産 業 の 立 憲 化
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現在の各種勢働組合が如何にも節制統一を快き︑甚だしきは兇暴に堕せるもの 3
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︑ 到
底産業の健全なる礎展に協力すべき資質なきことは︑識者の著しく認識する所である︒叉現在の
勢働者の多くは︑欧米の勢働者に比し︑概し℃教養の程度低く︑訓練も亦及ばぎるの械がある︒
故に︑今直ちに是等の州労働組合又は勢働者と共に︑各種の産業の経替を立憲化することは︑明日想
とし τ は兎に角︑之を急速に質調することは不可能といム可主である︒
3
b 乍ら貫唄困難なるの
理由を以 τ ︑現在の佳成行に放任することも︑事業経管者とし Z 甚だ不得策であ b ︑卓見なさ慮
置といはねばならぬ︒
然らば揖在の勢働紋勢に鑑み︑如何なる方針を以て進む可きかといょに︑先づ現在の如主勢働
組合は飽く迄之を排撃し︑勢働者をし℃組合よ
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離脱せしむると同時に︑別に統制あら節度ある︑
論
議
産業の立憲化 一 O 九
商 望 暴 論 叢
第
11..銃
一 一
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健全なる別個の圏瞳を結成せしめ︑之を助長訓育する乙と︑が︑持来産業主立憲化せしむる第一階
梯かと思ム︒現在の勢働組合に就 τ は︑勢働者自身遣も決し τ 満足し℃居らぬ︒然し他に頼るベ
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一面生活の不安に脅か詰る︑結果︑溺れんとする者が藁をも掴むと同様な心境から︑
不協乍ら不精無精に加入するか︑或は全然何等の考もなく︑何等の理解識別もなく︑唯漫然と誘
はる︑佳に加入するか︑又は強制的に加入ヨせらる︑か︑此の三つの動機から組合に加入するの
である︒斯くし℃組合員となった憐れむべき勢働者は︑組合指導者の不純なる目的の踏墨に芯
れ︑犠牲とな b ︑失ム所多くして何等得る所在主賓肢である︒敬養之しき我が勢働者の現肢とし
℃は︑蓋し巳むを得ぎることであるが︑此憐れなる勢働者を救以出し τ
︑ 勢
働 者
の 異
の 一
脂 利
増 進
を計る乙とが詞に念務といはねばならぬ︒
現在事業主側が採 b っ︑ある手段は︑所謂曝露戦術によっ τ ︑勢働組合及共指導者の醜悪好信
なる裏面の事買を曝露し︑共真相主勢働者に知悉せしむることによって勢働者の畳醒を促がし︑
組合よ b 遠ざからしむる乙とである︒乙れが現在・採られつ
Lある唯一の有殻なる方法である︒然
し 附
労 働
者 を
し ℃
組 合
よ h 離脱せしむるのみにては︑末︑先高金なる方法とはいへない︒何故かとい
ょに︑離脱せしめたるま
L放任するに於℃は︑相側る所なさ彼等は︑不満乍らも再び既存の勢働組
舎に立戻るであらう︒日疋に於℃か彼等主牧容し安住せしむる場所を作 b 輿へねばならない︒是が
即ち別個の健全なる園陸を組織して彼等を牧容するの必要ある所以である︒市し℃彼等を牧容し
指導するためには︑彼等をして充分に納得し満足せしむるに足る︑指導方針︑指導原理を掲出す
る必要がある︒今日の勢働者に卦し℃︑唯草に惇統的観念を基礎とする︑神秘的論理を以℃盲従
を強ひた b ︑偶像鵡奔的官信を強要するが如告は︑無理解も甚だしい遣方である︒新くては勢働
大衆を引付け︑包容し℃行く之とは到底不可能だ︒従来事業主側に於 τ ︑動もすれば掛かる奮式
の方法︑保守的観念にょっ℃彼等を指導せんとするから失敗するのである︒時勢を解せぎるも亦
甚だしと謂はぎるを得ない︒
故に指導原理は徹頭徹尾理路整然︑論理透徹のものだるを要するは勿論︑
一 貼
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ジ的分子主介在主せてはならぬ︒
掛かる指導原理の大施を醸して︑既存組合よ b 離脱せしめたる勢働大衆を招かば︑彼等は翁然
とし℃期せずし℃其傘下に馳せ集まると思ふ︒然る上は勢資共に現在苦悩しつ
Lある如言︑各種
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議 産業の立憲化
商 尋 基
論得議
l•民r 目
五 ま 虎
の弊害よ b 逸脱じ得ると信ずる︒唯誌に問題は︑此の新圏鵠の指導者として適任者を得る乙とで
あ る
︒
指導原理の内容
然らば指導原理の内容如何といふことである︒これは各方面の擢威者を網羅し℃︑不朽のもの
を作らねばならぬが︑共骨子根幹をなすものは産業の立憲化であらねばならね︑而して産業の立
議化は徐剰利益の分配方法と︑経管擢の品会主とに立憲的精神を具現する乙とであると思ふ︒
徐剃利盆の分配方法
飴剰利盆のあ b たる場合︑之を合理的の方法主以 τ 勢資に配分することは︑産業立憲化の第一
義である︒刻下の我産業界に於 τ
は ︑
幾 分
其 精
神 を
織 込
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骨 子
︑ 精
神 を
徹 底
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しめたるものは皆無である︒然らば合理的の利益配分方法は如何といふに︑生活上の最低賃銀が
従来勢働者に針し︑生存躍と共に絶封的のものであ b ︑従って利盆の有無に拘はらず︑優先的に
支出せらるべきもの在ると同時に︑出費者に卦しても︑同様に五分内外の最低利息を支出し︑然
る後計出したる利益ど剰徐利益金とし τ ︑均分或は均分に遅き割合を以 τ ︑勢資双方に分配する
乙とは最も合理的であ夕︑立憲的であると信ずる︒資本に劃する利潤と勢銀とを同等に取扱ム乙
とに卦し︑不勢所得たる資本に到する最低利息主︑
M 7
銀と同様︑優先的に支出することは不合理
な b と反到する者があるかも知れぬが︑新くの如 3 論は一種の理論とし τ は兎に角︑世界の大勢
及我園の祉曾組織に顧み︑到底首肯し得られざる空論といよの外ない︒
経州官権の参加
勢資が産業の雨翼であムリ︑市?の雨輸であるからには︑事業の経替躍も亦資本の代表者のみが濁
b 専恋す可 3 ものにあらぎること勿論である︒然るに現下の我産業に於℃︑勢働代表者が経替に
奉書一し居れる賞例は︑特殊の務態的のものを除いては殆んど絶無といよ欺態である︒此意味に於
て現在の産業組織は極め℃非立憲であ b ︑幼稚であると謂はねばならぬ︒然し是には自ら理由の
ある乙とであっ℃︑勢働者の素質教義の現肢等よ b 考え︑今直ちに勢働の代表者を経替に参加せ
論
叢
産業の立議化
一 一 一
一
際 I
等 E 詰 命
7
長
第 互 五 宮 昆
一 一 回
しむることは︑種々の弊害を醸成する虞明白なるがためである︒殊に︑動もすれば不純なる蛇労働
組合の指導者なドこが持働代表者として潜入するの危険がある︒若し然る場合には︑産業経替上由
々しき危害を招くこと﹂なるからである︒故に勢働代表者をし℃経替に参加せしむることは︑産
業を立憲化せしむる上に於て必要なる乙と在るも︑之を質調せしむるには附労働者の素質の改善を
前提僚件としなければならぬ︒即ち健全なる国躍を結成せしめ τ ︑諌め迎宮なる訓育ど施す必要
あ る
所 以
で あ
る ︒
之主要するに︑産業の立話化は五日人の遇準す可さ目標であ b ︑将来に於℃貫現ヨせねばならぬ
之とであるが︑今一気町成に共宣明却を期することは︑各種の肢勢に照らし︑又勢働者の教養訓練
の賞肢に鑑み︑不可能であ b
︑ 共
強 行
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害 あ
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一利ない︒順を遁ふ℃一歩一歩進まねばならぬ︒
賞 血
ハ 金
合 理
化 案
而して舌人の直ちに賀行したさ乙とは︑従業員賞輿金の合理化である︒業績の如何によ
b τ
従
業員賞典金の増減をなす乙とは言ふ迄もなさ乙とであっ τ
︑肢に各方面に賀行せられっ︑あるが︑
吾ん吋は其方訟を真に合理的ならしめたいと凪ふ︒例へば株主配賞金と同率の割合を以℃賞典金額
を増減するが如きである︒即ち一割の株主配営主主したる時は︑其決算期聞に取得したる各人の
賃銀総額の一割を特別賞典金とし℃支給するが如 3 である︒尤も職員の賞血︵金は或意味に於℃俸
給の延長であ b ︑俸給の一部を構成するものとも観る三とが出来るが故に︑梓給に封する或割合
迄を基本賞典金とし τ ︑業績の如何に拘はらず之を支給し︑株主配営金あ b たる場合には︑前述
の如き方法を以て算出したる特別賞典金を添加支給するのである︒
賞直者報償の一新案
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τ ︑従業員慰安の目的から︑宰踊査金
抽義法といよのを貫行しつ
Lある︒共方法は宇期決賃毎に一等金壷千固︿京本︶二等金五百圏︵参
本︶三等金萱百閏︿拾本︶等の比率で︑従業員百人に卦し︑京︑参入位の嘗銭者を生ずる割合主
以℃営 b 畿を作成し︑杢従業員に拍長せしめるのである︒即ち逗のよい者は一一帯にし℃萱千回ど
獲特出来るのであっ τ ︑此営議した金は利息を付し℃曾粧が保管し︑退職の際に交付するのを原
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画師団叢
産業の立憲化
一 一
五
す 為 事 論
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第 主 E
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一 一 六
則とする︒是は︑掛る性質の金は動もすれば浪費遣れる虞があるからであるが︑災厄共他相嘗の
理由ある場合は随時交付する︒而し℃抽畿資格者は勿論杢従業員で︑何等の傑伴を付せぬが︑主︵
決算期の中途よ b 入枇し︑在勤参ヶ月に満たね者︑及挟劫多さ者などは換格者とする︒又共反卦
に共期間の勤務成績の優良なる者には︑特に拍議権を倍加し℃京本の抽鐘躍を興へるのである︒
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b ︑勤勉者には一服謹白から来るの天則を具 か
現せしめる趣旨から之を創めたのである︒
元来従業員の大多数は生来貧困祖に人とな b ︑充分なる教育も受けられず︑又作業上に傑出す
る天盲点的技能もなく︑従つ℃如何に誠心誠意費直に勤績し℃も︑前︑企に大した立身出世の見込も
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