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検定教科書 (外国語科 (英語))を通 して見た中高問のギ ャップ

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(1)

埼玉大学紀要 教育学部

,5 6( 2):7 3‑8 0( 2 00 7)

検定教科書 ( 外国語科 ( 英語) ) を通 して見た中高問のギ ャップ

及川 賢 *

キー ワー ド :英語教育 中高連携 教科 書分析

1.は じめに

ここ数年、英語教育界で もっとも大 きな話題 といえば公立小学校 における英語の必修化問題 であろう。必修 にすべ きか どうか という議論 と ともに、必修化 した場合の問題点 などがさまざ まな機会で論 じられている。時間数の確保、教 材の質、力量ある英語教員 (含外国人講師)な

どテーマに事欠かないが、大 きなテーマのひと つに 「小 ・中学校の連携」 も挙げ られている。

現在の学習指導要領下では小学校の英語は総合 的な学習の時間のひとつの領域の中のさらにひ とつの活動 として位置づけ られているため、実 施 している小学校 とそうでない小学校の両者が 存在する。 また、実施 しているに しても、毎週

1

時間実施 しているところもあれば、 1学期に

1

時間というところもあるため、中学入学時の 英語に関する生徒の実態はまさに千差万別であ る。そのため、同 じ地域の小中学校が連絡を密 にす るなどの連携の必要性が叫ばれている

連携 という観点で見 ると、大学入試を視点 と した高校 ・大学の連携 も大 きな話題のひとつで ある。「英語が使 える日本人」 の育成のための 行動計画の中に入試改革があげ られていること か らも推測で きるように、高校、 さらには中学

書 埼玉大学教育学部 英語教育講座

校への影響力は絶大なものがある。そのため、

大学入試の改善を求める声 は止むことがない。

例えば、英語教育関係者に読者が多い 『英語教 育』誌で も大学入試に関す る記事は毎年のよう に掲載 されていると言って も過言ではない。記 憶 に新 しいところでは、『英語青年』の2006

4

月号で 「大学人試問題 を批評する」 という特 集が組 まれ、大学入試が高校での英語教育に与 えている影響 などが論 じられた。

本稿で取 り上げている課題は中学校 と高校の 連携である。 この話題 も昔か ら大 きなテーマで、

関連の学会や研究会でのテーマとなることもし ば しばであ り、 また、関連の文献 も数多 く見 ら れる。

今回特 にこのテーマを取 り上げた大 きな理由 は、筆者が平成

1 8

年度か ら20年度 までスーパ ー ・イングリッシュ ・ランゲージ ・ハイスクー

( Su p e rEn g l i s hLa n g u a g eHi ghS c h o o l

、通 称 「セルハイ

( SELH i ) 」 )の指定を受けた埼玉

県立春 日部女子高校の 「スーパー ・イングリッ シュ ・ランゲージ ・ハイスクール」運営委員を 仰せつかっているためである。同校の研究課題 は 「中高ギャップを埋め、生徒のモチベーショ ンを高める英語基礎力指導についての研究〜中 高間の効果的ブリッジ指導について

」であ り、

現在同校では日々実践 と研究が繰 り返 されてい る。

(2)

中高間のギャップは、前述のように、すでに いろいろなところで取 り上げられている話題で あるが、その多 くは問題点を指摘 し、その解決 法を提案するという手法で進められている。 し か し、解決方法 を提示 ・提案するには、 まず現 状 を正 しく把握することが先決である。中高の ギャップとい う課題であれば、 まずは、そ もそ も中高問にギャップが存在するのか どうか、 さ らには、そのギャップが どの程度の ものである のかを明 らかにす ることが、解決策を探 る第一 歩 となる。

そこで、本稿では、その基礎 データとして、

中学校で使用 されている英語教科書 と高校で使 用 されている教科書の特徴を難易度、長 さなど の観点か ら調べ、ギャップが存在するのか どう かを明らかにすることを目的 とす る。

2 .

中高間の ギ ャップに関す る文献

前述のように、中高のギャップに関する文献 は数多 く存在するが、そのほとんどが高校入試 批判 とい う形 をとって、「高校入試間蓮作成者 は中学校の現状 を理解 して欲 しい」 という訴 え になっている。代表的なところでは、東京都中 学校英語教育研 究会 (通称 「都 中英研」)が昭 和50年代か ら10年以上 にわたって 『英語教育』

誌に毎年の ように掲載 した入試問題批判が挙げ られる。 また、松沢

( 1 99 7)や菅 ( 2 0 00)

も高 校入試問題の傾向を分析 しなが ら、その改善を 求めている

生徒の学力 とい う観点か らはややずれるが、

( 1 9 9 9)は中学校 ・高校の英語教師各1

0名に 簡単なアンケー トを実施 し、文法指導 など複数 の観点で中高問にギャップが見 られると報告 し ている。

中学校 と高等学校での英語文法用語の使用に 関する実態 を調査 した ものにTakeuc

hi( 2 007)

がある。 この論文は、中学を卒業 して高校 に入 学 した学習者が文法用語の多 きに苦労 している という実態に基づ き、中学校で実際に指導 して

いる文法用語 と高校英語教師が中学校 に指導 を 期待 している文法用語、具体的には、学習者が 中学卒業時までに習得 してほ しい文法用語は何 かを調査 した ものである。中学校 と高校の英語 教師

1 0 8

名 (中学校 :

7 6

名、高校

3 2

名)か ら返 答があったアンケー ト結果をもとに統計的手法 を用いて分析 した ところ

、1 2 0

の項 目で有意差 が算出された。すなわち、中学校では指導 して いないが、高校側 は指導 しておいて欲 しいと考 えている文法用語がかな り多い ということが明 らかになった。

しか し、前述の ように、学習者が実際に触れ る英語そのものを調査 した ものは見あた らない。

そこで、本稿は学習者が英語学習においてもっ とも使用頻度が高い と思われる検定教科書の本 文を分析することで、中高間にギャップが存在 するのか どうかを考 える資料の一部 としたい。

3 .

調査

3 .

1

.

日的

本稿の 目的は、中学校および高等学校で使用 されている検定教科書の本文 を質的、量的側面 か ら分析することにより、両者の間にギャップ が存在するのか どうかを明 らかにすることであ る。 ここで言 う質的側面 とは本文の難易度、一 文あた りの平均単語数、‑単語あた りの平均文 字数 を指 し、量的側面 とは、各課の稔単語数を 指す。

3 . 2 .

分析対象

中学校の検定教科書で対象 としたのは平成1

4

年度版の

NEW HORI ZON、SUNSHI NE

TOTALENGLI SH

3

種類である。現在公立 中学校では平成

1 8

年度版を使用 しているが、今 回の研究の背景 となった春 E]部女子高校の

1

生が使用 していた教科書は平成

1 4

年度版である ため、そちらを対象 とした。平成1

4

年度版の中

(3)

学校の検定教科書は

6

種類あるが、このうち、

採択数

1

位である

NEW HORI ZON

と2位 の

SUNSHI NE

を対象 と定めた。第

3

位の

NEW CROWN

は県内で も採択 されているが、秩父方 面での採択が多 く、同校の

1

年生が中学校

3

生時代 に使用 していた可能性は極めて低いため、

対象 とはしなかった。一方

TOTALENGLI SH

は、採択数の順位が

4

位ではあるが、対象 とな る生徒の多 くが居住 している埼玉県東部で数多 く採択 されているため、分析の対象 とした。

一 方 、 高校 の教 科 書 は

、UNICORN

cROWN、PRO‑ VI SI ON

3

種類 を対象 とし た (いずれ も英語

I)0 UNI CORN

は春 日部女 子高枚で現在使用 されているため、分析の主対 象である。「高校英語」 として一般性 を高める ため、他に

2

種の教科書 (上記)を加えたが、

この

2

種 を選択 した理由は、両者が多 くの進学 校で使用さていると考えられるためである (

1)。

分析の対象箇所はリーディングが中心 と考え られるいわゆる本課のみ とした。近年の教科書 はかつてのように読むことを中心 とした英文の みで構成 されているわけではな く、会話 を中心 としたセクションや活動 を中心 としたセクショ ンなどバラエティーに富んでお り、中には分析 が困難な箇所 もあるためである

3 .3 .

分析観点

次 に、各課を以下の観点か ら分析 した。

1)Le xi l eme a s ur e 2

)一文あた りの平均単語数

3

)‑単語あた りの平均文字数 4)総単語数

Le xi l eme a s ur e

は文章の読みやす さを測定す る、いわゆるリーダビリティ公式である。数あ る公式の中で、この公式 を使用するのは、 この 公式が難易度の測定に語桑の頻度を取 り入れて

いるか らである。多 くの公式は語数や文の統語 情報を基準 に産出されているが、テキス トの難 易度を測定す る上で語嚢的要素 を排除すること は不可能であろう

。Le xi l eme a s ur e

は統語情報、

すなわち文の複雑 さ (請 (旬)同士の修飾 ・非 修飾の関係)のデータのみでな く、独 自の コー パスを使用 して、語嚢的要素 も加えているため、

より安当性が高い と考え られる。なお

、Le xi l e me a s ur e

に関する情報は下記のサイ トが詳 しい。

( ht t p: / / www. l e xi l e . c o m ( 2 0 07

3

月3

0

日現在)) 一文あた りの平均単語数は文の長 さを測 る指 標 にな りえる。文の長 さが長 くなれば、語 (句) 同士の修飾 ・非修飾の関係が より複雑になると 考えられ、ひいては、 より高度な統語処理を求 めることになる。

‑単語あた りの平均文字数は単語の長 さを測 定する指標である。英語学習 レベルが上がるに つれ、長い (文字数の多い)単語が出て くると 予想 されるが、中高間でその差が存在す るのか

どうかを見ることがで きる。

稔単語数は文章の長 さを測定する指標である。

全体的に見て、高校で扱 う教材のほうが長いこ とは疑いのないところであるが、その差が大 き いか どうかを数値で検証する。

なお、本稿 では 1)‑ 3) を質的観点、4) を量的観点 と捉 えて分析 を進める (

2

)0

3 . 4 .

結果

分析結果を観点ごとに提示 してゆ く。なお、

表中の略語の意味は以下の通 りである

NH :

NEW HORI ZON

S

S: SUNSHI NE ,

TE:

TOTALENGLI SH

UNI:UNI CORN CRN:CROWN, PRO: PRO‑ VI SI ON

また、数値 に空欄が数カ所見 られるが、 これ は教科書 ごとにレッスン数が異なるためである

(4)

1)Lexi l emeasur e

中学校 と高等学校の検定教科書 (合計

6

種類) の各課のLexi

l emeas ur e

は以下の とお りである

(図 1)0

教科書ごとに課の数が異なるため、単純な比 較 は難 しいが、中学校の後半 と高校の始めの部 分 をみると、数字 に差が見 られる。 より変化 を 見 やす くす るため、 6種類 の教科書のLexi

l e meas ur e

の変化 を

1

つのグラフにまとめると図

2

の ようになる。

全体的に見て、中学校 と高校の傾 きはほぼ同 じと考えられるが中学か ら高校 にかけて着実に 難易度が上がっていることがわかる。中学

3

生の最後 と高校

1

年生のは じめの差はそれほ ど 見 られないが、 これは、 どの中学校教科書 も

3

年生の最後に長文 をおいているためであると思 われる。 これを除いて考えると、やは りギャッ プは存在すると考 えてよいだろう。

2)一文あたりの平均単語数

対象検定教科書の各課の一文あた りの平均単 語数は以下の とお りである (

3

)。

この変化 を

1

つのグラフに表 した ものが以下 の図

4

である。

中学校 と高校 の傾 きはほぼ同 じであるが、着

実に上昇を続けている。 この点はLexi

l emeas ‑ ur e

と同様の傾向だが、Lexi

l emeas ur e

の中に 統語的要素が含 まれている点 を考えれば当然の ことであろう。一文が長 くなるということは、

文に含 まれる語句同士の修飾 ・被修飾の関係が 増す可能性が高 く、 より複雑 な構文が増 えてい ると捉 えることがで きる

3)一単語あたりの平均文字数

対象検定教科書の各課の一文あた りの単語数 は以下の とお りである (

5

)。 ここでは、中 学校 と高校の間に大 きな変化 は見 られない。

また、 この変化 を

1

つのグラフに表 したもの が図

6

である。

中学 NH

3 40 2 1 80 32 2 3 0 380 400 35 4 5 6 0 35 7 0 360 8 9 SS 28 0 47 0 5 0 45 0 2 90 3 9 0 5 5 0 55 0 52 0

TE

38 0 26 0 400 38 0 62 0 63 0 69 0 6 00 41 0

高校 UNl

68 0 61 1 0 96 2 0 77 3 4 0 91 5 0 8 0 0 75 6 0 91 7 8 0 89 0 56 9 1 0 0 1 05 ll 0

CRN

72 0 7 6 0 7 9 0 9 00 800 5 6 0 69 0 67 0 95 0

1 L e x ‖ eme a s ur e

(5)

中学 NH

6. 1 1 5. 8 2 6. 3 6 7. 4 5 7. 5 1 5. 6 5 6. 7 3 6. 8 7 9 SS 5. 7 6. 3 6 7. 5 6. 5 7. 8 8 9. 3 8. 1

TE

6. 1 4. 6 7 6. 6 9. 3 1 0. 2 9 8. 8 6. 9

書校 UNⅠ l

l . 8 1 9. 2 9

l

l . 3 9 1 0. 4 9 1 3. 5 5

l

l . 6 7

l

l . 6 1 7 4. 8 1 1 9 4 9. 1 0 7 1 6. ll 3

r司 CRN

8. 7 1 3 1 2. 1 1 3. 4 1 4. 6 8. 8 1 0. 3

l

l . 6 1 4. 3

PRO

8. 8

l

l . 5 1 6. 8 1 0. 8 9. 7 1 3. 3 1 3. 6 1 3. 5 1 6. 5 1 0. 2 1 0. 2

図 3 一文 あた りの平均単語数

中学 NH

4. 2 3. 1 2 9 4. 3 3 3. 4 8 4. 5 1 4. 6 2 4. 7 1 4. 8 2 9 SS 4. 1 4. 1 3. 7 4. 2 3. 9 4. 3 4

.

4 4. 3 4. 1

TE

3. 9 4 3, 8 4 4. 2 4. 2 4. 1 4 4. 2

高校

1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 ll

CRN

4. 1 3. 9 4. 7 4. 5 4. 2 4. 1 4. 3 4. 1 4. 3

PRO

4. 2 4. 1 4. 1 4. 5 4. 4 4. 3 4. 6 4

.

4 4

.

4 4. 1 4. 1

図 5 ‑単語 あた りの平均文字数

(6)

中学校 と高校 の傾 きはほぼ同 じである。高校 では新 出語嚢が増 えて くるが、語嚢の難 しさは 長 さのみでは測れない ということを表すデー タ と考え られる。英語の場合、 日本語 と比較す る と、基本語 となる短い単語ほ ど意味が広 く、そ の意味の全貌 を しっか りと捉 えることが難 しい。

また、本稿では調査対象 となっていないが、 コ ロケーシ ョンや連語が増 えていることも考 え ら れ るので、今後の課題である

4)播単語数

対象検定教科書の各課の稔単語数は以下の と お りである (図 7)。

中学校 と高校での数値 に明 らかな差が見 られ

るが、 よ りわか りやす くした ものが図

8

である。

中学校 の傾 きに比べ、高校 の傾 きの方が大 き いことがわかる。つ ま り、分量の増 え方が加速 度的になっていると言 うことがで きる。 この変 化は難易度 よりも大 きな変化 と考えて よいだろ

。Le xi l eme a s ur e

の ところで も述べたが、中 学校の教科書 は、 中高のギ ャップを埋め る橋渡 しの役割 として、最後 に長めの リーデ ィング教 材 をおいているが、 これを除いて考えると、中 学校

3

年生の最後 と高校

1

年生の最後の差 は さ

らに大 きくなる もの と思 われる。

4 .

考察

本稿では、中学校 と高校 それぞれで使用 され

中学 NH 153 11 82 12 71 278 13 4 550 196 16 50 4207 8 9

SS

207 204 204 257 230 229 248 244 418 TE 215 198 318 386 206 287 343 330 430

音校 UNI 343 238 565 675 551 2 3 4 4 578 715 6 74 688 631 692 18 9 10 01ll6 同 CRN 530 664 605 649 659 872 872 752 792

7

総単語 数

(7)

ている検定教科書の本文を分析 した。その結果、

以下の点が明 らかになった。

1)Le xi l eme as ur e

と一文あた りの平均単語数 では中高間のギャップが見 られる。 しか し、

3

最後 と高校

1

年は じめのギャップは、

あまり大 きくない。一因として、中学校教 科書最後にある橋渡 し的教材の影響が考え

られる。

2

)‑単語あた りの平均文字数には中高間でギ ャップは見 られない。

3

)一課あた りの稔単語数は、中学校

3

年終盤 と高校 1年生開始時期の教科書本文には開 きがあ り、その増 え方は高校の方が大 きい。

この結果を質的観点、量的観点か ら捉えてみ ると、今回の調査では、質的変化 と量的変化の 両方が現れたが、特に、量的変化のほうが大 き い ことがわかる。つ まり、中学校で検定教科書 を中心 に勉強 して きた学習者は高校の教科書で 勉強を始めると、量が増えることにより負担 を 感 じている可能性が示唆 される

この量的変化への対処法 として様々な実践が 可能であるが、近年英語教育界で実践例が増え ている多読指導が注 目に値す る。多読は文字通 り多量の英文を読むことで英語力の向上を図る 指導 ・学習方法である。多読 は英語力その もの

が伸びるという報告 はもちろんだが、長文 を読 む ことが怖 くな くなったという報告 も多い ( しくは

Da y & Ba mf or d ( 1 9 98)

や及川

( 2 00 0)

参照)。 また、

「 1 00

万語多読」 で知 られ る

S S S

英語学習法研究会や伊藤

( 2 0 03)

などで も、学 習者の レベルにあった易 しめの英文 を大量に読 むことをが、英語力向上につながるとの提案が ある。高校入学直後に学習者 と同等か下の レベ ルの本 を多量に読むことで、まず量に慣れるこ とが、変化の大 きな中高のギャップに対応で き る効果的な対策 となるのではないだろうか。 も ちろん、 これは高等学校のみに課 された課題で はな く、中学校においても量を意識 した指導が なされるべ きである。今後は実践 を通 じて、 こ ういった方法が効果的か どうかを検証するとと もに、学習者が どの ような負担 を感 じているの かなどの心理面の検証 も必要であろう。

5 .

おわりに

本稿では、中学

3

年生が使用 している英語検 定教科書 と高校

1

年生が使用 している英語検定 教科書の本文を難易度、一文あた りの平均単語 数、一語あた りの平均文字数、給語数を比較す ることで、中学校 と高校それぞれで学習する英 語にギャップが存在するのか どうかを検証 した。

分析 の結果、難易度、一文あた りの平均語数、

(8)

総単語数 に差異が見 られたが 、特 に稔単 語数 に お いて 中高のギ ャ ップが大 きい こ とが 明 らか に なった。す なわ ち、質 的変化 よ りも量 的変化 の ほ うがやや大 きい とい う結果 で あ る。 また、 こ の変化 に対応 で きない生徒へ の対処 法 の一つ と して多読指導 に注 目 した。今 後 は さ らにデー タ 量 を増 や し、 中高 間のギ ャ ップに関す る実態 を よ り正確 に把 握 してゆ くことが必要 で あ る とと もに、 そのギ ャ ップに対応 で きる指導方法 を確 立 してゆ くことも急務 であ ろ う。

( 注 1)中学校の検定教科書は広域採択制のため、

地区ごとの採択数を把握 することがで きる が、高等学校 は学校単位の採択のためか、

どの学校が どの教科書 を使用 しているかを 示すデー タは存在 しない。今回 も各方面に 問い合わせたがデータは存在 しなかった 。

UNI CORN 以外 の 2 冊については、複数の 教科書会社 に個別に電話で尋ねて確認 した ものである。ちなみに、英語の検定教科書 の売 り上げ順位の最新データは F 内外教育』

の 2 0 0 7 年 1 月 1 9 日号に掲載 されている。

( 注 2)Le xi l emea s ur e はオ ンライ ン上で分析が可 能である ( URL は本稿 の本文 中にある)。

その他の指標 は Mi c r o s o f tWor d2 0 0 3 年版で 産出 した。

参考文献

伊藤 サ ム ( 2003) 『英語 は 「や さ し く、 た くさ ん」 一中学 レベルか ら始め る 「 英語脳」 の育 て方』 ( 講談社インターナシ ョナル).

及川賢 ( 2 0 0 0) 「 多読を中心 とした リーデ ィング指 導の個別化 」 『山梨医科大学紀要 』 第 1 7 巻, pp. 1 1 3 ‑ 11 8.

桂邦彦 ( 1 999) 「英語教 育 における連携 のあ り方 連携の根底 に共通理解 としておかなければな らないもの 」 F 英語教育

』(

7月号) ,pp. 2 6 ‑ 2 8 . 曹正隆 ( 2 0 0 0) 「 本 当にこれで良いのか、入試 ( 前) 高校入試は変 わったか ? 」 『 英語教育』 (8月

%) ,pp. 4 4‑ 46.

東京都中学校英語教育研究会 ( 1 9 8 8) 「 英語教育を ゆがめない入 試 を 昭和 61 年度高校入 試英語 問題を調べて 」 F 英語教育』 ( 1 1月号) ,pp.36 ‑ 38.

松沢伸二 ( 1 997) 「 新 カ リキュラム下での高校入 試 ‑どう変わったか ・どう変わるか ‑ 」 『 英語 教育』 (9 月臨時増刊号) ,pp.1 0 ‑ 1 5.

Day,Ri char d R.andJul i anBamf or d ( 1 998) Ext e ns ) ' v eRe ad L ' ngL ' nt heSe c o ndLa ngu a ge Cl a s s t ・ o o m,Cambr i dgeUni ve r s i t yPr e s s . Ta ke uc hi ,Nor i mi( 2 0 07)A Co mpa r i s o no H uni or

Hi gh SchoolTeacher sand Hi gh School Te a c he r sUs i ngaGr a mma t i c a lTe r mi no l ogy Que s t i onna i r e ,Unpubl i s he dMa s t e r ' sThe s i s . Sa i t a maUni ver s i t y.

調査対象 となった検定教科書

中学校 ( いずれ も中 3 用、平成 1 4 年度版) : NEWHOI UZON ( 笠島準‑他著、東京書籍) SUNSHI NE ( 島岡丘他監修、開隆堂)

TOTALENGLI SH ( 堀 口俊一他編、学校図書)

高校 ( いずれ も英語 Ⅰ用、平成 1 4 年検定済):

UNI CORN ENGLI SH COURSE ( 市川泰男他著、

文英堂)

CROWNENGLI SHSERI ES ( 霜崎賛他著、三省堂) PRO‑ VI S I ON ENGLI SH COURSE ( 原口庄輔他著、

桐原書店)

( 2007 年 3

月3

0 日提 出)

( 2007 年 4

月20日受理)

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