伝良源撰
﹃金剛寿命陀羅尼経疏﹄
における延命思想の考察
大
谷
裕
欣
伝良i原撚 r1t剛寿命陀緩尼経疏』における延命思想、の考察はじめに
﹃金剛寿命陀羅尼経﹄とは、いわば延命を主眼とする内容で構成された経典、である。また、﹃金剛寿命陀縦尼 経﹄が日本密教において果たした役割は非常に大きい。それは、﹁普賢延命法﹂を担う所依の経典の一つに数え ① られることと、この修法が日本密教の中で最大の秘法とされる御七日御修法や延暦寺御修法における﹁五大法﹂ の一つであることを考えるのであれば、その重要性を窺い知ることは可能であろう。本経典をめぐる研究につい ② ては、密教における延命の諸形態に言及した栂尾祥雲氏の論考を始め、インド、中国、チベットにおける延命法 ③ の成立過桜を関連する経典の内容から整理した初崎正純氏による考察、或いは延命忠惣という観点から棺教にお ④ ける死生観の一端を解明しようと試みた頼宮本宏氏の成果がこれまで確認される。 ところが、本経の日本における教学的展開については、未だ検討がなされていないと考えられる。これは恐ら く、﹃金剛寿命陀羅尼経﹄自体が非常に短編であり、思想的展開が見出しにくい文献であることが一つの要因と ⑤ 考えられる。そもそも本経典に関する註釈書自体、ほぽ現存していないことがその証左となろう。 こうした中、本経典にかかる数少ない註釈舎の一つに、慈恵大師良源(九一二1
九八五・以下良源)の撰述と される﹃金剛寿命陀羅尼経疏﹄(一巻・以下﹃陀羅尼経疏﹄)が現存する。良源といえば周知の如く平安初期の天 F h υ r of云tミ源携r金剛寿命陀羅尼経蔵』における延命.¥!'.悲!の考察 台宗を代表する名僧であるが、良源の教学に関してもまた、現存資料の乏しさ、或いは未翻刻化が相侠って、精 ⑥ 鰍な検討が為されていない。教学而については、﹃九品往生義﹄における浄土思想や天台教学の難題を扱った ⑦ ⑧ ﹃被接義私記﹄に関する論考、﹃草木発心修行成仏記﹄をめぐる草木成仏思想などがこれまで良源教学の研究の 課齢とされてきた。こうした研究は良源および平安初期の日本天台における思想的展開を理解する上で重要な示 ⑩ 唆を与えてきたことは確かである。しかし、良源の密教観という側面に関しては、本覚思想との関連以外、具体 的な研究は皆無に等しい。 そこで、本稿では﹃金剛寿命陀羅尼経﹄の日本的展開および良源教学の解明という両分野における研究促進の 一助を担う目的から、﹃陀羅尼経疏﹄の翻刻を行い、その思想的特徴を紹介する。そして、密教および延命思想 という視座から、良源教学の一端を解明してみたい。 -
166-﹃金剛寿命陀羅尼経﹄とは
きて、﹃陀羅尼経疏﹄に言及する前に、まずは基礎となる﹃金剛寿命陀羅尼経﹄について触れておこう。そも そも延命に関する経典・儀軌類は、漢訳を中心にまとめると十五種にもおよぶ。このうち、﹁金剛寿命陀羅尼﹂ を題にもつ経軌(四本)と、同系列に属する経典(一本)が不空(七O
五l
七七四)によって訳出されており、 すべて﹃大正蔵﹄巻二O
に収録されている。今、この五本を訳出年代順に従って配列すると次のようになる。A
﹃仏説一切加来金剛寿命陀羅尼経﹄(一巻)B
﹃金剛寿命陀羅尼念諦法﹄(一巻)C
﹃金剛寿命陀羅尼経法﹄(一巻)D
﹃金剛寿命陀羅尼経﹄(一巻) 伝良源撰r金剛寿命陀搬出経疏』における延命思忽の考察E
﹃仏説一切諸如来心光明加持普賢菩薩延命金剛最勝陀羅尼経﹄(一巻) 頼富氏は、各経軌に説かれる陀羅尼の内容から延命の具体的方法を判断し、(
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﹁長寿陀羅尼系 L と。
剛寿命真言系﹂の二系統に分け、A
本は( I
)
に 、BiE
本は(
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にそれぞれ配分している。また、これら五 本の内容を比べると、A
本およびE
本の教主は釈迦牟尼仏であるが、BlD
本は毘虚遮那仏であること、また、A
本およぴE
本は似伽河辺所説であるのに対し、BlD
本は須弥山項所説という相違点がある。このことは、A
lE
は同じ密教経典の範鴫内にあるとはいえ、密教の分類法でいうところの維密から純密へとその思想的発展が あったことを示唆している。そしてこれら諸本は空海(七七四 l 八三五)等によって請来され、以降日本密教に おける代表的修法の一つである延命法の形成に大きな影響を与えることとなる。 今回取り上げる﹃金剛寿命陀羅尼経疏﹄とはA
本の註釈書である。そこで基盤となる﹃仏説一切如米金剛寿命 陀羅尼経﹄の内容について概観しておきたい。 巧 t p o( H
)
﹁ 金 [ 内 容 ] ある時、仏がガンジス河の岸において諸比丘諸菩薩及ぴ四天王を合む無量の天人と共に在ったとき、問天 王に向かって死怖の対治法(金剛寿命陀羅尼)を説いた。その内容を聞いた四天王は、衆生の為にこの法を 宵説してほしいと仏に懇願した。すると仏は東方を向き蝉指して一切如米を召集し、衆生の為にこの法を説 いて非命の業を転じ、寿命を増長させることを誓った。仏が一切如来と加持し、異口同音にこの陀羅尼を附 えると今度は執金剛菩薩を筆頭とする諸帯薩と凹天王を含む一切の天衆がこの陀羅尼を授かり、 一 切 衆 生 の ために各々この陀羅尼を説き広めた。そして仏が再度四天王に向かって、﹁この陀羅尼を日々説部附すれば三 悪道に堕ちることなく寿命は増長し、また、この経を転読すれば夫死、非命等のありとあらゆる恐怖・苦難から逃れることができる﹂と説き終わると、 四天王を含む対告衆は皆、歓喜奉行したという。 向、本経の訳者については﹁南天竺閤三蔵金剛智謀﹂となっている。しかし、﹃大正蔵﹄本の底本となった高 ⑫ 麗本では﹁不空訳﹂とあり、他の類本では﹁金剛智と不空の共訳﹂とする問題が既に指摘されている。しかし、 円仁(七九四 i 八六四)の﹃入唐新求聖教目録﹄や円珍(八一四 i 八九二の﹃智証大師請来日録﹄では﹁金剛 知 日 訳 ﹂ と あ り 、 ま た 安 然 ( 八 四 一
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・一説九一五)の﹃諸阿閑梨真言教部類総録﹄も同様となっている。よっ て日本に伝来された段階では﹁金剛智訳﹂として認識されていたのは事実である。 以上の内容を踏まえた上で、以下、﹃陀羅尼経疏﹄について触れていく。 伝良.m
r金剛寿命陀緩尼経麓』における延命思想の考察﹃金剛害時命陀羅尼経疏﹄書誌概要
- 168-まずは現存資料の確認をしておきたい。写本については﹃国書総目録﹄によると三本確認でき、青蓮院吉水蔵 ⑬ の正応元(一二八八)年写本が最も古く、次いで吉祥院南渓蔵の宝暦十二(一七六二)年実霊(一七一七 i 一 八0
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写本および文政十(一八二七)年豪観二七五五1
一 八 二 七1
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写 杓 ま で 下 る 。 刊本については同じく﹃図書総目録﹄をみると大谷大学、京都大学、生源寺所蔵本に関する記載があり、﹃仏 書解説大辞典﹄ではこれに日本大学を付記する。また、﹃日本古典籍総合日録﹄データベースには、四天王寺国 ⑮ 際仏教大学、その他の目録類では摂州大念仏寺蔵版本の所蔵をそれぞれ伝えている。 筆 者 は こ の 、 7 ち、大谷大学図書館所蔵恥(以下・谷大本)および京都大学附属図書館蔵的(以下・京大本)を 調査する機会を得た。そこで、両書の比較を通じて書誌概要について紹介しておく。(尚、本論にて引用する ﹃陀羅尼経疏﹄の原文・丁数はすべて谷大本に基づくものとする)( 1 ) 谷大本の構成 f云良 i縦模『金剛~命I~と維尼経疏』における延命思想の考察 谷大本は以下の五つで構成されている。 ①﹃悌説一切如米金剛議命陀羅尼経﹄本文(一丁表 1 問 丁 誕 ) ② ﹃ 金 剛 世 帯 持 命 陀 羅 尼 経 疏 ﹄ ( 五 丁 表 1 十 七 丁 裏 ) ③ ﹃ 古 翻 害 時 命 経 中 真 言 党 字 本 ﹄ ( 十 八 丁 表 1 十 九 丁 裏 ) ④ ﹃ 新 翻 蕎 命 経 真 一 言 党 本 ﹄ ( 十 九 丁 事 1 二 十 丁 表 ) ⑤﹃金剛薄命陀繰尼経﹄関連日録(﹃葱党大師入唐新求聖教日録﹄、﹃勘定前府院見在来日目録﹄、﹃八家秘録﹄ 所 載 ) ( 二 十 丁 裏 1 二 十 一 丁 裏 ) このうち、②、③、④の各末尾及ぴ巻末にそれぞれ識語を有する。まず、②の末尾には以下のようにある。 書本云慈恵大僧正撰也。此害未 ν有三多本一可ニ秘蔵一子時延膝元年五月卜一日、以ニ或人本-写 ν之 大 師 作 之 。 由 依 二 尤 貴 J 払 = 老 眼 -取 v奉 二 写 之
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疋此法之口決也。不 ν可 ニ 柳 作 小 -而 巳 n ﹃ d 内 h U 正 崎 地 元 九 月 品 川 日 於 ニ 摂 州 有 馬 草 庵 -書 写 校 了 求法隠士月観 すなわち月観(
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が正応元年に摂州有馬(畿内)の草庵にて書写したとあるが、ここで、延応 元(一二三九)年五月十一日付の奥書を有する写本の存在が明かされている。延応元年書写本に関しては﹃古典籍 総合目録﹄に﹁﹃寿命経釈﹄{写︼青蓮院古水蔵(延応元写)﹂とあるものの、﹃青蓮院門跡古水蔵型教目録﹄には、 ﹁鎌倉時代正聴元年潟﹂本に関する情報しか見あたらない。尚、﹃聖教目録﹄では﹃寿命経経釈﹄という名で採 ⑬ 録されており、そこには右の識語と大同小異の奥書が掲載されている。このため、②の本文は青蓮院本が底本で あると解釈して問題はなかろう。また、③の末尾には﹁朱書巳上与ニ唐院本-校合了。位唐院本元二回県言題 4 ・ 又 従 v是巳下件本無 ν之云云(十九丁 裏)﹂とあり、闘城寺唐院の伝写本の存在を伝えている。この唐院本についても詳細は不明であるが、右の内容 から唐院本は、少なくとも②と③によって構成されたテキストであったことがわかる。 さらに④の末尾には次のようにある。 f云良源撰r金剛責辞命陀鰍尼経疏』における延命思想の考察 宝暦十二年壬午三月廿八日、以ニ青蓮院宮蔵本一写 ν於ニ叡山南谷吉祥院密室﹂ 文政十年丁亥二月七日、於=比叡左脚星光院別房い令ニ書潟-畢。比丘大僧正豪観七十二 ここには吉祥院南渓蔵所蔵の二つの写本に付された奥書と考えられる内容が看取される。そして⑤の巻末には以 下 の 識 一 両 が あ る 。 遍照金剛賓霊 慈恵大師撰金剛寿命経疏、葦延応之頃猶不 v有ニ多本一云云。況弘化之今夏無 ν可 ニ 対 校 -而 巳 。 愛 則 唯 如 = 原 本 -僅 以 手 書 且 写 = 経 及 党 文 等 -乃 併 ニ 疏 之 前 後 -罵 ・ : ( 中 略 ) ・ : 築 賓 初 旬 、 清 浄 金 剛 某 応 二 教 弥 権 僧 正 需 -者 也 。 総括すると谷大本は三つの写本を基盤としたものに、﹃仏説一切如来金剛寿命陀羅尼経﹄本文(①)と諸目録 (⑤)の書写を②の前後に附し、弘化年中(一八四四
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一八四七)或いはそれ以降に開版されたものと推察され 守 令 。 - 170一
( 2 ) 京大本の特徴 次に京大本であるが、諸目録では刊本所蔵を伝えてはいるものの、実際は写本であることが判明した。京大本 は蔵経書院本(日蔵未刊文庫)であり、書写年は不明だが、テキスト構成は谷大本と全く一致する点や、谷大本 の原文に付される下註の内容がすべて謄写されている点、及ぴ紙料・筆体より判断すると谷大本に代表される刊 本成立後の、近代以降の書写と考えられる。ただし、谷大本の脚註において﹁脱字﹂とされる箇所のうち、 筒イ云良i原撰『金│時JJJ.J!命│吃線尼続疏』における延命思想の考察 所が実は欄脱を指しており、こうした欄脱が京大本では訂正されている点などの資料的特色も見られる。 また、京大本の巻頭下部には﹁発海写本﹂なる識語が確認され、右の書誌とは別に尭海書写本があったことが 推察される。尭海については﹃図書人名辞典﹄によると、生没年は未詳だが文化ご八
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問 l 一 八 一 八 ) 1 天保 ( 一 八 三 一 l 一八四五)頃の天台宗の僧侶で、比叡山竜成院に住し、天保十二八三九)年に大僧正であった人 陶とされる。尚、﹃日本古典籍総合目録﹄には尭海に関連する著作が五本確認でき、これらはすべて吉祥院南渓 蔵となっている。このことと、﹃陀羅尼経疏﹄の近世期写本の所蔵先が吉祥院南渓蔵であることを鑑みれば、尭 海は吉祥院と深い関わりのある人物であることが推測されるとともに、尭海書写本も士口祥院蔵本にゆかりのある 写本と考えられよう。 以上の内容から﹃陀羅尼経疏﹄とは、中世1
近世にかけて殆ど流布することのない、稀少かつ秘蔵の書として 扱われていたことがわかると思われる。 円 t﹃陀羅尼経疏﹄における被引用文献および全容
( 1 ) 被引用文献 ところで、原文には肝心の撰者名が記されていない。本書を良源の著作と見なす線拠となるのは、﹁慈恵大僧 正撰﹂という古写本の識語による。そのため、本書が本当に良淑の著作であるかをまず第一に判断する必要があ る。そこで、﹃陀羅尼経疏﹄における被引用文献から本来口の良源撰述説に対する真偽を図ることにする。被引川 文献は以下の通りである。 ﹃ 金 剛 項 経 疏 ﹄ ( 円 仁 撰 )﹃ 大 日 経 ﹄ ( 善 無 畏 訳 ・ 一 行 記 ) {云良~撰 r金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 ﹃ 毘 沙 門 天 王 経 ﹄ ( 不 空 訳 ) ﹃ 諸 仏 集 会 陀 羅 尼 経 ﹄ ( 提 雲 般 若 課 ) ﹃ 作 壇 落 葉 集 ﹄ ( 撰 者 不 明 ) ﹃ 金 剛 寿 命 陀 羅 尼 経 ﹄ ( 不 空 訳 ) ﹃仏説一切諸如来心光明加持普賢菩薩延命金剛最勝陀羅尼経﹄(不空訳) 引用文献のうち撰者不明の﹃作壇落葉集﹄という著作が見られる。ただしこれは引用文ではなく、﹃諸仏集会 陀羅尼経﹄の引用文の下に﹁有=作壇落葉集こと附記されていることから、本書にも同文が引用されていること を示唆したものと考えられる。また、後人による追記の可能性も否定は出来ない。その他、内容全体を確認する一 限り、良源撰述説に異論を挟む要素はないと考えられる。こうした前提のもとで概観すると、引用文自体非常に問 少なく、主に不空訳の経典や、不空以前の延命経典に位置づけられる提雲般若訳の﹃諸仏集会陀羅尼経﹄からの一 引用が殆どである。また、典拠は明かしていないものの、次に示すように円仁の﹃金剛項経疏﹄巻一(或いは安 然の﹃菩提心義抄﹄巻一所引の﹃金剛項経疏﹄からの孫引き)を下敷きとした引用文が確認される。 ﹃金剛頂経疏﹄および﹃菩提心義抄﹄ 又金剛有=五種﹂斗剖剖創剣剛叶組側斗釧刻障斗二者 黄 │ 創 剣 剛 1 制到剥剣割叶寸剖刑制剣剛 1 制 倒 川 削 川 州 叶 削割削創剣剛 1 制 矧 川 削 パ 刻 刑 制 割 パ 刻 吋 副 剖 劉 創 剣 剛 叶 能 、 消 ・ 詣 毒 ザ 如 v是 金 剛 各 具 -回 二 義 -戚 備 二 功 能 刊 以 響 下 如 ﹃ 陀 羅 尼 経 疏 ﹄ 世間金剛随 v色異 v用調剤創剣剛樹除ユ災難-黄色金剛持 ν 射 到 川 蛍 剥 創 剣 剛 削 川 州 剖 創 剣 剛 削 川 刻 劉 創 剣 剛 樹 剛 一 一 謝 . 毒 -有 ニ 堅 固 利 用 二 義 -別 有 = 三 種 義 一 一 不 可 壊 義 二 賓 中 之寅三戦具中勝世間金剛有=知 ν是別説 -A 7 経所題之如
伝良 i原健『金|目~IJM 命陀継足経疏』における括命思想の考察 -来 五 知 u 利川砕ニ壊煩悩-揃申有情願日或云。七種金剛。 五 知 = 訪 問 列 ﹂ 更 加 ニ 緑 色 及 以 紫 色 -以 偽 = 七 種 ベ 今 謂 。 七 種金剛何過ニ五色一但今青碧牧 ν彼且矯 ν五耳
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益 -所 以 非 ニ 滅 罪 成 悌 之 賀 -亦 非 ニ 見 仰 開 法 之 便 -而 今 仰 知 日 金 剛 外 成 ニ 息 災 延 命之願-内讃エ無上側道之果-刈叫剛剣剛酬叫何副制叶剖 ヲ 安 ニ 亀 甲 -以 ニ ' 日 羊 角 -打 之 金 剛 剛 ( 六 丁 裏 i 七r
表 ) - 173一
すなわち、五色の金剛を説明する部分と、仏知日の金剛が堅岡であることを喰えによって説示する筒所が対応して いる。また、﹃陀羅尼経疏﹄の文中にある﹁堅同﹂﹁利用﹂の二義、および﹁不可壊﹂﹁宝中之宝﹂﹁戦具中勝﹂の @ 三種義を解釈する部分に関しても﹃金剛項経疏﹄巻一と該当する。ただし、﹃陀羅尼経疏﹄の﹁大日経文﹂の筒 所については前後共に﹃大日経﹄にはなく、一方の﹃金剛項経疏﹄の﹁﹃浬繋経﹄に云く﹂とある引用文は、﹃浬 @ 繋経﹄巻二九・﹁師子肌菩薩日間﹂と一致する。よって﹃陀羅尼経疏﹄の典拠は誤写であると考えられる。 引用文が少ないことは、良源独自の解釈が随所にみられることを顕している。こうした怠昧からも、本書は良 源教学の一端を知る上での重要な資料と評価されよう。( 2 ) 構成と全容 f云良ilf.f鍵r金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 ﹃陀羅尼経疏﹄の構成は﹁大意﹂、﹁釈名 L 、﹁入文解釈﹂の三門と寸関連経典解釈・党立日解釈﹂よりなる。 第一門﹁大意﹂では題号釈により、経題を﹁仏説﹂﹁一切如来﹂と﹁金剛﹂を仏身と教法と分け、本経典の全 体像を解説している。冒頭では、﹁一切の有情は生老病死の苦を免れず﹂とし、なかでも病死の二苦に対する恐 れが強いとする。それに対して仏は伊王の法薬を宣説し金剛の法を説く。法の具体的内容は病患と短命を対治す るものであるが、金剛寿命の義により知来常住の理を顕したものに他ならないとする。本経に﹁我普未為衆生転 此法輪﹂とあるのは、爾前の諸経の中には説くことがないとする。仏の身密弾指の響きは四種の浄土を動かし、 口密は四方八方に響きわたり、意密により徴塵数の仏と虚空に充満する。このように三密相応して異口同音に陀 羅尼を説くために息災延命の計が顕現するという。﹁金剛﹂巳下は所説の教法について明かす。 第二門﹁釈名﹂では総別のニ義に分けて経題を解釈する。総義ではまず、﹁仏説一切如来金剛寿命陀羅尼経﹂ とは諸仏の智印を顕す語であり、衆生の寿命を増す意義を示したものであるとし、仏と一切如来は異口同音に一 陀羅尼を説く(自他満一の義)とする。本経は加来の本意の教えであり、この経典により皆仏界へと摂入するた め、経中には二乗を列ねることはないとする。別義では仏と一切加来の関係を白土と他土に分けて説き、﹁金剛﹂ 己下は主に五仏と五智の関係を説き、五智により寿命を増強させることを説く。
a
-門t 第三門﹁入文解釈﹂では﹁序分﹂・﹁正宗分 L ・﹁流通分﹂の三つに分科し、﹃陀羅尼経﹄の本文を註釈する。序 分はさらに﹁通序﹂と﹁別序﹂に分けられ、﹁通序﹂では﹃陀羅尼経﹄の冒頭部分を六時成就によって解釈する。 中でも処成就に当たる﹁恒河﹂の解釈では、﹃本経﹄の利益を﹁阿縛達池﹂の功能に喰えて詳細に論じている。 ﹁別序﹂では、四天王に対して説いた四徳の内容と、四天王に対する詳細な註釈が為される。すなわち四徳とは ﹁常楽我浄﹂のことで、常徳は死苦、楽徳は病苦、我徳は老苦、浄徳は生苦をそれぞれ対治するという。正宗分f云良i原撲 r金剛寿命陀緩尼経疏』における延命忠怨の考察 では七つに分科し、仏・菩薩・天の関係性を示す。中でも第三・第四では仏の三密によって召集された帯薩・天 の円融無磁なることと、所説の法が﹁秘慌最上の説﹂と位置づける点が特徴的である。流通分は四項日から成り 立っているが、特に第二において、本経に備わる現当二世にわたる利益の内容と、天寿を転じ様々な苦難を除く 功徳を明かす事﹂とに主眼が置かれる。 流通分以下は﹃金剛寿命陀羅尼経﹄にまつわる①﹃諸仏集会陀羅尼経﹄、②﹃仏説一切知来金剛寿命陀羅尼 経﹄、③﹃仏説一切諸如来心光明加持普賢菩薩延命金剛最勝陀羅尼経﹄、④﹃金剛寿命陀羅尼経﹄の四本の異訳に ついて言及し、これら四本は基本、同一の義理を説くものとして位置付けるが、②が最も受容し易い経典である と評価する。そして最後に、﹁金剛寿命陀羅尼真言﹂の音写について、党本における音と諸経典とを対校させ、 その異同を明かして本経の註釈を終える。 本経を註釈するに当たって良源は、随文解釈といった逐次的手段をとることなく、主に密教の基本的教義を随 所に導入し、本経の内容を達意的に示す傾向にある。しかし、密教の基本教義に基づきつつも、中には良源独自 の解釈と考えられる内容もみられる。そこで、次項ではその教義的特色について述べてみたい。 四
﹃陀羅尼経疏
Lにおける教義的特色
( 1 ) 五智と五仏の関係 まず、第一に特徴的と岡山われる内容について指摘したい。第二門﹁釈名﹂の﹁別釈経題﹂では、仏が摂する大 覚位の智慧について次のような註釈がみられる。 次 別 釈 ニ 経 題 -以 = 人 法 -為 v名。調偽者党説略也。具足称多合即有"-三義 4 一貴義、二寅義、三尊貴義也。具二伝良源撰F金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思怨の考察 此 徳 -釈 v智撮ニ大覚位五智寸皆以=金剛-矯ニ所掻 4 所 以 如 = 東 方 阿 悶 悌 等 -住 = 於 恒 河 建 虚 空 東 方 -依 = 大 円 鏡 知 日 -放 = 青 色 光 -令 こ 切 有 情 成 中 就 菩 提 心 日 如 ニ 南 方 質 生 如 来 -依 二 平 等 性 知 目 -放 ニ 黄 色 光 -令 二 一 切 有 情 福 徳 円 、 満 一 如 = 無量蕎偽-住ニ於恒河側空中西方-依ニ妙観察知 n M 放ニ紅色光-令二切有情智慧成就寸知=北方不空成就悌等-依ユ 成 所 作 知 目 -放 z五色光-令ニ切有情事業成就日制封刺刻割問州刺倒副刑制倒制耐副相川面=向東乃南西北方 四維上-亦復如 v u 疋 現 = 不 縦 不 横 白 在 無 磁 之 相 -令 下 一 切 有 情 讃 = 法 界 知 口 -増 中 益 事 時 命 土 ( 八 丁 表 l 八 丁 裏 ) すなわち、五智の遍満によって寿命が増益することを示しているが、五知日のうち、法界体性智以外の四智におけ る如来と智慧の関連性はともかくとして、問題なのは法界体性智を司る仏が大日加来ではなく、釈迦牟尼仏とさ れている点に大きな特色がみられる。 そもそも本経の教主は釈迦牟尼仏であるが、﹁不縦不横自在無凝之相 L とは、法身大日加来の徳性を示すもの である。そうなると、生身である釈迦牟尼仏との関連性に阻麟をきたす事になる。無論、台密における﹁大日釈 迦一体説﹂を標務することでこの問題は一見すると矛盾なく解決できると考えられる。ただし、台密教義におけ る﹁大日釈迦一体説﹂は主に、﹁彼の法華の久遠成仏は只だ是れ此の経の見虚遮那仏なり L という﹃大日経義釈﹄ 所説の報身仏を基盤とした論理が前提となることに留意しなければならない。 ところが﹃陀羅尼経疏﹄では続いて、﹁夫蕎命無 ν僅 故 以 ニ 意 性 -為 ν形 是 故 意 得 = 真 智 -時 即 得 コ 増 益 -所 以 々 エ 生 身 -同 = 法 身 -堅 固 不 v動猶知=金剛-(八丁裏)﹂というように、寿命は意性、すなわち思考能力によって現されるとし、 心に真智を得ることで利益を増すことができるとする。そしてこのことを仏身論上に喰えて、生身の釈迦は即座 に法身と同体となることを明かしている。よって良源は、一体説よりも寧ろ、生身の釈迦牟尼仏に重点をおいた 仏身論を推し進め、生身の釈迦そのものに、法身をみていたことが理解されるのである。
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{云良i原撰 r 金剛寿命陀縦,~経疏』における延命思想の考察 ( 2 ) 秘密憂茶羅思想による解釈 次に、第三門﹁入文解釈段 L の第二﹁正宗分﹂における、金剛寿命陀羅尼が世間に流通する様相について註釈 した部分から、良源の独自性を見てみたい。 七回天各説ニ陀羅尼-也。然一切如来釈迦尊同音説者表=白悌他働党同一-也。又悌先説菩薩次説天等後説者此 経依ニ秘密量茶羅-聖衆有 ν三。一側部構ニ一切如来寸二蓮花部嬬ニ一切菩薩 4 三金剛部撤ニ一切権化念怒衆及天 。 等 -也 。 従 ν本現 ν法相密教中不 ν轄 ニ 此 身 -讃 ニ 大 覚 位 -為 ニ 利 生 ︼ 故 還 作 ニ 菩 薩 一 又 於 ニ 衆 生 -尚 有 ν不 ν順故菩薩更 以 ニ 益 ロ 巧 方 便 -現 = 天 等 形 一 次 第 依 ν此。今経中顕ニ此義-故以 ν悌為 ν先 輩 口 薩 為 ν次天等為 ν 後也。除法以コ執金剛-撮二金剛部-今経中橋二進花部-者依二菩薩-故也。又表三弱中有ニ金剛性一又此経中顕三三部常住不滅有ニ金剛性一 而則働如来説ニ金剛陀緑尼-金剛菩薩列二蓮事部衆-外金剛部天准ニ於内衆-亦説ニ延命常住陀羅尼-也。又悌強口陸 選 ν本隠不 ν現。而天等猶間二此曾-悌並口隆帰後天等説ニ陀羅尼-者表ニ化現諸法蹄 v空 側 知 日 金 剛 常 存 不 p減 也 。 以 ニ 円 t 司 t 天 等 -掻 = 金 剛 部 -放 也 ( 十 二 丁 表 i 十 三
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裏 ) このように良源は、﹁仏・一切如来 H 仏部、執金剛・一切菩薩日蓮華部、権化の念怒衆及ぴ天人等 H 金剛部﹂と いうように、仏・菩薩・四天王の関係性を秘密受茶羅すなわち大悲胎蔵生長茶羅における三部によって達意的に 解釈していることがわかる。さらに衆生教化の方法を解釈するにあたっては、自ら﹁密教に甜く﹂と述べ、教主 釈迦牟尼仏の成仏の在り方が即身成仏にあることを前提とした上で、その仏がその後輩ロ峰へと変化し教化し、そ れでも尚、菩薩の説に順じない者に対してはさらに普巧方便によって天等の形相をとって教化するとしている。 金剛知日、および不空訳にかかる一連の﹃金剛寿命陀羅尼経﹄のうち、本経以外の経典については﹃金剛項経﹄ からの影響が顕著である。この点は良源自身が、﹃仏説一切諸如来心光明加持普賢菩薩延命金剛最勝陀羅尼経﹄ と﹃金剛寿命陀羅尼経﹄の二経を﹁寄ニ秘密-鐸(十四丁裏)﹂と評価していることからも明らかである。一方、本経に関しては純粋密教の教理に基づく延命思想が確立するまでの、いわば過渡期の経典に該当するものである。 しかし良源は、﹁巳上四本大都同而随ニ課者之意-或略或虞不 ν違エ其義-(十五丁裏ごと述べていることから、本 経をあくまでも純粋密教の経典として位置づけようとしていた事が窺知されよう。 伝良湾、機 r金剛寿命陀難尼経鎌』における延命忠忽の考察 五 良源における延命思想 ( 1 ) 神仙思想を代表とする外教の延命思想との比較 神仙思想とは不老長寿の人問、すなわち仙人の実在を信じ、仙術の修法によってみずからも仙人の領域に達す ることを祈願するものであり、主に道教を筆頭とした、古代中国において広く展開した思想である。﹃陀羅尼経 疏﹄では、こうした神仙思想およぴ外教における延命思想に対する言及がみられる。まず、﹁大意﹂では二切 如来﹂を解釈するに当たって次のように述べる。 難 v説難 ν信必聴 ν 召=集一切加来 4 所以世尊身密弾指響普動ニ四種浄土-口密驚告音進満=方維上下-悌眼蓮=十 方-失。諸悌集徴塵馬。根満二虚空-和合意密為=加持-故三密相聴異口同音説=施羅尼-也。息災延命之計図之 顕失。滅罪生普之願囚之成也。仙人服=金丹薬-雌 ν延 = 生 身 寄 -不 ν云 v顕 = 法 身 事 w d ( 六 丁 表 1 誕 ) すなわち、金丹の薬を服して延命を計るという神仙思想の主張とは、法身の寿命を顕すものではないとして批判 する。また、﹁釈名﹂では陀羅尼を解釈する中で次のようにいう。 陥羅尼者党語也。義多合故且出ニ三義﹂一一線持義。纏破=煩悩-縛持ニ善根-也。二明間凡義。除 v闇加 v護也。三 真言義。無 ν有 = 虚 妄 -也 。 外 人 以 = 見 術 -治 v病縛 ν 患。況諸悌知来真賓明克哉。外聞凡狂二惑世間-迷=乱有情﹂今 経明児始終無 v 損 能 利 ニ 衆 生 -也 ( 九 丁 表 ) _' 178
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ここでは陀羅尼に総持・明呪・真言の三義がありそれぞれの功徳について述べている。そして外道は呪術により 治病・忠転するというが所詮は衆生を困惑するものであるとし、それに対して、本経に説く陀羅尼とは如来真実 伝良源撲『金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 のことばであるが故に、衆生に利益をもたらすものとする。 また、同じく﹁釈名﹂では﹁経﹂の意味について次のようにのべている。 経者聖教通名也。而諸側出 ν説教主名各不 ν岡山ニ賢劫山側教名斗謂拘留孫悌教名ニ甘露鼓-・:中略:・狗那舎仰 所 説 名 為 = 法 銭 -・ : 中 略 ・ : 迦 葉 仰 教 名 為 ニ 分 別 -: ・ 中 略 : ・ 今 釈 尊 名 為 = 契 経 -是 則 経 緯 之 義 也 。 醤 如 回 世 人 税 三 経 綿 之亦織ニ出一服 4 今仏説教亦復如 ν是。権賞奥 ν名遂為ニ一仰乗-也。今此経中有=如 ν是義一謂一切如来及執金 剛菩薩同時来曾同時隠 v形。此日疋表三権買岡崎ニ常住畢克空-之謂也。如 z経緯異 v名 同 成 ニ 一 ・ 衣 一 所 以 名 ν経 也 。 又外人有 ν経。謂悶悶陀十八大経等也。位外典雌 v名 v経謂非エ賓相一所以義輿 ν文 。 今 経 醤 一 -経 緯 成 v衣非 ν 響 ニ 権賓不二寸又今稗尊為 ν破ニ彼外経由故金日教亦名為 ν経。以 ν経故為=権実不二之義﹂所以今別ニ内外-故置 ι悌 - 179
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説之字-也(九丁表 i 十 丁 表 ) 右の﹁四因陀、十八の大経﹂とは正しく、古代インドのヴェーダ聖典のことを指すが、良源によるとこれらは皆 実相を示したものではなく、文章と内容を示しただけにすぎないとする。一方、釈尊の教えとは権実不二の義を 備え、実相を表したものであると同時に、外教を破斥するために説いた教えであることを主張する。 そもそも肉体の存続や長寿無病を恋意的に願おうとする思想は、古代インドより, 人々の関心を集めてきた。釈尊はこうした立場を非難したが、それでも尚、大乗仏教の頃になると教義的・哲学 的に洗練整備された部分のみならず、人間の本能的欲求を満たす現世利益的側面が顕著となった。その一つとし 神仙思想も去ることながら、 て延命思想が展開されていったとみなすことができる。 ただし、延命思想を歴史的に考察すれば、延命そのものの内容や方法にもいくつかの段階がみられ、低次より高次へと思想的な発展を遂げているのも事実である。その発展を担ったのが﹁金剛寿命陀羅尼 L を宣揚する一連 の経軌類であるといえる。そして、金剛寿命陀羅尼の功徳を基に良源は、他の延命思想との比較から、仏の智慧 による法身の寿命の獲得こそが最も優れた延命であることを示唆していると考えられる。 f云良源撲 r金剛寿命陀雛I己緑疏』における延命思忽の考祭 ( 2 ) 良源における延命の意義 このようにみると、仏の智慧のもとで成就される延命の優位性と正当性が主張されていたと考えられるが、で は、延命行為そのものについて、良源はどのように捉えていたのであろうか。そこで最後に、﹁寿命﹂に対する 言及をを頼りにこの問題について触れてみたい。﹁寿命﹂に関する具体的内容は﹁釈名﹂に次のようにみられる。 事時命者生者磨世之義也。就=蕎命-者有 ν 二。一内命、謂意想所居随 ν事有=増益寸二外命、謂飲食所依随 ν福有= 出 没 斗 諸 悌 以 = 智 恵 -為 = 内 命 一 以 = 衆 機 -矯 = 外 命 A ( 八 丁 裏 1 九 丁 表 ) 良源は寿命を、現象世界に相応するに当たっての原動力と捉えている。そしてこの寿命に内命と外命があると 定義し、これを仏の立場と衆生の立場に分けて論じている。すなわち衆生における内命とは思考能力であり、外 命とは食物摂取によって得られるものというように、人聞の日々の活動の持続期間を寿命と定義している。一方、 仏については智慧を内命とし、衆生の機縁を外命とする。さらに、両者の違いを次のように説明している。 所以衆機不 ν A 日時非滅現 v滅失。有情無ニ食物-時白致=横死一然今経締ニ非命業国者能授=外命-也。使増薄命者 能縛=定業-也。業即内命也。於=此経典-受持論調故衆機為 v A 口。是故諸悌増 ν薄。諸悌増 ν 帯放一切衆生亦増二 審 命 -也 。 ( 九 丁 表 ) すなわち衆生は食物が尽きると横死に至るように、仏も衆生の機が相応しなければ一時的に寂滅の境地に入る。 仏が衆生に起こりうる予期せぬ行為(非命の業)を転ずることが外命を授けることであり、また、知困惑という内 - 180
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命を与えることで、衆生の宿業を転ずるとする。そして衆生自らが経典を受持続制することで仏との機縁に合い、 仏の寿命が増すことによってはじめて自らの寿命が保たれることを明かしている。このことは、仏との機縁に合 うために、経典、の受持読諦に代表される、仏道に準じた生命活動を行う必要性を強調していることに他ならない。 伝良源撲 r金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 また﹁大意﹂において良源は、有情について﹁夫有情生身雄 ν住 ニ 万 代 -遂 有 三 議 期 -千 年 如 ニ 夢 過 -失 現 世 尚 可 ν怖 (七丁表どといい、身体の永遠性を望むとはいえども、あたかも夢の如くいずれは尽きてしまうものであると する。そのため、有情は現世において恐怖心を抱くのであると評している。これに対して良源は﹁而今此経力能 延=生身寄-亦顕ニ法身徳-故縦此身雌 ν有 ν終同ニ身於法性-聡ニ憧於金剛み肌害時之果報永離ニ三悪-(七丁表)﹂と述べ る。ここに、具源における延命の意義が看取されると考えられる。 すなわち﹁縦此身雌 ν有 v終﹂というように、どれほど現世における寿命を延ばそうとも、そこには必ず限界が あるという。それよりも、﹁身体に法身の功徳を得、三悪道を離れる﹂こと、すなわち成仏の実現こそが現世に おける指様であることを示唆していると考えられる。つまり、この時点で良源における延命とは、単なる長寿な どの現世利益を願うものではなく、仏と同等の寿命を得る、すなわち成仏の境地に到ることこそが、延命の本来 的意義に値すると捉えていたと考えられるのである。 - 181
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おわりに
以上、誠に簡略ではあるが、﹃陀羅尼経疏﹄の全容と思想的特色を述べてきた。良源の密教的立場については これまで、教相面については安然を代表とする台密諸師の思想を終始継承したのみで台密教義としては特に見る ものがなく、寧ろ事相面の強化に徹したものと評 M附されていた。こうした中で本書を通観すると、生身仏に重点を置きつつも、法界体性智を釈迦牟尼如来の智慧とする独自の思想を展開したり、仏・菩薩・諸天の関係を大悲 胎蔵生受茶羅の三部を用いて達意的に解釈することで、本経を純粋密教経典として位置づけようとする姿勢が看 取 さ れ た 。 また、外教における延命思想との比較を通して、仏教における延命とは﹁法身の寿命を顕現すること L 、すな わち仏と同様の寿命を得ることを強調していた。このことは、成仏を視野に据えた延命の正当性を主張し、単な る人聞の欲求を満たすための現世利益的傾向に執着した姿勢を批判していると考えられる。また、寿命を内命と 外命に分け、これに対して衆生の立場と仏の立場との相違を明かしていた。特に衆生の寿命を﹁内命 H 意性 H 思 考 ﹂ 、 ﹁ 外 命 H 食物などの外的要悶によってあらわれる福徳﹂とする解釈から、良源は人間の日々の活動が持続す る期間を寿命と定義し、経典の受持続諦を行い、仏の機縁に AEJ ことでその期間が延ぴると述べていた。このこ とは、成仏の実現を目指す上での一方法論として、延命を位置づけようとしていた可能性を示唆したものと考え ら れ る 。 f云良源探『金剛寿命陀輯1i:.経疏』における延命思想、の考察
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182-以上を踏まえて再度、密教における延命思想を見直してみたい。延命思想をめぐるこれまでの考察ではそもそ も、仏教において,なぜ延命をひたすら願うのか 8 という、根本的な問いに対して、突き詰めた議論がなされて こなかったという問題がある。このことは、延命思想自体がどこまでいっても7
長生きしたい。という人間の 根源的欲求を満たす目的﹂という認識で完結されてきたことに原因があると考えられる。しかし延命思想を教理 教学のレベルから把捉するならば、所謂即身成仏思想や往生思想と同様、成仏論の範曙内に摂められる重要な思 想として住置付けることができると考えられる。尚、本書の後世に与えた影響に関しては今回触れることが出来 なかった。この点は今後の課題としたい。とはいえ、少なくともこれまでとは異なる形で良源教学の一端に迫る ことができたと考えられる。と同時に、延命思想のもつ本来的意義についても併せて言及できたのではなかろうか 伝良源撰『金剛寿命陀羅 I~経疏』における延命思想の考察 [附記]本研究にあたり、貴重な資料の閲覧を許可して下さった京都大学附属図書館特殊資料掛、また、同じく資料の 閲覧およぴ特別利用の許可、さらには資料の被写にご協力下さった大谷大学図書館の番場寛図書館長、図書博物館課の 山内美智課長、図書館司書の金様、閲覧係の深明様、沖田様、小原様、田村様、山間様、窪様、清水様、辻同様、大橋 様、天山様、石野様、小笠原様、及びその他皆様のご厚意に対し、この場を借りて衷心より感謝申し上げます。 ︻ 資 料 編 ︼ 大谷大学図書館蔵﹃金剛蒋命陀羅尼経疏﹄翻刻 { 凡 例 ︼ ①本翻刻は大谷大学図書館所蔵﹃金剛審命陀羅尼経疏﹄(一巻)全二十一 . J の内、註釈部分に該当する第五丁表 - 183-から第十七
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表に基づいたものである。 ②原文中において{太字}、︻太字︼で表記した筒所は、京大本との校合によって発覚した欄脱である。尚、{} で岡った文章(六丁表 l 七丁表)については京大本において欠落していることを示し、︻︼で囲った文章につ いては京大本に附されていることを示す。 ③使用漢字については原則、原文と同様の字体を用いたが、異体字などで表記不可のものについては特殊フォン トの使用を控え常用漢字で表記した。 ④訓点のうち、版文中に欠けている部分は補った。 ⑤送り仮名は省略した。 ⑥原文に付されるルピはそのまま踏襲した。⑦原文に付される下註は該当箇所の側辺に表記した。 ⑧割注には[]を付した。 ⑨改行については紙幅の都合上、原文通りの改行とせず追い込みとした。 ⑬原文において判読不可とされる筒所については口と表記した。 伝良源撰Z金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想.の考察 ( 五 丁 表 ) 金剛寿命陥羅尼経疏 悌説一切知米金剛寿命陥羅尼経 将 ν釈 二 此 経 -有 二 三 門 -所 v謂大意釈名人文解尺也 初大意者夫一切如来皆有=常楽我浄之徳二切有情未 ν免=生老病死之苦-是以加来哀=懲此-故即於二慮、-説下生時非 ν 楽盛遂有 ν衰之理主然諸人療関故不 ν憶ニ生苦-妄習故不 v厭 = 老 苦 -於 = 此 二 苦 -不 ν為 ニ 憂 怖 -聖 意 随 ν之不 ν説 ニ 封 治 方 法 一 除恐深 唯諸衆生於ニ病死二苦-除然甚怖是故世尊依ニ妙徳之請-宣=説伊王法薬-失許ニ苦脱之説-讃二明除病方法-也雌 v然於= 死怖活横-不 ν 輔 特 ν定依 ν之 ( 五 丁 裏 ) 遂近=東流恒河側-準ニ春季増益時-告=名義-於ニ四天-巡三重容於十方-即説=金剛法-也楽音樹之説封二治病患-恒伽河 之数対=治短命-也而則由三金剛寿命之義-顕三如来常住之理-爾前諸経中所 ν未 ν説失所以経云我昔未下為=衆生-縛中此 法輪土於今方縛能令下三衆生寿命色力-皆得申成就上[云云]難 ν説難 ν信必聴 v百三集一切加来-所以世尊身密弾指響普 動=四種浄土-口密驚告音這満二方維上下-悌眼謹=十方-失諸働集徴塵罵檀満二虚空-和合意密為ニ加持-故三密相謄異 口同音説=随羅尼-也息災延命之計囚之顕失滅罪生善之願因之 a 且 τ n δ ( 六 丁 表 )
伝良i原撰『金剛寿命陀犠尼経疏』における延命思想の考察 無 下 叩 山 町 脱 成也仙人服ニ金丹薬-雌 ν延 ニ 生 身 寄 -不 ν一 . A v 顕ニ法身寄-無{於ニ図解八音-宣ニ詮口誠言-故云ニ傍観-也一一切如来者綿 以妄之慮恐脱文 集為二類一名ニ一切-以妄言之義也乗ニ如寅道-来成ニ正艶-故名ニ加来日三身各有=如義来義信今但取=真身-也方今自土 世尊召=集他土満徳人-是故師事ニ額中-也自土教主他土世尊同具ニ十号-然今題中標尊称 ν悌他土仏称ニ如来-者糧尊居ニ 本土-無二来動-他土仏臆 v請無来而来是故名ニ如来-今忽然現=空中-不 ν遺而隠是故今依ニ真身同釈也金剛己下所説之 法也自土備間違ニ堅固智-凝然常住元 ν有 二 変 易 -如 ニ 金 剛 -金 剛 者 以 ニ 堅 固 -( 六 丁 裏 ) 強為 ν義以誓二切如来法身室町量堅固不壊無始無終無中損破よ亦世間金剛随 ν色異 ν用謂青色金剛能除ニ災難-黄色金剛 持 ν身昇 v空赤色金剛出 ν火白色金剛出 ν水碧色金剛能除ニ諸毒-有ニ堅固利用ニ義-別有ニ三種義-一不可壊義ニ賓中之 顕恐随字 費三戦具中勝世間金剛有ニ如 ν 是別説-今経所顕之加来金剛部彼世間金剛有二外用-無二内益-所以非ニ滅罪成備之賓-亦非=見偽聞法之便-而今偽智金剛外成=息災延命之願-内詮=無上備道之果-又世間金剛難 ν有 = 竪 性 -若 安 ニ 亀 甲 上 -以ニ白羊角-打之金剛砕成ニ微塵-而併智金剛終無ニ散 ( 七 丁 表 ) ' F D O O 壊-夫喰不可全或取=少分-或取二多分-[大日経文]今且取=世間金少分相似-以轍ニ出世常存不壊金剛一也而則嘗時 セムナ--諸偽能顕ニ此義-以ニ五種}益-央蓬莱生ニ不死薬-雌 v残 ニ 長 生 名 目 不 ν云 ν離 ニ 三 悪 趣 -為 ν何也又久忠=身心-得後尚有 p 愁況又問 ν名 未 ν見 ν色夫有情生身雄 ν住=万代-遂有ニ査期-千年如ニ夢過-央現世向可 ν怖而今此経力能延=生身害時-亦 顕ニ法身徳-故縦此身雌 ν有 ν終同二身於法性-喰ニ憾於金剛-故寿之果報永離ニ三悪司日疋大意也 次釈名者就 v題 有 ニ 綿 別 義 -綿 一 言 問 ニ 悌 説 一 切 知 米 金 剛 官 官 時 命 陥 羅 尼 経 -者 顕 ニ 諸 悌 知 日 印 -之 語 増 ニ 衆 生 薄 命 -之 ( 七 丁 裳 ) 名也故取=金剛於喰司顕ニ欝命於題-又此経奉ニ白土他土仰力-顕二自他身同一-也所以初働者白土世尊次一切如来者他
f去良源撰F金剛寿命陀羅J巳経疏』における延命思想の考察 土偶日疋等諸悌同音説二陥羅尼-是則顕=自他満一之義一以ニ是等義-為ニ題目-是故皆捨=飴乗--嬉 ν入 ニ 悌 界 -所 以 不 v 召 ニ 替問縁覚-集二切如来及執金剛菩薩-也今以エ此経由尚可 ν称ニ知来本意之教-何以故諸仰菩薩故知来悌乗之果菩薩悌 撤 中 恐 唯 { 子 乗之因也今此経中有ニ知 v是法-絵経不 vが所以遠池説法時召=舎利弗国準王作 ν請日列=縁受-然今経曾準留三本座衆一 不 ν召 一 -徐 方 二 乗 -是 故 自 他 悌 為 = 題 目 -也 ( 八 丁 表 ) 次 別 釈 ニ 経 題 -以 ニ 人 法 -為 ν名謂偶者党週間略也具足称多合即有二三義二貴義二賓義三尊貴義也具ニ此徳-︻於=四排八 音-宣コ詮ロ誠言-故云=備説-也一切如来者線集為二類-名=一切-以妄言之義也乗ニ如賓道-来成=正費-故名ニ如来- 三身各有ニ如義来義一今但取=真身-也方今自土世尊召ニ集他土満徳人一是故畢=顕中-也自土教主他土世尊同具=十号-然今題中程尊称 v偽他土仏称=如来-者種尊居=本土一無ニ来動一他土仏鷹 v請無来而来是故名=如来-今忽然現ニ空中-不 ν 遺而隠是故今依=真身-釈也金剛己下所説之法也自土偽同達ニ堅固智?凝然常住元 ν有 = 変 易 -如 ニ 金 剛 -金 剛 者 以 ニ 堅 固 一 強為 v義以誓下一切如来法身幕量堅固不一壊無始無終無申損破主亦世間金剛随 ν色異 ν用謂青色金剛能除=災難-黄色金剛 持 v身 昇 v空赤色金剛出 ν火白色金剛出 v水碧色金剛能除ニ諸毒-有=堅固利用ニ義-別有ニ三種義ご不可壊義ニ賓中之 賓三戦具中勝世間金剛有三如 ν 是別説-今経所題之如来金剛部彼世間金剛有三外用-無ニ内益-一所以非ニ滅罪成備之賓-亦非ニ見悌聞法之便-而今備智金剛外成=息災延命之願-内詮=無上悌道之果-又世間金剛雄 v有 二 竪 性 -若 安 ニ 亀 甲 上 -以ユ白羊角-打之金剛砕成ニ微塵一而備智金剛終無コ散壊-夫轍不可全或取エ少分-或取エ多分-[大日経文]今且取ニ世 間金少分相似-以喰=出世常存不壊金剛-也而則曽時諸備能顕=此義-以三五種-︼釈 ν智 揖 = 大 覚 位 五 智 -皆 以 = 金 剛 一 矯 ニ 所撮一所以知=東方阿閑悌等-住ニ於恒河建虚空東方-依三大円鏡智-放二青色光-令下一切有情成中就菩提心土如ニ南方費 生知来一依ニ平等性智-放ニ黄色光-令二切有情福徳円満-知二無量蕎悌一住=於恒河側空中西方-依ニ妙観察智-放ニ紅色 光-令ニ一切有情智慧成就-如ニ北方不空成就仰等-依二成所作智-放ニ五色光-令乙切有情事業成就-教主釈迦牟尼知 -
186-性上恐悦体字 来 住 ニ 法 界 性 知 日 -商 ニ 向 東 南 西 北 方 四 維 上 ム カ 7 ( 八 丁 裏 ) f云良瀬被~ r金問JI寿命陀羅尼経疏』における延命忠忽の考察 下 -亦 復 如 v是 現 ニ 不 縦 不 横 向 在 無 磁 之 相 -令 下 一 切 有 情 諮 ニ 法 界 智 -憎 日 中 議 蒋 命 よ 夫 薄 命 無 ν髄 故 以 ニ 意 性 -為 v形 H 疋 故 意 得 二 真 知 日 -時 即 得 ニ 増 強 -所 以 々 ニ 生 身 -同 二 法 身 -堅 同 不 ν動 猶 如 = 金 剛 -、 、 者 諸 悌 智 印 也 是 故 猶 下 於 = 五 智 -是 金 剛 義 主 也寿命者生者聴世之義也就ニ霧命-者有 ν 二一内命謂意想所居随 ν事有ニ増益-ニ外命謂飲食所依随 v一 愉 有 ニ 出 没 -諸 仰 以 = 智 恵 -為 ニ 内 命 日 以 ニ 衆 機 -偽 ζ外命-所以衆機不 ν A 日 時 非 滅 現 v滅 失 有 情 無 = 食 物 -時 自 致 = 横 死 -然 今 経 縛 ニ 非 命 業 -者 能 授 ニ 外 命 -也 使 増 書 命 者 能 縛 ニ 定 業 -也 業 即 内 命 也 於 ニ 此 経 典 -受 持 讃 諦 ( 九 丁 表 ) ナ ス 故衆機為 v合 目 疋 故 諸 仰 増 ν害 時 諸 悌 増 v毒故一切衆生亦増ニ害時命-也陥羅尼者党語也義多合故且出二三義二線持義綿破二 ー 川 陳 に 子 一 応 剰 煩 悩 -線 持 ニ 益 ロ 根 -也 二 明 光 義 除 ν闇加 ν護也三真言義無 ν有 二 慮 妄 -也 外 人 以 = 児 術 -治 ν病縛 ν忠況諸悌如来耐剰一真賓 明 党 哉 外 児 狂 ニ 惑 世 間 目 迷 ニ 乱 有 情 -A 1 経明克始終無 ν損能利二衆生四也経者聖教通名也而諸偽出 ν説教主名各不 v同 出 ニ 賢劫四仰教名-間拘留孫仰教名ニ耳露鼓由是以 ν醤矯 ν名 也 如 下 以 二 上 薬 団 塗 ν鼓撃也間 v聾 者 以 ニ 薬 力 -故 消 申 除 忠 上 狗 那 ゐ 口 問能恐脱字 悌 所 説 名 為 ニ 法 鏡 唱 説 教 無 ν磁 能 入 ニ 衆 心 -如 下 鏡 雌 ν附 能 取 申 形 像 上 ( 九 丁 裏 ) - 187
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而 } H 作 与 衆心雄 v難 v信 其 説 白 人 也 迦 葉 仰 教 名 為 エ 分 別 -精 一 隔 別 開 ニ 三 来 二 川 還 不 v顕 ν 一故也今釈尊名為=契経-是則経綿之義也 醤如回世人説三経緯之亦織=出一服司今仏説教亦復如 ν是権賓異 ν名遂為二悌乗-也今此経中有=如 ν口 疋 義 -精 一 切 知 来 及執金剛菩薩同時来曾同時隠 ν形 此 是 表 三 権 賞 同 障 問 コ 常 住 畢 克 空 -之 謂 也 如 三 経 緯 異 ν名同成二衣一所以名 v経也又外 人有 v経謂四因陀十八大経等也但外典雄 ν名 ν経 謂 非 ニ 賓 相 -所 以 義 典 ν文今経警ニ経緯成 v衣非弘主権賓不二-又今樺 尊為 ν破ニ彼外経-故金口教亦名為 v経以 ν経 故 為 ニ 権 実 不 二f云良源撰 F金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思~\の考察 ( 十 丁 表 ) 之義-所以今別ニ内外-故置ニ併説之字-也 次入 v文解釈者経文分為 ν三 謂 従 z如是我聞-至ニ説針治法国是序分也就 ν序 有 三 通 別 -謂 従 = 如 臼 疋 -至 = 大 衆 -倶 通 -諸 経 -経之下忌脱別序也三字 従=匁時世尊告見沙門四天王国至=封治法目則今経之通序有二六句-謂一如是者所開法憧二我問者能持人是阿難也綿持 第一一間永不 v忘結集之時蒙=聖旨-故橋ニ我問-也=二時者間持和 A 日時也四働者教主也五在恒河側者増益相謄説経 利物之慮也謂阿梶達池有ニ四大河-其中東之河名日ニ恒河-仰在 v此則説ニ此経-者東日疋春季分春是増 ν物之時也準 v ( 十 丁 裏 ) オ 之照=此慮-尤適=増福延命之義-又五天之中雛 v多東河今哉此河者恒河是達池之流達池名=無熱-慮 v中諸龍無 v有 乙 ニ コ レ ヲ モ カ ツ 熱-以嘗=此経力-也徐海龍必有二三熱-三熱者一熱沙著 v 身焼=皮肉-曾而此達池必無=此熱一審三此経力永無ニ病患-ア ラ ヲ 是故経云=色力皆得成就-二悪風暴起吹=其衣厳等-而此達池以 v 無二此苦-醤三此経力永無=災難-亦不下為三水火兵毒-次 恐 以 字 組 耐 之所中傷害上三金麹入 ν海殺ニ龍子-而此達池次無ニ此怖-警三此経力無 ν有=横死一是故経云ニ終無夫死短命之怖-依之知 ホトリ 来在--達漉持説--此経-也又捨コ林野山中-在ニ河上-者河洗ニ垢穣-養者有 ( 十 一 丁 表 ) 情矯 v 用以毛警下此経能除ニ罪垢司増中色力上也臼疋故在ニ河側一也輿諸比丘等奉二同開衆一也就 v衆有三三類二者比丘比丘 藤下恐腕菩薩ニ字 者党名也有三ニ義-謂乞士破煩悩怖魔也ニ菩薩者党名略也具云コ菩提薩埠-菩提者覚義智義薩唾者衆生也随順大覚能 除悪恐脱字 度 = 衆 生 -難 ν交 二 四 生 -而 不 v除 ν悪有二大志意-不 ν捨ニ衆生-是故名--菩薩-三天人雑衆天者上界衆人者下界類也大衆倶 者締結エ大曾衆-次第有 ν由 得 = 比 丘 衆 -縛 = 法 輪 -初 得 v道故初列也強口薩好=中道-故事 v中也人天雑衆意在=下乗-故列 ν 下也別序中如来悲ニ慾一切有情-能知=時節-無 v問而脅=四大天 ( 十 一 丁 裏 ) - 188
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{云良i原撰r金剛寿命陀羅l己経疏』における延命思想の考察 病 下 恐 脱 死 字 、 玉名義-謂生病也如来以=四徳-能封ニ治此-四苦調印常徳治=死苦-集徳治=病苦-我徳治二老苦-浄徳治ニ生苦一也世人於エ ナ 無 常 中 -而 生 = 常 想 -於 二 無 楽 中 -生 = 於 楽 想 -於 ニ 不 自 在 -而 生 ニ 我 想 -於 一 -不 浄 中 -生 ニ 浄 想 -迷 惑 不 ν解故名ニ四顛倒-而於= 如来-有=常楽我浄-是為ニ真寅四徳-於日疋一必告四天者四天居二山四方-能護ニ諸方-似下一貴位有ニ四徳-能化中諸生主 也是故殊以ニ四天-為=針楊人-四天者天帝之兵神也同居=須弥半腹-各鎖斗二鬼-不 v悩ニ衆生-東方天名=提頭頼略-南 方天名ニ昆楼勅叉-西方天名=昆楼博叉-北方天名ニ昆沙門-目疋名皆党 u す 也 如 ν次 ( 十 二 丁 表 ) セ リ オ ヨ ヒ ヲ 翻為=持闘増長虞目多聞-也其中北天依正殊勝能有二大力-護ニ持悌及与世間-是故居 ν首又持園天得二自在方便-嬬二 切衆生-解脱門増長天得下滅二一切怨害-力上解脱門廃目天得 ν消ニ滅諸龍織然苦-解脱門多聞得乙以ニ方便-救下護悪趣衆 脱下恐脱文 生-解脱帽又多聞天殊有ニ勝力-故経云能満=諸勝願-解ニ脱諸悪趣-[云一五]是四天王如も疋徳是故如来於ニ此経中-示ニ 問 天 -也 間同開怨脱天字 従ニル小時四天王-至ニ昆機博叉陀羅尼-為ユ正説-也大分為 ν七一四天作 ν請精四同時作 ν 請者四天雌ニ名異-同居二山-四 者 難 = 名 異 世 間 在 ニ 一 類 -表 ν此故爾二加来 ( 十 二 丁 裏 ) - 189 -受 v請 両 三 向 十 方 司 有 乙 ニ ・ 密 通 -謂 弾 指 是 身 力 誓 一 吉 岡 円 疋 口 力 諸 悌 臆 ν請日疋意力二二切如来赴集然住 v空住者是円融無碍也 教秘密最上説故也四正説=陥羅尼-陥羅尼分為 ν三 初 旬 是 間 二 如 来 日 密 -之 初 発 ニ 起 如 来 誠 一 言 -之 町 尚 也 或 為 = 帰 敬 分 -或 為"-序句-也最後旬日疋結二成如来真賞秘密-之語也中間句義一一合・-如来常住不滅之理-也秘故不 ν可=解釈-五執金剛 四 上 恐 脱 七 字 サ ト リ 説=陥羅尼-也六他土菩薩還三本土-四天各説=陀羅尼-也然一切如来釈迦尊同音説者表ニ白悌他仰質問一-也又悌先説 菩薩次説天等後説者此経依=秘密憂茶羅-聖 ( 十 三 丁 表 )
{云良源保f金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 衆有壬一一一悌部議ニ一切如来-二蓮花部構二切菩薩二ニ金剛部構二切権化念怒衆及天等-也従 ν本現 ν漣謂密教中不 v 縛 = 此 身 -設 エ 大 脇 凡 位 -為 ニ 利 生 -故 還 作 ニ 菩 薩 -又 於 エ 衆 生 -尚 有 ν不 ν順故菩薩更以ニ善巧方便-現ニ天等形-次第依 ν此 A 1 経中顕=此義-故以 ν仰為 v先菩薩為 ν次天等為 ν後 也 除 法 以 = 執 金 剛 -掻 = 金 剛 部 -今 経 中 揖 = 蓮 花 部 -者 依 ニ 菩 薩 -故 也 又 表 三 弱 中 有 -金 剛 性 -又 此 経 由 ・ 顕 三 三 部 常 住 不 滅 有 ニ 金 剛 性 司 而 則 悌 如 来 説 ニ 金 剛 陀 羅 尼 -金 剛 菩 薩 列 = 蓮 華 部 衆 -外 金 剛 橿下恐悦尼字 部天准二於内衆-亦説=延命常住陀羅-也又悌菩薩還 ν本隠不 v現而天 ( 十 三 丁 裏 ) 等猶留ニ此舎-悌菩薩帰後天等説=陀羅尼-者表二化現諸法蹄 v空仰智金剛常存不 p滅 也 以 ニ 天 等 -播 -金 剛 部 -故 也 従 二 悌 告四天-己下流通分也又有 ν四 初 説 ニ 常 持 乃 至 巻 数 一 ・ 次 明 ν可 ニ 蹄 敬 -謂 諦 ニ 此 経 -者 自 疋 金 剛 与 v悌無 ν異 是 故 説 言 -嬉 知 悌 想-三明ニ現嘗利益-謂終不堕三悪道者自疋嘗来勝利也定増蕎命等是現在勝利也正功徳無量故不 v為二身-聴 z - 響為二 切-也少功徳以ニ廻向-成二虞大利-況此一切如来諸大菩薩等三密加持経廻=向一切-哉所以成二就増三長一切善根-増三 長善根-故事時命亦増又為二切衆生-諦=持此-故陰陽顕陽 ( 十 四 丁 表 ) 一切衆生皆悉護=持此持経人-也衆生者指ニ胎卵湿化之生-是故嬬=種々異形-是等皆擁護故現有--二勝利-謂内外之利 サ 也 外 縛 ニ 天 幕 -除 = 災 難 -除 ν難略有 ν四 謂 除 = 悪 夢 -縛 -呪 祖 国 梯 = 鬼 怖 -削 = 水 火 兵 毒 等 -日 疋 故 定 増 ニ 欝 命 -也 内 諸 悌 菩 薩 掻 受護念也是則加 L持身心-也又護=所依境界-日疋故説云ニ其慮亦為仏所護持-也今生如 v日 疋 常 来 亦 可 v匁四大衆奉行也 此経岡本異諜有ニ四本二者諸悌集曾陀羅尼経[古鐸][入ニ開元録-]二者悌説一切加来金剛薄命陀羅尼経三者悌 説一切諸知来心光明加持普賢菩薩延命金剛 - 190-( 十 四 丁 裏 ) 本下恐悦文 最勝陥羅尼経四者金剛蕎命陥羅尼経其中以=第二第三第四本-於エ世流布-但殊以ニ第二本-為 ν勝 易 エ 諦 持 -割 問 = 謀 者 三
伝良i原撰『金剛寿命陀羅尼経疏』における延命思想の考察 ナ ツ h y 蔵 -既 号 ニ 金 剛 知 日 -顕 ν徳最相臆也就 ν中字少文妙諸人稽 v善也次二本日疋寄ニ秘密-諜之不空智三蔵所課也謂第三本普 賢延命軌也第四本日疋出ニ延命軌-也毘慮遮那於ニ迷躍項-受二切如来請-縛ニ金剛輪等四種輪-時降三世菩薩降二伏天 魔 -令 ν人二死門-が時世尊説ニ金剛帯命陥羅尼-令ニ還得 v蘇破 ν邪入 v正也集合経云此陀羅尼従=於一切諸仰-菩薩所ニ ナ リ 知見-[云云]又云若人白書若教 ν入者其人則為三承事供=養 ( 十 五 丁 表 ) 一切諸悌一何以故若於コ衆生-能作ニ利益-則為三供ニ養一切悌-故若有ニ専欲 v擁 = 護 其 身 -宮 下 書 ニ 此 児 -細 川 中 著 身 上 上 若 所 在 之 慮 有 ニ 深 信 法 -[ 一 五 云 ] [ 有 ニ 作 権 落 葉 集 -] ザ カ 延命経云[第二本]が時間天王等承仕加持助ニ普賢菩薩延命-各立二審丑 H -裟詞世界南磯部州但有ニ此経法-流行之 雌我等間天即為ニ法護国令 ν除 ニ 夫 横 -若 有 ニ 此 経 法 -清 浄 道 場 若 不 ニ 降 赴 -阪 我 失 ニ 此 威 光 -損 ニ 我 果 報 -追 失 ニ 菩 提 心 -不 ν ア ラ ユ ル [ 手 品 、 ] [ 有 = 延 命 形 像 井 持 諦 法 4 ] 金剛薄命経現所有悪業凶縁短命夫帯出 ν持ニ此真言故信心清 Q d 得 ニ 解 脱 -( 十 五 丁 裏 ) 浄業障消滅更増ニ毒命-[云云]依=此法-者不 ν縛 ニ 父 母 生 身 -陵 ν空白在[云云]己上四本大都同而随=鐸者之意-或 略或康不=違其義-取 ν要揖 ν之於ニ除功能-者新古皆同仰不 ν記之 イ ム ソ ワ 陀級尼中第四句弥[依ニ唐背-尾字]昆也故集舎経有ニ見字-延命経薩縛[云上音蘇也故延命経裟字集合 H 経 有 二 務 字 -サ ル 無 ニ 締 字 -而 近 代 恩 人 橋 = 沙 問 間 五 疋 ν不可也] 第五句詑 党本有エ椋字-故集曾経口字延命経掲字 築 , 守 党本有ユ疑背-故集舎経掲字延命経識也
( 十 六 丁 表 ) 而 伝良i蝶撰『金剛寿命陀雛尼経疏』における延命思怒の考察 党 本 中 有 = 慈 且 H -故 依 = 唐 音 -可 v諦故集合経時字延命経時也 峨第六句峨 党本有=隷音-故集舎経迦字延命経略也 第八九句隷[有=大音-余二経同] 第十句口[有=連以音-延命経同] 第十四十六句徴 同 巴 党本有ニ昆音-故延命経吠字集舎経陸字也 - 192-第廿一二句利 ( 十 六 丁 裏 ) 集合経礼字有=連以音-第廿三句之末﹁字 党本有ニ縛音国故延命経集曾経婆字也 次延命先 延命経同有之集曾経無之金剛薄命経無=除句-唯有三延命聞凡-今経中加持陀羅尼之末第三句﹁ 党本有コ縛字-故延命経井金剛毒命同音有=縛字-今置 v﹁ 者 可 = 唐 音 -也 自市
( 十 七
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表 ) 党本有ニ勢背-故延命井金剛注云某甲者稀コ持者名-也若為ニ他人-彼人名 伝良 i属if焚『金問IJkl {,jr陀f4~尼経疏』における延命思想の考妓 第 四 党 昆 天 本 沙 児 ノ 有 門「忌塁
以 ィ 竺 1=1 句 故 利 延 命 経 隷 字 党本有ニ縛音-、字故延命経縛字集曾経婆字今置-子字-者可 ν依エ唐音-也謂﹁唐嶋暦音也 害命経疏一巻 註 ①延暦寺御修法および﹁普賢菩薩延命法﹂については武覚超﹁延暦寺御修法﹁普賢延命大法﹂﹂(﹃叡山仏教の 研 究 ﹄ ・ 法 蔵 館 ・ ニ000
八 年 ) 参 照 。 ②栂尾祥雲﹁延命法の史的考察﹂(﹃密教研究﹄四三号・一九=二年) ③初崎正純﹃秘密仏教における普賢延命法の研究﹄(科学研究費助成事業研究課題・種智院大学・一九六七年度)、同 ﹃密教における延命法の成立に関する研究﹄(﹃印度学仏教学研究﹄一五巻一号・一九六六年、科学研究費助成事業研 究課題・種智院大学・一九六六年度) ④頼富本宏﹁密教文献に見る死生観﹂(﹃仏教における生死の問題﹄・日本仏教学会編・一九八一年) ⑤﹃金剛寿命陀羅尼経﹄の註釈書としては、国書所在の撰者不明の﹃金剛寿命陀羅尼経筆記﹄(一冊・{写︼静嘉)と 真言宗豊山派の学匠である栄性(一七六八 1 一八二五)撰﹃金剛寿命経略讃﹄一巻(文化四年刊・龍谷大学図書館 蔵)が現存する程度である。因みに﹃東城伝灯目録﹄﹁衆経部﹂には﹁金剛蕎命経疏一巻善珠撰﹂(﹃大正蔵﹄五五・ 一 一 五 二 一 卜 ) と あ り 、 議 ロ 珠 ( 七 二 三 i 七九七)による註釈書の存在を明かしている。また、醍醐寺理性院の賢覚(一一
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伝良i除撰 r金剛寿命陀搬1f.経疏』における延命a思想の考察