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大型防潮門の仮設計画 及び施工

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Academic year: 2021

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93 西松建設技報 VOL.31

1.はじめに

 本工事は,2000年度のODA特別円借款であり,フィ リピン共和国マニラ首都圏カマナバ地区(マニラ首都圏 北部4市)の洪水対策改善工事である.2003年より工事 着手,2007年12月現在出来高率85%で2008年9月の円 借款期限までの完了を目指し鋭意施工中である.

 本工事の主要構造物は排水ポンプ場と洪水ゲートであ るが,このうちマニラ湾に面している防潮門は,有効幅 員25 m,高さ8 mのラジアルゲートであり,国内は元よ り世界的にも類を見ない大規模な水門である.本稿では,

この防潮門構築における仮締切に関し記述する.

2.仮設計画

 ⑴ 仮設形式選定

 仮締切形式には一重鋼矢板,切梁式二重鋼矢板,自立 式二重鋼矢板等があるが,本工事では防潮門が河川有効 幅員をほぼ占有する設計となっているため,一重鋼矢板 締切とした.締切寸法は,構造物より1 m余幅を確保し て,長さ52 m,幅43 m,河床からの掘削深さは最深部で 9 mであり,これは水面から13 mの深さであった(図―

1および図―2参照).

 この防潮門は波浪の影響を受けやすい河口付近に位置 するとともに,河床付近には軟弱粘性土が堆積し,また 一重締切であったため,剛性の高い鋼管矢板を締切壁と して用いることが望ましかったが,その場合には日本か らの調達となるために,時間・コストを考慮して現地で 調達可能な鋼矢板を箱状に組み合わせて使用することと した.

 検討の結果,必要鋼矢板長はIV型が20 m,III型が 10 mとなり,発生断面力の大きい範囲のみIII型とIV型 矢板の継手同士をフレア継手溶接で接続した(図―3参 照).

 切梁も,現地で調達できる構造用H鋼の最大寸法では 剛性不足が懸念されたため,スパイラル鋼管を切梁に使 用することとした.

**

海外事業部マニラ(営)カマナバ(出)

土木設計部設計課

図 ― 1 仮締切平面図

大型防潮門の仮設計画 及び施工

大高 邦夫 石橋 篤志**

Kunio Otaka Atsushi Ishibashi

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図 ― 2 仮締切縦断面図(A - A 断面)

図 ― 3 IV 型+ III 型鋼矢板組合せ図

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(2)

大型防潮門の仮設計画及び施工 西松建設技報 VOL.31

94

3.施工

 ⑴ 鋼矢板・切梁加工

 鋼矢板継手部の止水対策としては,水膨張性止水材を 塗布するのが一般的であるが,当工事では現地の潜水業 者からの助言を元に,切梁架設時に伴う段階的な排水時 に,浚渫した沖積粘土に食用動物性油脂(ラード)を混 ぜたものを継手外側へ詰めた.仮締切の外部から詰める ことにより止水詰物に水圧がかかり,最大水深10 mでも 剥がれず,鋼矢板の変位により継手から漏水しても潜水 夫により迅速にメンテナンスを行うことができた.イニ シャルコストがかかる水膨張性止水材よりも,維持用労 務費が安価な現地では費用対効果が良好であった.

 切梁材は現地で入手可能な

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450〜600 mmのスパイラ ル鋼管の定尺12 m物を,図―4で示すようにボルト組立 式に加工し現場溶接を最小限に抑え工期の短縮を図った.

 また,鋼管両端部を閉塞することにより水に浮く可能 性が予測され,実施試験により確認し施工計画に役立て ることとした.

 鋼管を切梁として使用することにより,切梁同士の交 差部が点で接することとなったため,図―5に示すピー スを製作して切梁交差部に設置し,集中荷重が作用しな いように配慮した.

 ⑵ 仮締切架設

 切梁架設に当っては,下段用切梁部材を予め水面に浮 遊させ,その上に切梁を架設することにより切梁間から の資材昇降時間を削減し工期を短縮した.また,架設に はクレーン台船に代わりタワークレーンを仮締切外部に 設置することによりコストを削減した.

4.おわりに

 国内の公共工事であれば指定仮設となる規模の仮締切 を,時間的・予算的制約の厳しいなかにあって無事完了 させることができた.御指導,御協力頂いた関係者の皆 様に,この場をお借りして御礼申し上げます.

写真 ― 2 仮締切全体外観

図 ― 5 接続ピース詳細図

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図 ― 4 切梁接続詳細図 㪈㪇㫄㫄 ෘ㍑᧼

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写真 ― 1 1 段目切梁架設中状況

写真 ― 3 ラジアルゲート設置状況

参照

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