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設計・生産活動の統合システム・モデリングに基づく 製品開発支援

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Academic year: 2021

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設計・生産活動の統合システム・モデリングに基づく 製品開発支援

1. はじめに

 製造業では近年,製造業の国際多拠 点開発や,100 個を越える ECU(Elec- tronic Control Unit)を搭載する自動 車の登場に象徴されるように,製品や 組織の複雑化・多領域化が顕著であ る.設計の対象が,モノから複雑なシ ステムへと変容しているため,システ ム思考・システム設計の重要性が増加 している.このような背景のなか,製 品開発の流れをモデル化し,製品のシ ステムとしての機能を,可能な限り上 流工程から明示的に記述・共有し,検 証による手戻り低減などにつなげる,

モデルベースの開発支援が注目され始 めている.

2. モデルベースの開発支援

 製品の機能や挙動を記述し,仕様レ ベルでの検証を行うことを目的とした モデリング言語として,SysML (Sys- tem Modeling Language)が提案され ている(1).SysML は,自動車や飛行 機など,複雑なシステムを構成する製 品に対して,「動く仕様書」として機 能的な見取り図を記述することを目的 としたモデリング言語である.開発の 過程で,SysML を用いて製品の構造 と挙動・状態遷移を記述することで,

製品のシステムとしての機能を共有す ることが可能である.

3. 設計・生産活動の統合 モデリング

 設計においては,製品システムがど のような目的で設計され,どのように 振る舞って目的を達成するか,という 設計意図の情報を詳細設計や生産部署 へと伝達することは,非常に重要であ る.しかしながら設計意図の情報は,

生産の段階で失われやすいため,不必 要な部位の品質を作りこんでしまった

り,あるいは必要な品質を十分なコス トをかけずに生産してしまう,という 事態が発生しており,たとえば自動車 リコールなどにつながっている.また 逆に,生産工程でどのような作業が行 われどのような品質が形成していくの かといった情報が,設計時点で十分考 慮できなかったため,素晴らしい製品 となるはずの設計図面は完成したもの の,実際には作れない構造であったり,

品質がばらつきコスト的に見合わない といった設計ミスが発生する場合が 多々存在する.

 このため,設計と生産において用い られる情報を一元管理し,多段階で整 合性をはかり,多くのエンジニアが開 発において協調することを支援するシ ステムが有効である.そこで,このよ うな設計エンジニアと生産エンジニア の間の目線のあった対話を支援するべ く,設計における製品の機能・構造・

挙動,および生産工程における品質の 形成プロセスを,開発の上流から多段 階にシームレスにモデリングし生成す

ることが可能なシステムの開発を行っ ている(2).その概要図を,図 1 に示す.

4. おわりに

 製品開発における製品の挙動・構 造・機能のモデリング言語である,

SysML の紹介を行った.また,最新 の研究として,設計・生産活動の統合 システム・モデリングに基づく製品開 発支援手法を紹介した.設計・生産活 動の統合モデリングによって,設計と 生産におけるエンジニア間の情報の キャッチボール,意思疎通を,開発の 各段階で行いながら,製品と生産の情 報を,無理なく確定していくプロセス を支援できると言える.

(原稿受付 2008 年 9 月 22 日)

〔古賀 毅 東京大学〕

( 1 )Balmelli,L.,ほか,RequirementsModeling●文 献 for System Engineering Using SysML, ASMEConf.Proc.DETC2004-57751,989

(2004-9).

( 2 )KogaT.,ほか,SupportingSystemforDe- signandProductionwithSharingandAc- cess of Product Failure,LEADINGTHE WEBINCONCURRENTENGINEERING, ISBN:1-58603-651-3,25-31,IOSPress.

図 1 設計・生産情報の多段階統合モデル(自動車開発の例)

自動車開発における設計・生産情報の

多段階統合モデル 製造システム情報

◇プレス工程

◇ボディ製造工程

◇各アセンブリ製造工程

◇組立工程

要求シナリオ情報

◇スキーに行く

◇キャンプに行く

◇週末に生活財を買い出しに行く

◇家族を送迎する  …etc.

製品システム情報

◇ステアリング・システム

◇ブレーキ・システム

◇ドライブトレイン・システム  …etc.

日本機械学会誌 2009. 1 Vol. 112 No.1082

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参照

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