2級 実技試験
管理業務
1 バイオ医薬品を研究開発するベンチャー企業であるⅩ社の甲は,大企業であるY社の医薬品 部門の研究員乙とともに,新たなバイオ医薬品に係る発明Aをした。Y社の知的財産部の部員 丙は,この共同研究開発の成果である発明Aについて特許出願をすることを検討している。丙 は,発言1~3をしている。なお,X社とY社の間には,発明の取扱に関して何ら取決めはな いものとする。
発言1 「甲がX社の代表取締役社長である場合,甲のした発明は職務発明に該当することはあ りません。」
発言2 「Y社では,職務発明の特許を受ける権利について従業者から取得する旨を,予め就業 規則において定めています。この場合,発明Aに関する特許を受ける権利を乙からY 社に移転するために,特許を受ける権利の承継手続は不要です。」
発言3 「X社は予算不足等を理由に特許出願に反対しています。しかし,研究資金を提供した のはY社ですので,X社に対しては特許出願後に説得するとして,他社に権利をとら れないよう急いで,出願人をY社として単独で特許出願をしても問題はありませ ん。」
以上を前提として,問1~問6に答えなさい。
問1
発言1について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問2
問1において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅰ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅰ】
ア 甲は特許法第35条第1項(職務発明)に規定する使用者等に該当し従業者等には含まれな いため
イ 甲の業務は企業経営となり研究活動は職務に含まれないため
ウ 甲は特許法第35条第1項(職務発明)に規定する従業者等に含まれるため
すべての問題文の条件設定において,特に断りのない限り,他に特殊な事情がないものとし ます。また,各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え,同一問題内における他 の選択枝には影響しないものとします。
特に日時の指定のない限り,2020年9月1日現在で施行されている法律等に基づいて解答し なさい。
問3
発言2について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問4
問3において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅱ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅱ】
ア 発言の通りであるため
イ 職務発明であっても,特許を受ける権利を取得する場合には承継手続が必要であるため ウ 特許を受ける権利が共有に係る場合は,他の共有者の同意を得る必要があり,予約承継は認
められないため
問5
発言3について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問6
問5において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅲ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅲ】
ア Y社は,発明者を乙のみと記載すれば,単独で特許出願をすることができるため
イ Y社が単独で特許出願をした場合,その特許出願が特許されても特許無効の理由を有するこ ととなるため
ウ Y社は,特許を受ける権利の一部を有しているので,単独で特許出願をすることができるた め
2 布製品メーカーX社は,新商品として「タオル」,「ハンカチ」,「ふろしき」及び「帯」
を開発し,これらの新商品の商品名を検討している。商品名として,営業部から「ぶじやま」
が提案された。X社の知的財産部の部員甲は,これらの新商品について商標登録出願を検討し た。その結果について,知的財産部の部長乙に対して,発言1~3をしている。なお,商品区 分として,「タオル」,「ハンカチ」及び「ふろしき」は第24類,「帯」は第25類に属 し,「タオル」と「ハンカチ」は類似商品である。
発言1 「新商品『タオル』及び『ハンカチ』と,『帯』とは異なる商品区分です。従って,全 商品を一の商標登録出願に指定商品として指定することはできません。」
発言2 「商標登録を受けようとする商標として,特殊なフォントで記載した『ぶじやま』の文 字について商標登録出願をした後であっても,願書に標準文字の欄を追加し,『ぶじ やま』の文字のフォントを通常のフォントに補正することができます。」
発言3 「商標『ぶじやま』について,指定商品『第25類 タオル,ハンカチ』とのみ区分を 記載して商標登録出願をした後に,指定商品『第24類 タオル,ハンカチ,ふろし き』に補正で変更できます。」
以上を前提として,問7~問12に答えなさい。
問7
発言1について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問8
問7において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅳ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅳ】
ア 複数の商品区分を指定することができるため
イ 複数の商品区分を指定すると拒絶理由の対象となるため ウ 複数の商品区分を指定すると補正命令の対象となるため
問9
発言2について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問10
問9において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅴ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問11
発言3について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解 答用紙に記入しなさい。
問12
問11において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅴ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅴ】
ア 拒絶理由の対象となるため イ 要旨変更補正に該当するため ウ 要旨変更補正に該当しないため
3 映画製作会社X社の従業者甲は,社命により,劇場用映画Aのプロデューサー業務を行って いる。X社の従業者ではない乙は,劇場用映画Aの監督であり,X社から報酬を得て劇場用映 画Aの製作に参加している。俳優丙は,甲から依頼され,劇場用映画Aの主演俳優として演技 を行っている。また,劇場用映画Aは,丁が執筆した小説Bを,甲が丁の許諾を得て映画化し たものである。そして,劇場用映画Aは,劇場上映の後に,市販DVD化され,テレビ放送さ れようとしている。甲は,発言1~3をしている。
発言1 「放送局Y社は,2時間の放送時間枠に合わせるため,劇場用映画Aの一部分をカット して放送しようとしています。劇場用映画Aの一部分をカットするにあたっては,乙 はX社の従業者ではないので,乙の同意を得る必要があります。」
発言2 「劇場用映画Aの製作にあたっては,自らの実演が劇場用映画Aに録音・録画されるこ とについて丙の許諾を得ています。劇場用映画Aの市販DVD化,テレビ放送にあ たっては,いずれも,再度,丙の許諾を得る必要はありません。」
発言3 「劇場用映画Aの製作については丁の許諾を得ており,丁には著作権使用料を支払って います。劇場用映画Aの製作については丁の許諾が得られていますので,市販DVD 化,テレビ放送にあたっては,いずれも,再度,丁の許諾を得る必要はありませ ん。」
以上を前提として,問13~問18に答えなさい。
問13
発言1における乙への対応について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる 場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問14
問13において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅵ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問15
発言2における丙への対応について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる 場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問16
問15において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅵ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問17
発言3における丁への対応について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる 場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問18
問17において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅵ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅵ】
ア 劇場用映画Aの著作者であるから イ 劇場用映画Aの著作権者ではないから
ウ 劇場用映画Aの原著作物の著作権者であるから
エ 劇場用映画Aの利用について著作隣接権を有しているから
オ 劇場用映画Aの利用につき,ワンチャンス主義により権利が及ばないから
4 問19~問33に答えなさい。
問19
機械メーカーX社の知的財産部の部員甲が,特許の調査方法について部員乙に説明している。
ア~エを比較して,部員甲の発言として,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号 を解答用紙に記入しなさい。
ア 「特許文献は,技術分野毎に分けられ,分類されています。分類には,世界共通の分類であ るFI(File Index)や日本独自の分類であるFタームがあります。」
イ 「特許調査をする際の注意点は,出願公開されない特許出願もあることです。よって,公開 特許公報だけでなく登録後に発行される特許掲載公報も調査する必要があります。」
ウ 「既に出願公開されている特許出願,又は登録されている特許を調査するには,特許情報プ ラットフォーム(J-PlatPat)を利用することができます。」
エ 「調べたい技術内容についてキーワード検索を行います。その際に,調査を的確かつ漏れが ないようにするために,連想される同義語もキーワードに加えたほうがよいです。」
問20
家具メーカーX社は,椅子Aを新たに販売しようとしている。ア~エを比較して,X社の知的 財産部の部員の考えとして,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記 入しなさい。
ア 椅子Aは,森林を意識したデザインコンセプトが採用されており,更に,そのデザインコン セプトを他の家具にも適用する予定なので,そのデザインコンセプトのアイデアについて意 匠登録出願をすることとした。
イ 椅子Aは,その一部である肘掛けの形状が特徴的なので,その肘掛けについて意匠登録出願 をすることとした。
ウ 同時に販売する予定の椅子Aを含む複数の種類の椅子は,それぞれのデザインに統一感はな いが,椅子として同一物品であるので,これら複数の種類の椅子を組物の意匠として意匠登 録出願をすることとした。
エ 椅子Aは,背もたれに施された色の組合せが特徴的で,この色の組合せは,他の種類の椅子 にも用いることができるので,この色の組合せそのものについて意匠登録出願をすることと した。
問21
スポーツ用品メーカーX社の知的財産部の部員甲が,新しく発売した,新規形状のクラブヘッ ドを備えたゴルフクラブAについて事業部長乙に説明を行っている。ア~エを比較して,甲の発 言として,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア 「ゴルフクラブAの形態の模倣品の販売に対しては,意匠法及び不正競争防止法において,
差止請求及び損害賠償請求が可能であり,またいずれの法律においても,刑事罰の適用対 象とされています。」
イ 「既に,Y社がゴルフクラブAと酷似しているゴルフクラブBを製造販売していることが判 明しました。調査したところ6カ月前に,X社でゴルフクラブAを製造するための特殊な 装置の設計開発をしていた研究者丙が退社し,すぐにY社に入社しています。丙がX社の 在籍時に担当していた装置の設計図をそのまま流用しない限り,早期にゴルフクラブBを 製造するのは困難なはずです。しかしながら,退社後ということもあり,X社は,不正競 争防止法による保護を受けることはできないでしょう。」
ウ 「ゴルフクラブAはまだ発売されたばかりですが,テレビで宣伝しているので,その商品名 もそれなりに知られています。ところが,Y社がこの商品名と似たような商品名でゴルフ クラブを販売しており,そのゴルフクラブに対するクレームがX社のお客様センターに届 いています。このような状況であれば,不正競争防止法違反ということで,X社は,Y社 にその商品名を使用させないようにすることができる場合があります。」
エ 「ゴルフクラブAはたびたびマスコミでも取り上げられて,その商品名も全国的に著名と なっています。この商品名については既に商標登録出願をしていますが,この商品名が不 正競争防止法により保護される場合があります。」
問22
種苗メーカーⅩ社は,技術者甲が改良した品種Aについて品種登録出願手続を行うこととし た。ア~エを比較して,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入 しなさい。
ア 品種登録出願の審査において拒絶理由が発見された場合,出願者に通知され,意見書の提出 の機会が与えられる。
イ 品種Aは永年性植物に関するものではないので,育成者権の存続期間は,品種登録の日から 25年となる。
ウ 品種登録出願の願書は,農林水産大臣に対して提出しなければならない。
エ 品種登録出願をしたときは,当該出願について品種登録がされるまでその内容に関して公表 されることはない。
問23
オートバイメーカーX社は,オートバイAに関する意匠権Dを有している。X社の中国駐在員 甲からX社の知的財産部の部員乙に対して,中国でオートバイAに類似するオートバイBが販売 されており,Y社がオートバイBを輸入しようとしていることが知らされた。ア~エを比較し て,乙の考えとして,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しな さい。
ア Y社のオートバイBの輸入を差し止めるために,X社は特許庁長官に証拠を提出し,認定手 続をとるように申し立てることができる。
イ X社の認定手続の申立ての際には,意匠権Dが有効であることを明らかにする必要がある。
ウ X社は,オートバイBの見本の検査をすることを承認するように申請することはできない。
エ Y社は,X社から認定手続の申立てがあった場合,その認定手続の取りやめを求めることは できない。
問24
工作機械メーカーX社の開発者甲は,研究開発部門において旋盤Aの開発に職務として従事し ていた。その後,甲は,X社を退社し,工作機械メーカーY社に旋盤の開発担当部の部長として 入社した。甲は,Y社において,旋盤Aに係る発明aを完成させた後,特許出願をし,発明aに 係る特許権を取得した。また,Y社は,旋盤Aを有する工作機械の製造販売を開始した。ア~エ を比較して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。但 し,X社,Y社いずれにおいても職務発明に関する規程は定められていないものとする。
ア 発明aは,X社における甲の職務にも属し,Y社における甲の職務にも属するものであるこ とから,X社もY社も職務発明に基づく法定通常実施権を取得できない。
イ 発明aは,X社における甲の過去の職務に属するものであるから,X社のみが職務発明に基 づく法定通常実施権を取得する。
ウ 発明aは,X社における甲の過去の職務に属するものであり,Y社における甲の現在の職務 に属するものであるから,X社及びY社の両社が職務発明に基づく法定通常実施権を取得す る。
エ 発明aは,Y社における甲の現在の職務に属するものであるから,Y社のみが職務発明に基 づく法定通常実施権を取得する。
問25
ア~エを比較して,ライセンス契約についてのX社の知的財産部の部員甲の発言として,最も 不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア 「契約は,所定の要件を満たさないと有効な契約とは認められないので,当事者間で合意す ればどんな取決めもできるというものではありません。」
イ 「ライセンス契約の調印者は,できれば代表取締役が望ましいのですが,知的財産に関する 契約の締結について権限を有する知的財産部の部長でも問題はありません。」
ウ 「特許や商標のライセンスの場合は,本に載っている有名な弁護士が作成したライセンス契 約書の雛型をそのまま使用すると適切ではない場合もありますので,注意が必要です。」
エ 「契約の法的な証拠としての価値という観点からは,直筆でサインしている署名と,ゴム印 で氏名を印したような記名とでは,証拠としての価値はほとんど変わらないと考えられま す。」
問26
自動車メーカーであるX社は,電気自動車Aを開発し,製品化して販売することを考えた。ア
~エを比較して,X社の考えとして,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解 答用紙に記入しなさい。
ア 電気自動車Aに必要なバッテリーを開発することが自社技術だけでは困難なため,IPラン ドスケープにより,マーケットにおける技術評価等も考慮して,買収先として最適なバッテ リーメーカーを探すこととした。
イ X社が電気自動車Aを海外で製造販売する場合には,日本で特許権を取得しただけでは不十 分であり,電気自動車Aの生産国及び市場国においても権利取得を検討する必要がある。
ウ 電気自動車Aの販売を開始するにあたり,他社の特許を侵害していないかを確認するために IPランドスケープによって他社の特許状況を把握することとした。
エ X社は,電気自動車Aに関する技術について,特許出願をせずに自社のホームページ上で公 開した場合,低コストで迅速に他社の特許権の取得を阻止できるが,自社の特許権の取得の 道も閉ざすことになる場合がある。
問27
文房具メーカーX社は,物品「ボールペン」に係る形状等Aについての意匠権を有している。
ア~エを比較して,当該意匠権の効力が及ぶものとして,最も適切と考えられるものはどれか。
対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア 形状等Aと同一の形状等Bが描かれたTシャツ イ 形状等Aと類似の形状等Cであるボールペン
ウ 形状等Aとは非類似の形状等Dであるが,X社と出所の混同を生ずるおそれがあるボールペ ン
エ 形状等Aと同一の形状等Eであるボールペンの形状をした箸
問28
精密機器メーカーX社の技術者甲は,プリンタの設計開発を担当していた。X社は,甲が設計 開発したプリンタに関する特許出願をして,特許権Pを取得した。その後,甲は,X社を退社 し,精密機器メーカーY社に入社した。甲は,Y社でもプリンタの設計開発を担当した。また,
Y社は,独自に開発したプリンタAを製造し,国内外で販売を開始した。ア~エを比較して,Y 社の知的財産部の部員乙の発言として,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を 解答用紙に記入しなさい。
ア 「特許権Pと,プリンタAは関連することがわかった。X社は,将来,プリンタAの製造販 売行為に対して,特許権Pに基づいて,侵害訴訟を提起してくる可能性が高いので無効資 料の調査を開始すべきだ。」
イ 「特許権Pと,プリンタAは関連することがわかった。X社は,将来,プリンタAの製造販 売行為に対して,特許権Pに基づいて,侵害訴訟を提起してくる可能性が高い。X社のプ リンタの製造販売行為が,わが社の特許権を侵害しているか否か調査すべきだ。」
ウ 「X社が,プリンタAの製造販売行為に対して,特許権Pに基づいて侵害訴訟を提起してき た。プリンタAが,特許権Pの特許請求の範囲に記載された構成要素のすべてを備えてい ないので問題はない。」
エ 「X社が,プリンタAの製造販売行為に対して,特許権Pに基づいた警告書を送付してき た。特許権Pの特許出願の際に,わが社がプリンタAの生産工場の建設を完了していたか どうかを確認しよう。」
問29
家具メーカーX社は,新規な構造を有する事務用椅子aについて特許出願Aをしていたが,そ の後,類似の構造を持つ新規な事務用椅子bも開発したため,特許出願Aに基づいて,国内優先 権の主張を伴う特許出願Bを行った。特許出願Bの特許請求の範囲には,事務用椅子aに係る発 明と,事務用椅子bに係る発明とがそれぞれ記載されており,そのまま登録された。その後,Y 社が,事務用椅子aと同一の構造を有する事務用椅子cを製造販売していることが判明した。ア
~エを比較して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさ い。
ア 特許出願Aについて別途権利化を図る場合には,その出願日から1年4カ月経過後であって も出願審査請求をすることができる。
イ X社は特許出願Aの出願日後,特許出願Bの出願日以前に公知になった刊行物に事務用椅子 aが記載されていることを発見したが,そのことを理由として事務用椅子aに係る特許は無 効にされない。
ウ 事務用椅子cを製造販売するY社に対して権利行使をする場合には,特許出願Aについての 優先権証明書を予めY社に提示して警告する必要がある。
エ 事務用椅子cの製造販売及びその準備の開始時期が,特許出願Aの後であって特許出願Bの 前である場合,Y社は事務用椅子aに係る特許について先使用による通常実施権を有する。
問30
X社では,既に特許権Pを取得している音声認識技術を用いた小型翻訳機である装置Aの製造 販売を,新規事業として検討している。そこで,新規事業戦略会議を開き,特に知的財産に関す る検討を行うこととした。ア~エを比較して,X社の知的財産部の部員の発言として,最も適切 と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア 「資金調達と市場の拡大のため,できるだけ多くの企業と専用実施権の契約を結びましょ う。」
イ 「競合会社であるY社が製造販売している製品Bが,装置Aと同じ機能を備えているとの情 報を入手しました。製品Bの製造販売行為は,特許権Pを侵害しているに違いありませ ん。すぐにY社に対して侵害に関する警告書を送付しましょう。」
ウ 「競合会社であるW社が学術誌に投稿した論文にわが社のコア技術を評価した試験結果が掲 載されていますが,まだW社による製品の製造販売の事実はありません。この段階では,
W社に対して特許権Pに基づいた権利行使をすることはできません。」
エ 「装置Aはその形状もユニークなのですが,既に特許権Pを取得しているため,その形状に 関して,更に意匠権を取得する必要はありません。」
問31
電機メーカーX社は,コンピュータ装置Aを製造販売している。Y社は自己の有する特許権P に基づいて,X社のコンピュータ装置Aの製造販売行為に対して,侵害訴訟を提起した。X社の 知的財産部の部員甲は,特許権Pに係る特許発明の内容を検討している。ア~エを比較して,無 効理由を有する特許発明として,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙 に記入しなさい。
ア 【請求項1】工程aと,工程bとを表現するコンピュータ言語。
イ 【請求項2】ステップcと,ステップdとを備える情報処理方法。
ウ 【請求項3】手段eと,手段fとを備える情報処理装置。
エ 【請求項4】処理部gと,処理部hとを備えるコンピュータ装置。
問32
X社は,電子辞書Aを販売したところ,Y社から警告を受けた。警告の内容は,X社の電子辞 書Aの販売行為がY社の特許権Pを侵害している旨であった。X社は,特許権Pに係る特許公報 を確認した結果,電子辞書Aが特許権Pに係る特許発明の構成要件をすべて備えていると判断し た。ア~エを比較して,X社の考えとして,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記 号を解答用紙に記入しなさい。
ア 電子辞書Aは,Y社が製造しW社に販売した製品を,X社がW社から仕入れて販売したもの であり,特許権Pは消尽している旨を回答する。
イ 特許権Pの出願経過を参照したところ,特許請求の範囲から電子辞書Aを除外する旨が記載 された意見書を提出し,登録されたことが判明した。この意見書における主張に基づいて,
電子辞書Aは特許権Pの権利範囲には含まれない旨を回答する。
ウ X社は,特許権Pに係る特許出願の日前に独自に発明を完成させて電子辞書Aの販売の準備 をしていたので,先使用権を有すると主張し,Y社に対して先使用権に基づいて電子辞書A を実施するための実施料を支払う必要がある。
エ 特許権Pに取消理由が存在する場合には,その旨をY社に回答し,特許掲載公報の発行日か ら6カ月以内に特許異議の申立てを行う。
問33
化粧品メーカーX社は,今年の春に発売するファンデーションのプロモーションビデオを制作 することになった。ア~エを比較して,このプロモーションビデオの制作会議におけるX社の社 員甲の発言として,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しな さい。
ア 「プロモーションビデオの制作を,映像制作会社Y社に委託する場合,X社が委託元です が,Y社が制作したプロモーションビデオの著作者はY社となります。」
イ 「プロモーションビデオの制作をX社と映像制作会社Y社が共同で行った場合,プロモー ションビデオの著作権者はX社とY社となります。」
ウ 「プロモーションビデオの映画監督を,社外の映像クリエーター乙に依頼する場合,プロ モーションビデオの著作者は乙となります。」
エ 「プロモーションビデオを社内で制作することを検討しています。ビデオ撮影が得意な社員 丙を映画監督に任命して職務の一環として制作させ,X社の名義で公表する場合,このプ ロモーションビデオの著作者は丙となり,著作権者はX社となります。」
5 問34に答えなさい。
問34
大企業である自動車メーカーX社は,エンジンに関する発明について,特許請求の範囲に請求 項1から請求項18(うち請求項1,請求項5,請求項8,請求項15は独立項,その他は従属 項)を記載した特許出願Pについて,2021年3月31日に出願し,出願と同時に出願審査請 求することについて検討している。この場合,出願及び出願審査請求のためにX社が必要な費用 は何円か,算用数字で解答用紙に記入しなさい。
特許法第195条関係別表及び特許法等関係手数料令より抜粋
納付しなければならない者 金額
特許出願をする者 1件につき14000円
出願審査の請求をする者 1件につき138000円に1請求項につき4000円を加えた額
6 次の会話は,X社における特許協力条約(PCT)による国際出願Aの発明者甲と知的財産 部の部員乙のものである。問35~問37に答えなさい。
甲 「国際調査報告が送付されたようですね。国際出願Aの内容を補正したいので,手続につい て教えてください。」
乙 「国際調査報告を受け取った後,出願人は 1 について1回に限り補正できます。」
甲 「送付されるのは国際調査報告だけですか。」
乙 「国際調査報告とあわせて, 2 も送付されます。」
甲 「国際調査報告の内容を出願人以外の第三者が知ることはできますか。」
乙 「 3 により知ることができます。」
問35
空欄 1 に入る最も適切な語句を【語群Ⅶ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問36
空欄 2 に入る最も適切な語句を【語群Ⅶ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問37
空欄 3 に入る最も適切な語句を【語群Ⅶ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
【語群Ⅶ】
請求の範囲 国際事務局への請求 国際審査補足書 国際調査見解書 国際予備審査報告書 明細書及び図面 国際公開
7 芸能プロダクションX社の法務部の部員甲が,著作隣接権について同僚乙に質問をしてい る。次の会話は甲と乙のものである。問38~問40に答えなさい。
甲 「実演家は同一性保持権を有します。どのような改変がされると,実演家の同一性保持権を 侵害することになりますか。」
乙 「実演家の 1 実演の変更,切除その他の改変がされると,同一性保持権を侵害すること になります。」
甲 「レコード製作者も著作隣接権を有します。そもそもレコード製作者とは,どのような人を いうのですか。」
乙 「著作権法上,レコード 2 した者とされています。」
甲 「実演家やレコード製作者の保護について規定されている条約等はありますか。」
乙 「例えば, 3 で規定されています。」
問38
空欄 1 に入る最も適切な語句を【語群Ⅷ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問39
空欄 2 に入る最も適切な語句を【語群Ⅷ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問40
空欄 3 に入る最も適切な語句を【語群Ⅷ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
【語群Ⅷ】
名誉又は声望を害する 意に反する に固定されている音を最初に固定 を最初に販売 TRIPS協定 マドリッド協定 ハーグ協定
問1 × 問2 ウ 問3 ○ 問4 ア 問5 × 問6 イ 問7 × 問8 ア 問9 × 問10 イ 問11 × 問12 イ 問13 〇 問14 ア 問15 〇 問16 オ 問17 × 問18 ウ 問19 ア 問20 イ 問21 イ 問22 エ 問23 イ 問24 エ 問25 エ 問26 ウ 問27 イ 問28 ウ 問29 イ 問30 ウ 問31 ア 問32 ウ 問33 エ
問34 224000(円)
問35 請求の範囲 問36 国際調査見解書 問37 国際公開
問38 名誉又は声望を害する
問39 に固定されている音を最初に固定 問40 TRIPS協定