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乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験   

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I. 厚生労働科学研究費補助金(第3次対がん総合戦略研究事業) 

平成25年度  総括研究報告書   

乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験   

主任研究者  大内  憲明  東北大学大学院医学系研究科   

研究要旨 

  超音波による乳がん検診は任意型検診を中心にわが国で試行されてきたが、その死亡率減少 の科学的根拠はいまだ示されていない。本研究では、40 歳代女性を対象に、超音波による検診 の標準化を図った上でマンモグラフィに超音波を併用する群(介入群)と併用しない群(非介 入群)と間でランダム化比較試験(RCT)を行い、2 群間での検診精度と有効性を検証すること を目的とした。研究のプライマリ・エンドポイントは感度・特異度、がん発見率とし、セカン ダリ・エンドポイントとして累積進行乳がん罹患率を設定した。 

  超音波乳がん検診の標準化に関しては、乳房超音波検診に関する教育プログラムを策定し、

全国的に講習会を実施した。医師 1,814 名、技師 2,084 名が受講を終了しており、超音波によ る乳がん検診の標準化・普及に向けて大きな成果が得られた。 

  ランダム化比較試験は、平成 19 年度から症例の登録を開始し、平成 23 年度末までに累積登 録者数は、介入群、非介入群の合計で 76,196 名を登録し、初期の発番不良を除いた 76,113 名 が登録割付された。平成 25 年度に登録症例の追跡とデータクリーニングを行った結果、ランダ ム化の後に明らかとなった不適格症例や同意撤回症例を除いた介入群 38,269 例、非介入群 37,534 例に対して、初回検診の成績(プライマリ・エンドポイント)に関する集計を行ってい る。更に、初回検診で乳癌と診断された症例、検診を受けた後での同意撤回を申し出た症例な どを除いた 75,359 例が、二回目検診の対象者として調査を行い、74.5%が受診を完了し、さら に 22.0%の受診者にはアンケート、葉書での連絡の結果、追跡調査が済んでいる。受診予定者

(初回登録者)の未把握率は平成 25 年 12 月末日時点で 3.5%となり、研究計画時に目標とした 5%未満の未把握率を達成できた。平成 25 年 12 月 31 日をもって初回検診のデータの固定を決 定、平成 26 年度中の初期データの公表を準備している。 

  尚、がん検診の有効性を評価する上で最も重要な指標はがん死亡率であるが、乳がんの自然 史は長く、検診による死亡率減少効果において有意な群間差を示すには本研究の観察期間は短 すぎるため、将来にわたり登録者を追跡調査できる体制を整備することが不可欠である。 

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分担研究者氏名・所属施設・職名 

 東野英利子 

公益財団法人筑波メディカルセンターつくば総合健診センター  診療部長 

 祖父江友孝 

大阪大学大学院医学系研究科環境医学  教授 

 斎藤博 

国立がん研究センター・がん予防検診センター・消化器病学  部長 

 山本精一郎 

国立がん研究センター・がん予防・検診研究センター・保健政策研究部  室長 

 遠藤登喜子 

国立病院機構東名古屋病院・乳腺科  部長 

 石田孝宣 

東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科学分野  准教授 

 深尾彰 

山形大学医学部・公衆衛生学  教授 

 栗山進一 

東北大学災害科学国際研究所・災害公衆衛生学分野  教授 

 山口拓洋 

東北大学大学院・医学系研究科・医学統計分野  教授 

 川上浩司 

京都大学大学院医学研究科・薬剤疫学  教授 

 鈴木昭彦 

東北大学大学院医学系研究科・乳癌画像診断学寄附講座  准教授 

 成川洋子 

東北大学・東北メディカルメガバンク機構予防医学疫学部門  助手   

A.研究目的 

  マンモグラフィは検診における死亡率低減効果が科学的に証明された唯一の乳がん検診 法であり、我が国においても 40 歳以上の女性に対する検診方法として導入されている。しか し年齢階層別にその有効性を検証すると、50 歳以上の女性では明らかな有効性が証明されて いるが、40 歳代の検診に関してはその発見率の低さや、偽陽性率の高さなどから、有効性を 疑問視する意見もあり、欧米と比較して 40 歳代の乳がん罹患率の高い我が国においては、早 急な対策が必要である。マンモグラフィは乳腺濃度の高い乳房では相対的に診断精度が低下

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するのに対して、超音波検査は高濃度乳房での乳がん検出精度が高いことから任意型乳が ん検診を中心に試験的に行われてきた。40 歳代で、マンモグラフィに超音波検査を併用す ることによって、乳がんの発見率が高くなることが報告されているが、超音波検査機器の 仕様や検査方法、及び読影技術、診断基準は標準化されておらず、超音波検査を用いた検 診の精度及び有効性も検証されていない。 

本研究では、40 歳代女性を対象とする乳がん検診の方法として、超音波による検診の標 準化を図った上で、マンモグラフィに超音波検査を併用する(介入)群と併用しない(非 介入)群との間でランダム化比較試験を行い、2 群間で検診精度と有効性を検証することを 目的とする。 研究成果として評価するプライマリ・エンドポイントを感度・特異度及び発 見率とし、セカンダリ・エンドポイントを追跡期間中の累積進行乳がん罹患率とする。な お、がん検診の有効性評価の最も重要な指標はがん死亡率であるが、乳がんの自然史を考 えるに、有意な群間差を観察するには研究期間は短すぎるため、終了後も追跡できる体制 を整備することが必要となる。 

  本研究はわが国で未曾有と云える大規模臨床試験を実施し、科学的根拠を創出、世界へ 発信すること、新たな研究インフラ(3 次元超音波機器開発等)を整備することが特色であ る。わが国では死亡率低下を目標としたがん検診法開発の前向き臨床試験(RCT)は前例がな く独創的である。研究成果は国民に広く活用されるものであり、極めて重要である。 

   

B.研究方法 

  始めに、1.超音波検査による乳がん検診の標準化と普及にむけて超音波による乳がん 検診ガイドラインを作成した。並びに、一次検診の主体となる医師、技師に対しての乳房 超音波講習会を構成、開催し精度管理を行った。 

次に、2.超音波による乳がん検診の有効性を検証するために、40 歳から 49 歳女性を対 象に、1) 超音波検診を併用する群(介入群):(マンモグラフィ+超音波、またはマンモグ ラフィ+視触診+超音波)、2)超音波検診を併用しない群(非介入群):(マンモグラフィの み、またはマンモグラフィ+視触診)の 2 群を設定して、ランダム化比較試験を実施した。

目標受診者数は、各群 5 万人、両群で 10 万人である。 

研究期間内に評価するプライマリ・エンドポイントとして、感度・特異度及び発見率を 2 群間で比較する。セカンダリ・エンドポイントとして、追跡期間中の累積進行乳がん罹 患率を 2 群間で比較する(日本乳癌学会発行の乳癌取扱い規約によると、リンパ節や遠隔 臓器に転移しているものは「進行乳がん」と定義される)。 

研究参加団体は全国に及び、第1期募集にて平成 19 年度から 6 県 9 団体(宮城県医師会

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健康センター、宮城県対がん協会、筑波メディカルセンターつくば総合健診センター、岡 山県健康づくり財団、やまがた健康推進機構、茨城県総合健診協会、川越市保健所、茨城 県メディカルセンター、神奈川県厚生農業協同組合連合会保健福祉センター)が参加、第 2 期募集にて平成 20 年度から 12 道県 17 団体(北海道対がん協会札幌がん検診センター、札 幌社会保険総合病院、岩手県予防医学協会、石巻市医師会、栃木県保健衛生事業団、福井 県済生会病院、倉敷中央病院総合保健管理センター、倉敷成人病健診センター、総合病院 水島協同病院、広島県地域保健医療推進機構、熊本県総合保健センター、久留米医師会、

岩手県対ガン協会、埼玉県健康づくり事業団、群馬県健康づくり財団、長野県健康づくり 事業団、福岡市医師会)が参加、さらに第 3 期募集にて、平成 21 年度から、10 都府県 16 団体(鶴岡地区医師会荘内地区健康管理センター、郡山市、宇都宮東病院健診センター、

東京都予防医学協会、足立区医師会、富山県健康スポーツ財団富山県健康増進センター、

浜松市医師会、磐田市立総合病院健診センター、八尾市立病院、オリエンタル労働衛生協 会、中日病院、岡山済生会総合病院、岡山大福クリニック、福山市医師会総合健診センタ ー、中部地区医師会立成人病検診センター、沖縄県総合保健協会)が参加、総計で 23 都道 府県 42 団体となっている。 

 

(倫理面への配慮) 

本研究に関係する全ての研究者は、ヘルシンキ宣言に従って本試験を実施する。文部科学 省、厚生労働省の臨床研究に関する倫理指針を遵守し、試験の倫理性、安全性及び研究成 果の科学性、信頼性を確保する。 

本研究の倫理審査は、厚生労働省「がん対策のための戦略研究」倫理委員会による審査、

ならびに東北大学大学院医学系研究科倫理委員会による審査を経て、承認を得ている(平 成 23 年 12 月 16 日再承認、東北大学 2011−421)。 

 

C.研究結果 

  1)超音波検査による乳がん検診の標準化と普及 

乳がん検診の標準化に向けて「超音波による乳がん検診ガイドライン」に改良を重ねた。

さらに、当ガイドラインに沿った形で乳房超音波講習会を全国で開催し、研究参加団体・

施設の技術体制的指導・教育研修を行った。本研究初年度(平成18年度)からの累積受講 者数は医師1,529名、技師1,645名にのぼる(表1)。本講習会は、日本乳腺甲状腺超音波診 断会議との共催によって行っており、本研究開始前の平成18年度途中までの医師285名、技 師439名を加えると、受講者総数は医師1,814名、技師2,084名となる(表1)。また、技術 体制的指導に関して、これまで長く乳房用超音波画像診断装置の精度管理研究を続けてき

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た日本乳腺甲状腺超音波診断会議(JABTS)精度管理研究班での研究結果から「乳房用超音 波検査に推奨される超音波画像診断装置について」(補遺文書(1))をJ‑START教育プログラ ム委員会、精度管理・安全性評価委員会を通じて作成した。また、精度管理・安全性評価 委員会によるアンケート調査にて研究参加団体(乳がん検診実施施設)の技術・体制的指 標に関する状況を把握し、報告した(補遺文書(2))。また、精度管理の重要なテーマであ る乳房超音波検査の教育研修に関して、その内容・方法を英文論文としてBreast cancer誌 に投稿、掲載されている。これらにより、研究の第一の目的である超音波による乳がん検 診の標準化と普及に向けて大きな成果が見られたといえる。 

以上は、主として平成18年度から22年度までの第3次対がん総合戦略研究事業による成果 であり、これを引き継ぐ形で23年度以降の検診事業が行われている 

 

  2)有効性検証のためのランダム化比較試験の実施 

  平成 19 年度からの累積登録者数は 76,196 人(介入群 38,313 人、非介入群 37,883 人)

となっている(図 1、表 2)。 

  科学的根拠を示すための研究デザインとしてエビデンスレベルの高い順に、個別 RCT、ク ラスターRCT、非ランダム化比較試験が本研究では採用されているが、登録数を研究デザイ ン別に見ると、個別 RCT が 71.0%(介入群 35.5%、非介入群 35.5%)、クラスターRCT が 25.0%

(介入群 12.9%、非介入群 12.1%)であり、非ランダム化比較試験は 3.9%(介入群 1.8%、

非介入群 2.1%)である(表 2)。個別 RCT への参加率は、平成 19 年度が合計で 53.8%、平成 20 年度が 60.0%、平成 21 年度が 78.5%、平成 22 年度が 96.3%と、年度ごとに増加している ことから、研究参加団体及び検診参加者の本研究への理解度(ランダム化比較試験を個別 に実施することの意義等)が一段と進んだことが伺える。また、介入群と非介入群の割合 はそれぞれの研究デザインごとに均等であり、総計でも介入群 50.3%、非介入群 49.7%であ ることから、本試験では正しく均等に割付けられていることが判る。このことからも本研 究は、従来、日本では実施が困難とされてきた大規模ランダム化比較試験が実施可能であ ることを明らかにしたといえる。 

  平成 24 年度末までに予定されている 2 回目検診の受診は終了となり、平成 25 年度は検 診結果の把握、精密検査結果の把握、2 回目検診未受信者のアンケート調査、がん症例の登 録とデータクリーニングを行っている。平成 23 年度末までの累積登録者数は、介入群、非 介入群の合計で 76,196 名を登録し、初期の発番不良を除いた 76,113 名が登録割付された。

平成 25 年度に登録症例の追跡とデータクリーニングを行った結果、ランダム化の後に明ら かとなった不適格症例や同意撤回症例を除いた介入群 38,269 例、非介入群 37,534 例に対 して、初回検診の成績(プライマリ・エンドポイント)に関する集計を行っている。更に、

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初回検診で乳癌と診断された症例、検診を受けた後での同意撤回を申し出た症例などを除 いた 75,359 例が、二回目検診の対象者として調査を進めており、74.5%が受診を完了、さ らに 22.0%の受診者にはアンケート、葉書での連絡の結果、追跡調査が済んでいる。受診 予定者(初回登録者)の未把握率は平成 25 年 12 月末日時点で 3.5%となり、研究計画時に 目標とした 5%未満の未把握率を達成できた。平成 25 年 12 月 31 日をもって初回検診のデ ータの固定を決定、平成 26 年度中の初期データの公表を準備している。 

わが国では地域がん登録が未整備の地域も多く、中間期がんの把握は極めて困難である。

しかし、中間期がんの把握なしにプライマリ・エンドポイントである感度は測れない。本 研究では、繰返し検診未受診の対象者にも初回検診受診後 2 年間の追跡調査を行うことに より中間期がんを把握できる仕組みを取っており、研究の質を担保するものといえる。ま た未把握に対する追跡は最重要な課題であり、今後はコールセンターからの電話による連 絡、郵便連絡、住民票の交付、除票の確認、人口動態統計による生存・死亡確認を行う予 定である。 

尚、セカンダリ・エンドポイントである累積進行乳がん比率の算定や、最終目的となる 検診による死亡率低減効果の確認のためには、今後も長期にわたる登録受診者との継続し たコンタクトが不可欠であり、平成 25 年度は研究事業後のアンケート調査を登録者のおよ そ半数の 34,465 名に対して行った。平成 26 年 2 月 20 日時点での回収率はおよそ 60%であ り、今後調査票の再送信などを通じて回収率の向上と、がん発生、予後の追跡調査を継続 する予定である。 

 

D.考察 

  第一の目的である超音波による乳がん検診の標準化にしては、超音波講習会等の実施に より、超音波による乳がん検診の普及と標準化がほぼ完成した。乳房超音波講習会受講者 数が医師、技師ともに、約 2,000 名に届いたことは、超音波による乳がん検診が全国的に 実施可能である状態といえよう。また、技術体制指導に関して、「乳房用超音波検査に推奨 される超音波画像診断装置について」(補遺文書1)を作成、教育研修に関してその内容・

方法が成果として掲載されたことで、標準化はほぼ完了したものと思われる。しかしなが ら、超音波による乳がん検診の最大の課題は、死亡率減少効果及び不利益に関するデータ が未だ示されていないことである。さらに、これらの装置・教育などの精度管理が機能し ているかどうかの検証も必要である。科学的検証なしに「対策型」検診として超音波によ る乳がん検診を実施することは厳に慎まなければならない。 

  第二の目的である、ランダム化比較試験による乳がん検診の有効性の検証に関して、新 規登録者数が 76,196 名に達した。8 万人に迫る RCT はわが国初であり、世界でも最大規模

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である。登録症例の 96.1%が RCT であり、さらにエビデンスレベルが最も高い個別 RCT が 71.1%であったことは特筆すべき成果と云える。一方 2 年後 2 回目検診受診者は、初回検 診で乳癌と診断された症例、検診を受けた後での同意撤回を申し出た症例などを除いた 75,359 例を対象者として調査を進めており、74.5%が受診を完了、さらに 22.0%の受診者 にはアンケート、葉書での連絡の結果、追跡調査が完了している。受診予定者(初回登録 者)の未把握率は平成 25 年 12 月末日時点で 3.5%となり、研究計画時に目標とした 5%未 満の未把握率を達成できた。 

    本研究期間中の中間解析は、研究結果へのバイアスを回避するため、行って来なかっ たが、未把握率 5%未満の達成を受けて、データモニタリング委員会及び統計解析委員会に よる議論の結果、平成 25 年 12 月 31 日をもって初回検診のデータの固定を決定した。平成 26 年度中にプライマリ・エンドポイントである感度・特異度、がん発見率等の解析結果を 公表する計画である。本研究の成果は、我が国のみならず世界における今後の乳がん検診 の方向性を決定づけるものであり、極めて大きな意義があると考えられる。 

 

E. 今後の計画 

  平成 25 年 12 月末日をもってデータ固定出来たことで、初回検診に関わるデータの公表 は平成 26 年度内に達成できる目処がたったと言える。しかしながら平成 26 年度以降も、

検診結果の把握、遅れて検診を受ける受診者への対応、精密検査結果の把握、年度を超え て確定診断される乳がん症例の検証、発見がん症例の登録と予後調査、研究登録者全員へ の追跡調査などが必要である。今後、長期の観察により、正確で科学的根拠の高いデータ が得られることは明白であり、継続出来る研究体制の確立が極めて重要である。

  更に本研究の結果を基に、要精密検査症例の結果の解析を行い、現在実施されているカ テゴリー分類の修正と適正化を目指す研究や、マンモグラフィと超音波検査の独立判定結 果の解析を行い、検診システムとしての精度向上を目指した総合判定基準の最適化を目指 した研究などにフィールドを拡大する計画である。

  一方、医療経済の観点から本研究を解析すると、乳がん検診に超音波を導入することで 検診コストの増加は避けられないが、発見される乳がんの早期がん比率の増加による薬物 療法の軽減、更には再発率や死亡率の低減により、終末期医療に関わる長期の薬物治療が 回避され、医療コストや社会的損失の減少が期待される。昨今の経済事情を鑑みて包括的 な医療経済学的評価は極めて重要で、超音波導入や増加した精密検査にかかる費用に関す る調査を行いつつ、一方で研究中に生じた乳がんの治療にかかる医療費のみならず、社会 経済的負担に関する調査も今後の重要な研究・検討の対象となるであろう。薬剤疫学・医 療経済学の専門家の協力を仰ぎ、本研究を発展させてゆきたい。

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F.健康危険情報

  これまでのところ、安全性に関する特記すべき問題は発生していない。

G.研究発表

 

発表論文(当該研究事業の研究成果に関するもの)

1. Tohno E, Umemoto T, Sasaki K, Morishima I, Ueno E. Effect of adding screening ultrasonography to screening mammography on patient recall and cancer detection rates: A retrospective study in Japan. European Journal Radiology 2013; Vol.82 (8): 1227-1230.

2. Muramatsu C, Schmidt R.A, Shiraishi J, Endo T, Fujtia H, Doi K. Usefulness of presentation of similar images in the diagnosis of breast masses on mammograms: comparison of observer performances in Japan and the USA. Radiol Phys Technol 2013; 6: 70-77.

3. Muramatsu C, Nishimura K, Endo T, Oiwa M, Shiraiwa M, Doi K, Fujita H. Representation of lesion similarity by use of multidimensional scaling for breast masses on mammograms. J Digit Imaging 2013; 26: 740-747.

4. Moritani S, Ichihara S, Hasegawa M, Endo T, Oiwa M, Shiraiwa M, Morita T, Sato Y, Hayashi T, Kato A, Iwakoshi A, Sato T. Uniqueness of ductal carcinoma in situ of the breast concurrent with papilloma: implications from a detailed topographical and histopathological syudy of 50 cases treated by mastectomy and wide local excison. Histopathology 2013; 63: 407-417.

5. Nakajima K, Shiina T, Sakurai M, Enokido K, Endo T, Tsunoda H, Takada E, Umemoto T, Ueno E. JSUM ultrasound elastography practice guidelines: breast. J Med. Ultrasonics 2013;

40: 359-391.

6. Ishida T, Suzuki A, Kawai K, Narikawa Y, Saito H, Yamamoto S, Tohno E, Sobue T, Fukuda M, Ohuchi N. A Randomized Controlled Trial to Verify the Efficacy of the Use of

Ultrasonography in Breast Cancer Screening aged 40-49 (J-START): 76,196 Women Registered. Jpn J Clin Oncol.2014;44(2): 134-40.

7. Tamaki K, Tamaki N, Kamada Y, Uehara K, Miyashita M, Sm Chan M, Ishida T, Ohuchi N, Sasano H. Non-invasive evaluation of axillary lymph node status in breast cancer patients using shear wave elastography. Tohoku J Exp Med 2013; 231(3): 211-6.

8. Miyashita M, Amano G, Ishida T, Tamaki K, Uchimura F, Ono T, Yajima M, Kuriya Y, Ohuchi N. The clinical significance of breast MRI in the management of ductal carcinoma in situ diagnosed on needle biopsy. Jpn J Clin Oncol 2013; 43(6):654-63.

(9)

9. Mori N, Ota H, Mugikura S, Takasawa C, Tominaga J, Ishida T, Watanabe M, Takase K, Takahashi S. Detection of invasive components in cases of breast ductal carcinoma in situ on biopsy by using apparent diffusion coefficient MR parameters. Eur Radiol 2013;

23(10):2705-12.

10. Hamada S, Shibata A, Urushihara H, Sengoku S, Suematsu C, Kawakami K. Transaction cost analysis of new drug application affairs in Japan: a case study of a multinational

pharmaceutical company. Therapeutic Innovation & Regulatory Science 2013;DOI:

10.1177/2168479013514235.

11. Hamada S, Hinotsu S, Ishiguro H, Toi M, Kawakami K. Cross-national comparison of medical costs shared by payers and patients: a case of postmenopausal women with early-stage breast cancer based on assumption case scenarios and reimbursement fees. Breast Care 2013; PMID:

24415981[ Epub ahead of print].

12. Suzuki A, Ishida T, Ohuchi N. Controversies in breast cancer screening for women aged 40–49 years. Jpn J Clin Oncol 2014; Doi:10.1093/jjco/hyu054.

総説・その他

1. 遠 藤 登 喜 子.   ア ン ケ ー ト 調 査 か ら わ か っ た 二 次 検 診 − 精 密 検 査 − の 実 態,INNERVISION  28‑8:2013.08,2‑7

2. 白 岩 美 咲 、 遠 藤 登 喜 子. D M G の 精 度 管 理 に お け る 課 題,INNERVISION  28‑8: 

2013.08,48‑49

3. 白岩美咲、遠藤登喜子、篠原範充.  デジタルマンモグラフィとソフトコピー診断,画像 診断  33‑9 :2013.9,983‑994

4. 遠藤登喜子.  乳癌の画像診断 update  序説,臨床画像  29‑11: 2013.11, 1243 5. 遠藤登喜子、白岩美咲、大岩幹直、森田孝子、須田波子.  ソフトコピーによるMG診断

のポイントと見えてくるもの,臨床画像  29‑11: 2013.11, 1244‑1253

6. 遠藤登喜子.  マンモグラフィ進化への期待と課題,新医療  40‑12: 2013.12,118‑121  7. 遠藤登喜子.  特集アドバンストコース  乳癌の画像診断 up date, 臨床画像  30‑3:

2014.03, 320‑323 

 

学会発表 

(1) 国際会議 

1. T. Endo, T. Morita, M. Ooiwa, N. Suda, M. Shiraiwa, Y. Sato, S. Ichihara, T. Sendai, 

(10)

T. Arai.  Clinical evaluation of the dual mode Tomosynthesis system with a newly  developed image processing for Tomosynthesis image European Society of Radiology  2014. Viena, Austria, 2014.3.6‑10 

2. T. Endo, M. Oiwa, T. Morita, M. Shiraiwa, N. Suda, Y. Satoh, S. Ichihara, T. Sendai,  J. Morita.  Clinical evaluation of new mammography system with tungsten anode and  Image‑based Spectral Conversion technology European Society of Radiology 2014.

Viena, Austria, 2014.3.6‑10   

(2)国内会議 

1. 大内憲明.  日本乳癌検診学会に期待されること〜国のがん対策の要として  第 23 回 日本乳癌検診学会.東京,2013.11.8‑9,理事長講演. 

2. 鈴木昭彦、石田孝宣、鄭迎芳、成川洋子、大内憲明.  J‑START 現状報告  第 23 回日 本乳癌検診学会.東京,2013.11.8‑9,口演. 

3. 遠藤登喜子、清原淳子、長束澄也、市原  周、森谷鈴子、長谷川正規、大岩幹直、白 岩美咲、森田孝子、佐藤康幸.  位相型高感度X線撮影画像の表示方法の検討  第 72 回日本医学放射線学会総会.横浜, 2013.4.11‑14,口演. 

4. 大岩幹直、遠藤登喜子、白岩美咲、森田孝子、市原  周、森谷鈴子、長谷川正規.  硬 化性腺症のマンモグラフィ所見、構築の乱れについての検討  第 72 回日本医学放射線 学会総会.横浜, 2013.4.11‑14,口演. 

5. 古妻嘉一、遠藤登喜子、岩瀬拓士、大貫幸二、角田博子、東野英利子、鈴木昭彦、古 川順康、森本忠興.  マンモグラフィ(MG)読影更新状況から検診精度向上の検討  第 21 回日本乳癌学会学術総会. 浜松,2013.6.27‑29,口演.       

6. 白岩美咲、遠藤登喜子、篠原範充、古妻嘉一、森本忠興.  フィルムからモニタ診断へ の過渡期における問題点と課題−日本乳癌検診学会 MG モニタ読影企画からの考察−

第 21 回日本乳癌学会学術総会.浜松, 2013.6.27‑29,口演. 

7. 大岩幹直、遠藤登喜子、白岩美咲、森田孝子、佐藤康幸、林  孝子、加藤  彩、市原  周、森谷鈴子、長谷川正規.  硬化性腺症を伴う乳腺に発生する癌の存在範囲の違いに よる病理組織学的特徴  第 21 回日本乳癌学会学術総会.浜松, 2013.6.27‑29,口演. 

8. 森田孝子、大岩幹直、白岩美咲、佐藤康幸、林  孝子、加藤  彩、森谷鈴子、市原  周、

長谷川正規、遠藤登喜子.  浸潤性小葉癌の治療戦略  第 21 回日本乳癌学会学術総会.

浜松, 2013.6.27‑29,口演. 

9. 古川順康、古妻嘉一、遠藤登喜子、岩瀬拓士、大貫幸二、角田博子、東野英利子、森 本忠興.  マンモグラフィ検診精度向上における指導者研修会の役割  第 21 回日本乳

(11)

癌学会学術総会.浜松, 2013.6.27‑29,口演. 

10. 古妻嘉一、遠藤登喜子、岩瀬拓士、大貫幸二、角田博子、東野英利子、鈴木昭彦、古 川順康、森本忠興.  マンモグラフィ(MG)検診の読影向上を目指す MG 読影精度改善 の試み  第 23 回日本乳癌検診学会学術総会.東京,2013.11.8‑9,口演. 

11. 遠藤登喜子、大岩幹直、森田孝子、白岩美咲、須田波子、佐藤康幸、林  孝子、加藤  彩、市原  周、森谷鈴子、長谷川正規、荒井毅久、森田純也、千代知成.  直接変換 型 TFT 方式の新型マンモグラフィ装置の乳がん画像診断への適用についての検討    第 23 回日本乳癌検診学会学術総会.東京, 2013.11.8‑9,口演. 

12. 林  和奈、安藤朝子、米澤科乃、松田恵理、堀川佑加子、笹田裕美、山口奈保美、遠 藤登喜子、広藤喜章.  新型 FPD を搭載したトモシンセシス・マンモグラフィの画質評 価  第 23 回日本乳癌検診学会学術総会. 東京, 2013.11.8‑9,口演. 

13. 遠藤登喜子、森田孝子、大岩幹直、須田波子、市原  周、森谷鈴子、長谷川正規、佐 藤康幸、千代知成、荒井毅久.  直接変換型 TFT 方式の新型マンモグラフィ装置の乳が ん画像診断への適用  第 23 回日本乳癌画像研究会.高松, 2014.3.15‑16,口演. 

14. 遠藤登喜子.  Mammography における CAD への期待と課題  第 72 回医学放射線学会総 会・日本放射線技術学会第 69 回総会学術大会. 横浜, 2013.4.11‑14,合同シンポジウ ム 2. 

15. 遠藤登喜子.  乳腺エラストグラフィのガイドライン作成に向けて  東芝メディカル システムズ社のエラストグラフィの特徴  第 30 回日本乳腺甲状腺超音波医学会学術 総会.福島, 2013.4.20‑21,シンポジウム 2. 

16. 遠藤登喜子.  乳がん検診の精度管理体制の実態と課題  第 21 回日本がん検診診断学 会.前橋, 2013.7.19‑20,シンポジウム 1. 

17. 遠藤登喜子、大内憲明、大貫幸二、笠原善郎、園尾博司.  都道府県のがん検診精度管 理委員会における乳がん検診の精密検査機関基準の現状  第 23 回日本乳癌検診学会 学術総会.東京, 2013.11.8‑9,パネルディスカッション. 

18. 鄭迎芳、成川洋子、河合賢朗、鈴木昭彦、福井直仁、早瀬茂、石田孝宣、大橋靖雄、

大内憲明.  Joint first authors. Participants perception of informed consent  process in a randomized breast cancer screening trial in Japan, J‑START.  日 本臨床試験研究会第 5 回学術集会総会.東京,2014.3.14,ポスター発表. 

参照

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