パプア・ニューギニアの民俗資料
著者 角田 芳昭
雑誌名 阡陵 : 関西大学考古学等資料室彙報
巻 4
ページ 10‑10
発行年 1981‑11‑01
URL http://hdl.handle.net/10112/00024411
パプア・ニューギニアの民俗資料
本 学 資 料 室 に パ プ ア ・ ニ ュ ー ギ ニ ア 地 方 の 民 俗 資 料 約100余 点 を 所 蔵 す る。主 に ア ガ ッ ツ 地 区 収 集 の も の が 多 い 。 こ の 資 料 は1日本山コレクション の 一 部 と 、 昭 和43年 東 京 の 材 木 商 小 宮 山 貞 夫 氏 よ
り横田健一教授を通じて贈られたものとである。
トーテムポール、大鼓・視棒、櫂、神像、仮面、
袋 物 な ど の 資 料 で あ り 、 ニ ュ ー ギ ニ ア 原 住 民 の 生 活 を 知 る 上 で 貴 直 な 資 料 で あ る。
① は 矢 で あ り 、 弓 矢 が 主 要 な 武 器 ・ 狩 猟 具 と し て 使 用 さ れ て い る 。 と がった木製のものは戦闘用、
竹 製 の も の は 野 プ タ な ど 大 型 の 野 獣 の 狩 猟 用 で あ る 。 ② は 神 像 で 人 形 や 仮 面 が 伝 統 的 に 残 さ れ て お り、祖先像とし て 崇 拝 さ れ 、 ま た 海 に 流 し て 死 者 の 霊 を と む ら う の に も ち い ら れ た 。 ③ は ミ ク ロ ネ シ ア ・ モ ー ト ロ ッ ク 諸 島 の 仮 面 で 、 祭 祀 や 踊 り の 際 に 神 の 姿 に 変 装 す る た め の 仮 面 で あ る 。 男 女 二 面 の セ ッ ト に な っ て お り 、 こ の 仮 面 は 女 神 を あ ら わ す 。 ま た 戦 争 な ど で は 守 護 神 と し て ま つ ら れ たc
家屋内の柱に男神と女神を向かい合わせにかけ、
呪 文 を 唱 え て 戦 勝 を 祈 願 し た。パ ン ノ キ な ど や わ ら か い 木 で つ く ら れ 、 石 灰 製 の 白 色 塗 料 と コ コ ヤ シ 殻 を 焼 い て つ く っ た 黒 色 塗 料 で 彩色をほどこし ている。
④ は 櫂 で あ り 、 ニ ュ ー ギ ニ ア に は 多 く の 河 川 が
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網 目 状 に あ り 、 丸 太 を く り ぬ い た カ ヌ ー は 漁 携 の ほ か 交 通 手 段 、 運 搬 用 と し て 重 要 で あ る 。 こ の 航 行 に は 、 綽 や 櫂 を も ち い る 。 櫂 の 表 面 に は 曲 線 模 様 や 、 祖 先像、 動 物 の 文 様 を 描 い て
いる。 人 面 な ど の 彫 石 貨(直径18cm) 刻 も あ る 。 石 貨 は 上 層 階 級 へ の 昇 進 の た め の 上 納 金 、 祭 祀 の 際 の 献 金 、 カ ヌ ー や 家 屋 の 建 造 に た い する謝金としてもちいられる慣習上の貨幣であり、
直 径 の 大 き な も の と 、 来 歴 の わ か っ て い る石貨 は 重要視された。 (国立民族学博物館総合案内参照)
海 外 民 俗 資 料 は 現 在 の と こ ろこの 資 料 の み で あ り 貴 重 で あ る 。 こ れ ら 関 連 資 料 の 収 集 を 早 急 に行 なわなくては、永遠に消滅してしまうであろう。
な ぜ な ら ば 文 明 社 会 の 侵 食 に よ り 、 カ ヌ ーはエ ン ジ ン 船 に 、 ま た 原 住 民 の 生 活は大 き く 変 化 し て い る 。 教会や学校ができて変貌を来たしており、
民 俗 資 料 も 次 第 に 失 わ れ つ つ あ る。 早急 に 学 術 説l 査 を 実 施 し 、 民 俗 資 料 の 収 集 と 記 録 を 残 さ なけれ
ば 後 々 悔 い を 残 す ことになろう。 〈角田芳昭〉
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① ②
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④ パ プ ア ・ ニ ュ ー ギ ニ ア の 民 俗 資 料
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