平成
14
年度社会教育計画の 策定・評価に 関する調査研究
生涯学習センター等の 連携方策に関する
調査研究報告書
● 生涯学習センター等を中心とする様々な機関との連携について
−体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題−
● 生涯学習センター等相互の連携・協力について
国立教育政策研究所 社会教育実践研究センター
は じ め に
生涯学習センターは、「生涯学習の基盤整備について」(中央教育審議会答申 平成2 年1月30日)で地域の生涯学習を推進するための機関として、その役割の重要性が指摘さ れたことから、全国的に設置がすすめられてきました。
このたび、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターでは、全国生涯学習・社会教 育センター等協議会の協力を得て、「生涯学習センター等の連携方策」を課題として取り 上げ、二つのテーマを設定して調査研究を実施いたしました。
第一のテーマは、「生涯学習センター等を中心とする様々な機関との連携について−体 験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題−」とし、生涯学習センター等に設置 される「体験活動ボランティア活動支援センター」の現状と課題を調査・分析することに より、生涯学習センター等を中心とする様々な機関団体等との連携・協力の実態を踏ま え、今後の在り方を検討しました。
また、第二のテーマは「生涯学習センター等相互の連携協力について」とし、衛星通信 を活用した社会教育指導者の養成・研修事業を推進するために、センター間でどのような 連携・協力ができるのかなどについて、文部科学省の委嘱により行う社会教育主事講習の 機会をとらえて実践的に調査研究を進めました。
生涯学習センター等の設置形態やその機能等については、各地方公共団体により、さま ざまですが、地域の生涯学習の中心機関としての性格に変わりありません。そのような意 味で、生涯学習政策上の重要な課題である体験活動・ボランティア活動の推進や衛星通信 を活用した研修事業に取り組むことは、生涯学習センターの大きな役割と考えられます。
本調査報告書が関係者の参考となれば幸いです。
終わりに、本調査研究の実施に当たり御熱心に御指導をいただきました委員長の札幌国 際大学教授小山忠弘氏、専門部会長の国立教育政策研究所生涯学習政策研究部総括研究官 立田慶裕氏、宮崎大学生涯学習教育センター長(同・教授)上條秀元氏をはじめ研究委員 各位に感謝申し上げますとともに、調査に御協力をいただきました生涯学習・社会教育セ
ンター等研究協議会加盟施設の方々に厚くお礼申し上げます。
平成15年3月
国立教育政策研究所
社会教育実践研究センター長 結 城 光 夫
目 次
は じ め に
序 章 調査研究の概要
1調査研究の趣旨 1 2 調査研究の内容 1
第1章 生涯学習センター等を中心とする様々な機関との連携について
−体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題−
第1節 調査研究の方法 3 1 事前ヒアリング調査の実施 3 2 調査票による調査の実施 3 第2節 センター等における体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題 4 1 体験活動ボランティア活動支援センターの現状 4
(1)体験活動ボランティア活動支援センターの状況 4
(2)体験活動ボランティア活動支援センターの組織 7
(3)体験活動ボランティア活動支援センターの業務 10
(4)体験活動ボランティア活動支援センターにおける情報提供 13
(5)体験活動ボランティア活動支援センターにおけるコーディネーター研修 17 2 体験活動ボランティア活動支援センターの課題 21
(1)体験活動ボランティア活動支援センターを設置した利点 21
(2)体験活動ボランティア活動支援センターに果たす役割 22
(3)体験活動ボランティア活動支援センターの課題 22
第3節 関係機関・団体等との連携 24 1 体験活動ボランティア活動支援センターと関係機関・団体との連携
(1)他部局・機関との連携 24
(2)関係団体との連携 28 2 体験活動ボランティア活動支援センターと市町村及び国との連携 32
(1)市町村の連携 32
(2)国との連携 32
(3)他の生涯学習センターと市町村の連携 33
第4節 提 言 35
(1) 体験活動ボランティア活動推進のためのセンター等の役割 35 (2) 市町村、関係機関・団体との連携の在り方 38
(3) 提言 39
参考資料 41
調査票 41
第2章 生涯学習センター等相互の連携・協力について 第1節 生涯学習センター等における衛星通信を活用した事業の実施状況 48
1 衛星通信に関する設備の設置状況について 48
(1)全国のセンター等におけるエル・ネット設備の設置状況 49 2 衛星通信を活用した事業の実施状況 51
(1)生涯学習センター等におけるエル・ネット番組の視聴状況 51 (2)エル・ネットを活用する上での課題 52
第2節 社会教育主事講習における衛星通信の活用 53
1社会教育主事講習の現状と課題 53
(1)社会教育主事講習の実施状況 53
(2)社会教育主事講習受講上の課題 54
2 衛星通信を活用した社会教育主事講習実施上の課題 55
(1)衛星通信を活用した社会教育主事講習について 55
(2)語義形式による講習に関する課題について 56
(3)演習形式による講習に関する課題について 59
(4)情報リテラシー習得プログラムとしての社会教育主事講習を発展させる 59 ために 第3節 提 言 61
〜生涯学習センター等相互の連携・協力による社会教育指導者の 養成・研修事業を推進するために〜 1 生涯学習センター等相互の連携・協力による社会教育指導者の養成・研修 61 (1)社会教育指導者養成・研修のための全国的なネットワークの形成 61
(2)連携・協力の推進体制の整備 62
(3)指導者の確保について 64
(4)受講生を確保するための方策 65
(5)評価方法について 66
(6)センターの施設設備及び常設機器等について 66
ⅲ
序 章
調査研究の概要
1.調査研究の趣旨
社会教育計画に位置づく生涯学習センター等の連携方策を課題として取り上げ、その策 定・評価について研究する。
2.調査研究の内容
(1)調査研究の視点
「生涯学習センター等の連携方策」を課題として取り上げ、テーマ別に二つの部会を設 け、調査研究を進めた。
第1部会 研究テーマ「生涯学習センター等を中心とする様々な機関との連携について
−体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題−」
生涯学習センター等に設置された体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題 を調査・分析することにより、生涯学習センター等を中心とする様々な機関とどのような 連携・協力ができるかについて検討する。
第2部会 研究テーマ「生涯学習センター等相互の連携協力について」
衛星通信を活用した社会教育指導者の養成・研修事業を推進するために、センター間で どのような連携・協力ができるのかについて、社会教育主事講習の機会を捉え、センター 間の連携協力の在り方を検討する。
(2)調査研究組織
国立教育政策研究所社会教育実践研究センターに「生涯学習センター等の連携方策に関 する調査研究委員会」を置き、委員会内にテーマ別に二つの作業部会を設けて調査研究を 行った。各部会の調査研究委員は以下のとおりである。
<第1部会調査研究委員>
伊原 浩昭 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター専門調査員 岩松 邦男 茨城県水戸生涯学習センター社会教育主事
河原 孝 三重県生涯学習センター次長
○立田 慶裕 国立教育政策研究所生涯学習政策研究部総括研究官 手塚 健郎 国立教育政策研究所社会教育実践研究企画課長 長谷川 幸介 茨城大学生涯学習教育研究センター助教授 三上 裕子 北海道立生涯学習推進センター社会教育主事 山田 守人 さわやかちば県民プラザ研修課主査
<第2部会調査研究委員>
岩田 忠満 新潟県立生涯学習推進センター所長
梅木 烈 佐賀県立生涯学習センター事業部企画副主任
○上條 秀元 宮崎大学生涯学習教育研究センター教授
◎小山 忠弘 札幌国際大学教授
佐久間 章 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター専門調査員 新田 憲章 広島県立生涯学習センター振興課長
真柄 正幸 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター社会教育調査官 若本 公夫 山口県生涯教育センター事業課長
結城 光夫 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター長
(五十音順:◎は委員長、○は部会長)
なお、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターでは、神智彦(普及・調査係 長)、鳥越留美子(普及・調査係 専門職員)が担当した。
第 1 章
生涯学習センター等を中心とする様々な機関との連携について
−体験活動ボランティア活動支援センターの現状と課題−
第1節 調査研究の方法
1 事前ヒアリング調査の実施
平成14年6月から7月に、都道府県立の生涯学習センター等で「体験活動ボランティ ア活動支援センター」の設置を予定している11施設を対象として、ヒアリング調査を実 施した。
2 調整票による調査の実施
全国生涯学習・社会教育センター等協議会に加盟している、全国47の都道府県及び政 令指定都市の生涯学習センター等に対し、10月10日に調査を実施した。(表1−1−2)
調査用紙は直接各センター等に郵送し、47のセンター等すべてから回答を得た。
表1−1−2 全国生涯学習・社会教育センター等協議会に加盟しているセンター等
第2節 センター等における体験活動ボランティア活動支援センターの 現状と課題
1 体験活動ボランティア活動支援センターの現状
(1)体験活動ボランティア活動支援センターの状況
全国生涯学習・社会教育センター等協議会に加盟している、全国47の都道府県及び政 令指定都市の生涯学習センター等(以下「生涯学習センター等」という)で、体験活動ボラ
ンティア活動支援センター(以下「支援センター」という)を開設、あるいは開設予定があ るセンター等は、約半数の25施設であった。(表1−2−1)
表1−2−1支援センターの開設及び開設予定 <平成14年11月現在>
支援センターを開設あるいは開設予定がある生涯学習センター等25施設は、支援センタ ーにどのような名称を付けたか調査した結果が表1−2−2である。
名称に都道府県名や地域名(茨城)がつく施設は、25施設中20施設で全体の5分の4 を占めた。
次に支援センターの内容を示す単語として「体験活動ボランティア活動」という語は12 施設、約半数で使用されている。さらに、類似したものとして「体験活動等」(新潟)、「青 少年の奉仕・体験活動」(岐阜)、「奉仕活動・体験活動」(山口)、「青少年ボランティア」
(大分)があり、これらを合わせると約5分の3を占める。
その他、子どもをイメージする名称として「子ども元気活動」(富山)、「軒先あそび」(奈 良)、「子ども週末活動」(鳥取)などがある。
また、地域をイメージする名称として「ふるさと文化」(兵庫)、「ふれあい」(茨城4施 設)などがある。
ユニークなものとして「こもも」(岡山)がある。「こももセンター」(岡山)の「こもも」
の名称は,岡山県生涯学習センターのマスコットキャラクター(鳥)に由来している。
広島県体験活動ボランティア活動支援センターでは,支援センターを広く周知してもらう ためマスコットキャラクター「やまぶしくん」を使用している。現在は,ホームページ上で
この由来を紹介したり、グッズ(プラ板キーホルダー、シール、ティッシュ、ファイル、し おり)を作成したり、各種イベントの中で実際に「やまぶしくんグッズ」を製作するなど、
「やまぶしくん」を積極的に活用することで,支援センターの存在の啓発に努めている。今 後、支援センターの名称を「やまぶしくんセンター」に変更して、センターの更なる発展を 期すとのことであった。
図1−2−1
マスコットキャラクター「やまぶしく ん」
マスコットキャラクター「やまぶしくん」の由来
山野を駆けめぐり修行を続ける修験者「やまぶし」をイ メージし,自然の中,生活の中でいろいろな体験を通し て,たくましく成長する青少年の育成を願って,本支援セ ンターのマスコットとした。(図1−2−1)
このキャラクターは,府中町の子どもセンター「ゆめな か@情報局」(現在:府中町体験活動ボランティア活動支 援センターに融合)HPや情報誌で愛されていたものを本 支援センター設置にあたり,製作者である「ゆめなか@情 報局」ボランティアの好意で提供されたものである。
表1−2−2 支援センターの名称
支援センターをいつ開設したか、あるいは、いつ開設するのかを調査した結果をまとめた ものが表1−2−3である。
平成11年頃から各生涯学習センター等に「ボランティアセンター」が開設されたが、支 援センターは平成14年4月以降の開設である。
これは、文部科学省の平成14年度予算概要の発表を受けて、奉仕活動・体験活動の推進 に関する施策が、都道府県や政令指定都市の平成14年度予算の中で、「学校内外を通じた 奉仕活動・体験活動推進事業」として予算化され、順次開設されたことによる。開設時期 は、平成14年6月が10施設で最も多かった。
表1−2−3 支援センターの開設又は開設予定年月
(2) 体験活動ボランティア活動支援センターの組織
開設されている25施設の支援センターに配置されている職員数(常勤、非常勤職員)
を調査した結果が表1−2−4と表1−2−5である。
支援センターの職員数は、1〜2人が15施設で、全体の5分の3を占めている。多いと ころで6人が2施設、少ないところでは1人で6施設となっている。
常勤・非常勤職員の数は、各施設の状況によりばらつきがあり、非常勤のみの支援センタ ーも3施設ある。
表1−2−4 支援センターの職員数
表1−2−5 職員の常勤・非常勤の内訳
すでに開設されている25支援センターのコーディネーターの人数を調査した結果が表 1−2−6である。
コーディネーターの人数が1人の支援センターは17施設で、全体の3分の2を占め ている。コーディネーターの人数が最も多いのは5人である。
また、支援センターを開設する25施設全体の職員数は69名であるが、そのうちコー ディネーターの数は36名である。(表1−2−6)
表1−2−6 コーディネーターの人数
コーディネーターの採用方法について、公募の有無を調査した結果が表1−7である。公 募しなかった支援センター等は15施設で全体の6割で最も多く、公募は5施設である。
表1−2−7 コーディネーターの採用方法
図1−2−1コーディネーターの採用方法
公募した5施設は、岩手県、千葉県、富山県、佐賀県、大分県である。これら各施設 の公募の方法及び条件について、ヒアリング調査を行った結果が表1−2−8である。公募の 条件を見ると、コンピュータへの打ち込みを第一の条件としていることが分かる。これは、
支援センターの情報の収集と提供機能を重視しているためと考えられる。
表1−2−8 各施設の公募の方法及び条件
支援センターの運営組織がどのようになっているかも併せて調査したが,運営組織は地 域の特性に合わせて様々であった。
支援センターの所管部局の状況を見ると、すべての支援センターが教育委員会の所管と なっている。
また、地域の教育力の活性化及び体験活動ボランティア活動の推進に向けて、「地域教育 力・体験活動推進協議会」(長野県)、「企画委員会」(佐賀県)などを設置し、学識経験者 及び各界の代表者等による協議会が県教育委員会内に設置されている。これら協議会が教 育委員会内に設置されているのは,性質上,関係する行政部局が多く,広く関係団体等の 協力を得ることが必要であるため,教育委員会の所管部局が主体となって運営されている ものと考えられる。
図1−2−2 支援センターの運営組織の例(長野県)
(3)体験活動ボランティア活動支援センターの業務
①「支援センター」に求められる業務
平成14年7月29日の中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策 等について」では、『奉仕活動・体験活動を支援する仕組み(イメージ)』の図(26貢)
の中で都道府県レベルの支援センターの主な活動内容を次のように示している。
さらに、都道府県レベルの支援センターは、国レベルの総合推進センター、市区町村レ ベルの支援センター、地域ボランティア推進団体や関係機関、都道府県レベルの推進協議 会等との密接な連携が必要とされている。
今回の調査では、都道府県レベルの支援センターを所轄する生涯学習センター等に設置 したのは、22の道県の25施設であった。支援センターの設置に関しては、答申で次の ように述べている。
なお、生涯学習センター等の機能や役割については、平成2年1月30日の中央教育審 議会「生涯学習の基盤整備」の答申で、次のように示されている。
これらのことから、生涯学習センター等に設置された都道府県レベルの支援センターの 業務を次に示す内容にまとめてみた。
【支援センターに求められる業務】
②支援センターの業務の状況
表1−2−9 生涯学習センター等で行っている支援センターの業務について
情報の収集・提供では、「県域レベルで活動を行う団体等に関する情報の収集・提供」が 24施設と最も多く、次いで「市町村センターに関する情報の収集・提供」が22施設と多 い。
コーディネーターや指導者の研修などの人材養成では、20施設が業務として位置づけ ている。位置づけていない5施設に関しては、
○ 県立の生涯学習センターが4カ所あり、そのすべてが支援センターを設置している。
コーディネーターや指導者の養成・研修は県の中心にある1施設が行うため、他の3 施設では行わない。
○ 支援センターから教育研修所に委託をしている。そのため業務として位置づけてい ない。
○ 福祉のボランティアコーディネーター研修は社会福祉協議会、生涯学習や完全学校 週5日制対応のボランティアコーディネーターは県教育庁生涯学習課がそれぞれ担当
している。
というものである。このように、「コーディネーターや指導者の養成・研修」を業務とし て位置づけていなくても、それは地域の実情により柔軟な対応をとった結果であり、研修 の機会を確保していないということではない。
アドバイスや学習相談は、市町村支援センターに対しては18施設であったが、県域レ ベルで活動を行う団体に対しては13施設となっている。また、支援センターが未整備の 市町村に対して8施設がそこへの支援を業務として位置づけている。支援センターが未整 備であるからこそ支援は不可欠であり、何らかの方法での支援が必要と考えられる。
情報提供システムの整備に関しては、ホームページを活用した支援センターは16施設、
機関誌等の作成・発行は12施設である。(詳細については次の項「4 体験活動ボラン ティア活動支援センターにおける情報提供」を参照)
連携・協力に関しては、市町村支援センターとの連絡調整や情報の共有は20施設、
関係団体とは18施設と多いが、他機関や他部局とは11施設と少ない。
また、国の総合推進センターとの連絡調整は11施設、他県の支援センターとの連絡調 整は8施設という結果である。これは調査時に、支援センターが設置されて間もなかった ことによると思われる。国の情報や他県の情報を知るうえでも、国、他県との連絡調整は 必要不可欠と思われ、業務として位置づけることが望まれる。
業務として取り組む割合が低かったのは、県域における活動の場の開発11施設、県域 レベルの各種プログラムの企画・提案・実施5施設である。4ケ所の支援センターを設置 している県では、県内を5地区に分け4施設がそれぞれの地区を受け持ち、学校に働きか けたり、地区の相談にのるなどして活動の場の開発を行っている。
また、生涯学習センター等は県域レベルの子どもを対象とした体験事業や親子事業のイ ベントを行っているため、活動の場の開発やプログラムを企画。実施は生涯学習センター
等が主体となっていると考えられる。さらに、市町村や活動団体から求められれば情報提 供という形で、プログラムを提供できるようにしているという支援センターもあった。
(4) 体験活動ボランティア活動支援センターにおける情報提供
表1−2−10 支援センターからの情報提供について
図1−2−3 情報提供について
ホームページの開設は18施設であったが、前掲の業務内容ではホームページを活用した 支援と回答したセンターは16施設であり、2施設がホームページはあるが活用していない
ことになる。回答が一致せず整合性がないように見られるが、このことに関しては、
○ 生涯学習センター等として、ホームページを開設して情報提供を行い業務を行ってい るが、調査時の段階では支援センターが立ち上がったばかりでホームページが開設され ていなかった。
○ 調査時の段階では、支援センターのホームページを開設したもののホームページを 活用した支援とまでは至っていなかった。
との回答を得た。このことから、ホームページを開設している生涯学習センター等では、
今後、すべての支援センターにおいて市町村や関係団体への支援として、ホームページを 活用した情報提供が行われると思われる。
次に、機関誌等による情報提供として、リーフレット、パンフレット作成配布が16施 設、ポスターの作成配布が7施設、広報誌の発行が12施設、他部局、関係機関の広報誌 への掲載が8施設となっている。機関誌等の作成配布が低いのは経費にかかわるものと考 えられ、予算が確保できなければますます発行が難しくなることが予想される。そのため、
ホームページによる情報提供や他部局・関係機関と連携した情報の提供を図ることが必要 である。機関誌等の内容に関しては、現在発行している県を18頁に参考例として示した。
その他の情報提供として3施設があげたものは、以下のものであった。
○ 生涯学習センター等の広報誌を使った情報提供
○ メールを持つ市町村支援センターにメール通信を利用した情報提供、メールを持た ない市町村支援センターへはFAXでの情報提供
○ 支援センターを開設したことを新聞折り込みで周知を図ったが徹底しなかったこと もあり、さらに、チラシを作成し県内の公民館、学校等に配布
−14−
〈支援センター発行の機関誌等の参考例〉
【情報誌】 山口県生涯教育センター「山口県奉仕活動・
体験活動支援センター」
図1−2−4 表紙
・年3回発行
・A4版8枚綴り
・県内の青少年の奉仕活動・体験活動を紹介
・教育事務所内の広域学習支援センターの活動を紹介
・設置された市町村支援センターを紹介 等
図1−2−5 内容例
図1−2−6 広報誌 佐賀県立生涯学習センター「佐賀県体験活動・ボランティア活動支援センター」
・ポスター大の大きさにし、送付先で掲示し利用者にも周知できるようにしている。
(送付先:学校、市町村部局、市町村教委、社会教育施設、関係団体等)
図1−2−7パンフレット青森県総合社会教育センター「青森県体験活動ボランティア活動支援センター」
・ポスター大の大きさも各種用意し、各送付先でも掲示できるようにしている。
−16−
(5)体験活動ボランティア活動支援センターにおけるコーディネーター研修
①養成研修の実施状況
表1−2−11市区町村のコーディネーターの養成研修の実施状況について
「実施している」、「今後実施する」は、今年度の養成研修実施の有無であり、17施 設が実施(実施予定)したことになる。「今年度実施しない」の8施設については、
○ 今年度は、市町村支援センターの立ち上げが遅れ、コーディネーターの研修を組 むことができなかったため担当者会議としたが、来年度は養成研修として行う。
○ 次年度より、研修体系に位置づけて行う。
○ 次年度は、現在行っている研修講座の対象者にコーディネーターを含め、講座を 行う。
○ 生涯学習課、社会福祉協議会でそれぞれ養成研修を行っているので、支援センタ ーとしては行わない。
○ 県内の4支援センターのうち、1施設が研修を持っており、3施設は研修を持た ない。
等の回答を得た。
②養成講座の実施内容について
平成14年7月29日の中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策 等について」では、『支援センターのコーディネーターの養成・確保』が示されている。
特色ある養成研修の事例1として取り上げた岐阜県生涯学習センターの実施要項に『コー ディネーター養成の課題』として記載されているので、参照してほしい。
今回の答申に沿い、支援センターに配置されたコーディネーターだけの養成研修であれ ば、自ずと講座の名称、趣旨、対象者も決まってくる。しかし、各県の現状から都道府県 の生涯学習センター等に設置された支援センターにあっては、幅広く対象者をとらえてい るところが多く、そのため、研修名、趣旨、内容も様々である。
a 研修名及び対象者について
名称から、支援センターコーディネーターの研修と分かるものがほとんどであるが、対 象者を幅広くとらえたもの(生涯学習ボランティアコーディネートセミナー)や、支援セ
ンター独自の名称からのもの(「ふるさと学舎」推進委員等研修会)もあった。
b 対象者について
・支援センターのコーディネーターと担当者だけを対象とする…2施設
・関係者も含めた施設…11施設
*研修の趣旨により関係者がそれぞれの施設で異なっている。市町村関係職員、学校関係者、施設職 員(社会教育施設、福祉文化施設)、青少年団体関係者、ボランティア関係者である。
・一般まで広げた施設…2施設
*一般(県民、関心のある方)
c 回数について
年2回実施する支援センターが多かった。回数の多いところでは、千葉県の46回(特 色ある養成研修の事例2を参照)がある。10回行っている施設では、5回は全体研修で
5回は地区別ブロックで行っていた。
d 内容について
どの支援センターにおいても、講義、事例発表、実習(演習)、ワークショップが組ま れていた。主な内容をあげると、
○ 講 義‥‥支援センターの役割
・コーディネーターの役割
○ 事例発表…・各市町村支援センターの事例発表
○ 実 習…・ホームページの作成
・学習相談の方法
・情報発信や啓発活動のしかた
○ ワークショップ…コーディネーターの役割と実際、協議
〈特色ある養成研修〉
③ 養成研修を実施するに当たっての課題 4施設から次の課題があげられた。
○ 各市郡町のボランティア養成に対する取組について、様々な形態があり、それを 支援センターがどのようにまとめ、継続した活動に育てていくかが難しい。
○ 市町村支援センターのコーディネーターの実態がそれぞれ違い、研修会のプログ ラムを組むのに何を中心にするのか、どんな組み立てにするのか、判断が難しい。
○ プログラムの改善、講座名の改称、体験活動ボランティア活動に関する学習プロ グラムの構築についての十分な検討が行われていない。
○ 市町村支援センター間のネットワークをいかに構築し、情報の共有化を図るかと いうことについて、じっくり取り組んでいない。
おそらく、都道府県レベルの支援センターにおいては、今後、市区町村の実態に踏まえ たコーディネーター養成研修が盛んに実施されていくと思うが、このような課題について
の事前の検討が必要と考えられる。
〈参考資料〉
平成14年7月29日 中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方 策等について」
平成2年1月30日 中央教育審議会答申「生涯学習の基盤整備」
(三上裕子)
−20−
2 体験活動ボランティア活動支援センターの課題
(1)体験活動ボランティア活動支援センターを設置した利点
支援センターの運営を生涯学習センター等に設置した25施設に対して、どのような利 点があったかを聞いた。(表1−2−12)
各問いに対する回答は、選択肢から複数回答となっている。
特に多かったのは「生涯学習センター等が蓄積してきた学習情報提供システム等を活用 できる」(22施設)、「コーディネーターや指導者の研修・養成講座を実施する場がある」
(20施設)など、生涯学習センター等の機能が活用できることを利点の一番にあげてい る。
また、「施設のパソコン等の機器が活用できる」(18施設)など、生涯学習センター 等の施設面(ハード)の利点をあげているところも多い。
注目されるのが、「市町村や部局・関係機関、関係団体とのネットワークが活かせる」
の17施設と「コーディネーターや指導者の研修・養成講座を企画できる(人材がいる)」
の16施設、「施設ボランティアや学習ボランティアを養成してきた経験が活かせる」の 15施設など、センター等が蓄積してきた事業実績や経験などのソフト面を利点にあげて いることである。ソフト面の充実は短期間で急にできることではない。
生涯学習センター等に支援センターを設置する意義もソフト面の利点にあると考えられ る。
表1−2−12 生涯学習センター等に設置してどのような利点があったか
(2)体験活動ボランティア活動支援センターに果たす役割
次に、支援センターの運営・支援に当たって、支援センターを設置している生涯学習セ ンター等の果たす役割について聞いた結果が、表1−2−13である。
①学習情報提供の支援 ②人材確保への支援 ③学習プログラムの開発・提供④ネッ トワーク構築の支援 ⑤場や機器等の提供が、生涯学習センター等が持つ役割の大きなキ ーワードになるものと考えられる。
表1−2−13 生涯学習センター等はどのような役割を果たすとよいか
(3)体験活動ボランティア活動支援センターの課題
支援センターの現在の課題について調査した結果が表1−2−14である。
特に、「他の機関や部局との連絡や情報の共有が十分でない」、「市町村間と人材確保に 関する情報がうまく共有できない」、「市町村がどのような支援を求めているかが把握で きていない」等が多くあげられていた。これは支援センター担当者の仕事が、複雑多岐に わたるため、実際に会って話をしたり、交流をもつ機会と時間が減り、人と人とのコミュ ニケーションの場や機会が少なくなってきたのではないかと考えられる。
次に、県レベルで活動を行う団体等の情報が集まらない、他県の支援センターとの連絡 調整が不十分であるなどがあげられた。予算の問題もあるが、PR等に力を入れたり、多
くの情報を収集したりするよう努める必要がある。また、ネットワークを構築するなかで、
情報収集に力を入れなければならない。
茨城県では県内4つの支援センター間で、連絡協議会を持ち、情報交換をしたり、市町 村を訪問して情報交換会を実施している。
しかし、いずれにしてもこの支援センターの存在がまだ周知されていない今、情報を必 要としている人たちや機関へ、表面上だけでなく内容が見える広報活動が望まれる。
また、ボランティア活動が広がりを見せている中で、青少年ばかりでなくさらに年齢層 を広げて、若者の活動をどう支援していくかも重要な課題である。また、支援センターの コーディネーター間のネットワークを、全国的にどう構築していくかも大きな課題のひと
−22−
つである。
表1−2−14 現在どんな課題があるか
図1−2−8 現在どんな課題があるか
(岩松 邦男)
第3節 関係機関・団体等との連携
1 体験活動ボランティア活動支援センターと関係機関・団体との連携
(1)他部局・機関との連携
支援センターの運営にあたって、どのような他部局・機関と連携をしているかを聞いた。
(表1−3−1)
表1−3−1どのような他部局・機関と連携をしているか(複数回答可)
また、これらの支援センターが連携している部局・機関の数は表1−3−2のとおりであっ た。5分野以下の部局・機関と連携していると回答した支援センターは21施設で、1分野 の部局・機関としか連携していない支援センターも6施設あり、まだまだ関係部局・機関と の連携が不十分な現状が伺える。
表1−3−2 支援センターが連携していると回答した部局・機関の数
連携を進めている支援センターの中で、4施設では7〜8分野で連携先を得ており、ほと んどの分野で連携を進めようとしていることが伺える。こうした支援センターは、連携を進 めることの意味や連携の効果をよく理解しているのであろう。
一方、連携先が1〜3分野にとどまるところは合計15施設であり、まだ連携先を模索し ている最中と考えられる。(表1−3−2)
表1−3−1の結果と合わせて見ると、連携先が1〜3分野の支援センターでは、連携機関 として教育委員会、公民館、青少年施設、首長部局(福祉関係)に集中しており、従来から のパートナーないしは関係機関にとどまっているといえる。
また、調査結果からは、首長部局(国際交流、保健・医療)との連携がほとんど行われて いない。高齢化や国際化が進む中で、いずれ強いニーズがある分野と思われるので、支援セ ンターでは、地域の実態を把握するなど基礎的なデータを蓄積しておく必要がある。
支援センターの運営にあたって他部局・機関とどのような内容の連携を行っているか聞い た結果が表1−3−3である。
表1−3−3 他部局・機関とどのような内容の連携を行っているか (複数回答可)
また、各支援センターの連携内容と項目数をまとめたのが表1−3−4である。
表1−3−4 連携内容の項目数
表1−3−3と表1−3−4から、連携を進めている支援センターのほぼ半数が、「活動の場や人 材確保に関する情報の共有化」と「広報・啓発活動」の分野で連携している。ボランティア 活動について連携を進める場合、活動の場や情報の共有化に関する連携は最初に手がける内 容であり、これなくしては他の連携も進まない。次に、こうして得られる情報を効果的に広 報・啓発するための連携が必要と考えられる。
このように考えると、連携内容の上位2項目は他の部局や機関と連携する際の必須事項と いえる。調査時点では、半数前後の支援センターでこの必須事項の連携は行われている。し
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かし、反対にこの2項目にとどまっているともいえる。それは、表1−3−4の連携内容の項 目数から判断することができる。すなわち、連携内容が1〜2項目の支援センターが25施 設中の19施設と大半を占めていることからも判断できる。
連携内容の3番目の「連絡調整会議等の開催」は、連携先の組織化と連携を効果的なもの にしていくために重要なものと考えられるが、連携が進む前から多くの関係者と連絡会議を 持つことは実際には困難であり、実際には中心になる関係者の連絡会を開催し、そこで連携 の輪をさらに広げるための話し合いをするという手順になるだろう。
5番目の「ホームページのリンク」は、インターネットが普及しホームページを開設する 団体や機関が多い現在では、労力を要せずに連携をすすめる有力な手段である。これはやる 気になればすぐにできることで、今後急速に増えるのではないだろうか。
以上の4つの項目は、すべて連携の「仕組みづくり」に相当するもので回答の大部分を 占めている。
4番目の「コーディネーター・指導者の確保養成」に関する連携は、支援センターの事業 を実施する際には切実な問題となってくると思われる。また、支援センターの活動が本格化 すると、各地で多くの指導者が求められるので、これに備えてコーディネーターや指導者の ネットワークづくりも展望しておくべきだろう。
連携内容のうち「連携プログラムの企画・提案・実施」は、調査時点ではごく少数にとど まっており、各支援センターでは連携を行うことによって、ボランティア養成の新しいプロ グラム開発や、従来の枠を越えた参加者の獲得など、連携による効果をさらに高い水準へ引 き上げるまでには至っていない。
全体を通した傾向として、調査時点では多くの支援センターで連携の仕組みづくりに着手 した段階であり、仕組みづくりとして必須の内容は的確に押さえていると思われる。しかし、
コーディネーター・指導者を確保・養成することや、プログラムの企画・立案といった、連 携によって内容をより充実させるという仕組みづくりの先に求められる内容についてはまだ 取り組んでいるところは少なく今後の課題となっている。
(2)関係団体との連携
支援センターの運営にあたって、支援センターがどのような関係団体と連携しているか聞 いた結果が表1−3−5である。(選択肢14種類)
表1−3−5 どのような関係団体と連携しているか
関係団体との連携の調査は選択肢が14となっており、部局・機関との連携の調査の選択 肢11より多い。そのため正確な比較はできないが、支援センターが連携していると回答の
あった団体の種類数(=支援センターの延べ数)は88となり、支援センターが連携してい ると回答のあった他部局・機関の分野数(=支援センターの延べ数)の84より多くなって いる。
連携団体の傾向は次のとおりである。
①ボランティア、福祉関係の団体が連携先の団体の上位にあり、半数前後の支援センター が連携をしている。
②PTA、青年団体、子ども会連合会との連携は、3〜4割の支援センターで行っている。
③体育・スポーツ団体、文化団体、まちづくり団体との連携は、2割強の支援センターで 行っている。
④女性団体、ボーイスカウト・ガールスカウト、環境保護団体との連携は1割強である。
⑤高齢者団体、国際交流団体との連携はほとんど進んでいない。
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全体の傾向から、連携先としてまずボランティア・福祉関係団体があげられるのは、当然 の結果であると思われる。次に、PTA、青年団体、子ども会連合会との連携が続くが、こ れらは実際にボランティア活動を担っている団体であり、活動の機会や人材が豊富なため、
連携する効果やメリットが高いからではないかと考えられる。
3番目は、スポーツや文化、まちづくりなどの団体となっている。これらは地域で多様な グループやサークルが存在し、それぞれが独自のカラーを有している。支援センターの連携 先としてはまだ多くはないが、これらとの連携は支援センターの活動の幅を広げるものと期 待される。
最後は、ボーイスカウトや環境保護、高齢者、国際交流などで、活動内容や対象が明確な 団体である。これらの団体は、自らボランティア活動を展開すると同時に、ボランティアや 協力者を広く求めている。調査時点では連携はほとんど進んでいないものの、連携内容や互 いのニーズがはっきりすれば規模は大きくなくても密度の濃い連携につながる可能性がある
と思われる。
支援センターを運営するにあたってどれくらいの種類の団体と連携しているかを整理する と、表1−3−6のようになる。これは他部局、機関の場合に比べるとより多くの種類の団体 との連携にシフトしていることがわかる。5種類以下の関係団体と連携していると回答した 支援センターは19施設で、1種類の関係団体としか連携していない支援センターが5施設 もあり、関係団体との連携が不十分な現状が伺える。6種類以上の団体と連携している支援 センターが6施設もあった。
表1−3−6 支援センターを運営するにあたってどれくらいの団体と連携しているか
支援センターの運営にあたって、関係団体とどのような内容の連携を行っているかを聞い たのが表1−3−7である。
表1−3−7 関係団体とどのような内容の連携をしているか (複数回答可)
図1−3−1関係団体とどのような内容の連携をしているか
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表1−3−8 各支援センターの関係団体との連携内容の項目数
連携内容の項目についての調査は、表1−3−6で示した他の部局・機関との連携内容の場 合と同じ選択肢のため、両者を比較することができる。したがって表1−3−6と表1−3−7を 比較しながら関係団体との連携の特徴を考察した。
まず、連携内容の項目数は、表1−3−4の他部局・機関の場合が延べ50(=支援センター 延べ数)あるのに対し、表1−3−8の団体の場合は延べ60(=支援センター延べ数)であり、
20%多い。つまり、全体としては団体との連携の方をより進めていることが伺える。
個々の連携内容では、第1位の「活動の場や人材確保に関する情報の共有化」は、25施 設中の18施設(表1−3−7)で、他の部局・機関との連携調査の13施設(表1−3−3)に比べ
ると多くなっている。これは、ボランティア活動を実際に担っているのは、教育委員会や生 涯学習センター等の施設ではなく、関係団体であるからと思われる。ボランティアに関する 情報がこれらの団体に豊富に存在することと、教育委員会や生涯学習センター等において活 動の場や人材情報などのニーズが高いことを示していると考えられる。
次に、「コーディネーター・指導者の確保、養成」と「ホームページのリンク」について は、他の部局・機関の場合に比べ、それぞれ4位と5位から3位と4位へと連携順位が上が り、連携している支援センターも少し増えている(表1−3−3、表1−3−7)。これもニーズが 高いと見るべきだろう。
一方で「広報啓発活動」、「連絡調整会議の開催」については、いずれもやや少ない傾向を 示している。連携内容の項目数(=支援センター延べ数)は、団体の場合の方が多いことを 考慮すると、この減少ははっきりとした傾向であることが分かる。広報や連絡調整について の連携は、生涯学習センター等と部局・機関の場合のように、公的組織同士ではまず「連携 の仕組みづくり」に着手されるものと思われる。団体との連携の場合も、この仕組みづくり が重要なことは同じであるが、団体との間で連絡調整会議など連携の仕組みづくりを進める
ことは実際には手間のかかるものである。団体ごとの個性や団体の組織実態を把握しきれて いないなどが考えられるからである。
支援センターを中心とした「連携体制の確立」や「連携プログラムの企画・提案・実施」
などについては、団体の場合は実際のボランティア活動に直結するだけに、今後支援センタ ーの活動が本格化するにつれ必要性が高まっていくものと思われる。
(河原 孝)
2体験活動ボランティア活動支援センターと市町村及び国との連携
(1)市町村との連携
支援センターの運営に当たって、市町村とどのような連携をしているか聞いた結果では、
「コーディネーター・指導者の研修・養成に関する連携」が17施設で最も多く、「活動 の場や人材確保に関する情報の共有化」が14施設でこれに続いている。さらに、「広報
・啓発活動に関する連携」(9施設)、「連絡調整会議等の開催」(9施設)及び「ホーム ページのリンク」(7施設)が3割前後を占めている。また、「支援センターを中心とした 連携体制の確立」という課題に挑戦しているセンターも5施設ある。(表1−3−9)
表1−3−9 市町村との連携の内容
(2)国との連携
国の体験活動ボランティア活動総合推進センターに期待する機能としては、「全国の支 援センターの活動状況等、情報発信」が24施設、「全国支援センター交流セミナー実施 等、情報交換の場としての交流」が21施設でこれに続く。
そして、「相談への対応についてのアドバイス等、相談」(16施設)、「県レベルのコ ーディネーターの研修講座実施等、研修」(15施設)、「講師の紹介等、人材バンク機能」
(15施設)、「海外の体験活動・ボランティア活動に関する情報・資料等の提供、情報 提供」(13施設)といった役割について、それぞれ半数以上の支援センターから期待が寄 せられている。(表1−3−10)
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表1−3−10 国の体験活動ボランティア活動総合推進センターに期待する機能
(3) 他の生涯学習センター等と市町村の連携
今回の調査において、支援センターを開設しなかった生涯学習センター等に対し、今後、
市町村とどのような連携をする予定かを聞いた。その結果を見ると、「コーディネーター や指導者の養成・研修を実施する」が10施設と最も多く、「県域レベルで活動を行う団 体等に関する情報を提供する」(8施設)、「コーディネーター等の人材確保に関する情報 を提供する」(8施設)、「体験活動ボランティア活動の場に関する情報を提供する」(8 施設)、及び「関係資料を提供する」(7施設)がそれぞれ3割前後を占めている。開設
した支援センターと同様、コーディネーターや指導者の養成・研修を重要視している傾向 が見られる。そして、人材確保やボランティア活動についての情報提供がそれに続く連携 上の課題と考えている。(表1−3−11)
表1−3−11開設しなかった生涯学習センター等の今後の市町村等との連携内容(予定)
(立田 慶裕)
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第4節 提 言
(1) 体験活動ボランティア活動推進のための生涯学習センター等の役割
以上の調査の結果から、まず、体験活動ボランティア活動推進のための生涯学習センタ ー等の役割について生じた課題を整理する。
① 支援センターの広報について
第一は、支援センターの存在をより広く住民に知らせる必要がある。その意味でも、名 称の問題を考える必要がある。各生涯学習センター等では、その利用の向上と利用者への 親しみを増すために、いくつかの支援センターは名称に工夫を凝らしている。これは、「ボ
ランティア活動支援」という目的を明示することはできなくなるというデメリットをもた らすが、いかにも、「行政によるボランティア活動の支援」であるという意味が薄れ、住 民自身が自分たちで作り上げていく支援センターであるというイメージを形成するには非 常に大きな効果がある。「こももセンター」という名称だけでなく、「やまぶしくん」と いったキャラクターを用いることによって、支援センターの住民への親近性を高め、その 存在を啓発することは非常に重要である。
どの県や市町村もが同じ名称で、機能面だけを強調した呼称であるよりは、それがまず 住民に親しまれる施設へと、その存在感を高めていく工夫が必要であろう。
② 専門職員の配置
第二に、組織面では、職員数、特に専門的な機能を果たすコーディネーターが極めて少 ないという状況がある。多くの支援センターで配置されるコーディネーターの数は、一人 となっている。これは、各支援センターの目的や対象人口、財政状況に即して決定されて いくことであり、数が多ければそれだけのサービスの充実が図れる一方、少ない人員でも 十分なサービスが行われるとすればそれでよい。コーディネーターの職員数が少ない場合 でも、ボランティア活動支援の機能を、生涯学習センター等として支援している例もある。
ここでは、各自治体とも財政緊縮の折、いかに適切な組織体制を整備し、必要な人材を 配置していくかという視点が重要となってくる。
特に、今回の調査では、各支援センターにおいて、公募制をとって新たなコーディネー ターを配置した生涯学習センター等と、従来活躍していた相談員やボランティアに対する 研修を行ってコーディネーターとして任命した生涯学習センター等がある。
公募の条件では、パソコン活用能力を有することを第一条件とした例が多いが、ボラン ティア活動への関心が高いこと、経験があること、子どもが好きなことなどをあげている。
他方、従来のスタッフを活用したり、研修を行って任命した生涯学習センター等では、
従来の活動経験や地域の人間関係ネットワーク、そして支援センターの設備・組織につい ての既存の知識や技術をそのまま活用できたという点で、今回の支援センターの設置を喜 ぶ声も多く聞かれた。
ただ、いずれの場合にしろ、コーディネータが今後さらに研修を重ね、その能力を高め