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指導教員 柳澤 幸江 教授

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Academic year: 2021

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(1)

和洋女子大学大学院 博士論文

居宅療養高齢者の摂食機能に適応する 食物形態区分を用いた栄養指導方法に関する研究

指導教員 柳澤 幸江 教授

総合生活研究科 総合生活専攻 博士後期課程

1142202 留守 孝子

(2)

目 次 第 Ⅰ 章 序 論

本 論 文 の 構 成 .......................................1 1 . 本 研 究 の 背 景 ................................. 4 2 . 本 研 究 の 目 的 ................................7

第 Ⅱ 章 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 か ら み た 食 事 に 関 す る 課 題 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 認 識 と の 比 較 に 関 す る 検 討

1 . 緒 言 ........................................1 0 2 . 方 法 ...........................................1 1 2 .1 対 象 .....................................1 1 2 .2 質 問 項 目 ............................1 2 2 .3 調 査 方 法 .............................1 2 2 .4 解 析 方 法 .................................1 3 3 . 結 果 ..........................................1 3 4 . 考 察 .........................................2 3 4 . 1 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 か ら 得 ら れ た 情 報 に つ い て. 2 3 4 . 2 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 か ら 得 ら れ た 情 報 に つ い て. 2 4 4 . 3 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 と の 介 護

現 場 の 把 握 の 違 い に つ い て.....................2 5 5 . 結 論 .........................................3 0

(3)

第 Ⅲ 章 居 宅 療 養 高 齢 者 の 食 品 摂 取 状 況 お よ び 調 理 方 法 の 現 状 把 握

1 . 緒 言 ........................................3 2 2 . 方 法 ........................................3 3 2 .1 調 査 対 象 お よ び 方 法 ....................3 3 2 .2 調 査 項 目 ..............................3 3 2 .3 解 析 方 法 ..............................3 4 3 .結 果 ........................................3 5 3 .1 性 別 の 違 い に よ る 差 ....................3 5 3 .2 年 齢 の 違 い に よ る 差 ....................3 8

3 .3 家 族 構 成 の 違 い に よ る 差 ..................4 1 3 .4 調 理 担 当 者 の 違 い に よ る 差 ................4 4 3 .5 調 理 方 法 に つ い て .......................4 6 4 .考 察 ..........................................4 8 4 . 1 性 別 の 違 い に よ る 差 ......................4 8 4 .2 年 齢 の 違 い に よ る 差 .......................4 8 4 . 3 家 族 構 成 の 違 い に よ る 差 ..................5 0 4 .4 調 理 担 当 者 の 違 い に よ る 差 ................5 0 4 .5 調 理 方 法 に つ い て ........................5 1 5 .結 論 ...........................................5 2

第 Ⅳ 章 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 合 わ せ た 食 物 形 態 区 分 に つ い て の 検 討

1 . 緒 言 ...........................................5 3 2 .方 法 ............................................5 4

(4)

3 .結 果 ............................................5 7 4 .考 察 ............................................6 2 5 .結 論 ............................................6 7

第 Ⅴ 章 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 適 応 す る 食 物 形 態 区 分 を 用 い た 栄 養 指 導 方 法 の 検 討

1 .緒 言 ............................................6 9 2 .方 法 ............................................7 1 2 .1 対 象 ......................................7 1 2 .2 調 査 方 法 ..................................7 1 2 .3 調 査 項 目 ..................................7 3 3 .結 果 ............................................7 4 3 .1 身 体 状 況 に つ い て ..........................7 4 3 .2 生 化 学 検 査 に つ い て ........................7 6 3 .3 栄 養 状 態 に つ い て ..........................8 3 3 .4 高 齢 者 本 人 の Q O L に つ い て ................8 3 3 .5 家 族 介 護 者 の 介 護 に よ る 疲 労 ・ 負 担 に つ い て ..8 4 3 .6 訪 問 栄 養 食 事 指 導 に 関 す る ア ン ケ ー ト ........8 8 4 .考 察 .......................................8 9 5 .結 論 ...........................................9 3

第 Ⅵ 章 総 括 .......................................9 4

謝 辞 .......................................9 7

(5)

引 用 文 献 .......................................9 8

資 料

(6)

1

本 論 文 の 構 成

本 論 文 の 構 成 は 以 下 の 通 り で あ る 。

本 論 文 は「 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 適 応 す る 食 物 形 態 区 分 を 用 い た 栄 養 指 導 方 法 に 関 す る 研 究 」 と 題 し 、 6 章 か ら 構 成 さ れ て い る 。

第 Ⅰ 章 で は 、論 文 の 背 景 と 目 的 を 示 し た 。わ が 国 の 高 齢 化 社 会 の 中 で 介 護 の 第 一 線 と な る の は 、ケ ア マ ネ ジ ャ ー や ヘ ル パ ー で あ る が 、食 生 活 面 に お い て の 知 識 な ど 、管 理 栄 養 士 か ら の 教 授 が 必 要 な 場 合 が 多 い 。要 介 護 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 適 応 し た 食 物 形 態 の 基 準 に つ い て 、既 に 要 介 護 高 齢 者 施 設 に お い て は 先 行 研 究 が 進 ん で お り 、食 物 形 態 区 分 が あ る 程 度 確 立 さ れ て き て い る 。一 方 居 宅 で の 対 応 に つ い て は 、 ヘ ル パ ー や 家 族 が 手 探 り で 調 整 し て お り 、 十 分 に 確 立 さ れ て い な い の が 現 状 で あ る 。

以 上 の こ と よ り 、居 宅 介 護 の 現 場 で も 食 物 形 態 区 分 の 基 準 を 作 成 し 、食 物 形 態 の 種 類 と 適 応 に つ い て 、介 入 研 究 に よ り 検 討 し た 。

第 Ⅱ 章「 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 か ら み た 食 事 に 関 す る 課 題 と 管 理 栄 養 士・栄 養 士 の 認 識 と の 比 較 に 関 す る 検 討 」 で は 、 居 宅 療 養 高 齢 者 の ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト の 中 で 摂 食 機 能 低 下 が 及 ぼ す 食 事 の 課 題 に つ い て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 、 両 者 の 課 題 把 握 に ず れ が な い か を 解 析 し た 。 そ の 結 果 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 の 把 握 で は 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 に 比 べ 、 咀 嚼 機 能 の 低 下 に 捉 わ れ や す い 傾 向 が み ら れ た 。 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 の 特 に 知 識 を 高 め た い 分 野 は 、『 摂 食 機 能 に 合 わ せ た 食 物 形 態 』 で は な く 、『 治 療 食 に つ い て の 知 識 』 で あ っ た 。 訪 問

(7)

2

栄 養 指 導 に 携 わ っ て い る 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 が 未 だ 少 な く 、現 場 へ の 認 識 や ニ ー ズ 把 握 が し に く い 状 況 に あ る と 考 え ら れ た 。

第 Ⅲ 章「 居 宅 高 齢 者 の 食 品 摂 取 状 況 お よ び 調 理 方 法 の 現 状 把 握 」 で は 高 齢 者 の 食 生 活 の 実 態 を 把 握 し 、高 齢 者 に 対 し て 家 庭 で よ り 実 践 し や す い も の と な る よ う 、栄 養 教 育 の あ り 方 に つ い て 検 討 す る こ と を 目 的 と し 検 討 を 行 っ た 。そ の 結 果 年 齢 が 高 い ほ ど 食 べ や す い 食 品 を 、高 齢 者 世 帯 ほ ど 調 理 し や す い 食 品 を 選 択 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 調 理 方 法 に つ い て は 、「 焼 く 」「 炒 め る 」 と い っ た 単 調 な 調 理 方 法 を 選 択 し て い た 。

第 Ⅳ 章「 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 合 わ せ た 食 物 形 態 区 分 に つ い て の 検 討 」で は 、第 Ⅲ 章 で 得 ら れ た 高 齢 者 が よ く 使 用 す る 食 材 、 調 理 方 法 を 用 い た 調 理 品 1 1 7 サ ン プ ル に 対 し て 、「 硬 さ 」「 付 着 性 」「 弾 力 性 」「 凝 集 性 」 の 物 性 測 定 を 行 っ て 、 食 物 形 態 区 分 の 検 討 を し た 。介 護 者 の 調 理 負 担 の 軽 減 及 び 要 介 護 高 齢 者 の 意 思 尊 重 の も と 、家 族 と 同 じ 食 事 を 摂 取 す る こ と が 望 ま し く 、3 区 分 が 効 果 的 で あ る と 考 え 検 討 を 行 っ た 結 果 、第 1 グ ル ー プ は 一 口 大 の 料 理 品 、第 2 グ ル ー プ は 生 で 食 べ ら れ る 食 品 の 一 口 大 、ま た は つ ぶ し ・ き ざ み 食 で 、 比 較 的 ゲ ル 状 に 近 い 料 理 品 、 第 3 グ ル ー プ は ミ キ サ ー 食 を 含 む ゲ ル 状 料 理 品 の 3 区 分 に 分 け る こ と が で き た 。

第 Ⅴ 章「 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 適 応 す る 食 物 形 態 区 分 を 用 い た 栄 養 指 導 方 法 の 検 討 」で は 、第 Ⅳ 章 で 得 ら れ た 食 物 形 態 3 区 分 を 用 い て 、実 際 に 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て 訪 問 栄 養 指 導 を 行 い 、 そ の 介 入 効 果 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 身 体 計 測 、 血 液 検 査 、 Q O L の 結 果 よ り 、 有 意 な 差 は 得 ら れ な か っ た も の の 、 コ ン ト ロ ー ル 群 よ り も 介 入 群 の 方 が 維 持 ま た は 改 善 さ れ て い る 者 が 多 か っ

(8)

3

た 。 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て 、 訪 問 栄 養 指 導 に お い て 、 摂 食 機 能 に 考 慮 し た 栄 養 指 導 方 法 を 用 い る こ と は 、高 齢 者 の 栄 養 状 態 を 維 持 さ せ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。ま た 、栄 養 指 導 に 調 理 指 導 を 加 え た こ と に よ り 、要 介 護 高 齢 者 及 び 家 族 や ヘ ル パ ー 等 介 護 者 に 対 し て 、 家 庭 で 実 践 し や す く な っ た と 考 え ら れ た 。

第 Ⅵ 章 で は 、以 下 の 総 括 を 示 し た 。本 論 文 に よ っ て 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て 、摂 食 機 能 に 考 慮 し た 栄 養 指 導 方 法 を 用 い る こ と は 、 高 齢 者 の 栄 養 状 態 を 維 持 さ せ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。ま た 、そ の 方 法 と し て 栄 養 指 導 の 中 に 、調 理 指 導 を 加 え る こ と は 、家 庭 で 実 践 し や す い も の と な り 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て 効 果 的 で あ る と 考 え る 。

(9)

4

第 Ⅰ 章 序 論

1 . 本 研 究 の 背 景

わ が 国 で は 、

65

歳 以 上 の 人 口 が

2 005

年 に

20

% を 超 え 、

20 11

年 現 在 で は

29 80

万 人 で 、総 人 口(

1 2788

万 人 )に 占 め る 割 合 は 、

23.3

% と 超 高 齢 化 と な っ て い る 現 状 で あ る 1。高 齢 者 の い る 世 帯 は

2 010

年 に

2 07 1

万 世 帯 と 全 世 帯 (

4864

万 世 帯 ) に 対 す る 割 合 は

4 2.6

% と な り 、 現 在 も 増 え 続 け て い る 2

65

歳 以 上 に な っ て も 親 を 介 護 す る と い う 老 老 介 護 を 行 う の は 、 日 本 の 特 徴 で あ る 。

65

歳 以 上 の 高 齢 者 の い る 世 帯 に つ い て 世 帯 構 造 別 の 割 合 で み る と 、 三 世 代 世 帯 は 減 少 傾 向 で あ る 一 方 、 単 独 ( 一 人 暮 ら し ) 世 帯 は 増 加 傾 向 に あ る 。

1 980

年 で は 世 帯 構 造 の 中 で 三 世 帯 構 造 が

1

番 多 く 、

50 .1

% (

425.4

万 世 帯 ) と 全 体 (

849 .6

万 世 帯 ) の 半 数 を 占 め て い た が 、2010 年 で は 高 齢 夫 婦 の み の 世 帯 が

29.9 %( 619

万 世 帯 ) と 一 番 多 く 、 次 い で 単 独 ( 一 人 暮 ら し ) 世 帯 の

24. 2%

5 01.8

万 世 帯 ) と 、 高 齢 者 の み で 構 成 さ れ る 世 帯 は 全 体 (

2071

万 世 帯 ) の 約 半 数 を 占 め て い る 2

ま た 厚 生 労 働 省 の 平 成 2 2 年 度 介 護 保 険 事 業 状 況 報 告 書 に よ る と 、 要 介 護( 要 支 援 )認 定 者( 以 下「 認 定 者 」と い う 。)数 は 、 現 在 で

506

万 人 と な っ て お り 、 う ち 、 第

1

号 被 保 険 者 は

491

万 人 、 第

2

号 被 保 険 者 は

1 5

万 人 で あ る 。 前 年 度 末 現 在 に 比 べ 、 第

1

号 被 保 険 者

21

万 人(

4. 5

% )増 、第

2

号 被 保 険 者

0.5

万 人(

3. 5

% ) 増 と な っ て お り 3、認 定 者 数 も 年 々 増 え 続 け て い る の が 現 状 で あ る 。

(10)

5

こ う し た 中 で 、 国 で は 介 護 保 険 法 の 改 正 (

20 06

4

月 ) に よ り 地 域 に お け る 予 防 重 視 型 シ ス テ ム の 整 備 が 行 わ れ4

2 0 0 8

4

月 か ら 全 て の 市 町 村 に お い て 介 護 予 防 プ ロ グ ラ ム が 導 入 さ れ た5。 高 齢 者 の 身 体 状 況 ・ 栄 養 状 態 を み る と 、 国 民 健 康 ・ 栄 養 調 査 の 結 果 よ り 、

6 0

歳 以 上 の 男 性 の 低 体 重 者 の 割 合 は 、

1 987

年 の

7.2

% か ら

2009

年 で は

1 2 .3

% 、女 性 で は

18 . 6

% か ら

22 .3

% と 、男 女 と も に 約

5

% 増 加 し て い る 。

65

歳 以 上 の 高 齢 者 の

BMI

分 布 で も

75

歳 を 過 ぎ る と 男 女 と も に 肥 満 者 の 割 合 が 減 り 低 体 重 者 の 割 合 が 増 加 す る 傾 向 が 明 ら か と な っ て い る6。ま た 介 護 予 防 プ ロ グ ラ ム の 対 象 者 で あ る 特 定 高 齢 者 、 要 支 援 者 に お い て も 、 「

6

ヶ 月 で

2

3

㎏ の 体 重 減 少 」 ま た は 「

BMI

18 .5

未 満 」 に 該 当 す る 者 、 両 方 に 該 当 す る 者 の 割 合 は 合 わ せ て 約

3

割 以 上 で あ る と い う 報 告 も な さ れ て お り7、高 齢 期 の 低 栄 養 状 態 が 重 要 な 問 題 で あ る こ と が 考 え ら れ る 。

こ れ ら 低 栄 養 状 態 の 主 な 要 因 の ひ と つ に 食 事 摂 取 量 の 低 下 が あ げ ら れ る 8。 更 に 食 事 摂 取 量 の 低 下 に 大 き く 影 響 す る 要 因 に 、 摂 食 機 能 の 低 下 が あ げ ら れ る 91 0。 顎 関 節 や 咀 嚼 筋 な ど の 老 化 現 象 に 加 え 11、喪 失 歯 数 が 多 い 高 齢 者 1 2に と っ て 、残 存 歯 数 の 保 存 や 義 歯 装 着 に よ る 咀 嚼 機 能 の 回 復 が 果 た す 役 割 は 大 き い と 考 え ら れ る 111 31 41 51 6。そ の 一 方 で 、歯 の 欠 損 や そ れ を 修 復 す る 義 歯 は 、咀 嚼 に 関 し て は 天 然 歯 と 同 等 の 機 能 を 果 た さ ず 、不 適 切 な 食 生 活 を 引 き 起 こ す と の 報 告 も あ る 111 7。 こ れ ら 加 齢 に 伴 う 摂 食 機 能 の 低 下 に よ り 、食 べ ら れ る 食 物 形 態 が 変 化 し て く る

1 5

こ れ ら を 踏 ま え 、 高 齢 者 に 対 し て は

QO L

を 重 視 す る 食 介 護 の

(11)

6

視 点 か ら 、食 生 活 や 栄 養 問 題 を 包 括 的 に 理 解 し た 上 で 支 援 し て い く こ と が 重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。

そ の 支 援 の ひ と つ と し て 欠 か せ な い も の が 、在 宅 訪 問 栄 養 食 事 指 導 ( 以 下 、 訪 問 栄 養 食 事 指 導 ) の 存 在 で あ る 。

国 で は 、1 994 年

1 0

月 に 社 会 保 険 報 酬 改 定 に 伴 い 、在 宅 で 療 養 す る 通 院 困 難 な 患 者 に 対 し 、栄 養 食 事 療 法 が 必 要 な 場 合 は 管 理 栄 養 士 が 自 宅 に 訪 問 し 栄 養 食 事 指 導 を 行 う 際 に 算 定 さ れ る 、在 宅 患 者 訪 問 栄 養 食 事 指 導 料 が 新 設 さ れ た 1 8

2000

4

月 に は 、 介 護 保 険 法 の 居 宅 療 養 管 理 指 導 に も 在 宅 訪 問 栄 養 食 事 指 導 が 設 定 さ れ 、2006 年

4

月 の 改 正 で 、「 管 理 栄 養 士 に よ る 居 宅 管 理 指 導 に つ い て は 、 通 院 ・ 通 所 が 困 難 な 低 栄 養 状 態 の 在 宅 要 介 護 者 に 対 し 、 関 連 職 種 と 共 同 し て 、栄 養 ケ ア 計 画 の 策 定 、計 画 に 基 づ く 栄 養 管 理 や 定 期 的 な 評 価・見 直 し の 実 施 、家 族 、ヘ ル パ ー へ の 情 報 提 供 、 助 言 の 実 施 と い っ た 一 連 の プ ロ セ ス を 行 う 栄 養 ケ ア・マ ネ ジ メ ン ト を 新 た に 評 価 す る 」と し て 国 に お い て も 在 宅 訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 重 要 性 を 唱 っ て い る 1 9。 し か し な が ら 、 日 本 栄 養 士 会 全 国 病 院 栄 養 士 協 議 会 の 栄 養 部 門 実 態 調 査 で み る と 、在 宅 訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 実 施 率 は わ ず か

5

% 前 後 と い う 状 況 2 02 1で あ り 、携 わ っ て い る 管 理 栄 養 士 が 少 な い こ と が 示 唆 さ れ る 。

(12)

7

2 . 本 研 究 の 目 的

日 本 に お け る 高 齢 者 医 療 に お い て 様 々 な 場 面 で の 栄 養 指 導 が 実 施 さ れ て い る2 2が 、 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 栄 養 ケ ア は 、 施 設 高 齢 者 の 栄 養 ケ ア2 3に 比 べ て き わ め て 手 薄 と な っ て い る の が 現 状 で あ る 。ま た 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 、チ ー ム ア プ ロ ー チ の 研 究 で も 、 チ ー ム 内 に 管 理 栄 養 士 が 含 ま れ て お ら ず2 4、 本 分 野 で の 管 理 栄 養 士 の 介 入 お よ び 役 割 が 十 分 に 研 究 、検 討 さ れ て い な い 現 状 で あ る 。そ こ で 居 宅 療 養 高 齢 者 の ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト の 中 で 摂 食 機 能 低 下 が 及 ぼ す 食 事 の 課 題 に つ い て 、現 場 で サ ー ビ ス を 提 供 す る 側 が 抱 え て い る 課 題 に つ い て 実 態 を 把 握 す る こ と 。ま た 介 護 者 に 対 し 栄 養 指 導 を 行 う 立 場 と し て 考 え る 課 題 に つ い て の 実 態 把 握 を 行 い 、両 者 の 課 題 把 握 に ず れ が な い か を 解 析 し た 。こ れ に よ り 今 後 の 介 護 者 に 対 す る 栄 養 教 育 に 活 か し て い く こ と を 目 的 と し 、 検 討 を 行 っ た 。

ま た 、 高 齢 化 が 進 む 中 で 、 高 齢 者 の 健 康 の 維 持 、 Q O L の 維 持 の た め の 対 策 は 急 務 で あ り 、特 に 健 康 問 題 と 大 き く 関 連 の あ る 食 生 活 に つ い て 把 握 す る こ と は 重 要 で あ る 。高 齢 者 の 食 生 活 の 実 態 を 把 握 し 、高 齢 者 に 対 し て 家 庭 で よ り 実 践 し や す い も の と な る よ う 、 栄 養 教 育 の あ り 方 に つ い て 検 討 す る こ と を 目 的 と し 研 究 を 行 っ た 。

加 齢 に 伴 う 摂 食 機 能 の 低 下 に よ り 、食 べ ら れ る 食 物 形 態 が 変 化 し て く る 。そ の た め 、要 介 護 高 齢 者 の た め に 家 族 と は 別 の 食 事 を 準 備 し て い る 場 合 も 少 な く な い 。介 護 者 の 調 理 負 担 の 軽 減 及 び 要 介 護 高 齢 者 の 意 思 尊 重 の も と 、家 族 と 同 じ 食 事 を 摂 取 す る こ と が 望 ま し い と 考 え ら れ る 。先 行 研 究 に お い て 、要 介 護 施 設 に お け る

(13)

8

高 齢 者 に 適 し た 食 物 形 態 区 分 の 研 究 は 多 く な さ れ て い る2 52 62 7。 し か し な が ら 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て の 食 物 形 態 区 分 は 確 立 さ れ て お ら ず 、食 事 を 担 当 し て い る ヘ ル パ ー や 家 族 が 手 探 り で 食 事 を 作 り 、介 助 し て い る の が 現 状 で あ る 。 食 物 形 態 区 分 が よ り 簡 潔 な も の が 望 ま し く 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て の 栄 養 指 導 で は 3 区 分 が 効 果 的 で あ る と 考 え 検 討 を 行 っ た 。高 齢 者 が よ く 使 用 す る 食 材 、 調 理 方 法 を 用 い た 調 理 品 に 対 し て 、 物 性 測 定 を 行 っ て 、 食 物 形 態 区 分 の 検 討 を 行 っ た 。

以 上 の こ と か ら 、居 宅 介 護 の 現 場 で も 食 物 形 態 区 分 の 基 準 を 作 成 し 、食 物 形 態 の 種 類 と 適 応 に つ い て 、介 入 研 究 に よ り 検 討 す る 。 こ れ ら か ら 居 宅 介 護 現 場 で の 栄 養 教 育 の 実 践 に つ な げ る こ と を 目 的 と し た 。本 研 究 は 、居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 に 合 わ せ た 栄 養 教 育 方 法 の 試 行 と す る 。

居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 、特 に 摂 食 機 能 を 考 慮 し た 管 理 栄 養 士 の 介 在 に 関 す る 研 究 は 、現 在 で は ほ と ん ど 進 ん で お ら ず 、本 研 究 に よ る 成 果 は 、今 後 の 居 宅 療 養 お よ び 、 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 栄 養 士 の 役 割 を 検 討 す る 際 の 基 本 的 調 査 に な る も の と 考 え て い る 。

【 用 語 説 明 】

・ 居 宅 療 養 高 齢 者 :

在 宅 生 活 に 対 し て 、 医 療 、 保 健 、 福 祉 の 各 部 門 に お い て 支 援 が 必 要 と な っ た 6 5 歳 以 上 の 高 齢 者 。

・ 在 宅 訪 問 栄 養 食 事 指 導 :

通 院 な ど が 困 難 な 方 の た め に 、管 理 栄 養 士 が ご 家 庭 に 定 期 的 に 訪 問 し 、 療 養 上 に 必 要 な 栄 養 や 食 事 の 管 理 及 び 指 導 を 行 う も の 。

(14)

9

介 護 保 険 や 医 療 保 険 が 適 用 さ れ る 場 合 は 、月 に 2 回 ま で の 利 用 が 可 能 で あ る 。

・ 摂 食 機 能 :

認 知 、取 り 込 み 、咀 嚼 お よ び 嚥 下 ま で の 一 連 の 食 物 摂 取 に 関 す る 機 能 。

・ 栄 養 教 育 :

個 人 や 集 団 に 栄 養 学 上 の 知 識 や 情 報 を 伝 え 、栄 養 に 関 す る 認 識 を 高 め る 働 き か け の こ と 。

・ 栄 養 指 導 :

栄 養 知 識 の 伝 達 、食 生 活 面 の 具 体 的 な 指 導 ・ 援 助 を 行 っ て 健 康 の 維 持 ・ 増 進 を 促 す 働 き か け の こ と 。

(15)

10

第 Ⅱ 章 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 か ら み た 食 事 に 関 す る 課 題 と 管 理 栄 養 士・栄 養 士 認 識 と の 比 較 に 関 す る 検 討

1 . 緒 言

近 年 我 が 国 の 高 齢 化 は 進 み 、 要 介 護 高 齢 者 の 割 合 も 年 々 増 え 、 介 護 す る 家 族 も 高 齢 者 と い う“ 老・老 介 護 ”の 現 状 も 少 な く な い 。 こ う し た 中 で 、在 宅 介 護 の 第 一 線 と な る の は 介 護 支 援 専 門 員 と 訪 問 介 護 員 な ど 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 で あ る が 、食 生 活 や 栄 養 面 の 知 識 お い て は 不 足 し て い る こ と も 多 く 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 に よ る 指 導 が 必 要 な 場 合 が 多 い 。こ れ ら を 踏 ま え 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て は Q O L を 重 視 す る 食 介 護 の 視 点 か ら 、食 生 活 や 栄 養 問 題 を 包 括 的 に 理 解 し た 上 で 支 援 し て い く こ と が 重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、 ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト に お け る 栄 養 ・ 食 事 の 問 題 に つ い て の 研 究 や 訪 問 栄 養 食 事 指 導 に つ い て の 研 究 は 未 だ 少 な く 、と く に 摂 食 機 能 低 下 が 及 ぼ す 食 事 の 問 題 に つ い て の 実 態 把 握 の 研 究 や 栄 養 食 事 指 導 を 行 う 管 理 栄 養 士・栄 養 士 の 立 場 で 考 え る 居 宅 介 護 現 場 で の 問 題 に つ い て の 研 究 は ほ と ん ど な い の が 現 状 で あ る 。

そ こ で 本 研 究 で は 、① 居 宅 療 養 高 齢 者 の ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト の 中 で 食 事 や 栄 養 の 問 題 に つ い て 、居 宅 介 護 現 場 で サ ー ビ ス を 提 供 す る 側 が 取 り 扱 っ て い る 食 事・栄 養 の 問 題 に つ い て 実 態 を 把 握 す る こ と 、② 居 宅 療 養 高 齢 者 を 介 護 す る 介 護 者 に 対 し 栄 養 食 事 指 導 を 行 う 立 場 と し て 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 が 捉 え て い る 居 宅 療 養 高 齢 者 の 食 事 ・ 栄 養 の 問 題 に つ い て の 実 態 を 把 握 す る こ と 、③ 居 宅

(16)

11

介 護 現 場 で の 居 宅 療 養 高 齢 者 の 抱 え る 食 事・栄 養 の 問 題 を 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 が い か に 把 握 し て い る か を 解 析 し 、こ れ ら よ り 居 宅 療 養 高 齢 者 の 食 事 ・ 栄 養 の 問 題 に 対 す る 、介 護 す る 立 場 と 栄 養 食 事 指 導 を す る 立 場 で 問 題 把 握 の 相 違 点 を 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。

ま た 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 に 対 し て 、上 記 の 摂 食 機 能 低 下 が 及 ぼ す 食 事 の 問 題 に つ い て 、更 に 具 体 的 問 題 を 認 識 で き て い る か 、今 後 知 識 を 高 め た い 分 野 で あ る か を 質 問 項 目 と し て 、集 計 解 析 を 行 っ た 。 以 上 に よ り 、 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 栄 養 ・ 食 事 の 課 題 に つ い て の 実 態 把 握 を し 、栄 養 食 事 指 導 の 内 容 に 活 か す こ と も 目 的 と し た 。

2 . 方 法 2 . 1 対 象

東 京 都 S 区 内 の 居 宅 介 護 支 援 事 業 者 お よ び 居 宅 サ ー ビ ス 事 業 者

( 以 下 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と す る 。) 計 1 9 7 箇 所 ( 全 数 ) と 、 同 S 区 内 の 地 域 に 密 着 し て 、地 域 住 民 の 健 康 増 進 、食 生 活 向 上 に 努 め る N P O 法 人 全 2 箇 所 に 所 属 し て い る 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 6 7 名 ( 全 数 ) を 対 象 と し た 。(『 介 護 保 険 法 に 基 づ く 地 域 支 援 事 業 の 実 施 に つ い て ( H 1 8 . 6 . 9 老 発 0 6 0 9 0 0 1 )』 に よ り 、「 平 成 2 4 年 3 月 3 1 日 ま で 5 年 以 上 の 実 務 経 験 を 有 す る 栄 養 士 を 管 理 栄 養 士 と 同 等 と み な す 」2 8 )と し て お り 、 本 研 究 の 対 象 で あ る N P O 法 人 の 栄 養 士 は 、行 政 栄 養 士 、病 院 栄 養 士 の 経 験 者 で 実 務 経 験 も 5 年 以 上 あ り 、 な お か つ S 区 の 介 護 予 防 事 業 全 般 を 平 成 1 8 年 度 か ら 手 掛 け て い る こ と か ら 、 栄 養 士 も 本 研 究 の 対 象 者 と し た 。)

(17)

12

2 . 2 質 問 項 目

質 問 票 は 、 全 国 在 宅 訪 問 栄 養 指 導 研 究 会 が 行 っ た 「 ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト に お け る 栄 養 ・ 食 事 の 課 題 調 査 」4 )を 参 考 に し 、 新 た に 摂 食 機 能 を 中 心 と し た 質 問 項 目 を 加 え た 内 容 と し 、以 下 の と お り と し た 。

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 に 対 す る 質 問 項 目 、① 記 入 者 の 職 種 、② 居 宅 療 養 高 齢 者 の 食 事 や 栄 養 の 具 体 的 な 問 題 、③ 居 宅 療 養 高 齢 者 お よ び 介 護 者 が 必 要 と 思 う 食 事 や 栄 養 の 情 報 、④ 居 宅 療 養 高 齢 者 の 口 腔 の 状 態 、 ⑤ 摂 食 時 の 具 体 的 な 問 題 、 ⑥ 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 と の 連 携 、 以 上 6 項 目 と し た 。

管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 に 対 す る 質 問 項 目 は 、 ① 記 入 者 の 職 種 、 ② 居 宅 療 養 高 齢 者 の 食 事 や 栄 養 の 具 体 的 な 問 題 、③ 居 宅 療 養 高 齢 者 お よ び 介 護 者 が 必 要 と 思 う 食 事 や 栄 養 に つ い て の 情 報 、④ 居 宅 療 養 高 齢 者 の 口 腔 の 状 態 、⑤ 摂 食 時 の 具 体 的 な 問 題 、⑥ 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と の 連 携 、⑦ 訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 経 験 、 ⑧ 今 後 知 識 を 高 め た い 分 野 、 以 上 8 項 目 と し た 。

い ず れ の 対 象 者 に 対 し て も 、質 問 項 目 の 回 答 方 法 と し て 、④ ⑤ に 関 し て は 上 位 3 位 ま で を 順 位 づ け と し 、② ③ に 関 し て は 複 数 回 答 可 と し た 。

2 . 3 調 査 方 法

郵 送 法 に よ る ア ン ケ ー ト 調 査 と し 、 回 答 期 間 は 2 週 間 と し た 。 な お 、対 象 へ の 調 査 票 の 送 付 時 に 同 封 す る 調 査 依 頼 状 に て 、本 研 究 の 背 景 ・ 目 的 、 個 人 情 報 の 匿 名 性 、 結 果 の 公 表 方 法 を 説 明 し 、 対 象 は 自 由 意 思 に 基 づ き 同 意 す る 場 合 の み 調 査 票 に 回 答 し 返 送

(18)

13

す る も の と し た 。

な お 、実 施 に あ た っ て は 和 洋 女 子 大 学 ヒ ト を 対 象 と す る 生 物 学 的 研 究 ・ 疫 学 的 研 究 に 関 す る 倫 理 委 員 会 の 審 議 、 承 認 を 得 た ( 承 認 番 号 : 第 1 1 0 5 号 )。

2 . 4 解 析 方 法

定 性 デ ー タ は 、質 問 票 の 回 答 肢 に チ ェ ッ ク の あ る も の を“ 1 ”、

な い も の を “ 0 ” と し て 、 食 事 ・ 栄 養 の 問 題 と 摂 食 機 能 の 状 態 に つ い て は χ2 検 定 を 用 い た 。 ま た 、 ケ ー ス 数 が 多 い 順 に 順 位 を つ け る も の に 関 し て は 、 上 位

3

位 ま で を 回 答 と し 、 多 い 順 に “ 1 ”

“ 2 ”“ 3 ” と 順 位 づ け し 、

1

位 :

3

点 ,

2

位 :

2

点 ,

3

位 :

1

点 , そ れ 以 外 は

0

点 と し て ス コ ア リ ン グ し た 。食 事 ・ 栄 養 の 課 題 と 摂 食 機 能 の 状 態 に つ い て は χ2 検 定 用 い 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 と の 群 間 差 を み る た め

Wil coxo n

の 順 位 和 検 定 を 行 っ た 。

統 計 解 析 ソ フ ト は S P S S V e r . 1 9 . 0 f o r W i n d o w s ( エ ス ・ ピ ー ・ エ ス ・ エ ス 株 式 会 社 ) を 用 い 、 有 意 水 準 は 両 側 検 定 で 5 % 未 満 と し た 。

3 . 結 果

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 1 9 7 箇 所 よ り 回 答 が あ っ た の は 9 1 箇 所 で 、 回 収 率 4 6 . 2 % で あ っ た 。 回 答 職 種 の 内 訳 は 、 介 護 支 援 専 門 員 6 0 名( 6 5 . 9 % )、サ ー ビ ス 提 供 者 2 9 名( 3 1 . 9 % )、無 記 入 2 名( 2 . 2 % ) で あ っ た 。 一 方 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 6 7 名 に 対 し て 、 回 答 の あ っ た の は 2 7 名 ( 回 収 率 : 4 0 . 2 % ) で 、 回 答 職 種 の 内 訳 は 、 管 理

(19)

14

栄 養 士 1 4 名( 5 1 . 9 % )、栄 養 士 1 3 名( 4 8 . 1 % )で あ っ た( 表 1 )。

表 1 . 回 収 率 と 職 種 の 内 訳

居 宅 療 養 高 齢 者 に お け る 食 事・栄 養 の 具 体 的 な 問 題 の 把 握 に つ い て 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 ( 以 下 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 お よ び 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 )の 比 較 に つ い て の 集 計 解 析 を 表 2 に 示 し た 。

配布者数(人) 回収数(%) 職種内訳 人数(人)

介護支援専門員 60

サービス提供者 29

無記入 2

管理栄養士 14

栄養士 13

介護サービス事業者群 管理栄養士・栄養士群

197 91(46.2)

67 27(40.2)

(20)

15

表 2 . 居 宅 療 養 高 齢 者 に お け る 栄 養 ・ 食 事 の 具 体 的 な 問 題 の 把 握 に つ い て 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 比 較

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 と 管 理 栄 養 士・栄 養 士 の 互 い の 連 携 に つ い て の 質 問 で は 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 約 4 割 が 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 と の 連 携 の 経 験 が あ り 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 よ り も 約 2 倍 多 か っ た 。 ま た 表 1 に は 示 し て い な い が 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 に 対 す る 質 問 の 集 計 で は 以 下 の こ と が 示 さ れ た 。訪 問 栄 養 食 事 指 導 を 経 験 し た こ と が あ る と 回 答 し た 者 は 、管 理 栄 養 士 は 5 名 、栄 養 士 は 3 名 で 計 8 名 ( 2 9 . 6 % ) で あ っ た 。 訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 頻

居宅介護サービス 事業者(n=91)(%)

管理栄養士・栄養士

(n=27) (%)

p

(両側検定)

1.互いに連携した経験 ある 38(41.8) 6(22.2) 0.106

2.ケアプランであげられる

  食事・栄養の問題 よくある 32(35.2) 9(40.9) 0.923

時々ある 56(61.5) 10(45.5)

ほとんどない 3(3.3) 3(13.6)

食事摂取量の低下 71(78.0) 23(92.0) 0.589

体重減少 36(39.6) 17(68.0) 0.054

低栄養 50(54.9) 19(76.0) 0.228

噛むことが困難 40(44.0) 19(76.0) 0.028

飲み込むことが困難 62(68.2) 18(72.0) 0.927

食事の準備が困難

(調理技術) 57(62.6) 17(68.0) 0.845

食事の準備が困難

(買い物) 49(53.8) 15(60.0) 0.949

治療食調理が必要

糖尿病食・腎臓病食など 40(44.0) 16(64.0) 0.238 4.居宅療養高齢者の

  摂食機能の状態 問題がある 30(33.7) 14(58.3) 0.027

少し問題がある 58(65.2) 10(41.7)

全く問題がない 1(1.1)

1,3:χ 2検定、2,4:Wilcoxonの順位和検定を用いた。

3.ケースが多いと   把握されている   食事・栄養の   具体的問題点

(21)

16

度 に つ い て は 、“ よ く あ る ” と 回 答 し た 者 は 3 名 、“ 時 々 あ る ” が 3 名 、“ ほ と ん ど な い ”が 2 名 で あ っ た 。今 後 介 護 支 援 専 門 員 と 連 携 し て 栄 養 食 事 指 導 に 取 り 組 ん で い き た い か と い う 意 欲 に つ い て は 、“ 思 う ”“ ま あ ま あ 思 う ” を 合 わ せ て 1 2 名 ( 4 4 . 4 % ) と 半 数 以 下 で あ っ た 。

表 2 に 示 し た よ う に 、「 ケ ア プ ラ ン に お け る 食 事 や 栄 養 の 問 題 」 に つ い て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 で は 居 宅 介 護 現 場 に お い て“ よ く あ る ”“ 時 々 あ る ” と 回 答 し て い る 者 は 9 6 . 7 % と 高 い 値 で あ っ た 。そ れ に 対 し 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 で は 、 8 6 . 4 % と 約 1 0 % 少 な く 認 識 さ れ て い た 。

「 食 事 や 栄 養 の 問 題 の 具 体 的 な 内 容 」と し て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 で は「 食 事 摂 取 量 の 低 下 」が 7 8 . 0 % と 高 く 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 も 9 2 . 0 % と 多 く の 者 が 認 識 し て い た 。「 体 重 減 少 」「 噛 む こ と が 困 難 」に 対 し て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 実 態 把 握 よ り も 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 の 方 が 有 意 に 高 か っ た 。

「 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 」に お い て は 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 実 態 把 握 で は “ 問 題 が あ る ”“ 少 し 問 題 が あ る ” を 合 わ せ る と 9 8 . 9 % と 高 い 値 で あ っ た 。管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 で も“ 問 題 が あ る ”“ 少 し 問 題 が あ る ” を 合 わ せ る と 8 8 . 9 % と 認 識 が 高 か っ た 。

居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 の 状 態 お よ び 摂 食 時 に 多 く 見 ら れ る 具 体 的 な 問 題 に つ い て 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 の 違 い を 表

3

に 示 し た 。

(22)

17

表 3 . 居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 の 状 態 お よ び 摂 食 時 に 多 く 見 ら れ る 具 体 的 な 問 題 に つ い て 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 の 違

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 認 識 で 、最 も ケ ー ス が 多 い の は「 飲 み 込 む こ と に 困 難 」 の

2.0 7

点 で 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 に 比 べ て 有 意 に 高 か っ た 。同 様 に 摂 食 時 の 具 体 的 な 問 題 に つ い て も ケ ー ス の 多 い 順 位 に ス コ ア リ ン グ し て 検 討 し た と こ ろ 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 で は 、“ む せ ・ 咳 き 込 み ” が 多 い と い う 現 状 を 把 握 し て い た 。こ れ に 対 し 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 も 高 い ス コ ア で あ っ た た め 、 有 意 な 差 は 得 ら れ な か っ た 。 ま た 、「 飲 み 込 ん だ 後 、 口 の 中 に 残 る 」 に つ い て は 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 よ り も ス コ ア が

0.42

点 高 く 、有 意 な 差 が 得 ら れ た 。管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 で は 、「 食 べ こ ぼ し 」 が

1 .15

点 と 高 い ス コ ア で あ っ た が 、 介 護 サ

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者

( n = 9 1 ) ( 点 )※1

管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士

( n = 2 7 ) ( 点 )※1

р

( 両 側 検 定 )※2

居 宅 療 養 高 齢 者 の

口 の 状 態 噛 む こ と に 困 難 1 . 7 9 ± 1 . 1 1 1 . 7 7 ± 1 . 1 4 0 . 9 3 1 飲 み 込 む こ と に 困 難 2 . 0 7 ± 1 . 0 2 1 . 3 8 ± 1 . 1 3 0 . 0 0 9 噛 む ・ 飲 み 込 む こ と

両 方 困 難 1 . 4 5 ± 0 . 9 7 1 . 5 8 ± 1 . 2 7 0 . 6 4 2 食 べ る と き の

具 体 的 な 問 題 食 べ こ ぼ し 0 . 7 3 ± 1 . 2 1 1 . 1 5 ± 1 . 3 8 0 . 1 5 9 口 の 中 に 溜 め た ま ま

飲 み 込 ま な い 1 . 1 2 ± 1 . 1 4 1 . 0 4 ± 1 . 0 8 0 . 7 3 6 飲 み 込 ん だ 後

口 の 中 に 残 る 0 . 9 6 ± 1 . 0 4 0 . 5 4 ± 0 . 8 1 0 . 0 3 5 口 を 開 け な い 0 . 2 4 ± 0 . 6 4 0 . 3 1 ± 0 . 8 8 0 . 7 2 5 食 べ む ら 0 . 6 8 ± 1 . 0 8 0 . 6 2 ± 1 . 1 0 0 . 7 8 8 む せ ・ 咳 き 込 み 1 . 8 4 ± 1 . 2 7 1 . 3 1 ± 1 . 2 9 0 . 0 7 2 痰 の 増 加 0 . 3 4 ± 0 . 7 2 0 . 2 3 ± 0 . 5 9 0 . 4 2 8

# 2 . 平 均 値 の 差 の 検 定 に は 、 W i l c o x o o n の 順 位 和 検 定 を 用 い た 。

# 1 . 要 介 護 高 齢 者 の ケ ー ス の 多 い 順 に 上 位 3 位 ま で を 順 位 づ け し 、 1 位 : 3 点 、 2 位 : 2 点 、 3 位 : 1 点 、 そ れ 以 外 は 0 点 と ス コ ア リ ン グ し た 平 均 値 と 標 準 偏 差 ( 点 )

(23)

18

ー ビ ス 事 業 者 群 と の 有 意 な 差 は 得 ら れ な か っ た 。

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 が 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て 必 要 で あ る と 認 識 し て い る 情 報 に つ い て 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 が 認 識 で き て い る か の 比 較 を 表

4

に 示 し た 。

表 4 . 居 宅 介 護 現 場 で の 食 事 ・ 栄 養 に 関 す る 情 報 の ニ ー ズ の 把 握 に つ い て 、 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 の 違 い

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 で は 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 し て「 噛 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」「 飲 み 込 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」「 水 分 補 給 の 工 夫 」の 情 報 が 必 要 で あ る と 半 数 以 上 が あ げ て い た 。こ れ に 対 し 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 で も 「 噛 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」

介護サービス 事業者

(n=91)(%)

管理栄養士・

栄養士

(n=24) (%)

р

(両側検定)

居宅療養高齢者に 対する必要な情報

噛み易い食品と

調理の工夫 47(51.6) 16(66.7) 0.278

好ましい食事形態 44(48.4) 11(45.8) 0.992

飲み込み易い食品と

調理の工夫 56(61.5) 15(62.5) 0.881

ミキサー食の

調理方法 21(23.1) 3(12.5) 0.394

介護用(刻み・とろみ調整)

食品の紹介、使い方 42(46.2) 12(50.0) 0.927

水分補給の工夫 55(60.4) 9(37.5) 0.075

食事摂取量の確認 28(30.8) 12(50.0) 0.129

栄養バランスの確認 40(44.0) 12(50.0) 0.765

治療食の理解

(調理方法、

治療用食品の紹介)

43(47.3) 9(37.5) 0.533

配食サービスの紹介 15(16.5) 8(33.3) 0.121

※クロス集計、χ 2検定を用いた。

(24)

19

「 飲 み 込 み 易 い 食 品 の 調 理 の 工 夫 」 に つ い て 、半 数 以 上 の 割 合 で あ が っ て い た 。両 群 と も に「 飲 み 込 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」「 噛 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」が 必 要 で あ る と の 認 識 が 強 い 傾 向 が み ら れ た 。

し か し な が ら 、「 水 分 補 給 の 工 夫 」 に つ い て の 情 報 は 、 解 析 に よ り 有 意 な 差 は 得 ら れ な か っ た も の の 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 の 方 が 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 よ り も 高 い 割 合 あ っ た 。 ま た 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 で は 「 介 護 用 食 品 の 紹 介 、 使 い 方 」「 食 事 摂 取 量 の 確 認 」「 栄 養 バ ラ ン ス の 確 認 」 の 情 報 が 必 要 で あ る と い う 認 識 が 強 い 傾 向 が み ら れ た 。ま た 、「 配 食 サ ー ビ ス の 紹 介 」に つ い て は 、 両 群 と も に 低 い 割 合 で あ っ た 。

更 に 、居 宅 介 護 現 場 で の 具 体 的 な ニ ー ズ を 検 討 す る た め 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 が 把 握 し て い る 居 宅 療 養 高 齢 者 の 口 腔 の 状 態 と 居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 と の 関 連 に つ い て 、 表

5

に 示 し た 。

(25)

20

表 5 . 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 が 把 握 し て い る 居 宅 療 養 高 齢 者 の 口 腔 の 状 態 と 居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 と の 関 連 に つ い て

『噛むことに困難』

であるケースが 1番多いと回答した者

(n=34)(%)

『飲み込むことに困難』

であるケースが 1番多いと回答した者

(n=38)(%)

『必要である』と回答した 者(実数(人))

『必要である』と回答した 者(実数(人))

割合(%) 割合(%)

噛み易い食品と 調理の工夫

24 (70.6)

14

(36.8) 0.009

好ましい食事形態 22

(64.7)

12

(31.6) 0.010

飲み込み易い食品と 調理の工夫

23

(67.6)

22

(57.9) 0.542

ミキサー食の 調理方法

9 (26.5)

22

(57.9) 0.014

介護用食品(刻み、とろ み調整)

の紹介、使い方

9 (26.5)

24

(63.2) 0.004

水分補給の工夫 14

(41.2)

27

(71.1) 0.020

栄養バランスの確認 16

(47.1)

16

(42.1) 0.853

食事摂取量の確認 13

(38.2)

10

(26.3) 0.407

治療食の理解

(調理法、治療用食品の 紹介)

16 (47.1)

20

(52.6) 0.813

配食サービスの紹介 6

(17.6)

8

(21.1) 0.947

※解析には、独立2群の割合(比率)の差(χ 2検定)を用いた。

p

(両側検定)

介護サービス事業者群(n=91)

居宅療養高齢者 に対する必要な情報

(26)

21

介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 が「 噛 む こ と に 困 難 」な ケ ー ス が 多 い と あ げ て い る 場 合 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 と し て「 噛 み や す い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」、「 好 ま し い 食 事 形 態 」を あ げ る 割 合 が 有 意 に 高 か っ た 。 ま た 、「 飲 み 込 む こ と に 困 難 」 な ケ ー ス が 多 い と あ げ て い る 場 合 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 と し て「 水 分 補 給 の 工 夫 」、「 介 護 用 ( 刻 み 、 と ろ み 調 整 ) 食 品 の 紹 介 、 使 い 方 」「 ミ キ サ ー 食 の 調 理 方 法 」 を あ げ る 割 合 が 有 意 に 高 か っ た 。

ま た 居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 に つ い て 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 が 認 識 で き て い る の か 、 ま た そ れ ら の 情 報 に つ い て 管 理 栄 養 士・栄 養 士 自 身 が 今 後 知 識 を 高 め た い と い う 意 欲 が あ る か に つ い て 、 表

6

に 示 し た 。

(27)

22

表 6 . 居 宅 介 護 現 場 で の 食 事 ・ 栄 養 に 関 す る 情 報 の ニ ー ズ の 把 握 に つ い て 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 ・ 高 め た い 知 識 の 違 い

管 理 栄 養 士・栄 養 士 が 認 識 し て い る 居 宅 療 養 高 齢 者 に 必 要 な 情 報 で は 、「 噛 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」、「 飲 み 込 み 易 い 食 品 と 調 理 の 工 夫 」の 割 合 が 高 か っ た が 今 後 知 識 を 高 め た い 者 の 割 合 は 両 項 目 と も 半 数 以 下 で あ っ た 。今 後 高 め た い 知 識 と し て「 治 療 食 の 理 解 」を あ げ て い る 者 の 割 合 が

8 0 %

と 有 意 に 高 か っ た 。ま た 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 に お い て 必 要 な 情 報 で あ る と 着 目 さ れ て い る

“ 水 分 補 給 の 工 夫 ” に つ い て は 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 の 認 識 も 少 な く 、 高 め た い 知 識 の ひ と つ と し て あ げ て い る 割 合 も 低 か っ た 。

ニーズの推測

(n=24)(%)

今後知識を 高めたい分野

(n=25)(%)

р

(両側検定)

居宅療養高齢者 に必要な情報

噛み易い食品と

調理の工夫 16(66.7) 9(36.0) 0.063

好ましい食事形態 11(45.8) 9(36.0) 0.682

飲み込み易い食品と

調理の工夫 15(62.5) 8(32.0) 0.064

ミキサー食の

調理方法 3(12.5) 6(24.0) 0.503

介護用(刻み・とろみ調

整)食品の紹介、使い方 12(50.0) 9(36.0) 0.483

水分補給の工夫 9(37.5) 3(12.0) 0.081

食事摂取量の確認 12(50.0) 7(28.0) 0.899

栄養バランスの確認 12(50.0) 10(40.0) 0.677

治療食の理解

(調理法、治療用食品の 紹介)

9(37.5) 20(80.0) 0.006

配食サービスの紹介 8(33.3) 3(12.0) 0.148

※クロス集計、χ 2検定を用いた。

管理栄養士・栄養士

(28)

23

4 . 考 察

4 . 1 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 か ら 得 ら れ た 情 報 に つ い て 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 の 中 で 、ケ ア プ ラ ン に 食 事 や 栄 養 の 問 題 を 挙 げ た こ と が あ る 割 合 が 9 割 を 超 え る 高 い 値 で あ っ た こ と か ら 、 居 宅 介 護 現 場 で は 食 事 や 栄 養 に 対 す る 問 題 が か な り あ る こ と が 再 認 識 で き た と と も に 、問 題 に つ い て し っ か り 把 握 が な さ れ て い る こ と が 示 唆 さ れ る 。 ま た 、 ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト に あ た り 、 訪 問 栄 養 食 事 指 導 を ケ ア プ ラ ン に 入 れ 管 理 栄 養 士・栄 養 士 と 連 携 し た こ と が あ る と 回 答 し た 割 合 が 4 割 以 上 と 高 い 値 で あ っ た 。こ れ は 全 国 在 宅 訪 問 栄 養 指 導 研 究 会 に よ る「 ケ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト に お け る 栄 養 ・ 食 事 調 査 」1 8 ) 2 3 )の 結 果 と ほ ぼ 同 様 の 結 果 で あ っ た 。3 )。 都 内 S 区 が 行 政 の 取 組 の 中 で“ 訪 問 栄 養 食 事 指 導 事 業 ”を 積 極 的 に 行 っ て お り 、そ の 周 知 努 力 が 今 回 の 結 果 を 生 ん で い る の で は な い か と 考 え ら れ る 。し か し な が ら 日 本 栄 養 士 会 全 国 病 院 栄 養 士 協 議 会 の 栄 養 部 門 実 態 調 査 で み る と 、訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 実 施 率 は わ ず か 5 % 前 後 と い う 状 況 1 8 ) 2 1 )で あ る こ と か ら 、訪 問 栄 養 食 事 指 導 を 活 性 化 さ せ 、 普 及 啓 発 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。

一 方 、本 研 究 の 調 査 対 象 と し て 、都 内 S 区 の 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 全 数 に 対 し 、管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 に お い て は S 区 の 介 護 予 防 事 業 全 般 を 担 う 全 2 箇 所 の N P O 法 人 に 所 属 す る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 と し た 。 こ れ は 、 介 護 予 防 事 業 に 携 わ っ て い る 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 で あ る た め 、 S 区 内 の 高 齢 者 の も つ 食 事 ・ 栄 養 の 問 題 に つ い て 把 握 し や す い の で は な い か と 仮 説 を 立 て 、対 象 者 を 選 択 し た 。し か し 高 齢 者 に 対 す る 栄 養 食 事 指 導 に 携 わ っ て い る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 は 、本 研 究 の 対 象 者 以 外 に も 存 在 す る た め 、対 象 者 を 増 や す

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こ と は 今 後 の 検 討 課 題 で あ る 。

4 . 2 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 か ら 得 ら れ た 情 報 に つ い て

管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 に 対 し て ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ て 、4 割 程 度 の 回 答 率 で あ っ た の は 、上 記 の 全 国 病 院 栄 養 士 協 議 会 栄 養 部 門 実 態 調 査 で も 明 か で あ る よ う に 、訪 問 栄 養 食 事 指 導 を 行 っ て い る 管 理 栄 養 士 の 実 数 が 少 な い こ と が 考 え ら れ る 。訪 問 栄 養 食 事 指 導 を 経 験 し た こ と の あ る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 の う ち 介 護 支 援 専 門 員 と 連 携 し た こ と が あ る 割 合 は 7 5 % と ほ と ん ど が 介 護 支 援 専 門 員 か ら の 依 頼 で 栄 養 指 導 を 行 っ て い る こ と が 明 か と な っ た 。訪 問 栄 養 食 事 指 導 の 頻 度 に つ い て は 、 指 導 経 験 者 の 7 5 % が “ よ く あ る ”

“ 時 々 あ る ”と の 回 答 が 得 ら れ た こ と か ら 、訪 問 栄 養 食 事 指 導 に 携 わ る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 は あ る 程 度 固 定 化 さ れ て い る の で は な い か と 考 え ら れ る 。今 後 介 護 支 援 専 門 員 と 連 携 し て 栄 養 食 事 指 導 に 取 り 組 ん で い く 意 欲 の あ る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 の 数 が 半 数 以 下 で あ っ た の は 、現 在 活 躍 し て い る 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 は 学 生 時 代 に 管 理 栄 養 士・栄 養 士 養 成 施 設 で の 教 育 カ リ キ ュ ラ ム が 改 正 前 で あ り 、「 福 祉・介 護 制 度 」の 分 野 が 確 立 さ れ て い な か っ た た め 3 0 )、 福 祉 分 野 で の 他 職 種 連 携 の 重 要 性 に つ い て 学 ぶ 機 会 が 得 ら れ な か っ た こ と が 今 回 の 結 果 を 導 い た の で は な い か と 考 え ら れ る 。管 理 栄 養 士 が 訪 問 栄 養 食 事 指 導 を 行 い 、「 栄 養 」「 食 事 」 を 包 括 的 、 科 学 的 に ア セ ス メ ン ト し 、浮 か び 上 が っ た 問 題 を 解 決 す る に は 多 職 種 協 働 は 欠 か せ な い 。管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 は 栄 養 の 専 門 家 と し て ケ ア チ ー ム に 参 画 す る と と も に 、他 職 種 か ら チ ー ム の 一 員 と し て 認 知 さ れ 、 信 頼 さ れ る こ と が 要 求 さ れ る 2 3 )

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4 .3 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 と 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 と の 介 護 現 場 の 把 握 の 違 い に つ い て

管 理 栄 養 士・栄 養 士 が 現 場 の 状 況 を ど れ だ け 把 握 で き て い る か を 検 討 す る た め 、本 研 究 で は 、居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 問 題 点 を 管 理 栄 養 士・栄 養 士 が 推 測 し て 回 答 す る 形 式 に し て 調 査 を 行 っ た 。 ケ ア プ ラ ン の 中 で 食 事 や 栄 養 の 問 題 が 挙 が る こ と に 対 す る 質 問 に つ い て 、現 場 よ り 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 が 少 な く 見 積 も ら れ て い た の は 、や は り 居 宅 介 護 の 現 場 に 携 わ っ た 経 験 の 有 無 に よ っ て 影 響 さ れ る の で は な い か と 示 唆 さ れ る 。

食 事 ・ 栄 養 の 問 題 の 具 体 的 な 内 容 と し て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 実 態 把 握 に よ り「 食 事 摂 取 量 の 低 下 」、「 飲 み 込 む こ と が 困 難 」、

「 食 事 の 準 備 が 困 難 ( 調 理 技 術 )」 が 挙 げ ら れ て い る が 、 こ れ ら は 居 宅 療 養 高 齢 者 の み な ら ず 、介 護 予 防 の 段 階 で あ る 高 齢 者 に も 多 く み ら れ る 問 題 で あ り 、高 齢 者 全 般 に み ら れ る 食 生 活 の 特 徴 と 捉 え る こ と が で き る の で は な い か と 考 え ら れ る 。こ れ ら を 念 頭 に お い た 食 生 活 支 援 が 重 要 で あ る 。

「 食 事 や 栄 養 の 問 題 の 具 体 的 な 内 容 」 と し て 、「 食 事 摂 取 量 の 低 下 」が 多 く あ げ ら れ た こ と は 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 群 の 実 態 把 握 と 管 理 栄 養 士・栄 養 士 群 の 認 識 と で 同 様 で あ っ た 。こ れ は 、「 食 事 摂 取 量 の 低 下 」が 高 齢 期 に 伴 う 問 題 と し て 最 重 要 課 題 で あ る こ と が 把 握 さ れ て い る と と も に 認 識 さ れ て い る と い う こ と を 示 し て い る 。 高 齢 期 の 食 事 摂 取 量 の 低 下 は 、 P E M ( p r o t e i n e n e r g y m a l n u t r i t i o n )い わ ゆ る 低 栄 養 状 態 を 引 き 起 こ す 3 1 )。食 事 摂 取 量 の 低 下 に は 身 体 的 要 因 ( 生 活 活 動 強 度 の 低 下 、 摂 食 機 能 の 低 下 、 消 化 吸 収 機 能 の 低 下 、 味 覚 の 低 下 、 認 知 機 能 の 低 下 、 病 気 、 服 薬

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の 副 作 用 な ど )、 環 境 的 要 因 ( 独 居 、 高 齢 者 の み の 世 帯 、 変 化 の な い 生 活 、 閉 じ こ も り 、 買 い 物 に 行 か れ な い な ど )、 経 済 的 要 因

( 年 金 暮 ら し な ど )、精 神 的 要 因( 各 種 ス ト レ ス 、う つ 状 態 な ど ) と 様 々 な 要 因 に よ り 食 欲 の 減 退 に つ な が っ て い る 3 2 )

ま た 、「 体 重 減 少 」「 噛 む こ と が 困 難 」 を 問 題 と し て 挙 げ て い る 者 の 割 合 に つ い て 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 の 実 態 把 握 よ り も 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 認 識 の 方 が 有 意 に 高 か っ た こ と は 、本 研 究 の 対 象 で あ る 管 理 栄 養 士・栄 養 士 群 に 介 護 予 防 事 業 に 携 わ っ て い る 者 が 多 か っ た た め で は な い か と 示 唆 さ れ る 。理 由 と し て 挙 げ ら れ る の は 、 今 回 の 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 の 食 事 ・ 栄 養 に 対 す る 問 題 の 認 識 結 果 で 得 ら れ た 、「 食 事 摂 取 量 の 低 下 」、「 低 栄 養 」、「 体 重 減 少 」 = “ 栄 養 改 善 ” の 対 象 、「 噛 む こ と が 困 難 」 = “ 口 腔 機 能 向 上 ” の 対 象 と い う 、 栄 養 ・ 口 腔 ・ 運 動 の 介 護 予 防 の 3 本 柱 3 3 )を 踏 ま え た 推 測 傾 向 に あ る の で は な い か と 示 唆 さ れ る 。こ う し た 中 で 、 認 識 を 変 え る た め に も 、 居 宅 介 護 現 場 で は 、 他 職 種 ・ 多 職 種 連 携 を 行 い 、 情 報 交 換 が 重 要 と な っ て く る と 考 え ら れ る 。

居 宅 療 養 高 齢 者 の 摂 食 機 能 の 状 況 で は 、何 か し ら 問 題 を 抱 え て い る 高 齢 者 を ケ ー ス に 持 っ て い る 介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 が 9 割 以 上 も お り 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 群 も 問 題 認 識 が 強 か っ た 。 ま た 居 宅 介 護 現 場 で は 、摂 食 機 能 の 中 で も 特 に 嚥 下 機 能 の 低 下 が 、食 事 摂 取 量 の 低 下 に 大 き く 関 係 し て い る こ と も 明 ら か と な っ た 。特 に 咀 嚼 機 能 の 低 下 よ り も 嚥 下 機 能 の 低 下 が 大 き く 関 係 し て い る と 考 え ら れ る 。こ れ は 誤 嚥 性 肺 炎 の 危 険 性 を 考 慮 し て い る た め と 考 え ら れ る 。 こ れ ら を 踏 ま え 、 管 理 栄 養 士 ・ 栄 養 士 は 居 宅 療 養 高 齢 者 に 対 す る 栄 養 食 事 指 導 に お い て 、安 全 で か つ 少 量 摂 取 で も 栄 養 素

表 2 - 1 . 高 齢 者 に お け る 、 年 齢 区 分 の 違 い に お け る 食 品 摂 取 量 の 違 い に つ い て
表 2 - 2 . 高 齢 者 に お け る 、 年 齢 区 分 の 違 い に お け る 食 品 摂 取 量 の 違 い に つ い て
表 2 - 1 . 常 食 、 つ ぶ し ・ き ざ み 食 の 物 性 値 お よ び 因 子 得 点 と 食 物 形 態 区 分
表 2 - 3 . 常 食 、 つ ぶ し ・ き ざ み 食 の 物 性 値 お よ び 因 子 得 点 と 食 物 形 態 区 分
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参照

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