがって身長と体重の変動は両足立ち重心動揺面積 と動揺距離および右片足立ち動揺面積に,わずかながら撹乱因子として働いているといえよう。

Table T Linear regression to H and W;(r2)denotes coefficient o士determination,and(**)

denotes a significant defference at1%levelby T−teSt.

SNRB

(mm2)

Ii O

160       170       180(em)     50      60      70      80(kg)

Fig.4 Linear regression of SNRB to H.   Fig.5 Linear regression of SRRB to W・

Table8 Comparison o土CV between original data and translormcd

data with H and W.

(9)

2)面積の算出法

EGG解析のほしらほ,重心動揺の位置と面積,および距離に関するデータを求めることで ある0そして重心動揺距離については再現性その他が検討され1…0)静的平衡能力の測定値とし て認め得るものとなっている0重心動揺面積についても再現性を検討したものはみられるが27),

その分析法には大きくみて2種類のものがあり4)5)12)18)28)29)確定はされていない。また重心位 置についても同様4)5)80)81)である。

平沢はⅩ方向とY方向の最大振幅を出し,その積を重心動揺面積としている4)。本研究では それを「A方式」;SLRA,SNRA,SRRA,ILSA,IRSAとした。一方岡部(1975)など重心 動揺軌跡パターンの外縁線をたどり・プラニメーターあるいはデジタイザーによって面積を計 測する方法を「B方式」;SLRB,SNRB,SRRB,ILSB,IRSBとした12)13)。ここではその両 者についての妥当性を検討する。

平沢はA方式を行う根拠として・恐らくA方式とB方式の相関を求めたと思われるが,再度 その相関を求めてTable9に示した。Table9では0.8以上の高い相関がある。また前の Table5に示した変異係数もA方式とB方式の間ではそう変りはない。したがってA方式でも 重心動揺面積の評価は充分可能と考えられる。しかし対数変換後の相関でみると,その最も低 い両足立ちの離関係数は0.294となり,その変動にはおよそ30%近くの誤差が入っているとみ るべきである。さらにその面積は当然多く見積られ,平均値でみると両足立ちでは150.6%,

左足立では98・3%,右足立では103・8%も余分に見積るので,それを承知しておく必要がある。

A方式は数値を求める方法が非常に簡便であり,重心位置も求めやすいという特徴をもつ。

一方B方式は斬跡パターンの外縁より外の誤差面積が入らずA方式よりは正確であるが,プラ ニメーターなどで計測するため数値を求めるのに手数がかかる。さらにB方式で重心位置を求 めるには田口(1977)や長山ほか(1979)の方法30)81)などを使用すべきであるが,その方法も やはり複雑である。したがって,OFTによる直立能力診断などスクリーニングテストとして の定量評価の場合にはA方式で充分に使用できると考えられる。しかし,身長または体重を独 立変量として回帰評価を行い,ある程度精密に検討しようとする時にはB方式を併用すべきで

あると思われる。

Table9 Correlation coefficients of the area of deflection between meth。d A and

methodB;(**)denotesthesamedi土ferenceasTable6byF−teSt.

3)両足立ちと片足立ちの比較

OFTのEGG解析値における片足立ちの解析値を,両足立ちのそれを基準として評価する ことがある4)82)。この方法は,片足立ち解析値に対して両足立ち解析値を独立変量とした回帰 評価をすることを示している。また両足立ちから片足立ちに負荷を変化してその影響を評価し ようとするものである。しかしその値がパーフォーマンスの評価として後者の目的に意味を持 つためには,両足立ちと片足立ちにおいて計測される機能が同じものであることが必要である。

まず回帰評価の観点からは相関が問題になるので,両足立ちと片足立ち時の相関を求め,

TablelOに示した。ここではより精密にという観点から,重心動揺面積についてはB方式を

(10)

TablelO Correlation coefficients of the area and length between one foot standing and

both feet standing,(*)and(**)denote

the same difference as Table6.

使用した。TablelOでは,両足 立ちと左片足立ちとの相関は動揺 距離だけにみられ,それも低い値 である。一万両足立ちと右片足立 ちとの相関はそれより高く,動揺 面積と動揺距離双方にみられた。

この結果から片足立ち時の解析値 を両足立ち時の解析値によって回 帰評価すること自体は,数値上可 能ではある。

4.因子分析

両足立ちと片足立ちの比較で取りあげた問題,両足立ちと片足立ちのEGG解析値は同じ機 能を測定しているのであろうか。また重心動揺面積と動揺距離とは異った機能を測定している のであろうか。これらの答をEGG解析値の田子分析によって数値の面から求めた。その方法 は/ミリマックス(Varimax)法で,データのうちで必要なものについては身長,体重補正およ び対数変換を施した。重心動揺面積についてはB方式を使用した。また位置解析値は定性的な データであり,直接平衡能を示すものとは考えにくいので,測定項目すべてにひとつの共通因 子があると考える主因子分析を行わず,バリマックス基準(Varimax criterion)により直接回 転後の因子行列を求めた83)。

一応予測される因子と してほ,位置・面積・距離・片足立ち増減率・両足立ち・左片足立 ち・右片足立ちの7つの因子であろう。これらの因子が分離抽出できれば,これまでのOFT の解析は妥当であったといえる。なお,ここでは考察の候のためTable2でつけた各項目の番 号をつけなおした。

TablellはEGG解析値の相関行列である。またTable12は,各因子行列で単純構造を得 るため,各因子とEGG解析値の変量との相関係数の2乗の分散が最大になるように求めた各 変量への重みづけの行列である。この分散を/ミリマックス基準という。Table13は得られた

因子行列である。また各項目の第Ⅴ因子までで求めた共通性(communality)と全分散に対す る各因子の貢献量(amount ofcontribution)およびその貢献度(degree ofcontribution)も 示した33)34)。なお,とりあげた各因子は,貢献量がほぼ1.0以上のものであり,その解釈のた め使用した国子負荷品は,因子に対する貢献度が30%以上,すなわち0.547以上のものであ る。第1因子から第Ⅴ因子までで全分散の71.5%を説明し,第Ⅶ,第Ⅷ,第Ⅹ因子を加えると 87.2%を説明していることになる。また,12回転以後のバリマックス基準はほとんどゼロ(≦

0.001)に収束した。

Table13をみると第Ⅰ因子では10,13の因子負荷量が高く,左片足立ち因子とみることが できる。第Ⅰ因子は,8では正,7と9では負の因子負荷量が高く,両足立ちと左右片足立ち の動揺位置がなす角度を示す位置因子といえる。第Ⅲ因子は11,14に因子負荷量が高く両足立 ち因子とみることができる。第Ⅳ因子は1,2,3に高い因子負荷量を示すので,Y方向位置 因子ということができよう。また第Ⅴ因子は,12,15で高い因子負荷量を示し,右片足立ち因 子ということができる。ここで共通性についてみると,4,5,6の項目は共通性が1ケタ低 く独自性が強い項目と考えられる。これらは第Ⅶ,Ⅶ,Ⅹ因子として単独項目因子が抽出され た。また1〜3の共通性が他の平衡機能を示す項目と同じ程度の値を示しているので,Y方向 の位置因子は,ある程度能力的な意味あいをもつものと考えられる。

(11)

Withlogarithm except TSIJ,

GLY GNY GRY GLX GNX GRX

∠A 81 ∠B

910111213141516171819

∠C

SLRB慧蒜慧還禦㌫

and then this matrix was computed・

1.川11

0.436  1.000

0.683   0.405  1.000

−0.076  −0.019  −0.045  1.㈱

−0.062  −0.073  −0.091 −0.170  1.0(M 0.148   0.164   0.171

0.584  −0.384   0.330

−0.435   0.439  −0.482 0.288  −0.454   0.571 0.(泊5  −0.150   0.010

−0.030   0.161  0.049 0.(Xは   0.089   0.072 0.056   0.021  0.054 0.003   0.185   0.061

−0.(X)2   0.078   0.041 0.034  −0.231 −0.032 0.020  −0.086   0.013 0.047  −0.158  −0.022 0.(X)9  −0.117  −0.030

1      2

term

0.064   0.080  1.(X氾

−0.198  −0.209 0.130   0.025

−0.067   0.091

−0.027  −0.092

−0.043  −0.163

−0.120   0.019

−0.018  −0.028

−0.042  −0.113

−0.093   0.1(X)

0.010   0.059

−0.037   0.162 0.040   0.080

−0.021  0.201

−0.029   1.0(X)

0.018  −0.825  1.(XX)

−0.024   0.632 0.129   0.1誹)

0.022  −0.084

−0.005  −0.051 0.153   0.044 0.152  −0.088 0.208  −0.078 0.060   0.215

−0.028   0.033

−0.015   0.132

−0.006   0.029

ー0.870  1.(X旧

−0.188   0.084 0.075  −0.119 0.112  −0.082

−0.060   0.005 0.063  −0.089 0.090  −0.080

−0.208   0.152 0.017   0.050

−0.126   0.092 0.004   0.022

1.αX)

0.024  1.0(旧 0.293   0.198 0.737   0.034 0.210   0.603 0.417   0.099 0.734  −0.628 0.177  −0.616 0.436  −0.487 0.112  −0.550

4     5     6     7

1.0(X)

0.242  1.000 0.552   0.422 0.540  −0.277 0.179  −0.340 0.606  −0.593 0.190  −0.686

13     14

1.000 0.233 0.431 0.096 0.366

15

1.(X沿

0.573  1.αX)

0.692   0.413 0.479   0.703

16     17

8      9     10    11

1.αX)

0.293 0.243 0.683 0.092 0.598 0.011 0.299

1.000

0.690  1.腑)

18    19

On e  F0 0t Te st  e 8

AU

(12)

Table12 Weight matrix from Varimax criterion.

以上の結果,重心位置の因子ではY方向因子と角度因子,そして重心動揺の因子としては両 足立ち因子と左右の片足立ち因子を抽出することができた。またⅩ方向の位置特性については,

個々の単独項目因子が抽出された。しかし動揺面積と距離および片足立ち増減率の因子は抽出 されなかった。したがってOFTのEGG解析値の中で,動揺面積と距離は独立した因子では なく,直立能力を定量評価する場合には,どちらか一方ですますことができると考えられる。

さらに,これまでの検討結果からみて動揺距離を使用する方がよいと考えられる。ただし,山 内(1977)のパーキンソン氏病例85)86)のように,動揺面積が正常値より小なるにもかかわらず,

動揺距離が非常に長いというような特性を検出するためには,両者とも必要であると考えられ る。また位置解析値については,それぞれの独自性が強く,直立能力の定性的なデータとして 測定しておく必要があると考えられる。ただY方向の位置については,GNYひとつですます

ことも場合によっては可能と思われる。

ここで片足立ち増減率についてみると,第Ⅰ因子では16,18の因子負荷量が高い。第Ⅲ因子 では16〜18の因子負荷量が,重みづけが低いにもかかわらず比較的高い値を示し,19では重み づけも因子負荷量も高い。さらに第Ⅴ因子の17では,重みづけもやや高く,比較的高い因子負 荷量を示している。以上の結果は片足立ち増減率における解析値の変動が,両足立ちと左右片 足立ち因子にまたがり,独立した変動ではないことを示している。一万両足立ちと左右片足立 ちの因子はそれぞれが独立しているので,生理学的には異った機能を測定していることを示唆 している。したがって片足立ち増減率自体はパーフォーマンスとしての独立した意味を持ちに くいということになる。すなわち,片足立ち増減率はよほど目的と根拠が明確でないかぎり使

(13)

Table13 Factor matrix.

factorI factorⅢ factorⅣ 1  GLY

2  GNY 3  GRY 4  GLX 5  GNX 6  GRX 7   ∠A 8   ∠B 9   ∠C lO SLRB ll SNRB 12  SRRB 13  TSL 14  TSN 15  TSR 16 ILSB 17 IRSB 18  ILT 19  IRT

0.022

−0.117

−0.014

−0.002

−0.023 0.111 0.137

−0.140

−0.059 0.918

−0.202 0.221 0.875 0.019 0.416 0.841 0.315 0.707 0.314

−0.496 0.404

−0.562 0.128 0.036 0.020

−0.851 0.967

−0.918

−0.056 0.056 0.094 0.052 0.063 0.114

−0.092 0.014

−0.030 0.026

−0.006 0.124 0.050

−0.023

−0.172 0.093

−0.024

−0.014

−0.039 0.227 0.724 0.025 0.181 0.925 0.117

−0.334

−0.594

−0.586

−0.858 amount of

contribution degreeof contribution

(%)

士actor V the others 0.765

0.886 0.706

−0.034

−0.070 0.188 0.(X)3 0.054

−0.087

−0.052 0.025 0.081 0.087 0.052 0.069

−0.058 0.024 0.010 0.014

−0.012 0.002 0.070

−0.121 0.062

−0.002

−0.010 0.052 0.005 0.079 0.165 0.946 0.105 0.268 0.705

−0.052 0.595

−0.156 0.291

−0.%7(Ⅷ)

一0.977(Ⅶ)

0.961(Ⅹ)

0.832 0.977 0.822 0.033 0.040 0.057 0.744 0.961 0.855 0.906 0.596 0.960 0.820 0.934 0.702 0.833 0.807 0.869 0.920

用しない方がよいと考えられる。

さて,直立時人体の重心動揺は,直接的には身体各部位の動揺に起因するものが主成分であ る87 88)39)が,その制御に関与してくる生理機能は,両足立ちと片足立ちの場合では異るものと 考えられる。そのことに関し,左片足立ちと両足立ちおよび右片足立ちの各因子が抽出された

ことは重要である。猪飼(1944)は頭頂動揺の目差変化を記録している40)が坂口と角田は重心 動揺距離については午前と午後の有意差はないものと考察した20)。しかしこれは程度の問題で,

INAMURA&AMAGISHI(1977)が1名の正常男子ではあるが,パワースペクトル分析により,

重心動揺面積(A方式)の日内リズムを抽出している82)。その日内リズムでは,両足立ちの動 揺面積における早朝の立ち上りが片足立ちのそれより早く,その両足立ちの経過は,大島(19 73)の示したフリッカー値の経過(午前2〜4時最低,午前10時に最高レベルに達する)とは

ば一致していたH)。一方筋機能における日内リズムの立ち上りほ,一般にこれよりは遅い(午 前6〜8時が最低,14時〜15時最高レベル)と考えられている42)43)44)が,INAMURA&AMAGI SHIの抽出した片足立ち動揺面積の経過はこれとまたよく似ていた。したがってここで示され

た片足立ちEGG解析値は,姿勢制御系の中でも筋機能の働きを多く反映し,両足立ちのそれ は筋機能以外,主として神経系における中枢性制御の働きを多く反映しているものと推察でき る0 このことは,片足立ち時における体重の負荷が筋系に加ってくるので当然の生体反応とみ ることができよう。

平沢(1976)をはじめとして幾つかの研究は,両足立ち直立姿勢における重心の制御では,

(14)

距腿関節が重要な基軸としてのSteadyな setting point であること,また身体の上部と下部 では動揺が興り,第Ⅴ腰椎がその調節のStabilizer point であること,さらに両足立ち時には 左足を支持脚としていることを明らかにしている1)45)〜48)。本研究においては,TablelOで重 心動揺面積と動揺距離における両足立ちと右片足立ちとの相関が高く,両足立ちと左片足立ち との相関が低かった。これは両足立ち時には右足の制御の結果が,両足立ち重心動揺に反映し てくることを示唆している。またTable6では,重心動揺面積と動揺距離における身長および 体重への相関が,両足立ちと右片足立ちの解析値でみられ,左片足立ちではみられなかった。

それは,身長(表面的にはRombergの足位)と体重の負荷条件が,制御を行っている右足に 影響を及ぼすこと,左足は支持作用が主であり制御にはあまり関与しないので,その負荷の影 響が現われてこないことを示唆している。このことは,平沢その他の説を,数値の面から裏づ

けたことになると考えられる。

以上,木研究の結果からみて,OFTは両足立ちと左右片足立ちでそれぞれ興った意味あい の静的平衡能を測定するパーフォマンステストとして,有用な検査であるといえる。またその データ分析のはしらとしては,重心動揺位置と動揺距離の解析が重要であると考えられる。

Ⅳ ま と め

建康な男子学生1(泊名についてOne Foot Testを開眼で実施し,その垂心動揺解析値を検 討したところ次の結果を得た。

(1)垂心動揺解析値のうち重心動揺面積と動揺距離および片足立ち増減率の解析値が対数正 規分布を示した。但し左足立ち動揺距離は除く。

(2)それらの解析値では,対数変換によりその散布度が小さくなるので,その再現性は確保 できると思われる。

(3)OneFootTestおよびそれに類似したした重心動揺検査では,両足立ち動揺面積および 動揺距離を身長で補正することが妥当である。また右片足立ち動揺面積は,体重で補正した方 がよい。基底面については,その変動範囲が大きい場合に考慮する必要がある。

(4)重心動揺面積の算出方法は,Ⅹ方向とY方向における最大振巾の積を求める方法でも充 分に使用できるが,外縁線を曲線で囲む方式の方がより精密である。

(5)両足立ちの動揺面積または動揺距離を基準として,片足立ちのそれらを評価することは,

意味づけが明確でないかぎり行うべきではない。

(6)因子分析の結果,それぞれ独立した因子として左片足立ち因子,角度位置因子,両足立 ち因子,Y方向位置因子,右片足立ち田子,および左片足立ちⅩ方向位置因子,両足立ちⅩ向 方位置田子,右片足立ちⅩ方向位置因子がみいだされた。

(7)因子分析の結果,位置因子は独自性が強く,動揺面積と動揺距離および片足立ち増減率 は互いに独立ではなかった。直立能力の定量評価のためには,垂心動揺距離を主として使用す るのが適切である。

(8)単相関係数による検討と因子分析の結果から,両足立ちと左右片足立ちに関与する機能 はそれぞれ異ることが示唆された。またその結果から,直立両足立ち時における人体の重心制 御では,左脚が支持作用をまた右脚が調節作用をしていると推察できた。

以上の結果からOne Foot Testは再現性があり,直立能力あるいは静的平衡能を測定する パーフォーマンステストとして,有用な検査であることが示された。

(15)

欄筆にあたり,因子分析法について御助言をいただいた本学教育学部教授飯田頴男氏に深甚 なる謝意を表します。

Ⅴ 文   献

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