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中国における電子情報産業に関する 調査報告書

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(1)

17-CICC-C06

平 成 17 年 度

中国における電子情報産業に関する 調査報告書

平成 18 年 3 月

財団法人 国際情報化協力センター

(2)
(3)

コンピュータを中心とする情報化は、社会、経済をはじめ広範な分野の高度化に寄与し、

ますます重要となっております。しかしながら、途上国における情報化は、その意欲を持 ちながらも現状はまだ多くの課題を抱えており、加速度的に高度化が進展している先進国 とのギャップはますます大きなものとなっています。

これらの実情に鑑み、財団法人国際情報化協力センター(略称 CICC)では、情報化を促 進しようとする海外諸国に対して、その促進を支援、協力することを目的として、各種の 情報化協力事業を実施してまいりました。

特に当財団が重点としている国の一つである中国に関しては、平成 10 年 7 月に設置した

(財)日中経済協会内 CICC 北京連絡事務所において、急速に発展する中国情報産業とその 市場及び中国における情報化の動向について積極的に調査活動を行っています。

この報告書は、日本自転車振興会から平成 17 年度機械工業振興資金による補助金を受け て、情報化協力事業の一環として実施したこれらの活動の結果を纏めたものであります。

調査の実施にあたってご支援、ご協力を頂いた関係官庁、関係会員に深く感謝の意を表 するとともに、この報告書が関係方面に利用され、情報化協力事業の円滑な推進をはかる ための資となれば幸いです。

平成 18 年 3 月

財団法人 国際情報化協力センター 理 事 長 秋草 直之

(4)

序章...1

第一部 中国の電子情報産業の動向について...4

第一章 全体の概況...4

1.2005 年の国内市場概況 ... 4

(1) 全体規模 ... 4

(2) 市場構造 ... 5

2.輸出入貿易 ... 10

(1) 輸出 ... 12

(2) 輸入 ... 16

第二章 2003年~2005年の製品別動向... 21

1.ハードウェア市場... 21

(1) コンピュータシステム... 21

(2) 周辺機器 ... 22

(3) ネットワーク製品... 23

(4) デジタル製品... 24

2.ソフトウェア市場... 25

3.情報サービス市場... 27

第三章 主要企業動向... 30

1.リーディングIT企業... 30

2.聯想集団有限公司(Lenovo)... 30

3. サムソン ... 33

4. マイクロソフト... 35

5. インテル ... 37

第四章 今後の展望... 40

1.2006~2010 年における電子情報製品市場の発展の全体予測 ... 40

2.バーティカル市場の予測... 42

3.業界別市場の予測... 43

4.地域市場の予測 ... 44

第二部 2005年度の電子情報業界におけるトピックス... 46

1.国家政策、関連法規、政府発表資料等... 46

2.市場調査、統計・予測データ... 54

3.通信、ネットワーク動向... 62

4.インターネット・EC 関連 ... 67

5.他社動向(国内)... 73

(5)

6.他社動向(海外)... 85

7.ソフトウェア業界動向... 94

8.標準化動向 ... 105

9.一般 ... 108

10.セミナー・展示会... 115

第三部 中国の新動向について... 117

第一章 中国ソフトウェア政府調達実施弁法について... 117

1.概要 ... 117

2.目的 ... 117

3.根拠 ... 117

4.各方面の反応 ... 118

5.修正の経緯 ... 119

6.WTO との関係 ... 120

7.発表時期の予測... 121

ソフトウェアの政府調達実施規則(意見募集稿)... 121

第二章 電子署名法について... 129

1.背景 ... 129

2.目的 ... 129

3.作用 ... 129

4.特徴 ... 129

5.問題と今後の発展... 131

中華人民共和国電子署名法(仮翻訳版)... 131

第三章 中国・インドのソフトウェア産業の協力と競争の現状分析 ... 139

1.中国とインドソフトウェア業界の交流と協力の由来... 139

2.中国とインドのソフトウェア業の現在の協力と競争の状況 ... 141

3.中国ソフトウェア業界の対応... 145

4.日本企業への提案... 148

第四章 WAPI の経緯と現状 ... 150

1.WAPI の経緯 ... 150

2.中国国内の進捗状況... 150

3. 新動向に対する各界の反応... 152

4.結び ... 153

5.追記:ISO 投票結果と WAPI 産業連盟の設立 ... 153

無線 LAN 製品の政府調達に関する実施意見... 154

無線 LAN 認証製品政府調達リスト... 155

(6)

序章

2005 年は中国の「第 10 次五ヶ年計画」最後の 1 年であった。「十五(第 10 次五ヶ年計画)」

期間に中国の GDP は年平均で 9%以上増加し、「九五(第 9 次五ヶ年計画)」期間の 8.3%や、

「十五」期間に予期された目標を大きく上回った。しかし、マクロ経済が実績を上げたる 一方、企業損益の悪化や国際的な貿易摩擦の増加、貧富の差が引き続き拡大するといった 問題に直面している。こうした背景の下で、中国の IT 業界も基本的に「十五」計画の各要 求を達成し、「十五」期間の年平均の成長スピードは GDP を超えたものの、生産量が増加し ても収益は逆に増加しないといったようなさまざまな問題にも同様に直面している。

政策の面から見ると、中国政府は一貫して IT 産業の発展促進に力を入れてきた。情報化 によって工業化を牽引するという構想の提起から、「十一五」計画提議の中でも強調されて いるように、IT 産業の発展を社会・経済全体の発展という大局の中で重要な位置づけをし て、集積回路やソフトウェアといったコア産業の発展に力を入れ、デジタル化オーディオ・

ビジュアルや次世代移動通信、スーパーコンピュータ、ネットワーク設備といった情報産 業クラスタを重点的に育成、情報資源の開発と共有を強化し、情報技術の普及と応用を促 進した。主な支援政策としては、2005 年 4 月に新たな 18 号文書である新しい「ソフトウェ ア業とチップ業の発展奨励の若干の政策」があり、国家が出資する形式で一定額の「創業 投資基金」を設立した。チップ業を支援する専門基金の総額は 10 億元となっている。同じ 月には、「ソフトウェア政府調達実施弁法(意見募集稿)」によって、社会各方面に広く意 見を募集した。更に 2005 年 12 月に発展・改革委員会とラジオ・テレビ総局が関連の専門 家を集めて起草した「デジタルテレビ産業の発展奨励の若干の政策」の初稿が完成し、関 連部門に送られて意見が募集された。

市場の面から見ると、2005 年の中国の IT 市場は激動の 1 年で、企業の高級管理者の異動 や買収、撤退、進出といった一連の事件が IT 産業の局面に衝撃を与えた。

2 月 19 日、インターネット業の収益能力で全国トップの上海盛大ネットワーク発展有限 公司は、影響力で全国トップの新浪ネットの株式約 19.5%を公開買収したと発表。両者の 連合は中国のインターネット産業に大きな影響を与えると見られている。

6 月 8 日、明基はドイツ・ジーメンズのグローバルな携帯電話事業の買収を発表、これに よって BenQ は一挙に世界トップ 4 の携帯ブランドの一つへと躍り出た。下半期に明基は再 度 PC 市場へ進出した。

8 月 5 日、検索エンジンサービスの百度は正式に米国 NASTAQ 市場に上場し、発行価格は 27 ドル、寄り付き時に 66 ドル、終値は 122.54 ドルとなり、中国のネット株の神話を創っ た。

(7)

8 月 10 日に聯想集団は 2005 年―2006 年財政年度の第 1 四半期の業績を発表、営業収入 は 196 億香港ドルで、前年同時期に比べて 234%増加した。同期に実現した純利益は 3.57 億香港ドルで前年同期比で 6%増加。聯想集団は IBM の PC 業務を買収後に優れた業績を上 げ、主な新興市場で優れた業績を上げると同時に、新たに買収した PC 業務でも成長を成し 遂げた。

8 月 11 日、アリババと Yahoo は協力協定を結んだ。アリババは Yahoo 中国の全資産を買 収すると同時に Yahoo から 10 億ドルの投資を受け、Yahoo ブランドと技術の中国での独占 使用権利を持つこととなった。Yahoo はアリババの経済的利益の 40%と 35%の投票権を獲 得した。アリババと Yahoo は業務補完的なウィン・ウィン聯合と見られている。

6 月 8 日、ハイアルは PC10 種類とノート型 PC16 種類を発表して、PC での布陣を確立し た。

また、2005 年の中国の IT 業界にはマイナスの事件も多く出現し、激しい競争の中で撤退 した企業も少なくない。

7 月からの半年の間に、ニコンやキャノン、フジ、ソニー、コニカ・ミノルタ、JVC、オ リンパスといった日系のデジタルカメラブランドが、一部製品の CCD 部品に問題がある可 能性があるという声明を発表した。消費者に一貫して高品質と認められてきた日本製品は イメージを損なった。

5 月初め、市場の激しい競争によって、MP3 の利益が暴落し、華夏など MP3 メーカー100 社余りが市場を撤退するという情報が伝えられた。

8 月 1 日夜、国有資産監督管理委員会の公式サイトで「中国電子情報産業集団公司など 6 社企業の再編に関する通知」が発表され、「中国長城コンピュータ集団公司は中国電子情報 産業集団公司(CEC)に統合された。」

ここ 1 年、実達コンピュータが市場撤退するといううわさが流れていたが、年末には実 達コンピュータの研究開発メンバーが解散され、アフターサービスシステムが崩壊したと の情報が伝えられた。

従来業績が優れていた TCL 携帯や UT スターコム、亜信の 2005 年の業績も大きく減少し た。

2005 年は終わり、2006 年が来た。2006 年は実力の足りない IT 企業が撤退や方向転換を 行うと見られる。生き残った IT 企業にとっては、2006 年は収益の大きな 1 年となるだろう。

2006 年に中国の経済は引き続き急速に成長し、経済の余裕があり流行を追う人たちがデジ タル製品の大きなニーズをもたらすのに間違いない。県・郷級市場は 1 年以上の開拓を経 て、PC で収益を上げる時期を迎えている。都市住民の 2 度目の購入のニーズから、ノート 型 PC 企業に得がたいチャンスをもたらす。ネットワーク応用のニーズの増加は、今後数年、

その勢いが激しくて阻めないだろう。同時に 3C 認証の運用が中国 IT 産業の発展に新たな チャンスをもたらしており、今後の 3G 応用とデジタルオリンピックもより多くの新たな市

(8)

場ニーズを生み出す。2006 年は中国 IT 業界にとって希望に満ちた発展の年だと言えるだろ う。日本資本企業が新たな 1 年にチャンスをつかみ、携帯分野に関しては、2006 年3G導 入をきっかけに、携帯市場の参入を、アウトソーシングを重点にしているコンピュータシ ステムの分野では、企業向けソリューションを大きな武器にし、需要を掴み、実績のある ハイエンドの家電分野では、技術開発力を活用して、更なる発展を図ることをお祈りする。

CICC は皆様に優れたサービスを提供してゆく。

このレポートは情報産業部電子情報産業発展研究院の傘下にあるコンサルティング会社

(CCID コンサルティング)の統計データをもとに、市場分析を補足し、中国の電子情報産 業の最新動向を調査したものである。あわせて、2005 年 4 月から 2006 年 3 月までの IT 関 連の主要なトピックスや、CICC 北京事務所より最新動向に関する説明や分析も記載した。

(9)

第一部 中国の電子情報産業の動向について

第一章 全体の概況

まず、中国の電子情報製品産業全体の概況につき、報告する。

電子情報製品産業はハードウェア製品産業、ソフトウェア製品産業と情報サービス産業 からなる。

1.2005 年の国内市場概況 (1) 全体規模

長年にわたって急速な成長を続けた後に、中国の電子情報産業は 2005 年に初めてペース ダウンし、一部企業では販売が増加すると同時に利益空間が縮小、産業は新たな発展のボ トルネックに直面している。産業全体の発展が比較的に穏やかな背景の下で、中国の電子 情報製品市場は引き続き着実な成長を保った。CCID コンサルティングの研究によると、2005 年の中国電子情報製品市場の販売規模は 4,762.2 億元に達し、2004 年に比べて 16.6%増加 している。そのうち、ソフトウェアと IT サービスはそれぞれ 17.9%と 20.1%の増加を実 現。中国の電子情報製品市場は成熟段階に入りつつある。表 1 は 2003 年―2005 年の中国電 子情報製品市場の販売とその成長の状況を表している(注:表内のデータはハードウェア 製品中に存在する重複を除かずに計算している)。

中国の電子情報製品市場が安定的な成長を続けている主な原動力は、電信や金融、エネ ルギーといった重点業界の情報化建設の重心が、資源の統合から応用システムの深化と総 合的利用へと移ったためである。また電子政務や教育の情報化建設が深化を続け、ネット ワークと応用システムの構築が重要な段階に入ったこと、医療や農業といった伝統的業界 の情報化建設がブームとなり、徐々に軌道に乗ったためである。他に、中小企業の情報化 が引き続き大きなエネルギーを持ち、市場発展の焦点となっており、家庭のブロードバン ドの拡大や娯楽、デジタル製品の消費が消費 IT 市場の急速な成長をもたらしている。

(10)

表 1 2003 年-2005 年の中国電子情報製品市場の販売規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 ‘04 年-‘05 年成長率

(GR)

ハードウェア 2546.3 2918.8 3,374.9 15.6%

ソフトウェア 399.6 479.1 564.7 17.9%

IT サービス 544 685.2 822.7 20.1%

合計 3489.9 4083.1 4762.2 16.6%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

ハードウェア製品に存在する可能性のある重複を除いて計算すると、ユーザエンドの販 売収入に基づく計算では、2005 年の中国電子情報製品市場の実際の販売収入は 3,764.8 億 元で前年比で 16.3%の増加となる。以下の章で触れる地域や業界の市場ではユーザエンド の販売収入データを使用している。特に説明がない場合、一般に使用するデータは市場の 累計販売収入を指している。表 2 では 2003 年-2005 年の中国電子情報製品市場のユーザエ ンドの実際の販売収入状況である。

表 2

2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場のユーザエンドの実際の販売収入状況(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 ‘04 年-‘05 年 GR ハードウェア 1,820 2,073 2377.4 14.7%

ソフトウェア 399.6 479.1 564.7 17.9%

IT サービス 544 685.2 822.7 20.1%

合計 2,764 3237.1 3764.8 16.3%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(2) 市場構造

2005 年、中国電子情報製品市場の製品構造には引き続き変化が発生した。ハードウェア 製品が 70.9%のシェアを占めているものの、2004 年に比べて 0.6 ポイント減少している。

ソフトウェアと IT サービスの市場シェアが引き続いて拡大し、それぞれ 2004 年に比べて 0.2 ポイントと 0.4 ポイント増加している。これは、ソフトウェアと IT サービスがますま す多くの中国コンピュータユーザーに認知され選択されるようになっていること、IT 応用 の水準が徐々に向上していることを表している。

(11)

表 3 2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場の販売額の構造と変化

種類 2003 年 2004 年 2005 年 ハードウェア 73.0% 71.5% 70.9%

ソフトウェア 11.4% 11.7% 11.9%

IT サービス 15.6% 16.8% 17.2%

合計 100% 100% 100%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

図 1 2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場の販売額の構造と変化

73.00% 71.50% 70.90%

11.40% 11.70% 11.90%

15.60% 16.80% 17.30%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2003年 2004年 2005年

ハードウエア ソフトウエア ITサービス

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

CCID コンサルティングはハードウェア市場をコンピュータシステム、周辺機器、ネット ワーク設備、デジタル製品、応用製品とその他の 5 つに分類している。2005 年の市場販売 の状況から見ると、コンピュータシステム、周辺機器、ネットワーク設備の成長は相対的 にスローペースで、成長率はどちらも 13%以下となっている。デジタル製品市場の発展は 比較的速く、販売額で 314.3 億元を実現し、前年同期比で 59.3%増加、ハードウェア市場 の成長を牽引する重要な原動力となっている。

表 4 2003 年―2005 年の中国ハードウェア細分市場の販売額規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 ‘04 年―’05 年の GR コンピュータシステム 1129.2 1226.3 1328.7 8.3%

デジタル製品 114.2 197.3 314.3 59.3%

周辺機器 418.4 452.7 507.8 12.2%

ネットワーク設備 218.1 230.6 260.7 13.0%

応用製品とその他 666.4 811.7 963.3 18.7%

合計 2546.3 2918.7 3374.9 15.6%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(12)

バーティカル市場の構造

2005 年、中国電子情報製品市場では非商用市場の業績が目立った。家庭消費は 19.5%の 成長を実現し、市場シェアは 16.5%から 16.9%に拡大し、市場成長を牽引する主な要因の 一つとなった。教育業界の IT 投資は 322.2 億元を実現し、前年同期比で 19.1%増加、成長 が最も速い非商用業界の応用市場分野となっている。また中央と地方の政府部門の電子政 務の建設が進化を続けていることから、政府の IT 投資も 16.3%という急速な成長を成し遂 げている。

非商用市場に比べて、商用市場の成長は相対的にスローペースとなっている。そのうち 大型企業の 2005 年の IT 投資は 13.3%増加し、発展が徐々にペースダウン、2004 年に比べ てシェアは 0.7 ポイント縮小している。これに対して、中小企業の情報化建設が徐々に普 及するのにともない、その IT 投資の力も拡大、2005 年には IT 投資で 1225.8 億元を実現し、

2004 年には 16.7%増加した。

表 5 2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場の販売額の規模と成長(億元)

バーティカル市場 2003 年 2004 年 2005 年 04 年―’05 年 GR 大型企業 861.2 972.2 1101.7 13.3%

中小企業 891.5 1050.2 1225.8 16.7%

家庭 436.1 532.7 636.5 19.5%

教育 224.7 270.5 322.2 19.1%

政府 350.1 411.5 478.6 16.3%

合計 2763.6 3237.1 3764.8 16.3%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

図 2 2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場のバーティカル市場の販売額の構造推移

31.2% 30.0% 29.3%

32.2% 32.4% 32.5%

15.8%8.1% 16.5%8.4% 16.9%8.6%

12.7%

12.7%

12.7%

0%

50%

100%

2003年 2004年 2005年

大型企業 中小企業 家庭 教育 政府

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(13)

業界市場の構造

2005 年は中国の各業界の情報化建設水準の違いと投資の力の違いから、各業界の IT 応用 市場には大きな違いが現われた。

製造や政府、電信は IT への投入規模の最大業界で、そのうち製造業の IT 投資は 2004 年 に比べて 18.4%増加、シェアは 0.3 ポイント向上している。しかし電信業界の投資の増加 はスローペースで、前年同期比でわずか 13%しか増加していない。

伝統的な医療や教育業界が市場発展の焦点となっている。そのうち医療の情報化は引き 続き拡大し、その IT 投資を 20%増加させている。教育業界の IT 投資は 19.1%の増加を実 現し、市場シェアも 2004 年の 8.4%から 8.6%へと上昇している。

金融業の IT 応用市場の発展は相対的に安定している。そのうち、保険業界では情報セキ ュリティと資源の総合的利用への重視と投資を拡大し、IT 投資は 14.8%の急速な成長を実 現した。銀行と証券業の IT 投資の規模の成長はどちらも 12%以下に留まっている。

交通とエネルギー業界は情報化建設が成熟へと向かいつつある業界で、ここ数年の IT 投 資規模は徐々に拡大しているものの伸び幅は縮小しつつある。2005 年のエネルギー業界の IT 投資規模は 16.4%の成長を実現、交通業界は 14.8%成長している。

表 6 2003 年―2005 年の中国コンピュータ並行市場の販売額の規模と成長(億元)

業界市場 2003 年 2004 年 2005 年 ‘04 年―’05 年の GR 保険 26.3 32.0 36.8 14.8%

電信 356.2 398.3 450.0 13.0%

家庭 436.1 532.7 636.5 19.5%

交通 167.5 160.7 184.4 14.8%

教育 224.7 270.5 322.2 19.1%

エネルギー 145.6 170.3 198.2 16.4%

医療 26.8 53.0 63.6 20.0%

銀行 274.7 306.3 342.1 11.7%

証券 60.4 61.9 67.7 9.4%

政府 350.1 411.5 478.6 16.3%

製造 416.8 493.2 584.0 18.4%

その他 278.4 346.8 400.7 15.5%

合計 2763.6 3237.1 3764.8 16.3%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(14)

図 3 2003 年―2005 年の中国電子情報製品業界市場販売額の構造と変化

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

地域市場構造

2005 年は中国の各業界の情報化建設水準の違いと投資の力の違いから、中国の地域の情 報化投資には大きな違いが現われたが、情報化水準の格差は縮小しつつある。

長年にわたる情報化建設を経て、華北や華南、華東地区の情報化応用は比較的高い水準 に達している。2005 年に 3 地域の情報化投資は速いペースでの成長を続けたが、華東を除 いた、華北と華南の IT 投資の成長率は全国平均水準を下回り、その市場シェアもそれぞれ 0.3 ポイントと 0.4 ポイント減少している。

華中地区はここ数年に情報化水準が徐々に向上した地域の一つである。2005 年の華中地 区の IT 投資は 351.6 億元に達し、前年同期比で 15.0%増加した。

西部地区と東北地区は情報化投資の増加が早い地域である。2005 年の北西地区の IT 投資 は 267.3 億元に達し、前年同期比で 21.8%増加、市場シェアは 0.3 ポイント向上し、発展 の最も速い地域となっている。東北地区の IT 投資は 20.1%増加、南西地区でも 17.2%の 増加を実現している。

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

2003年 1.0% 12.9% 15.8% 6.1% 8.1% 5.3% 1.0% 9.9% 2.2% 12.7% 15.1% 10.1%

2004年 1.0% 12.3% 16.5% 5.0% 8.4% 5.3% 1.6% 9.5% 1.9% 12.7% 15.2% 10.7%

2005年 1.0% 12.0% 16.9% 4.9% 8.6% 5.3% 1.7% 9.1% 1.8% 12.7% 15.5% 10.6%

保険 電信 家庭 交通 教育 エネル

ギー 医療 銀行 証券 政府 製造 その他

(15)

表 7 2003 年―2005 年の中国電子情報製品地域市場の販売額の規模と成長(億元)

地域市場 2003 年 2004 年 2005 年 04 年―05 年のGR 東北 236.1 279 335.1 20.1%

華北 634.4 736.6 846.2 14.9%

華東 637.6 751.6 878.1 16.8%

華南 513.1 604.2 687.7 13.8%

華中 270.6 305.9 351.6 15.0%

北西 186.2 219.5 267.3 21.8%

南西 285.6 340.3 398.7 17.2%

合計 2763.6 3237.1 3764.8 16.3%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

図 4 2003 年―2005 年の中国電子情報製品地域市場販売額の構造と変化

8.50% 8.60% 8.90%

23.00% 22.80% 22.50%

23.10% 23.20% 23.30%

18.60% 18.70% 18.30%

9.80% 9.40% 9.30%

6.70% 6.80% 7.10%

10.30% 10.50% 10.60%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2003年 2004年 2005年

東北 華北 華東 華南 華中 北西 南西 データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

2.輸出入貿易

中国税関総署のデータによると、2005 年に全国の輸出入は 1 兆 4,221.2 億ドルを実現、

前年比で 23.2%増加した。そのうち、輸出額は 7,620 億ドルで 28.4%増加、輸入額は 6,601.2 億ドルで 17.6%増加、貿易黒字は 1,018.8 億ドルに達している。貿易黒字と輸出による経 済への貢献率は 30%以上に達し、GDP への貢献は約 3 ポイント以上となっている。

(16)

表 8 2004 年―2005 年の中国の貿易状況(億ドル)

分類 2004 年 2005 年 成長率 輸出 5933.6 7620 28.4%

輸入 5613.8 6601.2 17.6%

貿易黒字 319.8 1018.8 -

貿易総額 11547.4 14221.2 23.2%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

2005 年に中国のハイテク製品貿易は 4159.6 億ドルを実現し、2004 年に比べて 27.2%増 加し、全国貿易で 29.2%の割合を占めるに至った。そのうち、輸出額は 2182.5 億ドルで全 国貿易の 28.6%を占め、前年比で 31.8%増加している。輸入額は 1977.1 億ドルで 22.5%

増加。貿易黒字は 205.4 億ドルに達している。ハイテク製品は中国の貿易成長を推進する 重要な力となっている。

表 9 2004 年―2005 年の中国のハイテク製品貿易状況(億ドル)

分類 2004 年 2005 年 成長率 輸出 1655.4 2182.5 31.8%

輸入 1614.3 1977.1 22.5%

貿易黒字 41.1 205.4 -

貿易総額 3269.7 4159.6 27.2%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

2005 年、中国のコンピュータの貿易は引き続き良好な発展の傾向を保ち、1 年に実現した 貿易規模は 1881.2 億ドルで前年比で 26.3%増加した。そのうち輸出は 27.5%増加、輸入 は 24%増加、貿易黒字 614.4 億ドルを実現した。

表 10 2004 年―2005 年の中国の電子情報製品貿易状況(億ドル)

分類 2004 年 2005 年 成長率

輸出 979 1247.8 27.5%

輸入 510.9 633.4 24.0%

貿易黒字 468.1 614.4 -

貿易総額 1489.9 1881.2 26.3%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(17)

(1) 輸出

2004 年中国の電子情報製品輸出総額は 1247.8 億ドルに達し、同比で 27.5%の伸びとな った。

主要製品の輸出状況

2005 年の中国の電子情報製品輸出のうち、スキャナーや FDD、ブラウン管ディスプレイ、

ハブの輸出額が減少した他には、各種製品はみな増加した。そのうち、ミニコンピュータ やノート型パソコン、デジタイザ、HDD、ATM、ルータ、モデム、コンピュータソフトとい った製品の輸出は急速な増加を実現した。コンピュータやレーザープリンタ、光ディスク ドライブ、ディスプレイといった製品の輸出増加は比較的スローペースとなっている。

表 11 2005 年の中国の主な電子情報製品の輸出と増加の状況

製品名称 数量(万) 金額(万ドル) 前年比の金額増加 ミニコン 623.25 370648.2 35.0%

ノート型 PC 4135.25 2990203 43.9%

コンピュータ 47500.31 81640.64 1.4%

プリンタ 6921.93 688673.6 12.1%

(そのうち)ドット式 98.56 12622.19 20.9%

(そのうち)レーザー式 2354.62 418615 5.9%

(そのうち)バブルジェ ット式

3634 227269.8 20.7%

スキャナー 728.25 30256.62 -17.2%

デジタイザ 0.75 75.71 298.1%

HDD 9990.15 411076.9 51.7%

FDD 5101.73 19144.49 -37.0%

光ディスクドライブ 16458.28 380710.5 3.0%

ディスプレイ 9560.41 1614798 9.6%

(そのうち)液晶 7458.86 1453865 22.6%

(そのうち)ブラウン管 2096.25 159046.3 -41.4%

ATM 1.69 16299.01 43.1%

UPS 1259.07 42867.94 28.1%

ハブ 1758.71 19502.38 -12.5%

ルータ 3467.76 88031.33 56.1%

モデム 10419.24 160948.4 45.3%

(18)

デジタルカメラ 7603.03 553530 14.0%

コンピュータソフト 118.25 65733.57 90.5%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸出構造分析

電子情報製品の輸出構造では輸出国と地域、輸出貿易の方法、輸出企業の種類の 3 つの 面から分析を行う。

輸出相手国と地区

2005 年の輸出国と地域の区分から見ると、米国が中国の電子情報製品輸出の主な地域で、

輸出総額の 24.3%を占めている。輸出対象の各国家や地域の増加状況を見ると、インドと ルクセンブルグが増加の最も速い国家で、成長率はそれぞれ 153.9%と 153.7%に達したが、

フランス向け輸出は 20.3%減少した。日本への輸出は成長率を 2004 年の 32.7%より 2005 年の 18.1%へ下落し、シェアも 2004 年の全体の 9.9%より 2005 年の 9.2%へ減少した。 次 表は 2005 年中国電子情報製品輸出の上位 20 位の国家や地区の状況である。

表 12 2005 年の中国の電子情報製品輸出国家・地区の状況

国家・地区 輸出額(万ドル) 前年比増加 シェア 中国・香港特別行政区 3170720 31.4% 25.4%

米国 3033484 19.9% 24.3%

日本 1147656 18.1% 9.2%

オランダ 1106758 38.7% 8.9%

ドイツ 736753.7 36.4% 5.9%

韓国 280629 10.2% 2.2%

シンガポール 239155.1 16.7% 1.9%

中国・台湾省 267715.3 5.8% 2.1%

英国 288542.7 15.2% 2.3%

マレーシア 306326.5 49.2% 2.5%

フランス 204443.7 -20.3% 1.6%

オーストラリア 143549.9 25.6% 1.2%

カナダ 109576.8 50.0% 0.9%

タイ 110435.6 41.2% 0.9%

アイルランド 214826.9 43.9% 1.7%

(19)

インド 63797.75 153.9% 0.5%

フィンランド 77469.93 40.1% 0.6%

メキシコ 78382.91 23.5% 0.6%

ルクセンブルグ 184392.9 153.7% 1.5%

ハンガリー 47185.64 51.9% 0.4%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸出貿易方式

輸出方式から分析すると、2005 年の中国の電子情報製品の輸出は原料輸入貿易が中心で、

輸出総額の 78.3%を占めている。また一般貿易の成長も速く、成長スピードは 63.6%に達 している。

表 13 2004 年―2005 年の中国電子情報製品の貿易方式別輸出額と成長(万ドル)

貿易方式 2004 年 2005 年 成長率 原料輸入貿易 7981108.9 9774325 22.5%

委託加工組み立て貿易 1385083.1 2152916 55.4%

一般貿易 118027.1 193071.8 63.6%

保税区貨物保管・中継 287236.4 327177.9 13.9%

保税倉庫出入境 13733.9 19562.4 42.4%

その他 4434 11053.17 149.3%

合計 9789623.3 12478106.29 27.5%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(20)

図 5 2005 年の中国の電子情報製品輸出方式の構造

原料輸入貿易 78.3%

その他 0.1%

委託加工組み立 て貿易

17.3%

保税倉庫出入境 0.2%

一般貿易 1.5%

保税区貨物保 管・中継

2.6%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸出企業分類

輸出企業の形態から分析すると、2005 年は外商独資企業の輸出が中国電子情報製品輸出 のトップで、輸出総額の 78.8%を占めると同時に 31%の成長率を保っている。民間企業や 中外合作企業、集団所有制企業の輸出は高い成長スピードを保っている。個人経営者の輸 出額は 90 倍近くに増加している。

表 14 2004 年―2005 年の中国電子情報製品の企業性質別輸出額と増加(万ドル)

企業性質 2004 年 2005 年 前年比増加 外商独資企業 7501903.4 9826643 31.0%

中外合資企業 1324293.5 1463920 10.5%

国有企業 588991.2 708016.9 20.2%

民間企業 111559.3 165901.9 48.7%

中外合作企業 186363.7 221782.1 19.0%

集団所有制企業 76360.5 91580.26 19.9%

その他企業 149.7 82.01 -45.2%

個人経営者 2 179.8 8890.0%

合計 9789623.3 12478106 27.5%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(21)

図 6 2005 年の中国電子情報製品輸出企業の形態の構成

外商独資企業 78.751%

中外合資 企業 11.732 中外合作企業

1.777%

個人経営者 0.001%

その他企業 0001%

集団所有制企業 0.734%

民間企業 1.330%

国有企業 5.674%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(2) 輸入

2005 年中国の電子情報製品輸入総額は 633.4 億万ドルで、同比で 24.0%の成長となった。

主要製品輸入状況

2005 年の中国の電子情報製品の輸入は優れた発展の傾向を現した。ミニコンピュータや ノート型 PC、プリンタ、FDD、ATM、ハブ、モデムといった製品の輸入金額がそれぞれマイ ナス成長となったのを除き、他の各種主要製品の輸入は増加を続けた。そのうち、HDD、デ ジタイザ、ルータといった製品はみな大幅に増加した。レーザープリンタとスキャナーの 輸入額は 2004 年と基本的に同じ水準となった。次表は 2005 年の主な電子情報製品の輸入 とその増加状況である。

表 15 2005 年の中国の主な電子情報製品の輸入と増加の状況

製品名称 数量(万) 金額(万ドル) 前年比の金額増加 ミニコン 2.39 6324.46 -1.1%

ノート型 PC 72.99 65411.4 -11.2%

コンピュータ 1239.01 3946.97 14.2%

プリンタ 690.87 76621.46 -11.8%

(そのうち)ドット式 59.75 9988.98 -25.7%

(そのうち)レーザー式 207.32 36461.2 0.1%

(そのうち)バブルジェ 396.17 21090.49 -28.5%

(22)

ット式

スキャナー 44.05 6593.84 0.2%

デジタイザ 0.18 262.42 26.6%

HDD 10651.07 722605.3 56.7%

FDD 1127.88 8037.76 -42.8%

光ディスクドライブ 7615.21 323607.4 19.1%

ディスプレイ 583.99 97514.81 9.8%

(そのうち)液晶 451.51 86625.93 13.1%

(そのうち)ブラウン管 131.18 10224.03 3.5%

ATM 0.57 8226.6 -18.8%

UPS 14.95 9269.41 6.8%

ハブ 7.3 506.85 -66.5%

ルータ 85.94 36115.56 22.9%

モデム 1751.49 17543.41 -8.7%

デジタルカメラ 661.69 100444.7 13.9%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸入構造分析

電子情報製品の輸入構造は主に輸入国家・地域、輸入貿易の形式、輸入企業の形態の 3 つの面から分析することができる。

輸入相手国と地区

中国の電子情報製品輸入の国家と地域から見ると、中国の大陸部、韓国、中国・台湾省 が依然としてリーディング的な市場の地位にあり、この 3 者で 64%以上のシェアを占めて いる。輸入の増加状況から見ると、カナダとタイが輸入国家・地域の上位に入っており、

2004 年に比べて 65%と 42.6%増加している。日本よりの輸入は成長率、シェアとも減少し、

それぞれ 35.0%増、11.6%から 6.3%増、10.0%に下落した。次表は 2005 年の中国電子情報 製品輸入の主な国家・地区の状況である。

表 16 2005 年の中国の電子情報製品輸入国家・地区の状況

国家・地区 輸出額(万ドル) 前年比増加 シェア 中国・大陸部 1643549 42.3% 25.9%

韓国 1231979 21.0% 19.4%

(23)

中国・台湾省 1193297 17.5% 18.8%

日本 632284.1 6.3% 10.0%

マレーシア 149295.1 -12.2% 2.4%

フィリピン 270305.8 41.8% 4.3%

米国 213452.8 16.6% 3.4%

シンガポール 240548.9 32.9% 3.8%

タイ 354975.6 42.6% 5.6%

中国・香港 83435.81 10.6% 1.3%

ドイツ 45833.63 36.4% 0.7%

インドネシア 91730.85 24.6% 1.4%

フランス 5571.65 6.6% 0.1%

メキシコ 39961.52 7.4% 0.6%

アイルランド 47666.49 7.4% 0.8%

フィンランド 2479.12 24.9% 0.04%

コスタリカ 47.78 -89.3% 0.00%

英国 15295.84 -0.8% 0.2%

カナダ 13673.93 65.0% 0.2%

スイス 2966.42 -3.6% 0.05%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸入貿易形態

輸入方式から分析すると、2005 年は原料輸入貿易が依然として中心的な地位を占めてお り、46.7%のシェアとなっている。成長スピードから見ると、委託加工組み立て貿易の成長 が比較的速く、54.4%という成長率を実現している。

表 17 2004 年―2005 年の中国電子情報製品の貿易方式別輸入額と成長(万ドル)

貿易方式 2004 年 2005 年 成長率 原料輸入貿易 2486521.2 2956867 18.9%

保税区貨物保管・中継 1079581.6 1233455 14.3%

委託加工組み立て貿易 725728.1 1120485 54.4%

一般貿易 708865.8 836271.5 18.0%

その他 108462.8 187097.13 72.5%

合計 5109159.6 6334176.76 24.0%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(24)

図 7 2005 年中国電子情報製品輸入方式の構造

原料輸入貿易 46.7%

保税区貨物保 管・中継

19.4%

委託加工組み 立て貿易

17.7%

一般貿易 13.2%

その他 3.0%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

輸入企業分類

輸入企業の形態から分析すると、2005年は外商独資企業が引き続き首位にあり、中国電 子情報製品輸入額で 71.2%を占めている。発展スピードから見ると、集団所有制企業の輸 入の増加が最も速く、成長率は 69.6%に達している。民間企業、外商独資企業、中外合資 企業の輸入も速いスピードでの成長を保っているが、中外合作企業の輸入は 39.9%のマイ ナス成長となっている。

表 18 2004 年―2005 年の中国電子情報製品の企業性質別輸入額と増加(万ドル)

企業性質 2004 年 2005 年 前年比増加 外商独資企業 3600258.3 4510627 25.3%

中外合資企業 565541.5 702210 24.2%

国有企業 661906.4 777907.3 17.5%

民間企業 177006.2 253639.2 43.3%

中外合作企業 77692.3 46680.06 -39.9%

集団所有制企業 23861.2 40466.72 69.6%

その他企業 2893.7 2646.64 -8.5%

合計 5109159.6 6334177 24.0%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(25)

図 8 2005 年の中国電子情報製品輸入企業の形態の構成

民間企業 4.00%

集団所有性企業 0.64%

中外合作企業 0.74%

その他企業 0.04%

国有企業 12.28%

中外合資企業 11.09%

外商独資企業 71.21%

データ出典:CCID が中国税関総署の資料に基づき整理 2006 年 2 月

(26)

第二章 2003 年~2005 年の製品別動向

1.ハードウェア市場 (1) コンピュータシステム

2005 年、中国のコンピュータシステム市場の販売数は 1997.2 万台を突破、前年比で 18.8%増加したが、デスクトップ型 PC、ノート型 PC、サーバなど主要な製品の価格が引き 続き低下した影響を受けて、販売額は 8.3%しか増加していない。

製品別に見ると、ノート型 PC が引き続きコンピュータシステム市場の焦点で、その販売 量は 37.5%増加、販売額も 17.3%増加している。デスクトップ型 PC も急速な成長を保ち、

1646.3 万台の販売を実現、しかしその販売額の増加は販売量の増加を大きく下回り、わず か 4.9%となっている。UNIX サーバと UNIX ワークステーション、NT ワークステーションも 安定的な増加を実現した。

表 19 2003 年-2005 年の中国コンピュータシステム市場の販売量の規模と成長(万台)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR デスクトップ型 PC 1239.5 1421.6 1646.3 15.8%

ノート型 PC 156.1 218.6 300.7 37.5%

PC サーバ 27.7 34.8 42.7 22.7%

UNIX サーバ 1.6 1.8 2.0 13.5%

UNIX ワークステーション 1.4 1.5 1.7 13.3%

NT ワークステーション 2.7 3.2 3.8 18.8%

合計 1429.1 1681.5 1997.2 18.8%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(27)

表 20 2003 年-2005 年の中国コンピュータシステム市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR デスクトップ型 PC 739.9 767.7 805.1 4.9%

ノート型 PC 215.8 274.4 322.0 17.3%

PC サーバ 64.6 71.6 83.9 17.1%

NT ワークステーション 83.0 85.6 90.0 5.1%

RISC サーバ 19.9 20.5 20.9 2.0%

UNIX ワークステーション 6.1 6.5 6.9 6.2%

合計 1129.2 1226.3 1328.7 8.3%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(2) 周辺機器

2005 年、中国の周辺機器市場はスキャナーがマイナス成長を続けた以外は、全体的に業 績は良かった。しかし価格が低下を続けた影響を受けて、販売額の成長率が一般に販売数 の成長を下回っている。

そのうち、多機能一体機器や移動ハードディスク、ディスクストレージシステムの販売 量がみな 50%以上の成長を実現し、プロジェクタの成長率は 47.9%に達している。ディス プレイや UPS、プリンタ市場の販売数の成長は比較的にゆるやかで、成長率はみな 15%前 後となっている。スキャナーの販売数と販売額は引き続き減少を続け、前年比で 6.5%と 12.3%減少している。

表 21 2003 年-2005 年の中国コンピュータ周辺機器市場の販売数の規模と成長(万台)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR UPS 91.2 100.0 114.1 14.1%

プリンタ 520.7 598.1 686.6 14.8%

多機能一体機器 50.0 78.8 121.3 54.0%

スキャナー 105.5 97.7 91.3 -6.5%

プロジェクタ 16.3 24.2 35.8 47.9%

ディスクストレージ システム

6871.2 9963.3 14970.8 50.3%

ディスプレイ 1406.6 1638.8 1889.3 15.3%

移動ハードディスク 61.4 70.4 111.6 58.4%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月 注:このうちディスクストレージシステムの単位は TB。

(28)

表 22 2003 年-2005 年の中国コンピュータ周辺機器市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR UPS 20.4 22.2 24.1 8.7%

プリンタ 105.9 91.8 95.8 4.4%

多機能一体機器 13.5 20.0 26.8 34.3%

スキャナー 6.9 5.9 5.2 -12.3%

プロジェクタ 36.5 42.7 54.2 27.0%

ディスクストレージ システム

28.6 31.7 37.3 17.5%

ディスプレイ 198.4 229.1 250.3 9.3%

移動ハードディスク 8.2 9.4 14.1 50.8%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(3)

ネットワーク製品

2005 年、中国のネットワーク設備市場全体は穏やかに成長し、モデム以外は一定の成長 を保った。

販売数から見ると、PC 市場の穏やかな成長から関連ネットワークカード製品の 1395 万台 という販売数が実現され、これは前年比で 21.7%増加している。ブロードバンド利用者数 が引き続き増加していることも ADSL の販売量をある程度牽引しており、18.6%増加してい る。ルーターと交換機の成長は相対的に緩やかとなっている。

表 23 2003 年-2005 年の中国ネットワーク設備製品市場の販売数の規模と成長(万台)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR ルータ 23.5 30.8 35.3 14.6%

交換機 1789.0 1829.0 2055.5 12.4%

ADSL 2135.7 2333.4 2768.0 18.6%

モデム 356.0 389.7 211.3 -45.8%

LAN カード 1016.0 1146.0 1395.0 21.7%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

販売額から見ると、モデムが大幅に減少しているのを除き、その他の各種製品はみなそ れぞれ異なる程度に増加している。そのうち、ユーザーの無線ネット接続の急激な増加に よって、WLAN 設備の販売額が 43%増加している。ネットワークと情報の安全を企業が日増 しに重視していることが、ファイアウォールや VPN、IDS といったネットワークセキュリテ ィ設備市場の急速な発展を促進している。ADSL と LAN カードの伸び幅は相対的に小さく、

(29)

ルータと交換機は価格の変動が小さいため、販売額は基本的に販売量と同じペースで増加 している。

表 24 2003 年-2005 年の中国ネットワーク設備製品市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR ルータ 54.1 70.1 78.6 12.1%

交換機 69.5 74.6 83.8 12.3%

ADSL 68.7 51.7 53.8 3.9%

WLAN 4.3 8.1 11.6 43.0%

モデム 3.0 3.2 1.6 -49.1%

LAN カード 4.9 5.3 5.4 2.3%

ネットワーク セキュリティ設備

10.6 14.8 19.4 31.1%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(4) デジタル製品

2005 年は消費類のデジタル製品の普及にともない、デジタル製品市場が依然としてハイス ピードの発展で中国電子情報製品市場の焦点となった。

CCID コンサルティングの統計の製品分野では、デジタルカメラが最も際立った焦点とな っており、2005 年の販売数は 433.8 万台で前年比で 64.8%増加、販売額も 56.6%増加して いる。MP3 プレイヤーとフラッシュディスクの販売数はそれぞれ 43.7%と 30%増加してい る。PDA と携帯電話の機能の融合が無線応用類の PDA 市場を急速に成長させ、販売額もハイ エンド製品の平均価格が値上がりしたことから販売数の増加を大きく上回っている。

表 25 2003 年-2005 年の中国デジタル製品市場の販売数の規模と成長(万台)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR MP3 プレイヤー 177.3 428.4 615.4 43.7%

フラッシュディスク 420.7 594.6 772.8 30.0%

デジタルカメラ 135.4 263.2 433.8 64.8%

PDA 218.5 356.7 493.5 38.4%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(30)

表 26 2003 年-2005 年の中国デジタル製品市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR MP3 プレイヤー 15.6 34.8 45.5 30.8%

フラッシュディスク 10.7 17.3 21.8 26.1%

デジタルカメラ 29.3 54.7 85.7 56.6%

PDA 58.6 90.5 161.3 78.2%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

2.ソフトウェア市場

CCID による中国のソフトウェア市場は、プラットフォームソフト、ミドルウェアェア及 びアプリケーションソフトの 3 分野に分けられている(以下参照)。

プラットフォームソフト:主にオペレーティングシステム(OS)。また OS 上のデータベ ース管理システムとその開発ツール、システム管理やネットワーク管理ソフトウェア、中 文処理プラットフォーム、図形管理ソフトウェア、マンマシンインターフェースソフトウ ェアもこの分類に属する。

ミドルウェア:ミドルウェア、セキュリティソフトウェアとグループウェア

アプリケーションソフト:汎用応用ソフトウェア(汎用財務ソフト、事務及び文字処理 ソフト、翻訳ソフト、教育及びゲームソフト、ゲームソフトとその他汎用ソフト)と業界 応用ソフトウェア(金融、エネルギー、政府、交通、税府業界のための専用応用ソフトウ ェア)に分けられている。

2005 年、中国のソフトウェア市場は長年の安定的な成長の傾向を保ち、販売額は 17.9%

の増加を実現した。そのうち、ネットワークセキュリティ製品やミドルウェア、グループ ウェアを含むミドルウェアは 27.1%増加し、市場シェアは 0.8 ポイント増加している。市 場で最大のシェアを占めている応用ソフトウェアの販売額は 19.2%増加している。プラッ トフォームソフトの販売額は 10.9%増加したが、市場シェアは 16 ポイント減少している。

表 27 2003 年-2005 年の中国ソフトウェア製品市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR プラットフォームソ

フトウェア

109.8 124.5 138.0 10.9%

ミドルウェア 35.0 50.1 63.7 27.1%

応用ソフトウェア 254.9 304.5 362.9 19.2%

合計 399.6 479.1 564.7 17.9%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(31)

図 9 2003 年―2005 年の中国ソフトウェア市場の製品構造とその変化

24.4%

26.0%

27.5%

11.3%

10.5%

8.7%

64.3%

63.5%

63.8%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2003年 2004年 2005年

応用ソフトウエア ミドルウエア

プラットフォームソフトウエア

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

プラットフォームソフトの製品市場については、ネットワーク応用の普及にともない、

システムやネットワーク管理ソフトがユーザーから重視され急速に発展するソフトウェア 製品となり、2005 年の販売額は 12.4%増加している。

表 28 2003 年-2005 年の中国プラットフォームソフトウェア製品市場の販売額の規模と成 長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR 非組み込み OS 38.8 44.2 48.6 10.1%

組み込み OS 26.1 29.3 33.1 12.9%

データベース管理シ ステム

17.9 20.1 22.2 10.5%

システムとネットワ ーク管理ソフト

15.4 18.1 20.4 12.4%

開発ツール 6.9 7.6 8.2 7.3%

その他 4.8 5.2 5.6 7.7%

合計 109.8 124.5 138.0 10.9%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

ミドルウェアソフト市場では、2005 年はネットワークセキュリティ製品やグループウェ ア、基礎ミドルウェアを含む各種製品はみな大幅に増加した。そのうちネットワークセキ ュリティ製品は 2004 年に比べて 27.7%増加している。

(32)

表 29 2003 年-2005 年の中国ミドルウェア製品市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR ネットワークセキュリティ製品 23.6 34.9 44.6 27.7%

グループウェア 6.0 8.2 10.4 27.2%

ミドルウェア 5.4 7.1 8.8 23.9%

合計 35.0 50.1 63.7 27.1%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

応用ソフトウェア市場では 2005 年、各種応用ソフトの販売はみなそれぞれ増加した。そ のうち、中小企業の情報化が大きく発展したことから、管理ソフトやオフィスソフトとい った関連製品が急速に増加している。ブロードバンドネットワークの普及と家庭の教育や 娯楽が日々増加するのにともなって、娯楽ソフトや教育ソフトが速いペースで成長してい る。デジタル都市の建設によって、地理情報システムや関連ソフトの販売を増加させる重 要な推進力となっている。電信や金融、政府、教育といった業界の情報化建設のグレード アップと深化も、業界の応用ソフトが成長を続けるのを促進している。

表 30 2003 年-2005 年の中国応用ソフトウェア製品市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR 管理ソフト 39.6 48.5 59.7 23.2%

教育ソフト 4.5 5.5 6.5 18.4%

オフィスソフト 4.5 5.6 6.6 18.1%

娯楽ソフト 4.3 5.7 7.4 29.5%

CAD・CAM 1.0 1.2 1.4 15.3%

GIS 2.5 2.8 3.3 15.2%

電子出版物 8.0 9.1 10.4 14.3%

翻訳ソフト 2.1 2.6 3.0 15.4%

その他の汎用応用ソ フト

10.9 13.1 15.7 19.5%

業界応用ソフト 177.7 210.5 249.1 18.3%

合計 254.9 304.5 362.9 19.2%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

3.情報サービス市場

CCID による中国の情報サービス市場は、保守・サポートサービス(ハードウェア関連サ

(33)

ービス、ソフトウェア関連サービス)、ネットワークサービス(ISP,ICP,Search Engine, E-Mail,オンラインゲーム、オンラインショットメッセージ等のサービス)、及び専門サー ビス(SI、IT コンサルティング、IT トレーニング、IT マネージメントサービス、ビジネス 管理サービスなど)の3分野に分けられている。

2005 年に中国 IT サービス市場は販売額 822.7 億元を実現し、2004 年に比べて 20.1%増 加、中国電子情報製品市場の成長を牽引する重要な力となっている。

IT 応用が日増しに普及し、PC の所有台数が拡大するのにともなって、サポートとメンテ ナンスも急速な成長を保ち、2005 年にはその販売額が前年比で 18.5%増加している。シス テムインテグレーションや IT コンサルティング、IT 教育・トレーニング、IT アウトソー シングサービスを含む専門サービスの増加も衰えていない。またネットワーク広告や検索 エンジン、ダウンロード、ネット接続を含むネットワークサービスが昨年の伸び率(38%

増)比べやや落ちたが、ここ数年の大きな成長傾向を保ち、21.4%の成長率を実現、IT サ ービス市場でのシェアも引き続き拡大している。

表 31 2003 年-2005 年の中国 IT サービス市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR サポート・メンテナンス

サービス

154.2 181.2 214.7 18.5%

専門サービス 200.1 242.3 290.2 19.8%

ネットワークサービス 189.7 261.7 317.8 21.4%

合計 544.0 685.2 822.7 20.1%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

図 10 2003 年―2005 年の中国 IT サービス市場の製品構造とその変化

28.3% 26.4% 26.1%

36.8% 35.4% 35.3%

34.9% 38.2% 38.6%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2003年 2004年 2005年

ネットワークサービス 専門サービス

サポート・メンテナンスサービス データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(34)

専門サービス市場では、伝統的なシステムインテグレーション業が依然として大きな市 場発展余地があるものの、重点業界の情報化水準の影響を受けて、その伸び幅は徐々に縮 小し、市場は徐々に成熟しつつある。新興の IT アウトソーシングサービスの成長の将来性 は日ごとに増し、2005 年には 22.9%という成長率を実現し、市場シェアが徐々に拡大して いる。ユーザーの応用分野の拡大が徐々に進むのにともない、IT コンサルティングサービ スは安定的な成長を保ち、IT 教育とトレーニングサービス市場も 2005 年には 23.9%の成 長を実現している。

表 32 2003 年-2005 年の中国 IT 専門サービス市場の販売額の規模と成長(億元)

種類 2003 年 2004 年 2005 年 04 年~05 年 GR IT 教育とトレーニング 28.8 33.5 41.5 23.9%

IT 運営管理サービス 42.4 53.2 65.4 22.9%

IT コンサルティング 24.0 30.5 37.1 21.7%

システムインテグレーション 104.9 125.1 146.3 16.9%

合計 200.1 242.3 290.2 19.8%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

図 11 2003 年―2005 年の中国 IT 専門サービス市場の製品構造とその変化

14.4% 13.8% 14.3%

21.2% 22.0% 22.5%

12.0% 12.6% 12.8%

52.4% 51.6% 50.4%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2003年 2004年 2005年 IT教育・トレーニング IT運営管理サービス

ITコンサルティング システムインテグレーション データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

(35)

第三章 主要企業動向

1.リーディングIT企業

2005 年、中国の電子情報製品市場は日ごとに成熟し、競争が激化する市場環境の中で、

業績が際立ち、市場でのパフォーマンスが優れたブランド企業が数多く出現してきた。そ のうち、聯想などの企業 10 社が 2005 年の中国電子情報製品市場の関連製品分野でのリー ディングカンパニーとなっている。この 10 社の 2005 年の販売総額は 1,155.3 億元に達し、

中国電子情報製品市場で 24.2%のシェアを占めている。下の表はこの 10 社の 2005 年の中 国電子情報製品市場での販売収入と市場シェアの状況である。

表 33 2005 年の中国電子情報製品市場のリーディング企業の市場販売収入とシェア(億元)

企業名称 2005 年の市場販売額 市場シェア

聯想 378.3 7.9%

HP 178.6 3.8%

神州デジタル 168.6 3.5%

IBM 114.3 2.4%

デル 112.2 2.4%

浪潮 78.0 1.6%

サムソン 74.1 1.6%

マイクロソフト 27.9 0.6%

オラクル 11.7 0.2%

用友 11.6 0.2%

その他 3606.9 75.8%

合計 4762.2 100%

データ出典:CCID コンサルティング 2006 年 2 月

以下聯想、サムソン、マイクロソフトとインテルを取り上げて、これらの企業動向を詳し く記述する。

2.聯想集団有限公司(Lenovo)

全体について

(36)

2005 年は、聯想(レノボ)が IBM のグローバル PC 業務を買収した後の初年度にあたり、

また同社が製品多元化から集中化戦略へ舵を切って初めての年となった。IBM の PC 製品ラ インを全面的に整理統合し、新製品の発売ペースを早め、世界中に散らばる従来の IBM ユ ーザーを維持し、新興市場に対する業務の開拓に力を入れる等の一連の措置を通じて、聯 想グループの発展戦略に合致した新たな世界的組織体系が全面的に始動し、グローバル業 務は一応の進展を見せつつある。2005 年、聯想は中国、南北アメリカ州、アジア太平洋地 域の PC 業務をすべて黒字とし、中国における携帯端末分野も飛躍的に伸ばし、「新聯想」

の潜在的な発展力は徐々にその姿を現わしている。

製品について

●IBM のグローバル PC 業務の買収完了後、聯想が世界市場へ送り出した「Lenovo」ブラン ド第一弾は「揚天A」「M」「E」三つのシリーズのビジネス用コンピュータだった。これ は世界の中小企業ユーザーに焦点を当てた「成長プラン」の正式始動と、新聯想の「中国 に立脚点を置き、世界へ目を向ける」という世界製品戦略の序曲が始まったことを意味す る。

●11 月末、聯想は香港ディズニーランドで世界初のディズニーノート PC を発表し、中国国 内の 3000 カ所以上の店舗でディズニーのキャラクターによるセールスプロモーションを 行うとした。これは、同社がコカコーラや VISA などの国際ブランドと提携し、展開して いる全方位的なブランド広報活動の一環であり、聯想の国際化の歩みが加速していること を表している。

チャンネル、営業について

●2005 年度より、聯想中国は大手顧客業務部を単独の業務部門とし、政府、金融、通信等 の重点産業へターゲットを絞ったサービスを提供している。新しい大手顧客業務部は、同 社の「2005 年大手産業ユーザー攻略戦略」の副産物で、ハイエンド市場攻略の役目を担 っている。大手顧客業務部は、ハイエンド産業ユーザー市場向けの第一弾ノート PC「A600」

を発売した。

●新「揚天」シリーズのコンピュータ発売により、聯想は販売チャネルを通じた中小企業 ユーザーとの直接的な意思交流を強化し、中小企業ユーザーに対するサービス能力を引続 き向上させた。具体的に言うと、まず末端チャネルが窓口の役割を果たし、5000 カ所近 い店舗、2000 カ所近い取次販売店を全国大小の都市・町へ展開し、IT ニーズを持つ中小 企業ユーザーが気軽に連絡をとれる体制を構築する。次に、代理店はサポート機能を担い、

代理店が提供する資金流通ルートや物流サポートによって、末端チャネルが顧客の経営や 連携維持へ専念できるようにする。最後に、メーカーは整理統合機能を担い、IT コンサ

(37)

ルタント育成計画や、CEO 特訓キャンプ等のプロジェクトを通じて、「年内に大聯想販売 エンジニア 9000 名を育成・認定する」。同時に、厳格なゲームルールを確立し、18 エリ アの 108 ネットワークを通じて、さらに効果的なチャネル管理を行う予定。

●サービスネットワーク分野では、聯想は全国 700 カ所余りに標準化されたアフターサー ビス・ステーションを配備し、3000 名以上の三包(修理、交換、返品保証)認証エンジ ニアが地方小都市までカバーする。

合作について

●8 月、聯想は IT・通信産業のトップクラスの企業 8 社と手を組み、北京、上海、広州三 カ所で「中国中小企業情報化連盟」の結成を宣言した。10 月、同社は用友、インテル、

シマンテック等国内外の IT 企業と共同で、中小企業ユーザーに対する「ワンストップ情 報化サービスプラン」――「添翼計画」を発表した。

●12 月、聯想グループ、TCL グループ、長城グループ、長虹グループ、創維グループ、海 信グループ、康佳グループ、中和威等 8 社の共同出資による「閃連情報技術工程センター」

が北京に設立された。これは閃連標準(IGRS)の産業化プロセスを推進するための企業実 体である。

●聯想は 2004 年 3 月、正式調印によって、国際オリンピック委員会の全世界協力パートナ ーになった。国際オリンピック委員会の公式パートナーとして、トリノ冬季オリンピック へ PC、サーバ、ノート PC、データストレージ、デスクトッププリンタ、その他のコンピ ュータ設備を独占的に提供する。2005 年 11 月、同社は北京で一週間にわたる「聯想オリ ンピックウィーク」を行い、同時期に聯想のブランドおよびオリンピック戦略を発表した。

「聯想オリンピックウィーク」は 8 日から世界 66 の国と地域で相次いで行われた。

●11 月 17 日、聯想グループと中企動力科技グループは、北京で戦略パートナーシップ協議 に合意した。聯想は全面的なハードウェア製品と関連サービスサポートを中企動力へ提供 する。両社は戦略、製品、市場、産業応用、資源等の分野で深く協力し、中国企業の情報 化建設を共同で推進する。聯想のハードウェア製品と、中企動力の企業電子商取引応用プ ラットフォームを活用し、全方位的かつ全面的な情報化および電子商取引ソリューション を顧客へ提供する。

●「聯想 PC 全製品向けソフトウェア・バンドルバリューアッププラン」を発表。12 月より、

聯想ブランド PC の全製品に、OS の WindowsXP、金山ソフトウェア、用友ソフトウェア、

さらに自社開発した最新ソフトウェアをプレインストールして販売する。同プランにより、

ユーザーはより安い価格で、正規版のソフトウェアがインストールされた聯想ブランド PC を入手できることになる。同プランによると、聯想とパートナー企業の協力関係は、

ソフトウェア開発、教育研修、サービスサポート、マーケティング等から構成される一連 の協力パッケージの中でさらに革新されていくことになる。

表 1  2003 年-2005 年の中国電子情報製品市場の販売規模と成長(億元)  種類  2003 年  2004 年  2005 年  ‘04 年-‘05 年成長率 (GR)  ハードウェア  2546.3  2918.8  3,374.9  15.6%  ソフトウェア  399.6  479.1  564.7  17.9%  IT サービス  544  685.2  822.7  20.1%  合計  3489.9  4083.1  4762.2  16.6%  データ出典:CCID コンサルティン
表 3  2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場の販売額の構造と変化  種類  2003 年  2004 年  2005 年  ハードウェア  73.0%  71.5%  70.9%  ソフトウェア  11.4%  11.7%  11.9%  IT サービス  15.6%  16.8%  17.2%  合計  100%  100%  100%  データ出典:CCID コンサルティング  2006 年 2 月  図 1   2003 年―2005 年の中国電子情報製品市場の販売額の構造と変化  73
図 3  2003 年―2005 年の中国電子情報製品業界市場販売額の構造と変化  データ出典:CCID コンサルティング  2006 年 2 月  地域市場構造  2005 年は中国の各業界の情報化建設水準の違いと投資の力の違いから、中国の地域の情 報化投資には大きな違いが現われたが、情報化水準の格差は縮小しつつある。  長年にわたる情報化建設を経て、華北や華南、華東地区の情報化応用は比較的高い水準 に達している。2005 年に 3 地域の情報化投資は速いペースでの成長を続けたが、華東を除 いた、華北と華
表 7  2003 年―2005 年の中国電子情報製品地域市場の販売額の規模と成長(億元)  地域市場  2003 年  2004 年  2005 年  04 年―05 年のGR 東北  236.1  279  335.1  20.1%  華北  634.4  736.6  846.2  14.9%  華東  637.6  751.6  878.1  16.8%  華南  513.1  604.2  687.7  13.8%  華中  270.6  305.9  351.6  15.0%  北西  186.
+7

参照

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