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PIB P’B/SIヨS

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Academic year: 2021

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(1)

ストーマケア用各種皮膚保護剤の比較 一水分に対する特性の面から一

宮下 弘子1

要 旨  6種類のストーマケア用皮膚保護剤(以下保護剤)について膨潤・溶解性,吸水性の比較検討を行 なった.親水【生ポリマーとしてsodiumcarboxymethyl cellulose(CMC)とKaraya gumを,疎水性ポリ マーとしてpolyisobutylene(PIB)を用いた保護剤(CKB系〉は膨潤の程度,吸水性ともに高かったが早 期に溶解がみられた.親水性ポリマーとしてCMCとペクチンを,疎水性ポリマーとしてPIBとStyrene−

Isoprene−Styreneblock copolymer(SIS)を用いた保護剤(CPBS系)は膨潤の程度,吸水性ともに最少で あった,親水性ポリマーとしてCMCとペクチンを,疎水1生ポリマーとしてPIBを用いた保護剤(CPB系)

4種は膨潤・溶解性,吸水性ともにそれぞれ異なった特徴がみられた.

      長崎大医療技短大紀8:71−73,1994

Key wor曲  :皮膚保護剤,膨潤・溶解性,吸水1生

1.はじめに

 近年ストーマケアのために多くの種類の皮膚保護剤が 開発されており,それらの保護剤のもつ特性について,

さまざまな視点から研究がなされている1)2)3)4)5)6)7).

今回入手可能であった6種類の二品型装具用皮膚保護剤

(以後保護剤と略す)について1991年に沼田らが報告し た物性試験6)を参考に膨潤・溶解性,吸水性の比較検討 をしたので報告する.

2.研究方法

 膨潤・溶解性の実験には保護剤をステンレス板に貼り,

バッグ内に生理食塩水200ccを満たし,保護剤の中心部 が常に生理食塩水にさらされている状態にした.24時間 毎に膨潤および溶解の状況を観

察し,原形状から変化した寸法  表1.

を測定した.

 吸水性の実験には保護剤を直 径30mmの円形に裁断し,剥離 紙をはがして重量測定した後,

生理食塩水に浸漬し,6時間後,

24時間後に取り出し重量測定を した.浸漬後の重量を浸漬前の 重量で除して吸水率を算出した,

 比較試料として使用した保護 剤を吉川らが提案している分類 法9)を用いて成分別に分類した

ものを表1に示す.今回使用し た試料をあてはめてみると,プ ロケアバリアーはCKB系,バ

リケア,クロスリンク,ニュースイスロール,プレフィー

ルはCPB系,デュラヘーシブはCPBS系となる.

3.結  果

 1)膨潤・溶解性

 内側膨潤の時間経過にともなう変化を図1に示す.C KB系のプロケアバリアーは膨潤が最も大きかったが72 時間をピークに溶解がみられた.C P B系の保護剤のう ち3種は,膨潤の程度はさまざまであるが,いずれも96 時間後までは溶解はみられず膨潤の程度は徐々に増して いった.しかし同じC P B系のプレフィールは膨潤のピー クが48時間後にあり,以後は溶解がみられた,C P B S 系のデュラヘーシブは浸漬による変化が最も少なかった.

比較試料の成分別分類

化学的構成 ゲ  ル ポ  リ マ ー ブ  レ ン  ド 親水性

ボ興一  疎水性ボ瞬一 なし

PIB P B/SIヨS

I S

カラヤガム

(KG系) 〔KB系)

カラヤガム/ぺ好ン (KPBS系)

CMC/カラヤガム (CKB系)

プロケアバリアー

CMC/ペクチン (CPB系)

バリケア クロスリンク

ニュースイスロール プレフィール

〔CPBS系)

デュラヘーシブ

CMC (CB系) (CS系)

(吉川らの分類酎にもとづき作成)

 ン  ド

CMClsodiumcarboxymethylceIIuIose PIB二polylsobutylene

SIS:Styrene−Isoprene Styrerヒe bIookcopoIymer

1長崎大学医療技術短期大学部看護学科

一71一

(2)

宮下 弘子

内 6 5 側  4 膨  3 潤  2

1

Q m m

 プロケアハリアー(CKB系)

 プレフィ ル〔GPB系)

 パリケア〔GPB系1

 ニコ スイスロ ル〔OPB系)

 クロスリンク〔CPB系1

 テユラヘーシフ(GPBS系)

24H千麦     48H 菱     72Hぞ蔓     96H千菱

      経過時間

図1.各種皮膚保護剤の膨潤・溶解性

 2)吸水性(表2)

 6時間後の吸水率が最も高かったのはプロケアバリァー であり,膨潤性の実験でこれに近い変化を示したプレフィー ルは,吸水性においても二番目に高い値を示した.しか しいずれも24時間後には溶解して測定不能であった.6 時間後の吸水率が最も低かったのはデュラヘーシブであ

り,膨潤性の実験でこれに最も近い変化を示したクロス リンクは,吸水性においてもこれと同様の値を示した.

これら4種の保護剤は吸水率の高いものは時間の経過と 共に溶解する傾向がみられ,吸水率が低いものは形態の 変化があまりみられなかった.しかし,他のC P B系の

2種の保護剤については必ずしもそのような傾向はみら れず,ニュースイスロールはもとの重量の6倍以上の水 分を吸収しながら溶解はみられなかったが,バリケアは

6時間後の吸水率が4位であったのに24時間後にはすで に溶解していた.

が,K CMは1004%と最も高い吸水率を示している。こ れらのことは親水性ポリマーの配合の仕方によって水分 に対する特性を任意に変化させられることを示唆してい る.今回の実験において使用した試料は親水性ポリマー

としてはKG+CMCが1種で他の5種はCMC+ペク

チンであった.同じ親水性ポリマーが配合されていても 膨潤・溶解性と吸水性に違いがみられたのは,ひとつに は親水性ポリマーの配合比率の違いであったと思われる.

また,疎水性ポリマーとしてのP I Bは可塑性体であり,

本質的には型崩れする傾向をもっているのに対し,S I Sは常温では弾性体であり,型くずれの傾向は少ないと されている8)。今回の試料の中で疎水性ポリマーとして S I Sを用いているものは1種のみであったが,これら 疎水性ポリマーの配合比率も膨潤・溶解及び吸水性に影 響を及ぼしていると思われる.

5.おわりに

 今回は水分に対する特性に焦点を絞り試料を比較した が,実際にストーマ用装具を選択するにあたっては,ス トーマからの排泄物の性状や量,ストーマ周囲の皮膚の 状況などを考慮した上で水分に対する特性だけでなく,

粘着力,剥離力,pH緩衝作用など多面的に検討を加え ていかなければならない.さらにはこれらの装具を長期 に使用した場合の皮膚の変化も併せて検討し,よりよい ストーマ用装具の提供を考えていくことが必要である.

 なお,本稿の要旨は第1回長崎ストーマリハビリテー ション懇話会において報告した.

表2.各種皮膚保護剤の吸水性

6H後 24H後

プロケアバリアー(CKB系) 567%

プレフイール(CPB系) 450%

ニュースイスロール(CPB系) 438% 669%

バリケア(CPB系) 392%

クロスリンク(CPB系) 191% 218%

デュラヘーシブ(CPBS系) 158% 258%

4.考  察

 ストーマケア用品に使われている親水性ポリマーとし てはカラヤガム,ペクチン,CMCなどがある.沼田ら が1994年に報告した実験7)では親水性ポリマー単一配合 保護剤の吸水性は,3時間の時点でカラヤガム(KG)

が317%,柑橘ペクチン(C P)が148%,CMCが120

%,リンゴペクチン(AP)が98%であった.また,複 数配合保護剤ではK G+C P (K C P)が157%,K G

+CMC(K CM)が433%であった.24時間の時点で はCMC単一配合の保護剤は崩壊して測定不能であった

文  献

1)高屋通子:人工肛門・人工膀胱用装具粘着剤の皮膚  生理機能に及ぼす影響一健常人皮膚における検討一.

 大腸肛門誌,1987,401900−906.

2〉田沢賢次,藤巻雅夫:ストーマ周囲の皮膚管理にお  ける基本的概念一皮膚保護剤の役割について一.日本  ストーマ会誌,1988,4:25−3L

3)吉川隆造,五十嵐正利,田沢賢次:各種皮膚保護剤  が皮膚に及ぼす物理的刺激の比較.日本ストーマ学会

 誌,1989,5:23−28,

4)田沢賢次,笠木徳三,勝山新弥,山本克弥,新井英  樹,島田一郎,竹森繁,藤巻雅夫,松本生子,水口志  賀子,島端久美子,江川アツ子:各種皮膚保護剤のp  H値と貼用時における皮膚表面pH値とその変化.日  本ストーマ学会誌,1989,5:39−45.

5)穴沢貞夫,ヂ太明,大塚正彦,片山隆市,石田秀世,

 桜井健司,沖倉元冶:カラヤを越える親水性ポリマー  を見い出し得るか.日本ストーマ学会誌,1989,5:46−

 52.

6)沼田悟,五十嵐正利,吉川隆造,田沢賢次:ストー  マ周囲の保護性に優れた新しい皮膚保護剤の開発.日  本ストーマ学会誌,1991,7:7−15.

一72一

(3)

ストーマケア用各種皮膚保護剤

7)沼田悟,久保善規,吉川隆造,穴沢貞夫,進藤勝久,

松本恵一,古畑哲彦:皮膚保護剤中の各種親水性ポリ マーの連続貼付による皮膚への影響.日本ストーマ学 会誌,1994,10:25−33.

8)吉川隆造,五十嵐正利,穴沢貞夫:皮膚保護剤の新  しい分類方法に関する一提案.日本ストーマ学会誌,

1990,6:9−14.

一73一

参照

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