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衝撃モデルによる倒立剛体の転倒限界

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Academic year: 2021

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(1)

日本包装学会誌VblL3ノVbL4ag94)

一ノ職論文

衝撃モデルによる倒立剛体の転倒限界

西原主計*横山孝之率*

OverturnThreshoIdsforTheInvertedRigidBody

toShockModels

KazueNISHIHARA.,TakayukiYOKOYAMA。。

Tomaintainthesafetyofpr℃ducts,itisimpoUtanttounde応tandthecimumstanceln whichtheligidbodytumove■andwiththisknowledge,todesignthecontainerhardto upsetevenintheshoCkenvlronment,Inthispapenatfil石tusmgsometypicalshockmodels,

computersimulationswerCachievedtogiveovelturnth1℃sholdaccelelationsonthemverted

ngidbody,gettmgtwosimpleequationsfOrtheth妃sholdaccelelRationsThetwoequations

werechamctelizedinthecaseofthetimemteglnla1℃aofshockwave,thatisbcaseofthe

area≧1andcaseofthearea<1,bothofwhichgavegoodappmximationstotheoriginal

diffe定ntialequationinawiderlangeofnon-dimensionalfi℃quencyQ・

Secondly,theshockexpelimentiscamiedoutfOrasteelbaUovertumingapplatuswith vanouscushioningpads・Itwasevidentthatthetendencyoftheexpe㎡mentalth1℃shold accelerationscomcidedwiththatofaboveequati0,s・SooverturnmgthTesholdswillbe presumedwidelyifthedurationtimeanditsintegmla1℃aofactumlshocka尼partly

assumed.

Keywords:Overturnofrigidbody,Ovel・tumofcontainer,OverturnthlCshold,TurnoverbFall,

UpseLShockmodel

製品の安全性を確保するためには、物体の転倒はどういう場合に起るかを知ることと、その知見により 転倒しにくい容器を設計していくことが重要である。

そこで本研究では、まず、各種衝撃波形のモデルを用い、剛体の転倒限界を与える計算機シミュレーシ ョンを行い、二つの簡便な転倒限界式を導いた。その簡易転倒限界式は、衝撃面積≧1又はく1の場合に分 けられ、無次元化振動数Qの広範囲にわたって、元の転倒微分方程式に対しよい近似を与えた。

次に、鋼球の転勤装置と各種緩衝材による衝撃実験を行った。その実験による衝撃転倒限界加速度の特 性は、上に求めた簡易転倒限界式の特性傾向に合致した。よって、衝撃持続時間・衝撃面liKiが幾つ力、推測で

きれば、上の簡易転倒限界式から転倒限界が推定できることが分かった。

キーワード:容器の転倒、倒立剛体、転勤、倒れ、衝撃転倒

。神奈川工科大学(〒243-02神奈川県厚木市下荻野1030):KanagawalnstituteofTechnology,1030,Shimo-Ogino,

Atsugi-shi,Kanagawa,243-02..二国機械工業(株)(〒213神奈川県川崎市高津区久地843-5):Nikuni-Kikai

KogyoCo.,843-5,Kuji,Takatsu-ku,Kawasaki-shi,Kanagawa,213

-249-

(2)

衝浄ピモ完ルによる釘、;W汝の転倒限界

1.まえがき 2.運動方程式

包装物輸送において、これまで輸送振動、

落下衝撃、回転衝撃など、主として大振動・大 衝撃に関する動力学的研究がなされ、緩衝包 装技術は進展してきた。しかし、輸送過程・

消費者環境において、個々の製品の倒れ、躍 り・衝突などの動力学的研究は地味で数が少 ないように思われる。

製品の中には瓶類、缶類のごとく脊の高い ものがあり、また、積み重ねたとき倒れ易す ぐなるものがある。加わる振動・衝撃が小さ くても製品は躍り、他と衝突し、転倒する場 合が見受けられる。転倒自体が直ちに製品の 品質を損うものではないが、容器を傷付けた り、場合によっては破損し安全性にかかわる ことが予想される。したがって、流通過程に おいても消費者環境においても、製品の安全 性を最低限確保するためには、少なくとも物 体の転倒はどういう場合に起るかを知ること と、その知見により転倒しにくい容器を設計 していくことが重要である。

本研究では、大局的な転倒特性を得るた め、まず製品及び床を剛体と考え、先に著者 らが導いた転倒近似方程式U2)のうちすべり・

躍りのない状態式に対し、計算機シミュレー ションにより、各種衝撃波形のモデルを印加 して物体の転倒限界を調べ、簡便な転倒限界 式を導びいた。併せて各種緩衝材による鋼球 の衝撃転勤実験と比較し検討した。

物体の転倒問題は、包装輸送面では今後の 容器設計、陳列・積み重ねなど、家庭では収 納、取り扱いなど、また安全面ではプロパン ガスボンベ、それらの転倒検知センサなど3M》

多くの分野にまたがる基本問題である。

水平方向の加速度を受けるFig.1のような 転倒系を考える。同図の(a)と(b)は同一 方程式系であるが、以下Fig.1(a)すなわち、

倒立剛体の質量を、、重心高さをh、上面幅を 2a、底面幅を2dとし、水平方向の加速度uに より転倒する系について調べる。重心Oから 底面端Pまでの距離をr、重心を通る鉛直軸と OPとの傾き角を0、その静止状態での傾き角 を0.、重心回りの回転角をa(すべり回転成 分を含む)、重心の相対速度をv、P点での剛 体のすべり速度をv`、抗力をR、摩擦力をF、

動摩擦係数を似とし、図の矢印の方向を正に とる。0点、P点での慣性モーメントをそれ ぞれL、IDとする。P点において剛体の傾きが 静止状態から増加する方向に①をとる。重心 Oが床点Pと垂直になるときを転倒限界とす

る。

Vy

。IrTIb

(a)container (b)Steelball Figllnvertedrigidbodies

運動方程式を簡単イヒするため次の仮定を設 ける。

(1)P点で剛体の飛び跳ねはない

(2)運動は左右半面で対称である

-250-

(3)

日本包鍵学会誌VbL3Ⅳ0.‘α994)

(3)0,00,9などの2乗オーダは省略できる

(4)摩擦は乾性摩擦則に従い、かつ,LA<<

00とする

(5)端点Pでの曲率半径は考えない

ここで、すべり速度はvb=v-raであり、

vs≠Oで動摩擦、vb=Oで静摩擦である。

0=(汀/2)_β-の、tanβ=h/d、r=

、/~TIzT~5万である。また、の、0,00、似は

小さいとして、転倒方程式は換算時間領域T において以下のように表される2)。

。i鋪P洲}① ど'+=e駐

ただし、添字の正負は0.に到達した直後及 び直前の値を表す。eは弾性変形、熱、音伝播 等による減衰を含んだ変軸速度係数で定義さ れら)、回転軸が他端に移ることによる速度変 化が主体をなす。時間尺度をT=〃t、′を丁

に関する微分、①イーg/r、Q=し/①。と置 いて、ど=①/00、初期荷重定数b=1-’

/00,p=uo/goo、u・を加速度振幅、j (「)を最大1及び持続時間兀なる外力関数、

例えば、半正弦波ではしを加振振動数として、

‘(て)=sin丁である。変位の最大lflm

=bのときを転倒限界とする。システムは振 動数比Qと転倒感度p/bで特徴付けられる。

なお、式展開は[付録]を参照。

ピックアップを台車に載せ、衝突面に各種形 状・厚さの発泡ウレタンフォーム(以下スポ ンジと略す)、発泡スチロール、エアキャヅ プ、ゴムシート、丸めたチリ紙及びそれらの 組み合わせによる緩衝材を置き、台車をゴム 紐で引っ張り衝突させる。鋼球の転がり上が り点を見ながら、加速度波形とそのピーク値 をオシロスコープで読み取りFig.2を得た。

(□)ロ.[①8m己一・二m①亘]Eロゼgo

050100150200 Durationtime,T[ms]

Fig2Expe「imentonshockove『turning

Fig.2から、衝撃加速度G(Gは重力加速度 を1単位とする)は、実時間領域での衝撃持続 時間Tが小さいときは緩衝材の材質、形状に より1G程度ばらつくが、Tが大きくなるにつ れて緩衝材に依存せず、ばらつきは小さくな っている。全体の傾向として、転倒限界が-

つの単調な曲線の回りにばらついているよう に見られるし、また、剛体の転倒限界が衝撃 持続時間又はその時間積分など、材質による 衝撃関数に依存しているようにも見られる。

材質的にはaはスポンジをちぎったものか 又はそれとエアキャヅプの重ね合わせ、bは スポンジ単体又はチリ紙を丸めたもの、cは エアキャップ単体、又は発泡スチロールとス ポンジの重ね合わせ、dはゴムシート又はそ 3.実験

Fig.1(b)において、鋼球、=2819、そ の半径r=0.951cm、アルミ台の溝半径。=

0.34cm、摩擦係数(鉄・アルミ)α=0.0016)

とし、静止状態の傾き角0。=0365rad、b=

0.997,⑩。=32.1である。この装置と加速度

-251-

-8●

●●

lか

」篭|:鏡

●●、

a.

(4)

溺薄gぞ完ルによるβym5V)敏の転倒腹深

め、第2章に得られているころがり.転倒方程 式!)を整備し、設計などに応用するため、よ り見通しのよい簡易転倒限界式を導くことと する。まず、換算時間領域の式(1)におい て、倒れ限界は、

ど=b、r’=0 て=て、 (2)

ただし、実時間領域のTは換算時間領域にお いてて、=汀である。このときの式(1)を以 下のような範囲に分ける。すなわち、

(1)Q<<1のとき:

式(1)は-ど±b=P⑩(て)となりど=

bのオーダであるから、pはOに近づく。

(2)Q<1でQど"=どの範囲:

このときはP=bとなる。数値計算でもこ のような範囲がある。

(3)Qが1の近傍ないしそれ以上で十分大 きい範囲:

式(1)を直接積分し、

wli鰄十I罪±b川

一prm(r)…。(3)

ここに、式(3)の右辺の積分値、すなわちP の係数を衝撃面積sと定義する。左辺第1項 は零、したがって、左辺第2項は倒れ限界にお いてQとsの関数C(Q,s)となっていると考 えられる。そこで、

(a)shockwave

O5G/div,20,s/div(exp・No.1)

symbol▼:startandstopofimpact

(b)apparatus

l:polyurethanefoamcushion

2:SteelbaUandaccelerometerinthebox

3:triggerequipment

4:guide

Fig3Shockwaveandapparatus

れと発泡スチロールの重ね合わせ、eは発泡 スチロール単体などである。

なお、Fig.3は衝撃値2.6G、持続時間T=

54,sのときの加速度波形と緩衝材である。

その加速度波形は正弦波n乗型のように見え るが、実際に衝突している時間はこれより2 倍程度長い。

ps=C(Q,s) (4)

と置く。上の範囲(1)、(2)は特定できない ので、(3)によって式(4)に従う簡易転倒限 界式を求める。

Fig.4に今回シミュレーションに用いた衝 撃波形のモデル、TabIelにそれらの衝撃面 4.数値シミュレーション

ここでは、剛体の転倒限界を数式化するた

-252-

(5)

日本包装学会誌

VbL3jVb. 4口994)

100 12

01345678911

50

C、□旨冒吾目①⑪日ゴゼロシ。

20

052150

q て2

T3 Tm=汀

ro て1

shortjerkwithsmanandlongoffset

forNo、1to7and31to33

(a)

0.51251020

Non-dimensionalfrequency,Q Fig.5ove「turnth『eshoIdaccelerationscalculatedp

simulatedandexperimented so1idune:calculatedfromeq.(1)

●:egmerimentedand

▽:simulatedbyeqs(5)and(6)

O7z

(b)largeimplusewithshortrisetime

forNoBtoll TabIelNormalizedshockmcdeI

No.sて】西qncomments

Fig.4ModeIsofno「maIizedshockacceleration

刎幻呵れれれが0000汀兀兀

ノノノ

1975333

777

5432333

u975333

777

幻れれれれれれ兀兀兀兀れれ幻

6543222567

唖鈍感型”趣”加珂0噸卿到樒

00000011123000 ●●■ひ●●●■●●■●の■

123456789mnm犯鋼

0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.05

積sを示す。まず、その衝撃くり(て)を式(1)

に印加し、Runge-Kutta-Gill法で計算し た結果がFig.5である。図中の番号はTabIe lに対応している。なお、番号31,32,33の 特性はそれぞれ番号5,6,7に近いので作図 を省略した。

次に、Fig.5からps、s、Qの関係を取り出 したところFig.6となった。Fig.6から大ま かに、s<1では(Q/s)の因子が支配的であ り、s≧1ではその因子に(s/Q)の因子が加 算されていることを見出した。そこで、s<1

に対しては第1近似.

0.2

sine4 sine2

sme

rectangular simiIarto5 similarto6 SimiIaTto7 4

2 1

0.01 0.01 0.01

-253-

(6)

ロⅡ四○+餅‐いトー

(函)⑰

⑩W』一価堂rベ一叶溌凹肖壷 1.+厚十十野牛 (⑤)

什醗脚診蝋卯(」l①)S詮診(⑪l屋)S詮丙 津ヰペグ小巻墹含e②作]肌pい]C側Sご崗 蹄叩く、腸汽頓汎“ぜI乢刈〈電}閉軸’・汁 什、穿索鐸四8コ晋一の円e舟J一価転ぶ苦汁・ 卵彗⑩e尚置挑管伊勺醗刺竿鰄r談「一垣.、訂 刈、ミテr汁(『召)・ 鉢サゴ園最高e醜男ごいグ温蔚S作向いn sⅡJS璽帥乳啼蚊紳がe萱嵐雌剣針叡・州 昔①餅欝恥斗叡汁与丙一蜂“囲制醗遼も腓竺斗

昔鹿舜⑩衝う。

Characteristicvalue9ps/Q

】駒(四℃己『○涕・

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酉冒○回ロロ『◎〆。 「⑪丘一⑮酌。。①薫一、|の.一切。{四百℃『。×一『ゴ四{⑩このC亡四『-.コ⑭(⑪)回。。(⑤)

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蕊艤繍璽扇細僻蠅鰯佇汁睦即・凹鮒書S蹄

(7)

日本包装学会霧Vbk3jVu‘α994)

計に資するため、衝撃に対し剛体の転倒限界 を与えるシミュレーションを行い、かつ、数 種の緩衝材による鋼球の衝撃転勤実験を行

い、以下の結論を得た。

(1)転倒方程式を数値解析し、衝撃面積≧

1及びく1の場合に分けて簡易転倒限界式 を導いた。それらは無次元化振動数Qの広 範囲にわたって、元の微分方程式に対しよ

い近似を与える。

(2)鋼球の転勤装置と各種緩衝材による衝 撃実験において、その衝撃転倒限界値の特 性は、シミュレーションによる簡易転倒限 界式の特性傾向に合致した。よって、衝撃 持続時間・衝撃面i積が分かれば、簡易転fi3}

限界式から転倒限界が推定できる。

0+=言e8- atO=80

(a3)

添字の正負は0.に到達した直後及び直前 の値を表す。仮定の(4)、(3)により式 (al)は

mZd=-mユュ(cosO+Llsme)

-mg(sinO-lucosO)(a4)

ここに。と0の関係は

M+01=00,do>0(a5)

であるから、0を①に置き換え、e>Oで sinO=sin(00-の-の

+Jucos(0.-.-匹)

cos8-cos(80-⑦-匹)

一旦Sm(Oo-d-Ju)

6a

、--トー』

の近似を与える。本文のパラメータにより 次の近似方程式

おわりに

Q2。.+Sm(0o-d-jU)=

一丁COS(0.-.-回)(a7) u”

となる。さらに本文の無次元化と、仮定 (2)を用いて式(1)を得る。

本論では剛体の転倒限界の内すべり・躍り のない場合に限定したが、ほかにも、容器底 形状、積み重ね、内容物の揺れ、台の材質な ど転倒に関係する因子は多いと思われる。今 後の研究の発展が期待される。

<引用文献>

1)西原主計、精密機械、44(2),185(1978)

2)西原主計、奥田欲、和田充雄、渡辺健朗、製品 科学研究所報告、第87号、51(1979)

3)西原主計、渡辺健朗、奥田欲、和田充雄、製品 科学研究所報告、第80号、1(1977)

4)西原主計、精密工学会誌、59(2),323(1993)

5)木村隼、飯田汲事、地震、6(3),125(1934)

6)日本機械学会、“機械工学便覧"、第5章、p3-

35(1968)

(原稿受付1994年3月16日)

(審査受理1994年8月10日)

[付録]

Fig.1の剛体の重心Oの運動方程式は、

:二二潟期二:鴇鵠}

(an

重心0回りの回転運動方程式は、

●●

10α=-FI.

(a2)

衝突による減衰力は方程式に入れないで次 の条件で与える。

-255-

参照

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