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土木法規と日常生活の関連性に関する調査・研究

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Academic year: 2021

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土木法規と日常生活の関連性に関する調査・研究

卒業研究者 本田 洋平 指導教官 竹内光生助教授 1.はじめに

われわれが、土木技術者として、道路新設・改修、公園整備、宅地開発、河川整備など社会基盤整備事業 を行う場合、それらに関係する法律・法令・規則(これらをまとめて以下土木法規と呼ぶ)は多いといえよう。

それらの土木法規は法律の専門家に任せて土木技術者は、土木技術に専念するという考え方もある。一方、土 木技術者は、あるべき街づくりの企画・立案に参画するということを前提とすれば、これらの土木法規を法律の 専門家に完全に任せるのではなく、土木技術者も土木法規について、ある程度の理解と認識が必要という考え 方もある。まず、法とは何か。土木法規とは何か。本研究は、このような視点で始めたものである。

2. 法とは

法とは、社会における人間生活を円滑に運営するためのルールである。これは、一般に法学の参考書等に書 かれた内容である。道路上を安全に移動するという人間生活を円滑に運営する場合のルールは、道路交通法で ある。また、ベンサムの功利主義として「最大多数の最大幸福」という社会思想も法学に関係する参考書に書 かれている。人間生活の変化とともに、社会を代表する最大多数の意見が変われば、社会における人間生活 を円滑に運営するためのルールも変わるということである。

2.1 ベン図で示す法の秩序

理念として憲法は、国の最高法規であり、図1.に示 すように、その憲法に定められている内容の範囲内で、

法律、政令、省令、条令、規則が定められている。法 の効力を、強さ順で表すと次のようになる。

憲法>法律>政令>省令>条令>規則

また、我が 国の法は、成文法として、法に明記され

ていない事項は、法の効力の対象とならない。図2.に 図1.法の効力 図2.法の成文化 示すように、時代に応じて、憲法を補うような法体系で、順次成文化されている。

2.2 土木法規とは

土木法規は、社会における人間生活を円滑に運営するための産業・生活基盤整備事業のルールであるとい えよう。社会における人間生活を円滑に運営するために、土木法規も変わる。「市民は、街づくりに参加するこ とができる。街づくりに参加する義務がある。」という内容の条令ができている。土木法規を含む社会施策を 決めるのは社会思想である。

3.アンケート

筆者は、「市民は、街づくりに参加することができ る。街づくりに参加する義務がある。」という条令に ついて、アンケート調査を高知高専土木工学科5年生 に行った。また、アンケートには、学生の実家のある 街の日常生活に関連する項目を設けた。アンケート の質問項目は14である。集計総数は、40であっ た。

3.1 市民参加の権利と義務の条例について 図3.市民参加の権利と義務の条令の是非 この条例についてのアンケート結果を、図3.に示す。この条例についての意見の選択肢は6つである。

市民はまちづくりに参加することができる。まちづくりに参加する義務 がある。 という条例について適当だと思われるもの。

12%

3%

57%

10%

8%

10%

まちづくりの善し悪しには、この条例では影 響しない。

行政の義務を市民に責任転嫁した条例であ る。

勤労奉仕を市民に押し付ける条例である。

代案のない反対はするなという条例であ る。

行政の案に対して、市民側も案づくりができ るし、よい案であれば 提案できることを保証 した条例である。

市民が提案をつくるためには何らかの形で 財政的援助や技術情報的な援助をしなけれ ばならないことを示した条例である。

(2)

このうち、肯定的な選択肢である「行政の案に対して、市民側も案づくりができるし、よい案であれば提案でき ることを保証した条例である。」を選択した人は23人(57%)、「市民が提案をつくるためには何らかの形で 財政的援助や技術情報的な援助をしなければならないことを示した条例である。」を選択した人は4人(10

%)の合計27人(67%)であった。その他の「まちづくりの善し悪しには、この条例では影響しない。」を選 択した人は5人(12%)、「行政の義務を市民に責任転嫁した条例である。」を選択した人は1人(3%)、

「勤労奉仕を市民に押しつける条例である。」を選択した人は4人(10%)、「代案のない反対はするなとい う条例である。」を選択した人は3人(8%)であった。

3.2 日常生活関連について

図4.に示すように、半数以上の学生の、実家のある街の人 口は、減少傾向にある。

図5.に示すように、大都市よりも、実家のある街が暮らしや すいとする人が最も多く16人(42%)である。どちらでもない

という人と合わせると29人(76%)である。 図4.人口の増減 図6.に示すように、暮らしやすい条件として、学生が選択し

た条件は、自然に恵まれている13人(36%)、次いで公共交 通機関に恵まれている10人(27%)、そして買い物をしやすい 7人(19%)である。若者が多い、レジャー施設が多い、働き がいのある職場がある、子供の教育環境がよいという項目は、

少ない。 図5.暮らしやすさ

図7.に示すように、街づくりを真剣に考えている人として、

一般市民を選択する人が最も多く13人(32%)、次いで市長 村長の7人(18%)、知事の4人(10%)となった。地元から 離れたところにいる総理大臣、建設大臣、国会議員とする人は、

ほとんどいない。土木技術者を選択する人は、3人(8%)で あった。

街づくりは、我が国は官主導、欧米では民主導で行われて 図6.暮らしやすさの条件 いるといわれている。図8.に示すように、街づくりにおいて、

適当と思われる方法として、「民主導による官活の導入」を選 択する人が最も多く14人(35%)、次いで「民主導」の12人

(26%)、「官主導による民活の導入」の10人(26%)の 合計36人(92%)である。従来からの「官主導」とする人は、

2人(5%)であった。なお、「その他」は1人(3%)である。

4.まとめ 図7.街づくりを真剣に考えている人

「街づくり」という「社会における人間生活」を円滑に運営す るためのルールは、土木法規である。筆者は、「市民は、街づ くりに参加することができる。街づくりに参加する義務がある。」

という内容の条令も広義の土木法規であると考えている。アンケ ートの結果から、土木法規は、定性的であるが、日常生活と密接 な関係にあると言えよう。

参考文献 : 建設小六法、平成8年版、学陽書房 図8.官・民主導の是非 新地域及び都市計画、岡崎義則他3名、コロナ社 知恵蔵1994年版、朝日新聞社

日本列島改造論、田中角栄、日刊工業新聞社 住みよい町づくり、谷藤正三他1名、森北出版

実家のある町や村の人口の増減傾向 10%

23%

54%

13%

増加傾向 どちらでもない 減少傾向 わからない

まちづくりにおいて適当と思われる方法。

5%

26%

35%

3%

31%

官主導

民主導官主導による民活の導入 民主導による官活の導入 その他

実家のある町や村と大都市との比較

42%

34%

16%

8%

暮らしやすい どちらでもない 暮らしにくい わからない

暮らしやすい条件 27%

0% 36%

5%

5%

19%

3% 5% 公共交通機関に恵まれている 自然に恵まれている 若者が多い レジャー施設が多い 働き甲斐のある職場がある 買い物をしやすい 子供の教育環境がよい その他

町作りを真剣に考えている人 10%

32%

8%

3%

5%

18%

18%

0%3%

3%0%0%

総理大臣建設大臣 国会議員知事 県議会議員 役人市町村長 一般市民土木技術者 商工業経営者 主婦その他

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