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1 CCN CCN(Content-Centric-Network) [1] PUR- SUIT [2]DONA(Data-Oriented-Network Architecture) [3] 4WARD [4]PSIRP [5] Energy Efficient and Enhanced-type

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(1)

社団法人 電子情報通信学会

THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,

INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS

信学技報

TECHNICAL REPORT OF IEICE.

コンテンツセントリックネットワークにおける

ユーザ位置を生存時間に反映したキャッシュ手法の提案

宮崎 貴博

竹下 秀俊

岡本 聡

山中 直明

慶應義塾大学理工学研究科開放環境科学専攻 〒 223–8522 横浜市港北区日吉 3–14–1

E-mail:

[email protected]

あらまし

インターネットにおけるトラフィックの大部分をユーザのコンテンツ要求が占めるという問題に対し,ネッ

トワーク層でコンテンツ探索・配送をサポートする Content Centric Network(CCN) が提唱されている.CCN ではコ

ンテンツ要求をコンテンツ名で行ない,中継ノードにてコンテンツをキャッシュするという特徴をもつ.この際その

CCN の特性上,ユーザの要求が早く中継ノードでキャッシュヒットするかどうかで,コンテンツ探索時間が大きく変

動してしまう.そのためになるべく早くコンテンツ探索するために様々なキャッシュ方式が必要であり,様々な方式

が提案されている.その中で本論文では LRU(Least-Recently-Used)・Prob-Cache(Probablistic In-Network Caching)

を取り上げ,その利点・問題点を紹介した.従来の LRU の問題点である,ユーザの位置によって,キャッシュ配置が

適切になされない,という問題点と Prob-Cache の問題点である,適切なキャッシュ構造を作成するのに時間が必要と

いう 2 点の問題点を解消するために,ユーザの位置を生存時間に反映させたキャッシュ方式を提案した.提案方式は

計算機シミュレーションにおいて従来方式に比べ,コンテンツ取得までのホップ数の短縮・ノードにおけるキャッシュ

ヒット率の向上を示し,提案方式の有効性を確認した.

キーワード

新世代ネットワーク,コンテンツセントリックネットワーク (CCN),キャッシュ手法

A Cash Policy Taking into account User’s Location into cache lifetimes

in Content Centric Network

Takahiro MIYAZAKI

, Hidetoshi TAKESHITA

, Satoru OKAMOTO

, and Naoaki

YAMANAKA

School of Science for Open and Environmental Systems, Graduate School of Science and Technology, Keio

University

3-14-1 Hiyoshi, Kohoku, Yokohama, 223-8522 Japan

E-mail:

[email protected]

Abstract

Against the problem that contents request occupies the majority of today’s Internet traffic, content

centric network(CCN) is proposed. In CCN, user request contents by content’s name and relay node cache contents.

Because of it’s characteristic, content search time fluctuates greatly on whether the user’s request content are cached

at the relay node as soon as possible. So, cache methods that search the content as soon as possible is needed. In

this paper, we introduced some cache methods and revealed its advantages and problems. Then, we proposed cache

method that reflect the user location into survival time in order to solve the problems of the conventional method.

Compared to the conventional method , simulation shows the proposed method improved cache hit ratio and the

number of hops the content can be acquired.

Key words

Future Network, Content-Centric Network, Cache Policy

1.

ま え が き

今日,インフォメーションセントリックネットワーク

(Infor-mation Centric Network)の研究が注目されている.インフォ メーションセントリックネットワークとは今日のネットワークの 使用用途の大部分がコンテンツ取得を占めている問題があるとい

(2)

図 1 CCN でのコンテンツ入手の動作

う背景から,コンテンツ配送・転送をネットワーク層のレベルで サポートするという新しいネットワークアーキテクチャである. インフォメーションネットワークを取り組む研究プロジェクト も数多く存在し,CCN(Content-Centric-Network) [1], PUR-SUIT [2],DONA(Data-Oriented-Network Architecture) [3],

4WARD [4],PSIRP [5]などが挙げられる.

ま た ,Energy Efficient and Enhanced-type Data-centric Network (E3-DCN) [7]においては,DCONと呼ばれるオー

バーレイネットワークにてInformation Centric Networkと同 様にコンテンツ指向のネットワークが採用されている. いずれのアーキテクチャも少しづつ違いがあり,どのように アーキテクチャを実現するかといった所で様々な研究がなされ ているが,これらのアーキテクチャに共通することは,ネット ワーク内にコンテンツをキャッシュすることによってコンテン ツの配送・転送をネットワークレベルでサポートしようという 試みが中核にあるというである.つまり,Information Centric Networkにおいてはどのようにキャッシュの効率を上げるかが 一番重要になってくる.そこで本論文では,現在研究されてい る様々なInformation Centric Networkの中でも最も研究され ているContent-Centric Networkのキャッシュ手法を取り上げ, それらの問題点を挙げて,キャッシュ効率を上昇させる方式を 検討する.

本論文の構成を以下に示す.2章ではContent Centric Net-workのアーキテクチャの概要を示す.3章では現在研究されて

いるキャッシュ手法を説明する.4章では提案するキャッシュ方

法を説明し,5章で,従来のキャッシュ手法と提案方式のキャッ

シュ手法のシミュレーションを行なった結果を比較し,提案方

式の有用性を述べて,6章にてむすびを述べる.

2.

Content Centric Network(CCN)

本章ではContent Centric Networkにおけるコンテンツ取得 方法を説明する.CCNの特徴は2つ挙げられる. 要求したいコンテンツを指定したコンテンツIDを送信す ることによって通信するという点. 中継するノードがキャッシュ機能を持っているという点. CCN上でユーザがコンテンツを入手する動作を図1で示す. 図1にてユーザがコンテンツを要求することを想定する. CCNにはInterestとDataの2種類のパケットが存在する. ユーザはInterestを接続しているノードにブロードキャストす ることによって,データを要求する.Interestに含まれる主な 情報はコンテンツIDである.図1においては,ユーザはCCN ルータAへとInterestを送信する. Interestパケットを受け取ったノードは,そのノードが要求 されているデータを保持しているかCS(Content Store)を使用 して確認する.CSはそのCCNがどのコンテンツを保持して いるか記載したテーブルである. 図1においてはCCNルータAがユーザから要求されたコ ンテンツを保持していればユーザにDataパケットを送信する. Dataパケットはコンテンツが付与されたパケットである. ルータAにユーザが要求したコンテンツがキャッシュされ ていなかった場合にはCCNルータAはFIB(Fowarding In-terest Base)というルーティングテーブルを使用して次にどの ポートからInterestを送信するか決定する.図1においては CCNルータBへと送信する.送信する際にCCNルータA

のPIT(Pending Interest Table)にInterestがたどってきた情 報を付与する.PITにInterestの経路を保持しておくことで, キャッシュがヒットしたところから同じ経路をたどってコンテ ンツがユーザへ返される. そしてCCNルータBへ同様にInterestが到着する.CCN ルータAで行った動作をもう一度行う.CCNルータBにユー ザに要求されたコンテンツがキャッシュされているかCSで確認 する.キャッシュが存在すれば,CCNルータBはCCNルータ Aにデータを送信し,CCNルータAはPITでInterestの経 路を保存しているため,それを使用してユーザまでデータを送 り届ける.キャッシュが無い場合にはFIBを確認してInterest を次のノードに送信する.最終的にどのCCNルータでもキャッ シュしなかった場合はオリジナルサーバまでInterestが送信さ れ,オリジナルサーバからPITを使用して要求されたユーザ へとコンテンツを送り届けることとなる. このようにCCNではユーザがコンテンツを要求する際に, ホップバイホップでInterestが送信されることによって,中継 ノードにキャッシュが存在すれば,より短いホップ数でユーザ までコンテンツを届け,中継ノードにキャッシュが存在しなけ ればオリジナルサーバまでInterestを送信するという特徴ある. この特徴から,CCNでの中継ノードは出来るだけ短いホップ 数でユーザの要求したコンテンツが中継ノードに存在すること が望ましいと言える. 以上の理由から本稿ではCCNのキャッシュ方式についての 提案をする.次章ではCCNにおいて研究されているキャッシュ 方式について紹介し,その問題点等を紹介し,提案方式を紹介 する.

3.

CCN

におけるキャッシュ手法

CCNでは,キャッシュを利用することでネットワークの性 能を向上させることが試みられている.中でも, LRU(Least-Recently-Used)手法が多くのCCNアーキテクチャで採用さ れている.また,LRUを拡張したProb-Cache(Probablistic In-Networking Caching)も利用されている.

(3)

図 2 LRU の課題点 図 3 Prob キャッシュの動作 3. 1 LRU(Least-Recently-Used) LRUとはキャッシュ手法の一つで,参照されていない時間が 最も長いデータを置換対象にする方式である.単純なアルゴリ ズムであるが,様々なCCNでのアーキテクチャにおいてLRU が想定されている. 3. 2 LRUの利点及び課題点 LRUの利点は,リクエストが多いコンテンツほどキャッシュ に残りやすくなるために,ユーザから要求される頻度の高い人 気なコンテンツほどキャッシュされる.人気の高いコンテンツほ どキャッシュされやすいために,人気の高いコンテンツのユー ザの要求を短いホップ数で送り届けることが可能である. LRU の課題点を以下に2つ示す. サーバからから離れたユーザの影響が大きい. サーバに近いルータに人気の無いコンテンツが集中する 図2を用いて、上記課題を説明する 課題点の一点目に挙げた、サーバから離れたユーザの影響が 大きいというのは、図2において、ユーザ赤がコンテンツ要求 した際にはCCNルータA、Bにキャッシュされることになる が、ユーザBがコンテンツ要求した場合にはCCNルータB にしかキャッシュされない。よってユーザBは、リクエストを 十分に自分の直近のルータのキャッシュに反映させることが出 来ない。課題点の二点目のサーバに近いルータにあまり人気の ないコンテンツが集まってしまうというのは、図2において、 ユーザAがコンテンツ要求を行なう際には有名なコンテンツ リクエストはCCNルータAがコンテンツを返信するために、 CCNルータBには、他のCCNルータに無いあまり人気の無 いコンテンツがキャッシュされてしまう。このように、LRUは トポロジでのルータ・サーバの位置によってキャッシュ機能の 違いが顕著になってしまう。 3. 3 Prob-Cache

(Probablistic In-Networking Caching)

Prob-Cache [6]とは,無駄なキャッシュをなるべく減らすこ とによってキャッシュヒット率を上昇させようという方式であ る.図3を使ってProbキャッシュ方式の動作を説明する. 図3において,LRUを実行するとキャッシュの効率問題が発 生する.例えばユーザA∼Dがコンテンツ要求を行うとする.す るとCCNルータAはユーザAの要求しか通過しないために, ユーザAのコンテンツ要求に即したコンテンツ配置となる.し かし,それに対してCCNルータDはユーザA∼Dの要求を全 て受け入れるため,A∼Dの要求をLRUでキャッシュすること になり,CCNルータAに比べてキャッシュ更新頻度が膨大に なるため,CCNルータDにおいては満足なキャッシュヒット をもたらすことが出来ないという課題があった.ユーザとオリ ジナルサーバの距離でなるべくオリジナルサーバから遠いルー タにはキャッシュする確率を高め,逆にオリジナルサーバから 近いルータには低い確率でキャッシュするのがProb-Cacheで ある.Prob-Cacheの動作アルゴリズムを以下に示す.

c:Time Since Inception (TSI)ユーザからオリジナルサー バまでのホップ数

x:Time Since Birth (TSB)キャッシュするノードからオリ ジナルサーバまでのホップ数 キャッシュの重みCacheWeight(α)を, CacheW eight(α) = x c (1) と定義する.ただし,ユーザから直近ルータまでのホップ数は 0,オリジナルサーバから直近のルータまでのホップ数は1と する. 図3においては,例えばユーザAがコンテンツ要求した場 合のCCNルータAでのCacheWeight(A)は,c=4,x=4と なるので,CacheWeight(A)=1となる.それに対し,ユーザA がコンテンツ要求したときのルータDは,c=4,x=1となるの で,CacheWeight(D)=0.25となり,オリジナルサーバから遠 ければ遠いほどCacheWeightが大きくなる. 次に,TimesIn(α)を以下のように定義する. • Ni・・・ノードiのキャッシュ容量 • Ttw・・・タイムウインドゥ[8] T imesIn(α) =

c−(x−1) i=1 Ni TtwNx (2)

c−(x−1) i=1 Ni Nx ではユーザとオリジナルサーバの距離が長けれ ば長いほどキャッシュする重みを増やしている.タイムウイン ドゥ[8]とは文献[8]から,ある一定確率でキャッシュしたほう がよいキャッシュヒット率を得られるという見解から設定され た値である. そ し て ,そ の ノ ー ド α に て キャッシュさ れ る 確 率 Prob-Cache(α)は次式で表される.

P robCache(α) = T imesIn(α)× CacheW eight(α)(3)

この式は,オリジナルサーバから遠ければ遠いほど確率的に キャッシュされやすくなり,無駄なキャッシュが減ることによっ てキャッシュヒット率を上昇させていることを意味している. 3. 4 Prob-Cacheの利点と課題 Prob-Cacheの利点は,ユーザの位置によって確率的にLRU を実行することによって,LRUの課題であるユーザの位置に よるキャッシュ機能の差を軽減することが出来ることである.さ らに,確率的にキャッシュすることによって,十分な時間が経

(4)

図 4 提案方式の動作 過することでCCNルータに理想的なキャッシュ配置が実現さ れる.一方課題としては,以下の二点があげられる. キャッシュが埋まるのに時間が必要 トポロジが大きくなったときに,サーバから近いルータに 人気の無いコンテンツが集中する 一点目のキャッシュが埋まるのに時間が必要と言うのは, Prob-Cacheは確率的にLRUを行なう・行なわないという動作 から,一回のデータ送信における,キャッシュ実行回数が少な くなるために,その分だけ各キャッシュを無駄にしているとい うことである.二点目は,Prob-Cacheはいくら確率的にキャッ シュの実行を制限しているとはいえ,トポロジが大きくなると 結局LRUのサーバに近いルータに不人気なリクエストが集中 してしまうことが見えてくる問題である.

4.

ユーザの位置をキャッシュ生存時間に反映さ

せるキャッシュ制御手法の提案

Prob-Cacheの課題点の影響を低減する手法を提案する.提案 方式はユーザの位置を生存時間へ反映させたキャッシュ方式で ある.具体的に説明すると,ユーザの位置に応じてコンテンツ のキャッシュの新しさを変化させることで,生存時間を調整す る.提案方式におけるコンテンツの新しさの計算はProb-Cache で用いた数式(1)を利用する. 提案方式の動作は以下に示す二つのフェイズからなる. ・フェイズ1 CCN ルータに到達したDataメッセージのコ ンテンツがCCNルータにキャッシュされていない場合 ・フェイズ2 CCN ルータに到達したDataメッセージのコ ンテンツがCCNルータにキャッシュされている場合 フェイズ1の動作を説明する.図4は,ユーザがコンテンツ を要求した際にCCNルータA,B,C,Dいずれにも要求コン テンツがキャッシュされておらず,Interestがオリジナルサー バまでホップバイホップで転送されることを表している.オリジ ナルサーバからユーザへコンテンツを送信するときにInterest がたどってきた経路をホップバイホップで転送する.その際に, 各CCNルータはそのコンテンツをキャッシュするかどうか判断 する.その重みをCacheWeight()で計算する.計算した結果の 例が図中の各CCNルータの上に表示されているパーセンテー ジである.この重みにしたがって,従来のLRU,ProbCacheは 一番新しいコンテンツとして各CCNルータにキャッシュして いた.一方,提案方式では重みに準じた新しさのキャッシュとし て保存する. 図5は,各CCN のキャッシュ構造を示したものである.x チャンク分の容量があるキャッシュで,一番上ほど新しいコン テンツで寿命が長く,一番下にあるほど一番古いキャッシュで, 図 5 提案方式のコンテンツキャッシュ位置 図 6 提案方式の動作パターン (1) 寿命が短いという構造である.CCNルータAは重みが100%な ので,一番新しい場所に挿入し,一番古いキャッシュコンテン ツを廃棄する.CCNルータCは75%の重みなので, x(1− 0.75) = 0.25x (4) となり,0.25x新しいコンテンツとして挿入する.CCNルータ C,CCNルータDも同様に処理を行う.この挿入位置は,LRU における理想状態でのコンテンツがキャッシュされる位置であ り,提案方式では1回のコンテンツ要求で理想の重みに基づい たキャッシュ配置が可能となっていることが特長である. 次にフェイズ2の動作を説明する. CCNルータに到達した DataメッセージのコンテンツがCCNルータにキャッシュされ ている状況というのは2パターン存在する. (1) Dataメッセージをユーザに返す途中で,別の経路によっ て同じデータがそのルータにキャッシュされた場合 (2) ユーザのInterestが中継ノードでヒットした場合 (1),(2)どちらに関しても重みを適応したキャッシュ配置を することによって,よりユーザの要求を満足したキャッシュ配 置が可能である.まずは2パターンのうちの(1)の動作を紹介 する. 図6はユーザがオリジナルサーバまでコンテンツ要求を行い, その返却時にCCNルータCにて別の経路にてCCNルータC に同じコンテンツがキャッシュされていた状況である.このと きに,LRUやProb-Cacheではそのコンテンツを一番新しい ものとしていたが,提案方式では,求められる重み×α (CCN ルータのキャッシュ容量)分だけキャッシュの新しさを繰り上げ る. また,(2)の場合は,図7に示すように,ヒットしたノード の直近にオリジナルサーバがいるものとして重みを設定し,上 記と同じようにキャッシュの繰上げを行なう. 4. 1 提案方式の利点 提案方式の利点を2つ紹介する 1.CCNルータに直接接続されるユーザ専用のキャッシュ領域 を作成 2.生存時間を考慮して100%キャッシュする事により、 Prob-Cacheより短い時間でキャッシュ構造を作成可能 一点目のCCNルータに直接接続されるユーザ専用のキャッ

(5)

図 7 提案方式の動作パターン (2) 図 8 CCN ルータに直接接続されるユーザ専用のキャッシュ領域確保 図 9 提案方式と Prob-Cache のキャッシュ構造生成比較 シュ領域について図8を用いて説明する。提案方式において、 ユーザの位置に応じてコンテンツのキャッシュの新しさを変化 させた結果、ユーザAの要求したコンテンツはCCNルータA においては一番新しいコンテンツとしてキャッシュされ、CCN ルータBにおいてはキャッシュ容量の50%目に新しいコンテ ンツとキャッシュされる。これによってCCNルータBの新し い50%の容量はCCNルータBに直接接続されているユーザ Bのみが使用することが可能となり、ユーザBは自分の要求を CCNルータBに反映させることが可能となる 2点目の生存時間を考慮して100%キャッシュする事により、 Prob-Cacheより短い時間でキャッシュ構造を作成可能という 点を図9を用いて説明する。Prob-Cacheでは100%LRU実 行・33%LRU実行を行なうといった場合で、33%LRUが一 回目にLRUを行い、2、3回目にLRUを行なわない、と仮定 する。この際に、1回目の試行では100%LRU・33%LRU 共に違いが出ない。33%LRUが妥当な生存時間のキャッシュ になるには3 回の試行を行う必要がある。それに対し、提案 方式では一回の試行でどちらの場合も妥当な生存時間のキャッ シュ配置が可能となる。

5.

提案方式の特性評価

コンピュータシミュレーションにより,LRU,Prob-Cache, 図 10 キャッシュの入れ替わり時間 提案方式の評価を行なった.特性評価は4× 4のグリッドネッ トワークトポロジを使用し,グリッドの交点にCCNルータを 配備した.ユーザは,各CCNルータに一人接続され,オリジ ナルサーバー一台が,ランダムに選択されたCCNルータに接 続されるとし,10回の試行の平均値として以下の特性を評価 した. 1.キャッシュの入れ替わり時間 2.キャッシュヒット率 3.コンテンツヒットまでのホップ数 その他のシミュレーションで用いたパラメータを表1に示す. 表 1 シミュレーションパラメータ 使用シミュレータ Omnet++ トポロジ 4 × 4 グリッドネットワーク ユーザ数 16 フォワーディング方式 ブロードキャスト オリジナルサーバ数 1 コンテンツ数 10,000 チャンク数 10 チャンク/1 コンテンツ コンテンツ要求 Zipf の法則 (α=1) 5. 1 キャッシュの入れ替わり時間 初期状態として,ダミーコンテンツをキャッシュさせておき, 全てのダミーキャッシュが消去されるまでの時間を測定した. Prob-Cacheは,その特性上確率的にキャッシュするかしないか を決定する方式であったために,ユーザ要求を満たしてキャッ シュ構造が確立するために時間を要する事が想定される.一方, 提案方式では,常に最良の重みに従ったキャッシュを実行でき るためにユーザの要求を満たしたキャッシュ構造を作成するま での時間を大幅に短縮することが期待できる. シミュレーションで測定した結果を図10に示す. 図の横軸はCCNルータで共通の値を持たせている.縦軸は 10回の試行の平均時間をプロットした.キャッシュの入れ替わ り時間は各CCNノードのキャッシュ容量に比例するのは当然 だが,提案方式はProb-Cacheと比較してキャッシュ構造の理 想化に要する時間を訳30%に低減可能と言える.

(6)

図 11 キャッシュヒット率 5. 2 キャッシュヒット率評価 キャッシュヒット率とはユーザがInterestを送信した場合に, ホップしたCCNルータにて要求したコンテンツがキャッシュに 存在すればキャッシュヒットとし,要求したコンテンツがキャッ シュに存在しなければキャッシュヒットしていない,と定義す るし,キャッシュヒット率を以下の式で定義した. キャッシュヒット率=キャッシュヒットした回数+キャッシュヒットしなかった回数キャッシュヒットした回数 (5) シミュレーションはすべてのCCNルータのノードのキャッシュ が満杯になった状況から開始している.キャッシュヒット率を 測定した結果を図11に示す. 横軸は各CCNルータのキャッシュ容量,縦軸にキャッシュ ヒット率(%)である.各CCNノードのキャッシュ容量を増大 させるとキャッシュヒット率が大きくなるのは当然だが,提案 方式はProb-Cache,LRUに比べて,全ての状況でキャッシュ ヒット率が上昇している.これは同一容量のキャッシュを効率 的に利用できていることを示している. また,例えばキャッシュヒット率15%を実現するようなCCN を作成したいときには,従来方式のProb-Cacheでは6,000チャ ンクのキャッシュ容量が必要だが,提案方式では3000チャンク の容量を実現可能であることを示している.そのため,提案方 式は,ある条件化では約半分のキャッシュ容量で同等のキャッ シュヒット率が達成できると言える. 5. 3 コンテンツ取得までのホップ数評価 コンテンツ取得までのホップ数とは,ユーザがInterestを送 信した際に,要求したコンテンツをキャッシュとして保持して いるCCNルータ又は,オリジナルサーバまでのホップ数と定 義する. 評価結果を図11に示す.横軸は,各CCNルータのキャッ シュ容量,縦軸はホップ数である.図11より,各CCNルータ のキャッシュ容量が大きくなれば,それに伴ってキャッシュヒッ ト率も上昇するために全ての方式においてホップ数が減少する が,提案方式ではLRU,Prob-Cache方式に比べて,全ての状 態で低いホップ数でコンテンツを取得することが可能となると いう結果が得られた. 図 12 コンテンツ取得までのホップ数

6.

本稿ではCCNにおけるキャッシュ手法に着目した.従来の キャッシュ手法であるLRU,Prob-Cacheの利点・問題点を明ら かにし,ユーザの位置をキャッシュの生存時間に反映したキャッ シュ手法を提案した.提案方式は計算機シミュレーションにお いて従来方式に比べ,コンテンツ取得までのホップ数の短縮・ ノードにおけるキャッシュヒット率の向上を示し,提案方式の 有効性を確認した.

本研究の一部は,NICT委託研究「新世代ネットワークを支 えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発」のサポートを受 けて行なわれた. 文 献

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[6] Psaras, Ioannis, Wei Koong Chai, and George Pavlou. ”Probabilistic in-network caching for information-centric networks.” Proceedings of the second edition of the ICN workshop on Information-centric networking. ACM, 2012. [7] 岡本聡, 渋田直彦, 張善明, 石井大介, 山中直明, “ コンテンツ転

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[8] A. Anand, C. Muthukrishnan, A. Akella, and R. Ramjee, “ Redundancy in network trafc: ndings and implications, ”

図 1 CCN でのコンテンツ入手の動作
図 2 LRU の課題点 図 3 Prob キャッシュの動作 3. 1 LRU(Least-Recently-Used) LRU とはキャッシュ手法の一つで,参照されていない時間が 最も長いデータを置換対象にする方式である.単純なアルゴリ ズムであるが,様々な CCN でのアーキテクチャにおいて LRU が想定されている. 3
図 7 提案方式の動作パターン (2) 図 8 CCN ルータに直接接続されるユーザ専用のキャッシュ領域確保 図 9 提案方式と Prob-Cache のキャッシュ構造生成比較 シュ領域について図 8 を用いて説明する。提案方式において、 ユーザの位置に応じてコンテンツのキャッシュの新しさを変化 させた結果、ユーザ A の要求したコンテンツは CCN ルータ A においては一番新しいコンテンツとしてキャッシュされ、 CCN ルータ B においてはキャッシュ容量の 50 %目に新しいコンテ ンツとキャッシュさ
図 11 キャッシュヒット率 5. 2 キャッシュヒット率評価 キャッシュヒット率とはユーザが Interest を送信した場合に, ホップした CCN ルータにて要求したコンテンツがキャッシュに 存在すればキャッシュヒットとし,要求したコンテンツがキャッ シュに存在しなければキャッシュヒットしていない,と定義す るし,キャッシュヒット率を以下の式で定義した. キャッシュヒット率= キャッシュヒットした回数+キャッシュヒットしなかった回数キャッシュヒットした回数 (5) シミュレーションはすべての CCN

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